公開日 2014年05月28日
更新日 2026年03月30日
【相談内容】 (香川県労働委員会)
就職するにあたって、会社から「請負契約書」という文書を渡されました。どういう意味かよく分かりません。普通の会社員との違いはありますか。
【お答え】
労働契約とは、労働者が使用者に対して「働くこと」を約束し、使用者がそれに対して「賃金」を支払うことによって効力が生じます。この場合、労働者には、労働基準法、最低賃金法、労働契約法などの労働者保護法規が全面的に適用されます。
一方、「請負契約」や「委任契約」においては、これまでは「労働者」と認められない限り、労働者保護法規が適用されないのが原則でしたが、近年の働き方の多様化を受け、令和6年11月からは、フリーランス・事業者間取引適正化等法(以下「フリーランス保護法」という。)により、形式が「請負契約」や「委任契約」であっても一定の保護が図られるようになりました。
まず、契約の目的と性質の違いを確認します。
1. 労働契約:会社の指揮命令下での「労務の提供」を目的とします。働いた「時間」や「過程」に対して賃金 が支払われます。
2. 請負契約:仕事の「完成(成果物)」を目的とします。完成しなければ報酬が発生しないのが原則です。
3. 委任契約:特定の業務の「遂行」を目的とします。業務を行いさえすれば、成果物がなくても報酬が発生し ます。
次に重要なのが、「労働者性」の判断です。
契約書のタイトルが「請負」であっても、実態が以下の状況にある場合などは、法的には「労働者」とみなされ、労働者保護法規が適用される可能性があります。
・仕事の依頼に対して拒否する自由がない。
・業務の進め方について、会社から具体的な指揮命令を受けている。
・勤務時間や勤務場所が厳格に指定・管理されている。
・自分に代わって他の人が作業することが許されない(代替性の欠如)。
お尋ねの「請負契約書」を渡された場合、まずは「実態として自分に業務遂行の裁量(自由)があるのか」を確認してください。もし、会社員と同じように定時出社を求められ、会社からの細かな指示に従う必要があるなら、それは「労働契約」であるべき状態です。会社に対し、なぜ労働契約ではなく請負契約なのか、その理由の説明を求め、具体的な仕事の進め方について十分に話し合ってください。
また、契約を結ぶ際は、フリーランス保護法に基づいた「条件明示書」が正しく発行されているかも確認し、納得した上で合意することをお勧めします。
不明な点がある場合は、労働局や「フリーランス・トラブル110番」などの公的な相談窓口を活用してください。
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