公開日 2015年03月03日
更新日 2015年03月03日
開催日:平成27年2月9日
■議題
1 雇用情勢について
2 平成27年度雇用対策について
(1)雇用対策の方針
(2)雇用創出の取組について
(3)事業承継・人材確保センター(仮称)について
(4)県と高知労働局との雇用対策協定について
(5)その他
§高校生・大学生等の就職支援について
§「あったか高知・雇用創出プラン」の取組状況について
【開会】
副本部長(商工労働部長))
平成26年度、雇用対策本部会議を開催する。
【本部長あいさつ】
本部長(知事))
高知県の雇用情勢は、昨年12月が0.86倍で再び過去最高値の状況であり、いい傾向であろうとは思う。しかしながら、過去最高でもたかだか0.86倍ということに表れているように、高知県の経済はまだまだ脆弱であり、より多くの雇用を生み出していくために更なる取り組みの強化が必要である。
産業振興計画によって地産外商を進めて雇用を生み出し、また、日本一の健康長寿県構想を通じて、保健・医療・福祉分野での人材確保の取り組みも続けてきた。新たな取り組みを追加してより多くの雇用につなげることや、建設の側面においても人材を確保することが必要。
いずれにしても、全庁あげて27年度に向けて今後の雇用を生み出していくための取り組みを強化していかなければならない。
26年度の取り組みと27年度のいわゆるバージョンアップについて、それぞれの計画等で打合せを重ねてきた。
その確認を本部会議において行いたい。
【議題1】雇用情勢について <資料1>
高知労働局長)
国の総合的な労働行政は全国同じだが、それぞれが行政展開する地域の事情が大幅に違うため、その地域の事情に応じて効果的・効率的な労働行政を念頭に取り組んでいる。高知労働局は、高知県がおかれている少子・高齢・人口減少に歯止めをかけるために、労働基準・職業安定・職業能力開発・雇用機会均等の総合力で良質な雇用の確保・創出・紹介及び求職者・在職者のスキルアップに取り組んでいる。
雇用情勢は、リーマンショック前の平成19年8月の0.52倍をピークとし、リーマンショック後の平成21年5月から7月の0.39倍をボトムとしたとき、平成24年10月の0.62倍まで3年3カ月かけて0.23ポイント上昇。平成24年11月の0.63倍から右肩上がりとなり、平成26年7月に過去最高の0.86倍となった。中身を見ると、求人は少し減っているがそれを大幅に上回る形で求職者が減っており、雇用回復期の特徴を表している。現在の基調判断は、『雇用情勢は改善している』という状況。正社員の有効求人倍率は0.47倍と、全国平均が0.75倍ではあるが、過去最高。
新規学卒者の求人・就職状況では、9月末の県内企業の求人数は1,152人、前年同期が877人で、31.4%増。去年に比べると高校生の就職の選択の幅が大幅に広がっている。12月末では、高校生の就職内定率は84.8%と、平成5年以降過去最高。現在、未内定の方に対して『未内定就活生への集中支援2015』という個別支援等を中心に取り組んでいる。
人材養成に関して、「スキルアップ機会の拡大」という制度がある。例えば看護専門学校へ3年間行った方に対して授業料の4割を給付するもの。就職の厳しい時期にいい就職がなくて再チャレンジしたい方や離職した方だけではなくて、会社がそういう人材を育てるため採用して在職者訓練をする時にも使える。
最後に、実践型地域雇用創造事業については、効果があがるように取り組んでいきたい。
【議題2】平成27年度雇用対策について <資料2>
事務局)
◇平成27年度 雇用対策の方針(資料2 1ページ)
県内の雇用情勢は、パート求人が多いことなどまだまだ課題はあるが、改善しつつある。雇用情勢をより確かなものにするため、今後も全庁一体となって雇用対策に取り組むことが必要。「雇用対策」は求職者と求人をマッチングするという狭い意味にとどまらず、「産業振興計画」や「日本一の健康長寿県構想」を進めていくこと、地域の産業振興策に沿って企業等を支援する取り組みや、企業マッチング効果により雇用創出効果が期待できるような取り組みはまさに雇用対策。事業実施にあたっては、県内の雇用の誘発につなげるという意識を持って取り組んでいただきたい。
「県の雇用対策」としては、「働く場の確保・創出」と「円滑な就業の促進」という二本柱で進めていく。具体的な取り組みとして、「仕事をつくる」、「人と仕事をつなぐ」、「人材育成」の3つに分類している。まず「働く場の確保・創出」として、主に「仕事をつくる」部分になるが、「産業振興計画」や「日本一の健康長寿県構想」の推進などにより、雇用基盤の維持・強化を図っていきたい。次に「円滑な就業の促進」では、いろいろな取り組みが進み雇用情勢が改善する中で、県内の中小企業等では担い手が確保できないため事業拡大につながらない、あるいは事業所が休・廃業になるケースも見られる。そのため、「人と仕事をつなぐ」取り組みや「人材育成」がさらに重要となっている。
このような施策の取り組みを進めていく上では、国や関係機関との連携が必要不可欠。昨年7月には県と高知労働局とで「雇用対策協定」を締結するなど連携強化を図っているが、県内大学と連携した大学生の就職支援など、これまで以上に連携を強化することで雇用情勢のより一層の改善を図っていきたい。
雇用情勢が改善基調とはいえ、まだまだ雇用の場の拡大が必要。雇用形態や賃金など従業員の処遇の改善も充分とはいえない状況。昨年11月に『まち・ひと・しごと創生法』が公布され、平成27年度中に、法に基づく『高知県総合戦略』を策定することになろうかと思うが、「雇用の量」の拡大や「雇用の質」の向上に向けた取り組みの検討をお願いする。
◇雇用創出の取組について(資料2 2ページ)
予算編成時に照会した各部局の雇用創出の具体的な取り組みのうち、主なものをまとめたもので、各部局の取り組みを俯瞰するものとして作成。事業を実施するにあたって、部局間・事業間での連携などに活用していただきたい。
◇事業承継・人材確保センター(仮称)について(資料2 3ページ)
平成27年度に設置を予定している。平成25年度の高知県の休・廃業件数は、倒産件数の6倍にあたる215件、休・廃業によって失われた売上額は約200億円、従業員数は800人で、本県経済に大きな影響を及ぼしている。近年、休・廃業件数は増加傾向にあり、また、後継者不在であるという企業が5割を超える状況から、事業承継について官民あげて取り組む必要がある。事業承継施策を本格化させるためには、産業振興計画と組み合わせた官民協働の政策をフル活用していくべきだ。
「後継者」や「後継者の右腕」、または「事業拡大を図るための核となる人材」といった中核人材等の確保については、求人側となる事業所のニーズに合った人材を全国から発掘しマッチングするための特化した仕組みが必要。専門スタッフを配置し、各支援機関とも連携しながら人材の確保に努める。合わせて、現在雇用労働政策課内に設置している『U・Iターン企業就職等支援センター』を『事業承継・人材確保センター』に移す。求人ニーズについて、金融機関や産業支援機関・県・市町村が業務を通じて事業所と関わる中で、中核人材が欲しいといった求人情報を得られた際には『事業承継・人材確保センター』に情報をつなげていただくとともに、加えて拡大再生産のためにはこういった人材が必要ではないかといった提案を事業者に投げかけていただくなど、積極的なアプローチをお願いする。
県外の人材については、『U・Iターン人材情報システム』に登録している求職者や就職相談会に参加した方、また県と協定を締結している民間ビジネス事業者や移住コンシェルジュなど、移住施策と連携した取り組みや、国が設置する予定の『全国移住促進センター』などの、都市部人材の送り出し機関やシステムを積極的に活用することでマッチングを行う。県内人材については、金融機関や産業支援機関などが日頃の活動で知り得た人材情報の収集や『事業承継・人材確保センター』の周知を通じて、「企業経営の経験」や「事業拡大のノウハウやスキル」を持つ人材の登録を促進し、マッチングにつなげていきたい。求人ニーズを掘り起こし、様々な方法で得た求職者情報を活かしたマッチングができるよう、「無料職業紹介所」の許可も申請を行っていく予定。各部局には、事業所へのアプローチや『事業承継・人材確保センター』との連携に協力をお願いする。
【質疑】
副本部長)
これまでのところで、意見、質問はありませんか。
27年度の雇用創出の取組、各部局とも連携させていただきたい。介護福祉関係で何かコメントは。
地域福祉部長)
平成37年に向けて介護人材がどうなるのかという推計をしている。それによると、約10年後に900人超のミスマッチが起こるため、単純に計算して毎年80~90人くらいの上積みを計画するという試算がでている。「福祉人材センター」の体制強化と取組の強化を図り、隣接している「福祉研修センター」との連携強化を図ることによって、新たな人材の参入と他産業への流出防止に取り組む。求職者支援センター等関係機関との連携や少しでも有利な制度の活用など考えている。
副本部長)
他に何かありませんか。
本部長)
『事業承継・人材確保センター』というのは、決してこのセンター単独で成り立つものではない。いろんな関係部局間の連携が必要、そこをよろしくお願いしたい。事業承継の取り組みは人材確保だけでは成り立たない。経営再建などと一体となってはじめて事業承継につながっていく、もしくは事業発展の見通しがあってはじめて事業承継につながっていくということ。『ものづくり地産地消・外商センター』によるサポートや『地産外商公社』によるサポート、さらには日本一の健康長寿県構想の取り組みによるサポートが必要になってくる。各部局同士、ぜひともよく連携を取っていただきたい。
あともう一点。何といっても休・廃業が大変多く、この点に対する危機感というものは非常に大きい。逆に言うと、これにとどまるものでは決してない、ということ。拡大再生産を図っていくためにも人材の確保が必要だという点が一緒にあるので、前向きな側面もぜひ重視してこのセンターの運営を行い、それぞれ活用していただきたい。それぞれのセンター・『地産外商公社』などでかかわっていただいている中で、人材確保につなげていく→拡大再生産につながる→更なる雇用拡大につながる、そういう方向に持っていくことを意図するのも大事。その側面もぜひ重視して欲しい。
高知労働局長)
労働契約関係で、事業承継する場合どのように引き継ぐかという雇用関係のルールがある。私どもにはいろいろな相談機能があるので、私どもとも連携をよろしくお願いしたい。
副本部長)
それでは、次の項目に移ります。
事務局)
◇県と高知労働局の雇用対策協定について(資料2 4~5ページ)
昨年7月、県と高知労働局双方の強みを最大限に活用し、共同で雇用対策を推進する「雇用対策協定」を締結した。共同で推進する事業計画を毎年度策定し取り組みを進めることとしている。平成26年度は6つの大項目のうち3つで目標を立てて取り組んでいる。
平成27年度の事業計画概要(案)は、平成26年度とほぼ同様だが新たに2つの項目を追加。まず、「若者に対する就労支援」に、「県内大学との連携による大学生の地元就職支援」を追加。県内大学との就職支援協定の締結など「県内大学との連携」を進め、大学生の地元就職支援を行っていく。さらに、高知労働局は『働き方改革推進本部』を設置し、企業の自主的な働き方の見直しに向けた取り組みを強化することとしている。今後は県などとも連携して、働き方の見直しに向けた地域全体の機運の醸成に取り組み、魅力ある就業先を増やし、就業促進につなげていこうとするもので「その他」に追加。平成27年度の事業目標については現在検討中。
今後この項目に沿った、県と労働局の取り組み内容の整理や目標の設定について共同で作業を進め、平成27年度事業計画を策定することとなる。
◇高知県新規高卒者 県内/県外就職者数推移(資料2 6ページ)
グラフの緑の折れ線、「県内求人数」が示すように、リーマンショックの影響もあり、平成22年卒業生の県内求人数は大きく落ち込んだ。しかし、その後、学校による企業訪問やハローワークによる求人開拓、関係機関による求人要請、県内企業のご努力により、12月末現在1,289人で前年同月と比べて283人増加し、同時期においては平成10年度以降の最高値となっている。
求人要請については、昨年の4月から6月にかけて各部局から多くの団体・事業所に要請をいただいた結果、昨年度より925件多い、総数1,331件となり、早期の求人票提出と求人の拡大につながった。今年度から要請に合わせて、県と労働局・産業支援団体による7者協定に基づいて求人の拡大に関する取り組みを行ってきたが、高校生に関する求人情報は51件報告いただき、12月末で75名が就職内定している。この75名は、表の⑦県内就職者数593名の内数となっている。下から4行目の就職内定率も平成22年以降上昇しており、右端の12月末現在における84.8%は、平成5年度以降の最高値となっている。
◇平成27年度高校生・大学生の就職支援(資料2 7ページ)
高校生の県内就職については、高校・県教委・労働局・県が一体となって求人要請や就職面接会の開催などの支援を、また県外就職については高校・県教委・県外事務所等が中心となって求人開拓を行う。
県内大学の地元就職については、各大学への求人・求職状況を把握し、大学・県・労働局が連携し情報共有して就職面接会等の開催について支援を行うことや、県内大学との就職支援協定を通じた連携を促進していきたい。
また、本県では大学に進学する者の約8割、2,000人が県外に進学しており、こうした県外大学生を対象とした取り組みとして、本年6月に大阪で四国4県合同の企業説明会を実施する予定。
この他、県内企業に対して合同企業説明会への参加促進や、県外大学との就職支援協定を通じた連携推進によりUターン就職を強化する。なお、6校目となる同志社大学との就職支援協定を本年5月の締結に向けて、現在準備を進めている。
◇「あったか高知・雇用創出プラン」の取組状況(資料2 8ページ)
『あったか高知・雇用創出プラン』は国の雇用創出基金を活用した、働く場の創出を図る緊急対策として実施している。基金事業は平成21年度から実施し、平成27年度までの7年間、目標を14,800人として取り組んでいる。雇用目標14,800人に対し、平成26年12月1日現在の事業計画ベースでは14,761人が雇用されており、12月以降の計画分も加えてほぼ目標を達成するという状況。
厚生労働省より、現在実施している「地域人づくり事業」をもって全都道府県を対象とする基金事業は終了するとの通知があった。国の基金事業はなくなるが、今後は『まち・ひと・しごと創生』と連動した雇用創出や人材育成等の取り組みをお願いする。
以上で資料2「平成27年度雇用対策」についての説明を終わる。
副本部長(商工労働部長))
事務局からの後半の説明に対して意見・質問は。
最後に、本部長(知事)から一言。
本部長(知事))
平成27年度も、雇用対策に全力をあげていきたいと思います。すでに産業振興計画やさらには長寿県構想、それぞれのバージョンアップに向けての検討が最終段階に来ているが、それぞれについてしっかりと、『この事業・プロジェクトによってどれだけの雇用が生み出せるか、どれだけの正社員が生み出せるか』という具体的な雇用創出のイメージを持って進めていただきたい。
また部局間の連携をぜひ密に。新しい取り組みについては、多くの関連施策との相乗効果があって真の意味での効果を発揮する。例えば、『ものづくり外商センター』、移住促進の取り組みと『人材確保センター』、その三者の連携は必要不可欠。
引き続き新年度も、労働局の皆様とぜひ協力して取り組みを進めさせていただきたい。結ばせていただいた協定の成果が、絵に描いた餅になることなくひとつひとつ出てきていることに感謝を申し上げる。
副本部長(商工労働部長))
平成26年度雇用対策本部会議を終了する。
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