公開日 2024年02月05日
1. 概 要
高知港は、土佐湾の中央部に位置し、古くから京阪神と南四国を結ぶ海上交通の要衝として機能してきており、昭和26年に重要港湾に指定されています。
本港は、我が国の鉄鋼産業に不可欠な良質の鉱産資源(石灰石・蛇紋岩)の産地を背後に有し、その積出基地として、また、本県の基幹産業である園芸農作物の多くは、フェリーを利用して、首都圏及び京阪神へ供給されているなど、我が国における海上輸送網の拠点として、国の利害に重大な関係を有する港湾に位置付けられています。
高知新港(三里(みさと)地区)については、船舶の大型化等物流の効率化に対応するため、昭和63年に整備に着工し、平成10年3月に一部供用を開始しました。現在、3万D/W級の大型貨物船による輸送が行われるとともに、国際定期コンテナ航路が2航路就航し、外貿コンテナ取扱量は着実に増加しています。
本港の背後圏の中心である高知市は、高知県の政治、経済、文化活動の中心として重要な役割を果たしており、平成7年には輸入促進地域(FAZ)に指定され、高知新港周辺地域は高知空港、四国横断自動車道等と連携した国際的な交易・交流拠点地域としての重要性が高まっています。
高知新港は、太平洋に面するという優れた立地条件を有するとともに、高速道路網など広域交通体系による西日本地域との連携によって地域連携軸の要としての港湾の役割を果たし、高知県経済を支える国際物流・交流拠点へと発展することが期待されています。こうしたことから今後とも、新たな国際物流も視野におきつつ、既存及び計画施設の一層の有効かつ高度利用に努めていくこととしています。
一方、浦戸湾内港は変化に富んだ水際線を有しており、この水際線を全国に誇ることのできるウォーターフロントとして、一層、市民に開かれた空間とすることが求められています。そのため、地域住民の主体的な参加により、防災対策や自然環境の保全に配慮しつつ、人々が自然と共生し、交流が拡がる水辺空間を形成することが必要となっています。
こうしたことを背景に、
高知新港は「高知県経済を支える国際物流・交流拠点」
浦戸湾内港は「人々が自然と共生し、交流が拡がる水辺空間」
を高知港が目標とすべき将来像として掲げ、この将来像の実現を図るために、以下の方針を定め、平成20年代前半を目標年次として港湾計画を改訂するものです。
2. 港湾計画の主な方針
-
地域需要に対応した国際的な流通港湾として、船舶の大型化や貨物のコンテナ化等に対応するため、三里地区の水深12m、水深8m岸壁2バース(既設)において外貿物流機能の充実・強化を図る。
-
フェリーなど内貿ユニットロードに対応するターミナル機能の充実・強化を図るため、三里地区において、フェリー、RORO貨物を取り扱う水深7.5m岸壁1バースを、フェリー・旅客船ふ頭として水深9m岸壁1バースを計画する。
-
交流の活発化や国際化の進展に対応した交流拠点空間の形成を図るため、潮江地区及び三里地区において、交流拠点用地を計画する。
-
港湾と背後地域及び港湾内各地区の円滑な交通を確保するため、臨港道路浦戸湾横断線(既定計画:2車線)を4車線として計画する。
-
観光やレクリエーションの需要に対応した、快適で潤いのある港湾環境を創造するため、桂浜地区において、県内最大の集客を誇る「桂浜」の魅力向上のため緑地・海浜等を計画する。
-
港内に放置されているプレジャーボート等の小型船の秩序ある係留・保管など水域管理の適正化を図るため、仁井田地区において、小型さん橋10基を計画する。
-
浦戸湾の景観を観光資源として活用するとともに、市民生活の利便性の向上に資する湾内旅客船ネットワークの形成を図る。
-
大規模地震等災害時の緊急避難及び緊急物資輸送拠点機能の充実・強化を図るため、三里地区水深11m岸壁1バース、潮江地区水深7.5m岸壁1バースを耐震強化岸壁として計画する。
2. 港湾計画の主な内容
(1)公共ふ頭計画(フェリー及び旅客船計画含む)
地区名 |
対象船舶 |
水 深 | バース数 | 延 長 | 摘 要 |
---|---|---|---|---|---|
三 里
|
55,000D/W |
-14m |
1 |
280m |
|
30,000D/W |
-12m |
1 |
240m |
(既設) |
|
18,000D/W |
-11m |
1 |
190m |
(耐震強化岸壁) |
|
30,000G/T |
- 9m |
1 |
260m |
フェリー・旅客船兼用 |
|
6,000G/T |
- 8m |
1 |
240m |
(既設) |
|
10,000G/T |
-7.5m |
1 |
180m |
フェリー・RORO船兼用 |
|
5,000D/W |
-7.5m |
1 |
130m |
|
|
潮 江 |
5,000D/W |
-7.5m |
1 |
130m |
イベント船兼用(耐震強化岸壁) |
若松町 |
19G/T |
- 3m |
1 |
40m |
小型旅客船 |
桂 浜 |
19G/T |
- 2m |
1 |
40m |
〃 |
港 町 |
19G/T |
-6.5m |
1 |
40m |
〃 (既設) |
横 浜 |
19G/T |
- 2m |
1 |
40m |
〃 |
仁井田 |
19G/T |
-4.5m |
1 |
40m |
〃 (既設) |
三 里 |
19G/T |
- 2m |
1 |
40m |
〃 |
(2)外郭施設計画
地区名 | 名 称 | 延 長 | 摘 要 |
---|---|---|---|
三 里 | 東第一防波堤 |
1,100m |
|
東第二防波堤 |
270m |
||
南防波堤 | 1,300m | ||
護 岸 (防波) |
765m |
||
種 崎 | 種崎防波堤 |
343m |
親水化 |
桂 浜 | 桂浜防波堤 |
737m |
親水化 |
(3)小型船だまり計画
地区名 | 水 深 | 延 長 | 摘 要 |
---|---|---|---|
三 里 |
-4m |
185m |
ポートサービス・官公庁船 |
-3m |
1,090m |
漁 船 | |
-6m |
150m |
官公庁船 | |
港 町 |
-6.5m |
150m |
官公庁船 (既設) |
若松町 |
-3m |
690m |
プレジャーボート |
-1m |
110m |
〃 | |
横 浜 |
-1m |
140m |
〃 |
小型さん橋 |
2 基 |
〃 | |
仁井田 | 小型さん橋 |
4 基 |
〃 (H17年3月軽変) |
御畳瀬 |
-1m |
-1m |
〃 |
種 崎 | 小型さん橋 | 小型さん橋 | 〃 |
(4)専用ふ頭計画
地区名 | 対 象 船 舶 | 水 深 | 摘 要 |
---|---|---|---|
西 孕 | 5,000D/W | -7.5m | 690m |
仁井田 | 2,000D/W | -5.5m | H21年3月軽変 |
(5)臨港交通施設(道路)計画
三 里 | 臨港道路新港 1号線 2~4車線 (起点) 三里地区公共ふ頭 (終点) 県道桂浜宝永線 |
臨港道路新港 2号線 2車線 (起点) 臨港道路新港 1号線 (終点) 臨港道路新港 3号線 |
|
臨港道路新港 3号線 2車線 (起点) 三里地区フェリーふ頭 (終点) 県道桂浜宝永線 |
|
弘化台 | 臨港道路浦戸湾横断線 4車線 (起点) 県道桂浜宝永線 (終点) 高知広域都市計画道路(3・3・27号 潮新町線) |
北タナスカ | 臨港道路北タナスカ 1号線 2車線 (起点) 北タナスカ公共ふ頭 (終点) 県道桂浜宝永 |
種 崎 | 臨港道路種崎 3号線 2車線 (起点) 種崎小型船だまり (終点) 県道弘岡下種崎線 |
(6)港湾環境整備施設計画
地区名 | 規 模 | 地区名 | 規 模 |
---|---|---|---|
三 里 | 緑 地 7ha | 横 浜 | 緑 地 4ha |
海 浜 330m | 海 浜 450m | ||
種 崎 | 緑 地 8ha | 潮 江 | 緑 地 5ha |
桂 浜 | 緑 地 2ha | 港 町 | 緑 地 1ha |
若松町 | 緑 地 1ha |
この記事に関するお問い合わせ
所在地: | 〒780-8570 高知県高知市丸ノ内1丁目2番20号(本庁舎5階東) | |
電話: | 港湾管理担当 | 088-823-9883 |
海岸管理調整担当 | 088-823-9886 | |
計画担当 | 088-823-9885 | |
港湾建設担当 | 088-823-9884 | |
海岸建設担当 | 088-823-9886 | |
津波対策担当 | 088-823-9887 | |
ファックス: | 088-823-9657 | |
メール: | 175001@ken.pref.kochi.lg.jp |