第1回「対話と実行座談会」(地域地域で産業振興に取り組む実践者を広げるために)

公開日 2013年02月08日

更新日 2014年03月16日

平成24年度第1回「対話と実行座談会」

日時:平成24年8月1日(水曜日)18時から20時15分まで
場所:高知城ホール(高知市丸ノ内2丁目1-10)2階 大会議室
出席者:土佐まるごとビジネスアカデミー(土佐MBA)等受講者 8名
     土佐まるごと社中 2名

座談会要旨

1 開会
2 知事の県政方針の話
  (1)「対話と実行」について
  (2)第2期産業振興計画について
3 参加者(実践者)の取組内容の発表について
4 「土佐まるごと社中」の趣旨や活動内容について
5 参加者(実践者)との意見交換
  (1)目指せ!弥太郎商人塾などの受講生が試食PRをする場について
  (2)行政の融資制度について
  (3)利用できる支援策を的確に紹介する仕組みについて
  (4)個人事業者に対する人件費補助について
  (5)マッチングできる仕組みづくりについて
  (6)県内のクリエイターの人材育成と政策に必要なIT環境について
  (7)マッチングの機会を増やすメリットについて
  (8)地域とのマッチングの仕組みづくりについて
  (9)地域地域で学ぶ環境の整備について
  (10)商品開発等に県内の大学生の意見を
6 一般傍聴(会場)からのご意見
  (11)支援策のコンシェルジュ機能について
  (12)大学の研究室とタイアップした商品開発について
7 閉会

配布資料
「第2期高知県産業振興計画PR版」 [PDFファイル/32.5MB]


1.開会
(司会)

 平成24年度 第1回「対話と実行座談会」を始めさせていただきます。 
 さて、この「対話と実行座談会」は、知事が各地域におうかがいをして、県民の皆様と対話をさせていただいて、地域の実状や課題をお聞かせいただき、県政に反映させていこうということで、平成20年度から開催をしております。本年度は、県が進めている政策の中から4つのテーマを設定して座談会を開催させていただくこととしており、本日がその第1回目となります。
 本日の「対話と実行座談会」は、「地域地域で産業振興に取り組む実践者を広げるために」というテーマで、志を持って「土佐まるごとビジネスアカデミー」などの県の研修を受講されている実践者の方々8名の方にご出席をいただき、知事と意見交換を行なっていただきます。
  なお、本日は県内の産業界、また、大学の代表の方にもゲストとしてご参加いただいており、それぞれのお立場でご助言をいただく予定となっておりますので、よろしくお願いいたします。

  このあと、実践者・ゲストの紹介をし、要約筆記(聞こえの不自由な方にその場で音声を文字にして伝える活動)の実施についての説明が行われました。

2.知事の県政方針の話

(1)「対話と実行」について
(知事)
 今日は、皆さんお集まりいただきましてありがとうございます。
 「対話と実行座談会」は、一期目の4年間で県内各地、計65回実施させていただきました。いろんな地域を回らせていただいて、それぞれのテーマでお話をうかがってきて、そのいただいたお知恵を、この産業振興計画にも大いに活かさせていただいております。
 今年は、「対話と実行行脚」といって、1市町村を1日かけて回らせていただき、いろんなお話をうかがうという事業を展開させていただいており、今のところ(平成24年8月1日現在)5市町村回らせていただいておりますが、このような座談会形式も、引き続き今年も、4回開催させていただく予定です。
 今日は第1回、産業振興計画についてですが、本当に活発に事業を展開しておられる皆様方からいろんな事を教えていただきながら今後の事業展開にいかさせていただきたいと考えております。

(2)第2期産業振興計画について
(知事)
 第2期産業振興計画には、二つの大きな特徴があります。まず、第1期計画に比べて根本的に変わったところがあります。そこについてまずお話をしたいと思いますので、パンフレットの1ページ、2ページをご覧ください。
 こちらに、「第2期計画の目指す将来像」と書いてありますが、この一番上のところに、産業振興計画の推進によって目指す将来像、「地産外商が進み、地域地域で若者が誇りと志をもって働ける高知県」と書いてあります。
 そして、その下に県際間収支の改善、そして人口の社会増減をプラスにするという数値目標を掲げています。第2期計画では、明確にアウトカム目標を掲げ、また、関連の数値目標も掲げることとしました。
 我々県庁の仕事、インプット目標やアウトプット目標だけでは駄目で、やった結果として県民の皆さんの生活がどうなったかという結果が伴わなければ駄目だと思っております。そういうことを意識した仕事をするという観点からもこういう目標を明確に掲げているということが特徴のひとつです。
 そしてもうひとつ、多くの関係者の皆さんと目標を共有して同じ方向を向いて取り組みを進めることができれば、より相乗効果を発揮することができるのではという思いで、この成功イメージを掲げております。「地産外商が進み、地域地域で若者が誇りと志をもって働ける高知県」を目指す。人口減少が進んでいる中、地産外商を進めていかなければジリ貧です。例えば、工業団地をつくって、そこに富を集積し、その富を分配するという方式は、高知県のような地理的、地勢学的条件では成し得ないと思っております。むしろ地域地域で残っている自然を活かして、いかにビジネスとするか。若い人が一生の事業として展開しようと思える事業にまで育てていけるかどうか。そういうことが高知県にとっては向いているし、また必要なことではないかと思っています。そういう意味で、「地域地域で若者が誇りと志をもって働ける高知県」を目指すという目標を掲げているところです。
 地産外商が進んだかどうか。これを県際間収支の改善という数値ではかりたいと思っておりますし、また、地域地域で若者が誇りと志をもって働いているかどうか。人口の社会増減をプラスにするということを数値目標として掲げています。
 農業、林業、水産業、商工業、観光、そして地産外商、特に食品加工の分野、それぞれについて目指すイメージと、そして数値目標を掲げての取り組みを進めているところです。
 3ページには、産業振興計画の構成について書いていますが、産業成長戦略として、農業、林業、水産業、商工業、観光、さらに分野を超えた連携課題として、全部で331の政策の展開を図ろうとしています。あわせて、地域地域の資源をいかして、それぞれの事業を各地域で実施していただく220の地域アクションプラン。この二つの構成でやっているところです。
 産業成長戦略は、共通のプラットホームとして、地域アクションプランの取り組みをバックアップするものであり、かつまた、産業成長戦略そのもので経済効果をもたらそうとする狙いもあります。
 では、この産業成長戦略について二つお話をさせていただきたいと思います。まずひとつ目は、今後の成功イメージとの関係についての話です。二つ目は、高知県の抱えている構造問題に対処しようとするのが、この産業成長戦略でもあるというお話。この2点をお話させていただきたいと思います。
 まず、第一点目について、11ページをご覧いただき、農業の分野を例にとってお話をしたいと思います。
 この11ページには、生産・加工・流通・販売としてそれぞれの施策について、具体的にこういうことを行なっていくということを書いております。例えば高収量、高品質に向けて学び教え合う場を作っていく、さらには環境保全型農業を推し進める、そして、新しい施設園芸の仕組みを構築するなどの取り組みを紹介しております。
 産業振興計画の特徴として、生産・加工・流通・販売、川上から川下まで、それぞれの取り組みを進めていく施策をフルラインナップでそろえようと努力をしています。
 現在、農業産出額は930億円。この11ページにあります施策の展開を進めていくことで、4年後には農業産出額1000億円以上を目指していきたいと考えています。就農人口は、高齢化等の影響により毎年1000人ぐらいずつ減っています。そういう右肩下がりでの時代ではありますが、何とか右肩上がりの数値を維持できないかということで、農業産出額1000億円以上という目標を掲げています。
 5W1Hを明確にした形で具体的にそれぞれの施策をどのように、いつまで、どういう形でやっていくかということについて詳細に計画を立て、これを、PDCAサイクルを回して毎年見直していくことで4年後の1000億円以上を目指していきたいと考えています。
 更に、10年後の目指す姿として農業産出額1050億円以上を目指すと書かせていただいております。ここにありますように、4年後から10年後で、さらにもう一段飛躍をしたいと思います。ただ、この10年後の1050億円という目標を達成するためには、これから4年間やり続けていることの延長では足りないだろうと思っております。さらにレベルアップした取り組みをしないと達成できないだろうと思っています。その点をここにさらなる飛躍へのポイントとして書いております。
 具体的には、オランダ並みの生産性を目指す新施設園芸システムを県内各地に普及するということです。毎年1000人ぐらいずつ就農人口は減っていくでしょう。これに対して、今、年間230人以上ぐらいは新規の就農人口を確保しよういう取り組みを続けてきております。それでも何百人かは減っていきます。しかしながら、土地の生産性を上げることによってこの農業産出額の1050億円以上という目標を是非達成したいと考えております。
 今、農業技術センターでは、オランダと技術協定を結んでより生産性の高い園芸システムの開発を進めており、農業振興部長もオランダのウェストラント市を訪問しています。
 4年間、こういう形で飛躍に向けたギアをもう一段上げて、レベルを一段上げるための準備を進めていきます。そして4年後からそれを具体的に実践することで10年後にはこの目標を達成していこうとしております。このように、それぞれの分野において4年後の目標、10年後の目標を目指した取り組みを進めていこうとするのが、産業成長戦略ということになります。
 産業成長戦略のもうひとつの特徴として、5ページをご覧ください。高知県経済が抱えている課題に正面から取り組むことを重視して成長戦略を作っているところです。
 高知県経済が抱える4つの課題があります。この「課題1」として人口減少によって縮小を続ける県内市場頼りという点。高知県は、人口が減っていますので、県内市場は、ピークに比べて約2割縮んでいるのが現在の状況です。足元の経済だけに頼ってしまってはジリ貧だということで地産外商を目指す。もしくは観光客を呼んで来て、観光客の皆さんにお金を使っていただくことで県内に外貨を落としてもらう取り組みを進めようとしています。
 例えば、6ページの下にありますように、目指す方向として地産地消を徹底する。さらに地産外商のさらなる推進を図る。さらには輸出の拡大を目指すという方向を示しています。地産外商のさらなる推進としては、高知県地産外商公社における売り込み支援に加え、産業振興センターに外商支援部を設置し、防災関連産業などの機械装置の売り込みも行っています。また、地産地消の徹底としては、結婚式の引き出物に県産品を使ってもらうためのカタログを作るといった取り組みも9月にスタートさせます。
 「課題2」として、産業間の連携が弱い。農業産出額を分母にとって分子に食料品製造業出荷額をとります。この比率をとると、高知県は、全国第46位です。高知県ぐらい農業をやって、それを加工して売るということをやっていない県というのはありません。ある意味、非常に生鮮にこだわってきて生鮮に力があったということでしょう。
 しかしながら、もう一段伸びていくために、産業間を連携して、第一次産業と、他の産業との連携によって加工を強化するといった取り組みをこの「課題2」の中で進めています。
 あわせて、ものづくりの地産地消とありますが、ものづくりは、できるだけメイドイン高知でやる。メイドイン高知でやって、それを外に持って行って売るから外貨が高知県に落ちます。残念ながら加工は県外の業者さんにお願いしているということが高知県の場合はたくさん起こっている。できるだけ県内事業者さん同士で、ものづくりのマッチングを図っていきたいということで、ものづくり地産地消センターを設けましたが、これまでに60程度の事例が生まれています。
 ただ、「課題3」として8ページにあるように、第一次産業の強みが強みでなくなりつつある課題があります。そのため、第一次産業における人づくりを進めなければなりません。
 そして、「課題4」。9ページにあるように、資本や産業集積が乏しいという問題もあります。一事業所あたりの設備投資額の、全国平均を100とすると高知県は46しかない。
 設備投資の数が非常に少ないから、更新投資もままならず、資本ストックがどんどん落ちていっている状況です。人も減っている。加えて資本も落ちていく。そうなると、自ずと全体として経済として小さくなるということが避け難い状況です。設備投資をどうやって活発化していくか。さらに、新しいものづくり産業をどう振興していくか。南海地震対策と平行して防災関連産業の振興を図っていけないだろうかと現在考えております。
 経済全体が衰退していくと、人材の流出のみならずチャレンジしようとする人材が減っていくということも危惧しています。そのため、産業人材の育成におおいに力を入れていきたい。これこそ究極の県勢浮揚策だと思っており今日ご参加の皆様に受講していただいている「土佐まるごとビジネスアカデミー」などの取り組みを進めているところです。
 約2年、商人塾や農業創造セミナーなど、いろんな取り組みをやってきました。さらに体系的にということで、産学官が連携して「土佐まるごとビジネスアカデミー」を新しく立ち上げ、現在、延べ1000人ぐらいの方に受講していただいたところです。
 それぞれの分野において、この「課題1」から「課題4」までに対応した、産業成長戦略を作っています。あわせて、地産外商公社の創設や、「土佐まるごとビジネスアカデミー」の開講といったそれぞれ課題に直接対応した施策の展開も図っています。
 いずれも構造問題にどう立ち向かうかという話であり、そう簡単な問題ではない。しかし、正面からぶつかって行くことでひとつひとつ成果をあげていきたいと考えています。
 是非、こういった展開を図っていくにあたり、もっとこうしたらいいんじゃないかというお話を、今日お伺いしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

3.参加者(実践者)の取組内容の発表について

 土佐まるごとビジネスアカデミーなどの県の研修を受講したきっかけ、受講を通して身に付いた(付けたい)もの、自身の抱えているビジネスの課題等

(参加者A) 
 室戸のジオパークのお話からしたいと思います。
 室戸ジオパークが去年の9月に世界ジオパークに認定されました。龍馬伝から後、高知県全体の観光客の数が少しずつ落ちてきている中で室戸では増えてきているという数字が出ています。これはジオパークに認定されたからと思っておりますが、では、ジオパークって何?と聞かれた時、それはこういうものですよということを言える方はなかなかいないんじゃないかと思います。ジオパークと言われた時に皆さんがイメージするのが、室戸岬の突端の岩があって、波が来ているというような感じのものではないかと思います。それもジオパークなんですが、それだけではなくて、山も海も川も、それから、人も文化も全て含めてジオパークというふうに言われています。
 山や川というのはわかりやすいんですが、海底も地面というふうに考えていただくと、その上にあるもの全てがジオパーク、つまり生きている私達も飛んでいる鳥も美味しいキンメダイも全てジオパークということになります。
 室戸岬はV字をしているんですが、その右側は一気に深くなっています。そこに深層水が流れてきてどんと当たって上がってくるので、室戸というのは深層水が大変採りやすい場所になります。その深層水のおかげで、室戸にはたくさんの種類の魚がいたり、またプランクトンや魚を追いかけて鯨がやって来るというような文化があります。そういうのも含めてのジオパークということを話したかったです。
 今回、海底のジオラマを持ってきてあります。海底の形を見るのに凄くいいと思うので、是非、見て帰ってください。
 現在、室戸の外からも若者が入って来ています。私も高知市出身ですが、今、室戸に来て3年目になります。また、何かおもしろいことをやってやろうと地元の者が集まって来ている気配も感じていますが、その中で、私も何か皆の役に立ちたいという思いがあります。
 2年前に商人塾の臼井クラスに参加させていただきました。その時に自分が勉強することの大切さを知りましたし、また、仲間ができたこと、異業種のことを知ったことがその後の仕事の役に立ったと感じました。だから今回、土佐まるごとビジネスアカデミーでもいろいろ勉強して、皆で何かやろうとなっている時に、それだったらこの人に聞きに行ったらいいよとアドバイスできるようになれたらと思って受講をしています。
(参加者B) 
 私の研修の受講のきっかけというのは、まだ会社に入ったばかりで、社長から「行ってこい」という一言でした。一体何をするのかも全くわからないまま、いきなり説明会に行かされました。そこで「もうするしかないな」と覚悟を決めました。
 農業創造セミナーに参加させていただきました。馬路村農協さん、道の駅四万十とおわさん、長崎のシュシュさんという3箇所に現地研修ということで参加させていただきましたが、3箇所ともそこに働いている若い方達がすごく意欲的で、皆さんが笑顔で働いていたというのがすごく印象的でした。私が所属する団体はちょっと高齢化が進んでおり、なかなか若い人が地元に残ってくれません。その原因は、地元に住んでいる私達が、地元のことを自信を持って「こんな良いところがある」と人に紹介できないことではないかと考えました。
 いろんな良いものがたくさんあるので、それらを私達自身がもう一度振り返って認識して、発信していけたら、芸西村、かっぱ市もこれからどんどん発展していくのではないかと研修で学ばさせていただきました。
 私達、かっぱ市では、商品の背景が分かるような販売方法の大切さを実感しています。
 これから従業員一同勉強しながらやっていきたいと思っています。
(参加者C) 
 昨年の1月から新規就農者として香美市土佐山田町でニラを生産しています。
 現在はハウスを1.7ha、路地で1haのニラを作っています。今年から主人と2人、親の圃場の一部を分けて経営をしています。通帳を見ながら金銭面で農家の厳しさを感じています。
 私は、平成22年度の商人塾で商品づくりについて学びたくて、玉沖クラスを受講しました。そして、誕生したのが山田のニラキチというニラの加工品です。
 研修を受講するに至ったきっかけは三つあります。ひとつ目。高知県はニラの生産量日本一であるのに、そのことがアピールされていないこと。とても残念に思いました。
 二つ目は、ニラ生産量日本一でありながら、ニラの加工品というものが高知県内に出回っていないということ。
 三つ目。生涯やりがいをもって農業を続けていくためにも農家がプロデュースする加工品を作って、若い女性の仲間作りをしたいと思いました。
 そんな中、一昨年の「目指せ!弥太郎 商人塾」のステップ1に参加して、ドーナツの開発についての話を聞きました。とてもわかりやすい内容の講義で、この先生に商品づくりについてさらに詳しく教わりたいと思ったのが受講のきっかけです。
 農業を始めて2年目になりましたが、ニラの加工品を作ろうと頑張ってみても、周りからは、「ニラのこともよく知らないのに。」と言われることもありました。反対に、応援してくれる人達ともたくさん出会いました。加工品に取り組むことでニラの品質を手や味覚で感じることができて、1年四季を通じて、こんなにもニラが変化するんだということを知りました。
 加工品づくりに取り組んだからこそ、今はもっとニラの栽培について1日でも早く自分自身が学ぶべきだと感じています。
 研修に参加して、商品と向き合うことの大切さ、消費者にPRするための言葉づかいやひきつけ方、プレゼンテーションを行なう際に必要なことなど意識をもって取り組むようになりました。
 弥太郎商人塾という研修の場がなかったら、加工品の開発にはつながらなかったですし、同じように頑張っている人達との出会いがあったお陰で、「加工品づくりは大変だからやめたらいい。」という言葉が言えない状態です。
 研修を終えた時は、農業と加工品づくりを両立していく気持ちでしたが、家族の理解が得られず、1人で取り組むことの辛さを感じました。ニラを包装する機械のことで県内の企業に相談に行ったんですが、1人で行ったものでその後の返事はなく、個人を相手にしてもらうことの厳しさ、難しさも感じました。また、何をどう聞けばいいのかわからないということでも悩みました。
 地元発信の加工品として山田のニラキチを売り出していきたかったんですが、土佐山田町は農家が多い地域なので、「ニラはタダなのに商品が高いね」と言われて、加工して販売することの大変さを感じました。売れ残っている商品を見ると、そのまま農作物として出荷したほうがいいんじゃないか、何かかわいそうだなとも思いました。
 また、衛生面の知識がないので、このまま家で作っている状態でいいのかという不安も生まれました。農業と加工品づくりを両立していくのは厳しいということを改めて今、感じています。
 今は加工品販売というのは、短期の勝負ではなくて気長に取り組んでいって、周りの理解を得ていきたいなと思っております。 
(参加者D)
 私は、平成22年度の「こうち地域産業振興人材育成塾」に参加させていただきました。私は2年前まで東京在住で、高知に帰ってまだ1年と1ヶ月経ったぐらいです。私は全く高知に戻って来るつもりがありませんでした。東京では今高知で立ち上げた会社とは別の一級建築士事務所とデザイン事務所を営んでおりました。スタッフもおりました。
それが、2年くらい前に、両親の体調不良がきっかけで、高知と東京を往復する生活を始めました。その間に少しずつ、全く疎遠になっていた高知でのご縁が復活していきました。また、両親に万が一のことがあれば、両親の事業を引き継がなければいけないと考えた時に、初めて高知を意識しました。
 そうした時に、県庁のホームページで人材育成塾の募集の広報を見て、これだと思って参加させていただきました。
 まさか自分が帰って来るとは思わなかったんですが、月に1回人材育成塾で戻って来る度にすごく素晴らしい方にたくさん出会ったんです。
 そうした方々とのお付き合いが、少しずつ始まったのをきっかけに、高知ってすごいいいところだと思えるようになりました。
 高知と東京を往復している間に、こういったやりとりをツイッターやウェブに少し発信したりしていたのですが、それを見てくださった農家さんから「うちにもちょっと遊びに来てよ。」とお声掛けをいただいて、お伺いました。生姜の粉はあるけれども、どうやって新しい商品を作ったらいいかわからないというお話を聞いて商品開発がスタートしました。
 現在売り出しているのは、スティックタイプの生姜パウダー「アラジン」という商品ですが、この商品に行き着くまで半年ぐらいかかりました。
 東京で生姜関係の商品をたくさん買い集めては高知に持ち帰って、今までにない商品を作ろうと思い、これに取り組みました。
 とにかく毎日携帯してほしいということで、「軽くてお化粧品のように持ち歩ける生姜パウダーを作ってはどうか」というお話になり、こういう商品に行き着きました。
 商品開発で何が一番困ったかというと、本当に良い商品、素材があるのに、その次のステップに行く力が無いということです。
 商品ができてからもすごく大変で、販促とかPRなど、少しずつメディアなどの媒体に取り上げていただけるようになり、やりやすくなってきました。こうした中、昨年思い切って会社も家族もこちらに引っ越して来ました。現在、5人いるスタッフは全員東京からの移住です。
 東京で資金を稼いで、それを高知で使うという自転車操業の状況ですが、仕事のクオリティーを落とさないために必要なのがやはり人材。高い志と技術の両方を持った方を探すのに苦労しています。
 作った商品を知ってもらう場を作りたいと思い、ひろめ市場の北側に飲食店をオープンしました。県外から来た方が地元に根付いて、それで独立してやっているという流れを作りたいと思い、一連のことを今やっている状態です。
 新しい会社を作る時、人材育成塾で一緒だった銀行の方に助けていただきました。
 また、ずっと相談相手になってくださっている県庁の方々など、本当にご縁に感謝しています。何とか頑張って踏ん張っていきたいと思っています。よろしくお願いします。
(参加者E)
 私は平成22年、高知県本山町に高知県地域おこし協力隊として赴任しました。私は、三重県出身で大阪の大学に通っていました。いわゆるIターン者です。そしてこの地域おこし協力隊が初めての仕事になります。
 本山町、嶺北地域、そして高知県について学ぶ研修にいろいろ参加させていただき、地域資源の掘り起こしを行いました。
 本山町には現在9人の地域おこし協力隊がおり、それぞれが活動しています。私がやっているのはまず、マコモタケの栽培や耕作放棄地を活用した新商品の開発・研究です。
 次が、林業の活性化。自伐林業方式による間伐搬出のボランティア活動や木質バイオマスエネルギーの活用をしております。
 また、どぶろくのツーリズムの支援や棚田の風景を眺める展望台の建設、土佐あかうしなどの地域資源を使った六次産業化などに関わっております。
 私は、土佐あかうし研究会を地元の畜産農家の方と立ち上げて、その方々と一緒に平成22年度の農業創造セミナーを受講しました。
 先進地視察などを通じて、土佐あかうしについて関係者が共通の言葉で語れるようになった方がよいと教わりました。
 今年度は、「目指せ!弥太郎 商人塾」の玉沖クラスを受講して、土佐あかうしの加工品の商品開発に取り組んでいるところです。
 また、今年度は土佐あかうしを皆さんにもっともっと知っていただこうと、「とさ旅セミナー」も受講しております。
 私は、「学びの場がたくさんある良い時期に高知県に来たな」と本当に感謝しております。
 地域おこし協力隊の任期は3年で、今2年4ヶ月が過ぎております。私たち地域おこし協力隊には、起業と定住という活動テーマが与えられています。しかし私は、就職経験がないまま協力隊になりましたので、社会人として知っておかなければならないマナーやビジネスの基礎知識が欠けていることを実感しており、いろんな壁にぶちあたっています。
 課題はたくさんありますが、これから創業に向けてチャレンジしていきたいと考えています。
(参加者F)
 自分は、仁淀川町の旧仁淀村、別枝集落の沢渡地区でお茶農家をしています。
 沢渡という地区は、上質なお茶がとれる産地で有名ですが、土佐三大祭りの一つである秋葉祭りでも有名で、自分はそのお祭りの花形といわれます鳥毛ひねりを7年間やらせてもらっています。
 自分は高知市生まれの高知市育ちなんですが、母の実家が沢渡ということもあって5月の茶摘みの時や夏休み、それから、冬の秋葉祭りの練習とかで沢渡に行く機会が多くありました。非常に思い出が詰まった場所なんですが、高齢化によって、あの美しい茶畑がなくなるんじゃないかという危機感を感じていました。僕は高知で大工をしていたんですが、居ても立ってもいられなくなって、嫁さんを説得して、子どもと一緒に仁淀川町に連れて帰り、お茶農家を始めました。
 沢渡のお茶はほとんどが、今まで静岡茶のブレンド茶として流通していました。しかし、産地の名前を出して販売してブランドを作っていかなければと思い、まず、個人の作っているお茶を「沢渡茶」と名付けて売っていこうと思っています。
 経験もない僕が何から始めたらいいんだろうと思った時に、ちょうど、「目指せ!弥太郎 商人塾」のことを知り、参加させていただきました。一番力になったのが、県内各地で同じ熱い思いを持って取り組んでいる方達に出会ったことです。また、商品の売り方なども学べる良い機会になったと思います。
 沢渡の2軒の農家の方から高齢化で農業をやれなくなったので、お茶畑を引き継いでやってくれないかという話をいただきました。
 こういったことは、これからどんどん増えていくと考えられます。今まで個人個人でやってきた農業を法人化という形でもいいんですが、ひとつのまとまりがあるところが引き継いで、できなくなった個人の茶畑を代わりに作っていけるような状態を作っていけないかと考えます。
 自分は今、祖父と祖母と3人で農作業をしているので、労動力が足りないというのが大きな課題です。お茶を刈ったりするのは非常に重労働で、その時だけ高知市にいる自分の弟を呼んで一緒に作業をしているんです。さらに加えて販路拡大や営業を考えたら、なかなか厳しい状態です。
 僕の夢は沢渡の茶畑を守ることで秋葉祭りを守ることです。自分の子供や孫の代にもこの景色が当たり前であって欲しいし、祭りも当たり前のお祭りであって欲しいと願っています。何とかしたいという思いだけで、今、頑張っております。
(参加者G) 
 自分は須崎市でからすみ、しらす干し、うるめなどを加工販売しています。
 私は、ちょうど今年の4月に実家の家業を継ぐために東京のサラリーマン生活を終えて高知に戻りました。サラリーマン時代から築地に行くことが結構ありましたが、築地では意外にも「須崎漁港は有名な漁港だね」とよく言われていました。消費地市場では須崎、そして高知県は魚がおいしいというイメージをもたれていると感じました。
 ただ、須崎に戻って来ると、消費地市場で感じられているようなことを漁師の方は感じていなくて、ギャップがあるといつも感じていました。もっと須崎に自信をもてばいいんじゃないかとずっと思っていました。
 私の加工所では、丁寧にものづくりをしてきていますが、消費市場に卸しているだけで、小売り先が少ないまま今に至っています。
 今、首都圏のスーパーでも産直、製造者の顔が見える商品が求められています。
 消費者も、味、品質はもちろんですが、商品のこだわりとかストーリー性とか、そういったものを実際に感じて、そこに対してお金を払っていくというような傾向が見られますので、まず小売先の確保が課題だと思っています。
 ただ、小売先の確保と言っても、パッケージの改良であるとか、商品のこだわりを、どうやって消費者にアピールしていくかなどのノウハウが必要だと考えていました。そうした時に「土佐まるごとビジネスアカデミー」が開催されていると聞きまして、「これはもう出るしかない」と思い、参加した次第です。
 からすみというと長崎と思われるかもしれませんが、土佐の本からすみも、味、品質、形で決して負けているとは思いません。昔ながらの独自の製法でやっておりますので、こういうものを世の中に出していく方法を、「土佐まるごとビジネスアカデミー」を通じて学ばせてもらいたいと思っています。
 いろいろな高知県の取り組みに参加したおかげで、いろいろな方と知り合いになれました。異業種の方からの意見等も聞き、須崎市ひいては高知県の一助となれることを目指しておりますので、今後ともよろしくお願いします。
(参加者H) 
 自分は黒潮町の佐賀で天日塩、「土佐の塩丸」というお塩を作っています。
 27年前に私の両親が大阪からIターンで黒潮町佐賀に来まして、そこからお塩作りが始まりました。私自身は、小学校の時からこの仕事をずっとやりたいと思っていたのですが、大学卒業の時になって初めて、「このままいきなり帰ってお塩を作るのはちょっとまずいのではないか」と思い始めました。社会に出て何も経験していない私が、田舎に帰ってそのままお塩を作るということに何かしら危機感を感じたんです。それで、一度大阪で就職をして、3年前、黒潮町に戻って来て、ようやく念願のお塩作りをすることになりました。
 日本の伝統的なお塩というのは必ず火を使います。釜で海水をグツグツ煮て、それでお塩が結晶化するんです。うちの場合は火を使わずに天日、太陽の熱でやります。これが非常に大変です。海水の塩分濃度というのは3%しかないんです。これを結晶化させるまでものすごく時間かかります。夏場で約1ヶ月、冬場で2ヶ月以上かかります。
 海水の中には、カリウム、カルシウム、マグネシウム、ナトリウム、その他諸々いろんな微量元素が入っていて、それぞれ味が違います。そして、結晶化する速度が違います。釜で炊くと高い熱で一気に結晶化させるので、ミネラルがひと粒にならずに、別々に結晶化してしまいます。うちでは天日の力でゆっくり1ヶ月以上かけて作るので、ひと粒にいろんなミネラルが入って複雑な味がして美味しい。自分でも美味しいお塩を作っていると思います。
 現在、全国で600社余りの製塩業者がいるんですが、その中で天日塩を作っているのは全国で10社くらいです。600社分の10社。そのうち8社が高知県で、そのうち5社が黒潮町です。これはもう黒潮町の特産、高知県の特産と言えるのではないか思っております。
 家族経営なので、マーケティングやインターネットの活用方法、財務など、全て感覚でやっています。知識や理論づけた体系的なものが無いんです。その状態は、仕事をしているうえでものすごく不安な状態です。暗闇の中を何も明かりを持たずに走っているような状態といえます。
 そういう事業者は、高知には結構多いんじゃないかと思います。そこで暗闇を走る時の懐中電灯が欲しい。理論、知識、そういったものを持って、これから仕事をしていきたい。そう考えました。塩のとれる量は少ないので、どこかの時点で新しい製塩施設というのを作らないといけない。そうなった時に、今回学んでいることが役に立つんじゃないかと思っています。

4.「土佐まるごと社中」の趣旨や活動内容について

(参加者I)
 今、皆さんの現状をいろいろとうかがって、志をもっておられるその活動に非常に感動、感銘を受けております。
 まず、共通して言えるのは、皆さん、明確な課題を持っているということ。その課題に対して商人塾であるとか、土佐まるごとビジネスアカデミー(MBA)であるとか、県が適切な人材育成の学びの場を作って、それに応えていること。さらに、そこで人の出会いがあり、その人の出会いがさらにモチベーションを加速していってインスパイア[やる気が高まる]されているということ。それが持続されていっているということ。今のお話を聞いていて、これを伸ばしていかなければと実感したところです。こういった人の出会いをいかに大切にしていくか。ここが、これからのさらに大きな課題になると思います。
 今日、お話をさせていただく「土佐まるごと社中」というのは、そういった志を持った方々の集う場、そして、何かを生み出そうとしている方々が、そこで実現する場ということでつくられた新しいシステムだとお考えいただければと思います。
 経済同友会の皆様がご議論されている中で、知事からもありましたように、高知県の場合、「何か連携するのが弱い」「皆で集うというのが弱い」ということが出てきました。
 これは、民間だけではありません。大学同士の連携も弱いんじゃないのかと、よく言われていました。
 そんな中で参考になる例が、岩手ネットワークシステム(INS)や関西ネットワークシステム(KNS)です。産学官民が集まって定期的に語らい、飲んで親交を深めていこうという、そんな集まりがいろんな地方で作られ、そして発展し、そして確実にいろんなものを生み出しているという実態があります。これを高知でもつくろうということになって、今年の6月16日に発足したものが「土佐まるごと社中」となります。
 まだ立ち上がったばかりです。毎月第2水曜日の午後6時から集まります。場所は県立大学の永国寺キャンパスです。偶数月に定例会を開催します。誰かが話題提供として30分ぐらい話をした後に議論、そして親睦会という流れ。どっちがメインかわかりませんが、次は8月8日に定例会を行います。私が鰹について30分語るということにしておりますので、是非お集まりいただきたいと思います。MBAや商人塾で学んだ方々がそこで集うとまた何かが生まれる。そんな創造に富む高知県というのが、これからどんどん展開されていくだろうと期待しています。
 まず1年間、私どもの大学が事務局をあずかり、県立大、工科大にパスしていくつもりです。1年、2年経つと永国寺キャンパスがリニューアルする27年度になりますので、そのような場として成長させていきたいなと思っております。次回8月8日に永国寺キャンパスに是非お集まりいただければと思います。

5.実践者(参加者)との意見交換 

(知事)
 皆さん、どうもありがとうございました。本当に意欲的なお取り組み、素晴らしいと思います。また、一連の人材育成事業がいろんなかたちでお役に立っていることが分かってうれしく思いました。
 これからいろいろ意見交換をさせていただきたいと思います。是非、もっとこういうふうにしたほうがいいんじゃないかというような話についてもご意見を聞かせていただければと思っています。
 その前に一点、私からひとつ質問があります。
 さきほど、どうすればいいのかわからないと悩んでいた時に、この商人塾というのに出会ったという話をおっしゃっていただきました。
 悩んでいる時にこそ、まさに学ぼうと思うでしょうし、また、共にそういう苦境を乗り越えようとする仲間を探すんだろうと思うんです。だから、この産業振興計画の中で、そういう場を是非設けていきたいと思ったところでした。
 そして、学んだ後、第二歩としてどういうのがあればいいと思いますか。何か学んだ後、これが足りないんじゃないか、第二歩としてはこうあるべきじゃないか、もしくは第二歩としてこういうのが使いたいというのがありますか。
 「土佐の産業おこし参加プラン」を設けたんですが、これはエントリーしていただいたら、支援策をご紹介するというシステムなんです。
 是非、学んでいただいた後に、産振計画の何らかの支援策をうまく使い倒していただきたい。そういう思いでMBAのリーフレットをお配りする時には、「必ず産業おこし参加プラン」のチラシもお配りさせていただいているところです。
 是非、第二歩としてはこうじゃないだろうかというご意見をお聞きしたいと思います。

(1)【目指せ!弥太郎商人塾などの受講生が試食PRをする場について】 
(参加者B)
 先日、「土佐のいい物おいしい物発見コンクール」に参加しました。実際私も会場に行って、お客さんがどんな反応をするのか間近で見たんですがやっぱり自分の作ったものを試食してくれるとうれしい。
 もし、一緒に受講した他の方がここに居たら、その人達はお客さんにどんな対応するかも間近で見れて、自分にとってもすごく勉強になると思いました。受講生が実際に試食PRをするということにつなげていったらいいなと感じました。
(知事)
 まず、練習試合みたいなのをするというイメージでしょうか。
(参加者B) 
 はい。いきなり商談会になると、だめだなと思ったので。
(知事)
 「土佐のいい物おいしい物発見コンクール」って、今、2年に1回やっています。最優秀賞とか優秀賞を取っていただくと、東京ドームでやっている商談会にご招待するんですが、いいと思われましたか?
(参加者B)
 いいと思いました。
(知事)
 いいご意見ありがとうございます。 

(2)【行政の融資制度について】
(参加者H)
 ビジネスには何は無くともお金だと思います。やる気もある、アイディアもある、そういう時、事業をおこそうと思った時に必要なのはお金です。
 そこで、補助金となると、いろいろな制約があります。
 事業をやりたい、拡大したい。でも、元手がない。じゃあ、銀行に融資してもらうとなりますが、高知県に多い家族経営ですと、希望額まで融資してもらえないパターンが多いと思います。そういう時に、行政のファイナンスのようなものがあると助かる人が多いと思います。
(知事)
 わかりました。ありがとうございます。
 今日は民間事業者の皆さんの取り組み事例紹介とパンフレットをお配りしています。その中に、産業振興計画上の支援策などをかなり詳しく載せています。
 設備投資の補助金などはあるんですが、ファイナンス系の支援は、県の支援策としては今のところないんです。
 ただ、ビジネスを大きくしていくためには、何らかの資金の貸付も必要だと考えていて、一昨年前から四国銀行、今年から高知銀行、幡多信用金庫と包括協定を結ばせていただいています。
 地方自治体の産業振興のトータルプランで、銀行とタイアップしているのは珍しいと思うんですが、産業振興を図るためには地元の銀行との連携が必要不可欠ということで包括協定を結ばさせていただいています。
 例えば商談会も銀行の方と一緒にやらせていただいたり、事業説明会の場にも銀行の方にお越しいただいています。
 今後は政策融資をやっているところとのタイアップをもっと考えるべきなのかもしれません。
(参加者J)
 本来、産業界がそのようなファンドを持って若い人に投資し、新たな利益を得るという仕組みがあったらいいんですが、残念ながら日本には少ないし、高知にはそういったものがないので、銀行を中心にしたやる気のある若い人達への投資がスムーズにできるというような仕組みが要るんじゃないかと常々思っておりました。

(3)【利用できる支援策を的確に紹介する仕組みについて】
(参加者D)
 商品化を進めていく中で、すごく変だと思ったことがありました。新商品を作る時に補助金を使ってはどうかと言われてプレゼンに行ったんですが、自分たちで刷ったパンフレットを持って、公的なところに商品の説明に伺ったら、パンフレットを作り始めていたら助成金を使えないって言われました。もう商品ができているから駄目だということのようでした。
(知事)
 試作品開発の補助金だったんじゃないですか?
(参加者D)
 そうかもしれません。商品には近づいていましたが、まだ世には出ていなかったので、試作品と言えるんじゃないかなと思っていたんですけれども。私達は自分でものを作っているんじゃなくて、丁寧に作られている方をサポートしたい、同じくらいの気持ちで商品化をしたいという思いでやっている制作会社ですので、最後の商品化の部分に助成金が出ないとなると、自分達で投資してやっていくしかないのかなと。
(知事)
 今、言われた補助金の内容は、試作段階を支援しようというもので、ブラッシュアップするための補助金だったら使えたかもしれないです。
 使える支援策を的確に紹介する仕組みが必要ということだと思います。
(参加者D)
 そうですね。それも必要だと思います。当時私の会社は東京にあったので、自分たちで回らざるを得なかったのですが、今は実際高知に住居を移しているわけなので、先ほどのようなアドバイスがあったらよかったなと思います。
(知事)
 なるほどですね。我々が永遠に抱えてきている課題かもしれません。
 支援策を紹介するという取り組みについては、まずひとつは、地域地域に、地域産業振興監をトップにしたワンストップ窓口を設置して進めてきましたが、そもそもこの取り組み自体がどれだけ知られているかという問題もあります。もうひとつは、先ほどお話した参加プランにエントリーしていただいて、その事業に合った支援策をそれぞれご紹介させていただくタイプ。事業からのアプローチです。
 今言われた事例ですと、補助金の支援は受けれませんよ、で終わらず、これは駄目ですけど、こちらはどうでしょうといったご案内ができればよかったんですよね。
(参加者D)
 目利きができるような方が公的な方の中にいらっしゃったら、もっといいんじゃないかと思います。
(知事)
 目利きというかこれなら使っていただける、これが一番いい方法だと紹介できる人でしょうね。これからの課題ですね。

(4)【個人事業者に対する人件費補助について】 
(参加者F)
 自分の一番の悩みは、さっきも言いましたけど、労働力なんです。
 現在、人を雇うという段階にはなっていませんが、どうしても人手が欲しい時期があるんです。しかし、常に、自分の生活費もままならない状況で、人件費を出して人は雇えない。だから、じいちゃん、ばあちゃんに無理言って、今、手伝ってもらっている状態なんですが、もうちょっと楽にやりたいという思いがあります。まだ法人化していなくて個人なのですが、助成金のようなものはないでしょうか。
(知事)
 ごめんなさい。法人だとあるんです。リーマンショックの時の経済対策で、緊急雇用基金とか、ふるさと雇用基金が作られたんです。
 これは、今、県内のいろんな事業者さんでも使っていただいています。設備投資などのストックベースのものに対する補助金というのは結構あるんですが、経常経費に対する補助金は、毎月毎月の支払いに補助していたりしていると際限がない、最後、どう使われるか分かりづらいといった議論があり、もともとあまりないんです。基本的にはそれは融資でという話。
 しかし、唯一例外として人件費は、雇用につながるので公共的性格を持つであろうということで国が設けたのが、先ほどお話した基金です。失業者対策としてやっていたこの取り組みは大ヒットでしたが、23年度で基金がなくなって、24年度で終わります。ですが、地域アクションプランなど、県内の事業者さんがたくさん使っておられますので、県単独の助成制度というのを作って、今使っていただいています。
 まだまだ改善しないといけないところもありますが、できれば、こういう取り組みを今後も何らかの形で続けていけないものかと考えているところです。
 私はこの間、全国知事会でも言ったんですが、起業対策としてこういう取り組みが必要ではないかと。起業する時、一番大変なのは資金繰りですよね。資金繰りで行き詰まる最たるものは人件費です。だから、この人件費補助というのは、事業を立ちあげようとされる方にとっては、すごく有意義なんじゃないかと。雇用、失業対策という側面のみならず前に向かっていく者に対する後押しの政策として考えるべきじゃないかなと思っています。国にも訴えているんです。 
 ただ、個人が個人を雇うとなると人件費の管理が難しいところがあって、法人を対象にさせていただいているんです。

(5)【マッチングできる仕組みづくりについて】
(参加者C)
 私が作った商品を商人塾を一緒に受講した方が、レストランの宴会メニューとして使ってくれました。
 その時に考えたのが、やる気のある飲食店さんが集う場所に生産者自らがPRに行けるような場づくりをしていただけないかなということ。
 それと、高知で作られている商品には「メイドイン高知」というラベルを使えるような仕組みがあると、高知県っていいものがいっぱいあるんだと県民に認識してもらえるんじゃないかなと思いました。
(知事)
 なるほど。ありがとうございます。
(参加者J)
 実は高知市内の若手の飲食店はそういうものを一生懸命探しているんです。
 さっきお話があった「マコモタケ」なんかも飲食店はこういうものを一生懸命探している。マッチングできる仕組みがないだけですね。
 私が専務理事を務めている「高知の食を考える会」では、たくさんそういったマッチングの場を作っているんです。なかなか皆にその情報が行き渡らないので難しい。この10月にも、県の協力もいただいて、「土佐の豊穣祭」というイベントを県内7地域でやります。そういう場でサンプリングするとか、実際に販売するとか、そういう場はいくらでも作れますので、うまく使っていただいたらと思います。
 ちょっと面白い話をさせていただくと、高知の飲食店はお酒を飲まない人にウーロン茶を飲ませるんです。どこに行ってもウーロン茶なので、ある男が、おかしいと。「高知は土佐茶でええやん。」とウーロン茶をやめる運動をしたんです。高知市内のラウンジ5軒ぐらいが、今、ウーロン茶をやめて土佐茶を出しています。だから、焼酎なんかも土佐茶割りです。うまくつながっていくと、高知の商品はいろんなところで使えるという話です。とにかくそれに必要なのは出会いだと思います。
 先ほどIさんから、「土佐まるごと社中」の話が出ましたが、そういった出会いの中でヒントがあるし、情報がいっぱい入ってくるんじゃないかと私は思います。
(参加者I)
 人材が育成され、それから食品加工に関する関心がどんどん高まっていって、マッチングの必要性というのが、これまでなかった以上にどんどん膨らんできているんです。
 どんどん成長していっているので、全体がオーバーフローしているんです。ですから、マッチングをやれるコーディネーター的な県の部署、例えば、産業振興センターであるとか、産業振興推進部もそうでしょうし、地域振興監の方もそうですし、そこを一層強化していくことが重要だと思います。成長しているプロセスで、次の歪みが出てくると、その歪みを解消して、また次のステージに少しずつ成長させていかないといけない。そうすると、またそこで歪みが出てきますから、それの繰り返しではないかと思います。
 それと、先ほど知事が言いかけた政策金融公庫のファンドって、結構今、充実してるんです。また、非常に使い勝手がいいものがあるようです。
 ですから、県のこういう補助に加えて国のファンドについて少しリサーチされて、適切に求めておられる方にご紹介できれば、ものすごくうまくいくんじゃないかと思います。
(知事) 
 確かに県の補助や国のファンドについて仲介ができるといいかもしれません。その役割は産業振興センターなどになるかもしれませんが、その仕組み、考えてみます。
(参加者I)
 そうですね。
(知事)
 さっきおっしゃられた県内の飲食店さん達とのマッチングという話は、連携できればいいと思います。
 実は県内の量販店のバイヤーさんとの商談会をやっているんです。基本的に商談会や展示商談会って、地産外商系が多いんです。
 それと、ものづくりの関係だったら、「ものづくり地産地消センター」などを使っていただいたらとも考えています。おっしゃるとおりマッチングの機会をもっともっと増やしていく必要があると考えています。
 また量的に増えてくると、対象が飲食店という形の仕組みも考えたらいいのかもしれません。NPOでやっておられるものと県のものをタイアップさせていただく、お互いに紹介させていただくという方法もあるでしょう。土佐の豊穣祭のような観光イベントも、マッチングの機会として使えます。県内事業者さん同士のマッチング機能の強化をステージアップすべきかもしれません。

(6)【県内のクリエイターの人材育成と制作に必要なIT環境について】 
(参加者D)
 デザインが惜しいという商品が大変多いです。デザインを変更するだけで新しいターゲットに訴えかけられるのにという商品がたくさんありますが、弊社に常駐しているスタッフは少ないので、東京にいるクリエイターに全部お願いしている状況なんです。それがすごくもったいないと思います。県内で探したいんですけど、一緒にできる方を見つけるのは大変です。弊社では東京から来られている方を雇っているのですが、一番問題点なのがお給料。東京である程度技術をもってやってる方は、ものすごくいいお給料をいただいています。それが高知に来ると3分の1、4分の1、5分の1の給料でやらないといけないという現状があります。実際、うちのスタッフ2名は住宅費用を私のところでみています。補助も出しています。お給料を何とか上げていきたい、県内で一緒にできるクリエイターさんを増やしたいと思っているのですが、スキルアップの機会がすごく乏しいなというのも感じます。制作に関われるスキルのある方が欲しいという切実な思いがあります。
(知事)
 高知県はデザイナーの宝庫だと思いますよ。人材もいるし、専門学校系もものすごく強い。こういう強みを活かしてコンテンツ産業を育成したいと思ってるんです。
 3年前、パッケージデザインを変えたいと思っている方々と、デザイナーとの商談会をやったことがありました。その時いろんなパッケージが変わったはずですが、それ以降やってないんです。もっとやったらいいかもしれません。土佐クリエイターズギルドというクリエイターが集まった団体があります。
(参加者D)
 存じ上げております。
(知事
 クリエイターの人材育成もやったらいいということですか。
(参加者D)
 そうですね。実際、今デザインのご相談を県内でいただき始めているんですけど、それに応えられるスキルが間に合っていなくて、結局、県外に全部出している状況です。
(知事)
 クリエイターズギルドには結構いい人がいるんじゃないかと思います。
(参加者D)
 県外から移住された方も多いですが、そういった方が制作するのに必要なIT環境であるとか、現実的な環境が、まだちょっと整ってないんじゃないかなと思います。
(知事)
 わかりました。

(7)【マッチングの機会を増やすメリットについて】 
(参加者G)
 自分もマッチングに関しては大賛成です。先日、マーケットイン型商品開発に参加させてもらって、都内のスーパーさんと商談をさせてもらったんですが、自分の中で具体的にやるべき課題が浮き彫りになってきました。だったら、その課題に対して、いくら投資すればいいのかというふうに自分の中で道筋が明確になってくると思います。是非、出会いの場、マッチングの機会の層を今後厚くするべきなんじゃないのかと思います。
(知事)
 わかりました。ありがとうございます。

(8)【地域とのマッチングの仕組みづくりについて】 
(参加者E) 
 事業者さん同士のマッチングもあると思うんですが、地域とのマッチングも必要ではないかと思っています。
 私はIターンで血縁とか地縁がありませんでしたが、協力隊という立場でしたので、役場の方が間に入って地域とのマッチングをしてくれました。
 例えば、本山町で農業をしていきたいと考えた場合、農地や空き家やトラクターといったものが必要になってきます。本山には「空き家バンク」というのができていて、空き家の情報を各集落で集めています。ただ、農地やトラクターなどは、知り合い同士の話でマッチングしているんです。
 それを、区長さんとか地域のお世話係のホスピタリティーのあるおばちゃんとか、少し公的な力でまとめあげる、マッチングするシステムができないかと思っております。
 いろんな事業で余ってくるものが多くあると思うんです。物と事業していきたい人、欲しい人のマッチングの仕組みがあればいいなと思います。
(知事)
 新たに取り入れたいなと思うところもあるんですけど、パンフレットに就農支援のための一連の仕組みを載せているんです。
 例えば、土地を紹介する仕組みは、農業公社が仲介して耕作放棄地を登録してもらおうとしていますが、まだまだです。他方で、トラクターなどは斡旋仲介が難しくて、集落営農組織になっていただき、共同で使える仕組みを考えています。しかし、さっき言われたように新規の方、もしくは集落営農になっていない集落でできるかというと、まだ不十分だったりします。確かに、若い方で今後やろうとした時には、切実なお話でしょう。
 できていることとできてないこととが相当あるということですね。ありがとうございました。いい意見として今後に活かしたいと思います。

(9)【地域地域で学ぶ環境の整備について】 
(参加者A)
 今の「土佐まるごとビジネスアカデミー」は安芸でも開催していただいていて、ありがたいと思っているんです。
 安芸や、高知で私が勉強して「これはいい」「これは絶対皆に教えないといけない」と思って帰るんですけど、やはりその場の付け焼刃といいますか、ちょっと勉強しただけでは十分伝えきれないところがあります。私が聞いたおもしろい話を室戸の人にも聞いてもらいたいという気持ちがあります。
(知事)
 それは室戸で「土佐まるごとビジネスアカデミー」をやってほしいということですか? 
(参加者A)
 そうです。
(知事)
 研修後に、ネットで見えるようになったりすればいいでしょうか。
(参加者A)
 安芸会場で遠隔授業を受けていて思ったんですが、生中継だとしても、距離感があって気持ちが途切れてしまったりするんです。いつでも見られる、ネットで見られるといっても、講師は自分たちを見てくれない、見ても頭に入らないというところがあります。実際、やはり先生の顔を見て、息遣いをききながら、一緒に勉強することというのがすごく大事だなと感じています。
(知事)
 室戸から高知まで来ていただかないといけないかもしれないけど、これの一つの特徴は、しつこいということなんです。
 「土佐まるごとビジネスアカデミー」は前期すでにやっています。10月からの後期も大体同じ内容でやります。産業振興計画が続いている限りやり続けます。来年も再来年も。もっと進化させてやっていきたいと思っているので、是非、いろんな人に参加していただきたいと思います。
 何かお試しの研修などができればいいでしょうか。室戸から仕事を休んで高知まで来るっていったら大変ですよね。
(参加者A)
 
意欲がある方は休んででも行くと思うんですが、そうじゃない人に伝えたい時に、やっぱりなかなか動かせられない。何かそういう自分の熱意を伝える方法、それをお手伝いしてもらえるものがあればうれしいなと思います。
(知事)
 アーカイブのようなものがあって、私が感動したこの授業をとりあえずネットで見てみたらどうかといったことではいけないでしょうか。
(参加者A)
 
ネット世代じゃない方に伝えたいことが多いので、臨場感が欲しいです。
(知事)
 臨場感だったら先生に出て行ってもらうといった方法でしょうか。
(参加者A)
 それだと一番うれしいですね。I:今のお話、よくわかります。私達も大学で、土佐フードビジネスクリエイター人材創出事業(土佐FBC)という人材育成をやっていますが、幡多地域でもやろうということで、昨年から一部の先生方に出向いてもらって授業をやっています。
 現地でやることによって、人間性丸出しの魂と魂のぶつかり合いが実現しますので、おっしゃるようにアーカイブされたものをパソコン上で見るのとは、やはり臨場感は違うのかもしれないです。
 全部をまるごと持って行くというのは、いくらまるごとが好きな高知県でも難しいと思うので、これはおすすめだというのを少し切り売りをしていく。
 その時に、県外講師の場合は、お金もかかりますし時間の調整もなかなか難しいので、例えば、県内講師、大学を中心としてやっていけばどうでしょうか。そういう方には、やはり県内くまなく回っていただく。これは、大学のやるべき使命だと思うんです。やはり大学としてもニーズがある限りお応えをしないといけないと思っています。

(10)【商品開発等に県内の大学生の意見を】 
(参加者B) 
 私も、今の意見に賛成です。
 私は先生にも来ていただきたいですが、若い学生さんに来てもらって、ちょっと刺激を与えていただきたいと思います。
 野市の洋菓子店で見たんですが、女子大生の発案でロールケーキを売っています。大学生とか若者の食に対する発想というのは、私達とは全く違うので、できれば、地元に来ていただいて、あなた達ならこれをどういうふうに変化させていくかというところの意見を聞きたいなと思っています。
(参加者I)
 そうですね。今のロールケーキに、うちの大学の学生が関わっているという話もあれば、県立大学の学生さんがお茶のプロデュースをするとか、それから、工科大学の学生さんもいろんなところで関わりをもっているので、今のアイディアというのは、少しずつ現実のものになっていると思います。そういうニーズがさらに強くなれば、大学がそれをカリキュラムにする。これも現実、やっていかないといけないことだと思っています。
 「地域協働入門」とかいうカリキュラムがあるのですが、今後これを学部教育までやっていこうということで、学部を作るというような構想まで立ち上げています。そこには、学生が地域を研究の場として利用させていただき、それによって地域の皆さんに何か今のようなニーズの解決、課題の解決などでメリットを感じていただくような仕組みとして、教育システムとして作ろうと思っています。是非そういうお声に応えていきたいと思いますし、これは、本学だけではなくて工科大学、あるいは県立大学でも同じ思いだと思います。
 ですから、是非、連携をしながら受け止めていきたいと思っているところです。
(知事)
 そういった講座を体系的に考えてもいいかもしれません。ありがとうございました。

6.一般傍聴(会場)からのご意見

(知事)
 今日は本当にどうもありがとうございました。いろいろと有意義なお話をいただきました。時間が短いかなと思えるぐらいでしたが、いただいたご意見、今後、毎年進化させる産業振興計画に活かさせていただきたいと思います。
 今日、ずっと会場で聞いていただいた皆さんで、もしこれだけは言いたいということがありましたら、是非お聞かせください。

(11)【支援策のコンシェルジュ機能について】
(参加者K)
 何かをやりたい、こういうものを作った、という時に、ひとつの所に相談に行ったら次へ行けるという仕組みがあればいいと思います。さらに、その中にコーディネーターがいてアドバイスしてくれると一番ありがたいと思います。
 漁業関係、特に弱いと思いますので、是非こういった取り組みをやっていただきたいと思います。
(知事)
 永遠の課題であり続けるんだと思うんです。パッと言われたら全部紹介して、「あなたはまずこれ」「その次はこれ」「その次はここ」「こういう順番で行かれるといいですよ」って全部言い切れるほどになるかというと、それはなかなか大変だろうと思うんですが、もっと工夫したいと思います。
 ただ、事業者の皆さんも、自分で探してもらいたいんです。お互いとお互いでそうなると一番いいんだろうと思います。そのためにいろんな材料を充実させているつもりですので、是非使っていただければと思います。
 また、コンシェルジュ機能といいますか、そういうものを強くする工夫をしたいと思います。ただし、ものすごく施策の数も多いので、それぞれの使い方にどれだけ熟知しているかというのもあったりします。
 ただ、他方で、おっしゃるニーズは本当に大きくて、多くの県民の皆さんがそう思っておられると思いますので考えさせていただきます。

(12)【大学の研究室とタイアップした商品開発について】 
(参加者L)
 私は、大学の研究室とタイアップしてやらせていただきたい。やはり大学の教授のお墨付きというのか、そういうものをしていただいたら、商品もすごくグレードアップすると思うんです。
 例えば、テレビショッピングなんか見ていても、大学の先生が、こういうものが入っていますよ、といったお話を聞くと買おうかなという気持ちになってくると思うんです。
(参加者I)
 何でもやりますし、やらなければならないと思っています。大学はともすればお金がないとやってくれないというふうに思われるかもしれませんが、やはり人間と人間の思いですから、情熱をぶつけられると、その情熱にはお応えしようとすると思います。それで、お互いが自信を持てば、期待されているように、私はこの商品を自信を持っておすすめしますぐらいの勢いが出てきます。
 ちなみに、私も大豊町の碁石茶のDVDには出ております。自信を持っておすすめしているんですけど、やはり自分自身がそういういいものであるという自信があれば、大学の先生など皆さんそうされると思います。
 コーディネートをする若手もおりますので、是非、間に入らせていただきたいと思います。県立大学、工科大学の皆さんもおられますが、多分、私と同じ思いだと思います。
(知事)
 土佐FBCなどに参加していただくとすごくいいですよね。理論的な裏付けを先生と一緒に考えるきっかけになると思いますし、まずスタートにしていただくといったやり方があるんじゃないかなと思います。 

7.閉会

(司会)
 それでは今日は長時間どうもありがとうございました。また今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

▲▲▲(終了)▲▲▲ 


高知城ホールの会場に、地域地域で産業振興に取り組む実践者の皆様に集まっていただき、日ごろの取り組みの成果や課題について意見交換が行われました。


テーマに関して事前に寄せられたご意見と対応方針

第1回「対話と実行座談会」を開催するに当たり、事前にテーマに関する質問を募集しました。
いただいた質問に対する県の対応方針について以下のとおり取りまとめました。

WORD [WORDファイル/25KB] PDF [PDFファイル/144KB]


この記事に関するお問い合わせ

高知県 総合企画部 広報広聴課

所在地: 〒780-8570 高知県高知市丸ノ内1丁目2番20号(本庁舎2階)
電話: 広聴担当 088-823-9898
広報担当 088-823-9046
ファックス: 088-872-5494
メール: 080401@ken.pref.kochi.lg.jp

PDFの閲覧にはAdobe社の無償のソフトウェア「Adobe Acrobat Reader」が必要です。下記のAdobe Acrobat Readerダウンロードページから入手してください。

Adobe Acrobat Readerダウンロード
Topへ