公開日 2020年05月26日
(司会)
ただ今から、新型コロナウイルス感染症に関する記者会見を開催いたします。まず初めに知事より発生状況等の概略をご説明いたします。
(知事)
それではまず、県内における新たな新型コロナウイルス感染症の感染者の確認について、口頭で概略をご説明します。
本日は、新たに1名の方の感染が確認をされています。既に一部報道もされておりますが、県内63例目ということになります。50歳代の男性、高知市にお住まいの方で、土佐中高等学校の教員の方ということです。状況としては軽症のようで、現在のところ感染経路は不明ということです。
本日の判明分を含めた全体的な状況につきまして、簡単に図表を用いてご説明したいと思います。本日、1例、感染経路が現時点で不明なものとして加わりました。累計で63人ということになりました。先月の末からの、いわゆる第2波の中で、ピークが今のところ4月9日の10名ということになっておりますが、姿としては、4月9日をピークとして、その後は落ち着きを見せてきているという傾向になっております。
1週間のトレンドということで見てみますと、直近の1週間は9名の新規の感染者が確認されました。その前の1週間が、30名を超えていたということからしますと、新規の感染者という限りにおきますと、前の1週間と比べて3分の1程度に落ち着いてきているということですので、1週間のトレンドで見ても、新たな感染者の確認は、抑制された傾向になってきているということが言えると思います。
こうした中で職場、家庭については、ある程度、濃厚接触は不可避ということですが、それ以外で感染経路不明といったもの以外に、カラオケ、バー、外食、長時間の会話、他県との往来、こういったものが、感染の経路として判明しているものとして目立っているというような状況にあります。
こうした状況をどう評価するかということです。本県では、これまで県民の皆さまに対して、今月に入り、3日には夜間の外出の自粛をお願いしました。また先週ですが、9日には、昼間も含めた不要不急の外出の自粛をお願いしました。夜間の外出自粛を4月3日にお願いして、ちょうど2週間たったというタイミングで、お願いした効果が、潜伏期間を考慮しますと、一定出てきているというふうに受け止めていいと考えております。その意味で、県民の皆さまのご協力に対して、この場をお借りしまして、あらためて御礼を申し上げたいと思います。
しかし、この新型コロナウイルスとの戦いを早期に終結をさせるためには、ここで気を緩めては元の木阿弥ということだと思います。この第1波の後、発生なし、確認なしが続きました。しかし、3月20日の3連休、ここでいわば全国的に緊張感が緩んだ、往来が盛んになったというところで2週間たった、この時点の状況に反映をされたというのが、県内における構図だと思います。その意味で、今回も連休が控えております。4月から5月の連休、大型連休にかけて気を緩めることなく、しっかりと取り組みを続けていくということが、早期に感染症の終結を図っていくカギになると考えます。まさしく、このタイミングで昨日、国が緊急事態宣言の対象区域を、それまでの7都府県から全国の47都道府県に拡大をするという、対象区域の変更を決定をされたところです。本県を含む全ての都道府県が、緊急事態宣言の対象になるということです。そして、期間については、ご案内のとおり来月の5月6日まで。大型連休の終わりの時期までが期間ということになりました。
これに併せて、国の基本的対処方針も変更されています。こうした中で、地域としてみると、今まで対象とされていた7都府県に加え、北海道、愛知県、京都府など、こうした6つの道府県を加え、全部で13都道府県が感染対策を重点的に進めていく地域、そして比較的感染の拡大が進んでいる地域という位置づけで、特定警戒都道府県に指定されたという状況です。そういう意味で申しますと、本県はこの特定警戒都道府県の中には入っておりませんから、全国47都道府県全てが緊急事態宣言の対象になりましたけれども、それを敢えて2つのグループに分けますと、感染が急速に進んでいるグループの方には入っていないということです。
ただ、国がこの時期になぜ全国を対象地域とする変更を行ったかということ、それを特定警戒区域に入っていない本県としての立場で申しますと、まさしくゴールデンウィークにおける県民の皆さんの外出、移動の自粛を強く呼びかける必要がある。そういった意図が国の方でも大きいというふうに受け止めております。ただ今申し上げたように、3月の教訓を振り返ると、3月下旬の3連休で人の移動が増えた。その結果が本県においても、全国的に見ても、4月に入ってからの急速な感染拡大につながったという面は否めないと思います。その意味で、今回5月の連休を前に、国では要は先手を打つ形で、全国の特に都道府県の境界を越えるような移動の抑制を図ろうという意図で行われたのが、今回の対象区域の拡大であったと受け止めているところです。
これを踏まえて、高知県としての対策の大きな方針についてです。大きく2本の柱がございます。
1本目の柱です。これは、ただ今申し上げたように、これまで今月に入り、県民の皆さまにお願いをしてきた外出の自粛のお願い等が一定の効果を上げてきているということは事実だと思います。ただ、これが期限は4月26日までということでお願いしてまいりましたが、ただ今申し上げたような趣旨で、5月の大型連休まで視野に入れて、国の方で全国を対象区域にするという決定が行われたわけですので、1本目の柱は、これまでの取り組みを4月26日までではなくて、さらに延ばして5月6日までお願いをしたいと、これが大きな柱です。
具体的には、昼夜を問わない形での不要不急の外出を控えていただくということ。そして、帰省、旅行などによりまして、他県との往来をされることの自粛を改めてお願いをしたいと思います。特に具体的な期間として申し上げると、ゴールデンウィーク中の他の県への不要不急の移動をお控えいただくということを、この機会に改めてお願いをしたいと思います。
大きな2本柱の2点目です。これは、今回の国の基本的対処方針の変更の中で、今、東京、大阪等、大都市部で大変力を入れて取り組んでいるのが、人と人との接触機会を減らすことです。最低7割削減、極力8割を目指して、人と人との接触を削減するという取り組みが、連日のように強化して取り組まれています。今回の対処方針の変更によりますと、この最低7割、極力8割の削減は、全国の都道府県で取り組んでもらいたいという方向、方針になっています。
これを踏まえて、県内においても、さまざまな事業所がありますが、事業所の皆さんには、例えば時差出勤、あるいは公共交通機関を利用しない自転車の通勤ですとか、在宅の勤務、あるいはテレワーク、こういった形によって、通勤時の移動ですとか、あるいは職場における接触をできる限り減らす取り組みをお願いしたいと思います。県庁においても、しっかりと取り組んでまいります。具体的には今、新型コロナウイルス感染症対策が何よりも優先する時ですので、これに直接関係する部署においては、それを最優先で必要な体制で行っていくというのは当然であると思います。
しかし、そういった新型コロナウイルス対策に直接関連をしない部署におきましては、最低7割接触を減らしていくという目標を踏まえ、7割程度の登庁の人員の削減を目指していきたい。結果として、県庁全体としては約5割程度の人員、登庁する人員の削減を目指して取り組んでまいりたいと考えております。各事業所の皆さまにおかれても、極力可能な限り、こうした人と人との接触を減らす取り組みについて、ご協力をお願いしたいと思います。
その他、具体的ないくつかの施設に対する対応について申し上げます。
1点目が県立学校についてです。今回、全都道府県が宣言の対象区域となりました。全国を挙げて感染防止対策に取り組んでいくという趣旨です。また、本県でも本日も含めまして、学校の教職員の感染事例というのも発生しています。そうしたことも踏まえ、いわば予防的な意味も含め、県立学校の休業対象を全県に拡大をしたいと思います。今までは、感染者が確認をされた保健所単位で、これを指定しておりましたが、県内全域に休校の範囲を拡大をしたい。そして、期間も4月26日の週末までから来月6日まで延長をしてもらいたいと、教育委員会に要請をしたところです。
施設関係の2点目です。各種の県立の文化施設等についても、これも今4月26日までの休館を決めていますが、この期間を5月6日まで延長したいと考えています。一方で、今東京、大阪などの大都市においては、1歩踏み込んだ対策として、施設の使用制限、あるいは休業の要請などを行っています。この点、宣言の対象地域となったことについて、どう高知県として取り組むのかという課題があります。これについては、一言で申しますと、今後の県内の感染状況、引き続き落ち着く方向で行くのか、またぶり返しが見られるのかというようなこと。そして、今まで行った外出の自粛のお願い。これの効果を見極めながら、何が必要かということを判断をしていくということになろうかと思います。
具体的な方向として、今私自身の頭の中にあることを申し上げますと、東京都、大阪府などにおきましては、かなり広い範囲での事業所の休業の要請をされております。ただ、今申し上げたような高知県の状況を考えたときに、少なくとも、そうした広い範囲での休業自粛とか、使用制限のお願いをする必要はないと思っています。そういう意味で、必要があるとすれば、具体的に今想起をされますのは、一つはバー、ナイトクラブ、カラオケ、ライブハウスといったところを初めとする接客を伴う飲食店を、どう考えるかという問題であろうと思います。
本県の63件の事例のうち、感染経路不明が半分ぐらいありますから、それを除くと、判明している分でいいますと、カラオケ、バーで一種のクラスターの状態になって感染した例というのが、かなりの割合を占めています。こういう状況も踏まえますと、今後、ただ今申し上げた接待を伴うような飲食店において、こういった休業要請ということが必要なのかどうかというところを、感染の拡大状況も併せて、検討をしていくということが必要かと考えています。そうはいいましても、5月6日までの対処期間ということを考えると、この検討は早急に行わなければいけないと考えており、来週の半ばぐらいまでには方向性を決めるというスケジュール感で、スピード感をもって県庁内に指示をしたいと考えております。
いずれにしても、県民の皆さんの生活、あるいは県経済への影響、今までよりも事業所にも極力8割削減をお願いするということもありまして、さらに影響が大きくなると考えなければいけないと思います。その影響を踏まえた必要な対策を速やかに講じるように、本日、この後夕方、県の対策本部会議を開催して、必要な事項の確認と指示を行いたいと考えております。
最後に、一連のお話の繰り返しになりますが、県民の皆さまへのメッセージをこの機会に申し上げさせていただきたいと思います。
昨日、国におきまして新型コロナウイルス感染症緊急事態宣言の区域が変更され、その対象区域が、本県を含む全国の都道府県に拡大されました。そして、期間については、大型連休が終わる来月6日までということに決定されました。これまで、高知県においても、県民の皆さまに対して、今月の初めには夜間の街への外出を控えていただきたい。また、先週には、昼夜を問わず外出を控えていただきたい。不要不急の外出は自粛をお願いしたいというお願いをしてまいりました。
県民の皆さまに大変大きなご協力をいただいたお陰で、ここ数日間の新たな感染者の増加は抑制傾向になってきています。一定の効果が表れてきているという手応えがあります。
こうしたタイミングで、今回の国による緊急事態宣言の対象区域の全国への拡大ということが行われました。これは4月から5月にかけての大型連休、ゴールデンウィークにおいて、全国的な人の移動で感染が拡大をしてしまうと。それを先手を打って抑えようという趣旨の対策です。足元の高知県内の感染拡大状況は、一定落ち着きを取り戻しつつありますが、県民の皆さまにおかれましては、決して気を緩めることなく、引き続き、感染防止の拡大対策にご協力をお願いしたいと思います。
具体的には、一つはこれまで、今月初めからお願いをしてまいりました取り組みが、確かに効果を上げてきています。今までは、4月26日までということでお願いしてまいりましたけれども、これを連休が終わる5月6日まで、長い期間になりますけれども、お願いをしたいということです。不要不急の外出の自粛。特に夜間の繁華街への外出。中でも接客を伴います飲食店の出入り、これを強く控えていただくようにお願いします。
先ほども申しましたゴールデンウィーク中は、帰省、旅行など県境を越えた人の行き来が大きく予想がされる時期です。こうした他県との往来も、不要不急のものは自粛をいただきたいということ。集会、イベントにつきましても開催、あるいは参加を控えていただくようにお願いします。さらに、基本的な対策として、手洗い、咳エチケットといったこと。あるいは、いわゆる密閉・密集・密接の3密を排除していくこと。あるいは家族以外との会食は控える。こうした、これまでお願いしてきた取り組み。県民の皆さんには、ご負担とご不自由をおかけしておりますが、これを連休が終わるまでの間、何とか継続していただきたいというのが1点目の大きなお願いです。
2点目です。今回の国の緊急事態宣言の対象区域の全国への拡大に伴って、国は基本的対処方針を変更しました。今、東京、大阪などの大都市で精力的に取り組んでおられる人と人との接触を最低7割減らす、できれば8割減らす、2割にしていくという取り組みです。このために、東京、大阪などでも取り組まれていますが、時差出勤、自転車通勤、あるいはテレワーク、在宅勤務、こういったことにより、職場で仕事に就かれる方々の数を減らしていくという対策をぜひ取り組んでいただきたいと考えます。
我々県庁も一つの事業所として、新型コロナウイルス対策に直接関係をしない部署におきましては、最低7割という削減を目指してまいります。結果、県庁全体としても約半分の人員で何とか仕事をしていく。テレワークなどを活用して、あるいは在宅勤務などを活用して、そうした体制を目指してまいります。こうした対策を県内の各事業所の皆さまでも、どうかお取りいただくようにご協力をお願いして、私からの県民の皆さまへのお願いとさせていただきます。
私からは以上です。
(司会)
それでは、各社からの質疑に移ります。
(高知新聞)
昨日、知事が囲み取材で答えられた段階で、この段階での緊急事態の拡大ということにやや驚いているという印象でしたが、改めて、対象の拡大をされた効果、弊害を含めて受け止めを教えてください。
(知事)
先ほど申し上げたように、高知県の感染の拡大状況は、東京、大阪を初めとした大都市部で大きな感染拡大が進んでいるのに比べると、そこまではいっていないけれども、その1歩手前の状況であり、そこでギリギリ踏みとどまっている状況だということに変わりはありません。また報道によると、昨日行われた対象区域の変更については、まずは今回、特定警戒都道府県になった北海道ですとか、京都、愛知県、こういったものが検討の対象だと報道もされ、そうしたものと想定をしていたので、いきなり、高知県も対象になってしまうのかと、全国がいきなり対象になるのかという意味で、正直驚きがあったというのが、昨日の感想です。
ただ、あらためて、国の基本的対処方針、あるいは諮問委員会でのご議論などをトレースをしますと、これは先ほど申しように、この次に来る4月末から5月の大型連休で、本県でいえば、せっかくここまで抑制をしてきたところの努力が水の泡にならないように、元の木阿弥に戻らないように、先手を打つ形で、全国的な人の移動を抑えたいという意図で行われたというものであるという点は、理解ができたところです。
その意味で、こうした形で感染症対策をリードしていくべき国の方で、大きな方針が決定されたということですから、それを踏まえて、かつ本県の今の感染状況というものの実状も踏まえて、県として必要な対策をしっかりと講じていかなければいけないという思いをさらに強くしております。
(高知新聞)
先ほど、在宅勤務の推進を含めて人と人との接触をということをおっしゃられましたが、対処方針の中でいくと、在宅勤務の強力な推進について、知事が是非について判断できるという規定もあると思います。首相からの要請はあると思いますが、県内の企業は中小企業が多く、テレワーク等はなかなか難しい企業もあるかと思いますが、7割、8割、どこまで厳密に求めていくのか。どんなふうにして求めていくつもりなのかを教えてください。
(知事)
それは正直、先ほど申したように、リーダーシップたるべき県庁でも現実今の目標は、県庁トータルでは5割程度ということですから、今の時点でギリギリと県全体として、GPSの数字を取って何割という具体的な目標数値を持っているわけではありませんので、まさしく可能な限りの要請ということです。国全体としても最低7割、できれば8割という目標でやっていくんだという、大きな方針は出ておりますので、それに沿ってできる範囲でのご協力を事業所の皆さまにお願いをしたいと、そういう考えです。
(NHK)
今回対象が広げられたということは、国からいつ、どのような形で連絡がありましたか。
(知事)
正式には恐らく夜の時間帯ではないかと思います。私が報告受けておりますのは、担当の危機管理部に国の内閣官房から連絡があったと聞いておりますが、私自身は夕方4時頃の報道を秘書課の職員が見つけ、こういう報道があると、そういった方向で検討が進んでいるということを初めて知ったというのが正直なところです。
(NHK)
今後は県民の生活とか県の経済に対して、さらなる影響が懸念されるとおっしゃっていましたが、そもそもその特措法の成立前に、行政の権限が強まって私権の制限が懸念されるっていう議論もありましたが、知事はその私権の制限についてどういうふうに認識されていて、今後それを踏まえて休業要請などについてはどのようなことを意識していきたいか、教えてください。
(知事)
おっしゃったような私権の制限というのは、今回の特措法の中でも必要最小限のものとしていかなければいけないという理念が貫かれておりますし、私自身、それが起きてもできる限り県民の皆さんの生活あるいは経済活動を阻害しない、制約をしない方向で、しかし、その中で何とか感染拡大の防止対策を、効果的な対策をとっていくということがこの肝になる事項だと思います。その意味で、先ほど申し上げたような事業者の方々に対するいわゆる営業の自粛の要請に関しても、東京、大阪、大都市部でこの範囲でやってるからということをそのまま適用しようと、検討しようということではなく、できるだけ影響が少ないよう限定をしていくという範囲の中で、しかしそれなりの効果が期待をできるようなことは、選択肢はどういったものかというような観点から検討をしていきたいと、それが一例ですし、特に直接的な私権制限に伴う収用ですとか、いわば強制的な手段というのは、これは制度上は医療体制の確保等に限定されていますから、かなり究極の場面だと思いますが、そこに至らないように先手先手で手を打っていくことが肝要ではないかと考えております。
(高知民報)
事業者への休業要請の件ですが、法に基づく休業要請は現時点では考えていないということで、今後やるとすれば、接待を伴う飲食店やカラオケ屋、そういうところは今後の感染者の推移によっては考えるかもしれない、ということでしょうか。
(知事)
はい。
(高知民報)
現実に店はもうほとんど閉まっていて、帯屋町は昨日も真っ暗ですが、その中で休業要請をして補償の対象にしてくれという要望が業者側にはありますが、どうお考えでしょうか。
(知事)
そういうお声があるということは私も認識しています。その意味で今回営業自粛を仮に要請していくということになれば、先般来の議論のとおりですけども、法律上の補償ということではないにしても、例えば先行しております東京、大阪などで協力金というような位置づけで経営への支援措置を考えておられることは全国に広まっていますから、そういった措置も合わせて検討しなければいけないという認識はあります。そういった措置を含めて、休業の自粛というのをお願いする必要があるのかどうかというところを、実務的に具体的にじゃあどの範囲で線引きをするのか等々、非常に課題は多いと思いますが、一定の検討を来週半ばをめどに方向を出したいと考えているところです。
(毎日新聞)
先ほど休業要請の話がありましたが、昨日黒潮町の方が独自に、一部店舗等について休業要請を出すという話がありました。これについて、知事の受け止めをお尋ねします。あともう1点は国の方ですが、10万円の一律給付という話も昨日出て来ました。それについては、どのように受け止めてらっしゃいますか。
(知事)
黒潮町の取り組みについては、まさしく町独自の判断の中で恐らくいろいろな関係の事業者の皆さんの声ですとか感染拡大防止対策の必要性、そういったものを考慮をされて、独自に判断をされたと受け止めております。我々自身も今からの検討ですから、あまりどうこういうのは差し控えるべきと思いますが、お聞きしている範囲では、宿泊、観光関連等々、事業者に対して休業要請を出すと伺っており、あえて申し上げると、宿泊ということに関して言うと、この連休中、片方では自粛要請はするもののある程度人の出入りはあるかと思いますので、そういう方々に営業の自粛をお願いするというのは、なかなか厳しい選択ではないかなという感想はありますが、その点は町としてできる限りの休業の補償は考えるということで、決断をされたのではないかという感想を持っております。
それから給付金の拡大については、国における、特に与党の中でのいろんなご議論の中で、私が記憶してるところですと、今月初めに今の経済対策が決まったたときにも、自民党の党内でもかなりご議論があって、それは次の対策で考えようというような仕切りで、第一次の対策が行われた中に30万円の世帯単位の給付金があったということだったと思います。今回こうした(10万円の一律給付の)方向で決定をされたわけですので、私としては、とにかく1日も早く国民の皆さんに給付が行われるように、もう決まった以上はこ国会の議論を含めてスムーズに進めていただいて、支援が早く国民の皆さんのお手元へ届くようにご努力をいただきたいという思いを持っております。
(高知新聞)
特別定額給付金10万円の話なんですが、知事自身の評価というのはどうですか。効果があるとお思いですか。
(知事)
これに関しては、高所得者に10万円、もちろん大きなお金ですけれども配るということは、経済効果という点から見ると、多分貯蓄に回ってしまって消費の喚起に回らないのではないかという問題提起が一番大きな論点ではないかと思います。ただ、昨今の状況を見ますと、とにかく早く支援を手にしたいと、早く決めてくれと、早く届けてくれという国民の皆さんの切実な、切迫した声が強まっているのが大きな状況ではないかと思います。その意味で、何とかその実際の事務の手続きの簡素化とか見直しとかも含めて、早く国民の皆さんにその現金を、10万円というまとまった金額の現金を、これは全体で12兆円というようなかつてない規模の金額になります。恐らく消費税の率にしますと5%分に相当するような大きな率になると思いますから、早く給付をするということが、今非常に不安感に満ちて、また不透明感に満ちている国民の皆さんに安心を与えるという効果は、期待できるんじゃないかという感想を持っております。
(高知新聞)
実際にその給付を行うにあたっての課題は、何だとお考えですか。あるいは県の対応で、それに合わせてすることがありますか。
(知事)
私の想定するところでは、リーマンショックのときの定額給付金の事務がベースになって、市町村にご協力いただきながら、国主導でこれをしていくということになるんだと思いますが、これは私も直に携わっていませんから、余り責任を持ったことは言えませんが、例えばマイナンバーカードを活用して、できるだけ迅速に申請も行えて、そして迅速にお金の振り込みが行われるということをどう実現していくかというのが、一番の課題ポイントではないかと思います。
(高知新聞)
市町村が窓口になると、事務の繁雑さとかスピード感でいうと非常に心配があると思いますが、その点についてはどうでしょう。市町村の事務の繁雑さ等によって、給付が遅れるんじゃないでしょうか。
(知事)
いかにシステムなども使って、繁雑でない形でできるかということがポイントではないかと思います。例えばマイナンバーカードなどの交付につきましても、市町村が個々に行うのではなく、J−LISと言いますが地方共同の法人をつくって、そこで一括してマイナンバーカードをつくり、申請もそこで直に受け付けることが現実できていますので、私も情報収集しているわけではありませんが、例えばそんなシステムをつくって電子申請なども活用できることを検討をすることで、市町村にも実質的な事務負担をできるだけかけずに、かつ迅速に交付ができるというようなこと検討をしていただければいいのではないかと思います。
(読売新聞)
休業の範囲ですが、都市部であれば例えばパチンコであるとか映画館、スポーツクラブとか結構幅広くありますが、県内としては今後の状況ももちろん踏まえながらだと思いますが、今のところこういう、先ほど言われた夜の3密以外に特に検討することは全く考えてないのでしょうか、それともあり得ると考えているのでしょうか。
(知事)
出発点が今申し上げた接待を伴うような飲食店の範囲ということだろうと思っております。それを検討していく過程の中で、この際もう少しこういった業種も含めて検討する必要があるのではないかという議論は、検討の課題の一つにはなると思いますが、ただいまお話があった大変広い範囲というのは、まさしく今大都市部では感染の勢いがなかなか止まっていないということ。その中で全体で7割8割の接触の削減、できることは何でもやらなければならないという状況の中で、範囲を広げてやっているということだと思いますので、そういう意味では、今例示された部分は少し接待を伴う飲食店とは距離があるかもしれないと思いますが、余談を持って今結論が頭にあるわけではありません。
(テレビ高知)
これまで観光に力を入れてきた高知県として、このゴールデンウィーク期間中にまで自粛の要請をしなければいけなくなったというこの事態を、県知事としてどのように受け止めているでしょうか。
(知事)
その点は、特に観光は本県の場合、もう基幹産業の一つと言ってもいい、経済の中でも占める割合が高い産業ですから、特に約1カ月余り前の時点では、何とか連休前に収束ないしは収束の糸口をつかんで、連休時点からの反転攻勢がかけられないかというのが、関係の事業者の皆さまの思いであったと思いますし、私どももそれを胸にして、そうなったらもう一瞬も遅れることなく、県の支援策も打っていこうということで下準備もしていたところですから、その当時のことを今思い浮かべますと、大変残念極まりないのが正直なところです。しかし、現下はとにかくこの感染拡大防止にしっかりと道筋をつけることが、全国的に見ても優先課題ですので、ここはまさしくその事態の収束の糸口見えた時点でV字回復を目指していくことを、これはもう既に検討もしておりますが、そういったことを掲げて、今はとにかく感染拡大防止に専念して、ご協力をいただきたいという思いで、本日お話をしています。
(高知放送)
先ほど経済への影響で、観光などの影響についてお話がありましたが、観光関係や飲食店の自粛で、そこに供給する食べ物、農産物、水産物の供給も滞り始めてると。この休業期間、自粛期間を延長することによって、ダメージもより大きくなると思いますが、第一次産業の分野へのその対策というのは、どのようにお考えでしょうか。
(知事)
夜間の外出自粛をお願いする中で、特に飲食業の皆さんが大変売上減少に苦しまれている。その結果、今お話あったように、その仕入れにあたる農産物や水産物、特に高級品などは売れ残って大変打撃を受けているというお話は聞いております。こういった点について、県議会でも関係の団体の方々からの意見聴取も行われているということですし、我々関係部の方でもいろんな形で農林水産業関係に、影響をお聞きしておりますので、そういった事業者の方々のご意見あるいはご要望も踏まえて、県としてどういう対策ができるか、あるいは国に対してどういう対策を求めていくか、そういったことをさらに練り、今月末により県政全体の包括的なこの経済影響への対策をまとめてまいりたいと考えています。
(高知新聞)
先ほどから休業要請の話も出てますが、仮に休業補償する場合は、国がすべきだとお考えですか、県が独自でするお考えでしょうか。
(知事)
大きな枠組みとして、それは国に大きな制度設計をしてもらいたい、本来すべきだというのが基本的な立場です。ただ、国の方が個別の法律上の補償というのはやる考えはないというのが一貫した立場ですから、そうした中で、しかし現実に営業の自粛のお願いをしてご協力をいただくという考えでは、補償そのものではないにしても、その協力をお願いをすることへの報償的な支援策を考えていかないと、現実に世の中は動いていかない、効果を上げることはできないということだと思います。そういった枠組みを国の方としては、協力金という形で東京都と大阪府がやっておられるような場合、取り組みを行うのであれば、今回の1兆円の地方団体向けの臨時の交付金を財源として、充当することはOKですという見解は出していただいてるということですので、そうした国のスタンスを踏まえて、現実に地方団体としてやる以上は財源がないと見通しが立ちませんので、財源的な裏づけとしては国がそういうスタンスをとっているということを踏まえて、検討していくことになると考えております。
(高知新聞)
財源というのは、1兆円の臨時交付金が念頭におありということでしょうか。
(知事)
はい。それでなければ、県でいわゆるフローで余裕のある財源というのはありませんので、県の財政調整的な基金、貯金を取り崩すしかないというのが現実の問題だと思いますから、まずは先ほど申しましたように、国全体としてこの感染拡大防止対策をやる必要がある中でとっていく措置ということですし、この1兆円の交付金も制度としてできているということですから、そういったものを活用していくのが第一義的な考えです。
(高知新聞)
知事会の中では増額を求める声であったり、財源を確保する、自由な使い道をというような提言も出ていますが、知事として国に求めること、国としてしてもらいたいことというのをあらためて教えてください。
(知事)
それはまさしく今おっしゃったところでして、今まさしくその交付金が本県にどの程度交付をされることになるのかという情報収集ですとか、あるいはどういった使い勝手がいいかあるいは悪いか、いわば事務レベルでのやりとりをやっているところで、たびたび申し上げているように、自由度はできるだけ高い交付金であってほしいと思いますし、金額的にもまだはっきりした姿は見えませんし、またどの程度の期間、どの程度の対応をとっていかなきゃいけないかにもよりますが、今の1兆円の中で国庫補助金の地方負担の部分が2,000、3,000万はかかると言われていますから、そういった部分を充当して、地方団体の単独事業の分をカバーするというのはちょっと無理があるんじゃないかと、リーマンショックのときは二次、三次という形で追加をされておりますので、そういった対応を念頭に置きながら、増額についてもお願いをしていかなきゃいけないのではないかと考えております。
(記者)
先ほどの事業者さんへの協力金以外に、県として独自で考えてるほかの支援策は何かありますか。例えば県民とか住民に1万円ずつ配るとか、子どもを対象に何かとか、今の段階で検討されてるものは何かありますか。
(知事)
基本的には経済影響対策のメインになるものは、事業者の方々への対策を中心に考えているということだと思っていますので、今おっしゃったような生活支援対策が全くないとは申しませんが、メインは事業者の方々への対策が、国の経済対策で足りない部分はどういうものがあるのかという観点からの検討がメインだと考えております。
(記者)
事業者の方は今まで県議会とかでも、一応減収補償というようなもの、補填というのを求めていますが、その辺まで踏み込むことは検討はされていますか。
(知事)
これも先ほどの補償の議論と似てまいりますが、実態としてお金が渡って支援をするということでも、ストレートに補填ということになってきますと、それをどういう理屈で税金を使ってやるのかという議論も出てまいりますので、そこは大きな枠組みとしては、やはり影響の緩和とか立ち直りに向けた支援とか、そういった形で事業を組み立てていくというのが中心になるんじゃないかと思います。結果的に減収のかなりの部分を補填できるような、そういった施策というのはあり得ると思います。
(記者)
休業要請について1点だけお伺いしたいんですが、県内の感染状況については、今のところ落ち着いてきているというようなご認識だとは思うんですが、これまで県内では休業要請をしていませんでした。今回緊急事態宣言の対象地に加えられたということで、また来週中に、主に3密についての休業要請について検討されていくと思いますが、現時点の県内の状況を踏まえると休業要請を行うべきなのか、やるべきなのか、どのようにお考えでしょうか。
(知事)
そこは悩ましいし、ニュートラルで、先ほどお話もあったように、片方では事業者の方々の本音として、実態では開店休業状態なので、いっそのこと支援が得られるのであれば、はっきりと命令でも指示でも、そこまで行かなくても営業の自粛要請という形で、明確にやってもらった方がいいぐらいだというようなご意見もありますので、なかなか事態は複雑で、それに感染の進捗の状況等とも絡んだ判断をしなければなりませんから、今の時点ではニュートラルで、ただ、検討対象としてスタートにあるのは、今申し上げたようないわゆる接待を伴う飲食業はどうかという点をスタートに、検討を指示をしたいと考えています。
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