公開日 2025年04月30日
更新日 2025年04月30日
1 県人口65万人割れについて
2 県人口の社会減について
3 「全国的な鉄道ネットワークのあり方に関する特別要望」について
4 鉄道のローカル線の維持に関する国と地方の話し合いの場について
5 予土線について①
6 予土線について②
7 予土線について③
8 米軍機の高知龍馬空港着陸について
9 幡多けんみん病院における麻酔科医の過酷勤務について
10 大阪・関西万博の感想について
11 国の経済対策における消費税減税について
(司会)
ただ今から知事記者会見を始めます。まず、幹事社質問をお願いします。
県人口65万人割れについて
(井上・高知新聞記者、高知さんさんテレビ)
高知新聞、高知さんさんテレビの幹事社から1問お伺いします。高知県の人口65万人割れについてです。4月1日現在の高知県の人口が65万人を割り込み64万8313人になったことが、今月21日、県の推計で分かりました。これは、国勢調査が始まった1920年、大正9年より2万人以上少ない水準です。年齢別の人口構成を見ると、減少は当面避けられませんが、社会減も拡大しており、1年間の人口減少のペースは加速しています。一方で、県内の市町村を見ると、高知市への一極集中というのも進んでいます。
こうした経緯も踏まえ、改めて知事の受け止めと、これからの人口減対策への思いを伺います。
(知事)
お話がありましたように、4月1日現在の県の人口推計が65万人の大台を割り込んだということであります。本県の年齢別の人口構成を見ますと、全国に先駆けて高齢化が進んでおります。この1年間で亡くなった方が1万1800人。一方で出生が3100人台です。この人口の年齢別構成というのは、にわかには変えがたい状況です。当面は、死亡者と出生者数との差、いわゆる自然減がかなり大幅に続くことを前提条件として、受け入れざるを得ないと考えます。その意味で、総人口の減少自体はやむを得ないものとして、できるだけ早期に35歳未満の若者の人口の減少を食い止め、これを反転増に持っていくという「元気な未来創造戦略」の目標達成に向けて、全力を尽くしていきたいと思っています。
ただ、この戦略の1年目であった昨年度は、出生数が過去最低を更新し、いわゆる社会減も大幅に拡大する形で、大変厳しいスタートになったと受け止めています。
こうした中でも、出生数に影響を与える婚姻数について見ますと、前年からの減少に歯止めがかかったということです。ここ数年、特に本県の出生数が激減して全国最下位になった要因を見ますと、コロナ禍の影響が、本県の場合、強く出たことが挙げられます。この間の婚姻数が全国の減少率よりも大幅に下回り、そのことが2、3年後の赤ちゃんの出生数の減少に直結してきたと分析しております。全国的にも婚姻数は底を打ち、反転し始めていますが、本県でも同様に婚姻数の反転増の兆しが見えています。そのため、新年度には多様な出会いの場の創出、拡充を重点施策の一つとしてやろうと考えておりますから、婚姻増を通じて、翌年、翌々年の出生数増加につなげる努力を、重要な課題として取り組んでいきたいとと思っています。
ただ、いずれにしても、人口減少の問題は1年、2年で答えや成果が出る性格のものではありません。様々な施策を総合的に取り組みながら、粘り強く対応していく必要があると考えております。この点を市町村の皆さんや民間の方々を含めたオール高知の体制で努力していくことが肝要だと思っています。
あと1点、特に高知市への一極集中についてのお話がございました。確かに県の総人口に占める高知市の比重、比率がじわじわと上がってきているのは事実です。現時点では、その高知市も年間4000人程度の人口減少の段階に陥っている状況です。減少幅が中山間地域、郡部よりも、まだましだというだけの話ですので、そうした意味で、かつてのように高知市が増えている。それ以外の郡部の市町村が減っているという状況であれば、高知市に集中している機能を郡部に移すという議論に意味があったと思いますが、今はそういう段階をすでに通り越していると思います。
その意味では、今は高知市、そして高知市以外の郡部の市町村、それぞれの特色や強みを生かして対応を取っていく。人口減少の克服に努力していくことが求められる局面にあると考えています。具体的には、高知市においては、よく言われる人口のダム機能。中山間地域の若者が大都市部に、県外に出るのを手前で止めて、高知市内の仕事場とか教育機関でとどまってもらうことです。逆に、Uターン・Iターンを、中山間地域に一足飛びにはちょっと難しいという方々に、移住のゲートウェイとして、高知市にまず入っていただいて、ある程度慣れた段階で中山間地域へと移る二段階移住を考えていただく。
そういった機能を高知市が担うことが重要だと思いますし、中山間地域は自然の豊かさや伝統的な文化、生活様式の豊富さを生かし、特色ある地域づくりを進めていただくと。そういった形で、双方が強みを生かしながら協調し、共存共栄を図っていくことが県内の市町村間の役割分担あるいは人口減少対策の方向性だと思っています。
当然、地方の努力以外に、国が経済的に子育て世代への支援の強化も必要です。また、東京一極集中の状況では、東京に人口が集中し、地方が減少するという状況にあります。ここに国土政策として、しっかり手を打っていくといったことを、国に対しても引き続き、粘り強くしっかりと提言していきたいと思っております。
県人口の社会減について
(井上・高知新聞記者)
少し関連しまして、出生数を食い止めるお話がありました。一方で社会減というのが、昨年度を見ると大幅に増えて、数で言っても11年振りに2500人を超えるような数字になっています。社会減に対する分析というか背景、それから、社会減対策というところもお聞かせください。
(知事)
この点については、より詳細な分析が必要と思いますが、ひと言で言いますと、コロナ禍後に、景気回復の局面にある中で、東京を中心とした大都市部の雇用吸収力が極めて強くなっているということです。それに対して、県内もいろいろ努力はしておりますが、高知県内の、特に若者の雇用の場や教育の場としての総体的な魅力が、大都市部と争った場合に、残念ながら劣後していることの反映と捉えざるを得ないと考えております。
一つには、昨年からやっておりますように、いろいろ分析をした中で、今まで、いわゆる新卒の時点での進学とか就職とかいうところに、対策を集中してきましたけども、むしろ、一旦就職をした後の転職の場面で、県内での転職ではなくて、県外への転職、これが圧倒的に多いということが大きな要因になっているのではないかと。この点は、改めて対策を強化していくということは、既に、今年度の当初予算の中で掲げておりましたから、こういった対策をやっていくということと併せまして、特に新年度予算としては、まだまとまったものは計上しておりませんけれども、緊急に取り組もうとしておりますのは、産業分野別に、特に各産業分野の若手経営者とか、女性経営者とか、こういう方にも入っていただいて、チームをつくった形で県庁の担当部署と、特に若者の所得向上というところについて、具体的に何をやったらいいのか、県内でどういう成功事例があり、あるいは模範となる事例があり、これを参考に考えていただく、いったらいいのか、こういった問題意識で今年度前半、特に集中的に検討作業してもらおうと。
それを踏まえて、すぐできることは年度内でやりますし、もう少し腰を据えて、来年度以降の本格的に施策に組み立てるべきものは、来年の予算編成の中で事業化していくと。こんな2段階の考え方でやっていくということで、やはり一口に若者所得向上と言いましても、一般的に今まで、例えばデジタル化などを通じて、自動化、省力化で生産性を上げていくとか、地産外商、そしてイノベーションといったことは申し上げてきたわけですが、やはり、産業分野別にかなり実態は違うということなんだと思います。
例えば、飲食業などは、もうどちらかと言いますと、非正規、アルバイトが大変多くて、このこと自身が、所得水準が低いところにとどまってしまうということに直結しておりますし、逆に製造業なんか、あるいは保健・医療業などを見ますと正規化というか、正規の雇用の比率は高いんだけれども、それでも給与の水準としては、都会に比べるとかなり低いと言ったことで、それぞれの業種・業界ごとに、ある意味、特色があり、それに対して、各業界ごとにどういう対応を具体的に取っていったらいいのかというところを、少しブレイクダウンをした形で、かつ若い経営者の、当事者のお声も聞いた上で、より踏み込んだ対策につなげていきたいと考えております。
(司会)
では、質疑に移ります。質問をされる方は挙手して、お名前と社名を発言していただいてから質問をお願いします。
「全国的な鉄道ネットワークのあり方に関する特別要望」について
(古谷・読売新聞記者)
少し前になりますけど、9日の日に知事29人で鉄道ネットワークの在り方について、石破首相に特別要望書を提出されたということがあったかと思うんですけれども、それについてのこの時期の要望をされた理由と、特に知事の思い、予土線の問題も含めていると思うんですけれども、その部分をちょっと改めてお伺いできたらと思います。
(知事)
冒頭、もう一度お願いできますか。何の。
(古谷・読売新聞記者)
知事の思いです。当日、知事ご自身は直接会われたわけじゃないんですけれども、受け止めというか、知事と国との協議の場を設けるとかいうような話もあったようですけれども、それを含めて、ちょっとお願いできればと思います。
(知事)
JRのローカル線のお話ということですね。失礼しました。
お話がありましたように、広島の知事からの中心とした提案もありまして、要はJRのローカル線のネットワークの維持です。これに関しましては、ひと言でいって国の責任を明確にして、国のリーダーシップでしっかりとネットワークの維持を図っていくべきだという点に関しまして、一緒に知事会といいますか、知事の連盟での提言・要望していこうという呼び掛けがございました。
同じ趣旨のものは、令和4年に新しい地域公共交通の確保の法律が動き出すというタイミングであったわけですが、その後、ある程度この法律に基づく動きも現実に広島県、岡山県など中国地方では、協議会も動き出したということもあって、しかし、その中でいろいろ課題も見えてきたということで、国の責任の在り方をしっかりと示すべきだということを強調する形での特別要望がされたと受け止めています。
このこと自身は全く同感ですし、提言の中で石破総理にもお会いができて、石破総理は鉄道は非常にご趣味で、お詳しいということがありましたので、そうした中で鉄道はつながってこそ意味があって、一つの区間が赤字という議論をしていくのは、そもそもおかしいんじゃないかというご発言も総理からあったと聞いておりますので、趣旨は、しっかりと受け止めていただいたということだと思いますし、これを受けて、国交大臣からは、ローカル鉄道の再構築などに関しまして、国と地方の議論について、具体的な進め方を検討していくんだというお話もあったと聞いております。
そうした形で、国として責任を果たすべき部分をしっかりと果たしていくという前提に立って、国・地方間で意思疎通していくということ自身は、望ましいことだと思っております。
ただ一方で、特にこれが本県ということになりますと、具体的な課題として出ておりますのが、予土線の存続の問題ということですので、この点はただ、ここ数年のJR四国のスタンスも、現社長になられてから、いたずらに再構築の議論を急ぐということでは必ずしもないというふうなスタンスに変わってきているということもございます。そういった点では数年前と少しこちらも状況が変わってきているかなと受け止める部分もありますが、いずれにしても特にJR四国については、以前から申し上げておりますように、元々構造的に営業赤字というのは宿命として受け入れた上で、当初は国の基金の運用益で、これで赤字をカバーして存続を図っていくというスキームでスタートをしたということがございますから、特に他の本州のJR各社、あるいは九州のJRと比べますと、国の責任という点では格段に重いというのが、JR四国の特色と思っておりますので、そういった点は大前提としながら、しかし、地方としてさまざまな利用促進ですとか、JR四国さんの関連事業も含めた事業の振興・発展というところに、どう我々として協力ができるか、あるいはタイアップができるかという点からの取り組みはしっかり進めていきたいと思っております。
鉄道のローカル線の維持に関する国と地方の話し合いの場について
(古谷・読売新聞記者)
石破首相からは、知事と国が協議する場を設けるというような話もあったようですけれども、そういった席で、特に濵田知事として訴えていきたいことってありますか。どうでしょうか。
(知事)
特に都道府県間を跨ぐ、全国的な鉄道のネットワークの維持というのは、これはしっかりと国の責任を果たしていっていただきたいということに、凝縮されるのではないかと思っています。
特に四国は、その色彩が大変強い地域だと思いますし、本州のJR各社についても、ここにまさしく総理が言われたように、ここの赤字区間を捉えて、赤字区間を部分的に切り崩していくという議論は、鉄道が、本来ネットワークとして機能するということが期待されているということからしても、いかがなものかという思いを持っておりますので、そういった点を議論させていただく場があれば、申し述べたいと思っております。
予土線について①
(古谷・読売新聞記者)
ネットワークという点でおっしゃれば、当然予土線のあの区間だけがやっぱあって、初めてネットワークとして成り立つんだという、そういう理解でよろしいですか。
(知事)
そういうことで結構です。特に四国は赤字だということで、区間区間を区切ってやめるという議論をしだすと、ほとんど残らないということだと思いますので、それでは、鉄道のネットワークとしての機能が全く意味がないという議論になってしまいますよねということだと思います。
予土線について②
(古谷・読売新聞記者)
あとJR四国の社長が四之宮社長に代わって、予土線への考え方というのはさっきおっしゃったように、ちょっと変わってきたというような印象をお持ちですか。どうでしょうか。
(知事)
大きな部分でといいますか、基本的な方向性で、自治体も利用促進の努力をし、JRとしても何というんですか、廃止ありきということではない前提で議論はしていくべしということは、そこは共通のスタートだったと思いますから、その部分が変わったとは思いませんけれども、一言でいいますと、新しい法律ができて、ある意味、国からのプレッシャーがあって、そういった協議を進めなきゃいけないんだというところの呪縛みたいなものは、今はだいぶなくなっているという受け止めはあります。
予土線について③
(古谷・読売新聞記者)
つまり協議への動きっていうのがなくなっているという、要するに存廃の協議会がありますよね。そこへ向かったという動きはちょっと止まってる、歯止めが掛かってるっていう理解で。
(知事)
その前にむしろ利用促進だったり、関連事業を通じて地域を元気にしていくとか、そういったところにむしろ重きを置いて、当面は自治体との関係を良好にしていきたいという思いで、対応していただいていると受け止めております。
米軍機の高知龍馬空港着陸について
(西森・高知さんさんテレビ記者)
高知空港に米軍の戦闘機が緊急着陸してから今日で1カ月になりますけれども、先ほど市民団体も会見を開きまして、なし崩し的な軍事利用につながるのではみたいな懸念も含めて、真相究明と再発防止についての求める会見を開かれたんですけれども、県民の中にも無事に事故なく離陸できるのかとか、なぜこれだけ長期になっているのかという不安をお持ちの方もいらっしゃると思います。県として、国や防衛省にこれまで、それから今も含めてどういう対応をされているのかということと、これだけ長期にわたっているというのはちょっと異例だと思うので、改めまして知事の受け止めを伺いたいと思います。
(知事)
その直近の会見というのは、私情報にまだ接しておりませんけれども、今までの県の対応なり受け止めということについてでお答えさせていただきます。
本件は3月25日に機器に異常が認められたということで、いわゆる予防着陸ということで米軍機が着陸をされたということでありまして、これ自身は、国の一般的な航空保安上のルールに基づいて行われたもので、特別に米軍に何か便宜を図ったということでは必ずしもないということだと思いますし、安全確保ということで考えた場合に、必要なやむを得ない措置だと受け止めております。
我々の基本的な考え方としましては、必要な点検整備を行った上で、これが完了して機体の安全が確認されれば、本来の基地に戻られると、元々中国四国防衛局からもご説明を受けておりますし、そういうことだろうと思っております。
ただ、たしかに異例な長さで、現実にまだ整備が完了しなくて高知空港に引き続き留まっておられるというのは事実ですし、私も先週末から東京出張に参ります時に空港を利用しましたけれども、たしかに全く見慣れない、ああいう戦闘機が、特に民間機の運航を邪魔するという状況ではないですけれども、見慣れない戦闘機が駐機をされて整備らしきものが行われていると、また、それが少なからず県民の皆さんに不安感を与えているということは、私としても事実だと思いますし、できるだけ早く、そういったイレギュラーな状況だと思いますので、これは解消してもらいたいという思いは常に持っております。
現実に事務レベルではありますけれども、着陸後も中国四国防衛局を通じてということになりますが、最近接触を取っておりまして、昨日には危機管理部から防衛局に対しまして、県民からの声も踏まえて、速やかに解決してほしいと、県としても望んでいるんだという考えを改めてお伝えしたという状況です。
(西森・高知さんさんテレビ記者)
ちなみに、なんかお答えは何かあったんでしょうか。速やかに解決してほしいという。
(知事)
一字一句の答えは報告受けておりませんけれども、通常のパターンでいえば、意向は伝えるけれども、今のところ具体的な返事はないということではなかったかと思っております。
(蜷川・朝日新聞)
朝日新聞の蜷川です。ちょっと聞き取れなくて、どこを通じて速やかに解決してほしいとお伝えしたんですか。
(知事)
本県の危機管理部です。具体的な担当者としては、危機管理・防災課長から中国四国防衛局の担当の課長に、課長レベルで電話連絡をしたと報告を受けております。
(蜷川・朝日新聞)
分かりました。ありがとうございます。すみません途中で。
幡多けんみん病院における麻酔科医の過酷勤務について
(中川・NHK記者)
県立幡多けんみん病院についてお伺いします。先日、議会の委員会でも報告がありましたが、昨年度、高知大学から派遣された複数の麻酔科医が心身の不調を訴えて、第三者委員会も県が設置されたとお伺いしております。これに関連して、高知大学は今年度から幡多けんみん病院に派遣する麻酔科医の数を減らしていて、地域医療への影響も懸念されております。これに対して、県で今後どういった対応していくのかをお考えかお伺いできればと思います。
(知事)
お話がありましたように、いわゆる過酷勤務の問題が指摘をされまして、高知大学からの麻酔医の派遣が、幡多けんみん病院、現員を減らされているということであります。こうしますと、麻酔の件数ができないとなりますと、手術の件数も減らさざるを得ないという形で、病院の診療体制の維持が難しくなっている。地域の住民の皆さまには、ご心配をかける状況になっていると考えております。
当面の対応としては、こうした影響を最小限にとどめるという観点から、非常勤の麻酔科医を配置するという対応も含めまして、診療体制をできるだけ確保したいということで、対応していると報告を受けております。この件に関しましては、高知大学のサイドからのご要請もあって、いわゆる第三者委員会を設けまして、事実関係の解明、あるいは今後の改善の方向性、こうしたものについて報告いただき、今、その対応を公営企業局を中心に検討しているという段階ですので、対応を速やかに行いまして、できる限り早期に高知大学に報告をし、ご理解いただいて、目指すところとしては、従来の麻酔科医の派遣体制に復して、回復してもらえるように、理解いただけるように努力するべしということで、私からも公営企業局には指示しております。
大阪・関西万博の感想について
(井上・高知新聞記者)
2点お伺いします。まず1点目は、大阪・関西万博についてです。12日に濵田知事も開会式に出席されて、実際、ご自身の目でもいろいろの会場を見られたと思いますけれども、率直なご感想をお伺いしたいです。
(知事)
13日からの開幕に先立って前日に開会式がございました。本県からは私、それから三石議長がお招きいただいて、参加させていただきました。特に印象的だったのが、やはり、大屋根リングの威容でありまして、元々、非常に巨大な構築物とは聞いてはおりましたけれども、この目で、目前で見ました時に、その威容に驚きますとともに、屋上の通路の部分、エレベーターで上がって見まして、会場を俯瞰できたわけですけれども、改めまして、私も大阪府勤務時代に招致に関与もいたしましたので、いろいろ課題はありましたけれども、また、現にまだ建設中の外国パビリオンもあるということは聞いておりますけれども、大筋としては、何とか予定の開幕に間に合って、数々のパビリオンも整備がされておりましたので、ここまできたかということで感慨無量だったということが、私の感想のポイントです。
国の経済対策における消費税減税について
(井上・高知新聞記者)
もう1点、ちょっと話は変わるんですけれども、国の経済対策についてお伺いします。現在、与野党含めて消費税減税に対する意見がいろいろと経済対策として上がっております。中でも食品に限定して、期間限定というような案もありますが、やはり、この減税には財源の裏づけというのも必要になるかと思います。そこで、濵田知事にこの消費税減税論についてのお考えをお聞きします。
(知事)
タイミングとして参議員選挙を間近に控えているということもありまして、与野党挙げて、目玉となる公約も掲げなきゃいけないという背景があろうかとは思いますけれども、その対策としての消費税減税の議論をされているということだと思いますが、結論からいいますと、私としては、この問題は極めて慎重に議論していただきたいという思いです。よく言われますが、消費税は社会保障のための大事な財源ですし、今や税目別で見ましても、1、2を争う税収を上げる重要な税目になっております。また、10%の内2.2%は地方消費税、そして、地方交付税に回る部分も合わせますと37.2%は地方の財源になるということですから、これを恒久的に減税するということになると、たちまち地方の税財源の穴埋め、代替財源はどうなるのでしょうかという議論になるんだと思います。
そもそもの物価対策、経済対策の時限的なものということであれば、時限的な減税というご意見もあるようですけれども、これは、むしろ給付措置で支援が必要な方々を、ある程度特定して行っていくということが財政的な費用対効果というんですか、考えれば王道だと思いますので、減税は確かに効果があると、恒久的な、これは確かにそうだと思いますが、その方向での検討するのであれば、先ほど申し上げた、特に地方の代替財源、そして、場合によっては社会保障の財源ということ、社会保障制度の充実と表裏一体で税率引き上げということはされてきたわけですから、社会保障の制度を、じゃどう、これはどっちかといいますと、縮小の方向での見直しをしないといけないというのが理論的な方向になると思いますが、社会保障制度をどう見直していくのかという、恒久的な制度の在り方の議論をもっと腰を据えて行われるべきと思いますので、経済対策、景気対策、もちろん、今は物価高ですから、その対策を検討し、講じていただくってことは大事な政策課題だと思いますが、消費税が一丁目一番地というのは、相当荷が重いといいますか、一時のスポットでの経済対策ということになると、もう少し他に検討すべき選択肢があるのではないか、先に検討する選択肢があるのではないかという思いで拝見しております。