公開日 2025年06月16日
1 6月補正予算案 追加提案 知事説明
2 国の重点支援交付金について
3 LPガス・電気料金高騰対策について
4 知事公邸のあり方について
5 龍馬マラソンについて
6 政府の備蓄米放出について
(司会)
ただ今から知事記者発表を始めます。はじめに、知事から6月補正予算追加分の概要の説明があります。
6月補正予算案 追加提案 知事説明
(知事)
明日、13日、6月議会定例会が開会いたします。この開会日に提出する予定の議案につきましては、先週、内容を発表したところですが、今般、新たに追加する議案がございますので、その内容についてご説明をします。
追加するのは、同じく令和7年度の一般会計補正予算の議案であります。既に1件、予定していましたが、これに加えて、特に物価高騰対策分として緊急に措置をする必要があるものにつきまして、別途1件、補正予算を編成して、日程的には何とか明日の開会日に間に合いそうだということで、提出日は同じになりますが、議案としては二つに分けまして、既存のものプラス1件で、今回お願いしています。
事情等をさらに詳しく説明しますと、国で5月27日の閣議決定により、国の予算の予備費を活用して物価高対策をされると。主として電気代、ガス代の夏場の3カ月分の助成内容が中心になりましたが、これに呼応して、地方でも必要な施策をしてほしいと。また、そのための財源として重点支援交付金、これは1,000億円ぐらいだったと思いますが、これが地方団体に交付されることになりましたので、これに対応して、本県にも7億円弱程度の配分通知がありました。ただ中身としては、ここ数年同じような形で、電気代、ガス代の支援を政府が行い、仕組み上、なかなか国で手当が難しい部分について、県や市町村がそれを補完する役割分担で、ある意味、確立したルールがほぼできている部分がございます。
こういった部分につきましては、できる限り早く助成金の交付をするのが必要という判断に立ちまして、今回、追加提案をして、審議をお願いする趣旨であります。
中身について、簡単にご説明します。
今申し上げましたように、今回の国の予備費の充当によります追加の物価高騰対策は、基本的に電気、ガスについて夏場の7、8、9月は非常に需要期でもあって、物価高の影響の緩和が必要ということで、この3カ月分の助成をしようと。
一般の電気は電力会社、都市ガスは都市ガスの会社に、国から直接、助成がされることでありますが、諸々の流通の仕組み等の関係上、LPガスは、国で直接執行が難しいので、県レベルで対応して欲しいと要請がありました。
これに対応する部分について、過去、何回かやってきましたが、同じような形で算定をして2億3,000万円ほど。電気は、先ほど申し上げましたように、電力会社を通じて、あまねく割引がされるわけですが、いわゆる特別高圧電力という、大口の需要者に対しては、この仕組みが行き渡らないということで、この点については、これも過去数年間、県で手当をしてきました。同じルールで、今回、特別高圧電力についても県の予算から手当をする中身であります。
生活対策として、学校給食の負担軽減があります。学校給食の多くの場合は、公立の小中学校、これは市町村が設置者になっていますから、市町村において対応するのが通常でありますが、逆に言いますと県立学校は、市町村での対応が考えにくく、給食費の物価高騰対策については、県で担当しようということで、これも過去数年、対応してきました。同じ考え方で、今回、県立学校分について、給食費の値上げ分相当について支援する予算を計上しています。
それから、事業者支援、一次産業関係です。農林水産業関係は、やはり自然が相手の仕事です。作況の好不調による需給関係で、価格が大きく左右されることもありまして、こうした物価高、資材高の転嫁が構造的に難しい事情があります。
そうしたこともありまして、畜産農家に対して飼料、エサ代の高騰への影響の軽減、それから、漁家に対しましては、燃油やエサ代が高騰していることにつきまして、国のセーフティネットの制度に伴います負担分の一部を支援する形で、これまでも手当をしてきました。同じような考え方に立ちまして、今回畜産、漁業の物価高騰対策を計上しています。
それから、ある意味、同じ趣旨になりますのが医療施設、社会福祉施設関係、私立学校関係です。それらの施設につきましては、診療報酬などの公定価格により規制されています。例えば、医療でありますと、2年に1回の診療報酬改定がないと、基本的には収入の単価が上げられない構造がありますが、昨今、電気代はもとより、様々な諸物価の高騰で、非常に経営が厳しくなっているという声もお聞きしています。
従いまして、こうした公定価格で決まってきます医療、社会福祉施設の分野、そして、私立学校はそうした規制があるわけではありませんが、事実上、年度途中に授業料の値上げをするのは、かなり厳しいという事情もありまして、こういった関係の施設につきましては、これも過去数年、同じ考え方に立って、支援してきました。今回もその考え方を踏襲して、また早くお届けしなきゃいけないということで、今回、同じような中身で予算計上をして、議決をお願いする判断をしました。
結果、今回5億6,200万円ほどの予算規模となっておりまして、国の方から先月末に提示がありました重点支援交付金としては、1億3,000万円程度の枠が残っているところでありますけども、これは意図して残したということでは必ずしもありませんで、この交付金の枠が提示をされて、過去数年間ですね、確立したやり方で、とにかく早くお届けしようというものを、今回優先して、残った部分が一定あるということでありますが、これにつきましても、恐らく、ちょっと政治の情勢も絡みますけれども、与党の方は参議院選挙の前にも、次なる経済対策を検討されるという情報もありますし、いずれにしても、秋には補正予算が組まれまして、追加的な経済対策が、恐らく国において考えられるであろうということもありますから、そういった状況も見極めながら、使い道を検討してゆく。もし、またそういうことになれば、恐らく、重点支援交付金的なものも、追加で枠の提示というのもあり得ると想定しています。今そういったことと併せまして、国の動きを見極めた上で、残った分の使い道は検討したいと思っております。
計数編につきましては、今回この追加分に相当することとして、一部諸収入との入れ替わりがありますが、全額、先ほど申した国の重点支援交付金の追加分を充てて、経常的経費が歳出区分になっています。
私からは以上です。
(司会)
各社からの質疑に移ります。質問のある方は、挙手して社名とお名前を発言していただいてから質問をお願いいたします。
国の重点支援交付金について
(井上・高知新聞社記者)
今回の財源に充てる、先ほども説明がありました重点支援交付金ですけども、このタイミングで、高知県は6億8,900万円余り配分されたということですが、このタイミングであったり規模感の評価というのは、どのようにされているんでしょうか。
(知事)
これは、当初こういった形の3カ月の電気代、ガス代の支援を国の方で、春ぐらいからやりますというお話は決まっていたわけです。ただ当時、さっき申し上げたような、LPガスや特別高圧を県で対応してくれと、過去言われておった部分についての、この重点支援交付金の手当はどうなるんですかと問い合わせをしましたら、それは昨年度、お配りした分がまだ使い残しがあるでしょうから、それを使ってくださいとのお返事でしたので、それはちょっと話が違うと言いますか、困ると言いますか、本県も含めまして、多くの地方団体では、形式的には昨年度の年度末に配分の通知があった部分は、昨年度中に使ったものは一部で、残っている分は形としてはあるかもしれませんが、それは、今回のとさでん交通もそうですけど、今年度の当初予算に繰り越して、使い道はもう大半決まっている状態であるし、本県の場合はそうでありますし、多くの地方団体もそうであるはずなので、これは別途、こういう手当をしろということであれば、別に追加で手当をしてもらわないと困りますという話は、先月、私自身、伊藤財務大臣のところにまいりましたけども、国の方に政策提言、要望をしたところであります。
ある意味その成果でもあると思いますが、急遽、今回の予備費の充当という中で、1,000億という枠、今までに比べると限定的な枠ではありますが、追加で重点支援交付金を配分しますという方針を示していただいて、配分があることになりましたので、今回、じゃあ、すぐにやりましょうということができました。その意味では、私どもの申し出、意見、提言を踏まえて、改めて実態を確認していただいて、これは追加をしなきゃいけないということで、この追加の枠の配分を決めていただいたということは、非常に的確な措置を国は講じていただいたと思っております。恐らくは、先ほど申し上げましたように、これで物価高騰対策や経済対策、終わりではないと思いますので、今後、今年度後半にかけて、恐らく新しい展開もあることも考えますと、現時点では必要な配分を、国で速やかに手当していただいたことは、私自身評価をしておりますし、ありがたい措置だと受け止めております。
LPガス・電気料金高騰対策について
(竹村・NHK記者)
今回生活者支援にLPガスの支援と、学校給食費の負担軽減ということですが、これについて知事の思いと、これによってどのように県民の皆さんの負担が軽減されることに期待したいか伺ってよろしいでしょうか。
(知事)
電気代やガス代の高騰は元々は、ウクライナ侵攻を契機とした国際的なエネルギー価格の高騰以来ですから、もう3年以上続いていることだと思います。その意味では、いつまでも税金を使って補填をするべきものかという議論は、これは確かにあろうかと思いますが、現実に、やはり、諸物価総じて高騰している中でありますので、緊急的な経済対策として、国において電気代、ガス代を、特に経費がかさむ夏場に支援しようという判断をされたことは、国の判断として、私は尊重したいと思います。
ただ、そういう形で措置がされる以上は、本県は都市ガスのシェアは全国でも低い県で、実際にはLPガス、プロパンガスの供給を受けている家庭がはるかに多いわけでありますから、こういった部分への支援が行き届かないことでは困ると。これは、国が構造的にやりにくい、県で対応をお願いするということでありましたので、そのものについては、国に準じた算式でLPガスの供給を受けているご家庭にも、いわば損得がないように支援が必要だという事で、その意味で、できるだけ早く措置を確定すべきものはしたいと、予算を計上させていただきました。 特別高圧も、事情は若干違いますが、趣旨は同じでありまして、国の負担軽減措置が、いわば、あまねく切れ目なく行き渡るように、今回予算計上させていただいたということであります。
知事公邸のあり方について
(井上・高知新聞社記者)
先週の6月7日の土曜日に、知事公邸の在り方に対して、建築家の専門家の方が集まって講演会が行われて、その場で、知事公邸の建物が和風建築としても希少性が高く、歴史的価値もあるんだと、ぜひ残してほしいという講演内容だったんですが、知事自身、公邸の在り方を検討していく方向性は示されています。今のスケジュール感や現状のお考えはどのようにおありでしょうか。
(知事)
知事公邸の在り方については、昨年の、私が2期目の知事選挙の際に、公約の一つとして、見直しを任期中にはしたいと申し上げてきました。趣旨は、全国各県見ましても、かつては公舎を持っていろいろなお客さまの接遇、会議をやるのが一般的でありましたが、昨今は、もう知事公邸を廃止する県も増えてきたと。
それは、ホテルや飲食店が立派なものがたくさん街中に民間でできていますから、わざわざ県でああいう施設を直営で維持してやる必要がないんじゃないか。住居の部分に関しても、最近であれば、マンションの借り上げのような対応をするケースが増えていることもありますから、築60年を経て、かなり老朽化も進んでおりますので、知事公邸の在り方は、私の任期中に見直したいと公約の中で掲げました。
今、描いているスケジュール感は、令和8年度、一年ぐらいかけて、有識者にお願いして検討会など組織を設置、いろいろご議論いただくと。そして年度中には、一定の方向性や選択肢が整理されて、次の知事選挙、令和9年度に、議論いただけるためのいろいろな整理を、県の事務方として来年度中にするスケジュールを描いております。
そうした中で、まず、知事公舎自身どうするかの話が前提ではありますが、知事公舎として今の建物を使う、建て替える話を選択肢として議論することになれば、今、お話があったような、建築学史的な意義をどう考えるのかの論点は一つ出てくるとは思っております。その時点で、より詰めた検討テーマの一つになる認識を、現時点ではしております。
龍馬マラソンについて
(古谷・読売新聞社記者)
昨日の「龍馬マラソン」の総会で、知事のご挨拶の中で、ランナーの確保に苦労している状況だと。現状のままでなく、さらに魅力アップしなければいけないということで「あり方検討会」を設置する話も出ましたが、例えば、どういうふうに、今後魅力をアップしていくのか、お考えがありましたら、お聞かせいただいたらと思います。
(知事)
この点は、率直にいろいろな専門家の意見を幅広く聞いてということですが、やはり、今までの「龍馬マラソン」の評価いただいていることについて、いわば、強みの部分をより厚くしていく、手厚くしていく観点でいえば、おもてなしの部分が評価されていると思いますので、おもてなしをいただけるような団体を、さらに増やしていけないか。いろいろなサービスについて、新しいものが考えられないかと思います。
ランナーの方々のお声としてお聞きしていますのは、非常に実務的な話になりますが、着替えの場所の動線が、あまり使い勝手がよくないという宿題は、春野運動公園について、かねてお聞きしております。できる限りの対応を取ってきておるつもりでありますが、より、抜本的にいい手がないのか、過去からの宿題として、引き続き勉強しなきゃいけない課題としてあると思っています。
以上、一例でありますが、ランナーの方々、あるいは専門家の方々から見て、今の時代、市民マラソンの参加者のニーズを捉えた時に、どういう改善が求められているかを幅広くお伺いをして、できることから実現していくスタンスで臨みたいと思っております。
(古谷・読売新聞社記者)
早ければ、来年2月の大会に間に合うような形で、ある程度のまとめは出したいというお考えになんでしょうか。
(知事)
まとめということになると、少し時間がかかるのかもしれませんけれども、早速1回目の会合で出た中で、できることをやるというところまで含めて考えれば、そういった対応も含めて、できることはやりたいと思っております。
政府の備蓄米放出について
(田村・高知さんさんテレビ記者)
今週から、随意契約による政府の備蓄米が県内でも流通し始めましたけれども、知事の受け止め、国への要望や課題、評価をお聞かせください。
(知事)
今回は、令和5年産のお米が不作だったことの影響が、昨年からずっと尾を引いた、いわば、令和の米騒動ともいわれる米不足、価格高騰があっての、異例の対応と受け止めています。
恐らくは、政府の備蓄米の放出、これも異例の判断を、前大臣の時にされて、いろいろな流通量増を図る対策を取られてきたにもかかわらず、必ずしも価格を引き下げる効果が十分に見えない状況の中で、小泉農林水産大臣交代後、とにかく、現状を動かしていくと。消費者の皆さんの目に見える形で、下げるべき部分は下げていくという結果をとにかく出したいということで、競争入札によらずに随意契約で、かつスピード重視で、今回、本当に異例の対応を取られたと思います。
そのこと自身は、私は、消費者の方々、国民の皆さんに目に見える形で、政府としての今の米価はやはり高すぎる。そして、それは下げていくんだという強い意志を示された。それが、首都圏や大都市部だけでなく、比較的、私自身想像していたよりは速いスピードで、高知県内でも、即日完売のような状況かもしれませんが、現実に、目に見える形で結果が出てきたことは、喜ばしいことだと思います。
ただ、よく言われておりますように、短期的にはそういった形で、政府としては、米の最終的なスーパーでの販売価格を適正水準に下げるまで、断固として対策を取っていくということは、これはこれで是だと思いますが、中長期的に見ますと、やはり生産者の方々は、やっと作って、作り甲斐があるぐらいの値段まで上がってきた米価が戻ってきたということを、むしろ歓迎しておられた方も少なくないと思いますから、意欲を持って生産を続けることに値する水準を、同時に中長期で、目指していくことが肝要だと思っております。まず今は適正水準に下げることが優先だと思いますが、もう少し先の時間軸では、生産者の方々も納得できる水準を念頭に置いて、さらにいえば、米農家の規模拡大、技術の高度化による生産性向上に、どうてこ入れをしていくかといった課題も含めて、米農業の在り方そのものを抜本的に見直していくと。これは、国も取り組まれると言われておりますが、そういう取り組みを進めていただくことが、大事ではないかと思っております。
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