公開日 2025年10月15日
1 自民党総裁選について①
2 自民党総裁選について②
3 大阪・関西万博について①
4 大阪・関西万博について②
5 大阪・関西万博について③
6 自衛隊統合演習について①
7 自衛隊統合演習について②
8 県立施設の指定管理公募について①
9 高知ユナイテッドSCについて
10 あんぱんの放送と観光への効果について
11 県立施設の指定管理公募について②
12 県立施設の指定管理公募について③
13 県立施設の指定管理公募について④
14 県立施設の指定管理公募について⑤
15 県立施設の指定管理公募について⑥
16 県立施設の指定管理公募について⑦
17 消防広域化について①
18 消防広域化について②
19 ぢばさんセンターの再整備について
(司会)
ただ今から知事記者会を始めます。まず、幹事社質問をお願いします。
自民党総裁選について①
(今橋・テレビ高知記者)
先日行われた自民党の総裁選についてです。総裁選で5人の候補が政策を伝える中、高市氏が新総裁に選ばれました。高市新総裁の訴える政策も含めて、濵田知事の、結果の受け止めと今後の政権運営に、県として望むことを教えてください。
(知事)
お話ありましたように、今回の自民党総裁選挙で高市早苗氏が選出をされました。高市さんは、一つには日本列島を強く、豊かにというスローガンを掲げられて、力強いリーダー像を提示された。また当選10回で豊富な政治経験もお持ちで、私も総務省勤務時代、お仕えしたことがございますが、非常に政策形成力に優れた、卓越した政策形成力をお持ちの方だと思います。何よりも女性初の総裁、また総理・総裁を狙われるポジションという刷新感、こういった点が多くの支持を集めたのではないかと考えます。また、与野党の調整も早期に進めようという姿勢も示されたということもございます。まだ首班指名の日程も含めて不透明なところはございますが、圧倒的多数の比較第一党の自民党党首でありますから、総理に選任される可能性が大変高いと思います。
その上で、私として期待いたします政策展開としては三つございます。
一つは物価高騰対策を含める経済対策の早期策定です。参議院選挙が終わりまして、もう3カ月近く経ちますが、この分野の取り組みは、率直に申し上げて停滞している状況だと思います。ここに、当面の緊急的な支援としての経済対策、物価高騰対策もそうでありますし、やはり将来を睨んで持続可能な形の、成長、構造転換をもたらすような経済政策、経済対策を早く策定して講じていただきたいと思いますし、ガソリン暫定税率の廃止なども含めました与野党での懸案となっている協議につきましても、特に地方財源の確保と、代替財源の確保を、ゆめゆめお忘れなくということを前提に、方向を早く出していただきたい思いであります。
二つ目は、石破内閣で進められてきました、特に我々、都市部というよりは地方の地域にとって、大変重要な課題。端的に言いますと一つは地方創生、もう一つは防災庁の設置のような防災対策の強化だと思います。この取り組みをしっかりと継承して、さらに力強く発展させていただきたい。高市総裁は総務大臣の今までの在任期間で言いましても、一番長い経験をお持ちでありますから、地方の実情、あるいは防災の重要さも熟知しておられますので、この点も大いに期待をさせていただきたいと思います。
三つ目は、それらを含め全体として、与野党を通じて今の少数与党の体制下で、昨年の秋以来、率直に申し上げて、国政のいろいろな部門での停滞が見られると思います。与野党が対立している政策争点については、例えば今、公明党で問題提起されていますが、政治改革の問題も含めて、具体的な中身が折り合えない。結局、改革が前に進まない。現状維持にとどまる。いろいろな改革を進めていかなくてはいけない時に、それが十分に前に進んでいないという思いがございます。与野党でしっかりと真摯に議論いただいて、具体的に国政を前に進めていくスタンスで臨んでいただきたい。また、今、衆参両院で少数与党でありますから、それなくして、先ほど申し上げました経済の再生対策、地方創生、防災、こういった政策課題も前に進むことがないと思いますので、この点を大きな前提としてしっかりとお願いしたいという思いであります。
(司会)
それでは、各社からの質疑に移ります。質問される方は挙手の上、社名とお名前を言ってから質問をお願いします。
自民党総裁選について②
(栗原・時事通信社記者)
高市新総裁についてお伺いします。知事は総務省時代に官房参事官と総括審議官として仕えてらっしゃると思いますが、高市新総裁との思い出や、地方行政に対する思いなど感じ取れるものがおありでしたらお願いします。
(知事)
2、3申し上げます。一つは、高市大臣時代に政策形成能力ということを申し上げました。大臣になられますと、特に2月、3月、国会期間中、大変忙しいものです。我々は当時、課長クラスでしたので、いろいろなご質問の答弁資料を作って、朝、大臣にご説明してというのが通常ルートだったわけですが、高市大臣になられまして、前の晩までに、とにかく答弁の資料を準備して大臣室に投げ込めと。そうすると、夜間から朝にかけて大臣ご自身が資料を読み込んで、不明な点は、朝、秘書官を集めて秘書官経由で担当課に説明を求めるということで、大変合理的な仕事をやっていただいた。
それまでは、朝5時に答弁を書いた課長が何十人も集まって入れ代わり立ち代わり説明して、というのが普通だし、今も場合によったらそうかもしれませんが、それが非常に合理化をしていただいて、ワーク・ライフ・バランスの議論もありましたが、非常に合理的な仕事をしていただいたというのが、大きな印象です。
もう一つ、これもワーク・ライフ・バランスで言いますと、私が当時、大臣官房の参事官秘書課の人事の仕事をしておりました。やはり、ワーク・ライフ・バランスや働き方改革、女性の登用、こういったことで、大臣の発案で当時の長谷川政務官をチームリーダーとした働き方改革チームをつくられて、検討を進められたという中で、小室淑恵さんも講師に来ていただいた記憶がありますが、そうした中で、一応プロジェクトがまとまって、慰労会までやっていただきまして、長谷川政務官、当時ですね、のご主催でありましたが、高市大臣ご自身も参加いただいて、私も妻を同伴でというお誘いでしたので、同伴させていただいて、意見交換をさせていただいた思い出もございます。
地方との関係について申しますと、これはむしろ、その後、大臣に就任されて、私が知事になって以降の提言要望活動での印象ですが、特に緊急浚渫(しゅんせつ)事業という、川の底にどんどん砂利が溜まってしまって、これを浚渫したいんだが、それまでは、いわゆる維持管理費だということで地方債を充てられない、財源が確保できなくてなかなか進まないということを、有利な、特別な地方債の制度を作っていただいて、これは大変高知でも喜ばれていますというご報告をしましたら、今回のこの新しい制度導入は、政治の意志としてやるんだということで決断しましたというお話をいただいて、大変地方の実情をよく分かっていただいて、手を差し伸べていただいたなと感銘を受けた記憶がございました。
そうした形で、特に地方との関係でも、よく地方の事情を分かっていただている方だという思いは持っています。
大阪・関西万博について①
(栗原・時事通信社記者)
もう1点なんですが、大阪・関西万博についてです。13日に閉幕しますが、最大黒字が280億円となり、また大屋根リングや公式キャラクターのミャクミャクの人気もあり、来場者数が最終日まで満員となっていますが、この点について、知事はどのように受け止められていらっしゃるでしょうか。
(知事)
今回の大阪・関西万博は、私自身も関西との経済連携強化戦略の一つの大きなポイントと位置づけまして、様々な取り組みをしてまいったわけであります。当初は、安全性の問題とかいろいろ指摘もされて、やや危惧したところがありますが、終盤に差し掛かるにつれて盛り上がりが見られて、最終的に黒字の見込みにもなり、また大屋根リングの部分的な保存、活用という方向も決まって、非常にいい形で閉幕を迎える形になったのではないかと思います。
私自身も今週も含めまして多分6回ぐらい、毎月1回ぐらいのペースでまいりまして、関係国のパビリオンも訪問して旧交を温めたり、高知のよさこいや先端技術のPRなどもさせていただき、大変いい場になったという思いがございます。
これを大事なレガシー、遺産として次なる段階、いわゆるIRの整備なども予定されておりますので、こういったものも視野に入れて関西との経済連携戦略について、さらなるバージョンアップをして、これを実行していきたいという思いでおります。
大阪・関西万博について②
(栗原・時事通信社記者)
大屋根リングが、一部にはなりましたけど、残されることについてはどのように。
(知事)
今恐らく考えられる中で、一番現実的、かついい形で、200メートル程度ですが、大阪市さんが公園の一部という形で残していく方向が出たようでありますので、今想定し得る中では、最も望ましい形に収束しているのではないかと思っております。
大阪・関西万博について③
(井上・高知新聞社記者)
万博の大屋根リングに関してなんですが、県は今年の6月の県議会で、大屋根リングのリユース、木材再活用事業に応募して、これを県内の観光振興などに生かすというような考えを示されていましたが、その後の何か展開とか、活用方法とかは決まっているでしょうか。
(知事)
これにつきましては、万博協会で木材の再活用を希望される地方自治体や関係団体などへの呼びかけがありまして、公募されておりますので、これに応募しております。今まで2次にわたって選考があって、手を挙げておりますが、残念ながらまだ今のところは木材の県内での再活用について、採択には至っておりません。
お聞きしますと、やはり協会の考えとして、まずは大阪府・市が一番のスポンサーでありますから、そこでの需要であったり、今回は能登半島地震の被災地への展開をまず優先して採択したということでありました。ただ、3次以降の公募も引き続きやるので、これは大阪観光局の溝畑理事長も熱心に間に立って情報提供してくれていまして、十分、目はあるので、引き続き公募に手を挙げるべしと、アドバイスもいただいております。粘り強く手を挙げて、県内で何らかの形で、この万博の遺産を残していく展開をしていきたいと思っております。
自衛隊統合演習について①
(井上・高知新聞社記者)
自衛隊の統合演習のことでお伺いいたします。今月の20日から全国で自衛隊の統合演習が行われる予定で、高知県内でいうと、須崎港で荷役の訓練が予定されています。県の港湾・海岸課によると県内港湾で防衛向上、防衛強化を目的とするような訓練は、恐らく県内では初めてではないかというふうにお話も伺っております。
背景には、須崎港が昨年4月特定利用港湾に指定されているということもあろうかと思います。ただ、この指定を巡っては、県民の中に、やはり施設の軍事化を懸念するような声も根強く残ってはいます。今回、こうした防衛の訓練が行われることに対しての、知事の受け止め、所感をお伺いします。
(知事)
結論的には特定利用港湾指定の議論の時にもございましたが、本県の南海トラフ地震対策も含めた防災への対応を普段からより強めておくということ。そして、指定された港湾の整備促進を図るということ。この大きな2点から申しまして、特定利用港湾の指定というのは、リスクはないとは言いませんが、リスクをはるかに上回るメリットがあるという判断で、これを受け入れる判断をいたしました。
そうしたことを前提として申し上げますと、今回の訓練もそうしたメリットの部分を具体化する一つの取り組みだと思います。今回の取り組みを通じて自衛隊の艦船、ないしは関連の車などを含めてかもしれませんが、輸送などの訓練をされると伺っています。将来、来るべき南海トラフ地震の際の、災害派遣の活動をよりスムーズに行っていただく意味でも、須崎港を現に使って訓練をやっていただく意義は大きいと思います。そういう積極的な意義が発揮されることを期待したいと思っています。
自衛隊統合演習について②
(井上・高知新聞社記者)
ちなみに、今回訓練が行われることに際し、港湾管理者である県から、当然、安全性の確保であったり、一方でいろんな訓練内容の情報提供であったり、そういったことを、何か自衛隊というより防衛省の方に何か伝えたりしていることはあるんでしょうか。
(知事)
これは、今回の9月の県議会の中でも、一部市町村には、訓練の予定などの情報提供が十分行われてないのではないかというご指摘もございましたので、改めて、そうした契機も捉えて、国の関係の省庁、窓口側に県の土木部の方から情報提供について、しっかりと対応したいということも含めて、国とも連絡を取らせていただいておりますし、兼ねてより、およそ港湾を使う、利用するということですから当たり前といえば当たり前ですが、安全性の確保、県民への情報提供に関しては、十分意を払ってもらいたいと、これは事あるごとに申し上げております。そうした流れの中で、今後も含めて対応していきたいと思っています。
県立施設の指定管理公募について①
(澄田・NHK記者)
大きく、手短に3点あるんですが、1点目が、まず県立施設の公募に関する話なんですが、現在、県議会でも議論をされていると思いますが、改めて、今後どのように県として取り組んでいきたいかというのを、お聞かせいただければと思います。
(知事)
この問題は、今議会に関係の条例議案、予算議案を提案し、まだご審議いただいている過程でありますが、委員会での採決状況を見ますと、方向としては、議会のご理解も得られて、実行ができそうかなと安堵しております。もともとの目的が、こうした県立の施設の運営の自由度を上げていくということで、それを所得の向上であったり、施設本来の目的を、さらに強化する機能の発揮に充てていくことを狙った策でありますから、そういった施策が狙いどおりに展開されるように。
また、一方で雇用の問題、専門性・継続性について、パブリックコメントも含めて、あるいは議会の審議の過程も含めて、ご心配の声をいただいた。その点は、兼ねてお約束している方向で、安心して対応いただけるように、しっかり努めてまいりたいと思いますし、これを機会に、施設関係者との意思疎通を、より活発にしていく方向で対応していきたいと思っております。
高知ユナイテッドSCについて
(澄田・NHK記者)
2点目なんですが、県内初のサッカーのJ3のチーム・高知ユナイテッドについてです。クラブの中での問題というところと、あとは、先般、県が寄附を受け付けていたと思われます、ふるさと納税型のクラウドファンディングについて、返金対応という話、受け付けるという話があったと思うんですが、一連のユナイテッドの問題だったりとか、今回のクラウドファンディングの関係の返金対応についての受け止めというか、そこの辺りをお聞かせいただければと思います。
(知事)
今年の6月ですか、秋田前監督の問題から始まって、そこの事実認定の問題、責任に対してどうするかという問題で、時間を要しておったということ、これは大変残念だと前回までの会見の中で申し上げております。
また、その後も別の形で、パワハラの疑い事案が報道もされている。そうした形で、何分にも小所帯の組織でということはあるとは思いますが、一種の組織のガバナンスに関して、問題が生じているのは大変残念なことだと思います。現場は新しい監督も決めていただいて、残りのリーグ戦をしっかり戦っていただくと思いますが、管理体制、そういった点につきまして、新会長も就任されて巻き返しに努めていただいていると思いますが、早期に全体の、新しい体制の全体像をできるだけ早くに整えていただいて、県民からたくさんいただいておりますクラウドファンディングの資金を、これは、今のようなていたらくだったら撤回したいというお声があれば、それはそれで応じなきゃいけないと思っておりますが、そういった話も、一連の問題が早く沈静化、決着して、県として気持ちよい、追加の形の出資が行える環境に早く持っていってもらいたいという思いでございます。そうした考えは、担当課を通じてユナイテッドの経営陣にもお伝えをしているところであります。
あんぱんの放送と観光への効果について
(澄田・NHK記者)
先月放送が終わりましたNHKの連続テレビ小説「あんぱん」の関係ですが、これまでの観光への効果についての分析、思いだったりとか、これまでも出ておりますが、今後の観光戦略についてお聞かせいただければと思います。
(知事)
「あんぱん」の放送、本当にありがとうございましたということでありまして、特に観光への効果でいいますと、これも、先の万博ではありませんが、放送開始直後は、あまり目に見えてということは、観光関係の事業所の方々の声ありませんでしたが、特に8月辺りから、非常に旅館・ホテルのにぎわい方も、段違いによくなってきたということで、これも尻上がりの効果があったんではないかと思います。
ドラマの中身としましても、2年前の「らんまん」と比べましても、本当最後の最後まで、のぶさん役の今田美桜さんが土佐弁を毎朝しっかり拡散していただいて、高知の人間にとっても大変うれしい中身で、また、やなせ先生のお人柄、そして、作風というんですか、そういうことの厚みも感じさせていただく、大変ありがたい、いい番組だったと思います。
今後は、この2年間にわたってございました、朝ドラといえば高知というところと、来年秋には国民文化祭ということで、特に中山間地域の文化の継承・発展につなげていきたい。それに観光という軸も掛け合わせて、二重三重の相乗効果が狙えるような、また、人口減少へ対応していくための県の活性化策というところにも含めて、この効果をしっかりと発揮できるように、各方面で活用させていただくように取り組みたいと思っております。
県立施設の指定管理公募について②
(谷川・高知新聞社記者)
県立施設の指定管理者を直指定から、公募に切り替える方針について知事にお伺いします。県議会の9月定例会で、一般質問と各常任委員会で論戦が繰り広げられました。まだ、会期中ではあるんですが、一部の議員が主張してきた白紙を求める立場ですね。一方で、知事が執行部が答弁してきた公募は必要な対応だとしたことのそういった議論がされていました。NHKさんの関連にはなるんですが、見ているに議論が平行線だったように僕には映りました。知事自身が、今回の論戦を通じて議論が深まったと思うのかというところと、先ほど、NHKさんへの答えでは、理解が得られたというようにおっしゃっていましたが、この方針に対して理解が得られたと思われる根拠と理由を、まずお教えください。
(知事)
平行線というのは何を持ってということか、私は、今一歩分からないところがありますが、期待されているのは文化の在り方論とか、そういったことを展開されるということを期待されたとすれば、今回、どちらかといいますと、県立施設の管理・運営を、どう県民の気持ちに寄り添って行っていただくかと。文化施設もその一つではありますが、それ以外の施設、あるいは外郭団体も含めてということですから、切り口がいささか違っているということが、平行線という印象を持たれるとすれば、あったのではないかと思います。
理解を得られたということに関していいますと、今回、そういう意味では、あえて議案の中で高知城歴史博物館の指定管理者の業務範囲変更の提案。予算議案の中では、有識者の懇談会を設けて、この自律性向上団体の収入増加策のサポートもしていくというご提案もさせていただいて、それの審議の中では、慎重論あるいは反対論もあったと思いますが、委員会の採決の結果をお聞きする中では、賛成多数で、委員会審議ではありますが、というような方向で処理されているという報告も受けましたので、そうした意味での、声なき声といいますか、サイレントマジョリティーといいますか、そういった部分があってこそのそういう結果ではないかなと思いますので、そういう意味で一定の理解は得られたのではないかと申し上げました。
県立施設の指定管理公募について③
(谷川・高知新聞社記者)
この公募方針自体に理解が得られたというふうに思われますか。
(知事)
公募方針というのが、結局、団体運営の自由度を抜本的に高める以上は、特権的な地位を持ちながら、どんどん稼げるというところは、これは両立し得ないだろうと。やはり、公募で競争性を一定程度は担保しないと、これは県民の理解を得られないだろうということで、ご説明申し上げましたので、その文脈については、いろいろなご意見はあろうかと思いますが、総じていえば、何を語っているのかは理解するというレベルでは、理解いただいたのではないかと思っております。
県立施設の指定管理公募について④
(谷川・高知新聞社記者)
関連なんですが、今回、突然5月に、今回の公募方針が現場に伝えられて、その際の県といわゆる現場施設との対話であったり、それ以降の県と現場施設の対話の少なさが遠因となって、今回、現場の混乱を招いたんじゃないかと思うんですが、今回、議会でも同様の質問が出たんですが、言及されなかったので改めてお伺いしたい。現場が混乱していることに対して知事がどうお考えになっているのか、その混乱を招いた責任が、知事におありにあるのかどうかをお伺いしたいです。
(知事)
特に混乱を招いた責任、これも混乱と取るのか、方針変更をしたのは事実でありますが、それは受け止めの話ですから、私自身が、どうこう判断できない部分かもしれませんが、混乱と言われることに関しては、かねて申し上げていますように、相手方のご意見を真摯に聞いて、当初の方針に固執せずに、できるだけ相手方の言い分、ご主張を入れて、我々としてどういう軌道修正をすべきか、できるかというところを熟考した結果、決断して、それが短期間に変更したというところが、混乱と言われるのであれば、そこは甘んじて受けないといけないのではないかと思います。
それは、混乱しないとすれば、当初、もうこれで決めたから、これで突っ走るんだっていうことで、何を言われても、もう聞く耳持たず、当初の方針で突っ走ったという方が、私は、むしろ責任を問われる事態だと思いますので、そうしなかったという意味で、私は、そこは真摯に反対、消極論のお声にも耳を傾けた結果として判断をした。
その一方で、どういう形でやるかについては変更をしましたが、やはり、公募が原理原則として必要なのではないかと。この部分を一貫して、主張して貫いてまいった考えであります。その点では、私としては、取るべき対応を取った。その結果の受け止めが、そうしたことになったとすれば、それが、あるいは現場の方との対話という観点で足りない部分があったんではないかというご指摘については真摯に受け止めて、事の性格からすると、基本的には我々と向き合って意見をお聞きするのは、そうした財団の幹部の方々なり、県との窓口をやっておられる方々とのやり取り、そこを通じて、現場の職員の方々の声もお聞きするということがメインのルートでありましたが、今回、パブリックコメントという機会もありまして、直接お聞きする機会もございました。
以上、まとめますと、今後の課題として、今議会で一つの結論は出していただくことだと思いますので、やはり、現場の方々との意思疎通に関しても、より一層意を払ってまいりたいと考えております。そのため、どういうことができるかは、また考えていきたいと思っております。
県立施設の指定管理公募について⑤
(谷川・高知新聞社記者)
「濵田がまいりました」の文化施設版をやったりするようなお考えってないんですか。
(知事)
まいりましたになるのか、お聞かせくださいになるのかは分かりませんが、特に若手の方といろいろな率直な意見交換をしたいというのは、今期の私のテーマにしておりますので、広い意味での人口減少対策ということでもあると思いますから、そういったことも考えたいと思います。
県立施設の指定管理公募について⑥
(加治屋・高知新聞社記者)
関連してお聞きします。県議会の質問戦で、知事は文化芸術振興ビジョンに掲げる取り組みを進めると答弁しておりますが、このビジョンに文化施設がどう稼ぐかは示されていないというふうに見受けられました。収益向上策を助言する有識者懇談会が今後開かれると思うんですが、知事が考える稼ぐ方法というのを、知事は今どういうふうに考えておられるのかを教えていただけますでしょうか。
(知事)
具体的に収入をさらに上げていく方法論については、これは、やはり専門家にお知恵をいただくのが一番だと思いますので、有識者の懇談会の中で、現実にその方面に知見がある方々にアドバイスをいただくということで、対応したいと思っていますが、あえて、ご質問ですから、私自身が今までの見聞きしたことですとか、報道を通じて思ったことです。これアイデアの段階でありますので、このままやれとかそういう意味ではありませんが、ヒントとして考えていることを二、三申し上げます。
一つは、就任以来、かねて県庁の中では言っているんですが、牧野植物園が2月ぐらいに「ラン展」というのをやられます。大変立派な展覧会で、これ私、東京とか大阪でいた時の感覚でいうと、あれだけで1,000円、2,000円払っても、全然惜しくない名物イベントだと思うんですが、これは当時、今もある意味そうですが、七、八百円の負担で入場料も込みで全部という形になっていると。あれは、もう少し稼いでいこうというマインドがあれば、あの部分を、例えば企画展として別立てにして、その分、温室が入れなくなりますので、その分は、通常の入場料金は下げるとか。そんな料金設定の工夫は民間だったら平気でやるんじゃないかなと。なので、そのくらいのこと、それ1例ですよ。
それ以外にも、例えば、季節で料金変えたらどうかとか、いろいろ私は県庁の中では、担当課経由で申し上げましたが、なかなかやってくれないというのは何でかなと考えると、もう少し自律的に、自分たちの頭で考えるという仕掛けをつくらないと駄目なんじゃないかなと思ったというのが、今回の大きな動機になっています。
他にも、例えば、美術展でジブリ展はたくさん入ったけど、あればっかりやれというのは違うよねという学芸員さんの声も聞いた。それは確かにそうでしょう。あればっかりやれとは言いませんが、今回のような枠組みを使って、たまにはああいう稼ぎがある事業もやっていただいて、そして、学芸員さんが一押しの、あんまり受けはないけども、そういう意味では、文化芸術的な価値が高い、学芸員としては、ぜひ県民に見てもらいたいと、通常の企画展であれば500円取るんだけどそれは無料にする財源に使うとか、そういう収入を、というようなことも考えてもらったらどうかというのが2点目です。
3点目が、のいち動物園で、今、無料といいますか、入館料だけで夜間ツアーもやっているということですが、これは同じく報道で、むろと廃校水族館の若月さんが投稿されていて、あそこは結局、指定管理料税金負担はゼロで、料金収入で全部回していると、それはすごいなと思いますが。ああいう夜間ツアーも、いろいろオプションがあって違うんでしょうが、一万何千円という会費で、何倍も定員の応募があるとか、人気を博しているということなので、そういうお知恵を借りて、少し工夫をすれば、そういう収入もできるんじゃないか、そういうやり方もあるんじゃないかと。有料にすると、経済的に厳しい家庭のお子さんが来にくいというお話も聞きましたが、それはそれで、対策を別に考えればいいんじゃないか、という思いもありますから。
とにかく、そういうことで無料でなきゃだめだという思い込みでなくて、喜んでお金払っていただけるというところは、できるだけ料金も取らせていただいて、それを別の形で使っていくというようなことを考えて、創意工夫を凝らせていくというのが、今、日本経済全体も、高知の経済全体も、高付加価値のサービスをつくって稼いでいかなきゃ先がないと言っているわけですから、そこは目線を同じような目線で、県立の文化施設でも考えてもらいたいとそんなことを思っております。
県立施設の指定管理公募について⑦
(加治屋・高知新聞社記者)
もう1点教えてください。文化芸術振興ビジョンでは、文化施設の利用促進について、幼少期から文化芸術への関心を醸成する教育普及活動の充実などと書かれてあります。公募を通して知事は、先ほどもおっしゃられましたが、運営の自由を高めるとして答弁されておりますが、例えば、今度の4月からになると思うんですが、高知城歴史博物館は、どういうふうな施設にしたいのかっていうのを教えていただけますでしょうか。
(知事)
これは、今議会の中でも象徴的に一部申し上げましたが、ひと言でいうと、やはり県民、利用者に、より寄り添っていただく。いろいろなニーズとか県民の願いを叶えるところに存在感を示すような博物館であってほしい。そういう意味では、例えば、具体例としては、高知城の再国宝化という今大きな運動が展開されつつありますが、そんなところで、山内家の宝物資料の管理も手掛けておられる城博で、この歴史的な価値を証明する決定打となるような、クリーンヒットを打つような形で、存在感を示していただくのが一番分かりやすい形ではないかと思います。
消防広域化について①
(中田・高知民報記者)
消防広域化です。今議会で議論で目立ったのが温度差があると、市町村にあって、その主たる話として高知市の自覚が足りないという、そういうようにおっしゃっていたと思いますよ。
例えば、自分のところだけよかったらええのかとか。危機感が足りないんだということで、かなり名指しで言われておったのが非常に印象的でしたけども、今のスケジュールが厳しくなってきているっていうのが、やはり、高知市の自覚や、そういうところに主たる問題があるとお考えでしょうか。
(知事)
スケジュールの話は全く別だと思います。今のお話の温度差の話は、かねて市町村の中でも都市部と中山間地域では、かなり差があるということは申し上げておりましたし、今議会では、特に個人のレベルでも差があるんだということを申し上げました。
そうした中で、多分、高知市を中心とした都市部の方は、市町村全体の平均値としても個々人の中での比率ということからしても、現在、中山間地域と同じほど切迫して危機感を感じている状況ではないので、現状ベースでいいのではないかという雰囲気が、総体的に個人のレベルでも、あるいは市町村レベルでも高い傾向にあるんではないかということは、私は申し上げたつもりではあります。
というレベルの話であって、今の高知市全体が後ろ向きとか申し上げたつもりは全くございません。議会でも申し上げましたが、市町村の代表の方と調整して、そういう方向でいこうとなったら、各市町村でいろいろな考えをお持ちの個人の方々を説得していただかないといけないプロセスが次にくるわけでありますから、そういうことも念頭において、多少踏み込んだ形で、大きな方向性として、短期的あるいは局所的でなく、大局的、長期の視点を持って、あるいは自分だけがよければいいではなくて、みんなのためにという発想を持ってというような言い方を申し上げたということであります。
消防広域化について②
(中田・高知民報記者)
いずれにしても、スケジュールが厳しくなっているっていうことの背景には、その温度差があって、それで、要は、抵抗感のある広域化の組織、広域連合の設立というのが先にあって、現場が一定求めているデジタル方面の指令の対応ということはその先にあって、秋田県とかは逆な訳ですが、先にやれるところをやって、その上で将来は広域化にいきましょうみたいな感じで。難しいことを先に、期限を切ってやろうとするから抵抗感が生まれているのではないですか。
(知事)
そこは難しい、簡単というのはご判断があるかもしれませんが、現実問題として、一番大きな効果が期待できる消防指令システムの整備を共同化するというのは、今、その中核であるはずの高知市と土佐市が施設を共同整備して、今の施設がまだ2年目とかそんな段階な訳ですね。10年は持つ施設ですから、それを前倒しでやるとすると、まだ耐用年数が十分ある施設を途中で使わないで、新しい投資をやってということになります。それは、やはり現実的ではないだろうと。今の施設が令和15年まで使えるとすれば、次の更新期に合わせて共同化するのが、現実的な選択肢、大前提だと思いますから、そうなりますと10年近く先の話になる。そこまで何もやらないのはあんまりじゃないでしょうかということで、先行して消防指令システムやデジタル無線の整備以外の、消防本部の機能統一をやった方がいいのではないか。
特に中山間地域は、今、人材確保に大変苦しんでいるので、そこは1年でも早くという思いを、私は多くの方から聞いておりますから、そこの部分をまずやっていくという順番でいかがでしょうかという提案をさせていただいているところでありまして、スケジュールそのものは、どちらを先にすべきかとか、時間がタイトで足りないんじゃないかと、いろいろなご意見ありますから、そこは具体的に、この部分をこういう形でこういうために見直すべきではないかというところのご意見を、ぜひ、お聞かせいただいて、スケジュールの見直しそのものは、しかるべき段階で、我々としても考えて、提案をさせていただくというつもりでおります。
ぢばさんセンターの再整備について
(中田・高知民報記者)
最後です。ちょっと全然話変わりますが、ぢばさんセンターですけども、それが今、廃止か存続かみたいな話で、また、今度の月曜日に会があるようですが、今の県民体育館のアリーナで代替させるみたいなことが可能というか、廃止となった時に、あそこがなくなって、それを県民体育館に代替させようみたいなことでかまんというような認識ですか。
(知事)
ぢばさんセンターとの関係ですか。
(中田・高知民報記者)
ぢばさんセンターがなくなっても、県立体育館でもやれるというような、そういう議論があるんですが、そのベースとして、そういうお考えでも大丈夫というか、全然位置違うので、そこはいかがですか。
(知事)
その点は、まだ私として判断はしておりません。ただ、ぢばさんセンターも老朽化があって、再整備を具体的なスケジュールに載せなきゃいけないという段階にきて、議論を始めていると。 そうした中で、高知市は必ずしもアリーナができるのであれば、もう1回、ぢばさんセンターに多額の投資をする必要がないんじゃないかというご意見も、市としてのご意見なのか、個人としてのご意見なのか分かりませんが、そういった声も漏れ聞きます。そうした意味では、テーマとして、新県民体育館のアリーナ整備で、ぢばさんセンターで果たしてきた、一種の見本市機能、ああいったものが代替できるのかどうかという点は、県民体育館の機能を検討していく中でも大きな論点の一つだろうという認識はあります。
ただ、今、中田さん言われたように、今の時点で、できると判断しているのかと言われれば、そういう確信を持って判断をしているとか、そういう段階には至っておりませんので、今、まさしく検討会の場で議論いただいている中で、方向性を集約していただくことを期待しているという段階です。