令和8年4月1日 知事講話 (令和8年度)

公開日 2026年04月01日

令和8年4月1日

(はじめに)
知事の濵田です。年度初めにあたって、県の今の政策課題と職員の皆さんにお願いしたい、仕事の進め方について、お話ができればと思います。
私の知事としての任期も2期目の折り返しを過ぎました。最大の課題である人口減少問題は、厳しい状況が続いております。
また昭和の南海地震発生から80年、南海トラフ地震の発生の切迫度もどんどん高まっております。
こうした状況を考えますと、高知県が人口減少の時代を生き残って、再び活力を取り戻すためのラストチャンスというべき正念場の年が、今年度ではないかというふうに考えています。
人口減少が進む中でも活力ある高知、そして、南海トラフ地震が迫る中でも、安全安心な高知、こうした姿の実現に向けまして、生まれ変わる勇気を発揮し、新たな試みに挑戦をしながら、先々に繋がる成果にこだわる、そんな年度にしたいというふうに考えています。

 

(仕事に当たっての基本的な姿勢)
まず最初に仕事にあたっての基本的な姿勢について、いつも申し上げていることですが、「共感」と「前進」の県政の実現のためということでお話をしたいと思います。
私は県政運営の基本姿勢として「共感」と「前進」を掲げています。県民の皆さんの共感が得られるような県政を進めていく。そして、課題解決に向かって着実に前進していく。そんな県政でありたいというふうに思っています。
このためには、5つのキーワードの取り組みが、私は不可欠だと思っています。5つといいますのは、1に「透明性」、2に「想像力」、3に「使命」、4に「進化」、5に「挑戦」。この5つであります。
まず、県民の皆さんの「共感」を得るために必要なのは、このうち、「透明性」と「想像力」だと思っています。
1つ目の「透明性」。英語で言えばアカウンタビリティについてであります。これは、説明責任と訳してもいいのかもしれません。
県民の皆さんの共感を得るためには、県民の皆さんとの対話を通じまして、県庁の考え、県が何を考えているのかということを、県民の皆さんにしっかりとお伝えすることが何より大事です。特に不祥事があったり、事務処理のミスがあったり、あるいは計画通り物事が進んでいない。
こうした逆境のときこそ、透明性を持って、自らが進んで説明をするという姿勢が大事です。
説明責任を追及されて、いやいや説明するというようなことでは、県民の皆さんの信頼を得られません。共感は生まれません。都合が悪いことは、つい、誰もが逃げたり隠したり、隠れたりしたくなるのが人の常でありますけれども、そういうときこそ、しっかりと踏ん張って、自分から、自ら県民の皆さんに対してきちんと説明をする、そういう姿勢をぜひ大事にしてもらいたいと思います。
2つ目の「想像力 イマジネーション」であります。
県民の皆さんの共感をいただくためには、県民の皆さんが県政に今、何を求めているのか、常に想像力を働かせることが大事だと思っています。
また、リスクマネジメントという観点からしましても、相手の立場、考え方、ついつい自分と同じような発想で行動してるんではないかと前提にしがちでありますけれども、実はそうではないことが多いです。相手が何を考え、どういう立場でいるのか、これを、その時その時でしっかり想像して、先々起こり得るようなことを事前に想定して、先手先手を打って対応していく。このことが、スムーズな県政運営にとっては大事ではないかというふうに思います。
次に、県政を前進させるために必要となること、「使命」「進化」「挑戦」この3つのキーワードであります。
まず1つ目の「使命 ミッション」であります。
県政の課題の解決に向けて、自分の仕事は何のためにやっているのか、絶えず自問自答してほしいと思います。
自分の仕事が今、前進しているのか、後退しているのか、この方向づけは、この「ミッション」、
何のために仕事をやっているのかということが明らかにならないと判断ができないと思っています。判断基準が「ミッション」であります。
これが前進をする県庁のための座標軸であり、エンジンであり、また羅針盤であるというふうに思います。それをお一人お一人が自分の仕事についてしっかり考えていただくということだと思っています。
2つ目が「進化」。エボリューションの方の「進化」であります。
今やAI化が進んでおります。前例を踏襲して、前のとおりに仕事を組み立てるということであれば、これは人間の力はいりません。機械でできるという時代になっています。
しかし、現実には、時代の変化に合わせて、県庁も変わっていかなければ、前進する県政は実現できない。県勢浮揚は実現できません。やはり変わっていくということが大事だということであります。
そして3つ目の「チャレンジ」であります。
そうは言いましても、人間、往々にして、やはり保守的になってしまいがちであります。物事を変えていくのには不安も伴いますし、往々にして、変えていくということには、多くの時間、手間、労力がかかります。面倒くさいことが多いです。つい、変えることについては二の足を踏みがちでありますけれども、ここで「チャレンジ」をしなければ、物事は何も変わらないわけであります。
高知の未来を切り開くためには、あえてリスクを取って挑戦をしていく、この姿勢が是非とも必要だというふうに思っています。
また、特に今は人口減少といった社会全体の大きな課題解決に向かって、県庁が全体になって頑張らなければいけない時期です。この時期に県政を前進させていくためには、行政だけの力では無理です。限界があります。今まで以上に民間を巻き込んで、官民連携を深化、深めて、県政を展開しませんと、この実績が上がってまいりません。
こうした意味から、昨年11月に、大石宗さんを県の参与に登用いたしました。今までにない新しいスタイルで、官民の連携を深化させる、そして県政を前進させるために、是非とも大石さんの力を借りたい、そういった思いからであります。
そのためには、私は3つのことをお願いしたい。行政の殻、公務員の殻をこの際破って、民間の方に一歩も二歩も寄り添って、民間の皆さんと一緒に仕事をしていくためのポイントが3つあると思います。
1つは公務員、行政はとかく公平性というものを大事にします。そのために、前例を大事にします。しかし、これに過度にとらわれますと、時代の変化に対応できないということになります。ここの殻を1つ破らないと、民間の人たちと心を一つにして、事に当たることが私はできないと思います。
2つ目であります。やはり公務員、行政は縦割りで専門性を追求することに慣れています。これは一面では、自分が担当となった所管の事項については責任を持って実施することはいい点が多いです。しかし、これも度を過ぎますと、縦割りで、むしろ県民の目線に立って、横断的、総合的な、常識的な判断をしていくということが大事ではないかという局面がむしろ多いと思います。この点も、殻を破って、一歩前に出るということをしないと、民間の人たちと心を合わせて、同じ方向を向いて仕事をするということが難しいのではないでしょうか。
3つ目には、これも公務員、行政は正確性を大事にします。間違っちゃいけない。これは正しいです。しかし、そのために、ずっと時間をかけてかけてかけて、やっと結論が出たときには問題はもう終わってると。これでは意味がありません。場合によっては、スピード感を持って、拙速と言われても、タイムリーな対応をしていくことが大事な局面もあると思います。民間企業の場合は、やはり時のコストというのが非常に大きく、重視されると思います。そういった意味でも、こういった点も、公務員の殻を破るということで、新年度ぜひ挑戦をしてもらいたいというふうに思います。
私自身も先頭に立ちまして、前例に過度に頼るのではなくて、新しい試みに挑戦をしながら、これまでにない一歩も二歩も進んだ官民連携、そして、新しいオール高知の体制を築いていく。そして、県政を名実ともに前進させていく、このことに尽くしたいというふうに思っております。

(政策課題のポイント)
具体的な政策課題について、何点か申し上げたいと思います。
まずは、最重要課題であります、人口減少対策であります。マスタープランである元気な未来創造戦略がスタートして2年経ちました。依然として、若者の転出超過、出生数の減少が続いている厳しい状況にあります。
ただその中でも、転出超過の男女比率がほぼ同数にまで改善するといった明るい兆しもあります。県庁の男性育休の取得率の全国順位も3位まで上がりました。こういった明るい兆し、成果をより確かなものにして、前に進めていきたいと思っています。
そのために、令和8年度、特に強化をするべき視点、施策というのが2つあると思います。
1つは、「高付加価値型経済への転換」、もう1つは、「多様な人材が活躍できる環境の実現」、この2つであります。
もう少し平たく言いますと、前段は、「若者を中心とした県民の所得の向上」であります。後段は「働き方改革」ということだと思います。
若者の定着、そして女性に魅力ある高知にしていく、そういうことを通じて、社会増を図っていくという側面、そして、結婚や出産などについて若者が背中を押され、自然増をもたらすという局面、この両方の局面を考えましても、所得向上と働き方改革の両輪が非常に大事な取り組みだというふうに実感しております。
まず、このうち、「高付加価値型経済への転換」についてであります。
これは言い換えますと、県内に稼げる企業、稼ぐ企業を増やしていく、そして若者に高い給料を払える企業がたくさんある。そういった強い経済を県内で作るということだと思っています。
このため、本年度は、国の重点支援交付金を活用いたしまして、3つの新しい補助制度を作ることにしました。
1つ目は、所得向上のための経営改革を進める総合補助金、15億円規模であります。
2つ目は、企業の賃上げ原資を直接補助する制度、9億円規模であります。
3つ目は、男性の育休取得を応援をする支援金の制度、3億円規模であります。
これらの支援の新しい3つの制度は、第一次産業から第三次産業まで業種を問わず、県内のあらゆる分野の事業者を幅広く対象とします。また、オーダーメイド型の使い勝手が良い自由度の高い補助制度とします。
各部局においては、補助金の所管が産業振興推進部だからというような感覚ではなく、各部でも事前にこの補助金の支援内容、要件などをよく勉強していただいて、普段の所管の各団体に属します事業者の方々にも活用していただくように、しっかりと全庁体制でセールスをしてもらう、その一角として取り組んでいただきたいというふうに思います。
また、こうした国の経済対策に関わる事業につきましては、早期に執行して、効果を速やかに発現させるということが大事であります。この点も特に注意をお願いしたいと思います。
また、こうした「高付加価値型経済への転換」、県も率先してこれに参加をしていこうということであります。
県立の文化施設におきましても、民間の事業者の方々と同じ目線に立ちまして、率先して、より付加価値の高いサービスを提供していく。そして、その果実を職員の所得向上にも使っていくと、こういう取り組みを今、各団体で、「自律性向上計画」を作っていただいて、進めていこうと、県庁としても、庁内で支援チームを新たに設けて応援をしていこうということを考えております。
この取り組みをぜひ民間の事業者の方々と同じ目線に立って、この人口減少に立ち向かっていくんだと。一歩も二歩も踏み込んで、産学官民で連携して、新しいオール高知の体制を作っていくんだという観点から、皆さんにも参画をしていただきたいというふうに思います。
続いて、人口減少の対策の大きな2本柱の2つ目の「多様な人材が活躍できる環境の実現」です。
今、人口減少もあって、どの業界でも担い手不足が非常に深刻になっています。人への投資を通じて多様な人材が活躍できる、そうした環境づくりに成功した企業でなければ生き残れない、そんな時代になっていると思います。
そのためには、かねて進めております、「共働き・共育て」の県民運動を進めていくということ。そして、このためにも、新たに男性の育休取得の推進に取り組む事業者を支援金の給付で、応援をしていく。そのことによって、仕事と家庭の両立を一層後押ししていくということを今年も全庁を挙げた体制で取り組みたいというふうに思っています。
県庁もこうした働き方改革を「隗より始めよ」ということで、昨年の秋から働き方改革タスクフォースを立ち上げました。ワークライフバランス社のご支援も得て、様々な見直し、働き方改革を進めて参りました。
そして、特に皆さんに、今年度お願いをしたいのが、職員の時間外勤務の縮減に向けました、意識改革を促す一種の社会実験として、実際としては全国初めてとなります、時間外勤務手当の割増率の時限的な引き上げを行う、このことに絡んだ、時間外勤務の縮減の取り組み。これにぜひしっかりと取り組んでいただきたいということであります。
本年度一年間は、知事部局の時間外勤務手当の割増率を、今までの125%から150%に引き上げます。単価が2割増になります。
しかし、時間外勤務の時間の方は、逆に6分の5以下に縮減をするということで、トータルにかける費用予算は変えないということを目標として掲げて取り組みます。仮に、時間外勤務の時間数が減らない、横ばいだという場合には、この知事部局の職員全体で年間約2億5,000万円の予算費用が、掛かり増しになるということになります。こうなれば、社会実験は失敗ということになりましょう。
逆に、これが成功できるということになれば、使用者側、県庁当局側は、総コストは変えずに時間当たりの生産性が上げられる、働く側、職員の皆さんにとっても、給与の手取りは減らさずに時間外を減らして、早くお家に帰れる。そういう意味では、成功になれば、使用者側と働く側、両方にとって良いことになります。
この取り組みは、ワークライフバランス社が積極的に宣伝をしていただいてることもありまして、全国各地からも注目されています。全国初の取り組みであって、難度が高い取り組みでありますが、私としては、全国の皆さんに恥ずかしい結果にはしたくないと思っています。
全庁体制で、いわゆるPDCAをまわしながら、私はいわゆる事前命令の徹底ということを、いざというときの最大のポイントにして、職場でしっかりコミュニケーションをとって、一丸となって、この目標達成に向かうということがポイントだと思っていますが、そうした取り組みができますように、本年度の大きなテーマとして、全職員の皆さんにしっかりと考えて協力をいただいて取り組んでいただきたいというふうに思います。
この他、人口減少対策でも、官民連携をより踏み込むということでの新規軸があります。
1つには、若者の県内転職を応援するために、大手求人サイトと連携をして、大々的に県内企業の情報を発信しようと考えています。
また、出会いの機会の拡充のために、民間のマッチングアプリの運営事業者と提携をして、千人規模の利用料の助成制度を設けることにしました。これだけの規模で、民間の事業者の方々と連携をするということは、これまでなかった取り組みであります。
量的な成果をしっかりと上げていこうという取り組みに転じたという面で、高知県庁にとって、私は画期的な取り組みだと思います。
こうした取り組みを通じて、しっかりと実績を上げていきましょう。県庁の身の回りで、いろんな施策を細々とやっていますということではなく、しっかりと掲げた数値目標を達成できるというところにインパクトがある仕事をしていくという点で、私は、今回のこの取り組みはぜひ大事にしたいというふうに思っています。
次に人口減少に対応しての4Sプロジェクトの挑戦です。4Sプロジェクト、つまり、「Smart Shrink for Sustainable Society」。人口減少の中でも、持続可能な公共サービスの提供体制を目指す取り組みであります。
これは、人口減少への適応策ということで発案をしたものではありますが、実のところ、この4Sプロジェクトの個々のプロジェクトを行っていきますと、中山間地域でも、若者に魅力のある仕事、地域づくりを進めるという点を考えますと、人口減少に「順応」するだけではなくて、逆に人口減少自身に歯止めをかける「抑制策」としての効果も大いに期待できる大事な取り組みだというふうに思います。
例えば今回、全国初になります全県一本化を目指す消防の広域化の取り組みについては、本年度、実施計画案を取りまとめる大事な局面になります。地域公共交通の確保では、中央圏域以外での県内6ブロックで、5年後の地域公共交通のあり方のプランを描くという大事な年になります。
「県立学校の再編振興」、「周産期医療体制の確保」でも、それぞれ5年先、10年先をにらんで、戦略的に、具体的に取り組みを進めていただいております。
全国に先駆けて人口減少が進む本県だからこそ、人口減少に戦いを挑むフロントランナーとして、全国の公共サービス改革をリードする、そういう責務があるポジションに私はいるというふうに思っています。
そうした気概を持って、2年目になります4Sの重点プロジェクトに積極的に挑戦したいと思いますし、皆さんもぜひご協力をいただきたいと思います。
関連いたしまして、国への政策提言についてであります。
特に人口減少の問題は、地方自治体だけの努力で解決できるものではありません。ただいま申し上げましたような経済構造の転換であったり、多極分散型国土の形成、こういったものは国が責任を持って、国政の場で戦略的に取り組んでいただかないと前に進みません。
このために、東京一極集中の是正に向けました大都市機能の地方分散、あるいは、地域産業クラスターの形成などにあります、高付加価値型経済への移行。こういった社会経済構造への転換のための施策の転換、或いは地方税源の大都市部への偏在を是正するための措置などについては、引き続き、国に対して、県としても積極的に提言をしてまいります。
国のあり方を地方から変えるという気概を持って、これまでにない大胆な発想で提言をしたいと考えております。皆さんの方にも、ぜひそういう観点から検討していただきたいと思います。
また先々の国への政策提言を見据えまして、人口減少が進む中での本県の超長期で見た産業部門別の労働力需給の見通しを推計し、これを踏まえて、必要となります県内の高等教育機関のあり方、こうしたものを、若者応援産学官フォーラムの場で議論をしていきたいというふうに思っています。
この点も将来をにらんだ大事な取り組みでありますので、しっかりと進めたいと思います。

<安全・安心な高知の実現について>
次に、県の目指すべき姿のうち、「安全安心な高知の実現について」であります。
本年12月には、昭和南海地震発生から80年を迎えまして、切迫度の高まりを意識せざるをえません。また、昨年度末に公表しました新たな被害想定におきまして、想定死者数は2万3,000人に、前回想定から、これはほぼ半減できました。
しかし一方で、最新のデータを加味しますと、建物の全壊は、前回、10数年前に比べて約3割増加。負傷者数も約2割増加、新たに公表しました災害関連死者数も最大2,600人に上るという、大変厳しい想定も示されております。
これまでの対策、あるいは県民の皆さんの早期避難意識の向上などによりまして、一定の減災効果があるということは、死者数の減などで現れていますが、依然として厳しい状況に変わりはございません。今回の被害想定は、この県民の皆さんの努力次第で、減災の効果が、てきめんにあらわれてくるということも示しています。
行動計画を今後、バージョンアップしていく中で、この被害軽減に向けた対策を県としてもさらに強化をしなければならないと思っています。
そのためには、国の経済対策を最大限活用し、また国への政策提言をしっかり行って、災害に強いインフラ整備を加速する必要があります。また避難環境のさらなる改善、医療救護体制の強化といった事前防災の取り組みを、県としてもしっかりと図っていく必要があると思います。皆さんの取り組みをよろしくお願いしたいと思います。

<いきいきと仕事ができる高知の実現について>
次に、目指すべき高知県像の2点目、「いきいきと仕事ができる高知の実現」に関してであります。
県経済を持続的に成長させていく、そして若者がいきいきと活躍できる仕事をつくっていくということに関しましては、産業振興計画に基づいて、「地産外商」「イノベーション」の両輪で取り組みを強化する、こういう方向だと思います。
具体的には、国の地域未来戦略の取り組みに呼応して、本県の強みであります食を中心に据えまして、食に関連する産業の面的な集積を本県の中で目指していきます「フードテッククラスター」という事業、これの形成に取り組んでいきたいと考えています。
また、県内に売上高100億円超を目指す中堅企業をもっとたくさん育成したいと思います。このために、新たに設けます所得向上総合補助金の重点配分、あるいは、企業の経営者の方々が共に学び合うネットワークづくり、こういったもので応援をしていきたいと考えています。
これによって地域経済をリードする、そして若者に就職先として選ばれる、そうした中堅企業を、県内でもっとたくさん育成をしたいと思っています。
関西圏との経済連携につきましては、令和12年度に、万博がありました夢洲地区で、大阪IRが開業の予定であります。統合型リゾートであります。これをターゲットにしまして、例えば高知県産の木材、食材といった県産品を関西にもっと販路拡大をしていく。このための取引先の開拓といった取り組みもしっかりと進めたいと思っております。

<いきいきと生活ができる高知の実現について>
3つ目の高知県像、「いきいきと生活ができる高知の実現」についてであります。
このためには、医療や福祉、教育といった生活基盤、公共サービスの提供体制を確保していくことが不可欠であります。
国の経済対策も活用しまして、医療・福祉・介護サービスなどにおきまして、職員の方々の負担軽減に役立ちます機器の導入を支援する。あるいは、職員の皆さんの処遇改善などをさらに進める。こんな取り組みを進めてまいります。
このうち特に医療分野におきましては、今年度は新しい地域医療構想の策定作業に着手をします。人口減少がさらに今後進んでいく中で、各医療機関の役割分担を明確化していく、そして必要ならば、診療科の再編、集約化を進めるといった形で、人口減少下でも持続可能な医療提供体制のあり方をしっかりと検討し、実行に移していく必要があります。
教育の分野では、デジタル教材を活用して、子供一人一人に応じた学力の向上策、あるいは県立学校の魅力化・特色化、こういった取り組みをさらに進めていただきたいと思っています。
本年の10月には、「よさこい高知文化祭2026」、いわゆる国民文化祭、障害者芸術文化祭が開催されます。全国で最大規模と言われる文化のイベントであります。
これと、観光面におきます「どっぷり高知旅キャンペーン」とをしっかり連動させまして、さらなる観光振興と地域の活性化を進めたいと思っています。
具体的には、例えば文化祭の開催と合わせた夜間イベントといたしまして、よさこい鳴子踊りの披露の機会を設けるといったことなどを含めまして、地域の文化資源の魅力を生かした多彩なプログラムを実施したいと考えています。
多くの皆さんに大会に参加いただけますように、市町村、関係の団体の皆さんと連携をして、官民一体でしっかりと準備を進めていただきたいと思います。

(管理職へのお願い)
続けまして、特に管理職の皆さんに留意をいただきたい事項、若干今までのお話と重なる部分がありますけれども、大きく3つに分けてお話をさせていただきたいと思います。
1点目であります。一言で言いますと、「後輩を大事にする県庁文化」を作っていきましょうという点であります。
人口減少を克服するためということで、最近私は、若者、女性の方々との対話を続けています。そうした中で、今、高知にいる若者や女性が、いきいきと、ゆとりのある生活を楽しそうに送っているということが、県外から若者や女性が入ってくる、あるいは帰ってくる、高知の実現のために、何より必要ではないかという思いを強くしております。
まずは県庁が率先して、そういう職場環境を作っていく必要があるのでないかというのが着想の原点です。そのためには、先輩を敬うだけではなくて、むしろまだ見ぬ後輩たちを大事にする、そうした県庁文化を作っていっていただきたいというふうに思います。
高知県庁に限りません。公務員の社会は年長者、先輩を尊敬する、この文化が根強く残っています。このために、先輩の築いてこられた仕事は否定をせずに、基本的にそのまま引き継ぐというパターンが大半です。
ただこれは、落とし穴としましては、時代が変わる中では、陳腐化をして、役に立たなくなってしまうことがある。また制度の運用、慣行が、いたずらに複雑化をしてしまいがちであるというのが弱点だと思います。
温泉旅館の建て増しのように、次から次へ加えていくということになりますと、複雑化して、職員ですら、これはどういう構造になってるのかわからないというようなことでミスをしてしまうという例もあったように思います。
一方で、こうして確立した先例を見直すには多くの時間、手間、労力がかかります。ただいま申し上げましたけども、これは当たる人にとっては面倒くさいという点もあります。ついつい後回しになって、問題は放置されがちであります。これがそのまま続きますと、後輩の皆さんへの負荷になってしまう。将来、負荷になってしまう、あるいは地雷のように、突然問題化をして、後輩の皆さんに迷惑をかけるということになりかねません。
まだ見ぬ後輩の皆さんを泣かせないように、こうした、今申し上げた改革のコストは一面、コストではありますけども、未来に向けた効率化への投資でもあると思います。そう考えて、できる部分から計画的に直していっていただきたいというふうに思います。
先日、昨年度の包括外部監査で、公有財産の管理について指摘がありました。長年にわたって、利活用の方針が決まらない、庁舎としての利用を廃止した建物が棚ざらしの状態ではないかというご指摘。あるいは県営住宅について、ずさんとしか言いようがない、管理例があったといったご指摘、厳しいご指摘を受けました。
数年後にまた同じ指摘を受けて後輩たちに恥ずかしい思いさせることが私はないようにしたいと思います。こうした問題についての、今までの対応方針そのものを洗い直す必要があると思いますけれども、私は、より大事なのは、対応方針を作った後の事後の定期的なフォローアップ、PDCAのCAの部分、ここの仕組みをしっかり整えていくということだと思います。
こうした実効性が確保できるように、ぜひ、関係の方、職員を中心に対策を練っていただきたいと思います。
関連いたしまして、管理職の皆さんには、今申し上げましたような改革を行うことと並んで、「やめる決断」を大いに実行していただきたいと思います。
新しい時代に対応して、仕事は普通放っておきますとどんどん増えてきます。これに対応して、働き方改革をし、職員にゆとりを持って仕事をしてもらうためには、今までありました既存の仕事の中で優先度が落ちるものはやめる決断をしていくということが不可欠であります。
ただこれは管理職の方、あるいは、より上位の権限を持っている方しかできないことであります。これをやめるについては、コンプライアンスは確保していくとか、やめることのリスクはどうかということを片方で見極める、こういった手続き、検討は必要だと思いますが、こうしたものも踏まえた上で、優先度が低くなった仕事はやめようという選択を管理職が主体的に行う、そういう取捨選択をするということの決断を心がけていただきたいと思います。
昨年度から「働き方改革タスクフォース」の取り組みをしております。これをぜひ一過性のものとせずに、例えば「カエル会議」のような新しいツールはしっかり活用しながら、先ほど申し上げました時間外勤務の縮減、これは本年度こそ社会実験の本番になります。そうした取り組みで、ぜひしっかりと取り組んでいただきたいと思います。
また、男性の育休取得の促進、フレックスタイムの活用、こういったところも含めて、後輩を大事にする県庁文化を醸成をしていく。そのことが、仕事と家庭が両立をできることによって、若者や女性に選ばれる高知県庁の実現、ひいては高知県の実現に私は必ずつながっていくというふうに思っています。
関連いたしますが、2つ目として、毎年行っておりますサマーレビューの作業、本年度も行います。この施策の仕分けについてであります。
この中では、元気な未来創造戦略、人口減少対策の取り組みを2年が経過をしましたので、効果があって、これを強化しなければいけない、続けていかないといけないもの。そして、効果が不十分であって、思い切って見直しをし、縮減、廃止も考えなければいけないもの、こういった観点から、メリハリのある仕分けをしていく必要があると思います。
サマーレビュー、文字どおり、レビューをして、見直すべきを見直していくということが、この人口減少問題対策についても、今年度やっていかないといけない課題だというふうに思います。
そして3点目、最後であります。新しい課題への取り組み姿勢について、これについて、特にいわゆる縦割りに陥ることのない前向きな解決を、みんなで一緒にやっていくという姿勢で臨んでもらいたいというお話をしたいと思います。
今、人口減少対策のように、1つの部局だけでは完結せずに、複数の部局にまたがるような新しい政策テーマがどんどん増えています。
最近、総合企画部の皆さんから聞きますと、特に議会質問への対応をするという局面で、こうした新しい問題について質問があったときに、この仕事を受けてしまうと、仕事が増えて困るという意識が先に立って、部局間で押し付け合いだったり、たらい回しと言われるような状況になりがちだというふうに嘆く声を聞きます。
しかし、その仕事が本当に大事な仕事であれば、県庁の中で誰かが背負わなければなりません。それを誰も担当せずに、放置をして、そして問題が生じて困るのは県民の皆さんであります。
万が一そういうことになりますと、逃げ回っていた各部局の方々が連帯して責任をとらなければいけない。そんな大事な、重大な問題だと思います。
そういう意味では私は、関連いたします複数の部局の方々が、県民の目線に立って、具体的には、この中で、主たる担当はどの部局か、この問題について副担当となるのがどの部局かといった役割分担の軽重を見定めて割り振りをして、県庁全体で一緒になって対応するということが大事だと思います。
ある部局だけの問題ということは、私は、こういう問題にとってはありえないと思いますので、関係をする部局がしっかりと、皆さんよく連携という言葉を使いますが、連携というよりは協力体制をしっかりとって、役割分担を決めて県民のために仕事をしていくということが私はあるべき姿だと思います。
そのために管理職の皆さんにお願いしたいことであります。部長の皆さんは、一段上に立って、自分が知事だったらこの問題どう考えるだろうかと想像力を働かせていただきたい。課長さん方は、これも一段上に立って、部長だったらどう捌くだろうかという想像力を働かせていただきたい。自分が今真っただ中にいる当事者のポジションから一つ上の、俯瞰的な視点で状況を捉えて、どう解決するのが県民のために解決するのがいいのかということを考えていただきたいと思います。
そしてそうした面で見たときに、例えば答弁を書くときに、どの部局が一番県民の皆さんにとって魅力的な、いいねと言ってもらえる答弁が書けるのかという観点から判断するというのが、私は答弁の問題を解決するときの基本姿勢だと思います。
先ほど申しましたように、1つの部局ではできないことが多いわけでありますから、どこか答弁を書く主担当を決めたからといって、他の部局は、私の仕事ではありませんと言って無関心になるのではなくて、一緒に支えていく、一緒にやるということだと思います。
ぜひそうした立場に立って、県民の皆さんの利益を第一にして、ある意味クールな目も持ちながら、ホットになって戦うことだけで消耗するのではなくて、そして県庁全体の対応を、県民の皆さんに評価をされる、そういうような取り組みを進めていただきたい。そうした対応ができる方。そうした対応を主導できる方が、私は将来の県庁のリーダーだと思います。
ただいま申し上げましたような想像力を大事にしていただいて、部下の方々に無駄な消耗戦を強いない、そういう管理職が私はすてきな上司だと思いますし、いろんな形で、部長さん方、課長さん方の仕事ぶり、私は観察しておりますけども、そういう目で観察させていただいております。ぜひよろしくお願いいたします。

(おわりに)
最後になります。
繰り返しになりますけれども、今年度は私の2期目の折り返し、人口減少の克服に向けた正念場の年、挑戦の年だと思っております。
高知県には人と人とのつながり、温かさ、そして自然や食の豊かさといったいいところ、守るべき価値がたくさんあります。
ただ、この守るべき価値を次の世代に引き継いでいくためには、今、変えるべきところは変えて、人口減少の中を、まずは高知県が生き残っていかなければなりません。
長年のやり方を変えることに不安を感じる県民の皆さん、事業者の皆さんは多いと思います。県庁の中でもそういうご不安は多いと思います。
ですから、この点は私自身が先頭に立って、高知県への「愛」と「生まれ変わる勇気」を持って、不退転の決意で挑戦を重ねたいと思っています。
やなせたかし先生でありませんが、アンパンマンではありませんが、「愛と勇気だけがともだち」だというフレーズをかみしめながら、今年度は成功するまで何度でも挑戦をして、元気で豊かな、そしてあったかい高知の実現に向けて、道筋をつけたいと思っています。
皆様方も、今回、多くの部局長さんが新メンバーとなりました機会に、「生まれ変わる勇気」を発揮していただいて、新しい気持ちで、これまでにない試みを提案し、あるいはそれに果敢に挑戦をしていくというスタンスで臨んでいただきたいというふうに思います。
県民のために県政を進めていく、全体の奉仕者という原点に立って、これまで以上に、自らの使命を問い直し、成果にこだわりながら、挑戦と進化を重ねる。「共感」と「前進」の県政、これを皆様もぜひ、その一翼を担っていただきたいと思います。
そうした努力の先に、私は高知県の元気な未来がきっと見えてくるというふうに確信をしております。
皆さん方も一緒に、今年も戦っていただくようにお願いをいたします。

 

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