公開日 2007年12月06日
更新日 2014年03月16日
平成14年仕事始め式知事挨拶
平成14年1月4日 10時00分から(正庁ホール)
皆さん、明けましておめでとうございます。
それぞれによいお正月をお迎えのことと思います。
私は3年ぶりに海外で正月を迎えましたけれども、本当に久しぶりに何も考えず頭をからっぽに、1週間過ごすことができました。
ですから、空っぽになった頭であまり知恵を絞ってもいい話はできないと思いますから、なるべく簡単な新年のご挨拶にしたいと思います。
去年一年間を振り返ってみますと、県庁にとっては前代未聞の大きな事件もありましたし、また9月には県の西南部を襲った集中豪雨による被害もありました。
ですから、年末に一年を振り返っての感想はと聞かれましたときは、つらい一年でしたとお答えをせざるを得ませんでしたし、また県民の皆さんにも、肩身の狭い思いをさせた一年ではなかったかと思います。
また、これに加えて景気の低迷ということもありますし、財政の厳しさということもあります。さらには、いわゆる聖域なき構造改革が地方に及ぼす影響、余波ということもあって、県民の皆さん、また県庁の職員の皆さんも気持ちがまた意欲が、少ししぼんできてはいないかなということを心配をしています。
それだけに、自分自身は自分だけはそうならないためにもと思って、今年一年の計、一年の目標を立てました。それは明るさ、明るく振る舞っていく、笑顔を絶やさない、そして元気さを空元気でもいいから元気さを振りまいていくということでございます。
考えてみれば、我が高知県庁は全国にも先駆けて、いろんな改革にも取り組んできましたし、そのことには多くの県民の皆さんからご評価もいただいていると思います。
ですから、必要以上に我が身を卑下をすることもないと思います。胸を張れることは堂々と胸を張って、自信をもって仕事を進めていきたいと思います。
が、そうは言っても古いままの考え方、また従来通りの仕事の仕方そのものに、あまり自信をもって胸を張られては困るなと思います。
と言いますのも、ここ数年変わらなければといいながら、なかなか変わらなかった社会の仕組みがようやく大きく変わろうとしているからでございます。この春からのペイオフも大きなきっかけになるかもしれません。
また、各種の分野で行われる構造改革も大きなきっかけになるでしょう。が、それらのことをただ単に受け身に受けとめるのではなくて、これをきっかけに何か思いきって、発想や仕事の仕方を変えようということを、是非皆さん方にも考えていただきたいと思います。
例えば、去年高速道路の全国ネットワークの整備ということと、特殊法人の改革という全く次元の違う議論をあえて混同するようなことが進んでいたときに、では国の責任は、国の役割はなんですかという問題提起をし、地方としての主張を続けてきました。
また、それに続いて、そもそも高速道路の整備のあり方、規格そのものを見直して、その分3割でも4割りでもコストを削減できれば、同じ予算でもっともっと高速道路も建設できるのではないか、そういう新しい提案も検討しています。
が、それだけではなく、せっかくの機会ですから、これをきっかけに本州と四国に架かる橋、また高速道路の料金そのものをタダにしてしまう、そういう仕組みを考えることが本当の構造転換ではないか、またそれによって高知県の全国の位置づけも、また四国の全国での位置づけも大きく変わっていくのではないかという初夢を見ました。
が、これを初夢に終わらすのではない努力が必要だと思いますし、また皆さん方もそれぞれの分野で、これまでのものの考え方、発想というものを切り替えて仕事のやり方を変えていく、何かそういう知恵を絞っていただけたらと思います。
昨日の夜、それこそぼーっとして頭を空にしてテレビを見ておりましたら、映画監督のスティーブン・スピルバーグへのインタビューの番組をやっておりました。
その最後の方で司会者がスピルバーグに直に質問する場面がありました。
一番好きな言葉は何ですかという質問に対して、スピルバーグは「イエス」、「はい」という言葉を上げました。そして、逆に嫌いな言葉は何ですかという質問に対して、「ノー」、「いいえ」という言葉を上げました。うまい答え方だなあと思いました。
と言うと、お前はイエスマンを求めるのかという、また穿った見方をする人がいるかもしれませんけれども、決してそういうことではなくて、出来ないと思っていたことを「はい」という答えに変えていく。夢を実現するために努力をする、その努力を評価をしたいというスピルバーグの思いがその言葉の中に込められているように感じました。
その短い質問の最後の方に映画監督をしていなかったら、どんな仕事をしてみたいですかという質問に対して、スピルバーグは映画の音楽監督というふうに即座に答えました。
では、逆にやりたくない仕事は何ですかという質問に対して、ちょっと間が空いたあと、「お役人」という答えが返ってきました。
スピルバーグの感性をもってすれば当然かもしれません。が、その一方でスピルバーグでさえ夢を感じるような、やってみたいと思うような、そういう楽しさ、明るさを売っていけるような是非県庁で、行政でありたいなと思います。
今年は、国体もまたよさこいピックも開かれます。是非元気で明るい大会にしていかなければいけません。先ほど言いましたように、私自身は今年一年の計として明るく振る舞っていく、笑顔を絶やさない、そして元気さを、空元気でもいいから元気さを振りまいていく、そういうことに努めていきたいと思います。
是非、この高知県庁から元気さと明るさを振りまいていける、そういう県庁にするように皆さん方にも協力をお願いをしたいと思います。
どうか今年一年よろしくお願いします。ありがとうございました。