坂本ダム竣工式での知事挨拶

公開日 2007年12月06日

更新日 2014年03月16日

坂本ダム竣工式での知事挨拶(平成13年2月21日)

皆様こんにちは。本日は大変お忙しい中にもかかわりませず、坂本ダムの竣工の式典を開催いたしましたところ、大勢の方、ご出席をいただきましてまことに有難うございます。

ちょうど、昨日、長野県の田中知事が、脱ダム宣言というのをした翌日の竣工式典でございますので、なんとタイミングのいいことかというふうに思いますし、願わくば、あの宣言で幻のダムになりそうな下諏訪のダム同様、この坂本ダムが、全国に名前を知られるようになるといいなと、こう思っております。

それはともかくといたしまして、松田川の流域では、昔から、大雨が降るたびに河川が氾濫して、多くの方が亡くなったり、また、住宅や田畑が水に浸かったりと言う被害がございました、こうしたことから、松田川の総合開発の一環といたしまして、河川の幅を広げる河川改修と同時に、中流部に坂本ダム、治水、利水両面の機能を持ったダムを建設をすることになりました。

振り返ってみますと、このダムの実施計画の調査に着手いたしましたのは、昭和47年のことでございましたので、それから29年という歳月が経っておりますけれども、その間に、昭和58年には、ダム対策協議会との基本協定が締結され、また、平成6年には付替えの県道が完成をする、といったように順調に工事は進んでまいりました。
これも、ひとえに、貴重な人々からの土地をご提供いただいた、また、住み慣れた家屋をご提供いただいた地域の、また地権者の皆様方のご理解と、ご協力の賜物と思います。心から感謝を申し上げたいと思います。

併せて、このダムの建設にあたって、ご支援、ご指導いただきました、国、ならびに各議員の皆様方にも感謝を申し上げいたしたいと思いますし、この工事、建設工事にあたられました、関係者の皆様方にも改めてお礼を申し上げたいと思います。

先ほども申し上げましたように、このダムは治水、利水、両方の機能を持っておりますので、今後、流域の皆さん方を洪水の被害から守るということはもちろんのことでございますが、灌漑用水の安定的な確保でございますとか、発電とか、様々な面で、その機能を、発揮をしてくれると思います。また、一昨年どんぐり湖という名前をつけていただいた、湖、これもまた地域のためにご活用いただければ幸いだと思っております。

先ほど長野県のお話をちょっといたしましたけれども、私は、どういう政策もどういう事業も、バランスと合意の上に成り立つということを思っております。治水ということを考えましたときに、上流にダムを造っていくのか、それとも下流の河川を拡幅するか、また堤防を嵩上げしていくか、そうゆう選択、バランスということがでてまいります、また、堤防を嵩上げするのであれば、日々の河川との、水との触れ合い、親水性と言うこととのバランスをどうするか、そういう選択も出てまいります。そして何よりも、下流域の土地の利用の形態が河川の改修、拡幅を許すような状況であるかどうか、また、その際に住民の皆さんが同意をされるかどうか、様々なバランス、選択というものが有るだろうと思います。つまり、すべて、ダムがだめだと言う一般論としてのダム無用論、また、一般論として、ダムならばすべてが解決できて何の問題もないという、オールオアナッシングの議論では無いんじゃないか、地域地域によって色々条件も異なります、住民の思いも異なります、そういった中で住民の皆さん方が、どういう手法を取っていかれるか、そのことを行政が、持てる情報を公開をし議論をして、そして、住民の皆さんが工事のときに何処まで容認をされるか、また、河川を使ってどう地域づくりをされるか、そういうことを汲み取りながら治水の事業を進めていくのがこれからの時代ではないかな、と言う風に思っております。

そんな意味から、今後、この坂本ダムに関しても県として管理をさせいただくことになるわけでございますけれども、その際に、ダムが出来たから河川の環境が云々と言われないように、ぜひ、そうした面に気を付けながら、地域の、流域の皆さん方に、このダムが出来て良かったね、と言っていただけるような管理に努めていきたいと思いますので、ぜひ、これからも、よりいっそうのお力添えを頂きたいと思います。

本日は本当にお忙しい中、大勢の方においでいただきましてありがとうございました。
今後とも宜しくお願いいたします。

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