知事の庁議での発言(高知県西南部豪雨災害について)

公開日 2007年12月06日

更新日 2014年03月16日

知事の庁議での発言(高知県西南部豪雨災害について)

平成13年9月10日

 実際に見てみると予想以上に大きな被害だというのが、まず第1の印象です。
 そうした中で直接水が出たときに、人命に係る被害が起きなかったということが今回の大きな特徴だと思います。

 そこには98豪雨の時の、「避難と指示が遅かったのではないか」などというさまざまな反省点、また、県と市町村との関係で、市町村の出される避難命令に直接、県がなかなか口を出しにくいといったお互いの見合い、その反省点が今回は生きて、どんどん県もからみますけれども、市町村にも話をし市町村も率先をして避難命令を出していただいた。
 さらには自衛隊の出動についても非常に早い時期で声をお互い掛け合うことができたことは、大きな人命被害が出なかった原因であろうと思います。

 実際に現地に行きましても危機一髪だったという地区も一杯ございますので、そのことを新たに思いました。 このような防災対策にもからみますけれども、もちろん、土木部長からお話があったような新しい視点、ハードも含めた対策も必要でございますが、あわせてこういう集中豪雨で3分間の内にどっとですとか30分の内にどっとというような状況ですと津波やなんかと同様に、まず逃げるということをどう徹底をしていくかという面でのソフトも非常に重要な視点だということも思いました。

 あと被害に関しては先ほど、総務部長からも学校を見たということも申しましたけども、特に貝の川、下川口もそうだったと思いますけど、完全に学校の中の備品から子どもたちの作った作品から何から、それから下駄箱の運動靴が全てが流されている状況ですので、校長先生も「教科書についてはすぐお願いした」という話をしておられましたが、その他に学校がやっぱり少しでも早く活動できるよう、ぜひ力を入れて応援をフォローをしていただきたいと思います。

 それから水道も先ほどお話がございましたように、清水の方は出ておりましたけれども、大月の周防形の方は元管のほうはできていても、そっからの管がずたずたではないかと、下の方で水が出ないと、泥まみれになってとにかく洗い物ができないのが最大の悩みだというお声がございましたので、当然、まずは市町村の仕事ではございますけれども、また薬務衛生を含めですね、業界へ指示をしたり指導をしたりお願いをしたりということもぜひやっていただければということを思います。

 また98の豪雨と比べてですね、98豪雨の時は、主に汚れた水であっても水でございましたけれども、今回は山から流れてきておりますので、土砂や流木による被害が非常に多いです。ということから考えますと、家は壊れていない、全壊半壊に数えられていなくても、機能的にはほぼ全壊といっても間違いじゃない、全く住みようがないというような地域も、特に下川口や周防形には数多く見られたように思います。

 軽々には言えませんけれど、こういう復旧にどう対応していけるか支援をしていけるかということはですね、その規模と財政上の負担のことも当然考えていかなければなりませんし、それをやるべきかどうかも今後考えていかなければなりませんけれども、今回の被害については、かなりそこら辺まで踏み込んで検討はしていかなきゃいかないくらいの災害ではないかということを思いました。

 それから養殖の被害もですね、栄喜でコワリの被害を受けて浮き上がったカンパチなどの処分をしているところを拝見をしましたけれども、組合長さんに聞くと、大手で力のある方は沖合の方でなさっているので、それでもまだいいのだけれども、中小の力のない人は港周りでやっていて、そういう人達が一番被害を受けているということを言われておりました。これもぜひ商工やなにかも含めてですけれども何らかのご支援をしていければなぁということを思いました。

 あわせて非常にやはり、98豪雨の出だしに比べてボランティアがシステム化されるというのは表現が悪いですが、非常に多くの方が来て、しかも機能的にあの時に比べれば動き始めていたと思います。まだまだ、あれだけの被害ですので土日はともかくウィークデーなどのボランティアの数はたぶん足りなくなるのではないかと思いますので、そういう面で、県として人的マンパワー的にご支援をできればですね、市町村と話をして応援ができたらなということを思いました。

 現地でもすでにボランティアで応援に来てくれた県の職員だとか病院の関係者だとか、いろんな方にお会いをして非常に心強く思いましたが、学校も心のケアや片づけも含めて相当長期的に応援をしていかなければならない災害だと思いますので、公(おおやけ)の任務、ボランティアを含め是非みなさんにお力を貸して頂きたいということを思いました。

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