年末の知事の定例記者会見

公開日 2007年12月06日

更新日 2014年03月16日

年末の知事の定例記者会見

平成13年12月26日 15時00分から(第二応接室)

(記者)
 今年ももうすぐ1年が終わるわけなんですけれども、今年はいろいろ融資の問題とか、副知事任命の件とかありましたけれども、この1年振り返ってみての感想とですね、あと、教訓になるものがありましたら。

(知事)
 今年はですね、いろんな件にまつわる事件もありました。県民の皆さんにも、大変辛い、嫌な思いをさせたのではないかと思って、改めてその点はお詫びを申し上げたいと思いますが、こうした出来事をきっかけに、県の職員の中にも議論をして、これからの県の在り方を考えていこうという気運が、僕はでてきたと思いますので、そういう気持ちを萎えさせることなく、これまで言ってきた県政の改革ということを更に地道に進めていきたいと思います。

 もう1つ、今年は小泉内閣が成立をして、その中で「聖域なき構造改革」というキャッチフレーズで様々な改革が進められてきましたし、進められようとしてきております。
 が、これまでも申し上げてきましたように、現在、進めている改革が地方にとってより良いものになるかどうかということに、非常に大きな不安を感じております。

 で、ひとつは、今回の改革でキャッチフレーズとして言われております「民間にできることは民間に任せて、地方にできることは地方に任せる」という考え方で、国の責任、国の役割ということが抜け落ちてしまっているんじゃないかという点ですし、また、そうしたこともひとつの原因になって、結果的に先日の政府原案がまとまりました時の新聞の見出しなどにもありましたように、大都市に向いた、そして地方に冷たいような流れになっているのではないかということを感じます。

 そうした流れに対して、地方からの声というものをきちんと伝えていく、高速道路の問題などで私も中心になって、地方分権というものを述べましたけれども、これからもそうした地方の役割・考え方というものをきちんと伝えていく役割が益々必要なのではないかなということを感じております。
 

(記者)
 来年の抱負という意味でも、そういった部分で声をあげていただけるということですね。

(知事)
 ええ、来年もですね、引き続き、その政府の改革というのは同じ流れで進んでいくと思いますから、そういう中で地方としてあげるべき声をあげていくということは、当然やっていかなきゃいけないことだと思います。

 で、一方で、今年、いろんな事件があって、また更に景気の落ち込みが激しい状況の中にありますので、県民の皆さんも非常に気持ちの面で沈まれたんではないかということを思いますから、少しでも県民の皆さんが自信と明るさを取り戻していただけるような1年に是非していきたいと思います。
 具体的な話でなくて恐縮ですけれども、私の思いとしてはそういう思いでこれからの次の1年取り組んでいきたいと思います。
 

(記者)
 県民が自信と明るさを取り戻せる1年にしたい、ということですけれども、その具体的なこれをやりたいというものがありましたら。

(知事)
 先程申し上げたように具体的なことはなくて、恐縮だけれども、気持ちとしてはそういう気持ちで取り組みたいと思ってます。
 僕は、高知県で取り組んできたこと、また取り組んでいる様々な事業、施策というのは、本当に前向きなものが多いと思いますし、全国を先取りしたものが数多くあると思います。

 全国的には、大変評価を受けている事業や研究も数多くあるわけですから、その意味では県民の皆さんに、自信を持っていただくということが大切ではないかと思います。

 勿論、県政の中にある問題点というものを真摯に受け止めて、それを反省をして、その反省の上にたった事業を進めていくことは勿論ですが、一方で県民の皆さんには、県の中にあるトラブルの部分だけ見てるのではなくて、前を向いてこの県の持つ良さ、積極性というものも是非評価をしていただいて、この、私達のふるさと高知県というものへの自信を、是非持っていただきたいなということを思います。
 

(記者)
 景気の落ち込みが激しい、という話が出たんですけれども、雇用の話を聞きたいと思います。県でも雇用対策本部で、議論を進めてらっしゃると思いますけれども、今、県内の雇用情勢ですね、どういうふうに認識されているか。あと、県としてどうやって対策に当たっていきたいか、というところをお願いします。

(知事)
 県内の雇用情勢と言ってもですね、失業率や何かは各県単位で出ているわけではございませんので、県の独自の、現時点での雇用情勢というものを数字的に申し上げることができません。もう、それは厳しいでしょうというほかはないです。

 雇用の促進ということは、もうこれまでも申し上げていますように、地道な取り組みになりますけれども、高知工科大学を中心にした産学官の連携で、新しいビジネスの新しい職場を作っていくということ。また、地域の資源である深層水などを活用して、新しい雇用を作っていくということに取り組むことが、これからも大切だろうということを思います。

 また、あわせて、例えば、公共事業に関わる建設事業など、根幹を支えてきた産業が数多くあるわけですから、そうした県内産業が限られた土地で少しでも雇用を確保できるようなことも一方で必要でしょうし、また、今回の緊急雇用対策の基金などを活用して、この現在の厳しい状況の中での雇用を少しでも増やしていくというようなこと、それはもう様々な取り組みを進めていきたいと思います。
 

(記者)
 今、ワークシェアリングという考え方が、かなり重視されてますけれども、県の仕事もですね、民間に分けあってですね、やっていこうというお考えはどうでしょう。

(知事)
 ええ、それはもう既に庁議で言っておりますし、雇用対策の本部としての指示を出していますけれども、各部局にですね、現在県としてやっている業務を少しでもワークシェアリングをしていくと、その項目を今出して、それを財政課で議論してもらっています。

 間もなく、総務部長レベルで実際に県としてどういうものをワークシェアリングできるかということを、検討をしてもらえるところまできていると思います。
 方向としては、県の仕事をもっともっとワークシェアリングして、それによって雇用を作り出していくことが必要だと、これまで申し上げてきたところでございます。
 

(記者)
 海洋深層水の話で、以前、マークを作ったりとか、すごい精力的な活動が目立ったんですが、今年を見るとですね、富山県とか、沖縄県とか、いろんな所が追随してきて、静岡県じゃ、都心に近いっていうことを宣伝したりしてですね、どんどんライバルができてます。
 で、そういう中で、室戸というブランドを売り出していくためにですね、かなりいろいろな努力、追われる立場として努力が必要だと思うんですが、今後の展開として、どういう差別化っていうものを、今模索されてるか。

(知事)
 1つは、静岡とか富山とかそれぞれありますけれども、やはり室戸の深層水に科学的な違いがあるかどうかということを、訴えていくことは重要だろうと思います。
 で、それは、その成分分析から、その成分が果たす効能、科学的な機能というところまで含めた研究をしていくことは必要だろうと思います。

 あと、まだ水面下と言うか、表立った動きはありませんけれども、大手の科学関係の会社も関心を持っておられますので、そういう企業と連携をしてですね、更に室戸の海洋深層水というものをもう少しグレードアップをしていくような取り組みを、県としても是非支援をしていきたいというふうに思いますし、そういう流れは、これから続けていくというふうに思います。今、まさに正念場の段階になってます。
 

(記者)
 市町村合併なんですけども、いよいよ来年に入ると、その合併協議会ですか、そのような動きも出て来ると思うんですが、市町村合併に対する知事のお考えっていうのは、従来からおっしゃっていたことに変わりはないんでしょうか。

(知事)
 変わりありません。
 

(記者)
 この前の12月議会で、県独自の合併の交付金ですか、そういうようなものも出てきたと思うんですが、ちょっと前向きかなというような気もしたんですけれども、その辺も含めてなんですけれども。

(知事)
 それは、従来からですね、一定の動きが出れば、当然、県としての独自の交付金というものは考えていくというように思ってました。広域連合においても同じような手立てを打っておりますので、同様のことから、市町村合併に向けても県独自の制度、仕組みというものは必要だろうということは思っておりました。

 ご質問の趣旨は、そういう合併協議会などの動きが甘いから、そうした独自の政策をアメとムチのそのアメの部分として出すことによって、よりその動きを早めることができるのではないかという趣旨のご質問ではないかと思いましたけれども、県としてそこまでのことをやる、今は意思はございません。
 

(記者)
 この間、一般質問で、民間の人材の登用話が出ていました。
 で、私個人的には、副知事の時にもちょっと出たんですが、必要な時に必要な人材をですね、確保していくということは、当たり前のことだと思うんです。

 民間人の登用と言いましても、知事は白紙だということは知っておるんですが、こういう不況の状態もあっておっしゃるように、この話題の深層水にしてもですね、いわゆる実質利益を上げていかなきゃいけない時期だと思うんですよ。

 で、知事の残り任期なんかも考えても、まあ4期目をやるかどうかは別としてですね、実質利益を上げていかなきゃいけないというふうに、県庁内にもですね、やはり民間で然るべき人材なら、必要じゃないかという声もあるんですが、そういう人材登用というのは、民間からもですね、民間じゃなくてもひょっとしたらですね、何かお考えがあってるんじゃないですか。
 

(知事)
 頭であっております。

(記者)
 頭ですか。
 

(知事)
 はい。

(記者)
 具体的なことではない。

(知事)
 いえ、具体的なことです。
 

(記者)
 それは近い将来というか。

(知事)
 県庁にということになるのかどうかは分かりませんけれども、非常に地方のあり方に関心を持っておられるのは何人かいらっしゃいますから、そういう方々が、今お話があった工科大学とかを手助けをもらえないか、ということはお話をしております。
 

(記者)
 それは、特定を、もうリストアップしてるというか。

(知事)
 ええ、特定の人とお話をしております。
 

(記者)
 感触はどうなんでしょうか。

(知事)
 関心を持たれる方は、私は多いというふうに思ってます。
 

(記者)
 何人かいらっしゃるわけですか。

(知事)
 こういう話に全く関心が無いという人は今おりません。
 

(記者)
 それは、然るべき方が意思を示したらですね、それは採用ということもあり得るということですね。

(知事)
 それは、分かりません。そういう気持ちとしてはあるけれども、その処遇として、その方が、例えば、おかれてる企業なり、団体なりで、そのまま定年までおられた時に得る処遇を、県内の民間組織、団体でそれだけのものが賄えるかというのは、大きな疑問がありますし、そういうことまで含めて、県庁におっていただけるかどうかというところまで詰めて、したわけではございません。
 

(記者)
 本四公団です。累積債務の問題で、政府が出資金以上の負担を求めるような方法を検討をしているというような報道がありました。今回、年度当初予算の編成に当たっても、地方の方から、そういうのは勘弁してくれというようなことを言ってるようなことになりますが、どうお考えなのか。

(知事)
 それは、出資団体としてまとめた意見と全く同じでございます。
 

(記者)
 つまり、普通の出資金以上の負担は認められないと。

(知事)
 認められない、という表現はしてないだろうとは思いますけれども、ええ。
 

(記者)
 中土佐町の採石のことなんですけれども、業者から訴えられました。そのことで、どんなふうに受け止められたのか。今後の対応について教えて下さい。

(知事)
 やがて、そういう形の訴訟は提訴されるかな、ということは考えておりました。で、今後の対応としては、2月1日でしたか、第1回の口頭弁論が開かれますので、その時かどうかはともかくとして、自分自身が法廷に出て、「なぜ、この問題でこういう対応をとってきたか」ということをご説明をし、「今後、こういう開発行政の開発に関わる法のあり方はこうあるべきではないか」ということを、法廷の場で、自分の口で申し上げたいというふうに思っております。
 

(記者)
 議会の委員会の席で、担当部長が「現法下では認可せざるを得ない」というふうな発言をされましたが、それはどういうふうに受け止めていますか。ああいう答弁があると、庁内で不統一という人もいるんですけれども。

(知事)
 それは、私の方も報告を受けておりますので、そういう報告を受けた上で、自分として、今申し上げたようなことをやっていきたいというふうに思ってるんです。
 それは意思の不統一ということでは全くないと思います。今の法律と、これまでの経過から踏まえれば、そう判断せざるを得ないというのは、別に答弁をした管理職だけではなくて、担当をしている一般の職員を含めてのまとまった考え方です。

 しかし、それに対してそれで良いかということも、私はずっと一定述べてきておりますし、自分自身の思いとしては変わるところはありませんので、それはそういうお互いの考え方の違いというものがないと、逆に組織として僕はおかしいと思います。

 それぞれの考え方というのがあり、だからこそ、単に役人としての意見だけではなくて、知事という県で選ばれる政治家という立場の人は、その立場での意見がありますので、私は、別に庁内の意見が不統一だというふうにはならないと思います。

 やっぱり、法的に見てこうだという公務員の意見が、「知事がこう言ってるから、知事の考えがこうだから全く変わってしまう」という組織の方が、僕はおかしいと思います。
 

(記者)
 知事の気持ちとしては、最後まで争いたいということですか。

(知事)
 そうですね。
 

(記者)
 最終的に、許可する、しないの判断をいつ頃までにしたいという考えでしょうか。

(知事)
 それは、まだ出ておりません。
 

(記者)
 裁判での結論が出た後になる可能性もあるということですか。

(知事)
 それは、当然その後になると思います。
 

(記者)
 来年、高知市長選があるんですが、知事と自民党の関係の中で、前回の参議院選挙なんかでも、ああいう形で特定の候補を応援したということで、自民党がすごい反発したということがあるんですが、私個人的には、知事も政治家ですから、自分のまさに主張とか、政策の実現のために、然るべき候補者を応援するのは政治家としてそれは当たり前じゃないかというふうに思うんです。
 が、ただ発言と行動とにギャップがあるから、私は当然自民党が反発するなと思うんですが、今度の自民党県議団との合意の中で、選挙に対する姿勢について話をしたと思うんですが、それはどうするんですか。

(知事)
 さして選挙に関する話はしなかったですね。
 

(記者)
 そうなんですか。今度のその市長選ですが、どうするか、とかいうふうな思いは今のところいかがですか。

(知事)
 何ともありません。ないに決まってるでしょう。
 

(記者)
 阿佐線が開業いたします。県は筆頭株主だと思うんですが、阿佐線の採算が非常に厳しいというのは常々言われていることです。で、当然、阿佐線の沿線を活性化させていくというのは大事だと思うんです。
 県としてというふうに言って良いのか分からないんですが、阿佐線をどういうふうな形で振興させていくかですね。

(知事)
 いきなり財政的にどうかということは、今後の経営状況を見ないといけないと思います。
 で、当面は、非常に小さなことでありますけれども、例えば、県の職員が東部地区へ行く時に活用していく、そのために安芸とか然るべき所に県用車を置いておいて、鉄道で行って、向こうに着いたらその県用車で移動するというようなシステムというか仕組みを作っていく。ともかく、少しでも多くの人達の利用を増やす、そのための努力をすることが大事ではないかと思います。

 外からも一定人が来る可能性もございますし、そうした交流人口に沿線が活躍するということもあるとと思います。ただ、やっぱり地域の住民の方に使っていただく、そのためのPRをしていくことが大切ではないかと思います。
 

(記者)
 採石場の問題に戻って恐縮なんですけど、裁判に勝てるとお考えですか。

(知事)
 それは分かりません。
 

(記者)
 前は、負けるというふうにおっしゃいましたよね。

(知事)
 法律的には、負けるんじゃないかと思います。
 

(記者)
 今はそれは分からない。

(知事)
 それは分かりません。
 

(記者)
 僕は、むしろ勝ち負けのためよりも、やっぱり主張する時は主張するというために争うのかなと思ったんですけど。

(知事)
 それはいくら何でも、一定公費もかかっていくわけですし、それを勝つことを考えずにということは少しいき過ぎではないかなと思います。
 

(記者)
 地方がいろいろ自主財源をさぐる中で、東京都がホテル税を成立をさせたんですけども、これに対していろいろ知事さんの中には意見を述べられる方もいらっしゃいますが、知事ご自身は、ホテル税というものに対してどういうご意見をお持ちですか。

(知事)
 僕は、特段その課題を深く考えたことはございません。それぞれの地域でいろいろ努力して、法律の範囲内でできることをやられるのに、私としてどうというようなことはございません。
 

(記者)
 全国の中でいろいろ意見を述べられる方がいるということに対しても。

(知事)
 それも当然ですね。いろいろ意見は自由ですから。
 

(記者)
 知事は、東京都知事の石原さんはどんな評価されてますか。

(知事)
 是非、会って話をしたら良いと言ってくれる経済界の方がおられますが、直接お会いをしてお話をしたことがありませんので、何とも分かりません。
 

(記者)
 最近出た某雑誌で、首相公選制がテーマを取り上げていたと思うんですが、例えば、どこかの政党から、是非なって欲しいというふうに言われた場合、どうされますか。

(知事)
 首相公選は、常識的に考えればですね、今の国会議員の方々からすれば、自分の可能性を潰すことの方が多いだろうと思いますので、私は今の国会でそういうことに繋がるような法改正がなされるとは思いません。思いませんが、将来の日本の政治手法、政治の仕組みのひとつとして、私は考えられているのじゃないかというふうに思います。

 4年間というふうな確固たる年数を保障されて、その中で国としての、また経済的な戦略を立てて国際的な更なる活動をしていくわけです。
 で、我が国だけが、先進諸国の中で1年とか2年で次々とリーダーが替わっていくという、そして、その中でその方向性も変わっていくということで、本当にこれだけ厳しい国際社会を乗り切っていけるのか、ということは強い危惧を感じますね。

 やっぱり一定の期間、決まったリーダーにまとまった仕事を頼むという仕組みは当然考えられていいんじゃないかというふうに思います。
 で、もしそういうふうになった時に、自分自身にということですが、政党からということであれば、自分がこの政党から出たいと思う政党が格段今はありません。
 

(記者)
 政党を越えたということでは。

(知事)
 そういうことに全く関心がないなんて言うと、それは自分も地方のリーダーとして、責任のある立場として仕事をさせてもらっていますから、自分の力の発揮でできるところがあるのであれば、そういうことにも関心を持たないわけではありませんが、今、現実にそういう制度ができているわけではございませんので、そんなことよりも自分の仕事を考える方が先ではないかという気がします。
 

(記者)
 高知医療センターについてお伺いしたいのですが、PFI方式というのは、ご存知のように民間事業者を競わせることで効率性を確保しようとすることだと思うんですが、地元の企業をですね、参加させるように配慮するっていうことは、その効率性の追求という意味で矛盾するっていうことはないんでしょうか。

(知事)
 PFIの定義をどうするか、ということだと思います。で、PFIは官がそのままパブリックサービスを全て担うということに対して、民間に任せて、そのサービスそのものを官が買い取るという手法の方が、より効率的であるという趣旨であるというふうに私は理解をしています。

 で、その中で、本来のPFIであれば、今お話があったように民間の中でやりたい人が、その一番やりたい手法で様々な戦略を描き、その戦略の中で最も効率的でより良いサービスが与えられるというパターンが最も望ましいだろうということを思いますけれども、一方、地方でそのPFIの事業ということを考える時に、地域の企業、地域の方々の生活というものを合わせて考えていくのも、当然、地域経済を担うものとして配慮しなければいけないと思いますので、要は、官が完全に全てのパブリックサービスを担うよりは、より便利である、より良い効率でいろんなサービスができるという範囲で、その地域の業界の方々が入っていただくようなPFIの地方版のスキルというものも当然考えられるのではないかと思います。

 その地方版のスキルを全国版で、また国際的に世界の企業が出て来て高知医療センターを担うというスキルから考えれば、より効率的で、またサービスがより向上することがあるかもしれませんけれども、それはそれで、官が全てを担うよりはより良いものができるということで、PFIを取り入れようとしています。
 

(記者)
 それは、行政がやるよりも効率的であるならば、後はバランスの問題というふうにとって良いんでしょうか。行政がやる以上の効率性が確保されるのであれば、極めて高い次元の効率性が確保されなくても。

(知事)
 そういう趣旨です。
 

(記者)
 今回の病院のPFI方式というのは、運営部分もかなり高度な部分を含んだPFIで、全国でも注目されてると思うんですが、そうした中で県にもPFIをやるようなノウハウっていうものが蓄積されてきつつあると思うんですが、病院以外の分野で何かPFI方式でやってみたいと思われてるようなものはありますか。

(知事)
 今、具体的にそういうものを考えておりません。ただ、今お話があったように、ノウハウを積み重ねられれば、当然、今後出て来るいろんな課題の中でPFIというのは1つの選択肢としては出て来るのではないかと思います。

 具体的に検討しているわけでもありませんが、図書館とか、今後出て来るであろう課題で言えば、そういうものに取り掛かるという所へ来た時には、必ずPFIではどうかということは、検討の選択肢には出て来るであろうというふうに思います。
 

(記者)
 今年、水源税に取り組まれましたけれども、各地で産廃税とかいうような税が出てきていますが、何か新たなものに取り組もうと考えていらっしゃるのでしょうか。

(知事)
 今のところ、税に関しては特段に新しいことに挑戦をしようとは思っておりません。
 

(記者)
 年明けすぐ成人式が来ます。今度は高知市の方へは招かれないというふうに聞いてるんですが、ああいう高知市の短縮になったことについてどう思われてるのかということと、あえて今ですね、この場で来年成人式を迎える新成人、まあ新社会人に是非言っておきたいことがあれば。

(知事)
 高知市は、行政の取り組みだけではなくて、その中で検討され、ああいう結果にされてますので、それはそれで1つの判断の結果というふうに思います。

 で、自分としては、毎年毎年成人式に出て話をするということが非常に辛いイベントでしたので、そこで話す必要がなくなったということは一面ホッとした気持ちがありますが、また、一面なんとなくこう残念な気もいたします。

 で、新成人の人に、僕は特段「どうの、こうのしろ」とそんなこと申し上げるつもりは全くありませんが、成人の日が今回自分自身の日程がどうなってるか分かりませんけれども、そういう成人ということを機会に、知事室にでも来て知事と話をしてみたいという方がおられるのであれば、是非、皆さん来ていただいてお話をする機会も作れればなということを、自分は思っています。
 全然、秘書課長にそんなことは言ってなかったので、突然またそんなことになりますが、はい。
 

(記者)
 プロ野球のキャンプの話で、西武のなくなる話とですね、一方で、阪神、まあ安芸の方の、野村監督の替わりに星野さんという、だいぶ盛り上がりが期待できると思うんですが、その辺について知事は、西武に関してとですね、星野監督に対するメッセージといいますか。

(知事)
 西武がグループのご事情で宮崎の方に移られるというのは非常に残念なことでございますけれども、後2年間、それは精一杯温かくお迎えをして頑張ってもらいたいと思います。
 あわせて、春野の球場、並びにその周辺の施設というのは、全国的にも非常に使いやすい施設だということを自負してますし、そういう評価もいただいておりますので、是非、西武の後、どういう形にしろ、何かまた使っていただけるような働きかけをしていきたいと思います。

 また、星野さんには、野村さんが監督になって来られた時も大フィーバーでしたけれども、それに勝るまたフィーバーが来るのではないかということを思いますし、単年契約ですけれども、単年といわず長期契約をしてもらえるような活躍をしていただいて、末永く安芸をキャンプ地として活用していただければなと思います。
 

(記者)
 公共交通機関、特に路線バスなんですけれど、バスとか電車が便利でもっと使えばと思います。
 ところが、高知の電車の現状を見ると、ほとんど住宅地を走ってないという気がしますし、そのことが根本にあると思うんです。
 何か、その路線バスへのご自分でアイディアはないですか。こういうふうな展開をしたら、あるいはこういう知らし方をしたら良いじゃないかと。

(知事)
 自分のアイディアはないですが、民間の企業にはこういったアイディアを持った方がいるんじゃないかと思います。で、こういうことは、行政がアイディアを出すというよりは、影で支援をしていくということですし、今後、サイズも自由になるわけですから、別に大型のバスでなくても、いろいろな手法があるようになると思いますから。

 私は、思い描く路線まではないんですが、前々から、地域の公共交通について、従来からの路線バス事業者じゃない方々で関心を持って、いろんな働きかけをしてくれている方も沢山おられますので。
 

(記者)
  実際にそういう人はやっぱりいるんですか。

(知事)
 それは、県内外にそういう方はおられます。
 

(記者)
 同じ交通機関の関係ではあるんですが、西南空港は来年の予算に入らないということですが、「火を消さない」というその真意をお伺いしたいのと、もう1つ東京都の離島とか、あと兵庫県でヘリコプターを使ったコミューター便とかいうのが結構使われているように聞いてるんですが、飛行機じゃなくても、そういうことについてまだ研究をされたことはなかったでしょうか。

(知事)
 ヘリコプターでは、その採算を考えるとものすごい大変なことですし、しかもヘリコプターは点検の期間も法的に決められますから、非常に難しいものがあるんじゃないかと思いますが、特に調査検討をしたことはありません。

 それから、西南空港の「火を消さない」ということは、この間議会でご質問があって、お答えをしたとおりでございます。

 その必要性とか、あれば良いということは、もうこれは当然私もそういうふうに思います。けれども、航空会社がなかなか手をあげてもらえない状況の中です。特に、そのままの事情でいこうとして、高速道路の整備手法も大きく変わるでしょうし、地元負担ということも問われかねない状況にあります。そういう中で、限られた財政の使い方、優先順位ということを考えると、今すぐ空港にということにはなかなかなり得ないということを思います。

 ただ、将来のそういう可能性として、そういうことを無いものにするわけではないという意味で「火を消さない」ということを申し上げました。

 で、愛媛の加戸知事さんとお話をした時には、今の三種空港というふうな構想ではなくて、もっと単純な、四種空港のようなものが、ローカルスポットとして作っていけるのであれば、また新たにそういうことを考えていこうということは、お話をしておりますし、そのことは国土交通省にも話をしております。
 で、そういうようなことはありますけれども、今の仕組み、今の制度の中ではなかなかすぐには手をかけれる形ではないということです。


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