コンピテンシー型所属長能力開発研修での知事メッセージ

公開日 2007年12月06日

更新日 2014年03月16日

コンピテンシー型所属長能力開発研修での知事メッセージ

平成13年7月16日

  いきなり、コンピテンシーと言っても、何のことかよくわからないなあというのが、多くの職員の皆さんの受け止めではないかと思いますが、そうした中で、この能力開発のプログラムに、数多くの方々が挑戦してくださいましたことをとても心強く感じています。と言っても、まだ僕自身、コンピテンシーの意味を上手く説明できるまでにはなっていません。何度か担当の方の話を聞く中で、「それぞれの仕事に必要な能力を身につけている」という意味なんだなといったことが、ようやく理解でき始めたばかりです。
  にもかかわらず、今なぜ、コンピテンシーという考え方を県庁に取り入れようと思ったのかと言いますと、従来の基準で優秀と言われる公務員だけでは、地方行政の大きな転換期を乗り切っていけなくなるのではと感じたからです。

  と言うのも、これまでは与えられた法律や制度の枠組みの中で、仕事をきちんとこなしていける人や、もめ事を起こさずに上手く調整をしていける人が評価をされて来ました。「地の詰んだ仕事ができる」とか「何でもこなせる」といった評価も、こうした従来の基準と結びついていた面があろうかと思います。
もちろん、こうした能力も全て否定される訳ではありませんが、これからは、むしろ「この分野の仕事に、今求められているのは、こんな能力だ」ということが、予め明らかにされたうえで、その力を備えた人がその場に配置をされるという方向に変わっていかざるを得ないと思います。

  ただ、いきなり所属ごとに、今求められている能力を示していくだけの蓄積が県庁にはありませんので、まずは所属の長などのポストに求められる能力をお示しをしたうえで、その能力の習得を目指していただくプログラムを作ることにしました。
それが、今回の所属の長を対象にした能力開発のプログラムです。この新しい仕組みでは、それぞれのポストに求められる能力が、予め示されますので、職員の皆さんは、現在の自分の力にあわせて、自らを磨いていく目標を持つことができます。また、それによって、結果的には県庁全体の力を高めることができますので、組織にとっても、職員の皆さん個人にとっても、メリットのある仕組みだと言えると思います。

それでは、これからの高知県の行政は、どういった視点で展開していくべきかが、次の課題ですが、それは、県民の皆さんの満足度を高めることとか、情報公開の徹底、さらには説明責任を果たすといった方向に集約されるのではないかと考えています。
 ここで、繰り返しになりますが、皆さんに挑戦していただいている高知県のコンピテンシーの基準は、従来からあったあるべき公務員の像から作られているものではありません。むしろ、これまでの行政の在り方を反省したうえで、それを変える力や変えていこうとする意思が、備わっているかどうかを基本にしていきます。その際、既にこのシステムが、採り入れられている民間の場合には、それぞれの分野で最も良い成績をあげている社員の行動を分析して、基準が作られています。行政ではいきなりそこまではいけませんので、高知県のコンピテンシーは、現在各職場で取り組んでいただいています行政経営品質の考え方を基本においています。

もちろん、このコンピテンシーのシステムは、まだ試行、つまり試みの段階ですので、今後改善すべき点が色々と出てくると思います。今回挑戦してくださった皆さん方には、是非こうしたコンピテンシーの考え方を十分に理解をいただきましたうえで、自らの能力開発に励んでいただきたいと思います。
また、皆さん方とは、いつか別の場でお話を聞く機会を持ちたいと思いますので、どうかよろしくお願いします。
ありがとうございました。

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