知事の定例記者会見

公開日 2007年12月06日

更新日 2014年03月16日

知事の定例記者会見

平成14年2月4日 15時30分から(県庁二階会議室)

(記者)
 まず来年度の予算の知事査定が終了したことと思います。来年度は知事も第二次財政構造改革のとりまとめの年として位置づけておられますが、査定を終えて改めて今年の各部局の予算についての感想をお聞かせ願いますか。

(知事)
 個別の部局のことは、それぞれにいろんな重要な課題があったりしますので、それぞれふれることはできませんけれども、全体として思ったことのひとつは、もっと民間のサービスを利用することを考えたらどうかなということです。

 一例をあげますと、県立の病院の医師の宿舎を建設をするという予算があがってきました。これに対しては、もちろん起債制限を受けているというような中で、建てるのはどうかという財政的な議論もありますけれども、それ以前に医師の宿舎、また公務員の宿舎というのを県が建てて管理をしてということを、ずっとやっていくべき時代かどうかというようなことを考えるべきではないかなと思いました。

 もちろん民間のものがあればそれを探すということから始まり、民間の方に建てていただいて、少し大げさな言い方になりますけれどもPFI的にサービスを購入していくとか、いろんな手法が考えられるんじゃないかと。そういうことをあらゆる事業で出来るだけ考えていくことが必要ではないかなということを感じました。

 それから、これも今の財政構造改革と直接関わることではないので、お答えとしてずれるかもしれませんけれども、サマーレビュー的なものを一旦やめました。そのために知事査定の場になって議論が部局間で分かれて、しかしそれを提案をしている部局にとっては、一定その予算を前提にしていろんな話を、例えば市町村だとか関係をする人達にしていて、なかなか引きにくいいうような話があってですね、少なくともそういうことはもうそろそろやめにしたらどうかということを言いました。

 というのは、やっばり意見が分かれるようなことが想定される場合には、きちんと部局間の又、三役も入れた議論をして、方向性を示したところで、その後関係者の方々にあたって、予算としてどうしていくかということを検討すべきで、いかにサマーレビュー的なものがなくなったというか、やらなかったからと言え、その際一方的に何かいろんな関係者との間の話を詰めていってしまって、表現は悪いですけれども既成事実化してしまうような予算づくりのあり方はおかしいんじゃないかと、それをもう一度考えるべきじゃないかというようなことを思いました。
 

(記者)
 話題は変わりますが、今度の22日になりますけれども、中土佐町の採石場の問題に関しまして、業者が県に許可手続の進展を求めて、裁判の第一回口頭弁論がありますけれども、知事自らが出席されるということをお聞きしていたんですが、改めて県民の皆さんにどういう思いをお伝えするつもりでしょうか。

(知事)
 県民の皆さんというよりも法廷ですから、裁判官に向かって言わなければいけないことだと思います。
 第一回の口頭弁論でということをちょっと思いましたけれども、第一回の口頭弁論はいろんな日程調整だとかですね、準備書面の精査等々あると思いますので、二回目ぐらいになるのではないかと思っております。

 まだ具体的に決まっているわけではありませんけれども、その中であまり個別、具体の言葉で今から申し上げると、何のための裁判かということになりますので、そこは突っ込んで言えないというとかっこいいですが、今そういう質問を十分に想定していなかったので、きちっと論理的に答えるだけの勉強をしておりませんから、省してもらいたいと思います。

 では、県としてどうして決断をすることをこれまで見送ってこざるをえなかったか、そこに採石法の抱えるどういう問題があるのかというようなことを、きちんと法廷の場で裁判官にお話をしたいというふうに思っています。
 

(記者)
 幹事社から最後になりますが、一連の不透明融資などの事件も踏まえ、今回過去の公文書などを公開するように、情報公開条例の改正手続きを進めていると思いますが、今後の情報公開のあり方について改めてお考え方を。

(知事)
 基本的に全ての書類、またいろんな審議会等の場での話し合いというのは、公開をされるべきだというふうに思いますし、単に開示請求を受けて開示をしていくという形ではなくて、積極的に情報提供が出来るような仕組みにしていきたいというふうに思っています。

 情報公開条例ももちろんでございますし、県庁の文書データもシステム化をしました。これもできるだけ、まあいろんな議論というか難しい点もありますので、まだまだクリアすべき課題はありますけれども、もう直接、端末から県民の皆さんが引き出していけるような、そういうシステムにしていきたいなというようなことを思います。

 と同時に予算づくりにも関わりますし、毎日毎日の事業でもそうですけれども、情報公開ということが前提になってきたときに、県民の皆さんから見て、事業面を見たり、例えば予算の事業面を見てもですね、内容がなんだか分からないようなものがいっぱいあると思います。

 「さわやか」だとか「ふれあい」だとかそんなようなイメージ的な表現ばかりのものだとか、また極めて役所的な表現であって、何を指しているか分からないというようなことがいっぱいあると思いますので、少なくとも見出しでその内容が何かということが分かるようにならないといけないと、分かるようなぜひ予算の事業面を、それからいろんな書類のタイトルもですね、そういうものに変えていきたいということも思います。
 

(記者)
 日高の産廃のことですが、県議会の委員会でいろんな意見が出ていますが、現時点の知事の柱谷の上流の計画についての考え方を改めてお聞きしたいんですが。

(知事)
 最初に柱谷地区に決定をした経過には、さまざまな問題点があったということは私も率直に思いますし、今後ああいう決定の仕方というのは繰り返されてはならないということを思います。

 日高だけではなくて、たとえ日高の上流の計画が進んでいくとしてもですね、これからまだ管理型の最終処分場づくりということは他の地区でも必要になってくるだろうと思います。長期的に言えば。

 そのことはもう、同時進行で多分進めて行かなければいけないと思いますので、そのときには可能性のあるところ、また、手を挙げてくださるところ、蜂の巣をつついた、もし騒ぎになってもですね、そういうものを最初から公開をして、公明正大に場所決定というものをしていくような仕組みに改めたいというふうに思います。

 一方ですね、日高での計画ですけれども、エコサイクルセンターにはご承知のとおり、焼却の施設と管理型の最終処分場という二つの大きな施設がございます。このうち焼却に関しては、高知市さんのエコエネルギーの取り組みもございますし、また民間の業者の方でも、12月のダイオキシン規制をクリアしたものが既に2つございます。

 これは小規模なものですけれども、この他塩ビなどの関係でですね、農業団体が考えておられるような施設もございます。合わせてセメント会社の工場で、ほぼ全てのものを受け入れていただけるという余地もございます。

 ということと、今後様々な分野でリサイクルが進んでくれば、当然焼却に回るものも最終処分場に回るものも量的には、少なくなっていくだろうというようなことを合わせて考えますと、焼却炉の施設そのものは、今すぐ日高の土地に建設をしなくても十分需要供給のバランスが回っていくのではないか。

 特に日高での上流の計画の中で、焼却炉をつくることによる赤字の大きさというのが財政上の大きな問題になっていたことを考えれば、まず焼却炉の計画というのは、一旦置いて、管理型の最終処分場の計画を考えるべきではないかと思いました。

 管理型の最終処分場は、ではどうかということを考えますと、県内にはまだ一つもございませんし、民間の方でもやってみようかという方はいらっしゃいますけれども、安全基準やなんかを考えますと、まだまだなかなかお任せが出来るという状況ではございません。

 それから、これから作り始めていくということを考えますと、当然いろんな反対の声が上がってくるだろうと思います。三里の高知市さんを見てもですね、やはり計画から10年というようなスパンはかかっていくということを考えれば、管理型の処分場を、果たして今後10年間何も手をつけないままでいっていいかな、ということはやはり県の責任として思います。必要な施設ではないかということで、そこで管理型の最終処分場をつくっていくという計画に絞り込んだ計画変更ということを考えました。

 これに対して、他の県の施設と比べて割高ではないかというようなご議論があることはよく分かります。ただ割高というときには、その地形の条件がそれぞれの県によっていろいろ違いもございますし、またその県によって出来る場所が何ヶ所あるのかというようなことからも限定される問題ですので、一般的に単に割高かどうかということでは決められないと思います。

 本県の場合では、どう考えても今の段階では、日高でしか考えられる余地がない施設でございますし、そこにはまた地形的な条件もあります。そういういろんな条件を勘案をした中で、一定、競争力をもって他府県にあるものと比べて、競争力をもって運営が出来る、それによって県内の産業にとってもプラスになる施設にしていく、そのために公的な負担がどれだけ必要かということを、今一定途中の計算の段階はお示しをしていますけれども、さらに具体的に詰めて計算をしていかなければいけないと思っています。

 そういう状況でございますので、少なくとも管理型の最終処分場は必要ではないかと、そのためにこういう公的な資金の投入が必要ですということを県民の皆さんにも投げかけ、議会でもご理解をしていただきたいというふうに思っています。
 

(記者)
 来年度予算のことなんですが、文化環境部からの要求は日高の産廃に関して、用地買収や設計に関する経費を盛り込むという考え方に変わりはありませんか。

(知事)
 変わりはございません。はい。

(記者)
 知事査定で。
 

(知事)
 はい。知事査定としてはそういう決定をしております。

(記者)
 議会の方からはこの前、特別にあの問題で審議をして、見直すべきだという考え方が大勢を占めまして、議会の意見を踏まえて、予算案をもう一回考えるべきではないかという、そういう議会の声に対してどういうふうに。

(知事)
 それは何日の議会のことですか。
 

(記者)
 28日と31日。

(知事)
 28日と31日の議会の様子が、ちょっとどれだけ違いがあるのかどうかということが僕分かりません。というか十分報告は受けましたけれども、28日と31日のトーンの違いということが分かりませんから、少し、ちょうどその辺りが知事査定の結果を決める微妙な段階ですので、その後先の関係は分かりません。

 けれども、やっぱり執行部としてはですね、今申し上げたような考え方で管理型の最終処分場というのは必要だろうというふうに思っています。その際に、やはりどれだけのものがかかっていくかということは、議会にお示しをして議論をしていただくということは当然必要なことだと思いますので、それをお示しをして当初議会にかけるということは、決して何もルール違反でも何でもないと思いますし、その方がより公明正大に県民の前で議論ができるのではないかというふうに思います。
 

(記者)
 普通の感覚で言うとですね、去年の2月に約3億円という試算を、つまり一昨年に縮小案を出して、去年の2月の試算で約3億円の黒字と出して、それで13年度予算を通っているわけですよ。それを一年もたたないうちに62億の赤字という試算が出て、こんなになりましたと出してくること自体、政策実施主体の信用と言うか、そんなレベルの誤算というか訂正する機関に対して、民間でも行政でもどこでも一緒ですが、果たして取り上げられると思いますか。

(知事)
 思います。それはまさにこれまでのモードアバンセ事件やなんかの反省から私は出てきている流れだと受けとめています。おっしゃるように、それはおかしいじゃないかとご批判をいただくのも私はとてもいいことだと思いますし、どんどん批判をしていただきたいと思います。

 しかし、これまでであれば、一旦そんなふうに決めたものが何かおかしいということに気づいても、変えないままいっていろいろいな問題を起こしたのが県行政の問題につながったのではないかと思います。

 この案件でもまさに、モードアバンセの出来事があったためにですね、若手の職員からこのままではいけないんじゃないかという進言が私にあって、そして議論をしながら、また部の方でも政策投資銀行などに、もう一度精査を願うということをしていただいて、つまり外部の目で計画を見てもらうことをしてもらう中で見直しをしてきました。

 つまりこれまでのように、一度進めたらもうそれでいってしまう、また自分たちのミスを認めずにいってしまうということに大きく反省のブレーキがかかった一つの事例だと思いますので、私はその過渡期における出来事として、去年と今年の問題、また当初の10年ほど前からの進め方のおかしさというのは、いくらご批判をいただいてもいいと思います。

 けれども、今出している計画については一定、外部の目も入り、政策投資銀行の方からもこの計画ならば理詰めだね、合理的だね、ということを言っていただいておりますし、また一方で割高感はあっても、他の県と同様こういうような施設が必要だという本県の環境政策の必要性から考えて、私はこういうことを提案をすることが、決しておかしなこととは思いません。
 

(記者)
 その若手職員がおかしいのではないかと言ったということですが、おかしいのではないかという意見を、僕は今初めて聞いたんですが、ひょっとしておかしいという意見は計画そのものがおかしいんじゃないかという意見ではなかったんですか。そういうわけではないんですか。

(知事)
 いえ、そうじゃないです。
 

(記者)
 採算性のことについておかしいと。

(知事)
 そう、採算性の計算がおかしいと。
 

(記者)
 若手から知事が直接聞かれて、それで部で見直しをするように言ったわけですか。

(知事)
 そうです。
 

(記者)
 それによって今回の試算が出てきたということですか。

(知事)
 それによってだけじゃない。
 

(記者)
 その指示で動いたということですか。

(知事)
 いや、それはその指示だけかどうかは分かりません。そういうこともあったということです。
 

(記者)
 でもそういう過程を、やみ融資の反省とおっしゃいますけど、ものがものだけに。

(知事)
 でもそれを否定してしまったら、同じ事をこのまま続けていけばいいという体質はそのまま僕は残るだろうと思います。
 

(記者)
 そのことは非常に結構なことでしょう。おそらく。ただ、その中で出てきた結論がこれほどの違いがあった場合、3億の黒字が62億の赤字という。

(知事)
 それは焼却炉の施設の話です?。
 

(記者)
 焼却炉の話です。去年の2月に約3億の黒字見込み、これが政策投資銀行にかけて試算すると62億の赤字という、これはケタはずれの違いですよね。僕が言いたいのはその過程は非常にいいことでしょう。おそらく。でもそれは、本来と言えば本来なんでしょうけれどもね。

 でも、これだけの差があった場合に、果たして県民サイドから見たときに、県民だけじゃなくてもエコサイクルの関係者の構成しているメンバーから見ても、ずさんというか安易な試算をしていること、している人たち、スタッフ、県に対して、じゃあいろんな安全性とかいうことを本当にちゃんと計画、検討しているのかという不信感が生まれると思いませんか。

(知事)
 私はそうは思いません。そういうものを次々とミスを認めて改めていくという体質に県が変わったということは、県民にとっては大きな安心ではないかと私は思います。

 そのことが正しく伝われば、県民の皆さんに。正しく伝わらなければわかりません。そういうものがやっぱり見直していく体制に変わってきたんだということは、私は県民の皆さんによく知っていただきたいことだと思います。
 

(記者)
 それは評価できると思います。

(知事)
 そうであれば、当然その中で安全やなんかのことも含めて、安心をしていただける体制に変わってきていると私は確信をしています。
 

(記者)
 県議会での31日の委員会で、日高に限らずもう一回、他の土地についてももう一回、ゼロベースで見直してみてはどうかという意見がありましたが、知事は今の段階では日高以外に考える余地はないと。

(知事)
 いえ、そんなことは言っていません。日高は日高で僕はやらなければいけないと思います。というのは、日高以外の土地を考えたとしても、これから間違いなく10年ぐらいはかかっていく仕事になるだろう。

 その間、そのまま放っておいていいのかという意味で、日高の事業は日高の事業として、執行部としては進めていくべきではないかなと思います。ただ、それは議会でのご議論にまかせなければいけないということです。

 そのほかの土地についても、日高がもし出来たとしても、管理型最終処分場として、また別の土地が必要だろうと思います。ですから、それは先ほども言いましたようにそれを始めても10年以上はかかっていく事業でしょうから、今のうちから手を挙げていただくなり、候補になる土地なりをあげていただく、それを公明正大に最初からこの場所、この場所、この場所が候補ですよということを、地域の方にご議論していただいて進めていくやりかたをとりたいというふうに思います。

 もう28日の議会の際に、他の土地うんぬんを知事に上げていないのかどうかというご質問があったようですが、ご質問された議員ご自身が、それよりずっと以前に私にそういうご提案をされて、そういうことをしましょうねということをその議員には私はお答えをしています。
 

(記者)
 日高は、1期工事と2期工事がありますよね。今の知事さんのお話は1期工事で、2期工事に関しては、どんなふうに考えていますか。

(知事)
 下流域ということですか。それもまったく今の段階では、想定はできませんね。出来ませんというか、事実としてどう進むかということは想定できません。

 しかし、どうあるべきかということで言えば、1期に限らず私は2期工事の場所もなるべく早くやらせていただければ、管理型の最終処分場という県にとって必要な施設をつくるという視点から言えば、県民全体にとってメリットになることではないかと、プラスになることではないかと思います。
 

(記者)
 確認ですけれども、日高の事業は事業で進めていくという話でしたが、日高の事業には2期工事分も含まれてるいると考えてよろしいですか。

(知事)
 いえ、とりあえずは1期工事分です。これはなぜとりあえずということかと言えば、先ほども言いましたように、今の1期工事の計画以外にも管理型の最終処分場としての必要だと思います。

 それは下流域の2期工事という計画に入っている、そこの土地も当然想定される土地だと思いますし、他の様々な土地も公明正大に検討していかなければいけないと思いますので、その中の一つに含まれるという意味では、あの下流域も候補地ではあろうと思いますし、しかし今の段階ではその他の用地を選んだときに、他につくりやすいところがあるねということであれば、これから10数年、その第1期工事の分が済んだときに、そちらの方に移るということもありうるだろうと思いますので、そういう全ての可能性を考えれば、とりあえず1期工事分ということを考えています。
 

(記者)
 法改正6月1日から、産廃施設も収用法の適用になるわけですが、土地収用に関しても視野に考えていますか。

(知事)
 考えていません。やるべきことではない。明確にやりません。
最初はですね、法改正ということも考えて、そういうことも視野に入れるべきかと思いました。

 しかし、やはりこれからの住民合意のつくり方ということを考えたときに、産業廃棄物の処理施設という迷惑施設でこのような強制収用という手続きを使うことは、決してその後のいろんな事業を進めるうえで、プラスになるとは思いませんので、私は自分が知事をやっている間ということになろうかと思いますけれども、私が知事をやっている間は、この収用に関して強制収用という手続きを使うつもりはありません。
 

(記者)
 12年度から普通に考えて、現状の反対の土地所有者が将来翻意にして、土地買収に応じて、現状はそういう状況ではとてもないと思うんですが、ああいう産廃センターが12年度から法改正で県内で一ヶ所ではなくて、複数ヶ所が認められてきたわけですね。

 12年度から確か法律で。そうすると普通の行政として、行政でなくても他の土地を模索する作業は当たり前ではないかと思うんですよ。今までの作業の問題ですよ。

(知事)
 それは僕はそうは思いません。それは民間企業の仕事であれば、当然そうなるだろうと思います。しかし行政の仕事であり、しかも当該日高村の役場なり、議会なり、そして何よりも村民の皆さんに多大のご迷惑をかけてきたという経過があります。

 そういう中で、まず日高村のご理解を得た用地について出来るだけのことをしていく、出来るだけの可能性を追求していくというのが私は行政としての努めではないかと思いました。
 

(記者)
 じゃあ、今までの反対地主に対する理解を求めていく活動というか交渉は十分手を打たれていると評価されているわけですか。

(知事)
 それは逆に言うと、十分手が打たれていないという主旨のご質問ですか。
 

(記者)
 ではないかと思うんですけれども。私も直接、反対の地主の人に話を聞いたわけではないですが、どうも接触する機会もここ1年ぐらいほとんどなかったようなことも聞きました。そこは土地用地の買収の時に。

(知事)
 それは、当該の方々が弁護士さんを通じて以外、会わないというふうなことを言われているということも踏まえてのお話ですか。
 

(記者)
 それは私は知らなかったです。弁護士を通してというのは。

(知事)
 そういうこともございましたね。
 

(記者)
 じゃあ、弁護士に対して一定接触あるんですか。

(知事)
 いや弁護士どころではなくて、そういうことをおっしゃられた後も、当該担当者は現場に行って一緒に稲刈りをしたりとか、本当に休日を全て捨てて、現地に足を運ぶということをした職員もおります。
 

(記者)
 今の2期分のですね。

(知事)
 もちろんそうです。入り口に当たる部分のです。
 

(記者)
 今回建設にあたって、日高村に230億円あまりの支援対策費というものを出すと当時の担当部長が提示したと、この間の委員会で言われていましたけれども、直接の事業をはるかに超える周辺対策を打つという行政の手法について、どう思いますか。

(知事)
 それはそのときそのときの事情によると思いますので、今の段階では230億ということは出来ませんということは、私からも日高村に連絡しお伝えをしてございます。

 当時、口頭ですけれども、約束をしたのは元の山本副知事であって、担当部長ではないと私は理解をしております。副知事さんが日高村の方に行かれて、そのお話をされたというふうに自分は報告を受けています。

 そのときは、やはりどうしても日高村でその事業を進めていかなければいけない、それを進めるためには住民の皆さんのご理解を得るための振興費として、それぐらいのものが必要だというふうに考えたということですし、また県の財政もそれだけのものに耐えられるという想定をしていたという前提もございます。

 しかし、その後財政そのものも大変厳しくなって、財政上の理由からも、そのようなことはできないという状況になってきましたし、また一方で、その財政の事情と関わりますけれども、そのことまでがさらに財政負担としてプラスされるということであれば、とても採算性ということでこの施設が成り立つものではないことを県としては考えております。
 

(記者)
 田中外務大臣の更迭の一連のバタバタを、知事はどのように見られていましたか。

(知事)
 メールマガジンにもですね、「嘘」という切り口で雪印食品の話と外務省に対するゴタゴタ騒ぎ等を書くことにしています。けれども外務省の問題はですね、確かに問題の本質は、議員からのいろんな口出しに対してどう対応するかとか、またそもそも外務省が日米の重要な会議に欠席したことが正しい判断にあったかとどうかというところにあると思います。

 けれども一方で、外務大臣か外務事務次官かという外務省の二人のトップのうちのどちらかが、明らかに嘘を言っているという事実に変わりはないし、このことは私は見過ごしには出来ないだろうということを思います。

 それを女性の涙をうんぬんというふうな言い方で済まそうとされたのは、これはやっぱり女性に対しても失礼ではないかということを思いますし、また言った言わないというのは、その場にいないんだからわからないという言い方で、済まされる問題じゃないんじゃないかということを思います。

 特に、国対委員長も官邸の調査と議会でのやりとりは、明らかに違いがあるということを言われておりますので、国対委員長が言われている官邸での調査という内容はどうだったかということはぜひお示しをいただきたいなということを思います。

 もうひとつ議員の関わりということで言えば、議員がいろんなことに口を出される、そのことそのものを全て否定はできないと思います。というのは、当然議会議員にも政策提案だとかさまざまな権限が付与されているわけですから、そういう範囲内で、人事に関わることを言うのはいけないと思いますけれども、政策的なことで役所に対していろんな意見を言われるということは、当然仕事のうちの一つだと思います。

 あとは役所が、それをどうきちっと自主的に判断をするかどうかということで、それを何も判断をせずに何でも言いなりということなのであれば、それは大きな問題だということを思いますし、一方、外務省という役所のこれまでのあり方を考えても、むしろ議会議員からいろいろ言われるということよりも、自らの力、努力ということをせずに議会議員の力を借りていろんな仕事をしてきたということが、今回のことにもつながっているのではないかと思います。

 私自身の経験からも、あの非核港湾の条例の時に、外務省そのものからいろんな問題点のご指摘があるならともかく、国会議員を通じてこういう問題があるというような言い方をされましたし、その後外務省はさらに当時の有力議員に話をしてですね、そちらから、その方から私に声をかけさせるというようなことをしておりました。

 そもそも、やっぱり外務省というお役所そのもそのが、国会議員をそのような形で利用するというか、国会議員の力に頼る、自らの意見できちんとものを言わないという体質が、私は染みついているのではないかなと思います。そのことが、今回の問題にもにじみ出てきたのではないかというふうに受けとめております。
 

(記者)
 かなり報道機関の世論調査で小泉内閣の支持率が急落しておりますが、このことについては。

(知事)
 それはなかなか評論家みたいな話になるので、言いにくい面がありますけれども、やはり80%の支持率というものを政治家が得る、為政者が得るということは少しバブルであったと思います。ですから、ある意味ではバブルがはじけたというふうに見れるんではないかなと思います。

 あわせて田中外務大臣に問題があったのだとすれば、やはりこれももう評論家の方々が皆さん言われていることですけれども、更迭をする時期があまりにも悪かったということであろうと思います。

 外務省の中での問題、また日本の外交が止まっているということは、もう誰の目に見ても明らかなことですので、もしそのことが問題で更迭をするというのであれば、もっと早い時期、早いタイミングがあっただろうということを思います。それが田中外務大臣の問題だけではなくて、特定の国会議員の方の活動だとか、いろんな事に絡んだ時点で、このような更迭という判断をされたことに国民が反発をされたということではないかと思います。

 それと地方の代表という立場から言わせていただければ、小泉さんが掲げるというか、言っておられる構造改革というもの、言っておられるというか、口にされている構造改革ということはですね、当然必要なことであってどんどん進めていかなければいけないと思います。

 けれども、地方の代表から見て、本当にこれが構造改革なのかという、いろいろ疑問に感じるようなことがいっぱいございました。まあ高速道路の問題等が、地方から見た事例でございますけれども、そういう形で「構造改革、構造改革」ということを進める中で、改革という同じ気持ちをもってる人たちが、何かあったときに応援をしようという気持ちを削いできたのではないかな。今まさにそういう時にさしかかってきているのではないかなということを思います。

 もし、これまで地方のことをもっと考えて、国全体のバランスという中で、また国の役割とか国の責任は何かということで、構造改革をきちんと進めていかれたのであれば、このことがあっても、私としては全面的に応援をしていきたいというふうに思っただろうと思いますけれども、なかなかそういう気持ちになれない、多くの、私は地方の代表がそういう気持ちをもっているのではないかと思います。そういうような状況をつくり出してしまったことも、私は一つ問題だったのではないかなということを思います。
 

(記者)
 年末の会見でも言われていた民間人の起用について、この1カ月余りで何らかの変化があったのかということと、他県ではスペシャリストを一般公募という形で募集するような動きもあるようですけれども、それについてどのようにお考えでしょうか。
 

(知事)
 特定の方を指されている民間人につきましては、いろいろな可能性について議論をしておりますけれども、まださまざまな思いや壁があってですね、具体化をするところに至っておりません。それから、一般論としてのスペシャリストを登用していくということは、いろんな場面で必要であろうと思っております。

 例えば、直接県の職員ということではありませんけれども、第3セクターの社長さんであるとか、また民間に出来る、県も一定の支援をして、動き出すような財団であるとか、そういうところの実際上の運営をする人に民間のスペシャリストというか適材をぜひ来ていただくということは、必要なことだと思っています。

 将来的に県の職員にもそういう方々に入っていただくことは、大切なことだと思い、そのことも投げかけておりますけれども、あまりにも給与差が違いますので、例えば東京で活躍をされている、大阪で活躍をされているという方であれば、なかなかそういう条件を呑んでですね、もう給料の下降も何段階も下げて来てくださる方というのは、今の現状では難しいんではないかなと。ずっと県で仕事をしていただくということで考えるとね、いうようなことを思います。
 

(記者)
 来年度の機構改革を今考えていらっしゃいますか。

(知事)
 来年度の機構改革は、まだちょっと具体的に話をしておりません。これはもうすでにお話もしていると思いますけれども、今年は国体がございますので、国体が終わりますと、ちょっと正確な人数を忘れましたけれども、百何十人という人が新しい仕事に取り組めるという状況になります。

 そういう人材を市町村との連携なども含めて、どう配置をしていくかというのは、大変な重要なテーマでございますし、それにあわせて大きな意味での組織改革ということをした方が、より有効ではないかと思っておりますので、15年度にそういう方向に向けての動きが出せればというふうに考えます。
 つまりは、14年度はあまり大幅な揺り動かしにはならないと考えています。
 

(記者)
 日高村への前の振興対策に絡んで、採算性の面で問題があるという発言をされましたけれども、日高で今計画されている第1期工事そのものが採算性の面から見て、問題がないかと言われていますが、そのことについて知事はどのようにお考えですか。

(知事)
 振興費をですね、採算性の中に繰り込んでということではもちろんありません。先ほどの発言は。採算性の面でのいろんなご議論があるうえに、さらに大幅な振興費というものが加わるのであれば、県の財政負担ということで、全体の県民サービスのバランスを崩すのではないかという主旨で申し上げました。

 今の第1期工事の採算性ということに関して言えば、その公的な負担が大きすぎるかどうかいうことは議論はあると思います。またそのご理解が得られるかどうかということは、これからの協議の問題です。

 けれども、その一定の公費負担が可能なのかということを前提にすればですね、また出捐団体のさらなる出資でございますとか、あわせてその出資に対する税額、税制上の優遇措置だとかということが可能になるのであれば、それは採算性という点では問題がないということを考えます。

 逆に言えば、今申し上げたような県や市町村、また出捐団体のさらなる負担ということが出来なければ、それは採算上も大きな問題が出てくるだろうというふうに思います。
 

(記者)
 昨日か今日、新聞で青森県の公社に対する県職員の天下りの全面禁止の記事を見たんですが、あそこは事件があって、事件の反省にたった形だと思うんですが、やみ融資でも個別どうのこうのという話は差し控えますが、例えば信用保証協会にかなりきつい要請をしているというところが見受けられたんですが、それを可能にするのが、県庁の幹部が天下って行くという関係があるがゆえに、余計に強い要請という体質の土壌にしているんじゃないかという指摘もあるし、私もそういう一面もあるかなと思います。

(知事)
 私もその通りだと思います。
 

(記者)
 そこで、天下りというか再就職というか言葉はちょっとわかりませんが、そのことについてやみ融資事件を受けて何か思いは浮かばなかったですか。

(知事)
 やみ融資事件ということとは別に、そのことの問題、意識はもちろん持っています。
 信用保証協会と、例えば今言われたのは住宅供給公社のことですが(青森と言えば)。とか、道路公社だとか土地開発公社だとかいうことは、少し私はレベルが違いはしないかなということを思います。

 信用保証協会に関しては、やはりそういう県出身の人がいてですね、OBがいて、そこでいろいろ話がしやすいということが、県庁にとってもある程度都合が良かったということもあるでしょうし、また県庁に対してここにぜひ融資をしてくれよという口利きをされる方にとっても、便利な点があったんじゃないかなと、そういう構造的な問題が私は県政の中にあったのではないかと思います。

 ですから、信用保証協会側は私はもっともっと独立性をもったものになっていくべきだと思いますし、そのときにはただ従来のように、県に口を利いてどうのということはなくなるということも、そういうことをされてきた方々には理解をしてもらいたいなというふうに思います。

 それから、これはなかなか個人のことですから、何とも言いかねますけれども、土木部にいた人が建設業界の会社に行くというようなことを、今もなお、来年度に向けて辞める人の中でもそういう方がいらっしゃるわけですね。もういいかげんにしてほしいなということは私は思います。そういう意識を捨ててもらわないと。土木部の方も会社の側もそういう意識をもう少し払拭をしてもらいたいなと思います。ご質問とは主旨は違いますけれども。
 

(記者)
 いや、それほど主旨は変わらないと思うんですけれども。

(知事)
 ただまあ、自分の身内の組織に行くかどうかというような意味で、身内というといけませんけれども、実際に出資をしている団体に天下ることがどうかというご主旨だと思いましたので。
 

(記者)
 具体的に、例えば信用保証協会のですね、人事について今具体的に考えているとか、県の中で公表できるものがあるとかいうことではないですか。

(知事)
 まあ具体的には考えたことがありましたけれども、その出身母体からなかなかご理解が得られなかったというふうな、ご質問をされた記者の方も知っている問題でございますので、それは考えていないわけではありません。
 

(記者)
 その後なかったかなと。

(知事)
 その後はまだ具体的にはなってないと思います。
 

(記者)
 この前やみ融資の公判でですね、元財政課長さんですか、私は見たことも話したこともなかった人なんですが、そこの答弁の中でいろいろ言ってたんですが、違法性はあったかもしれないと、違法性の責任は問われるかもしれない、でもそれは行政の裁量権によって一定軽減されるのではないかもしれないと思ったと(知事:されるかもしれない)、「かもしれない・かもしれない」ということだったんですが、裁量権を逸脱しているから違法を問われているわけで、行政の裁量権が法律を・・・するとかの発言については知事はどんなふうに思われますか。

(知事)
 それは本人に聞いてほしいですね。私に聞かれることではないと思います。
 それぞれの方が、この事件に関してはいろんな思いを持ち、また記憶の糸をたどりながら話をされていると思いますので、そのときどう思ったかということはなかなか記憶としては、甦えらない人もいるだろうと思います。

 また、その時に強く印象に残ったことを、素直にそのまま言われる方もいると思いますので、それはそれぞれの表現の意味はなんだったかということを、元財政課長さんに限らず当該証人になった方にお尋ねになって、そのうえじゃないと、なかなか判断はできないだろうと思います。
 

(記者)
 職員の給与の控除条例(知事:チェックオフ)の関係で、先月の職員組合と行政管理課長、総務部長、副知事交渉でも平行線だった状況について聞いていますが、これは、一定予想がついたことだと思うんですが、連合高知も民間団体にも影響を及ぼしかねない問題であるということで、傘下の団体に署名を集めるという動きがありますが、そのことについてどうお考えですか。

(知事)
 私は別に民間の企業にどうのこうのというのではなくて、県の職員と県との関係の中できちんと条例に位置づけてやっていくべきだということを考えているだけでございます。

 よく組合攻撃ではないかというようなことを言われますけれども、どういうことを考えられてそう言われるのか。まだ直接自分がお話をしておりませんので、分からない面がございます。別にチェックオフということがやまっても、自動振り込みにしていけば、特段いちいちお金を集めるというふうな手間がいるということでもございませんし、そこら辺で、何をもって組合の攻撃だといわれるのかが私はよくわかりません。
 

(記者)
 県職労として制度料金と同じように出来るじゃないかと。

(知事)
 いや、出来るじゃないかと、当然そういうことはシステムとしてはありうることだと思いますので、実際に別に一人ひとりの職員のところを回って、お金を集めるとかなんとかいう問題ではないのではないかなと私は思うんです。

 そのときに何がどう変わって、どこにそんなに組合攻撃だと言われるような理由があるのかが自分にはよく分かりませんので、今度もし組合の役員の方と話をする機会でもあれば、ぜひお聞きをしてみたいなというふうに思います。
 

(記者)
 県営渡船の話ですが、委員会で存続すべきかという話がございまして、民間の力を借りるという話もあがっているんですが、県として続けていくとすればどんな形で採算性も含めて存続を図っていくのか、そのあり方については。

(知事)
 いろんな手法があると思います。当該県営渡船に関しては、少なくとも浦戸大橋の無料化によってですね、車はそちらをということになって、車を乗せない、人と自転車ということで考えれば、さまざまな船の形と運航の仕方があるのじゃないかなと担当課の方にも、インターネットでそういうものをひけば、世界中にいろんなやり方があるだろうと思いますので、それをぜひひいてみたらどうかということを言ってあります。

 それからもうひとつ、オーストラリアのゴールドコーストでクルージングの仕事をしておられる、長浜出身の方がおられてですね、その方が今回の渡船の話の新聞報道などをインターネットなどでご覧になって提案をしてこられたのは、海の遍路道というかたちで、観光事業として売り出していったらどうかと、海の遍路道というのは多分ここしかないことだし、ネーミングとしても必ずお客さんが来るというふうにならないかと、それとあわせて桂浜とそれから外側のいろんなものを組み合わす構想を検討する。

 そういうことと今後の船のあり方とを一緒に検討してはどうかというふうなご意見をいただいてて、これもぜひ検討したらどうかということを道路課と観光振興課の方に投げかけをしています。
 

(記者)
 それですけど、はるばるオーストラリアから別に言われなくても、そもそもあのアンケートは遍路はあまり乗っていないというふうなことが出ているんですよ。ここで言うことじゃないかもしれませんけど、いかにも調べてないからだろうと、海の遍路道を。その辺を宣伝すれば、調べて熱心に遍路を廻っている人も結構増えているらしいんですよ。だからそうすればいいじゃないかという話もしたんですが、そういう発想に至らないことが問題じゃないかと思うんですよ。

 つまり数が少ないから、遍路が少ないじゃないですかという資料の見方をする向きがあったんですけど、そりゃそうじゃないんじゃないかという話をしたんですよ。

(知事)
 だから、そういうことは絶えず絶えず僕も10年ぐらい言い続けて、変わってきてるところもあると思いますし、まだまだなところもあると思います。これはダメだダメだというマイナスで暗い暗い見方ばかりしていたら、やっぱり気持ちは変わっていかないんじゃないかなと、いいところはやっぱり誉めてあげるということも僕は必要じゃないかなと思います。

 何もオーストラリアから言われなくても、というのはその通りです。これをもっと観光事業として、取り上げて考えたらどうかというのは、これまでも投げかけておりました。今、オーストラリアの例を言いましたが、海の遍路道というネーミングを出して来られたのは、私にとっては初めてだったので、海の遍路道というネーミングの売り方はどうかということを、投げかけたいという意味でございます。
 

(記者)
 そういうレベルっていうのは、わりと中で、もう少し担当課じゃなくても話は出来るんと思うんですよ。この前県民参加の予算づくりでも知事も出られていたと思うんですけれども、その中で縦割り縦割りというけれども、県庁にはちゃんと庁議も調整会議もある、もっと言えば補佐級のもあるわけですよね。そこでそういうふうな論議というか。

(知事)
 いや、庁議や調整会議は、縦割りを解消する組織ではないと僕は思います。それは縦に出てきたものの調整をし、縦に出てきたものを組み合わすということしかできないだろうと思います。

 例えば、こども課と生涯学習課でもこの間話し合いをしたんですけれども、これまでは連携連携と言っても、こども課はこども課で考えた事業、生涯学習課は生涯学習課で考えた事業をそれが出来上がったところで、どうやって組み合わせるか、また重なっているものを一緒にやりましょうという連携だったわけですね。

 そうではなくて、やはりこども課と生涯学習課が最初から一緒になって、情報の一元化だとか、そういう中での事業の取り組み方ということを議論をして、それを作り上げるようになっていかなくては、いけないだろうというふうに思うんです。

 そういうことを進めるために、行政経営品質システムというものをやっているわけですね。そのことを投げかけて、ぜひ行政経営品質向上システムを使って、そういう議論をしてくれということを投げかけましたけれども、私は庁議や調整会議では、決して横の連絡ということにはならないと思います。

 情報交換にはなっても。連携というのは、やはり下の段階で一緒に事業をつくるときから、さっきの土木と、例えば文化環境との関係であれば、事業を作るときから一緒にやっていかないと、部長さんのところで県営渡船がどうだ、お遍路がどうだという議論をしても私は進まないことだというふうにいます。

 それともうひとつ、もし本当にそういうふうに何か土木の県営渡船で観光の視点が出てきて、もっと考えなければいけないね、またお遍路やなんかのことを過小評価しているんじゃないかということであれば、なぜ僕に情報をあげてくれないかと岡村さん(記者)が、ということを思います。

 私はマスコミというのは、何もそこで書くだけではなくて、そういう形で県民のためによりプラスになるように、この県庁という組織を動かしていってもらうのも僕はマスコミの役目ではないかなと。責任とは言いませんけれども、そういうサービスもあってもいいんじゃないかなというふうに思います。
 

(記者)
 私が思ったのは、この前の予算の説明のときに、企画からフランスで遍路道を放映するという予算が上がってきて、じゃあ企画の人はあの遍路道をどう考えているのかということを聞いたんだけれども、それは全然眼中にないわけですよ。対象は同じもので、どうして文化とか環境とか道路課だけじゃなくて、企画の企画であるんだったら、一体で考えて受けとめて考えないのかなと漠然と思っただけです。

(知事)
 だから、それをぜひ私にも早く言ってくれれば、そういうことでやっていけるんじゃないでしょうか。なかなかそれを最初から考えて動いていける組織にしていくっていうのは10年かかっても難しい面があるんです。やっぱり個別課題で、本当にそれだけ県民サービスになると思えば、そういうことをぜひ教えてほしいなと思います。
 


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