FSC森林セミナーでの知事講演「高知県における森林認証制度の取り組み状況」

公開日 2007年12月06日

更新日 2014年03月16日

FSC森林セミナーでの知事講演「高知県における森林認証制度の取り組み状況」:東京

平成13年9月4日

 皆様こんにちは。御紹介いただきました高知県知事の橋本でございます。本日はFSCに関します森林セミナーにお招きをいただきまして、誠にありがとうございます。

 今日、いただきましたテーマは、高知県におけるFSC、森林認証への取り組みということでございますけれども、その経過や手続を事細かく御説明をしても、単なる事業の概要説明のようになってしまいますし、また実際に認証を経験をされた方のお話は、この後、三重県の速水さん、また本県の檮原町の森林組合の中越組合長からお話が伺えると思います。

 そこで私からは、もう少し幅を広げてと言ってしまいますと、何かほかの方のお話が幅が狭いように聞こえるといけませんので、幅を広げてというよりも、やや水増しをしてといった方が正しいかもしれませんけれども、環境ですと、か経済活動ということも含めてお話をさしていただければと思います。

 私も今のシアトルからの御報告のように、画面を使って御説明をすればわかりやすいと思うんですけれども、そういう時間的なゆとりもございませんでしたので、私の口八丁だけが頼りのお話になりますけれども、この点もお許しを願いたいと思います。

 今、環境ということを申し上げましたけれども、そもそも私たちが環境を意識し始めたのはいつごろだったろうということを振り返ってみますと、それは公害が大きな社会問題になった時期ではなかったかと思います。つまり、経済成長がだんだん進んで、企業が廃液などをたれ流して川や水を汚す、また煙突からモクモクと煙を上げて大気を汚す、こうしたことが公害として大きな社会問題になったことが、私たちが環境に関心を持ち始めたきっかけではなかったかと思います。

 ただ当初、環境対策というのは、それではその汚染の原因は何かを追求をし、その責任をまた追及をし、さらに汚れたものを少しでも取り返していこうという、医療・医学に例えれば、いわば治療型の対策ではなかったかと思いますし、また加害者も個別の企業がほとんどでしたから、地球レベルで環境を考えるというようなことはありませんでした。このことを別の視点から見ますと、環境と経済活動というものが、まさに対立をしていた時代ではなかったかと思います。

 が、その後も大量生産、大量消費、そして使い捨てという時代が続く中で、環境の問題というのはただ単に個別の企業と地域の環境との対立といった問題にとどまらず、CO2、炭酸ガスによる地球の温暖化ですとか、また熱帯雨林の伐採による地球全体の気候の変動といったような、地球環境の問題にまで広がってきました。

 こうなりますと、ただ何かが起きた後、それを取り戻していこうという治療型の発想だけでは間に合わなくなって、そもそも自然の環境に負荷を与えない、資源循環型の仕組みをつくっていくといった予防型の対策が必要になってきます。

 また公害問題の時代には、個別企業と地域の環境との対立といったわかりやすい構図でしたけれども、地球環境になりますと、一人一人の生活、その暮らしの中の積み重ねが地球環境そのものに悪い影響を与えるという、非常に複雑な構図になってきますので、一人一人の暮らし、ライフスタイルそのものを改める、そんな意識改革も必要になってくるだろうと思います。

 また環境と経済との関係でいいますと、確かに環境と経済活動が対立をする時代は終わったと思います。けれども、まだまだ環境への配慮というのはとても大切なことだけれども、それにはやはり余分なお金がかかる。だからお金に余裕ができたときには環境に配慮しようね、というのが根強い本音の意識ではないかということを思います。

 このように環境と経済との関係は大きく変わってきても、まだまだそういう本音がある。そうした中で、本来ならば、環境を単に経済とは別の、少し余分なものとしてとらえるのではなくて、少し難しい言い方をすれば、外部経済としてとらえるのではなくて、内部経済としてとらえていく。つまり経済の循環、企業や消費者も含めた経済の仕組みの中に環境への対応というものを取り込んでいかなければ、本当の意味での環境対策、資源循環の仕組みづくりはできないのではないか、そんなことを最近感じています。

 こうしたことが、環境をめぐる考え方の変化ですし、これからのまたあるべき方向ではないかと思いますけれども、こうした時代の流れというものを考えながら、高知県でもいろんな環境対策に取り組んできました。

 その一つが、日本最後の清流とも言われる高知県の代表的な自然環境、四万十川を中心とした対策でございます。この春には四万十川流域の8つの市町村を対象に、守るべき地域というものを指定をして、その中では経済活動を規制していく。つまりは私の権利、私権にも制限を加えていく、・・・

 ・・・人とかかわりの深い出先センターはもちろんですが、それだけではなく、県庁の本庁舎そのものでも既にISOの14001番を取得をいたしました。こうしたことによりまして、県庁全体、また県の職員全体の環境に対する意識づけというものを徹底をしていきたいと思っていますし、また県が、行政が率先をして、こうしたISO14001などを取得することによって、県内の企業、民間の皆さんにも、そのような意識を広めていければということを思っています。

 あわせて、きょうは環境庁の藤塚さんからもグリーン購入のお話があったと思いますが、国でグリーン購入が始まったのと同時に、高知県でもグリーン購入に取り組んでいます。国の指定をいたしました101の品目に、県独自で名刺と胸につけるネームプレート、これを含めた103の品目を対象にしております。

 このうち、名刺とネームプレートは仕事に使う必要なものということで、高知県では公費で負担をしていますが、名刺も単に再生紙の紙というだけではなくて、間伐材でつくった木の台紙がございますので、そういうものを対象の品目に入れています。

 またネームプレートも従来は、プラスチックというものを使っておりましたが、森林関係を担当の職員は既に間伐材を使ったネームプレートなどを利用しておりますので、この間伐材でつくったネームプレートまでもグリーン購入の対象に入れています。

 また先ほど環境と経済というのは、対立の概念からだんだん協力・協調の概念に変わってきていると言いましたけれども、そのことを実践するためには、企業、行政、研究者などが一体となった取り組みが必要でございます。

 こうしたことから、去年の9月、高知県内の企業が中心になりまして、産・学・官・民が連携をした、つまり企業と行政と、そして研究者と消費者が一緒になりました、高知県のエコデザイン協議会というものをつくりまして、この協議会を通じまして、新しい環境にやさしい商品の開発でございますとか、またグリーン購入、グリーンコンシューマーの育成、その土壌づくりということに取り組んでいます。

 こうしたことが環境一般に対する高知県として取り組んでいることでございますけれども、ここらできょうの本来のテーマでございます森林に話を移しますと、最近の地球温暖化の問題をきっかけに、森林が果たしている公益的な機能への評価というのは、かなり高まっているのではないかと思います。

 といいますのも、皆様方もよく御承知のとおり、森林は炭酸ガスを吸って、それを吸収し、そして固定をしていく、つまり地球の温暖化を防ぐという機能を持っています。ですから、こうした機能に加えまして、従来から言われております水を蓄える、水源を涵養する機能ですとか、国土を保全する機能などを足しあわせまして、林野庁では、日本の国内の森林が果たしているこうした公益的な機能は、貨幣価値に当てはめてみれば75兆円に推定されるというような試算を出しております。

 中でも我が高知県は、県内の84%が森林。全国でも一番森林率の高い森林国、森林県でございます。先ほどの試算に照らして言えば、2兆円ほど公益的な機能を発揮している県ということになりますので、森林の機能の見直しということを待つまでもなく、森林への環境面からのさまざまな政策を実施してきました。

 その一つが、「木の文化県構想」という考え方です。これは「木を育てる」、「木を活かす」、「木に親しむ」といった3つのことをテーマにいたしまして、人と木の共生ということをねらいにした取り組みです。
最初のうちは、県の職員にも、林業・森林の関係の皆さん方にも、なかなか理解をしてもらえませんでした。

 いわんや一般の県民の皆さん方に、この木の文化県ということを理解してもらうような取り組みというのは、なかなか進めることができませんでした。そういうことを振り返ってみますと、今もう既にFSCの森林認証を受けた森林組合が県内に出てきた、そうしたことをきっかけに、私がこのような森林のセミナーでお話しすることができるというのは、かなり大きな前進、進歩ではないかなと感じております。

 そこで、なぜ高知県がFSCの森林認証に取り組むことになったか、という点にお話を移したいと思いますけれども、そのきっかけは高知県で行っております職員の提案事業というものでした。 といきなり言いましても、提案事業とは何だろうと思われるかもしれませんが、皆さん方もよく御承知のとおり、県で予算をつくるとき、通常は各部局ごとにラインで積み上げて予算事業をつくってまいります。

 けれども、個々の職員はそれとは別にこんなことをしたらいいんじゃないか、というアイデアを持っていますので、担当の仕事とは別にいろんなアイデアを出してもらって、それをラインからの積み上げの予算とは別に特別枠で事業化をしていくというのが、この職員提案事業のねらいでございます。

 数年前、この職員提案事業の中に、FSCの森林認証を支援しようという提案が出てきました。実は僕はその提案を受けたときに、初めてFSCですとか、また森林認証という言葉を耳にしたのですけれども、その内容を聞いてみますと、持続可能な経営管理をしていく森林をつくっていこうという話でございますので、まさに治療型から予防型に変わっていく環境対策、それを先取りした考え方ではないかなと思いました。

 と同時に、木材価格がこれだけ低迷をしている時代でございますので、全国に先がけてFSCの森林認証を取得していけば、その取得をした木材に一定の付加価値が、プレミアの価格もつくんではないか、そんな欲張った思いもあって、早速この職員の御提案を採用しました。

 しかし僕が初耳だったというだけではなくて、県の職員にとりましても、当然初めての取り組みでございましたから、まずはWWFジャパンに行って、このお話の内容を聞きとる、またさまざまなワークショップに参加をさせてもらうというところから仕事を始めました。そしてそこで得た知識をもとに、県が主催をして、2回ほど、森林認証にかかわる勉強会を開きました。そのころから檮原町の森林組合がFSCの森林認証に関心を持っていただいて、いろんな取り組みを進めてくださいました。

 こうした経過の中で県が果たしてきた役割は何かといいますと、今申し上げた勉強会を開くということはもとよりでございますけれども、海外の認証機関から送られてきました英文の資料を翻訳をし、その意味を解釈をしていく。また逆に申請の書類をつくっていく。さらには審査を受けるときのさまざまな援助をするといったように、多岐にわたっておりました。

 ですから、県内に来ておられる国際交流員の方には大変お世話になりましたし、また何よりもこのセミナーを主催していらっしゃるWWFジャパン、また日本林業技術協会の皆さん方にも大変お世話になりました。この場をかりて、改めてお礼を申し上げておきたいと思います。

 こうした経過をとり、去年6月、池川町といいます高知県内の中山間地域にございます池川木材工業という小さな会社が、FSCの流通加工の認証を得ました。それに続きまして去年の10月、檮原町の森林組合が、流通加工の認証とともに森林管理の認証を同時に取得しました。そして去年の11月から、この森林認証の認証を受けた木材が出荷をされております。

 このような経過で、本県のFSCの森林認証は具体化をしてきましたが、ここまで取り組みが進んできましたので、せっかくだから一度先進諸国を見てこようということで、この5月にイギリスの方に参りました。その際、きょう御講演をしてくださいましたWWFUKのレイチェルさんにも大変お世話になりました。

 イギリスを視察をさしていただいた中で、私自身感じたこと、また学んだことが幾つかございました。その一つは、WWFUK、つまりイギリスのWWFが単にFSCの認証の取得を支援するというだけではなくて、持続可能な経営管理をしていく森林から出た木材を購入をしていく、そういうグループをつくる、組織化をする、その支援をされているということでした。

 といっても、何も消費者への支援という意味ではなく、むしろその消費者に木材の製品を売っていく小売の業界、また大量に木材の製品を使っていくような業界、こういうような企業・団体を組織化したものでございました。具体的に言えば、イギリスの大手のDIY、ドゥー・イット・ユアセルフの会社でございますとか、また最大手の食糧や雑貨の小売業者、そしてゼネコンに当たるような建設業者、また地方公共団体、こういうような企業・団体が会員になっておりました。

 つまりこうした形で、会員になった企業や団体が積極的に、また自発的に森林認証を受けた木材を購入し、利用していく、そのことによって認証を受けた木材の需要、マーケットが広がれば、おのずと森林認証を受ける森林そのものもふえていって、このことが本来の目的である地球環境の保護につながる、こういう筋道になっております。

 このことは我が国のようにグリーン調達がようやく始まったばかり、またグリーンコンシューマーといってもなかなかそういう意識が育ってこない、そういう国柄においては、とても参考になる事例なのではないかなということを感じました。

 もう一つイギリスで感じたこと、これは実は意外に感じたことでございます。先ほどレイチェルさんのお話などにもあったかもしれませんけれども、イギリスではこの森林認証を受けた木材が、特別に認証を受けたからといって高い価格でプレミアムをつけては取引をされていない。プレミアムがあったとしても、ほんの数%程度だということでございました。

 実は、先ほども申し上げましたように、県でこのFSCの森林認証に取り組もうと思いましたときには、木材価格の低迷の中で、この認証を受ければ、少しはプレミアムもつくんではないか、そんな欲張った思いもありましたので、やや肩すかしというか、思惑外れの面がございました。

 このためFSCの森林認証を受けた木材を使っている家具メーカーに行きましたときに、プレミアムもつかないのに、なぜFSCの木材を使っているのかという御質問をしましたら、次のような答えが返ってきました。

 というのは、この家具会社は熱帯から輸入される木材を利用している会社でございますが、つまりはFSCの認証を受けた、そういうマークのついた木材を活用することによって、環境団体からのいろんな指摘にきちんと答えていくことができる。またお客さんの中には、熱帯材を使うことは環境に悪い影響を与えるという意識を持っている人がいる。そういう意識を改めてもらう、その意識を直していくような効果も、このFSCの認証マークが持っているというお話。

 つまりは、このFSCの認証が消費者に対する一定の説明責任の役割を果たすということでございまして、これはやはり日本とイギリスの消費者の環境に対する意識の違いがあるのかなということも思いました。

 と同時に、これを裏に返せば、日本の場合にはまだまだ環境にやさしい商品、また資源循環型の商品は一定少し価格が高くてもやむを得ないなという意識が根強くございます。ですからしばらくはグリーン購入というふうな形で、国なり、また地方公共団体なりが大量にこうした製品を買い取って、それによってマーケットを広げていくというような手順もまだまだ必要なことだなということも感じました。

 少し話がずれたかもしれませんけれども、このようなイギリスのような先進国の例を見るまでもなく、これからということを考えれば、日本でももっともっと地球環境への関心は高まっていくだろうと思いますし、またそれと同時に、FSCの森林認証の意味、地球環境保護のための森林の保護の意味ということの認識が、もっともっと深まってくるだろうと思います。

 そういうような時代に、国内での森林認証、国内の森林での認証ということが進んでいませんと、こうした環境にやさしい産品、品物の分野でも、また海外からどんどんどんどん輸入品が流入をしてくるという事態が予想されるのではないかと思いました。

 そうならない前に、もうこれからは森林認証を受けた木材でないと売っていけない時代が必ずやってくる、そういう認識を持って、このFSCの認証に取り組む、そのようなときに今来ているのではないかということを感じています。

 といいますと、何か少し持ち上げ過ぎのような気もいたしますし、大変FSCの森林認証はいいこと尽くめのように聞こえるかもしれませんけれども、もちろんまだまだいろいろな課題、残された問題点もあろうと思います。そこでもう一度、FSCの森林認証の持つメリットと、そして残された課題ということを考えてみたいと思います。

 まずメリットとして言えることは、FSCの森林認証は単に生態系の分野での持続可能性ということだけではなくて、経済性、経済の面での持続可能性ということも視野に入れて認証をしています。このことは、先ほども言いましたように、環境と経済が対立の概念ではなくて、協調の関係になってくるという時代、また治療の時代から予防の時代へと環境対策が変わっていく時代には、大変ふさわしい、非常によいシステムではないかということを思います。

 もう一つ、FSCの森林認証は、持続可能な経営管理をしていると認証された森林から出てくる木材が、ほかの木材ときちんと仕分けされているかどうか、分類されているかどうかという、流通・加工の面での認証を受ければ、製品にFSCのロゴマーク、ラベルを張ることができます。つまり差別化をすることができます。

 この点が先ほど言いましたISO14001番と大きく異なる点ではないかと思いますし、こうしたことによって消費者の皆さん方が、この木材製品は森林認証を受けた持続可能な経営のもとの森林から出てきた製品なんだということを、意識してお買い上げいただくことができる。この点もFSCの大きな特徴なのではないか、メリットなのではないかと思います。

 ではこれに対する課題は何かといいますと、一つはまず技術的、また手続的な課題があります。その一例は、手続が非常に煩雑だということ。また認証機関が違いますと、認証の基準も違ってくるというような問題点があるということです。

 ただこの点は、きょうの主催者でございますWWFジャパン、また日本林業技術協会の方で、国内に見合った統一の基準づくりを進められていると伺っておりますので、やがては解決される問題ではないかと思います。

 もう一つ、技術的・手続的な問題として言えることは、認証を受けるためのコストがかなりかかるということです。これは国内に認証機関がございませんので、認証の審査を受けるためには、海外のスタッフをわざわざ日本にお呼びをして、審査をしてもらわなきゃいけない。その旅費なども負担をしなければいけないということが、背景の事情としてあるわけでございます。

 まだなかなか国内に認証機関が育つだけの土壌がないということを考えますと、この問題の解決にはしばらく時間はかかるだろうと思います。けれども、この森林認証ということへの理解がだんだん深まっていって、数多くの地域で手が挙がるようになれば、共同で認証を受ける、審査を受けるというようなことも可能になって、それによって手続のコストを下げることもできるのではないかと思います。

 こうした手続的・技術的な課題ということと同時に、もっと基本的な課題として言えますことは、森林認証の基本的な根本のねらいでございます、自然環境の保護ということを考えましたときには、単に認証をしましたというだけではなくて、認証した木材が広く使われていくような土壌、マーケットをつくらなければいけないという課題でございます。

 例えば先ほど高知県では檮原町の森林組合と、池川木材という会社が森林管理の認証、または流通加工の認証を受けたということを言いましたが、流通加工の認証を受けている事業者が、その池川木材工業という会社一つしかございませんので、せっかく檮原町の森林組合が森林管理の認証を受けましても、そこから出てきた木材のうち、本当に認証材として出荷できるものは全体の15%にとどまっております。

 つまり、この流通加工の面の裾野を広げていかないと、せっかくの森林管理の認証も十分には生きてこないということになってしまいます。

 こうしたことを考えますと、やはり需要マーケットをどう広げていくかというのが大きな課題でございますし、グリーンコンシューマーの意識がなかなか育っていない日本で、それを進めていくことをどう考えればいいか、ここが最大の課題、知恵の出しどころではないかと思います。

 またそのときには、先ほどイギリスの事例でお話をいたしましたように、DIYの企業でございますとか、小売の企業、またゼネコンなどを含めて、この森林認証の木材を受け入れてくれる、小売をしてくれるような企業グループを育てていく、つくっていくということは大きなテーマではないかと思います。

 ただそうはいっても、高知県でそういうことが具体的に取り組めているわけではございませんが、このことはぜひ取り組んでいかなければいけない課題だと思っています。

 というようなことで、高知県における森林認証への取り組みの経過を御説明をいたしましたが、今、高知の県内では檮原町の森林組合に続きまして、同じように四万十川の中流域にございます西土佐村という村の森林組合が、FSCの森林認証に向けて準備を進めておりますし、全く違う東方地区の森林組合の中にも、このことに関心を持ってくれている組合がございます。

 このようにFSCの森林認証に対する関心・理解というのも、だんだん深まってきたと思いますので、ぜひ県内全域にこうした取り組みを広げていきたいということを思っております。

 それと同時に、先ほどイギリスではプレミアムの価格がついていないということを言いましたけれども、檮原町の森林組合にしろ、また今申し上げました西土佐村の森林組合にしろ、本県の大きなブランドでございます四万十川の流域にございますので、何か四万十のブランドとFSCのブランドというものをあわせた売り方というのはできないか、このことは今後も追求をしていきたいと思っています。

 けれども、FSCの森林認証というのは、何といいましても、それを広げていくことによって地球環境を守っていくということに最大の目標・ねらいがあると思いますので、ぜひきょう御参加をいただいた企業の皆さん、また地方の自治体の皆さん、この問題に関心を持っていただいて、全国でFSCの取り組みが広がっていけばいいな、そういう期待を申し上げまして、私からのお話を終わらせていただきます。
どうも御清聴ありがとうございました。

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