公開日 2007年12月06日
更新日 2014年03月16日
吉良史子副知事の就任に伴う知事、副知事の定例記者会見
平成13年12月10日(第二応接室)
(記者)まず最初に副知事にお話をいただいてから質問に移りたいと思います。副知事よろしくお願いします。
(副知事)
橋本知事から先ほど副知事の辞令をいただきました吉良史子でございます。どうかよろしくお願いを申し上げます。出納長さんをはじめ各部局長さん方、それに多くの職員の方々とともに知事を補佐し、無力ではありますが高知県政の発展のために尽くしてまいりたいと思っております。
私は葉山村で長らく職員として、また村長等を経験いたしましたが、県の行財政は規模におきましても、複雑さにおきましても、村とは格段な違いがあると思います。経験をしたことのない行政事業もたくさんございますので、ご指導をいただきながら一日でも早く私なりに副知事としての職責を果たせますように努めてまいりたいと思っております。
副知事としての抱負といいますと大変おこがましい気もいたすところでございますが、とりあえず私が重点的に取り組みたいと思っております分野といたしましては、中山間地域での行政経験を活かせる分野、そして女性の視点を活かせる分野、そして、県行政を外から見ていて気づいた分野などがございますが、まだまだ不勉強でございますので、勉強を重ね理解を深めてまいりたいと思っております。
今回副知事の選任にあたりましては、県議会の議員さん方に大変なお手数をおかけいたしました。先ほど議会の各会派にご挨拶をさせていただきました。よく言われますように議会と執行部は車の両輪のような間柄ですので、円滑な関係を維持することは大変重要だと思います。県政の発展のため日頃から議会とは十分な意思疎通を図り、協力関係を築きたいと思います。そして、各部局長さん方とも一日も早く何でも話し合える環境づくりを踏まえ、若い皆さま方ともうち解けて楽しい仕事をしてまいりたいというふうに思っております。
最後になりましたが、マスコミの皆様方にもこれからお世話になると思います。どうかよろしくお願いを申し上げます。
(記者)
吉良副知事に知事の方から副知事にというお話があってから、随分間があいての今日やっと就任ということですが、今のお気持ちというのは。
(副知事)
長い公務員生活の中で、ある意味では休暇をいただいたというふうな思いもいたしますし、待つことへの焦りという事はありませんが、ただマスコミ報道をはじめ、全ての分野で忍耐というまたとない貴重な体験をさせていただいた思いもいたします。
(記者)
知事にですが、改めてなんですけれども、吉良新副知事にですね、どういう面での活躍を期待されますか。
(知事)
今の吉良副知事のお話の中にもございましたけれども、県庁という組織ではない別の組織で仕事をしておられた目線というのは、今後、県政改革をさらに進めていく際にも大きな力になるのではないかということを思っております。
また、中山間地域のお話も出ましたけれども、これから市町村合併の問題、また、地域の公共交通の政策の問題等々、中山間地域に関わる課題は県全体の大きな課題になっていきますので、そういうことを考えていくときにも村長さんとしてのご経験というのは、大きく活かされていくと思っています。
ただ、吉良さんにお願をいしたのは、単にそういう村政など身近なことをよくご存じだというだけではなくて、そういう村の視点から、また離れて県全体を国の中での中山間地域に位置づけようというような事をお考えになれる方だと思ったからでございます。
そういう幅広い視野も活かして、また、これまでのご経験と併せて今後の県政課題にあたっていただけると思っております。併せて高知県としては初めての女性の副知事さんでございますので、女性という立場からまた県政を見ていただくということも、県政に新しい色合いなり、また新しい知恵なりを呼び起こすことになるのではないかというふうに期待もしております。
(記者)
今日まで色々と長引いた上で、今日も4人反対される方がでる形での同意という形だったんですけど、そのことについてはどのようにお考えですか。
(知事)
昔から難産をした子は元気に育つといわれますので、まさに吉良さんに育つと言っては失礼ですけど、同じ事が言えるのではないかと思います。
また、反対の方が出られたというのもですね、私は会派毎に会派の決まりだからといってただ賛成をしていただくというのではなくて、お一人おひとりが判断をしてくださって、多くの方が賛成をしてくださったということに意味があると思いますし、また今の時点で反対という方がおられるということはですね、そういう方にも吉良さんで良かったねといっていただける日が必ず来ると思うし、それだけのまた新しい目標を作っていただいたというふうに受け止めております。
(記者)
今、幹事社の方からも知事に質問があったんですけれども、同じ趣旨で吉良さんにお伺いしたいと思います。従来の副知事の選任同意案には反対のケースもあったんですが、それはもっぱら共産党が、従来の副知事が同和対策本部長を兼ねているということで賛成しなかった例があるんですが、今回のようにご本人の資質にまで言及した反対というのはなかったと思うんです。
そういう経緯を辿って35対4で同意されたと、そういうことを踏まえては、どういう感想をお持ちですか。
(副知事)
そうですね、慎重に検討をされたということだというように思います。まだ私の行き届かない点多々あろうかとは思いますが、懸命に努力をしてまいりたいというふうに思っております。
(記者)
もう1点、最初に重点的に取り組みたいというお話の中で、中山間、女性の視点、県行政を外から見てというお話があったんですけど、今県政が置かれている現状からいうと、知事はちょっと触れられたんですが、一連の不祥事をふまえた県庁の再生といいますか、県庁改革といいますか、それに言及されなかったのが残念だったというのか意外だったんですけれども、県政改革という事についてはどういうふうに取り組んでいこうとお考えですか。
(副知事)
このことにつきましては報道で知っているだけでございまして、事件を巡って裁判も始まっているので、私の個別の思いを述べるというのは差し控えさせていただきたいというように思いますが、ただ県庁内に、各部局に県政改革に向けての実質的な動きがあるというように聞いております。どのような改革の議論が進められていくのか、今後よく聞いて勉強させていただきたいと思っています。
(記者)
今から勉強されるということですか。
(副知事)
はい。
(記者)
いくつか気づいた点があるんですが、市町村合併についてはどのようなお考え、見解をお持ちなんでしょうか。
(副知事)
市町村合併は本当に大きな流れでありまして、地方の重大な選択肢の一つだというように思います。しかし、押しつけ合併ということではなくて地域の将来像をしっかりと描き、自発的な議論を盛り上げていくというように、県も今まで申しておいでたところでございますが、そのような役割を県が果たす、果たさなくてはならないんじゃないかと言うように考えます。
(記者)
合併推進というお考えなんですか。
(副知事)
そういった盛り上げていくという方向にですね、やはりその役割をすべきではないかと思っております。
(記者)
先ほどの質問にもあったんですけれども、個別の思いを差し控えたいということですが、葉山村長として一連の県庁の不祥事ですね、どういう視点で見てらっしゃいましたか。
(副知事)
そうですね、今も申し上げましたように、県庁の幹部の職員の皆さんが改革に向けまして自ら決意を表明をされているというように思いますので、県庁挙げての機会でありまして、知事を中心に一致団結をして取り組む課題だというように思っております。
(記者)
今のを拡げた視点でお伺いしたいんですが、村長をやられていたときに村政の立場から見て県庁について色々思いがあったと思いますが、いざ副知事に座られてですね、県庁のこんなところを変えてみたいというような抱負なんかはありますでしょうか。
(副知事)
そうですね、私はあまり県に対して色々の不満とかいう思いはありませんでしたし、色々な指導も丁寧にいただいたということもございますけれども、本当に主役というのは県民でありますし、村でありましても同じであるので、やはり公平と平等で対応していただいていたというように思います。
(記者)
先ほど重点的な取り組みの中で、女性の視点を活かせる分野だとおっしゃいましたけれども具体的にはどういう所を。
(副知事)
こうち男女共同参画プランの実現に向けて方策が出ているわけですから、そのことを中心としまして、取り組んでみたい、考えてみたい、勉強してみたいと思います。
(記者)
村長になられたときも女性初の村長と必ず付いて回っていたんですけれども、そのことでプレッシャーとか、私はあまり女性初とかいう冠がつきすぎるのもどうかと思うんですけれども、今回女性初の副知事で注目されてると思うんですが、何か、てらいとか気負いとかどんなふうにお考えですか。
(副知事)
おかしい答えになるかもわかりませんが、なんとなく初というのが付いて回るといいますか、県下でも女性課長、村長という形でありますので、私はそのことについては慣れっこになってしまった思いがいたします。
(記者)
庁内で女性の登用とかも課題としてずっと言われてますけど、その点ではなにか思いはおありですか。
(副知事)
はい、そういった管理者の数というのは未だに決して多くはないと思いますので、これから私がこのことになるということではございませんけれども、やっぱり女性の登用の裾野が広がっていけば、市町村や民間企業の志気を高めることにも繋がっていくのではとの願いをもっております。
(記者)
一番はじめのお話の中で県庁外から見て気づいた分野についてもどんどん変えていきたいとおっしゃっていましたが、今の時点で気づいた分野というのは具体的にはないんでしょうか。
(副知事)
情報公開の徹底とかですね、そういった分野のことにというようには私は思っております。
(記者)
具体的には何か。
(副知事)
これから勉強させていただきます。
(記者)
基本的なことをお話願えますか。これまでのお話も先ほどの庁議もそうだったんですが、副知事の就任にあたりまして強い気持ちといいますか、決意を非常に強く感じたんですけれども、これまで期間が長かったり、これからいろんなご苦労があると思うんですけれども、そういうことを乗り越えてまで副知事に就任しようというお気持ちを持った経緯といいますか。
(副知事)
大まかには県政の主役というのは先ほども言いましたように県民であるという意識を持って公平と平等な県政をしなくてはならないというように思いますし、そして常に県民の立場に立って職員と共に何が出来るのかというように思うところでございます。
先ほども言いましたが、知事の補佐役というのは長い経験を通じまして補佐役の力というのがいかに大切か、また、部局長をはじめ職員の皆さん方の力がいかに必要かということを身をもって体験をいたしておりますので、村と県では組織の大小のステージは格段の差はございますけれども、原則では共通しているというふうに思いますので、私の信条でございますけれども全力で頑張ってまいりたいと思っております。
(記者)
この3ヶ月間の日々はどのように過されてきましたか。
(副知事)
9月10日でしたからはじめの1ヶ月間につきましては、4ヶ月を残して退職をさせていただいたということですから1ヶ月あまりは各集落を回りました。あと2ヶ月の期間につきましては先ほども言いましたように忍耐の毎日でありました。
(記者)
知事がいらっしゃるんで言いにくいかもしれませんけれども、一番最初に知事から副知事の就任のお話、我々簡単に言いますとくどかれたといいますけどどういうお話だったのかという事と、知事がいらっしゃいますが、知事のことをどのようにお思いになっていらっしゃるか、その辺をお聞かせねがいたいと思います。
(副知事)
橋本知事につきましては、全ての面で尊敬を致しておりますし、本当に高知県にお迎えできて良かったというように思っています。知事が私に申されましたのは、県庁が出直しをはかって県政の改革を進めるためには県庁育ちではなくて新しい視点を持った者をということで私は選ばれたというように受け止めております。
(記者)
繰り返しになりますけれど、先ほど県政改革について今から勉強というお話だったんですけど、具体的に反対の意見が出た理由の一つにも今、高知県庁の副知事に求められる役割はある意味危機管理かなというふうに思うんですが、そういう意味からして疑問を持たれた方もおいでになるかと思うんですけど、就任されたばかりなんで今から声を聞いて勉強なされるということなんでしょうが、何か具体的にないですか。まずここから手を着けてみたいというようなことはございませんか。
(副知事)
このことにつきましては先ほども申しましたように現在司法に委ねられていますが、これからそういったことを、方針を含めて重要課題だといたすところでございますが、ただいずれの場合でも原則は守るべきだと、つまりよく言われますように報告、連絡、相談、そういった基本のことはきちっと守るべきではないかと、今後におきましても当然の、今までも当然の事でありますが、そういった認識を持つべきではないかと思います。
(記者)
同和対策が今回の事件の背景にあってですね、裁判でも被告側がその背景を今日も主張しましたが、同和対策について来年から一般対策に移行するんですけれども、どのような進め方をしていこうとお考えですか。
(副知事)
そのことは少しだけ見せていただいたんですけれども、13年度でですね、県におきまして次の14年からのそういう体勢がなされていると聞いております。そういったことにつきましては勉強してまいりたいというように思っております。
(記者)
同和行政の経験はございますか。葉山村は。
(副知事)
葉山村はありません。
(記者)
今日はどうもありがとうございました。