Kochiケムクナイズフォーラム2002での知事挨拶

公開日 2007年12月07日

更新日 2014年03月16日

Kochiケムクナイズフォーラム2002での知事挨拶

平成14年7月20日(県民文化ホール)

 皆さん、こんにちは。本日は防煙分煙の町づくり推進事業ケムクナイズプロジェクトの第一回のフォーラムにご参加をいただきまして、誠にありがとうございます。
 またこの後パネルディスカッションにパネラーとしてご参加をいただく高校生や専門学校、そして大学生の皆様方もご参加、誠にありがとうございます。

 若い皆さん方には若者の代表として、同じ世代の人たちがなぜタバコに関心を持つのか、また若い人たちから見て大人のタバコのマナーはどうだろう、そんなことを率直な意見として出していただきたいと思います。
 また会場の皆さん方にはそういう若者の声をまた素直に受け止めていただきたいと思いますが、こうした試みによってタバコを吸う人も吸わない人も、お互い楽しく過ごせるような町づくりを進めたいものだと思います。

 そこで自分自身のタバコとのつき合いというか、関わりをちょっとだけお話をしておきますと、僕も最初にタバコを吸ってみたのは高校生の時でした。といっても学校の中ではなくて、夏休みに友達と一緒に外へ行った時に、友達に誘われて試しに吸ってみたというのが最初です。

 吸ったとたん頭がクラクラときたのを覚えていますけれども、その後大学、そしてNHKの記者になってからもタバコを吸い続けていました。特にNHKの記者時代には記者の仕事というのは、人に会ってお話を聞いて、そして聞き出した情報をニュースにするというのが仕事です。

 が、人によってはあまり話が続かずに途切れてしまうことがあります。そんな時に、こうタバコを取り出してタバコの煙をくゆらしていますと、数分間黙っていても場がもてます。ということから、次の質問を考えるその間を稼ぐ、そんな小道具としてタバコをよく使っていました。

 けれども元々1日に1箱も吸いませんでしたので、30歳で結婚をしたのを機会にタバコをやめましたけれども、タバコをやめたとたん、周り近所でタバコを吸われるとものすごく煙たくて嫌だという思いになりましたし、またパーティーなどから帰ってきた時この背広にタバコの臭いが染みついているのを感じて、吸っている時とやめた時ではこんなにタバコに対する感覚が違うかなということを実感したものでした。

 そこで今日のフォーラムに話を戻しますけれども、この後パネルディスカッションに出ていただきます、田子さんという高知女子大の女子大生の方は、エスコーターズという仲間に参加をしている方です。

 このエスコーターズというのは、女子大生でつくっております帯屋町など高知市の中心商店街でいろんなゴミを拾ったり、また町行く人たちのお手伝いをしたり、そんなお手伝い、助っ人の役割をしてくださっている方々ですが、僕は毎週日曜日の午後ラジオの番組をやっています、その番組に出ていただいたのをきっかけにお付き合いができまして、今年の3月3日ひなまつりの日ですけれども、一緒にエスコーターズの服を着て帯屋町界わいを歩いてみました。

 結構自分が思ったよりも町はきれいでしたけれどもそれでも、袋に入れたゴミを後で集めてみますと、塵も積もればというのはこういうことかなというぐらい、いっぱいいろんなゴミが集まりました。

 そんな中でやはり一番面倒なのはタバコの吸い殻で、道ばただけではなくて植え込みの中ですとか、空き缶の中、至る所にあります。また中には、ポイっと捨てた後、靴でぎゅぎゅっと踏んだものとかですね、それから石畳のほんの隙間に入り込んでしまっていてとっても取りにくいものがありました。

 そんなことから一体どれくらい吸い殻が捨てられているのかなと思って、このエスコーターズのメンバーに聞いてみましたら、ちょうど今から1年ほど前なんですけれどもエスコーターズの方々もそのことを思って、町に落ちている1日に拾う吸い殻が何本ぐらいあるか調べたそうです。

 そうしたら多い日は2,636本、少ない日でも1,050本あったということでした。1,000本、2,000本というと捨てる方も捨てる方なら、拾う方も相当な根性だなと思いますけれども、やっぱり彼女たちもそうやって拾っているうちにあまりにひどいという怒りに燃えて数え上げたということでございました。

 こういうふうに考えてみますと確かにタバコというのは、その未成年には禁じられているというふうに法律でいろいろ定めはありますが、大人は子供に未成年にタバコを吸っちゃいけないよ、なんてもっともらしく言っていますが、大人のマナーの方は一体どうなんだろうということも感じます。

 周りの人に迷惑を与えないかどうかとか、その吸い殻をどうするか、そういう責任も大人側も持たなきゃいけないと思います。僕はあんまり規制規制をかけるというのは好きではありませんけれども、そういう実態を見てみますと東京都のある区で話題になりました、くわえタバコを禁止する条例というのももっともかなというようなことも感じます。

  今日は皆さん方にも、この後いろんなアンケートにも答えていただくことにしていますけれども、こうした実態の中でやはりタバコを吸う人と吸わない人、ただ単に禁煙だというだけではなくて、みんなが一緒に過ごせるような町づくりをしたいなと思って考えたのが、この防煙分煙の町づくりということです。

 ですから、このフォーラムでもどのようなことを訴えかければいいかというので、フォーラムの実行委員会をつくりました。タバコを販売する組合の方々、また医療関係者、学校関係者、そして地域の代表の方々、お父さん、お母さん、いろんな方に入っていただいて、もちろんタバコを吸う人、吸わない人半々ずつ入っていただいた会をつくってこのフォーラムをどう進めるかも考えました。

 ひとつはやはり未成年の皆さん方にタバコを売らない、買えないような環境をどうつくるかということではないかと思います。中学生の基本生活調査というものがありますけれども、平成12年に高知市の補導センターなどがやりましたこの基本生活調査、生活基本調査というものを見てみますと、中学生でタバコを吸ったことがあると答えた子供が20.7%いますし、毎日タバコを吸ってるという人も2.7%います。

 そういう子供達にどうやってタバコを買ったのかとこう聞きますと、自動販売機という答えが38%でございました。考えてみれば、法律によって未成年の喫煙もまた未成年にタバコを売ることも禁じられているわけですけれども、こうして町の中を見回してみますと、未成年でも自由にタバコを買えるような環境があるということになります。

 これに対して業界の皆様方も、あらかじめ自動販売機でタバコを買うという大人は申請をして、その人の為のカードを出してカードでしか買えないようにしようという風な工夫もされていると聞きますけれども、そういうこと以前にみんなでもう少しやはり未成年がタバコを手に入れにくいような環境を作っていくということも必要ではないかと思います。

 一方、近所での迷惑ということでいえば、これは大人の成年、成人の男女を対象にした調査ですが、タバコの実態調査というものをやってみますと、吸う人、吸わない人、どちらも含めて69%の方々が周りのタバコに迷惑をしていると答えていますし、ほぼ同じくらいの73%の、タバコを吸う人の73%の方がタバコを吸う時には周りに気兼ねをするという風に答えています。

 こういうことを考えてみますと、今、よく町でレストランなんかに入ってもタバコを吸いますか、吸いませんか、とこう聞かれます。こういう禁煙の席と喫煙の席を分けるようになってきてますが、こういうことがもっともっと徹底をしていければ、タバコを吸う人と吸わない人がもう少し禁煙だなんだといって、感情的な対立になるのではなくてお互い楽しく過ごせる町づくりができるんじゃないか、そんな意味でさきほど言いました未成年の方への対応ということと、タバコを吸う人吸わない人が一緒に過ごせるような町づくり、そんなことをこの防煙分煙の町づくりで考えていきたいと思いますし、さきほど言ったレストランの例などから言えば、こういう喫煙、禁煙を分けていくような企業や飲食店がもっともっと増えるように、行政としても努力をしていきたいと思っています。

 今日は、さきほどお司会の方からもご紹介がありましたように、この後、スポーツキャスターの荻原次晴さんのトークショーがございますし、またパネルディスカッションがあります。そして、荻原さんが書いてくださった色紙、今、地下の楽屋に行きましたら、色紙に次々と書いてくださっていました。

 こういう豪華賞品の当たるクイズもございますので、ぜひ今日一日楽しんでいただき、そして楽しみながら防煙分煙の町づくりどうすればいいか、どうお一人お一人参加できるか考えていただければ、またそのきっかけになれば幸いでございます。

 ということで、冒頭の主催者からの挨拶を終わらせていただきます。どうもありがとうございました。

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