公開日 2007年12月07日
更新日 2014年03月16日
第4回「これからの高速道路を考える地方委員会」
平成14年12月21日(土曜日)8時30分から(都市センターホテル 5階(オリオン))
高速道路は、まさにこれから地方分権を進め地域が自立するために、必要最低限の社会経済基盤である。
しかるに、「道路関係四公団民営化推進委員会」や政府においては、日本全体を見渡し、また、地方の実情を直視し理解した上での、大所高所からの議論がなされているとは到底言い難く、われわれの危惧ともどかしさは限界に達している。
今こそ、地方自らが高速道路のあり方を考え、政府、道路関係四公団民営化推進委員会を始め全国の人へ訴えるべく、6県の知事がここに立ち上がるものである。
これからの高速道路を考える地方委員会
岩手県知事 増田寛也
岐阜県知事 梶原 拓
三重県知事 北川正恭
和歌山県知事 木村良樹
鳥取県知事 片山善博
高知県知事 橋本大二郎
先般、「道路関係四公団民営化推進委員会」の最終報告がとりまとめられ、内閣総理大臣に提出されたところである。
政治が決めるべき、国づくりの根幹となる高速道路の整備についての方針が示されないまま、道路公団の民営化のみを議論すべき委員会で高速道路のあり方までもが議論されたことは、本末転倒である。
また、混乱の中で十分な審議が尽くされないままに、選挙で選ばれたわけでもない委員の多数決により委員会の意見が決定されたことは、極めて遺憾である。
そもそも、委員会は政策決定機関ではなく、政策決定に当たっての意見を求められた機関であり、議論された結果、一つにまとまらなければ両論併記するのが委員会としての良識である。
今後、政治の場において、審議が進められていくことになるが、高速道路のあり方や整備については、国家戦略に基づく高い見識と広い視野に立った議論が必要である。高速道路の理念や目的等について十分認識され、公正・公平の観点や地域の自立ある発展のためにも、地方の声に真摯に耳を傾け、改めて、下記事項に留意しながら十分審議されるよう、強く要請するものである。
1 高速道路整備の遅れた地方に、さらに不利な条件を課すことのないよう、公正な判断を求める。
2 国と地方が対等な立場で協議する場を継続的に設け、国民が納得のいく高速道路整備のあり方を示すべき。
3 高速道路の整備に当たっては、料金プール制を最大限活用すべき。併せて事業費の捻出は、公共事業全体を見直し事業の優先劣後を決定することにより行うべき。また、道路特定財源についても、可能な範囲内で投入すべき。
4 直轄事業での整備となる路線については、現在の整備スピードを落とすことなく早期に整備を進めることを求める。なお、その際、負担の公平性の観点から、地方の実質的財政負担を一切伴わない制度とすること。
5 民営化や地域分割については、高速道路が重要な公共財であるという基本認識に基づき、それぞれのメリット、デメリットを踏まえ議論すべき。この際、JRの民営化が地域独占のゆえに地方でのサービス切り捨てになっている状況も考慮すべき。なお、道路公団改革については、天下りや関連企業など不透明、不明朗な仕組みを徹底的に改革すべき。
6 計画段階における構造や規格の見直し等による建設コスト縮減や、経営の合理化・効率化等による運営・管理コストの縮減を積極的に図るべき。
7 国民の合意形成を得るために、積極的に情報公開に努めるべき。
平成14年12月21日
これからの高速道路を考える地方委員会
岩手県知事 増田寛也
岐阜県知事 梶原 拓
三重県知事 北川正恭
和歌山県知事 木村良樹
鳥取県知事 片山善博
高知県知事 橋本大二郎
〇「これからの高速道路を考える地方委員会」議事録
1 日 時 平成14年12月21日(土曜日)8時30分から
2 場 所 都市センターホテル 5階(オリオン)
3 参加者
岩手県知事 増田 寛也
岐阜県知事 梶原 拓
三重県知事 北川 正恭
和歌山県知事 木村 良樹
鳥取県知事 片山 善博
高知県知事 橋本 大二郎
4 意見交換
5 記者会見
////////意見交換////////////
(司会)
お待たせいたしました。ただいまから第4回これからの高速道路を考える地方委員会を開催いたします。
私、鳥取県県土整備部長の牧野と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
本日の会の進め方でございますが、まず当会場におきまして意見交換会を行っていただきまして、その後、席をかえまして記者会見を行いたいというふうに考えているところであります。どうぞよろしくお願い申し上げます。
それでは、本日の御出席の皆様方を御紹介させていただきます。
岩手県知事の増田寛也様でございます。岐阜県知事の梶原拓様でございます。三重県知事の北川正恭様でございます。和歌山県知事の木村良樹様でございます。高知県知事の橋本大二郎様でございます。最後に鳥取県知事の片山善博でございます。
議事に入らせていただきますが、その前に簡単に、きょうそちらのお手持ちの方の資料に今後の高速道路財源についてというのでペーパーを1枚だけ用意させていただいています。これは昨日の内示に関連しましたところを、鳥取県というふうにペーパーが入っておりますが、鳥取県の方で取りまとめたペーパーでございます。
平成15年度予算内示というふうに入っておりまして、1番といたしまして直轄事業による高速道路、国道の整備が新たに制度化ということでございまして、これが新直轄方式というふうに言われておるところでございますが、国4分の3、地方4分の1ということで総事業費3兆円、これは現時点における目安ということでございまして、平成15年度1,300億、国費1,000億というような形で、料金収入により管理が賄えない路線など、新会社による整備管理が難しいと見込まれる路線、区間につきまして、このような制度がされたわけでございまして、その利点といたしまして道路特定財源の一部が地方へ移譲という形になってございます。
都道府県の事業費負担は4分の1、それで税源移譲の仕組みといたしましては、こちらにありますように自動車重量税の譲与税の市町村分を増額、譲与分を引き下げて4分の1から3分の1へということで、平成15年度930億円ということでございまして、その中で都道府県と市町村の割合を見直しをするということでございます。
数字が合っておりませんが、内示内容がこのような形になっているので、そのまま上げさせていただいております。それぞれ都道府県分は直轄事業設置法負担に対応しての上乗せ、市町村分につきましては市町村道事業費廃止法に対しての対応ということで450億円ずつということでございます。
なお、3点目といたしまして、日本道路公団には昨年並みの予算が計上ということで、建設費で9,821億円ということでございます。下段の方には参考といたしまして、その3兆円に対するスキームということでございまして、新聞報道等ということで、全体道路公団9342の整備計画域のうち15年度以降の約20兆円のうち、整備にコスト削減等によりまして3兆円等が減ということで、16兆円が対象。その16兆円に対しまして10・3・3シナリオということになっておりますが、新会社が10兆円、それから道路公団が民営化までに建設ということで3兆円ということで、残り3兆円が新直轄方式という形で1番の方に返ってくると、このようなスキームが内示されたということでございます。
それでは、早速意見交換に移らさせていただきますが、ここからはこの会の世話役をさせていただいております片山鳥取県知事に進行をお願いいたします。
(片山鳥取県知事)
おはようございます。
せっかく今政府の原案内示の説明をしてもらいましたが、ちょっと質問をしていいでしょうか、今の部長に。私が聞くのも変なんですけど。この10兆、3兆、3兆というのはどういう位置づけなんでしょうかね、これ。政府全体で決めたということでもないんだと思うんですけども。どういう理解でいいんでしょうか。
(司会)
内示等にはこのシナリオとは出ておりません。ただ1番のところに直轄事業における高速道路整備が新たに制度化というところで、総事業費3兆円、現時点における目安というふうに上がっておりますが、その数字がいきなり内示の方には3兆円と上がっておるものですから、それが何に対応するのかというのが不明でありましたので、参考で10・3・3という形に推測、この一部は国土交通省の方にも一応お聞きしまして、多分そうではないでしょうかというところでお聞きしましたところ、そうであるというふうに回答をいただいておりますので、きょうこのような形で提示をさせていただいております。
(片山鳥取県知事)
わかりました。要するに新直轄方式で、おおむね2,000億の15年の3兆円を想定してると。その前提としては今の説明のようなことになるだろうと期待してると、こういうことでしょうか。
(司会)
そうでございます。
(片山鳥取県知事)
わかりました。きょうはこれまでもう何回もやってきまして、皆さん、私も含めて論点は大体出ていると思います。それらを踏まえて政府の原案内示になったものだと思います。かなり我々の意見も入れてくれてる節もありますし、それから今ちょっと確認したように不明な点もあります。
と言いますのは、新会社がどれだけ建設するのかっていうのはまだ正式に決まってないわけで、それによってはこのスキーム全体がスムーズに行かない可能性もあります。それからもう一つはそれと関連するんですが、スピードがどうなるのかということ、計画どおりに進むのか、それとも新しい方式を導入しても、それぞれの個別の路線によっては相当おくれる路線が出てくるのかどうかということは気になります。これ確認しなきゃいけないところです。
それからもう一つは、新直轄事業で一応地方負担というものを入れて、それに対しては不公正にならないように道路特定財源を地方に移譲することによって調整しようというスキームで、これもかなり知恵を出されてると思いますが、これが本当にそれぞれの地域ごと、区間、路線ごとにぴったりはまるのかどうかということも点検する必要があるんだろうと思っています。こんなことが原案内示を受けての私としての感想であります。
それらも含めて意見書を案として一応取りまとめております。これはあえてつぶさに読みませんが、従来から指摘しておりますような論点を中心にして、それから今私が申し上げたような懸念、確認すべきこともこれに入れてるつもりであります。
1つは大前提として不公正にならないように、不利な条件を待たされたところがかぶせられるようなことがないようにということ、それから政府はやはりそういうことも含めてちゃんと地方の意見を聞くという姿勢を持ってもらって、聞く場を設けてもらいたい。
一応先般聞く場を設けていただきまして、石原行革担当大臣と中馬国土交通副大臣が聞いていただきました。知事会からは木村守男委員長と私が代表して出席させていただきましたし、それから市長会、町村会からもそれの代表が出ておられました。おくればせながらああいう場を設けていただいてありがたいんでありますけど、できればもっと早くから設けていただきたかったし、これからも継続して設けていただきたい。
もう一つ御報告しときますと、何と秘密会でありまして、オープンでないんですね。今どきこれだけ話題になってることをなぜ秘密にクローズドでやるのかっていうような、不思議でしょうがなかったというよりも大分文句言ったんですけども、オープンではありませんでした。そういう姿勢も含めて変えていただきたいということ。
それから3番目に書いてますのは、料金プール制というのはやはり合理性があるということを我々も主張してきましたし、それからもう一つは財源の問題でいったら、やっぱり公共事業全体、予算全体を見ながら、その中で優先順位、優先劣後をつけ直して、高速道路の優先度合いが高いとすれば、そっちの方にシフトするということも含めたダイナミックな予算編成をすべきであるということ。
それから4番目は、先ほど言いましたように新しい直轄事業をやる場合でも不公正にならないように、待たされたところが不利な条件をさらに背負わされることがないように、さらにはスピードについても落とさないようにということであります。
それから5番目はそもそも論ですけども、民営化っていうのが既定の事実のように議論されてきておりますけども、本当に民営化がいいのかっていうのは、私はもう大いに疑問であります。最初に小泉総理が民営化っていうとこからスタートしたから民営化を前提に議論してますけども、その前提があるからもう随所に矛盾が出てきているわけで、今回の民営化推進委員会の議論の混乱もそういうところにそもそも論として本当にいいのかどうかっていう検証をしてないことがあらわれているんではないかなという気がします。
地域分割についてもそうで、民営化と地域分割が本当に検証もしないで善なのかということ、私は大いに検証しなきゃいけないと思っております。それはJRについても民営化でメリットももちろんありましたし、地域分割のメリットはありましたけども、デメリットもいろんなとこに出てきておりまして、やはり不採算のところは投資をしないという、ネットワークとして形成するには非常に短所もあります。そういうこともちゃんと検証すべきであると思います。
それから道路公団の改革については、これはちゃんとやるべきであって、やはり透明性を増して競争原理を働かせてコストを削減して、きちっと優良な道路を低コストでできる、そういう組織体に仕立て直すというのは、これはもう我々もかねて主張したところで、徹底的に改革すべきだということ。それからそれと関連しますが、建設コストの縮減でありますとかむだな投資の排除、合理化、管理コストの軽減、こんなことも徹底してやるべきだと思います。
こんなことを改めて整理をして、政府の予算内示に当たって、再度関係方面に意見書として提出し、かつ要請をしたらどうかということでございます。
それじゃあ、どなたからでも結構ですが、いかがでしょうか。
(梶原岐阜県知事)
この問題だけじゃなくて、地方分権一括法で国と地方は対等だと明記されてからどんどんどんどん国と地方の関係が地方軽視という方向に行っているんですね。今回のことは高速道路の問題ですが、根本的、あるいは一般論として、国と地方の関係というものをやはり強く主張していかなきゃいけないと思うんですね。文章の問題は別にしてですね。
今民主主義とか地方自治の危機ですよ。安直に第三者委員会に任せるのですね。第三者委員会に任せる場合も、民営化がいいのかどうか検討したわけじゃなくって民営化ありきでですね、その前提自体が問題なのにですよ、強引に前提で議論をしてることによって大変無理が来てるんですよね。
委員会の混乱もそこの辺に根源があるんだけども。第三者はあくまでも第三者であって、責任者じゃないんですよ。その第三者の意見があたかも決定権を、最終的な影響力を持つかのごとき方向に持っていくこともこれまた大変なことで、民主主義というのは一体どうなっているのか、あるいは地方に大きな影響があるという意味で地方自治というのは一体なんだろうと、こういうことを我々問われてるんじゃないかと思うんですよ。
だから今なんか予算で決まったとか何かいうことを安直に受けとめないで、言うべきことはびっしり言っとくという姿勢を示すことが大事じゃないかと思うんですね。全国知事会や何か、外郭団体の後遺症があるから、へその緒も引きずっているから、どうもまあまあ的なとこがあるけども、我々はもっと厳しく対応していかなきゃいけないという前提というか、手続論ですよね、だから大体株式会社のものにすると、国の根幹中の根幹のインフラを商売道具にしてしまうなんてことは大体いかがなものかと。国の資産を一会社の資産にしてしまうというようなことがこれはもう大問題ではないかと、これはこれから議論すべきことではないかなと私は思いますよね。
それからプール制の問題ですよね。財政に困ってるのになぜプール制を捨てるかと、私は疑問なんですよ。債務償還が大変だと言うんだけども、それはもともと税金でつくるというのは法律の建前なんですよ。たまたま今税金がないから借金で前倒しでやるというだけのことで、借金の前倒しができない、借金の前倒しでできない部分は税金でやるというのは当然の法律をつくったときからの建前であって、今回もこの自動車重量税ね、一部地方に回すと言っているけど、これ自体また検討しなきゃいけないけども、そういう言うなれば高速道路に道路特定財源をかなり大幅に入れるという、そういう今回方針が出たということであれば、ストレートに優良道路に税金を入れていけばいいんです。
それはもう債務償還の問題は一発で解決しちゃう。そういう簡単なことなのに、なぜそれが株式会社方式というもので解決しなきゃいけないのか、全く道具が違うんじゃないかと、ゴルフを野球のバットでやっているような感じだよな、これは。話が違うんじゃないかと。
それから、きのうも河川の会議で言ったんですが、採算性の問題ですね。例えば多目的ダムの場合、発電とか上水道なんか、これは内部経済で負担できるわけですね。電力会社が、あるいは上水道の経営組織が料金負担によって負担していくわけですね。これは言うなれば内部経済なんですよ。治水の面は外部経済なんですよ。外部経済にはなるべく安くやるというような費用対効果の問題なんかあるかもしれんけども、そもそも採算性なんてあり得ないんです。
道路でも同じで、利用者負担、料金収入、これで賄うのは内部経済の部分だけであって、これによって都市内の通過交通が入っていくことによる環境破壊とか、それを高速道路は解消していくわけですね。そういう外部経済効果なんてものはこれはなかなか計算も難しいし、特定のものに負担させられないんで税金で負担するわけですよ。
この採算性論というのは基本的な内部経済か外部経済かという簡単な理論といいますか、考え方、そういうものを最初から放棄してるんじゃないのか、この道路公団もあるいは国土交通省もそういう議論したのかどうか、非常に、議論したんですか、そういうことも。採算性というのは内部経済だけの問題であって、本来公共事業っていうのはむしろ外部経済の方が重要なんですよ。だから公共事業というんであって、採算だけで考えたら公共事業なんていうのは論理矛盾なんです。概念矛盾です。
(片山鳥取県知事)
それは私も本当に不思議に思いますのは、高速道路以外に一般の国道もあり県道もあり市町村道、農道がありますけど、たまたま料金を取ってるものだけが採算性を問われるわけですよね。料金を何も取ってないものは全く赤字なんですけど、採算か不採算かという議論は全くしないんですよね。本当におかしいんですよね。
じゃあ高速道路は採算がとれないけど一般県道や農道は採算がとれているのですかという議論ですよね。非常に視野の狭い議論で、高速道路は黒字、赤字ありますけども、赤字の道路でも一部通っているっていうのは一般県道や一般国道よりは実は採算性にすぐれてるんですけどね。そういうことを全く視野に入れないで本当に狭い範囲内だけでやっているところにこっけいさがありますよね。
(増田岩手県知事)
今の民営化委員会の中での半年間やってた議論、あるいはそれを政府としてどう受けとめて、それで政府の責任でこれは決めていくべきものでありますから、それをどういうふうに政府が受けとめて、そしてどう判断してこういう形の予算になってったのかというところが全くわからない、あるいは最初からそういうことをする気のない、民営化委員会に丸投げしたような、そういうところが大変問題だということ、これは梶原知事のおっしゃるとおりだと思います。
それからあと、ですから予算をただ真に受けて次のそれをベースに次に移っていくということにすべきではないというのは、それは確かにおっしゃるとおりで、要は公団を分割して民営化して、それでそもそも会社に本当に移れるのか、その会社が分割した会社になるのか、そのあたり与党の中の動きを見ていて本当にそんな法律がちゃんとこれから1年間準備かけてできるのかということもありますので、さっきの10兆、3兆、3兆もどうもちょっとよくわからないんですが、
それにしても一応こういう形で進んでいくという前提で考えたときにだんだんわけがわかんなくなってきたのは、先ほどもちょっとあったんですが、スピードなんですけれども、やっぱり相変わらず事業量とすれば何年か後に、そういう会社ができたときの会社の経営判断でやられる部分が10兆で一番割合としては多いわけです。
ですからこの10兆のところと、それから公団が民営化までに建設する3兆は、これはもうこれからのあれを公団がわっとやるっていうことでしょうからここはいいんですが、それとあと新しい直轄方式の3兆ですね、ここのなんていうか前後の順序がよくわからないのと、それから新会社が10兆、これはもう会社の自主的な判断といいますか、その10兆全部やり切れるのかどうかということもちょっとわからなくて、
普通に今までの整備順序で考えてくると、やっぱり今までの公団の中でも料金収入で管理費を賄えないようなところはやっぱり後の方にだんだんなってきて、ネットワークの中で一番端の方の部分になりますから、そこが多分整備順序が一番遅いだろうということは大体わかるんですが、これだとまず1つはそういった前後関係がわからなくなって、むしろ新直轄の方が逆にずっと早くなるという部分が出てくるんで、そのあたりが全く不明なのと、
それからあと利用料の関係ですね、新直轄は全部ただになるわけで、それから後新会社がやるところは当然通行料をとるということになるでしょうから、国全体で見たときに、道路として一方で料金をとらないところと、それから料金をとるところが今までとは全く違う形でいろいろ入ってきて、そしてなおかつ整備順序がどういうスピードでやられていくかわからないということで、さらにネットワーク全体の構成が非常にどこをどういうふうに戦略的に考えて、ここはもう利用料金を下げるとかただにするとか、国全体として見たときに一つ一つが有機的に関連していないというのか全くばらばらにさらになっていく。
それが本当に国全体として見たときにいいことなのかどうか。本当はやっぱりこういう議論をするときは何度も言ってる話ですが、根っこからの議論ですが、やっぱり国全体として見て、料金でもってまだ賄っていっても産業上もいいとか、いやこれはただにとか料金をもっと下げなくちゃいかんとかいうことをもっとやっぱりいろんな観点から見て、それでやっていくということでないと、それからあとスピードですね。
やっぱりやっていかないといけないんで、やはり相変わらず結果がさらに非常にわかりにくい、混乱した結果になってきてしまっているので、これがもし仮に小泉内閣がいろいろな構造改革に取り組むときの第1あるいは第2順位ぐらいの大変高い優先度の問題だというんであれば、むしろ構造改革というのは社会を混乱させるだけの結果になるんではないかという気がしてならない。そこが大変心配であります。そのことを特に申し上げておきたいというふうに思いますが。
(北川三重県知事)
これから議論を整理する必要があると思うんですね。最初のスタートで議論が未整理のままに委員会が始まったということを大変憂慮して我々は立ち上がったわけです。今の公団の内部経済の問題は当然あるわけですから、その行儀の悪さとか問題点は、もうみずからが当然政府初め直さなければいけない問題を、そこの部分最適を求め過ぎたものですから、全体最悪という、こういう議論の整理をぜひ我々も国と一体となって対等協力の場で参加をさせていただいてやっていかなければいけないと。
それはなぜかというと、今回の未整理のままに議論が始まったものですから行政不信が起きた。それは例えばどういうことかといえば、一たん約束したことを自分たちの都合だけで否定をして、それはできないと言ったときに、単に高速道路の問題だけでなしに公共事業だけでなしに、行政全体に国、地方問わず不信感を蔓延し無用の混乱を引き起こしたということについては、本当にここはぜひ整備をしていかないといけませんし、グランドデザイン、あるいは外部経済の問題をここで改めて構造的に真剣に語られなければ、この後遺症は相当大きなものがあると、そのように私は思っておりますので、議論の整理をしていかなければいけないと思います。
構造的な問題、国の形ですね、グランドデザインの問題と、すぐに意識的にファミリー企業なんかの問題を出してきて議論を混乱せしめたというのは、本当に行政不信、政治不信を起こさせておった大きな問題だと私は思っておりますので、ぜひその点は整理をと、このように思います。
もう1点、公共事業と言っていいのか社会基盤の整備と言っていいのか、本当に国全体で地域に密着をしている市町村の皆さんとか県とかと対等協力の場で議論がやっぱり深まるという、これを知事会を通じてこの会でも片山さんにお世話になって知事会の木村部会長さん、そして政府との場を設けていただいた努力は本当に多としますし、そういったことをこれからもぜひ重ねていくべきだと、そして国民のまず理解を得ると、今回相当混乱したと思うんですね。
だから国民の皆さんの理解を得て社会基盤の整備をやっていかないと、例えば公共事業に従事する技術者の皆さんなんかの、失礼な話ですけども、やる気とか気概というのはそがれている点があるというのは、国家のこれはもう損失だと思うんですね。だから直すべきは直していただくのは当然ですけども、そういった大きな国全体のあり方というものをこの際問うて、そうしてやっていかないと、構造改革は結局無用の混乱を起こす。
そのように思いますので、ぜひこの会もそのように一緒にやっていき、そして地方公共団体も力合わせてやっていくと、こういうことで、またこのスピードの問題、内容の問題、負担の問題、今後の進め方の問題等々いっぱい議論残っておりますから、このあたりは本当にウイッシュリストといいますか、単にそう願いたいという話だけではなしに、もっとはっきり宣言的なことを出して、このようなスピードでこういう場合はここまで行きますというような形が、透明な進め方が必要だと私はそう思っていますので、また次のステージに移りまして、この議論の積み重ねはぜひ必要だと、そのように思います。
(増田岩手県知事)
私、追加して言いますと、今まで1万4,000キロのうちの1万1,520キロをプール制を前提にやってきて、事実上9,342までは積み上がってきたと、まだ7,000までしかできてないけども、9,342までは整備計画に入ってきたっていう、その状況の中で今度新直轄とかこういうもの入れていったときに、本当に1万1,520キロのあれを、閣議決定とかあれを手をつけなくていいのかどうかということ、今だからそっちは全く直さずに、でも一方でこういう議論してこういうふうな形にしてきてますでしょう。
本当にそういう姿勢で政府はいいのかどうかということですね、国民に対しても本当にそれでいいのかどうか。逆に最初からこれだけのことをやるんであれば、あっちのところの議論から本当はやっていかないとだめだったんではないかと、これ何度も言ってる話なんですけどね。
やっぱりそういう今回の例えば新幹線で言うと、いわゆるフル企画でとっても金がないから何とかいろいろやっていかなくちゃいけないってときに、一方ではネットワークとしてやっぱり、それでもかなり代替性があるからということで東北でも受け入れましたけどミニ新幹線のようなこと、それはそれでいろんな議論をやりながらやっていったわけですね、
地元もそれでいろいろ工夫して地元負担も出して、山形とか秋田はミニ新幹線をしましたし、ですからそうい議論とあと国鉄の民営化する議論というのは場をきちっと分けて、それで一方でそれぞれが、専門家が知恵を絞ってああいうことをやっていったわけですが、
今回は民営化というその場だけしかつくらずに、一方で1万1,520キロの方は全くそのままにしておいて、全部を何か期待するがごとき議論をしちゃったんで、それでこの中に新直轄とか、またさらにわからない料金もただになるんでしょうけども、そういうものがいっぱいごちゃごちゃ入ってきてしまっていると、それをそのままにしといて、あとは何か結論がまとまった後わあっといこうっていうのは大変危険だということがあります。
(梶原岐阜県知事)
私もちょっと無料道路のことですね。これはドイツでもアメリカでも、どこでも無料の方が原則ですよね。だけど日本は非常にインフラが立ちおくれたから原則高速道路有料、これはもうやむを得ないかと思うんだけども。無料道路というのも、それはユーザーからしたら一番いいわけで、しかもガソリン税なんかの利用者負担を払ってるんだから、もともと二重取りだと言われてるわけですよね。
そういう無料道路が妥当する地域もあると。何か4分の1とか地元負担を打ち出しておるけどね、どこでも大体要するに連邦、国の負担ですよね。このアメリカのインターステートハイウェイは1割ステートが負担、9割が連邦とこういうことですよね。本来の道路の性格からいけば全額国費負担であるべきなんですよ。
私もたまたま高速自動車国道法案の作成をしたんで、大蔵省なんかとやり合った覚えがあるんですけども、全額国費というのは我々の主張だったんですよ。しかも無料道路をつくるべきというところは経済力の弱いところなんですよ、これは。そういうところで地元負担をとるというのはどういうこっちゃと、論理的にちょっとおかしいんじゃないか。
何かその都度主義というか便宜主義というか、一貫性がないというか支離滅裂というか、増田さんが言われた、もっと政策的にどうすべきかと、産業政策の上から高速道路料金っていうのはもっと下げなきゃいけないんじゃないかとか、それから道路特定財源を一般財源化するなんてずっと前から大蔵省の役人がねらってることなんだけど、一方で金が足りないと、道路利用者の負担してるものをほかの用途に向けるなんて議論が片やあると。これまた支離滅裂の一つの証拠なんだなあ。だから何ともこの支離滅裂な政府を相手にしてるのもしんどいな、これは。あれこれあれこれね。
(片山鳥取県知事)
結局ですね、総合行政がなされていないんですよ、今の我が国、日本政府は。ばらばらのタコつぼでしてね。予算なんてのはまさしく国家の仕事の優先順位を決める作業ですよね。だから全体で鳥瞰しながら健全な政治が優先順位を決めなきゃいけないのに、全部タコつぼの各省縦割りで、財務省の中も縦割りの予算編成でしょう。それをだれも統括しないんでこんなことになってしまうんですね。
(北川三重県知事)
これは公共も非公共も併せて大議論しなきゃ出ない結論なのに、本当の部分、内部経済的なことだけでやったからこういう行政不信、政治不信が……
(片山鳥取県知事)
そうです。道路公団の問題というのは道路公団だけを見てもしようがないんで、全体の中で道路公団がどういう役割を果たすかということをやらなきゃいけないのに、ところが最初からこの道路公団改革をやるときに民営化ありき、税金投入なし、こういうたがをはめて議論してるからこんな変な話になるんですね。
(木村和歌山県知事)
そのことに関して我々が特に注意しないといかんと思うのは、こういうふうな現実的な処理策みたいなものが出てきたわけですよ。それで形の上では道路特財を使うと、それからそれの一部は今までの仕組みの中で地方へ回して、実質的には地方の負担はないようにしようというふうな、こういうのは今までの延長線上でのびほう策的対応なんです。
だから我々としてはこのやり方は、当面こうなるとして、したら地方としては負担がないというんだけど、これは今の地方財政対策と同じような話なわけや。借金を交付税取っかえでして、それで将来借りたお金は交付税でまた返してあげるから地方は余り困らへんでしょと。だからこれで行きましょ。だけどこういうふうなことをずっと続けてては日本の国は根本的に変わらんわけ、事柄の本質をちゃんと議論してないから。
だから何が言いたいかというと、我々は初めこういうような高速道路ができんということで文句を言って、こういうふうな6人の委員会をつくって言ってきたということで、一つは守旧派的、現実的解決策があって、これにはある程度満足ができるかもしれないけども、国民にとっては非常にブラックボックス的なことで物事が決まって、妥協の産物としてでき上がったという感じが非常に残ると思うんで、
この委員会としては、これはこれとして、やはり理念としては先ほど梶原知事が言われたように高速道路は全体的ネットワークのもので、本来国がすべてを税金でつくるものだと、初めは利用料金でやってて、始めにできたところは全部言ってみれば国費じゃないんだけど地方の負担はなしでやってきた。
それが今度新直轄なんていう制度が出てきて、4分の1はあれやと、だけど文句があるだろうから譲与税で見てあげると、こういうふうなことについては、やはりとりあえずはいいとしても理念としては違うんだと、やっぱり根本はこうなんだということをあわせて言っていくような形にしなかったら、我々もただ単なる言ってみたら圧力団体みたいなものに過ぎなかったというふうな結論になると思うんで、
きょうのこの答えはいいけれども、これからちょっとそういう観点で物を言っていかないと。どうして改革改革言うているような人が、高速道路の問題に反対してきたかということがぼけてしまって、結局地方公共団体の負担がなくなりゃあそれでよかったんだなあというようなことにならないように、やっぱり僕はしていく仕掛けというふうなものが大事だろうなと思うんです。
(北川三重県知事)
だから組織と運営の透明性の確保ということを、きちっとそれは言っておかないと、それぞれ担当する技術屋の皆さんなんかの、やる気とかモラルとかいう問題に大きく影響すると、その点は我々きちっと話をして、このようなことでプロセスはこうなって、したがって、このような結論を得たとかね、そういうことをしてかないと、それが地方と中央の対等協力の場所で、それもオープンにして議論をしていく。そういうプロセスの透明性というのは、私も今木村さんが言われたこととあわせて、きちっとしたこの国の形をどう決めていくのかということはとても重要なことだと、そう思います。
(橋本高知県知事)
僕も木村さんの言われたことを言いたいと思っておりました。私たちにはやっぱり政治家という立場がありますよね。一方で各県を預かっているという行政的、現実的な立場があります。このやはり高速道路を考える地方委員会の本来は、やっぱり政治家としてのそもそもあるべき姿はどうかという問題意識から始まったと思います。
大きく先ほどの国の予算がどうあるべきかということからいえば、片山さんが最初に言われたように、たまたま料金を取っている、そういうつくり方をしている道路の採算性の問題だけを言うのではなくて、他のいろんな事業と比べたときの外部経済も含めた採算性、その優先性はどうかということがきちんと議論がされて、その予算構造の根本的な改革なくしてこの国は多分変わらないだろうという、大きな俯瞰図がありますよね。
しかも高速道路という高規格の道路という整備の中でも、もう民営化ということの矛盾はもう出尽くしているわけですから、それをやはり基本的には税金でただで走る道路というのが高速も含めて必要でしょうということは改めて、手法はいろいろあるのでまた議論がありますけれども、というようなことだとか、そういう一方で政治家として主張していかなきゃいけないことがあると。
ただ一方現実面の問題があって、現実面の問題として新直轄というふうな話も出てくるし、それからいろんな規格を、従来のフル規格ではなくてローカルスペックにしていく、その手法としてどうかと、こういう議論があるわけですね。その現実論になったときに、大変失礼な言い方だけども、今の世の中の構図からいえばやはりなんか悪役をつくらなきゃいけないというので、族族という悪役がつくられているわけですね。
そこにやはり一緒くたにされる議論になっては、木村さんがさっき言われたように、本来やはり私たちが何を求めたかということが埋没をしかねないし、国民の目からはなお見えにくくなるだろうということを思いますので、やっぱり今その理想論のところをきちっと、先ほど北川さんが言われたような形で議論として整理をし、その現実論と分けるというか、そこはきちっとこの委員会としてもしていかなきゃいけないし、その理想論のところはこれからもずっと整理をしながら主張をし続けていかなきゃいけないんじゃないかなということを思います。
(片山鳥取県知事)
この委員会は高速道路という当面の問題をテーマにみんな集まったんですけども、最初から我々みんな言ってましたのは、やっぱり理念を言ってたわけですね。一つは私も特に強調してましたけど公正さを絶対忘れないでもらいたいと、政治というのは公正さを見失っちゃいけませんということですよね。
それから、今も議論になってますけども全体をなぜ見渡さないのかと、どうして政府はこんなにタコつぼ型から逃れられないのか、もっと広い視野で見てくださいと、全体総合的なアプローチ。それからもう一つは透明性ですよね。これは公団改革をやるときに一番の基本的な問題は透明性だと思うんですね。
この理念は今言った3つは最初からもう言ってたことなんですね。そういうことからすれば、木村知事さんや橋本知事さんが言われるように今回の政府の方から出てきた案というのは似て非なるものなんですよね。現実の不満はまあまあなんか8割方ぐらいは抑えられるかもしれないけども、理念からいったらだめなんですよね。
これは道路公団の改革が透明性をどうするかという、これは今後の問題で民営化推進委員会の皆さんも監視、モニターするって言われてますからそれはそれでいいんでしょうけども、全体を見渡してるかといったら全く見渡していないんで、これは梶原知事さんが言われたように税金をつぎ込むんならば地方経由でこんなくりっと完了させるんでなくて、なぜ直接建設主体につぎ込まないのかと、こういうことが選択肢で本当はあってもいいはずですけども、そういう全体を見渡した適正なやり方というのをとらないんですよね。
なぜか、その辺が私今日本国政府の一番の欠点だろうと思うんですけどね。それから公正さという面は、現実の問題は恐らく8割か9割ぐらいは解消するのかもしれませんけども、やっぱり変なんですよね、言われたように。なぜ地方負担があるのかというのは。こういう問題はこの3つの私申し上げた、ほかにもあるかもしれませんが、この3つの理念というのはこれからもぜひ我々はこの高速道路問題でも言い続けていきたいし、政府に改善を求めたいし、ほかの問題でもやっぱり相通ずる、(ツウテイ)する問題があると思うんですね。今日、国政それから国と地方の関係については。これは見失わないようにぜひしたいと思います。
(梶原岐阜県知事)
橋本さんがおっしゃった、我々も今こういうことをやっているのは政治家活動なんですね、確かに。国政を考えてんですよ、我々は。47分の1はね、分担してるんですよ、我々ね。今我々の方が国全体、国の将来のことを考えてるんじゃないかなと思うな、政府より。そういう今の橋本さんの話は非常に重要で何とか族何とか族で片づけられてしまうという、このおかしさね、今の世の中の。
私は何とか族ということでみずから既定すれば生活族だと言ってるんですよ、トータルなんですよ。地域住民の生活のトータルな立場を代弁する生活族だと。何でも族に入らないかんというなら生活族だと言ってるんです。その辺のことも我々政治家として国政について論ずるという姿勢も非常にこれから大事じゃないかなと思うんですね。この問題もそういうスタンスでフォローしていくべきじゃないかと思います。
(片山鳥取県知事)
いかがでしょうか。
(木村和歌山県知事)
かなり今ちょっと高邁な理念を言ってしまったんで、ちょっと細かいことが言いにくくなったけど、例えばこの新直轄方式の中でとりあえず地方道路譲与税を、こんなんはっきり言って分担金をなくせという議論をしてるものが分担金をもらって喜ぶというような仕組み自体がおかしいんだけど、ちょっと現実的な話もすればとりあえずスピルオーバーしたものの一部をここへ回してくるということで、国土交通省もこれでええわというぐらいの話に今のところなってるわけですよ。
ところが世の中というのはどういうふうになっているかわからないんで、ずっとそうなっていくのかどうかって、昔はほかへは回したくないということでぎりぎり言ってきたのがそうはいかなくなってきて、ちょっと別のものにも回していこうかと、そしたら一番ちょうどいいのはここの高速道路で手打ちするのにここへ回すのが一番当たりさわりないだろうと、こういうふうな現実的な処理に今なってきてるわけだけど、
こういうものについてもとりあえずこれでいいけども、長い目でちゃんと本当にそういうことが担保されるのかということも、さっきの議論とちょっと違うんだけど、レベルがね、見ていかないといかんということが一つあるのと、もう一つはこの高速道路のこれからの例えば4車線を2車線にするとかいろいろ僕はあると思うんですよ。
こういうことについてはやっぱり分担金を出すということであれば、やっぱり積極的に我々としてもただ単に大きなものをつくれとかいうふうな感じじゃなくて、我々のこれは地方の道路じゃないんだけども、だけどまあ走る車の台数なんかから見てこういうのが一番経済合理性に合うからこれでいこうというふうな、逆に言うたらある意味では仕組みとしての前向きな提言なんかもやっぱりしていかないといかんと。
地方はいつも被害者、国はいつも加害者というようなものの考え方もこれは改めていかないと、本当の意味の地方主権型社会は来ないと、これは国がやる仕事だったらこのこととはぴったりはこないけど、だけどこういうふうな仕組みで仮に新直轄方式なんていうものを入れていくんだったら、そのときにはやっぱり地方の方も積極的に、そういうふうな前向き提言なんかもやっぱりしていくというような観点も、これは異論もあるかもしれませんけど、僕は必要かなという気もちょっとしますね。
(片山鳥取県知事)
私は今回、この高速道路の問題だけでなくて、政府原案が内示されましたし、それから地方財政対策も数日前に出されましたけども、これらを見て本当につくづく思いますのは、やっぱりやり方は何も変わってないんですね。何が変わってないかというとさっきから言ってますように要するにタコつぼ型で、それぞれの各省単位に検討が出されている。
全体を見渡した横断的なやりとりとかシフトっていうのが、発想がそもそもないですよね。だからいつまでたっても戦争でいいますと局地戦の集合体みたいなものなんですね。それぞれ現場の指揮官が一生懸命やるんですね。まじめに一生懸命やってんですけども、あっちの局地でやってることとこっちの局地でやってることがばらばらですから、全体の総指揮官がいないんですね。
何の目的でやってんだろうかとかですね。この戦争は一体どうなるんだろうかっていうようなことはだれもわからないんで。部分ごとには何か最適を求めるんでしょうけど、全体としてみたらさあ何やってんのかな、理念も何もわからないなっていう、そういうことが余りにも多いんですよね。
だから私は一番予算がいい例だと、いい時期だと思いますから、もうちょっと政府は、政治はというか予算のやり方を見直されたらいいと思うんですね。皆さんのとこもそうだと思いますけど、私のところなんかもシーリングはなし、全体のメリハリをきかす、最後は政治的にいいというのかどうかわかりませんが、高度な判断でメリとハリをきかせてますからこんなことにはならないんですけども、
政府はどうも機能マヒしていて、このままだと本当に私はだめになるんじゃないかと、さっき木村知事も言われましたけども、地方財政対策なんかもですね、当面満足度が高いんですよ、まずまず。ですけども、もうどんどんどんどん全体としては悪くなってんですよね、奈落の底にどんどん行く。だけど当面何となくぬるま湯なんですよ。本当にこんなことをしてたらだめになりますよね、とまあ愚痴ばっかり出るんですけど。
(梶原岐阜県知事)
結論は究極は地方分権と。我々に任せてくれと。我々の方がいい政治をやるからということですわな、これね。
(橋本高知県知事)
現実論で言えば、例えばよくアドプトプログラムの話がありますが、高速でも今のり面は全部公団が買って全部やりますよね、で、あとの維持管理をしていく。それは林地であればもうそのまま民間の林地として残して借用していくというふうな形で、あとの管理は林業経営の中で管理をしてもらうというようなシステムだってあり得るだろうと思うんですよね。
個別にはそういう話も国土交通省には提案としてやってますけれども、単に4車線を2車線にしていくというローカルスペックだけではなくて、これまでのやり方も基本的に、基本的というとあれかもしれないけども、手直し的に変えていくコストダウンの作戦、そして維持管理費をかけなくしていくというやり方も幾らでも知恵としては出せると思うので、さっき木村さんと同じで高邁な話をしたんで余り細かい話をするのもあれですけども、そういうことも現場を持ってる私たちとしてどんどん一緒に提案をしていければいいんじゃないかなと、一方の現実論としてと思うんですけどね。
(梶原岐阜県知事)
2車線という言葉にこだわるんだけども、2車線というのはもうね、暫定的にはともかくも高速道路と言わないんですよ、あれは。国際的にも往復分離(ディバイディッド)というのが要件なんですよ。我々法律をつくるときにそれを大蔵省に要求したんだけども、話したんだけども、金かかるからだめだ、中央自動車道を2車線でやったでしょう。
猛烈な事故が多発したでしょう。それでコーンなんか真ん中に置いて2車線。追い越しはできないんですよ。前軽自動車がのこのこのこのこ走っとったら何ともならない。だから2車線にするっていうのは、それは高速道路ではないということならいいんだけども、高速道路ということで2車線にまで堕落はしたくないんで、一つ橋本さん、これはちょっとそこまで志を低くしてもらっちゃ困るな。
(片山鳥取県知事)
それはいつまで暫定かということもあると思うんですよね。今の経過期間中に全部4車線にしなきゃいけないというとかなり厳しいでしょうから、そうすると今の期間中だったら2車線でいいと。将来財政が好転したらもう2車線あるんだというぐらいの暫定かなと思うんですけどね。おっしゃるとおりこれで全部完成で未来永劫に片側1車線だといったらちょっとこれは困りますわね。
(北川三重県知事)
今、木村知事なんかが高邁って言われましたけども、高邁でも何でもなくて、もうそこまで踏み込まなければこんな問題は解決しないということですね。それで地方も甘えるだけ甘えて、そして国はそれをしてあげようということで、両方とも悪かったんですね。
私はもう内発的改革論者ですから、地方自治体もはっきりと我々もいやすさから脱却してね、分権をしてという、そういシステムまで踏み込まないと、解決しないと思うんです。だからそういう意味では、こういうことが一つのきっかけで公団の内部経済から全体のグランドデザイン、外部経済まで含めて予算の組み直しですから、片山さんがおっしゃる部分部分の各省マターでということでなしにということになったら、それは内閣府が強くならなきゃいけませんね。
だから政治改革をやったときに小選挙区制と内閣府を強くして今日動いてるんですが、まだだめですね。だから我々も分権の本当に責任を持ってやっていくという、もうそこまでいかないと、永遠の課題でローカルスペックの問題でガチャガチャすぐなるようではというようなことになるんで、ぜひそんな方向で進めていきたいなと、そう感じてます。
(片山鳥取県知事)
それじゃあ大体ちょうど時間も来ましたので、きょうの我々の委員会の意見交換はこれで終わりたいと思います。とりあえずきょう、ちょうどタイミング的には予算の復活折衝でもありますし、タイミング的にいい時期でありますので、意見書を取りまとめてそれを種にして回りたいと思います。先ほど来出てますように、理念というのは忘れないように、これからも継続して我々も実践するし、政府にもきちっとこのことを伝え続けていくという、こういうことにしたいと思います。
それでこの後、向こうに席を移して記者会見をしたいと思います。
一応これで意見交換は終わりたいと思います。
(司会)
ありがとうございました。
なお、各委員の方々ですが、鳥取県の方で先般御議論いただきましたホームページの方を立ち上げさせていただいております。また各県の方からもこれをネットワークにしていただきまして、きょうの御議論等もこちらの方に入れていきたい。あわせまして意見募集も含めていきたい。このように思っておりますのでよろしくお願いいたします。
それでは、記者会見の方を別席の方に用意しておりますので、そちらの方にお願いいたします。
(司会)
お待たせいたしました。それでは、ただいまから記者会見を開催いたします。
意見書につきましては皆様方の方にお配りしておりますので、こちらの方を見ていただければと思います。
それでは、質疑に移らせていただきますが、質問のある方は挙手でお願いいたします。
質問(日本経済新聞)
日本経済新聞の(アカボシ)といいますが、先ほども議論の中でありましたが、現実の問題としては七、八割満足したというような話でありますけども、民営化委員会の議論と別に今回の予算を見ていると、道路予算というのは実質拡大した部分も出てますけれども、その辺をどう受けとめられているのかみたいなところをちょっとまた改めてお話をお伺いしたいんですが。
(片山鳥取県知事)
さっきの議論を聞いていただいてもおわかりのように、我々が求めてきた理念、これは単に自分のところに我田引水的に高速道路を欲しいんだということとは別に、政治の決め方とか政策の決定の仕方とか公正さとかそういうことについて我々は主張してきたんですけども、そういう点から言うとかなりかけ離れたものなんですよね。
だけど当面の現実の問題で自分のとこの問題解決で言えば、決して満足のいくものじゃありませんけども、はしにも棒にもかからないものでもない、まあそれなりの政策なんですね。その辺のギャップをどうとらえるかというのは私自身非常に悩ましいんです。この政府の政策を称賛していいものなのか、それともバツだと言うべきものなのかが本当に悩ましいんです。
アンビバレントなものです。それだけにやっぱり私は政府は理念とか公正さとかそういうものとちょっと違った次元のところで美貌策を決められてるなという印象なんですね。ですからお答えになりませんけどね、そういう我々としても受けとめる側としても非常に複雑な問題だということです。
ぜひ私いい機会ですからマスコミの皆さんにお願いしたいんですけどね、各省が中央省庁が今非常に分断されてばらばらですよね、政策が。タコつぼ型でやってますよね。マスコミの皆さんはぜひトータルに評価をして報道していただきたいんです。
やっぱりマスコミの皆さんもそれぞれ記者クラブがあって番記者みたいのがあって、そこの中で報道が出てきてるのではないかなという気がするんですね。ですから高速道路の問題は高速道路の問題だけじゃなくて、やっぱり公共事業全体としてとらえて評価をして報道されるとか、そういうことに口幅ったいですけどお願いしたい。全体を見る視野をぜひ持って国民に情報提供していただきたいと思います。
(橋本高知県知事)
今の片山さんの話とも重なりますけれども、最初に梶原さんがさっきの会で言われたように、地方分権一括法云々になった後、逆になんか地方がやりにくくなった面がいっぱいありますね。今回の経過なんかもものすごいやっぱり地方にとっては、現実を抱える立場ではやりにくいと。だからこの予算の出方をどう判断をしてどう対応をしていくかというのが実にやりにくい。
そのやりにくさの一つの原因は、先ほども言いましたように私たちとしてはやっぱり政治家としての立場で、この国はこうあるべきじゃないかという言い方をしてるのに、マスコミでの取り上げられ方は族という立場で、そこの中の一環として地方の動きを取り上げていく。そうすると我々も現場の現実を抱えるときに、こういう予算が出てくれば現実対応も一方でせざるを得ないということになるんですね。
もうちょっとやはり地方の声というのは、何も地方に、高知県に高速道路ができるかできないかで議論してるわけではない、少なくともこの委員会では。そういう立場ではなくて、やっぱりこの国の基幹的な公共施設はどうあるべきかとか、それをどう配分をしていくかとかいうことをもっと公正な立場で、もっと鳥瞰的な俯瞰的な立場で議論すべきじゃないかということを申し上げてる。
そのことをもっともっと取り上げて国に対して働きかけていただければ、こういう予算が出てきたときにどう対応するかっていうのはもっとやりやすいんだろうと思うんですけれども、そういう今現状じゃない。さっきのように2つを対立させて、どっちかが悪に近いというようなものの見方でしか報道されないと、なかなかその中で動きにくいなというのが私の印象です。
(司会)
今の御質問でほかの知事さん方の方はよろしゅうございますか。もしありましたら。
(梶原岐阜県知事)
ちょっと私から申し上げたいのですが、岐阜県の場合ですね、いわゆる道路公団の高速道路問題はほとんどないんですよ。東海北陸自動車道で、あと飛騨トンネルという10.7キロのトンネルを掘削してもらってて、それが抜ければもう東海北陸自動車道完成という段階まで来てまして、まさか今一生懸命掘ってるトンネルを凍結ということはないであろうと思うんですね。
もしそんなことをしたら私はいつも日本政府の精神鑑定を求めると、こう言っておるんですけども。ということで要するに地域エゴで私たちも論じてるわけじゃないんですよね。さっき橋本知事も言われたように、国というものを考えた政治家という立場でみんなで考えてると、マスコミの一部では何かこう地域エゴだ、抵抗勢力だというふうにとられますけれども、我々は決してそんなけちな了見でこの問題を扱ってるということではないんで、ぜひその点をこの機会に御理解をいただきたいというように思います。
(木村和歌山県知事)
初め話すつもりはなかったんだけど、皆さんの意見にちょっと触発されたんだけど、例えば今小泉構造改革を進められてるんですよね。それで構造改革の中にもやっぱり一生懸命規制緩和とかいろんなことが、完全によくは僕は全然なってないと思うけども、少なくともいい面がものすごくあると思うんです。
そしてまたやはり日本の国は構造改革、財政改革じゃないですよ僕が言うのは、財政改革じゃなくて日本の国のいろんなやり方を変えていく構造改革というものは、僕自身は指示してるんです。今もそれに期待してる面も実はあるんです。だけど、この高速道路の問題に関して言えば、なんかこういうふうに知事の人が集まってやるのが、言ってみたら改革つぶしみたいな雰囲気でマスコミの方も一元的にそういうふうなとらえ方をされるということは、これはやっぱり僕は日本の国の今後のあり方にとっても非常に不幸なことなんでね、
やっぱり一つずつのことについて僕らはやっぱり地方主権とかいろんなことの中からこうあるべきだということを言ってるんで、オール・オア・ナッシングの議論をしてるんじゃないということをぜひマスコミの方にもわかってもらいたいし、何か政局的なことで構造改革がいいとか悪いとか、そんな形の判断も余りしてもらいたくはない。いいものはいいし、悪いものは悪いということで一つの基準に従って意見を言っていってるんだということを理解、なかなか理解してもらえないと思いますけども、わかってもらいたいなという感じが非常にするんですわね。
(梶原岐阜県知事)
そういう意味で我々は日本の言論の自由を守るための会でもあると、泣き寝入りをしないと、堂々と主張すべきは主張すると、何でも抵抗勢力で片づけられてね、泣き寝入りしとったんでは日本の言論の自由はどこにあるかということになってしまうと思うんですよ。
こんなことをやっててどれだけ得があるのか、黙ってほいほいとやってた方が得かもしれんよ、これ。だけどやはり国のために日本の民主主義のために、あるいは自由を守るために主張すべきは主張するというのは我々の精神でしてね、たまたまこの高速道路問題でそういう具体的な姿勢を示したと、こういうふうに皆さん御理解をいただきたいというふうに思います。
質問(日本テレビ)
小泉政権になって、そういう中央と地方の差が広がってるという御意見を皆さんおっしゃってるわけですけれども、そうした中で北川知事への国政復帰の要望というか、永田町にはあるんですが、ほかの知事の方々に、こういった地方の知事からまた国政に復帰するということについて、北川さんに限ってじゃなくてもいいんですが、できれば限ってほしいんですけれども、コメントをいただければと思うんですが。橋本知事からお願いします。
(司会)
済みません、ちょっと御質問の会社名を言っていただくとなおありがたいんですが。
質問(日本テレビ)
日本テレビの(サトウ)と申します。
(橋本高知県知事)
北川さんがそんなばかばかしい選択をする人とは僕は思いません。
(片山鳥取県知事)
私は、北川さんがこれから何をされるかわかりませんが、いずれにしても地方分権、地方自治の実現、北川知事の言葉で言えば生活者起点の社会づくり、これはライフワークとしてやられると思うんですね。それは大いに期待していますし、我々もまた助けていただくことが多いと思います。万が一国政に復帰されるんであれば、それは私は今日までの培われた経験をフルに発揮をして、国と地方との関係をきちっとしていただくにはふさわしい方だと思ってます。
(木村和歌山県知事)
生活者起点という話が出たけど、やっぱりこれからの日本の形の中で地方主権、そしてまた県民とか住民とかそういう人の目線で物を考えていくということが、やっぱり日本が21世紀に名誉ある国になっていくための僕は一つの大きな要素だと思うんですね。
だけどそういうことについてアドバイスをしたり、そしてまたそういう人たちの意見を集約したりするよりどころみたいなものが今のところない。分権だからよりどころはなくていいのかもしれないけど。だけどやっぱりそういうふうなことを考えてる若い人とか、いろんな人が僕は世の中にあふれてきてると思う。
そしてそれは何も政治的な野心とかそんなふうなレベルのことじゃなくて、やはり内発的なもので、これは何とかというような気持ちがある人が僕はふえてきてるんで、これは北川知事がこれからどんな活動をされるかわかりませんけれども、そういう人たちのよりどころというふうなことには僕はなり続けていただきたいような気持ちを持って、非常にこのことについては大いに期待をしているということを申し上げておきたいと思います。
(梶原岐阜県知事)
じゃあ北川さん飛ばして私から。我々、仲間としてこのまま、ただ年とっていくだけということでも困るし。やはり国に対して影響力を持つような活動をしてもらいたいというのが私の気持ちで、といって今国政に復帰で既成政党に埋没したら何のための生活者起点で格好よくしゃべっとっただけじゃねえかとこういうことになって、北川が泥川になってしまうんじゃないかと。
だからせっかくこういう高い識見能力があるんだから、今だれかが言われたように地方分権、あるいは生活者起点の国政、政治ですね、そういう流れをどんどんどんどんつくっていくような全く新しい感覚の活動ですね、政治的影響力のある活動、こういうものをやってもらいたいなと私は思うんです。本人はどう思っとられるか知らんけども、このまま失業しとるわけにもいかないんで、我々で失業対策を考えないかんと、きのう夜も話しとったんですが、いずれ失業対策委員会をつくって方向づけをしないかんと、どうですか、北川さん。
(増田岩手県知事)
北川知事さんといろいろ話しするようになった、もちろん私も同じ時期に当選してましたんで、それから後ですけども、今まで来てみてとにかく全く想像、こういう行動するだろうなんてこと全く関係なしですから、この間のようなことも別に驚くに値しないというか、そういうことも大胆にやっていかれる方なんで。これから私自身もどんな行動されるのか全くわかりませんし、そういうことを予測を超えたことを多分やられることをむしろ期待をするところが大変大きいですね。
きのうちょうどたまたまこのメンバーでいろいろ話する場がありましたけども、御本人はその11月末の決断以降に言っておられたようなコメントぐらいしかありませんでしたけれども、でも私の希望で言えば全く新しい手法でっていうか、要は想像もつかないような手法で大きなうねりをぜひ起こしていただきたいと、そのことが今までの手法にのっとったことでうねりを起こすんじゃなくて、全く新しい手法でうねりを起こすような、そういうところを切り開いていっていただきたいなと、隣に御本人を目の前にして言うのも何となく面映ゆいんですが、そんな気がしております。
(橋本高知県知事)
さっきちょっとばかばかしいと言いましたけど、何も永田町がばかばかしいということじゃなくて、この会もそうですけれども、さっきから言っているように地方に高速道路をつくってほしいという要求団体でも何でもないわけですよね。今のやっぱり日本の法政策決定の仕組みは何かおかしいんじゃないかと、そういうものをもっと根本的なところから変えなきゃいけないんじゃないかという趣旨で集まっています。
それをやっていくときに、今例えば北川さんの立場でベストかどうかわかりませんけれども、国政に戻るというようなことは一番いい選択肢では明らかにないだろうと、もっとやっぱり私たちのネットワークを生かしてもらって国を動かしていくとか変えていくということが十分できる時代になってきてるのではないかなと、
そういう目でもし例えばマスコミの皆さんが、この会を高速道路を地方につくる会ではなくて別の意図があるんだなということを、感じ取っていただければ、北川さんがそういうネットワークを使って何をしていくかということは、国政以上の世の中を動かす力が出せるということを感じ取ってもらえるのではないかなと、そういう意味でそんなばかばかしい選択はしないのではないかというふうに申し上げました。ではないですかね、北川さん。
(北川三重県知事)
まあ人のことを勝手にいろいろ言っていただいて、当分無所属で来し方振り返って行く末考えます。そんなとこですね。
質問(日本テレビ)
それで、保守新党というのが25日に誕生するんですけれども、マスコミは若干エールを北川さんに送っているという声も聞くんですが、熊谷さんの経済政策で消費税をゼロに戻せと、一方で円安誘導だというような政策も抱えてらっしゃるんですけれども、この政策についてはどういうふうに思ってらっしゃるでしょう。
(北川三重県知事)
今初めてお聞きしたんで、詳細にわかりません。
(司会)
そのほかございましたら。
質問(朝日新聞)
橋本知事と片山知事にお伺いしたいんですけれども、済みません。朝日新聞です。道路の方に話戻るんですけれども、高速道路ではないんですけれども一般の公共事業の道路予算ですね、例年、去年に続き3大都市圏については10%以上の伸びを示し、一般の地方道に関してはマイナスというような傾向が、どうも去年ことしと続いています。
そのあたりで3大都市圏には重点的に配分されて、地方にという、なぜそういうことになってしまうのか、人口で言えば当然都市圏の方が多いですね、そのあたりでその思いを伝える意思、そのような予算になっていったことについてどのように分析するか、それについて地方としてはどういう論理で道路がどれだけ地方に大切なのかというような原点的なことをちょっと一言ずつ言っていただきたいと思います。
(片山鳥取県知事)
今の質問も結局縦割り、タコつぼの中からの、失礼ですけど、というのは私いつも言うんですけどね、国土交通省の一般地方道についてこうやりますああやりますとこうやって配分決まるんですね。ところが道路っていうのは高速道路もあるし、一般国道もあるし、一般県道もあるし、市町村道もあるし、農道もあるんですね。
全体を通じた見直しなんて政府は全然やってないんです。だから農道は農道で従来通りのやり方になるし、それから県道は県道でまたちょっと別のやり方になるし、高速道路は優先順位高いけどだめだって言う。こういうばらばらばらばらした政策なんですね。そういうことをやめて全体、公共事業をひっくるめてこの地方には今何が必要なのかというサーベイをしなきゃいけない、検証をしなきゃいけないんですね。
その上で例えば一般の地方道が都市圏の方が需要が多くて地方の方は高速道路の需要が多いというんならばそういう配分にすればいいし、ところが今現実にはそういうことはなくって、地方の方の今需要の強い高速道路はだめだと言って、それでそのほかのものは検証しないで、部分的に県道とか都道みたいなものは大都市圏に優遇しましょうということですね。
そういうばらばらの仕組みがいけませんよということを今言っているわけです。ですからできれば高速道路はこれは私は国のネットワークですから国家が政策的にちゃんと決めなきゃいけないけども、その他の地方が関与するものについては、今の補助金配分方式をやめて地方に任せるような選択とか、優先順位を地方に任せるような仕組みに大胆に変えるべきだというのが私の主張であります。
(橋本高知県知事)
2番目にしゃべると楽になりますのでね。基本的には同じでございます。それで、タコつぼ云々ということではないですけれども、そもそも道路ということだけとってもいろんな各省でいろんな道路というか持ってるわけですね。それをまさに各省別でやるんじゃなくて、地方なら地方に一定のものを交付をしてもらって地方の判断でやっていけば、それだけでもより効率的で、また地域のニーズに合ったものが十分できるというふうに思います。
というふうにどれぐらいの大きさで見直していくかということはありますけれども。基本的に今のやり方をやっぱり変えるという発想に立たないと、出てきた予算をどう評価をするかということを繰り返してると、先ほどからの議論にあるように何か今のほころびを手直しをして、地方も国も痛み分けで何とかやっていきましょうねということがいつまでも続いて、どっかでパンクをするだろうというふうに思いますし、そういうことを変えていくために何をすればいいかと、北川さんも考えていただいているんじゃないかなと、ね、北川さん。
(梶原岐阜県知事)
お呼びじゃないけどちょっとお話ししたいと思います。今日本の都が今滅びようとしてる兆候だと思うんですね。富士山の頂上にいる東京の人がこんなすそ野は要らないと、みずから削ってるんですね。みずから支えているすそ野を削ろうとしてるのが今の日本の都だということですね。昔中国の話ですが、唐の長安の長者の息子が、米はどこでとれるのって聞かれたら、かますの中からとれるのよと言った話があるんですよね。
今東京の人はトマトはスーパーでとれると思ってるんですよ。鳥取とか高知とか、そういうところの野菜が延々と道路を走ってきて、とにかくまだ星が出てるところをもがなきゃだめなんですよ。畑から朝露を踏んでトマトをもいで、そしてそれが東京都の皆さんの食卓に上がってると。
東京の人はトマトはスーパーでとれるから地方に道路は要らないと、こういうことで古今東西の歴史で都が地方に冷たくなったときが衰退の、衰亡の兆しであると。これは例外はないんです。そのことを私は憂うるんです。いたずらに東京対地方の、大都市対地方の対決をあおるようなことをやっとるんじゃないか、目先だけ追って。私の予言は必ず当たります。
(司会)
参考でございますが、きょうの資料の中にも高速道路の経済効果事例というので、このような形にまとめております。今お話しになったことも一つの事例ではないかと思いますので、また目を通していただきたいと思います。
(梶原岐阜県知事) 資料を見ていただくと宅配便ももうブロックを超えて、7割がブロック間輸送なんです。皆さん毎日使ってるんです、宅配便。それから東京の市場に入ってくる野菜なんかの、それ、資料あるでしょう。
(司会)
資料の3ページに載っておりますが。
(梶原岐阜県知事)
それをよくごらんになってください。そういう現実を無視して大都市に傾斜配分していくと、むしろ大都市というのは構造改革しなきゃいけないんですよ。もう既に下水道でも治水事業でも道路事業で一番金が入ってるんです。
治水の安全度だとか下水道の普及率とか道路の改良率、非常に高いんですが、なおかつそれに上乗せしてる、本来は政治というものはおくれたところに金を入れなきゃいけないのに、そういうようないろんなことを考えると、いよいよ日本から脱出した方がいいんじゃないかなというぐらいの気になりますよ。だからもう我々は独立したいぐらいなんだ、日本国から。共和国を一緒につくりましょうや。北川大統領で。
質問(読売新聞)
読売新聞です。この会の一応取りまとめが片山知事がされてるということで片山さんと、それから私は和歌山から来とるんでちょっと木村知事にお伺いしたいんですけれども、こういう形で地方委員会をつくられて、ある種言論活動を通じて国の側にずっと提言されてこられたわけですけれども、そういった活動に対して今小泉内閣なわけですけど、実際にごらんになられて政府の側が、あるいは小泉さんの側がどの程度真剣に受けとめられてるのかと、
先ほどある程度我々の意見も反映されてる部分もあるようだがというような話もありましたけれども、実際こういった言論活動、知事さん方のをどの程度真剣に受けとめられてるのかというふうに思われてるのかというのと、ある種こういった言論活動だけでは限界を感じてるような部分はないのかと、先ほど北川さんがこういう形で北川新党というわけではないんでしょうけど、そういった話もあるんですけれども、言論活動だけでなく、もう少し実際の政治的な活動の必要性というのも感じられてるような部分はおありではないのかといったこと、ちょっとお聞かせ願えればと思うんですが。
(片山鳥取県知事) 我々は高速道路の問題に限らず、例えば財政問題でもそうですし、それから木村さんなんかが中心になってやられた公共事業のあり方を見直すというような問題でもそうなんですけども、いろんな局面で今政府に対して地方の現場から、文句であったり要望であったり提言であったりアドバイスであったり、いろんなことを申し上げるんです。
それをどの程度真剣に耳を傾けていただけるかっていうのは、それぞれの場面で違いますが、私のざっとした印象ではそんなに真剣に耳を傾けていただいてるという印象はありません。ですけども何回も何回もしつこく申し上げてますし、それから余り反応が鈍いと失礼ながら悪口を言ったり文句言ったりしてます。
そうしますとある程度反応があります。やっぱりそんなに文句を言われるとまずいなと思われるのかもしれません。例えばこの高速道路の問題ですと、8月の30日に民営化推進委員会の中間取りまとめが出て、早速9月の初めにこれつくったんですけどもね、その第1回目のときに政府に対して、政府が我々の意見を直接聞いてもらいたい、民営化推進委員会の委員の人が地方行脚するときに聞いてくれるんじゃなくって、直接聞いてもらいたいという話を申し上げて、何回か言うんですけど音さたがなかった。
私も業を煮やして北川さんと一緒に福田官房長官にお会いしたときに再度申し上げたんですよね。再々度申し上げた。そうしたらやっと動き出して、11月の下旬になったんですけどね。だからやらないわけではない。無視するわけでもない。やっていただけるんですけど、反応が極めて鈍い。そういうもどかしさを持っております。ですけどまあまあ、ある程度は聞いていただいてるのかなと思います。
それから限界を感じるんではないかというのは、限界というよりはそういうもどかしさですね。もどかしさはあります。だからといって、でも例えばみんなで国政に出てという気はありません。それは我々は現場にいて、それぞれの地域の現場にいて、現場から力をもらって、それを政府にぶつけるところにパワーがあるんだと思うんです。
ですから多少なりとも政府に対して影響力があるとすれば、それは我々が現場から力をもらってることですから、これを失ったらかえって発言力はなくなるんじゃないかなという気がします。ですからそこは私は今の国会議員の皆さんに、私は今地元で言ってんですけど、国会議員の皆さんにちゃんと国政には我々の言ってることをちゃんと注入してくださいという話をしてます。それは国会議員の仕事だと思います。
もう一つは、再度お願いしますけどマスコミの健全な報道というのが一番だろうと思うんですね。国民の皆さんに対して本当に今の実情を縦割り、タコつぼから出てくる情報じゃなくって、全体を俯瞰した全体の視野から見た政府の政策の評価というものを国民に伝えていただく。その中から健全な世論というものが出てくる。それを私は期待したいと思って、めげないでこれからも頑張りたいと思ってます。
(木村和歌山県知事)
私はちょっと片山知事と違うのは、僕は今回のこの高速道路の運動なんかも非常に有益だったというふうに実は考えてるんです。それは確かにこちらが政府なんかに僕も片山君について申し入れしたりしたんだけど、そういうときの対応なんていうのははっきりいっておざなりだし、それから別に僕らが書いていったものを真剣に読んだというふうな形跡もない、これは今までと一緒なんですわ。
だけど例えばこういう会を開いてこんなにたくさん、きょうは大分もう4回目だから大分減ってきたかもしれないけど、マスコミの人が見に来てね、それでそれを一つの高速道路についてこういうことを考えてる、どっちかというといつもははね返りみたいなこと言うてるような人らが、この問題についてはこう言ってるというふうなことを言ってるのはね。やっぱり民営化委員会の人にも一定の僕は影響を与えてきてると思うし、それからまた守旧派と言われてる人たちにも一定の方向を与えてきて、やはりそれが僕は今日の結論に来たことの一つの要素であるというふうに自負はしています。
そしたら全国知事会みたいなみんなの会でやったらいいやないかというようなこともあるのかもしれないけども、だけどやっぱり世の中というのは非常に複雑なんで、志が同じような人が集まっていろんなことを提言していく、そしてそれに今日本全体がフラストレーションというか閉塞感がある中で、そういうことを大きくマスコミの人も取り上げて、そしてまたそれに国民の一部の人も感動していってくれるということが大きな運動になってくると思うし、それが必ずしも中央の政党だけの話じゃないと思うんです。
僕はやっぱり最後は日本の国を変えるのはやっぱり政党であり、国会議員がやっぱり変えていくのが民主主義の僕は仕組みだと思うけれども、しかしそこまで持っていくまでの本当の意味での地方主権国家をつくるということの必要性の訴えかけというのはやっぱり現場を持ってる人間が集まって、そしていろんなことで発信していく中で日本全国にやっぱりそうじゃないといかんのだなと、
21世紀はやっぱりそういう形じゃなかったら、もう日本はもたんのだなというような形を伝導していくということは、僕は非常に大事なことだと思うんで、そういう意味ではこれは高速道路で集まってるわけだけども、いろんな事柄でこういうふうな形でネットワーク化しながら発信していくということは、僕は今の段階としては非常に有用な段階だと思います。
またその先にはもっと大きな段階を考えていかないとやっぱり日本の国はややこしいし、今までの制度を変えるというのは相当なエネルギーが要ることはあれなんだけど、昔の分権一括法ができたとかいうころに比べれば、相当進んできてるのは、僕らもいろんなとこに身を置いて見てきてるけど、間違いないというふうに思うんで、そういうことでさっきの北川知事の今後の話なんかにもあったけど、そういうふうなネットワークがまず大きな役割を果たしていって、一定の世論形成に役立っていくというふうなことを僕は思ってやってます。これはほかの方たちとは意見が違うかもしれませんけど、ちょっとそんなことは思ってるんですけどね。
(司会)
ありがとうございました。そのほかございますでしょうか。
時間が、今後の予定だけ先申し上げますが、10時30分から古賀誠自民党道路会長と面談という形になっておりますので、よろしくお願いします。
質問(山陰中央新報)
鳥取県と島根県の新聞社で山陰中央新報社の田中といいます。先ほどの意見交換の中で、政府の予算編成の仕組みがタコつぼで縦割りでというのに対して、片山知事さんが自分とこではシーリングを外したり高度な判断でできるようにしているというお話があったかと思うんですが、それぞれの県でそうした工夫なり取り組みがあればちょっと教えていただければと思いました。
(北川三重県知事)
私どもは総務局というんですが、うちは課をなくしましたからチームというんですが、まず財政という言葉をなくてましてね、ケース管理課にしろと僕は言ったんですが、負けて今予算調整チームです。それで包括8割ぐらい、今回は7割ちょっとですか、各部局に包括配分しちゃうんですね。それで財政当局に切られたとかそういう議論ではなしに、御自分たちで決定していくというようなことが一つあって、当然総合行政ということになります。
部局はまだ残念ながら残してあるんですが、課は全部なくなりましたから、課益とか課長の仕事が定数をふやしたり予算をふやすという、そして仕事を減らすという錯覚で来たんですね、これ。だからそういうことはマネージメントでどんどんプロジェクトチームをつくって、必要なときに必要な人員、予算は回すという、そういう総合行政がかなりできてきていると、そう考えます。
そこで私は今度3選不出馬の最大の理由になったんですが、政策推進システムというのをつくりまして、私どもは三重の国づくり宣言という総合計画を持ってますが、その総合計画の数値目標と予算と人事と組織、定数を全部リンクさせまして、4月から5月にかけて全部前年度のチェックをして、リンクをして総合行政でやっていくということですから、プライオリティーが各部間のプライオリティーよりはむしろ全体の流れで全体最適の中で見ていこうと、こういうことをしてます。
したがって、公共事業も一元化ということで、国でいえば国土交通省と環境省と農林水産省の仕事を、これも全部一括で調整をしております。それでもう一つは新しい価値創造というので、これはもうコンペティションで決めていくというので、全体の15%でしたか、決めて、それは全部コンペでやっていくというふうに変えています。
それはなぜかというと、結局県民の皆さんに説明責任が縦割りではできなくなってきてるんですね。したがって、総合行政の中でアカウンタビリティーを果たしていくと、そういう努力を我々はしていると、こう申し上げておきます。
(片山鳥取県知事)
せっかく地元紙ですので、私もお答えしますけど、私も3年半前に就任してから、予算っていうのを弾力的にやろうということでシーリングはもうやめました。ですから自由に要求してください。査定は見識を持って査定しますということにしてます。それから重点項目はもうトップダウンで示して、それについては予算を充実する、施策を充実するということをしてます。
例えば従来、鳥取県も御多分に漏れず公共事業中心の県でありますから、土木建設費がダントツだったんです、目的別歳出整理で。今教育費と並びまして、多分15年度予算は教育費が1番になります。それぐらいの大きなシフト変動が今我が県では起こっています。
それから部局の問題も、従来から中央省庁の方に対応したそれぞれの部局で再編成されてますけど、今それが流動化してまして、例えば農道と県道なんて今同じ課でやっています。農林部から県土整備部っていうとこに移しています。漁港と港湾も同じ部局でやってます。これについては霞が関から物すごいしつこいアドバイスがありましたけども、それ関係なくもう今やってます。そんなことをすることを通じて、総合行政ってものができるようになります。
それから教育重点にするって言いましたけど、お金ありませんから、例えば30人学級を今やってんですけどお金ありませんし、文部省くれませんから、ことしから職員の給料を5%カットして、その財源を充てるというようなこともやってます。そんな従来型の前例投資の予算だとか、部局間のバランスとかシェアを考えた予算とかそういうこと、もう一切関係なくやってるところであります。
(司会)
予定しておりました時間を少し超えましたが、よろしゅうございましょうか。
これをもちまして記者会見の方を終了させていただきます。
なお、今後の予定でございますが、10時30分から古賀誠自由民主党道路調査会長さんとの面談を予定しております。以上でございます。