環境学ワークショップでの知事挨拶

公開日 2007年12月07日

環境学ワークショップでの知事挨拶

平成14年6月29日(高知工科大学)

 皆様、こんにちは。本日は、この高知工科大学で、環境学のワークショップが開催されますことを、知事としてもまた、この大学の理事長としても大変嬉しく思いますと同時に、足下の悪い中、学生さんをはじめ多くの方に参加をしていただきまして、誠にありがとうございます。

 この大学はご承知のとおり、公設民営という形で、平成9年4月にスタートしました。また学科5つありますけれども、いずれの学科にもシステム工学という名前をつけています。その心は、専門的な領域のことはもちろんですけれども、専門の領域を越えて学際的な知識、また学際的なものの見方のできる、そういう人材を育てていきたいということからでございます。

 またその上に立って、20世紀を支えてきた大量生産、大量消費型の技術にかわって、21世紀の環境を大切にする資源循環型の技術やシステムを考えていくことも、この大学の大きなテーマでございますので、その意味で今日、環境学のワークショップがここで開かれますこと、とても意義のあることだと思います。

 また、今日はこの後、岡村学長はもちろんでございますが、本学から村上先生また向畑先生、そして河野先生が講演をされることになっております。それぞれの先生方の顔を思い浮かべますと、すぐに水のこと、またこんにゃくのこと、さらには、檜のエキスや深層水のこと、それぞれの先生方が対象にしておられます自然の素材が頭に浮かんできますし、そういう中から21世紀を支える新しい技術やシステムも、またビジネスも出てくるのではないかと期待をしています。

 またこの高知県は、四万十川だとか、森林だとか、さまざまな自然環境に恵まれています。ですから、県でも自然を大切にした土木技術の研究だとか、また自然を大切にした博物館いわゆるフィールドミュージアムへの挑戦などさまざまな取り組みをしてまいりました。

 で、今日は、ちょっと時間をいただいて、もう少し、身近な自然環境の一つのテーマとして、竹やぶの話をちょっとだけさせてもらいたいと思います。というのは、この間高知市の西隣に春野町という町がございますが、この町で竹やぶの調査をしている方とお話をしたからなんです。春野町はもともと、竹の子の産地でございまして、江戸や明治の頃から、中国から入ってきた孟宗竹が、各農家の裏庭に植わっておりました。ところが、この孟宗竹が、年々、どんどんどんどん、その面積を拡大しているというんです。

 と言いますのも、一つは竹やぶの手入れをする方が高齢化で、なかなかいなくなったということ、もうひとつちょっと前までは、私達の身の回りには竹カゴをはじめ、竹を使った生活用品いっぱいありました。これが20世紀の大量生産、大量消費の中で、どんどんプラスチックなどの工業製品にかわってしまった。

 このために、竹の消費がなくなって、竹やぶがどんどん拡大をしているというんです。この方が、お調べになりますと、大体年に3メートル?4メートルくらいその竹やぶの範囲が広がってくる。航空写真で調べますと、ある地域では、昭和50年代には全体の11%くらいだった竹やぶの面積が、今は、20%を越える、つまり、20年で10ポイント以上も竹やぶの面積が増えたと言います。

 この方はおじいちゃんなんかからは、竹やぶに入る時には今日のような雨の日であれば、雨傘をさして入れるような竹やぶ、また天秤棒をかついで歩けるような竹やぶじゃないといけないよと、それぐらいの管理をしなきゃいけないよという事を言われたそうです。

 が、もう今は、竹やぶに入ると人が歩くのもようやっとで、とても雨傘などさせない。だから、昔話に竹取物語のかぐや姫の話がありますが、今の時代だったら、竹取の翁が竹やぶに入ってもとてもかぐや姫は見つけられないだろうし、斧で切ることもできないだろうというような話もされていました。

 地球環境全体ですと、砂漠化でどんどん砂漠が広がるということも大きな問題になっていますが、身近なことでは、こうした竹やぶが広がる“竹やぶ化”も大きな環境問題ではないかと思いました。

 また、その背景には、中国から入ってきた孟宗竹というような外来種によって、日本の生態系が乱されるという問題もありますし、また、プラスチック製品に自然素材がかわっていく、ま、そうした生活体系の変化ということもあろうと思います。

 このように、私達の身の回りを見れば、環境に対して考えなければいけないことは一杯あるなということを、その話から思いましたので、ちょっとだけ紹介をさせていただきました。

 今日のこの環境学のワークショップでこの環境に対する関心が、またいろんな研究の方向が、どんどん進むことを心から期待をしていますし、またこのワークショップが環境学の発展のため、進展のために、何かの大きなお役に立てること、また立っていただくことを心から願って私の挨拶とさせていただきます。
 どうもありがとうございました。

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