公開日 2007年12月07日
更新日 2014年03月16日
知事の定例記者会見
平成14年7月23日15時00分から(県庁二階第二応接室)
(山下朝日新聞記者)
今日、第1回の産業振興プロジェクトチームというのが午前中に開かれ、非常に活発な議論が交わされたんですが、ただ、初回ということもあったんですが、そもそも何をするプロジェクトチームなのかというあたりから議論が始まってしまいまして、もともとは知事の6月議会の提案理由説明が発端となったプロジェクトチームなんですが、そもそも知事の考えはそのプロジェクトチームでどういったようなことを具体的に行って、どういうような成果を目指したいのか、そもそもどういう意図だったのか、というところからお願いできればと思います。
(知事)
僕は、個別の産業振興の事業で、例えば、三菱の工場を建てる、それから宿毛で、今、話を持ってこられている魚のえさをつくる会社をひっぱってくる、また、西武百貨店が撤退をされた跡地のこととか、さまざまあります。
で、そういう具体的なものを実現をする、そのためには、今、手持ちの、商工の持ってる、また港湾空港局の持ってる用地ありますね、造成したものが、それを従来型の売り方で売れるわけもないと。
売るだけではなくてリースという方法も勿論あるし、しかもそれが売れないことをわかりながらというか、そういうことを覚悟しながら何年も置いていくことを思えば、何年間かはもうただで使っていただくというような思い切った方法がないとですね、とても高知のようないろんな問題を抱えた地域に、企業が進出をしたり、県内の企業がそれを活用したりということはないんじゃないかと。
で、それをする時に、当然、商工とか港湾というだけではなくて、さまざまな絡みが出て来ると。
例えば、単に用地を売るというだけではなくて、その時に他の競争相手とのことを考えた時にですね、世界中から材料を仕入れる企業であれば、その仕入れる料金が他の地域より高くなると、CIQの問題とかさまざまありますけれども。であれば、そこに例えば船をひくことができないか、釜山航路を寄せることができないかとか、いろんなことを一緒に考えていかなきゃいけないと。
で、それを、一つのことを何かやってから商工が財政課に話を持って行って、またすったもんだを何ヶ月やっていくというのではなくて、一つの目標、ニつの目標と立てていったら、それが実現するのに必要なことを考えて、それを実現することを目指して取り組むと。
成果が出たら、それにあわせた本当は僕はボーナスを出すなり何なりしていくべきだと思いますので、そういうような成果というか目標がわかって、つまり目標がきちんとして、それによって成果が出たかが出ないかを見て、出ないからマイナスの点をつけるという意味じゃないですけれども、成果が上がったものはもうプラスで評価をしていくというような形のプロジェクトをやりたいというふうに、自分は思っております。
ただ、なかなかそういう思いというのはストレートには伝わらないところがありますし、また、中で議論をすればすったもんだの議論でいろいろなことが出ますので、いきなりそうきれいな形じゃなくても、しかも今、国体もやってて、なかなかその人振りが難しいという状況ですから、その中で何人かをピックアップをしてグループをつくるということが難しいのであれば、まず最初はそうやって一定の担当者が集まって議論をして、具体的な目標を定めていくというところから始まってもやむを得ないのかなと思っております。
(山下朝日新聞記者)
企業誘致の話なんですけども、どこの自治体も非常に苦労しておりまして「無償リース、何年か後に一括買い上げ」といった方法を採ったところですとかあるんですけど、あってもなかなか、まあ山口県なんかでもそういうケースがあるんですけれども、あってもなかなか成約がないと。
他の自治体も、このあいだ三重県がシャープに90億円助成したとか、非常にこう、金額が多ければいいというわけではないんですが、非常に大胆な手を打っている。何かこう、そういったものに対抗できるような腹案があっての…。
(知事)
いや、だから、そういうやり方ではできないだろうと思うんです。
というのはなぜかというと、一般論として、不特定多数の人に対して店開きをして売っていくという商法では、とても買い手はいないだろうと。
一定、その買い手になり得る人っていうのは決まってるわけですから、まあ宿毛にしろ、三菱にしろ、またコールセンターをやるという意欲を持っておられる企業もありますよね。で、そういう所はもう決まってるわけですから、そういうような企業がどうであれば出て来るのかということを、もう具体的にやってですね。
で、これは例え、この景気の状況ですから2年先でも3年先でもいいんですけれども、そういうことを、まあ1つは自分が行ってトップレベルで詰めるということもあります。そこで出されたテーマとか課題というのがありますから、それを具体的にできるかできないかっていうか、できないものをできるようにして、商品として売り物として作り上げていくという手法だと思いますので、その腹案として「これをただで何年間」とかいうことを不特定多数に店開きをして、地方で企業が育つという時代ではないだろうと思います。
(山下朝日新聞記者)
もう一つ、エコサイクルセンターに関しても同じくプロジェクトチームをつくってやりたいと。まあこれはだいぶ事情が違ってくるわけなんですけれども、こちらの方はどういうような意図で?
(知事)
一つは、日高の計画も始まって10年経ち、その間に産業廃棄物をめぐる情勢、法的な整備もありますし、それから実際の産業活動としての環境の変化もあります。つまり、どれだけのものが出て来るのかという数値的なものもずいぶん変わってきてますし、これからまた5年、10年ということを考えれば、どの産業分野からどういうものが出て来るのかというようなのは、ずいぶん従来の数値よりも変化をしてくるだろうと。
そういうことをきちんと押さえて把握をしなければいけませんし、それに対する処理の方法も、さまざまな、製鉄メーカーがやってるようなものから、微生物処理のものまで、私のところへの売り込みも含めて、さまざまなものがあります。で、そういうもののうち、どういうものが高知県の実情にあっているかということを考えて、その計画を作っていかなきゃいけないという面があります。
もう一つは、やっぱり、一番大切な用地をどこにどうしていくかということがございますので、用地の経験のある人、また、今申し上げたような産業廃棄物の動向だとか、その処理の手法について一定の専門知識を持ち、またそれを理解ができる力を持ってそれぞれのアクションプログラムを描いていける人等々が必要になりますので、一部、人も少し入れ替えを行って、また人数的にも補強をしてプロジェクトとして一緒にやっていける、今申し上げたようなことを同時進行でやっていけるようなチーム編成にしていきたいと思っています。
(植村高知放送記者)
昨夜のコンベンション協会の会合の中で、また黒潮リーグを復活させようというようなお話が出たように伺っていますけれども、その点について…。
(知事)
いや、復活させようとは全然言ってません。そんな芽も全くありません。というのは、コンベンションの会で、「私も率先してあちこち出ていきますから、何なりと使って下さい。それで一緒にやっていきましょう」ということを申し上げるのに、ただそう言っても具体性がありませんから。
一つは、このあいだ福岡に寄った時にJTBと近畿ツーリストに行きましたから、そのことを申し上げ、また先日、旅館・ホテル業界の方々とお話をした時というのは、マスコミが入っておられた分とは違いますけれども、また別途お話をした時に、黒潮リーグの話が出てですね、まあ数年前にやまったわけですが、「今、関東地区でやっていて、その関東地区でのやり方が、各球場を回っていくので、かなり経費がかかって球団にとっても大変だ」と、「そのために辞めたいというところもある」と。
一方「やはり教育リーグというのは必要だから続けたい」というところもあって、それに対して宮崎がかなり攻勢をかけているという話がある。知りません、嘘か本当か。 で、それを一つ、声をやっぱりかけていくぐらいは姿勢としてやったらどうかという話があってですね、「これはもう是非やってみよう」と。
せっかく何回も東京へ行く機会もありますので、「どこに行けばいいのかな」という話をしてたら、「それはプロ野球コミッショナーだ」というので、今度、川島さんところにご連絡をして、お時間があるというので、会いに行くということでございます。
(岡村高知新聞記者)
住基ネットの件なんですけれども、8月5日の稼働前にいろいろ全国の自治体で動きが出てるんですが、県も議会で施行条例が可決されて準備を粛々と進めてるんですけども、知事ご自身、この住民基本台帳ネットワークシステムの運用についてどのようなご見解を持たれていますか。
(知事)
僕は、これまた前の個人情報じゃないですけれども、十分細かいところまで精査していませんので、そこまで責任を持っては言えませんけれども、感覚的なことで言えば、相当危険をはらんだネットワークで、私が市町村長であればたぶんやらないんじゃないかなというのが率直な思いです。
国が情報を、まあ管理っていうのは悪い意味じゃなくてもね、国のために都合のいい制度であって、地方の、またそれぞれの住民にとってどういう便利さがあるのか、都合の良さがあるのかよく分かりませんし、その、住民票がどこでも取れるなんていうのはまさにくだらない話であって、そんなことが例示として挙げられるようなネットワークでまともに動くかなあということを思います。
どんなに守っていっても、名前によっていろんな情報が集められると。名寄せと言われてますけど、名前で情報が寄せられるような統一的なシステムを作ったらですね、それは国家的にも非常にやっぱり危険だという指摘は、その通りではないかと私は思います。
国の安全保障から言っても、もう1度やっぱり考え直すべきものではないかなと思いますね、僕は。
(岡村高知新聞記者)
その中で、県は実施していくということですよね。ここの、ちょっと相反する部分というか…。
(知事)
いや、僕は、県で実施をしないように何かできるところがあれば、それはブレーキをかけてもいい、とぐらい思っています。
ただ、国の法律で通っているものを、それに対する条例をつくるということはもうやむを得ない責任だろうと思いますので、条例については、私は議論しましたけれども、それはもうやむを得ないなという判断をしました。
(岡村高知新聞記者)
矢祭町ですか、昨日ですね「参加しない」と不参加宣言をしたんですが、ああいう町の主体的な判断というのは評価されるということなんですか。
(知事)
評価できるかどうかはわかりません。それは、その町長さんがどういう思いでなさってるのか分からないので、そこまでは分かりませんが、それはやっぱり一つの見識だと思いますね。
(岡村高知新聞記者)
やむを得なく稼働する、運用するということですね? 繰り返しになりますが。
感覚的なものでいくと…。
(知事)
先ほども言ったようによく勉強してないから分からないけど、県として何か直接、それほど関わる部分があるんですかね。
(岡村高知新聞記者)
現状ではあんまり実務的にはないですね。
(知事)
という趣旨で申し上げたんです。だから、僕が市町村長だったら、少なくとも施行は見送りますね。と思います、わかんないけど。仮定だから。
(大塚共同通信記者)
個人情報保護法が成立して施行されたとしても?
(知事)
成立しても、相当、国家の安全保障からいえば危ないやり方ではないかという気はしますね。
よくわからないで言ってますから、責任持てない発言だということを前提に聞いていただきたいんですけれども、国民全体の情報をですね、1ヶ所に集められるような形ほど、国の安全ということから言っても危険なものはないだろうと思いますし、それがそれぞれ国民のために何のプラスになるのかということは、何もそれに対する具体的なメリットっていうのはあまり感じません。
で、特に住民だけじゃなくて、地方にとってもそれが何のプラスになるかなあと。むしろ国としての仕事のやり易さだけではないかなあと。対等・平等と言いながらも、昔ながらの国の発想でできてるシステムではないかなあという感覚はします。
(岡村高知新聞記者)
ちょっとくどくなりますけれども、例えば、直接県が実務的に住基ネットをたちまち使わなければならないというふうな事態があるとすれば、知事としては何かの手を打った可能性がある?
(知事)
それもわかりませんね。
というのは、そういういろんな問題点を、いろんな方から情報としていただいたのはわりと最近のことです。で、その前に、それに関わるいろんな補助金申請やなんかもして、一緒にやってる事業がありますから、それは、もし今ご質問のような状況があったとしても、果たしてその中でどういう判断をしたかというのは、その時のバランス感覚としてどちらを取るかということですので、明確には申し上げられません。
(石村朝日新聞記者)
逆に、今後、何らかのブレーキをかけることを県として模索したりとか、そういうことはないですか?
(知事)
ちょっとそこまで余裕がないので。
余裕がというのは、そこまで勉強して考えてという余裕がございませんので、何とも言えません。具体的な課題が向こうから来れば、考えますけれども。
(松井高知新聞記者)
プロジェクトチームの話に戻って恐縮なんですけど、エコサイクルセンターの関係は廃棄物対策課を強化するようなお考えなんですか?
(知事)
廃棄物対策課のエコサイクルセンターの班としては強化をすることになりますね。
(松井高知新聞記者)
増員をしてというか…。
(知事)
ええ、増員もします。増員というほどの数じゃないですけどね。
(松井高知新聞記者)
班の体制強化とともにプロジェクトチームも置くということなんですか。
(知事)
班の体制強化イコールという意味ですけれども、そこの班だけを取りあげれば…。
ただ、プロジェクトということで言えば、部長がプロジェクトリーダーになって、これまで以上にもっと責任を明確化してやっていきたいという思いでございます。
(加納高知新聞記者)
エコサイクルセンターのことになりますけど、このほど計画が白紙になりましたが、今回の決定をですね、一歩後退と見るのか、それとも一歩前進と見るのか、そのお考えをちょっと聞かせて欲しいと思います。
(知事)
ああ、それはもう絶えず前進でしょうね。
(加納高知新聞記者)
前進。その理由というのをちょっと、前進と判断された…。
(知事)
後退してないからですね。
(木下日本経済新聞記者)
先週の全国知事会議でですね、来春のペイオフ全面解禁に関する延期論が出たということなんですが、知事ご自身はどういうふうにお考えですか。
(知事)
ちょっと、それも、今の本県の実情とあわせてですね、どういう状況かということが、もうひとつ掴めませんので、責任を持った答ができません。
で、あの場でも自分で感じたのは、強く主張をされたのは大阪と福岡なんです。で、やはり、相当の規模の中小企業と企業数を抱えておられる地域ですから、やっぱり本県のような経済力の県とは違いがあるかなあというふうには思いました。
(木下日本経済新聞記者)
その経済に関してなんですが、経済財政諮問会議が検討してる「特区構想」というのがありますよね。IT特区であるとか、金融特区であるとか。
四国では松山市がIT特区というのを検討し始めてるんですね。あと、首都圏の自治体ではかなり「うちは○○特区だ」「△△特区だ」と、規制緩和してもらうためにですね、いろんな構想を考えてるようですが、高知県では何かお考えというのはないでしょうか。
(知事)
新聞の記事になるようなレベルでの考えはないと言っていいと思います。
それで、そもそもやっぱり、知事会でもそういう議論が出ましたけれども、「特区」という発想そのものが古いというか、おかしいんじゃないかという議論は出ました。
というのは、規制緩和をするなら当然もう全国一斉で規制緩和をしていくべきで、それをその「特区」というような形で、また、議員さんをはじめですね、いろんな口を利いたりするような力を温存をしようという発想は、あまりにも古くさい手法じゃないかというようなご指摘もありました。
僕も、気持ちとしてはそういう気がいたします。「特区」、「特区」と言うけれども結局昔の地域指定と同じことなんで、各省が何か新しい事業を打ち上げてですね、古くで言えば「新産都」やなんかで地域指定をしていくと。そのために、関連の業界や議員さんがですね、その地域指定に動いてということと「特区」は、もう本質的に何ら変わらないじゃないかなと。そういう政治手法を、もうそろそろやっぱり変えなくちゃいけないんじゃないかと、僕は思います。
思いますけれども、一方で、やっぱりそういう制度をやろうという時に、それに乗っからない手はありませんので、当然、考えていくべきだとは思います。で、庁内での議論として、そういうことを具体的にしたことはございませんけれども、ある分野で、そういうことをしたら良いのではないかという検討を、検討というか、民間のシンクタンクなどと一緒になってやってるグループはございます。
(木下日本経済新聞記者)
それは具体的にどういう分野…。
(知事)
具体的にご興味があれば、また後で知事室においで下さい。
一般論として言ってしまうと…。一応、記者会見という形をとってますので。
(松井高知新聞記者)
8月2日から来年度予算の編成として、教育長と三役を交えた協議が始まりますけれども、財政構造改革がいったん終わって、次の5年を見越した上で重要課題を位置づけて議論をされるというお話を聞いてるんですが、その重点と位置づける課題は何なんでしょうか。
(知事)
それはまだ議論中なので、固まっておりません。
で、今日も午前中に打ち合わせをして、僕から言ったことはですね、その重点課題はもちろん、どうしていくかということを決めるのは大切なことですが、それ以前に、シーリングではなくて、それぞれの部局で何を捨てて、何をやめていくかと。
タイムリミットや、それから財政課、行政システム改革室、企画調整課からの指摘のその他の(タイムリミット以外の)「考え直したらどうか」という事業がいくつかあるわけですね、各部局ごとに。で、そういう指摘を受けたものでも受けないものでもいいので、やっぱり自ら何をやめていくかということを、少しやっぱり明確に意識してほしいなというのが一つと。
それから、従来から言ってますが、アウトソーシングをね。これだけ「忙しい、忙しい」と言いながら、また、どんどん、どんどん自分たちの仕事を増やしていくというようなことを、そろそろやっぱり考え直してほしいなあと。
この間の雇用創出の時にも言いましたけれども、やっぱり思い切って、事務でやってること、補助金の申請業務でも何でもいいから、できるものはどんどんアウトソーシングをしていくというような、何をやっぱり減らしていくかと、自らのスリム化を図るかということを考えてほしい。
それから、もう一つは、国との関係で、今地域に行っても、国の事業をもらってくるよりは、もっと県の単独で思い切ったこと、またゆるやかなことをしてもらいたいと。特に自分なんかが感じるのは、森林の政策なんかでしばしば聞くことですけれども、うちでも森林政策課に聞けば、森林政策課でやってる仕事のほとんどは、国との関わりで書類を作ったりという、国と調整をしたりということで費やしてるわけですね。
地域に行けば、もうそうやって国の補助金が2分の1出るからその方がありがたいという時代じゃないと。もっと、県単で、もう額は半分になってもいいから、もっと自由に思い切ったことをやって欲しいという声の方が圧倒的に、僕が聞く限りは、強いです。
それでもなお、やっぱり役所の中は、やっぱり国のお金をいただいた方が全体の予算額は減らないでいいし、財政課もそういう指導をしていくでしょう。ということで、本当にいいのかということをやっぱり考えて欲しいと。
自ら、予算の規模は減っても、もう国との縁は切って、自分達で考えていくというようなブレーンをつくるとかいうことが、今…。まあ最初は辛くてもね、地方交付税の見直しや国庫支出金の見直しということが税源委譲とあわせて言われてる時には、率先してこちらがやっぱり考えていかなきゃいけないスタンスじゃないかなと。タイムラグが1年か2年か分かりませんけれども。
というようなことを、今申し上げたようなことを、事業としてどういうものを削っていくか、またアウトソーシングをどうやって思い切ってやっていくのか、さらに国との関係を、もう、向こうから「三位一体だどうだ」と言われる前にどのように見直していくのかというような発想を、まず考え方と腹構えを聞かせてもらいたいなあと。それをどう使っていくかの重点化はね、それはもういろいろ言っていけば落ち着くところに落ち着くので。
例えば、これからの15年度、単年度もそうですし、5年間、10年間ということを考えれば、やっぱり南海地震への対策という「安全・安心」というのは絶対欠かせないですから。というようなことはもう決まってくるわけですね。で、それ以前のことを考えて欲しいと。
これまでの考え方だと、やはり「予算を取る」という発想からくるから、「その重点項目は何だ」と、「自分のところのプライオリティーは何だ」という話になってくるでしょうけども、その始める前が必要なんじゃないかということを思います。
それと、もう1つ各部局に僕は要請をしたいと思うのは、これまでは予算を取ってきて仕事をするということだったわけですね。で、それはやはり、これだけ厳しくなってきてるから、そうそう大きな予算を取って仕事をするというようなことが難しいと。
今回、今年国体があって、国体が終われば、今国体局にいる人数が全部浮くという単純な計算ではないですけれども、少なくとも、国体局ができて従来無かったものができても全体は回ってるわけですから、そうすれば、そこのやっぱり人員を使って、その予算を取るんじゃなくて、「自分の所に5人くれればこういうことをやっていく」と。
例えば、商工などから提案が来たもの、実際に提案として出て来るかどうか分かりませんけれども、地場の産業に職員をもう張り付けると。職員の研修と情報収集とを兼ねて、そういうことに職員を何人か使っていきたいとか。人の力で仕事をしていくということを前から言ってますけれども、具体化できる今いいチャンスなんじゃないかなと。
さっきの、一番最初のプロジェクトというのも、本来はそういう形で動いていくべきものだと思いますけれども、それも是非考えて欲しいと。
予算の要求じゃなくて、人を何のために使うかと。「5人、10人くれればこういうことをする」と、「人の力でこういう仕事をする」というようなアイディアも是非出して欲しいなあというふうに思っています。
(松井高知新聞記者)
それを、その2日からの議論で。
(知事)
そう、それを言っとかないとですね、「自分のところはこれこれこういうのがメインテーマで、事業としてはこうで」というふうな、通常の予算要求的な話しか出て来ないし、それから、その事業を削るという話も、「財政などからこう言われてるけれども、これにはこういう理由があって」という説明をすることで2時間、3時間平気で過ぎてしまうだろうから、そういうことはもう止めてくれというふうに言ってあります。「止めてくれ」とは言わないけど、「後回しにしてくれ」とね。
(巻田NHK記者)
アウトソーシングの話が出ましたけれど、昨年度やった時には7千万円ぐらいの規模だったと思うんですが、これをどの程度膨らましたいかっていうお考えはありますか。
(知事)
それは、膨らめば膨らむほど膨らましたいですね。
民間の経済効果とか、雇用とか、また、限られた分野で言えば、それこそ障害者雇用とかいう面でもですね、アウトソーシングで支えていく障害者の社会的自立というのは非常に大きなものが僕はあると思います。
そういうようなことも含めて、しかも、県の職員は今本当に忙しく夜遅くまで電気つけてやってるわけですから、それをやるぐらいならば、もっと有効な時間とお金の使い方があるんではないかなと思います。
(山下朝日新聞記者)
国体後の組織論の話ですが、おっしゃったように、国体が終わった後、国体局の方たちがね、基本的に、どこにまわすかというのがあると思うんですけれども、どういう形で組織のまた改編を考えていくのかということが問題になると思うんですが。現時点で持っていらっしゃるビジョンというかですね、こういうようなことができるんじゃないかみたいなアイディアがあれば。
(知事)
それは、記者会見と名を打ってる状況では、なかなか、まだ言えませんね。
それはまた雑談にでも、部屋に来てくれれば、言いますけれども。
(関谷毎日新聞記者)
大相撲の話題になるんですけれども、朝青龍の大関昇進が、明日確実というか、正式に決まる予定なんですけれども、後援会の名誉会長というお立場の知事としてですね、朝青龍関にエールなり感想なりをお願いします。
(知事)
ええ。非常に僕は嬉しく思いますし、今場所は土佐ノ海も殊勲賞でしたから、その意味では、少なくとも幕内以上の2人に関してはとても良かったと思いますし、これからやっぱり朝青龍にはさらに横綱も目指して頑張って欲しいと思います。
で、朝青龍もですね、性格が少し荒すぎるのではないかとかね、それだけにこう、自分中心で思いやりが足りないのではないかというご批判・ご指摘もマスコミの紙上などで見ます。けれども、そうつきあってるわけじゃないけれども、1年に1度ずつぐらい、若松親方、今の高砂親方の会だとか、彼自身の会だとかで会うと、相当、僕は、人間的に丸味も出て、体だけじゃなくて人間的にも大きくなってきてるんじゃないかなと。
笑顔なんかもとっても自然で良くなってきたので、僕は、そういう強さとね、それに優しさが兼ね備えていけば、とても素晴らしい、本県で生まれたわけじゃないけれども、まさに本県を代表する力士になって下さるんじゃないかと期待をしております。
(久武高知新聞記者)
今度、7月26日に、東京の方で、公共事業をめぐる知事さんのシンポジウムが、また、8月には、何か高齢者福祉の関係でも、7県ぐらいの知事さんが集まって。
先ほどの会の話なんですが、国と地方の関係を見直す上でも、まあ個人的には非常にインパクトのある地方の知事の集団と言いましょうか、全国知事会議が型どおりということもあって、知事さんのこういう集まりが、かなり政策提言について動いていかないかんなと個人的に思うんですが、知事さんはそこら辺りを加速させていくつもりがありますか。
(知事) ええ。それは是非、そうしていきたいと思います。今、まあ直近のスケジュールに関してご質問がありましたが、たまたま昨日、ある県の知事さんから、今ご指摘のあった2つの会にそれぞれ出てこられる知事さんからお電話があってですね。
高速道路というか、道路四公団の民営化の委員会で、今月30日に青森の木村知事さんが意見発表されるんですけれども、それも「中間報告までに地方代表の声を聞いたという形をとらないと、また後がうるさいという趣旨ぐらいではないか」と。私が言ったわけじゃないです、相手の知事さんが「というふうに思われる」と。
で、ここはひとつ、どれだけの意味があるかどうかは別にして、やはり、言わなきゃいけない課題なので、26日に打ち合わせをしてですね、8月3日に、スケジュールがちょっとそうとれるかどうかわかりませんけれども、集まってする時に、その高速道路のあり方ということでも、もう一度、去年でしたかね、僕がやったような形で、もう一度アピールをしようという話になって、各県レベルで少しすり合わせをしております。
それから、その他のことでもですね、その8月3日も「ユニットケア」という老人介護の施設整備のあり方に関するシンポジウムですけれども、それだけではなくて、いろんな課題で提言・提案ができないかということで、このあいだ、沖縄の知事会の後も夜11時ぐらいまで話をしました。で、いろんなアイディアも出ましたし、これは是非やっていきたいなというふうに思います。
それから、その数県の知事の話じゃなくて、知事会の分科会で環境の話をした時にも、また、前の四国知事会でも香川の真鍋さんが言ってたんですが、デポジットのお話をしてですね、これももう、僕がそれこそNHKの社会部にいた頃に、東京の多摩地区かなんかでやろうかといって話題になっていましたので、もう20年も前から言われてることですが、個別地域でやっても、これだけ人があちこち動く時代に、あんまり役に立たないですよね。
店も面倒くさいだけで大変だということで。各県で、例えば全く同じパターンで全部条例化をデポジットでしていけばね、それでもう成り立つんではないかというような話が出て、そういうことも、それは、香川県の真鍋さんが、「あなたが言い出したんだからやりなさい」と北川さんに言われて、「うん、うん」と嫌々うなずいてたんで、どうなるかわからないんですけども、そういうようなこともとても面白いことかなあと。
全都道府県が一斉にデポジットなんかで条例化を図っていくというようなこともね、是非やれれば、というような意味で、その個別の、一定、社会から発言力があると思われている知事が集まって、少し今の流れに対して「おかしいんじゃないか」という趣旨のことを言うアピールということもあるし、それから、まあ1県1県が積み重ねて、今の水源税なんかもそうなっていくべきだと思いますけれども、そういうような広がりを持たすことは、これから是非やらなきゃいけないことだと思っています。
(大塚共同通信記者)
そういった個別のテーマごとにですね、関心の強い知事が集まって、いろんな会がかなり最近動きが活発化してますよね。その中で、まあ先日の全国知事会もそうですし、昨年、鳥取の片山知事が中四国の知事会を欠席されるということがありましたけど、そういう、これまでの知事会というもののあり方、形骸化ということも言われてますけど、その辺はいかがですか。
(知事)
知事会は、僕の10年の経験で言えばもう大きく変わってきました。最初の時は、もう本当にシャンシャンの昔の株主総会みたいなもんでしたけれども、もう、このあいだも、まあ時間が無くて、途中で会長が「もう、もう、もう」と言って、あのお人柄で打ち切ってしまったということがありますが、すごくいろんな意見が出るようになりました。
そういう中で、まだそれでもいいかげん形骸化をしていて、「もういっそ出ない方がいいんじゃないか」と言い続けてる人もいますし、このあいだの会でも、例えば岐阜の梶原さんは、「自治省が郵政と一緒になって総務省になって、“地方自治”という観点が非常に、やっぱり弱まったんではないか」と。
で、「そういう面で、旧自治省に代わって地方自治ということを大前提において考えるのであれば、知事会なり、知事会の中の一定の勇志がそういう役割をしなきゃいけないんじゃないか」というようなことを発言されましたし、それから、全然違う視点ですけど、要望書の中でですね、「ある法案を通していただいたので、総務委員会やら、大臣やらにお礼に行っていただきました」という文言があってですね。
北川さんが、「そもそもお礼に行くとかいうようなことを、こうやって平気で書く神経がもうおかしいんじゃないか」ということを言われたというようなことがあって、かなり、意見が出る一方でフラストレーションも溜まるという、いま、段階だろうと。
それが、もう一皮むけて、本当に知事会という公的な組織でですね、国に対抗していくものを出していくようになるのか、それとも、やはり知事会というのはいろんな関係があって、なかなか国にそうはたてつかないような形で、ボロボロッと知事が抜けていって別の動きになるのかというのは、なかなか微妙な段階なんじゃないかという気がしますけどね。
(大塚共同通信記者)
知事としてはどちら。
(知事)
僕は、やっぱり、本来、知事会というものが、ようやくいろんな議論が出されるようになりましたので。ただ、そうは言っても、自分もいろんな知事会の委員になっても、自分が行かずにですね、委員長か何かにならない限りは、東京事務所長が行ったり、担当部長が行ったりということになってますから、それを自分でやりながら、天にツバするようなことは言えないと思うんですね。
知事会の事務局長からすればですね、「お前、そんな格好いいこと言うなら、ちゃんと出て来てやっぱり意見を言えよ」ということだと思います。そういう中で積み重ねで「よろしゅうございますね」って言って、「よろしゅうございます」って言って、そういう文書も作られてるんですから、何も事務局が勝手に作ってるわけではないので、そういう、天にツバすることはありますから、僕はやはり、もうちょっと知事会そのものの機能が、本当の意味で強くなってですね、国と対抗できるような政策提言もし、動きもしていけるようになるといいんじゃないかなあと思います。
(岡村高知新聞記者)
知事の中でもですね、地方の知事と、例えば大都市圏の知事っていうのは、こう、意見というか、地方自治の考え方に差があるんですか。
(知事)
これからはますます差が出るとは思いますね。それは、この地方交付税の問題だとか、その財源保障だ、調整機能のという話になればですね、まあ、例えば東京都からひっぺがすかどうかとかいうことになりますわね。そういうことに、財政調整機能ということで言えば。そういうことになった時は当然ぶつかりますね。その他にもいろんなぶつかり合いが出ると思います。
このあいだも突如、東京都の副知事が、例のカジノの話をして、「カジノを是非推進をするというのを知事会でも話をして欲しい」と言ってですね、いろんなご意見がある中で、誰が言ったかは忘れましたけれども、「東京都にこれだけもういろんなものが集中してるのに、なおカジノをやって人を集めようとするのか」と、「そういう発想がおかしいんじゃないか」と。
で、「東京都かいうところはもう手を挙げずに、もっと別の地域で、全然違う地域づくりということでカジノを検討しようかというのなら話は分かるけれども、おかしいんじゃないか」と言ったのが、誰だったか忘れましたけど、いました。
というように、かなり大都市にいろんな意識を持ってる知事さんもいるというふうに思いますので、ぶつかり合いはもっともっと出て来るんじゃないかと思います。
(岡村高知新聞記者)
そうすると、意見集約というのは難しくなってきますね、知事会としてのですね。
(知事)
知事会としての意見集約の難しい事例は、もうこれまでもいっぱいありました。
例えば、まあ「減反」ですね。
減反も、今度も誰かが言ってましたけれども、「何だ、何を言ってるか分からないじゃないか」という質問があってですね、で、その農業関係の部会長をしてた知事さんが、「それは、減反に関しては、皆さんご承知のとおり、北の方というかね、大規模に米をやってるところと、我が県のようなところは全く利害関係が違うわけですので、それを同じ要望書の中で表現をすれば、こうならざるを得ません」というようなことを言っておられたのもありました。
ですから、やっぱりこれまでもいろんな分野では当然あったことだと思います。
それから、原子力政策かなんかでも、関係ないところと関係あるところっていうのは、もう全然、意識も何も違いますし。等々、さまざまあると思います。