四国開発幹線自動車道建設期成同盟会

公開日 2007年12月07日

更新日 2014年03月16日

四国開発幹線自動車道建設期成同盟会

平成15年2月15日10時50分から(松山全日空ホテル4階「万葉(西)」 )

四国開発幹線自動車道建設期成同盟会
 会長・副会長会議(徳島県知事  大田正、香川県知事  真鍋武紀、愛媛県知事  加戸守行、高知県知事  橋本大二郎)

(橋本高知県知事)
 それでは私の方からご挨拶を兼ねて、意見発表を併せてさせていただきたいと思います。  本日は、朝早くからお集まりをいただき、誠にありがとうございます。

 去年の12月21日だったと思いますけれども、四国開発の委員会を開いて、議長さん、副議長さんもご一緒に、本四のことを中心にお話をいたしましたが、今日は、高速道路の整備ということに絞って意見交換が出来ればと思っておりますので、その点どうかよろしくお願いをいたします。

  皆様方も、良くご承知のとおり、昨年12月6日に民営化推進委員会の意見書がまとまりました。で、これを受けて、政府与党の申し合わせ、閣議決定、その後、12月20日の政府原案の予算案の内示の中で、国、地方が負担を仕合うという新しい直轄事業の導入というものが示されております。また、12月の26日の政府・与党の協議会で、今後の高速道路整備のスケジュールの案というものが示されております。

 これを受けて、今の国会に、新直轄事業の導入に伴います関係の法案が提案をされておりますけれども、具体的な内容は、今後の検討ということでございますし、また、新しい会社のあり方なども、順次検討が進められる、つまり、まだまだ、何も中身がよく分からないという現状にございます。

 こうした状況でございますので、国での、中央での動きも十分見守っていかなければいけませんが、併せて、四国からの、また、地域から、国民の立場に立った声というものも挙げていかなければいけないと思っております。

  私の意見ということも含めてでございますが、そもそも、高速道路というものを狭い意味での採算性、効率性で測っていくことには、いささか議論に無理があるということをこれまでも思っておりますし、主張もし続けております。といいますのも、高速道路に代表されますような、公共財、公共の公物というものも当然そこからもたらされるサービス、社会的な便益と費用との効率性、費用対効果ということは考えなければいけません。

 しかし狭い意味で、それにかかる建設コストと料金収入というだけの採算性で、こうした国の骨幹を支えるネットワークの公共財の価値が測られていい訳はないと思います。また、社会的便益ということで言えば、四国は、近い将来、南海地震という大きな問題を抱えております。

 こうしたことに対する安全・安心の確保という意味からも、高速道路だけではなく、高規格の道路を含めた、四国の8の字、小さな8の字も、大きな8の字も、このネットワークの完成ということが大変重要な課題であると思っております。ですから、今後とも重点的な投資、そして地域の実情にあったローカルスペックの導入ということも含めて、整備のスピードを落とさずに、この8の字ルートの完成を目指していただくということが四国としての共通の思いではないかと思っています。

  一方で、今後の高速道路整備ということだけではなくて、従来からもうできている道路をどう利用していくかということも大きな課題でございます。そうした中で、かつてマイレージということもご提案をし、それは、平成12年の8月からだったと思いますけど、チケットラリーという形で実現しております。

 かなり多くの方々にご利用をいただいておりますので、こういうことを是非、来年度以降も続けていきたい、また、地域的にも、内容的にも充実をしていければということを思っています。

 いずれにいたしましても、政府、与党の申し合わせで、今後、地方の意見も聞いていくことになっておりますので、是非、四国としての声を、また、そういう場面で、強く挙げていきたいということを思っております。

 併せまして、先程申し挙げましたスケジュール案の中で、今年の6月から7月頃に従来の国幹審に代わります国幹道の建設会議というものが開かれ、その中で、新直轄事業での路線、区間の優先順位の決定がなされるのではないかと言われています。

 こうしたことを受けて、この会は、従来は7月に通常の総会を開いておりますが、それを繰り上げて、議論をし、関係の機関、団体と一緒になって、まさに四国は一つの思いで声を挙げていければどうかなということを思っています。今日は、その様な趣旨での会でございますので、是非、活発な意見交換が出来ればと思っていますので、どうかよろしくお願いを申し上げます。
 

(大田徳島県知事)
 今、高知の知事から言われたことに尽きるんではないかというように思う訳ですが、本当に、俄に民営化委員会の議論が巻き起こって、今まで我々が予想もしなかったような事が政府の方に意見を出されるという状況になって、大変、四国の8の字ルート、あるいは不採算性の路線については危ういということが言われた訳ですけれども、

少なくとも長い年月をかけて、高速がこのルートで通るということを前提に、それぞれ都市計画決定なり、あるいはそのインターへのアクセス道路なり、いろんなことを過去それぞれが必死になって取り組んで、すでに事業も着手しているという状況の中でこういった話が出て参りまして、大変、我々としては心配しておった訳ですが、政府の方から、いわゆる、新直轄事業方式というような形で一定の方向性というものが示された。

 しかしこれは、最終的に確定している訳ではありませんけれども、こういった新直轄方式なるものが出てきて、更に税源移譲等も一定含めて今後やっていこうということが示されたことについては、私は一定評価をしていきたいなと、このように思っております。

 徳島の場合も、小さな8の字、あるいは大きな8の字、いずれも非常に大切な路線でございまして、特に、徳島市内から南に、高知に向けての路線というのは、南海地震はいつ起こるか分からないというようなことも踏まえて、災害対策等あるいは救急車両等の輸送、更には大雨等の時に、通行止めに一本の幹線がなってしまうと、こんな状況も見ておりますと、何としても、早急に今までの本当にスピードを落とすことなくですね、高速道路といわれるスピードを落とすことなく、きちっと整備を図っていただかなければならないと思ってます。

 先程も事前の打ち合わせの時にも出てまいりましたように、まさに今年が勝負の年ということでありましょうから、私どもも4県の知事さんともどもですね、一生懸命この四国の8の字ルートの完成に向けまして積極的に行動してまいりたいと、このように考えているところでございます。
私からは以上でございます。
 

(真鍋香川県知事)
 皆さん方もご案内のとおり、昭和60年の3月に四国の高速道路が初めて開通をした訳でございまして、順次整備が進んでまいりまして、平成12年の3月にはエックスハイウェイが完成をいたしまして、四国の四つの県庁所在地が、直接高速道路で結ばれた訳でございます。

 また香川県内では、昭和62年の12月に善通寺と豊浜間で初めて高速道路ができまして、その後15年間で、県内の高速道路の整備を進めてきた結果、県内最後の区間でございます高松中央と高松西の間が、今年の3月末に開通をして高松自動車道が全線開通をするというような見通しになった訳でございます。関係者の御協力に対して、心から感謝を申し上げておる訳でございます。

 この開通によりまして、四国連絡橋の児島坂出ルートと神戸鳴門ルートを介して、瀬戸内海東側の環状高速交通ネットワークが形成をされるなど、四国島内、四国島外との交流連携の強化が図られてきておる訳でございます。

 しかし、各知事さんからお話がございますように、去年の12月の道路関係四公団民営化推進委員会の意見書では、新会社による高速道路建設は、採算性などに後退するんではないかというようなことが懸念されておるわけてございます。

 橋本知事さんが言われましたように、やはり高速道路というのは、私は、国がやるべき基本的なインフラ整備の中心であるというように思うわけでございまして、是非とも採算性だけで判断すべきではないというように思っている訳でございます。
そのような意味で、四国は結束してですね、更に高速道路の整備を進めていかねばならないというように思っておる訳であります。

 21世紀に入って、この四国の活力という面では、非常に心配をするような状況が続いておる訳でございまして、何とか四国の活力再生といいますか、創造というようなことを考えますと、どうしてもやはり四国内を循環する8の字ルートの早期完成ということは、私は必要不可欠であるというように思っておる訳でございます。

 是非ともこの8の字の高速道路が早期に完成いたしますように、私も各県と連携をとってやっていきたいというように思っておる訳でございます。

 新たな組織による高速道路の建設がいわれておる訳でございますが、新たな組織による建設にあたりましては、現在の整備ペースを落とさないということも特に大事であるというように思っておるわけでございます。そのように取り組むべきであるというように思います。

 新しい組織の管理運営なんかについては、極力効率化をするということも大事であると思いますし、また、関連事業による収入を上げるとか色々な手だてを講じると同時に、料金収入を最大限に活用するなど、今後の高速道路整備の事業費の確保を図っていただきたいというように考えておる訳でございます。

 また、整備された高速交通ネットワークを有効に活用して四国の活性化を図っていくということが、今後重要な課題であるというように思っております。観光とか、あるいは産業文化・生活などあらゆる面で、京阪神だけでなく全国各地との人的・物的交流を拡大して、充実をしていかなければならないというように思っている訳でございます。

 そのためには、本四連絡橋をはじめ、高速道路についてもできるだけ多くの人に利用していただくということが、重要であるというように思っております。色々工夫を凝らして、利用しやすい通行料金にしていくということが、是非とも必要であるというように考えておる訳でございます。

 今日は高速道路の話でございまして、本四公団の話はちょっと別だというお話があったわけでありますが、一言だけ触れされていただきますと、昨日、国土交通省から本四通行料金の改訂案が示されたわけでございます。

 今後の対応については、関係10府県市で相談をしてまいりたいというように考えておりますけれども、私は、これまで利用しやすい料金ということで主張してきたことが一定限度取り入れられた案になっておるというようなことで、一歩前進をしたというように受け取っております。

 しかしながら私どもの香川県では、県民が求めておる大幅な引き下げというようなことについては、まだ距離があるなぁと思っておる訳であります。今後とも、どのようにすれば、この引き下げが可能なのかというような色々な案・点も含めまして、更なる引き下げに向けて今後も努力を続けていきたいというように思っております。また、関連府県市とよくご相談をしながら、努力を続けていきたいと思っております。

 いずれにいたしましても、やはり各地域の経済・産業活性化を図って、何といいましても皆で利用することが料金の引き下げにもつながると思いますし、同時に、大いに利用していくということが、8の字ルートの早期完成にもつながるというように思っておりますので、香川県としても観光振興をはじめ色々な全国的なイベントを誘致をするというようなことを含めて、大いに人に来てもらうような対策も、にぎわい創出についても一生懸命やっていこうというように思っておるわけでございます。
引き続き、地域の活性化に積極的に取り組んでいきたいというように思っておる訳でございます。

 最後にもう一度申し上げますけれども、四国の8の字ルートの早期完成に向けまして、両県知事さんからお話がございましたように、やはり四国が一致団結をして取り組んでいかなければならないと私も思っておりますので、そのようなことでよろしくお願いをしたいと思います。
 

(加戸愛媛県知事) 
 今日は、松山で午前中の4県知事会合をもてるということは、エックスハイウェイが開通したればこそでございまして、大きなひとつの成果だと私、思ってます。

 高速道路を巡る状況、極めて厳しいものがございますけれども、その中にありましても、先般の国交省の発表によりますれば、愛媛県における高速道路、大洲から宇和までの間が平成15年度中の開通の見通しということで、今まで待望していた私たちの立場として、ほっとしたところがございます。

 さりながら、現在進行中の宇和から宇和島までという見通しが、今回の民営化推進委員会の報告並びに政府の対応の中で、どうなるかという不安感がぬぐえておりません。

 当然のことながら採算性路線にはなりそうもないなと、一方において新直轄方式導入、大変ありがたいんですけれども、その管理費を賄えないような路線については新直轄といわれますと、その間のグレーゾーンはいったいどうなるのかな、多分、宇和から宇和島まではグレーゾーンではないのか、まあそんな意味で、7月の国幹道建設会議の行方が私どもでは最大の関心事になると思っております。

 その宇和島までの外に、いずれ将来的に津島から中村までの四国西南地域、全くの見通しが立ってない状況の中にありまして、私ども8の字ルートいうなれば、高速道路ネットワークができなければ意味は半減すると思っておりますし、そういう意味までの四国4県力を合わせた形での8の字ルートの完成なくば、四国の発展はあり得ないと思っております。

 そんな意味の四国の生命線としての8の字ルートに向けての一致団結した、絶え間ない活動を展開していく必要が、今まで以上に生じてきたと思っておるわけでございます。

 国が、様々な形での取り組みをさせていただく整備手法につきまして、定かでない面はございますけれども、いずれにしても、ピッチが遅れないようにネットワークの完成に向けて、あるいは四国側からの提案も含め複合的な整備手法が構築されていくことが、見通しを開くんじゃないのか、そんな思いもございます。

 まあ、特に南海地震の想定、先船報告がございましたけれども、そういった災害時のみならず、救急医療体制等々国民としての最低限度の生活保障がこの8の字ルートの完成にかかっていると思っておりますので、皆様方と共に力をあわせてまいりたいと思っております。

 この高速道路の、今後の動向に向けて若干影響があるかなと私、思っておりますが、先程、香川県知事の方から話がありました四国本四三橋の通行料金の問題で、一応暫定的に一年間の3割値引きということで、私どもは地元の、特に坂出市民の100万人署名、今治の110万人署名もその力預かったところだと思っていますが、

今後の料金引き下げを要求するとするならば、おそらくは国の道路特定財源の更なる継ぎ足しがなければ、大幅なダウンは期せないなと、そうすると、当然のことですけど、道路の特定財源は新直轄方式への投資額に影響するかなと、そういったちょっと連動が非常に気になっているんですけど、とりあえず、あれはあれ、これはこれ、ということで8の字ネットワークへ向けての更なる取り組みを強化したいということで、私の意見発表とさせていただきます。
 

(橋本高知県知事)
 いずれの知事さんからも、小さな、また大きな8の字ルートの必要性と、それに向けて力を合わせて、という言葉をいただいて大変力強く思っております。また、今、本四の利用料金の話も出ました。

 これは、誰かが負担を増やしていくということ、と同時に、やはり利用を増やしていくという二通りの道があろうかと思いますので、是非、その利用を増やしていくという面でも知恵も出し合っていきたいと思いますし、また、その為にも、四国島内の8の字ルートがネットワークとして完成をすることが、利用を当然増やしていくことに繋がるのではないかと思いますので、そういう意味からも力を合わせて取り組んでいければ、ということを思っております。

 また加戸知事からご指摘のあった、管理費が払えるところ払えないところのグレーゾーンの問題とか、まだまだ明らかになってない点が一杯ございますので、最初、冒頭のご挨拶で申しましたように、これからの国での、中央での取り組みの状況というのをよく見ていかなければいきませんし、併せて、そういうときにどういう優先順位、ということは、つまり、社会的便益として何に重きを置くかということだと思いますので、そういう視点からの四国の地域の声というものも、是非、今後とも挙げていきたいと思っています。


共同声明

  国土のグランドデザインを描くうえで欠かすことの出来ない、四国を8の字型で循環する高規格幹線道路網「四国8の字ルート」は、国土開発幹線自動車道建設法で、国において建設すべき自動車道として全国11,520kmに位置づけられているもので、四国の産業振興等経済の活性化や住民生活を支える基幹的かつ重要な社会基盤施設として必要不可欠であり、また、近い将来確実に起こると予測されている南海地震等自然災害へ対処するためにも、その早期完成が待ち望まれている。
  このような中、道路関係四公団を引き継ぐ新たな組織のスキームをはじめ、高速道路の整備に関連する様々な検討が国等において進められている。
新たな組織による整備のスキームや、平成15年度予算内示で示された、国と地方の負担による新直轄事業の実施にあたっての具体的な内容は、まさに、これから決められようとしており、今後の高速道路建設の進捗に大きく関わってくる。
  このため、今後の高速道路整備を進めるにあたって、ここに、四国の統一した思いを表明し、「四国8の字ルート」の早期完成を求めるものである。

一、高速道路整備全般にわたる制度の設計にあたっては、採算性・効率性だけでなく、国土のグランドデザインの視点や、災害への備えといった安全・安心の観点を十分に踏まえて検討すること。

一、四国8の字ルートの整備にあたっては、整備計画区間の着実な整備促進とともに、予定路線・基本計画区間においても、地域の実情に即した整備手法の導入等により早期事業化を図り、現在の整備スピードを落とさないよう実施すること。

一、このため特に、新たな組織による高速道路の建設にあたっては、料金収入を最大限活用するなど、今後の高速道路整備事業費の確保を図ること。

  一、地域交流連携や高速道路の利活用策等を推進するため、高度道路交通システムの早期整備とその活用等により、一層の支援を図ること。
 

                                                        平成15年2月15日

 

四国開発幹線自動車道建設期成同盟会     

会  長  高知県知事  橋本大二郎     

副会長  徳島県知事  大田     正      

副会長  香川県知事  真鍋  武紀      

副会長  愛媛県知事  加戸  守行     


Topへ