知事の定例記者会見(平成14年6月県議会)

公開日 2007年12月07日

更新日 2014年03月16日

知事の定例記者会見(平成14年6月県議会)

平成14年6月21日9時から(県庁二階第二応接室)

(井岡読売新聞記者)
 幹事社からの方からは特に用意してないので、各社ありましたら、お願いします。

(岡村高知新聞記者)
 ごめん・なはり線がとりあえず7月1日に開業するんですが、開業まで80年という歴史と、きびしい経営見込みが出てるんですが、くろしお鉄道の最大の出資者である県も、一定、やはり経営について、何らかのことをするのかしないのか。知事はどんなふうにごめん・なはり線を。

(知事)
 もう何ヶ月も前のことですが、岡山の井原線のですね、沿線の町村の方が来られてお話をした時に、金額は忘れましたけれども、膨大な赤字が毎年出てるんですよね。で、そのお話を聞いて、う~んと唸ったというのが正直なところです。

 で、ごめん・なはり線とはルートのように走ってる所の観光的な価値ということが違いますので、類似にはできませんけれども、やはり今の時点で最後の鉄道新路線の開通というのは、経営的にも非常に厳しいものがあるということは腹に据えて取り組まなきゃいけないと思います。

 ただ、当初の計画以来、本当に何十年という長い期間を経てですね、せっかく東部に繋がる鉄道が開通をするわけですから、これをそんな暗い視点だけではなくて、より明るい視点で、また県民の利便性と、県外からの交流人口の拡大ということに、是非つなげていきたいと思います。

 小さなことですけれども、庁内でも安芸管内の各出先事務所のですね、通勤の時刻等の調整をしていくというふうなことで、できるだけ鉄道の利用者を増やしていこうと、それによって少しでも県の職員としてできる範囲で経営の安定化に、わずかでも、ちょっぴりでも貢献できるようにということをいたしましたけれども、これから各市町村にも、やっぱりマイレール意識というのが一番大切なことですので、みんなの鉄道だという意識でご利用いただくということを進めていきたいと思います。

 県として何らかのということが、いきなりその財政的な支援というご趣旨であれば、それは、今後のですね、1年、2年、3年と経つ中での状況というものを見ながら、また各沿線の市町村と協議をしていかなきゃいけない課題だと思いますが、そうではない様々な意味での支援ということであれば、当然、さきほどの県の職員の勤務の調整だとかいうことも含めてですね、支援というか、できるだけの知恵を出していきたいと思います。

 で、せっかく、やなせたかしさんがああいう形でキャラクターを作ってくださるというふうなアイディアも出してくださいましたし、また、列車そのものも海の沿線を走るということから海の側を展望できるような形の新しい車体になっておりますので、そういう様々な方々のご協力というものを生かしてですね、できる限り外からも人が来て乗っていただける路線にするように努力をしていきたいと思います。
 

(鈴木NHK記者)
 昨日、阪神タイガースが一軍の春キャンプの前半を宜野座でやると決められましたが、それについて知事は、前々から言われていたことですが、正式決定を受けてですね、どういうふうに受け止められているのか。それから、これからどういうふうに対処していかれるよう考えているかというのを聞かせてください。

(知事)
 阪神の問題だけではありませんけれども、プロ野球のキャンプっていうのは、本県の春の恒例のイベントにもなっていました。そういうものが無くなったり、またその期間が短くなることは大変残念なことですし、県民の皆さんの気持ちもまたしぼむのではないかということを心配をしております。

 ただ、やはり球団の考え方とか、監督の考え方とかいうものがあって、県の想いだけではどうしようもないところがあると思いますので、今出て来ている様々な球団の対応ということは現実として受け止めざるを得ません。それに代わって、または、そういうこれまでの出来事から何を学び取って次に生かすかということが今は一番大切なことだと思います。

 一般論で言えばですね、やはり高知県の場合、そうやって来て下さった球団、またその球団周辺の色んな関係者の方々にどれだけのアフターケアができていたのかというようなことも考えなければいけない課題だと思います。

 来られた時には歓迎をし、何とかをしてもですね、後は、出て行きますよと言われた時に何とか残ってくれとかいう運動をするということだけでは、やはりダメなんじゃないかなと。そのことから何を学んでいくかということが大切だと思います。

 例えばですけれども、直接球団にということじゃないですが、球団がキャンプをされればですね、マスコミが多数来られるわけですね。で、前に私、福岡に勤務をしたことがありますので、RKBのスポーツ部長が私の同期生だったんですが、その彼が、ダイエーのキャンプのことについて、「もしどこか、例えば沖縄や何かにダイエーがというようなことになった時には、そのRKBとしてもものすごい費用がかさんでしまうから、そういう視点から、そのマスコミなり何なりに最初からアクションをかけるとか、マスコミへの何らかのメリット策を考えるとかいうことをしたらどうだ」ということを言われたことがございます。

 これは1例で、全然、庁内的にまだ議論したことではないですけれども、あれだけ来られる、やっぱりマスコミへのですね、何らかの、これはもう本当の何らかのですけど、支援策を考えるというようなこともアイディアなんではないかなということを私は個人的に思います。

 それから、これからのいろんな球団への働きかけというのは、一応、その市町村等が入った協議会というか、そういうことを検討する会をつくりましたけれども、会をつくって良しというんじゃなくてですね、具体的にいろんな関係の方々がおられます。高知県出身のプロ野球選手、解説者もおられますし、様々なルート・コネクションというものを使って積極的な働きかけをしていくことが必要だと思っております。
 

(岡村高知新聞記者)
 ごめん・なはり線の関係で考えてるんですけれども。先日、政策総研が研究成果を発表して、そこで観光の方策の研究という中で、インターネットを使ったアンケートで、千何十人のアンケート結果の中で、高知のイメージ、具体的にどんなイメージを抱いているかという中で、4番目に「路面電車」というのが挙げられているんですが。桂浜、はりまや橋、高知城、路面電車と。

 公共交通の問題というのは高知県でも重要な課題であるんですけれども、知事はこの路面電車っていうのをどのように位置づけられているのか。
 つまり、経営とか営業とか、赤字とか黒字といった点で捉えるのか、そっちに重きをおくのか、あるいはその、何というかもう百年というのが来ますよね、そういう文化的な点で捉えるのか、どういうふうに。

(知事)
 それは、もう、僕の想いは後者です。文化ということだけではなくて、公共交通としての、むしろ今の時代を担うに足る意味が逆にあるのではないかということを思います。

 今お話がありましたように、土佐電鉄の路面電車は間もなく100周年を迎えますけれども、現存の路面電車では、日本で一番古いものですし、また、走ってる総延長距離も日本一でございます。そういう意味では、名実共に私は日本一の路面電車だということを思いますので、こういう路面電車を公共交通、まちづくりの1つの核というか、幹というか、で考えることも必要ですし、また、今、政策総研のアンケートのお話もありましたけれども、やはり路面電車のイメージというのは、大変、県外の方からも強いアピール度があるものですので、これをもっとブラッシュアップをして交流人口などにもつなげていくということが必要だと思います。

 例えば、去年でしたっけ、インターネット博覧会をした時に、電車の、何という名称でしたっけ、運転してみる模擬試乗みたいなのを。

(財政課長)
 路面電車体験運転です。

(知事)
 この時もですね、土佐電鉄の社内の話だから私が申し上げることでもないですけれども、社内では大反対があって、そんなことできるわけがないと。それじゃあ、操車場の中で、自分の敷地内でやろう、それでもいろいろあるだろうということを言っていたにもかかわらず、やっぱり結構な人気で。来られて、非常に喜んでいただいた。

 ああいうものをもっと恒常的にやっていくとかですね。それこそまた国土交通省だ何だといろんなことが出て来るでしょうけれども、外でもできるようにしていくとかいう使い方を、1つはやっぱり考える。もっといろんな規制というものを取り払って路面電車というものを考えていくのも必要ではないかなと。

 私は、路面電車だけじゃなくて、これからのまちづくりに、公共交通が、特に高知のように坂の少ないところはですね、この公共交通が果たしていく役割ってとても数多くあるし、使い道もいろいろあるんじゃないかなと思うんです。

 ご質問にないのにしゃべってあれですけれども、ぐるりんバスなんかも、いつ見ても人が乗ってないと。そうであれば、バス停を設けてバス停に止まるというんじゃなくて、どこでも、一定のルートで走ってて手を挙げたら止まって、ということをしてみてはどうだと。

 で、必ず警察がうんと言わないだろうという話を言うだろうと思います。それは、また交通専門の太田本部長とお話をすれば良いだろう、というようなことをもっと前向きにね、これはダメだろう、あれはダメだろうということで物事を考えるんじゃなくて、公共交通はこれだけまだ頑張っていただいてるのに、それをもっと使いやすく、また話題になるように。どこでもやっぱり手を挙げたら止まれるようなグルグル回るバスがあるというだけで、それは高知新聞だけじゃなくて、全国にも情報発信できるネタになると思います。

 そういうことを、次から次へと。それから、体験乗車だってインパクの期間だけじゃなくて、例えば、年間、何月何日~何月何日まではやっていきますよ。というようなことを繰り返しやっていけばですね、そういうことの効果というのは大変大きいと思うので、それに使える資源が路面電車というような形で残ってることは、高知にとって大変大きな財産だということを思いますので、一番最初の質問に戻れば、単に経営上の赤字だ、それへの補てんだという関係で県とあの電車の関係を見るのではなくて、公共交通によるまちづくりとか、それを1つの売り物にした交流人口を増やすための魅力に使っていくという視点が、私は必要だと思います。
 

(木下日本経済新聞記者)
 先日、土電の社長とJR四国の社長と伊予鉄道の社長と懇談されたと聞いたんですが、どういうような話題が出たんでしょうか。

(知事)
 懇談といってもですね、正式に机を囲んでじゃなくて、もう最初から囲炉裏で魚を食べながらお酒をなめながら話をしましたので、そんな堅い話じゃないですが、今のような話もいたしました。

 例えば、ぐるりんバスなんか、もうバス停を設けるのではなくて、バス停はバス停で設けて良いと思いますけれども、手を挙げたらどこでも、お爺ちゃん、お婆ちゃんが手を挙げたら止まって乗っていくというような、また観光客の方が使えるようなものであれば、観光客の方が手を挙げたら止まってそれで乗っていけるというようなものにするとか。

 また、これもまあ土電の社内の話なんであれなんですけれども、社長は回数券でも乗れるようにしろと言ってるのに、「もともとぐるりんバスは割引をしてるものだ」と、「回数券も割引をしてる」と、「二重の優遇策になるからそれは」という意見が社内にあってできないままであったとかね。それから、定期券でもそのまま乗れるようにするとか。

 もともと100円で成り立つわけがないもんなんだから、あれは宣伝用で走らせてるものだと。そうであれば、どれだけ全国にアピールできるようなプラスαを付け加えてるかということを考えなきゃいけないと、社長は言われて。県として、直接の県の権限ではないにしてもですね、一緒にそういうことを警察にもお話をしていくとか、みんなで話し合うとかいうことをですね、やらなきゃいけないなということは、私も思いました。

 それから、JR四国さんは、今、SLを是非四国に復活をさせたいということを言われていて、この間、四国4県を、SLを、これは西日本が持っておられる京都の梅小路にあるものですけれども、これを借りてきて何日かなさいました。借りるからもう膨大な金もかかりますということがありますが、社長は、今高松の公園と、うちの比島の交通公園に、たぶん2台だと思いますけれども、C38だったか何だか忘れましたが、機関車があります。

 で、それを復元をすればですね。というのは、その西日本の梅小路にあるものが、もうあと数年でダメなんだそうです。この間、高知やなんかを走った時も、もうガタガタで息切れ状況で走ってるのが現状で、あと数年経てばもう現役としては使えなくなる。

 その、今四国に飾ってあるものは、復元というか、動けるようにすれば、十分まだ何年も使えるものなので、それを復元するのが、2億円かかる。レトロの車両をつくればプラス1億円かかると。で、その後の維持管理は毎年7~8千万かかるが、それはJR四国が責任を持ってやると。

 それから、PRとかイベントづくりはJR四国が責任を持ってやると。だから、最初の2億円、またはレトロ車両をつくる3億円を、4県か、または4県+経済団体で出し合うというようなことを考えたらどうだ、というようなご提案がございました。
 

(木下日本経済新聞記者)
 知事はどう答えられたんですか。

(知事)
 僕は、全くプライベートな形で話してますので、僕としては個人的にとても魅力がある話だと思いましたので、そういう受け答えをしました。

 と言っても、知事という立場で、すぐ後のランニングコストのことがあるので、その維持管理がどれぐらいでどうだという話をしたら、その維持管理は7~8千万ぐらいで、それはもうJR四国が責任を持ってみるというお話をされましたので、その当初の2億やなんかをですね、例えば4県で5千万ずつ割っていくということであれば、僕はやっぱり話題づくり、といっても、そのものがこれから10年か何年か使っていけるということであればですね、決してマイナスにはならないだろうなあと。

 で、それが定期的に、もちろんヘリコプターと同じように年間何日か休まないといけないんでしょうけれども、定期的に、その4県の、四万十の所を走ったりとか、何とかを走ったりということであればですね、それは大きな話題にもなるし、エージェントへのアピール効果もあるんではないかということを思いました。
 

(松井高知新聞記者)
 南海地震対策の法案が議員提案されましたけども、それに対して感想とか期待するものとかございますでしょうか。

(知事)
 昨日も四国地方整備局の局長や幹部との懇談の中でも話題の1つになりましたけれども、今回の法案がですね、特別措置法という形で実現をしていけば、それは南海地震の備えという意味では大きな一歩だろうと思います。

 で、1つはやはり計画づくりという面で、国、地方、県がですね、それぞれ計画をつくっていくということになりますけれども、そういう計画づくりの中で、お互いの、ある意味では連携、役割分担ということが当然事務レベルでも進んでいくだろうということを思います。

 というのは、昨日も四国整備局の西田局長から、西田さんが昨日の会にあたってこの南海地震について高知県ときちんと打ち合わせをしたことがあるかと聞いたら、まだ全くないという話が戻ってきたという話をされていました。

 そこのレベルまでなっていないということがあるんですけれども、当然、特別措置法というような形で実現をすれば、この四国では四国整備局が大きなその基盤整備などの責任を持たれる部署になりますから、そこと高知県との具体的な事務的な連携とか情報交換というものも、当然進んできます。

 それが、何年後に起きるかわかりませんけれども、地震が来た時のやっぱり大きな力になると思いますので、単に法律によって計画が明確になり、またそれによる一定の予算措置がつくというふうなことだけではなくて、やっぱり法によって位置づけられて国の機関も県の機関もその気になって、日頃から連携をしていくということが、いざという時に大きな力になっていくのではないかなということを期待をしております。
 

(岡村高知新聞記者)
 知事は、ワールドカップは注目されているんですか。

(知事)
 ワールドカップは見ました。で、日本もですけどね、僕は、若干、自分として面白いなと思ったのは韓国とイタリアの試合ですね。何人かの人にですね、印象を聞きました。わずかな人にしか聞いてないので、一般論に普遍化するわけにいきませんけれども、結果のニュースだけ見た人は、日本が負けた日に韓国が勝ったというので、しゃくにさわるなあという感想でした。

 ただ、あの試合を全部見てた人は、僕自身もそうですし、その他何人かに聞いた人もほぼそうでしたけれども、やはり日本が負けた日の夜なので、1−0で韓国が負けていた時には、ついでに韓国も負けた方がスッキリするなあというような思いで見とったと。

 ところが、やっぱり後半の30分ぐらいを過ぎてですね、あれだけ必死にやって、そのサポーターの人がワーッという感じを見て、自然に韓国を応援するようになって。で、もう45分というか、タイムアップギリギリにですね、1点入って。

 その時にはワーッと喜んで。もう延長の時はすっかり韓国のサポーターになってですね、最後にアン・ジョン・ファンが入れた時にはバンザイをしたという人が何人かいましたので、そういう、何か、まあ今度のワールドカップ全体がそうですけれども、やっぱり日本と韓国の距離感というものを単に縮めたというか、変えたという、大きな、僕は意味があるんじゃないかと思うんですよね。

 特に、あのイタリア戦なんかをずっと見てた人は、そういうことをこう肌身で感じた人が何人かいるんじゃないかなというふうに思いました。
 

(岡村高知新聞記者)
 開催中に、ジーコさんがいらっしゃった。私あまりサッカーのことは詳しくないんですが、開催中にあれだけの人が高知に来るということ自体もすごい話題らしいんですけれども。まあ、西武も阪神もいなくなるんですが、ああいう形の施設の使い方もあるんじゃないかと思うんですよ。春野にしてもですね。

 サッカーだったらオールシーズンでしょうし、そういう形で人が集まれるような機会づくりっていうのもあるんじゃないかなと、今にわかに思ったんですが。

(知事)
 さっきお答えをすれば良かったんですが、鹿島アントラーズでこのあいだ来てたスタッフの中にも、土佐山田町の出身の人がいるんですよね。

 鹿島アントラーズは全くその気がないわけではないだろうとも思いますので、今度、是非一度向こうに行ってですね、応援をしがてら行って、お話をしてみたいなと。そんな具体的なあれじゃないですけど、実際どうなんだろうということを、その向こうのスタッフというか、フロントの方とお話をしてみたいなと思っております。

 しかも、ああいう形で、この忙しい時に来てくれてやるということは、何がしか思いは持ってくださっているのだと。もちろん、土佐山田出身の方がおられるということはあるんですが、それも1つの大きなやっぱりコネクションですから。そういう意味で、是非、今言われたようなことは実現ができればという思いで取り組んでいきたいと思います。
 

(岡村高知新聞記者)
 どこが優勝すると思いますか。

(知事)
 ああ、全然分かりませんね、それは。トルコが優勝すると日本の面子が立ちますかね。
 

(岡村高知新聞記者)
 国の財政もかなり歳出カットということですけれど、明らかに減税の対抗策というか、打ち出すと言ってるんですが、高知県も財政改革の最終面ということなんですけれども、さらにつなげていかなくちゃいけないんでしょうけれども、来年の予算編成のことも考えていくと、また高知県の財政歳出を絞るのかというふうな。

(知事)
 財政課長も総務部長もおられるので、あんまり独断と偏見のことは言えませんが、1つの視点からすれば、これまでは財政構造改革ということで取り組んできてですね、県債依存度を10%以内に収めていくと、それから、プラスマイナスが帳尻が合うようにしていくということをやってきたわけですね。で、それはそれで一定実現できたと思います。

 ただ、それはやっぱり財政構造改革ということと行政改革、人員の削減とか整理がリンクをしていたわけではないです。これからは県民の皆さんに対しても、それから県の職員の志気ということからもですね、単にシーリングだということでやっていくだけではなくてですね、やはり行財政改革、その行政改革に伴う人間をどれだけ減らしていくか。

 そのことは、当然、財政にもそのまま連動いたしますので、そういうやっぱり財政計画の中で使い方をどうしていきますかっていうようなことも提示をしていかないとですね。

 人件費ということを除いて財政の改革ということをやってきた、それはそれで意味があることだと思うんですが、それだけでは県民への説明ということからもすまんのじゃないかなということをひとつ思います。

 もう1つの切り口というか別の視点ですけれども、国が進めておられるというか、進めていかれるこれからの改革ですね。それが経済財政諮問会議や、政府税調や、分権改革推進会議でしたかね、それぞれ3つのところからいろいろ来てるわけですけれども、要は、順番で議論があるわけですけれども、国庫支出金を削減をしていくということと、税源の委譲ということと、交付税の見直しという3点セットなわけですね。

 で、それを総理は三位一体だとこう言われて、どういう優先順位でやるかという明確な指示が無いようにも見えますけれども、いずれどういう順序であれ、そういうものが来ると。で、その時に、やっぱり高知県の立場としては、交付税の持っている財源保障の機能だとか、各都道府県のデコボコをならす財政調整の機能だとか、そういうことは主張としては譲れない点だろうということが1つあります。

 で、もう1つの点で、このあいだ、片山さんの示された、総務省の示された試みの案でもですね。税源委譲で所得税を住民税にし、地方消費税を5分の1を5分の2にすると、それで国庫支出金をまたその分5.5兆減らしますということだと。

 本県の場合に税の面ではプラス何億になるけれども、国庫支出金の場合にはマイナスどれぐらいになるという、たぶんシミュレーションというか、計算ができると思うんですよね。その時にへっこむ方が多いだろうと思います。

 単に財政のやりくりということから考えれば、国のお金をいただいてデコボコが減る方が多いよりは、なるべくそうじゃない方がいいねって考えるのは当然なんですけれども、やっぱり、これからの公共事業を含めたいろんなサービスということを考えた時に、従来のサービスの中で国に縛られてやったがために、本当にやっぱりプラスになったかどうかということに、疑問とは言わないまでも、もうちょっと自由に使えればプラスのことができたんじゃないかと思うのは、うちの仕事で言えば、各部局いっぱいあるんじゃないかと思うんです。

 つまり、言いたいことは、全体がマイナスになってもですね、自由度が完全に広がるのであれば、その方が、県民の皆さんにはプラスになるような仕事、例えばハードとソフトの、各部局の予算の割合から言えば、ソフトの部分で、もう少し自由にバッとこうやれば、PRとか情報発信の費用なんかも含めてできた、とかいうようなことがあるんではないかなと。

 そういうことも、単に金銭的なデコボコということだけじゃなくて、考えていかないと、これからの国の改革に対する、そういう投げかけに対する地方のあるべき対応にならないのではないかと思います。

 要は、ちょっと長くなっちゃいましたけど、財源保障と財政調整機能という地方交付税の機能そのものは、やはり地方の立場、特に本県のように財政力の弱い立場ではですね、主張し続けなきゃいけないと思います。けれども、一方で、今よりも金額が減っちゃうから断固その改革に反対だというのではですね、なんとか族で言えば地方族に陥ってしまうんじゃないかと。

 そうではなくて、額そのものが減っても、そこでの自由度が広がることによって、本当の意味での県民へのプラスの仕事ができるようになる。また、さきほどの人件費の絡みであれば、相当数を国との関係の事業で割かれている事務、そこに関わる人件費というものを、もっと県民のプラスに使っていくことも可能ではないかなと。そういう視点も、地方として、国が今投げかけてこられている改革に応える姿勢として持たなきゃいけないんじゃないかと思います。


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