知事の定例記者会見

公開日 2007年12月07日

更新日 2014年03月16日

知事の定例記者会見

平成14年12月25日16時00分から(県庁二階第二応接室)

(項目)
今年を振り返って
知事選挙へのスタンス
本四連絡橋への地方負担
高知女子大の学長選
海洋深層水のライセンス供与
三重県北川知事
県の融資事件の公判
国体の夏秋一本化
来年の抱負
高知西部の跡地活用
中土佐町の採石場への対応
県職員のストライキに対する処分と返還金の使途
高知競馬の存廃
南海地震への対応
仕事始めでのカラ元気の呼び掛け


(松浦:朝日新聞社記者)
 それでは定刻になりましたので、12月の定例記者会見、させていただこうと思います。
よろしくお願いいたします。
 それでは、最初に口火を切るような形で、幹事社の方から3点ほど質問させていただきます。

 1点は、今年最後の記者会見ということですので、2002年を振り返ってですね、評価すべき県政の実績と思われる点ですとか、課題というのがありましたらですね、それを感想も含めて、お言葉をいただきたい。

 2点目は、記者会見のごとに同じ質問になってしまうんですが、来年の知事選についてですね、この12月の議会では正式の表明というのは特になくですね、前回の時は12月議会でされたので、そのあたりの間合いをどのようにお考えですかということと、また今どういうことを考えていらっしゃるかということ。

 で、3点目は、先日政府の予算案も決まりまして、高速道路または本四架橋の地方負担のことについてなどのある程度の枠組みが見えてきたところがあって、各県ごとにその負担についてはいろいろ意見があるようですけども、知事は現在どのようにお考えになっているか、という3点をまずお願いいたします。


(今年を振り返って)
(知事)
 課題はもういっぱい残っています。こういう経済情勢ですから、いかに雇用の場を確保していくかということが一番緊急の課題だと思いますし、そうしたことにまだまだ充分対応はできておりませんので、来年以降、さらに雇用の場の確保、拡大ということに力を入れて取り組んでいきたいということを思っています。

 今年は何と言っても、国体とよさこいピック高知(障害者スポーツ大会)という大きなイベントがございました。このために、ハードの面でもごめん・なはり線が開通をしましたし、高速道路が須崎まで延伸をしましたし、また、高知の市内の五台山道路や土佐道路の完成、そして、幡多の方では中村宿毛道路の一部供用開始といった、ハード面でも、イベントという締切があったために、こういう厳しい経済環境、財政環境の中でも一定の成果を得ることができたのではないかと思います。

 また、ソフトの面では、県民の皆さん、また関係の皆さん方の大きな協力で、2つの大会、夏、秋と分ければ3つの大会ということになりますが、いずれもたいへん成功のうちに終えることができました。中でも、8800人の規模で民泊を行ったということが地域の方の自信にもなったと思いますし、また、地域とその地域を訪ねてくださった県外の方々との交流の芽が芽生えたり、ということで、今後そうした関係が長く続いていけば、地域にとっても大きな力になっていくのではないかと思っています。

 このほか、今年あったことはいっぱいありますけれども、最近のことでは、高知県立中央病院と高知市民病院の統合によります医療センターがPFIの方式でスタートというか起工式が行われました。この両病院の統合をPFIの方式でというのは、全国でも、公的な病院のPFI方式としては最も先をいく試みではないかと思います。

 それだけに、十分注意をしながら今後も進めていかなければいけませんけれども、全国的に誇れるものを、また全国的にもモデルになるものをつくっていけるのではないか、その大きな一歩が踏み出せたのではないかと思っています。

 また、高知県だけの問題ではございませんが、各県の知事さんと連携をした活動の和というのがさらに広がってきました。そうした中で、「高速道路を考える」、そういう会を6県の知事で開いてきましたけれども、そのことは、今回の高速道路を巡る、3つ目の御質問にもございましたけれども、いろんな動きにも陰になり日向になりいろんな影響を与えたのではないかということを思っております。

 それは、本来の6県の知事のねらいとどれだけ合ってたかというのは疑問な点もありますけれども、少なくとも、さまざまな影響を与え、国というか政府側の考え方を若干修正する方向にもなったのではないかというふうに思います。
 そのほか、またいろんな課題についての御質問があれば、また後ほどお答えをいたします。


(知事選挙へのスタンス)
 来年行われる県知事選挙へのスタンスについてですが、もう従来から申し上げておりますとおりで、あえて、改めてこの時期に、どうのこうのということをさらに踏み込んで申し上げる状況ではないと思います。もう従来から自分の思いというのは県民の皆さんにもまた皆様方にも申し上げておりますし、その思いというのはもう充分県民の方々には伝わっているのではないかと自分は感じています。


(本四連絡橋への地方負担)
 3つ目のご質問の、本四連絡橋公団等の債務の処理の問題でございますが、一番本県に直接関わりのある本四連絡橋公団の処理の問題について言えば、従来本県は、これまでその3つの橋を架ける仕事も、その運営も、国のプロジェクトとして採択をされ、国が公団の事業として進められてきたことだから、そこで生じた債務の処理を、これ以上、つまり25年度以降まで引きずって地方に負担を強いるのはおかしいのではないかと。それは応じられないということを申し上げてまいりました。

 これに対して、今回の内示の中でも示されておりますスキームは、債務の処理は道路特定財源も使って国がすべて処理をしていくと。その代わり、今後の特別料金、25年度以降の料金の引き下げについては地方が負担をしてほしい、という趣旨のスキームで、これは従来から地方として申し上げてきたこと、関係の府県市で言ってきたこと、また高知県として言ってきたことにも沿ったものでございますので、「評価ができる」という議会答弁をしてまいりました。

 先日、四国地方開発の推進委員会を開いて、4県の知事と各県の議長、副議長さんと懇談をしたときに、かなり率直な意見交換になりましたが、その中で、愛媛県の加戸知事が、「今回の国のスキームをそのまま受け入れると、今後の料金値下げはすべて地方の負担ということになる。そうなると、なかなか大幅な料金値下げということができなくなって、四国の経済にも大きな負の遺産を未来永劫背負い込むことになるのではないか。同じ負担をするならば、従来その負債処理にこれ以上

負担はできないと言ってきたこととは少し方向が変わっていくけれども、国に全部その負債の処理分を負わすのではなく、その部分に地方も関わり、同じ分、国にも料金の値下げの部分に関わってもらう。そのことによって、将来にわたって料金の値下げは全部地方の負担ということではなくて、国もその料金の値下げに関わっていくというスキームを主張した方が、長い目で見たときに四国のためになるのではないか」というご意見を初めて表明をされてですね、それについても、関係の府県市で考えていかなきゃいけないなと、今思っているところです。

 その場でも、12月の私自身の議会答弁と少しずれが生じるということは申し上げたのですが、それはそれでなかなか検討に足るご意見でもございますので、そういうことも含めて、関係の府県市で、もう限られた時間ではありますけれども、もう少し話を意見交換をしてみないといけないと思っております。
 以上でございます。
 

(松浦:朝日新聞社記者)
 最後の、道路に関してですけれども、事務的なことですけれども、新年早々にでもまた知事が集まられたりですとか、何か予定は決まりつつあるんでしょうか?

(知事)
 それはまだ全然決まっておりません。
 まあ、知事がとか、関係の府県市の知事、市長が集まることはなかなか難しいと思いますから、それは、うちでいえば企画振興部長ですけれども、担当の部長レベルでの協議ということになろうかと思います。


(高知女子大の学長選)
(竹内:高知新聞社記者)
 女子大の学長選のことについてなんですが、先日ですね、女子大と短期大学のその学生自治会の元役職員の方とかが声明を出されたり、大学自治を守る、あるいは学長選の早期実施だと。本日も、高知短大の教職員組合とか女子大の同窓会である「しらさぎ会」の有志の方が同じような、まあ声明という言葉じゃないにしても、同じような要望を出されていると。そういったあの、まあ他にも学生の署名集めとか学生大会で決議もされたりしてますが、こういった声を知事はどういうふうに受けとめられてますでしょうか?

(知事)
 もうすでに大学側には伝えてございますので、自然に、来月になればいろんな動きにつながっていくだろうと思います。学生とも話をしてますので。
 

(竹内:高知新聞社記者)
 学長事務代理とも?

(知事)
 学生とも。
 

(竹内:高知新聞社記者)
 大学自治への介入という指摘がずっとあるんですが、これについてはどう…?

(知事)
 それはもうまったく違うということは、これまで申し上げているとおりでございます。
 

(竹内:高知新聞社記者)
 じゃ、お考えは特に変わっては…?

(知事)
 「特に変わって」というよりも、誰が見ても、大学の自治への介入ということとはまったく別の問題だと思います。
 

(竹内:高知新聞社記者)
 人事とかも含めて?

(知事)
 はい。
 

(竹内:高知新聞社記者)
 (12月)18日にですね、4学部長が知事室に来られてですね、即実施を求める要請をされたと思うんですが、それに対して、知事が「私も全く同感である」とおっしゃられたというふうに伺ってますが、その「私も全く同感だ」という言葉の真意といいますか、以前はその、10月の段階での要請でですね、「残り任期の16年の3月までは学長選にうつつを抜かすのではなく…」という話がありましたけれども、それよりも前に、まあ「然るべきときに」ということでですね「早くやってもいい」と。そのときの要請から考え方が変わってるんでしょうか?

(知事)
 その時その時の状況をですね、判断しなければいけませんので、当然、このあいだ言ったことが今の直近の考え方でございます。
 

(竹内:高知新聞社記者)
 それと、こういった手続をですね、実際スタートさせるのは吉野事務代理ですけれども、知事が10月の段階で要請していることもありましてですね、その、設置者としての説明責任とまではいいませんから、ある程度の表明をしていただきたいと思うんですが、具体的に知事は学長選についていつ頃というのをイメージしてるんでしょうか?学生は署名の中でまあ「卒業式までに」というようなことを求められていますが。

(知事)
 学生がですね、やっておられますので、学生さんとのお話の中できちんとしていきたいと僕は思っています。
 

(竹内:高知新聞社記者)
 じゃあ、こういった所で、具体的にいつ頃とか、そういったお答えをいただくわけにはいきませんか?

(知事)
 はい。
 

(竹内:高知新聞社記者)
 わかりました。

(知事)
 まあ、僕がいつというものではないと思いますね。
 

(竹内:高知新聞社記者)
 もちろんです。

(知事)
 だから、という意味も含めてです。
 僕が記者会見でいつにすべきだと申し上げることではないので。私の場合は、学生さんにも、先生方にも申し上げてありますので。
 

(竹内:高知新聞社記者)
 その「先生」というのは、このあいだの4学部長という意味ですか?

(知事)
 いろんな方です。


(海洋深層水のライセンス供与)
(木下:日本経済新聞社記者)
 海洋深層水に関連する産業について伺いたいんですが、来年1月からのですね、水そのものの県外への分水と併せてですね、深層水を使った製品に対する特許ですね、県が持っている、特許もですね、県外の企業にですねライセンス供与するというお話が進んでいると聞いているんですが、これまで閉じてきた深層水産業の振興政策というのを、まあ、水も出す、特許もライセンス供与するという、こう一気に外に向いて広げていくですね、ねらいっていうのはどこにあるんでしょうか?

(知事)
 ちょっとそこまで細かいことを聞いてないので、なんとも。個別に後で。
 ごめんなさい。


(三重県北川知事)
(関谷:毎日新聞社記者)
 先日、高速道路を考える会があったときに北川知事とお会いしたと思うんですが、不出馬表明をして以後はじめて会われたと思うんですが、北川知事の印象といいますか、今後の、どういうふうに進むかというようなお話はされましたか?

(知事)
 今のご質問にこうピッタリとした答が出るような話をしたわけではありません。
 高速道の会のあとにも同じ質問が出て、「北川知事はどうされるとそれぞれの知事は思うか」という質問を受けたので、「今回は国政に行くようなことはされないだろう」ということを申し上げました。

 高速道の会の前の日にも、北川知事も含めて話をしましたが、まあ今、誰もが、国政に行ってどういうプラスがあるかということはみんな疑問に思うところですし、そのことよりも、地方の知事が連携をして、ネットワークをつくって、さまざまな活動をしていく、例えばですね、知事選挙とか市町村長の選挙だけじゃありませんけれども、議員の選挙も含めて、「やっぱり政治活動というのもやってみたいけども、だけど今の政党の推薦だとか、政党に入ってということではない。

 ただ、まったくの無手勝流ではなかなか…」という人が相当数多分おられると思いますね。そういう方々を、知事さんたちが何人かで面接をしていって、推薦をして、そういう受け皿になっていくとかね。そんな活動の、まあ北川さんがそれでうんと言ったわけではないですけれども、そういう活動のNPOのグループをつくって北川さんがリーダーでやっていくとか。

 それから、あの、これからさまざまな提言をしていくときに、やっぱり、先ほど申し上げたような知事仲間でも一定の影響力を持ちますけれども、知事という立場だとやりにくいこととか、言いにくいこととかがあります。それをもっとフリーな立場から積極的に発言をし、それを動かしていくという力に北川さんはなってくださるのではないかなと。そういうことを北川さん自身も考えておられるのではないかと思いました。
 

(大塚:共同通信社記者)
 今のお話ですが、そのNPOグループというところはかなり具体的に…?

(知事)
 それは僕が勝手に言っただけなんですよ。僕が勝手に言っただけで、みんながそう言ったということではないし、北川さんがうんと言ったわけでもないです。

 でも、そういうものをやった方が、国政で云々ということよりもはるかに今の世の中にはインパクトを…。まあインパクトを与えるのが目的ではないです、その、私たちが求めてきた、今の政党に偏らない、また頼らない、それでいてやっぱり政治活動としていろんな動きを起こしていくというのであれば、そういう手法が一番広がりも持つし、インパクトもあるのではないかと、自分自身も思って、自分もそういう場で発言をしましたし、特段もちろん反対があったわけでもないので、自分としてはそういう方向を北川さんにもやってほしいなという、自分がしてほしいという思いを伝えました。

 
(大塚:共同通信社記者)
 そういうのをつくって、北川さんがそういう形でそのリーダーに…。

(知事)
 リーダーになられるかどうかは別にして、例えばNPO的にそういうものをやるのであれば、フリーな立場の人が一番いいでしょうから。知事がやりながらNPOというのも変な話なので…。という趣旨です。

 だから、それは、これから新しく議員さんや首長を目指すという方だけではなくて、今は知事だけでいろんな仲間の連携のグループができてますけれども、知事だけじゃなくて、市町村長でいろんな活動をしている人にその中に入っていただいて広げていくとかね、いうこともあり得るんではないかと思います。


(県の融資事件の公判)
(久武:高知新聞社記者)
 話変わるんですけど、つい今し方、長かった県の闇融資の公判が最終弁論という形で結審して、今の時点でご感想があれば、お聞きしたいんですが、いかがでしょう?

(知事)
 それはもう、司法の場での判断をお待ちをする以外にないということです。


(国体の夏秋一本化)
(関谷:毎日新聞社記者)
 昨日、日体協の国体委員会が開かれまして、時期的にはまだ未定なんですけれども、夏と秋の国体開催を一体化して、11日間でやって、経費削減をやろうという方針が決まったんですけれども、よさこい国体でですね、削減化に取り組まれた知事としてですね、感想をお伺いしたいんですが。

(知事)
 高知県が何かをしたからということではなくて、もう時代の当然要請だったと思いますけれども、ひとつは、知事会の中でも近畿の知事会とかですね、国体の簡素化に向けて具体的な動きが出てきていますし、また一方で、日体協からも、15%ですかね、削減というふうな具体的なものが出てきて、

また、夏と秋の大会を一緒にして、期間は長くなりますけれども、それによって開会式、閉会式を一回で済ませ、また、夏と秋で今回サッカーとラグビーを割り振ったように、同じ球技場を使う競技を別々に施設整備しなくていいようにしていくというような点は、もう日体協自らが相当簡素化ということに思い切って踏み込まれたというふうに自分も思いますし、そういう一つの流れのきっかけに高知の国体がなれたのであれば、とてもうれしいと思います。


(来年の抱負)
(松井:高知新聞社記者)
 年度途中なので、聞くべきことじゃないと言われるかもしれませんけども、来年の抱負を教えてください。

(知事)
 ひとつは、組織改革ということを来年は取り組もうと今準備をしておりますので、その組織改革によって、これまでなかったような動きができるチームというか課室をつくっていければなあということを思います。

 また、今度の条例案で任期付きの採用をお認めいただいたので、こういう任期付きの民間の方の血を入れていくというようなことも是非進めていきたいというふうに思っております。

 県庁の中の仕事としては、組織と、今申し上げたような民間の方を入れていくということでもですね、ずいぶん、こう雰囲気というか、また、これまでも意識はずいぶん変わってきていると思いますけれども、そういう流れをより確かなものにできるのではないかと。そういうことを、まずは、来年度に向けて取り組んでいきたいと思っております。
 

(松井:高知新聞社記者)
 これまでになかったような動きというのは、知事の中でどんなイメージ?

(知事)
 例えばですね、これまでその政策的には地産地消ということをこう、その土地でできたものをその土地で消費をするということをやってきました。

 で、まあ地産地消は農業だけではないですけれども、農業の分野でも、統合されているJAの組合長さんなんかと話をしても、地産地消に力を入れて取り組んでいきたいと言われている組合長さんなんかもいてですね、JAの中でもずいぶんそういう意識が高まってきているのではないかということを感じますので、例えていえば、地産地消というのを課の名前として出して、その動きをより確かなものにしていく。できるかできないかわかりませんけれども、体育保健課の持っている給食もあわせていくというようなイメージのものを。

 これは「?のようなもの」であって、確定しているわけではないし、自分の思いとしてはそうしてほしいという思いは伝えてありますけれども、現実にできるかどうかはわかりません。というようなこと。

 それから、従来から言われていることですが、海岸の事業だとか、排水処理の事業だとか、各省が縦割りで持っている事業があります。そういうものを一元化して取り組んでみることはどうかと。

 そのメリット、デメリット、いろいろあると思いますけれども、それをやはり横串でつなげるような課をつくっていって、一度その仕事のあり方を、それぞれの技術も含め、職員の方たちが見直してみるというきっかけをつくることも必要なときではないかと。例えていえばそういうことです。


(高知西部の跡地活用)
(掛水:高知新聞社記者)
 高知西武の跡地の活用についてですね、どんなふうにお考え…。民・民で行けば一番いいんでしょうけど、なかなか状況として難しいところもあるんですが、どうお考えでしょう?

(知事)
 私はあくまでも民間の力で動いていかないとですね、公、特に官が最初から入っていって、武家の商法でそこに介在をしても、決していい方向には、また成功の方向にはいかないだろうということを思います。

 一方で、僕は正直なところ、西武には、情報を公開をし、きちんと、これまで経営をしてこられたその後処理としてですね、どうしていくかということを、私たちの側にも明らかにしてもらいたいなあと。

 僕も何度かその担当の役員にお目にかかりたいということを言いましたが、ずっと拒否され続けましたし、そういう態度でですね、本当に地域に貢献できる企業というのかなという疑問は私は強く思っています。
 

(松浦:朝日新聞社記者)
 今のお話ですと、何度か正式にですね、西武の担当…。

(知事)
 正式というのは、何を正式というのかわからないので。別に書面をもってあれしたわけじゃないですけれども。
 どういう状況で、西武としてどう考えているのかということはお聞きをしたいということは申し上げましたけれども、拒否をされましたので。
 まあ、子供っぽい話ですが、店長さんが閉店にあたってご挨拶に来るというので、私はもう「来なくていい」と言いました。
 

(掛水:高知新聞社記者)
 まあ、それはそれで西武の姿勢もあると思うんですが、あとその、あそこ、まあ一応高知県の顔ということで、まあ放ったらかしにもしにくいなと思うんですよね。

(知事)
 基本的にはだけど、西武がどう考えているかということがわからないと、どうしようもない面がありますよね。
 僕のところにもいろんな県内外の民間の方から、いくらでもというのは大げさですけど、いくつも、県内外の方からいろんなご提案があります。そういうものを西武としてどう受け止めて、どういうものに可能性を見いだしてどうやっていくのかという話がなければ、僕もあいだに入っていくらでもやりようがありますけれども、やりようがないですね。
 

(掛水:高知新聞社記者)
 しばらく静観ですか、そしたら?

(知事)
 いや、静観は全然しておりません。
 いろんなお話を聞いて、できるものでいい形のものを実現をしていきたいと思っています。
 

(掛水:高知新聞社記者)
 何かいい話、来てます?

(知事)
 何をもって「いい話」というかが、わからないですね。
 

(掛水:高知新聞社記者)
 まあ、夢のある…、できればというのがあるんですけどね。

(知事)
 夢というのは一人ひとりがちがうものなんで。
 

(掛水:高知新聞社記者)
 まあ、どこで妥協するかもあるんですけどね。
 シネコンとかいうふうな構想もちらっと出てきたりとかはしているんですが、そのへんはどうですかね?

(知事)
 どう、と言われても、今の建物でシネコンができるんですかね?
 

(掛水:高知新聞社記者)
 それは無理ですね、ええ。建て直しですね。

(知事)
 だったら、誰が建て直すのかと。
 

(掛水:高知新聞社記者)
 心配ではある?

(知事)
 もちろんそうですね。
 

(掛水:高知新聞社記者)
 何か、知事の方から、あるいは県の担当課の方からアクションを起こすとかいうふうな考えはございますか?

(知事)
 どういうアクションでしょうかね?
 全く何もしてないわけではないですよね。
 

(掛水:高知新聞社記者)
 まあ西武へ伺ったりもしてますよね。

(知事)
 要は、西武がどうされたいのかということがわかれば、いくらでも対応の仕方があるんですよね。県からおつなぎをしていってもいいし。県に来てるいろんなご提案を含めて、西武と話し合って動かしていくということはいくらでもあると思うんですけれども、全くそういうことを受け付けようとされないので。
 とまあ私は思っていますけども。


(中土佐町の採石場への対応)
(大塚:共同通信社記者)
 中土佐町の採石場の件ですけども、先日、判決が確定しました。
 認めるかどうか、結論は出ましたか?

(知事)
 結論はまだ出てません、それは。
 

(大塚:共同通信社記者)
 それはいつ頃までに結論を出す必要があるんですか?

(知事)
 それはまあ、判決の確定ということがございますので、常識的に言えば、来月の中旬ぐらいが目処になるのではないかと思います。まあ、少なくとも来月中が目処になるのではないかと思います。


(県職員のストライキに対する処分と返還金の使途)
(松浦:朝日新聞社記者)
 もうひとつ、あの、県職員のストに関する処分の方というのも。どうでしょう、その後、何か近いうちに、今年中に出してしまうであるとかいうような作業は進んでいるんでしょうかね。

(知事)
 それは、作業は当然いろんな意味で進んでいると思いますけれども、まだ僕のところにも全然、報告というか相談もございませんので、具体的な形で年内にまとまるということはありません。
 

(松浦:朝日新聞社記者)
 返還されている方がですね、30人以上いらっしゃるようですが、そのことについてはですね、まあ、数が多い、少ないというのはちょっと言いづらいと思うんですが、その、もしかしたらゼロかもというような思いも私などはあったんですが、案外いたなというふうに感じてるんですが、知事としてはどうでしょうかね。

(知事)
 僕は、みんなそれぞれ思い悩みですね、自分もその組合員だったときのことを思えば、やっぱり仲間への思いだとかさまざまな気持ちがありますから、そういう、同じ仲間と一緒にいる職場の中でなかなか違う行動をするということの難しさということも感じますけども。

 ですから、その数そのものを多いとか少ないとかいうことでなかなか評価はできません。が、まあ、それぞれの方が真剣に悩み、考えて、そういう行動に、お金を一部返却するという行動に出てくださったわけですから、その分をいかに生かして使っていくかということは次の大きな課題だということを思います。
 

(巻田:NHK記者)
 なにか、今の段階で、使い途として考えていらっしゃいますか?

(知事)
 雇用の問題ということを最初にも言いましたし、こういう経済環境の中であのような行動に出ることの公務員としての私は考え方のおかしさということを指摘をしておりますので、このきびしい雇用情勢を考えていく、まあ考えるというか、雇用情勢に対応していくような何らかの施策なり、ということを検討する場づくりなど、何かそういうことに活用していければな、ということを思います。
 

(巻田:NHK記者)
 処分についてはですね、この勤勉手当返還した、しないが関わってくることになりますでしょうか?

(知事)
 それは、選択肢としては有り得ると思います。選択肢としてはね。
 ただ、どうしていくかということまでは、まだ事務的にきちんと議論したわけでもありませんし、そこにある法的な問題だとか、さまざまなことはきちんと勘案をしなければいけませんので、単なる政策的、政治的な判断で済む問題ではありませんので、そこは十分慎重に考えてから決めたいと思います。
 おっしゃることは、選択肢としては…、知事として、個人として、選択肢としては有り得ると思います。
 

(巻田:NHK記者)
 処分に差が出ることもある?

(知事)
 まあ、有り得ることだと、選択肢としてはね。そうなるかどうかは別にして。


(高知競馬の存廃)
(宇野:NHK記者)
 高知競馬のことに関してなんですが、今回の議会でですね、5億円の分離方式も必要なら検討する必要があるという考えを示されました。それでまあ、これから、組合がどれだけの経営再建策を出してくるかということとかですね、県議会でどういう議論があるかということに係ってくることではありますが、あの、県民に広く議論が必要な内容だと思うんですけれども、何か、県議会の場とは別にですね、そういう説明をする場所みたいなものを考えておられたりしますでしょうか?

(知事)
 それは今考えておりません。
 理由は何かというとおかしいんですけれども。まず、競馬組合がこれからいろんなものを練るというのではなくて、一定こういうふうな形でやっていきたいというものを出してきたのが、その「5億円分の支払さえ棚上げしてくれれば」という収支の見通しです。

 で、その収支の見通しについて、一般の県民の方に集まっていただいて議論をしても、あまり意味がないというか、それは素人の目で見てすぐわかるというものではございませんので、そこはきちんとした人に、その収支の見通し、つまりダウンサイジングをして、小規模化をして、もう収入に見合った分しか分配はしていかないということで、各関係の団体の人に理解をしてもらう、という趣旨のものですから、それができる収支見通しかどうかというのは、第三者の、そういう数字のわかる方の目で見ていただくことがひとつは必要だろうということを思います。

 もう1つの問題は、その際に、一般財源をギャンブルそのものに注ぎ込んでいくということが是か非かという、議会でも申し上げた問題で、これももう、あえてその県民の皆さんのご議論をわざわざ委員会をつくってしていただくというよりは、議会での議論をいただいたり、まあ一般的な形でのさまざまなお声というのはいただくことができますので、そういう中で判断をしていけばいいことではないかと思います。


(南海地震への対応)
(巻田:NHK記者)
 昨日ですね、東南海地震と南海地震の被害想定を国が出したんですけども、それについて、かなり高知県でも被害が出る予測になってますが、それが出たことに対して感想とかですね、お持ちでしたら。
 あと、今後、それを受けてですね、どんな対応が必要になってくるとお考えになるか。

(知事)
 それは別に、昨日のことがあったから何か変わるということではありません。
 高知県として、これまでの南海地震への対応の出だしが非常に早くてスムーズにいっているとは言えませんけれども、既に県としての対応は順次進めてきて、来年度以降も大きな財政支出の柱にしていこうということを決めておりますし、その際に、どういう優先順位で仕事を進めていくかという計画づくりも一方でやっていますので、別にその、国の出された予想数字がどうであろうと、県としての進め方には何ら変わりはないというふうに思います。

 県としてこれからやっていくのは、きちんとした優先順位をつけたハード、ソフトの計画をつくって、それを予算の許される範囲の中で重点的に投資をしていくということと、併せて、国が東海地震と同じように強化地域の指定をしてこられるでしょうし、それにあわせてのいろんな財政措置を組んでこられると思いますので、その際に、高知県として、高知県の実状に合った対策になるように要望をしていくということが大切なポイントではないかと思います。


(仕事始めでのカラ元気の呼び掛け)
(関谷:毎日新聞社記者)
 今年の仕事始めの時にですね、県職員の幹部を前に、「今年はとにかくカラ元気でもいいから、元気を出してやろう」という呼びかけをされたと思うんですけど、その呼びかけを振り返ってみてですね、この一年間、カラ元気ということについてはどういうふうな印象をお持ちですか。

(知事)
 まあ、これだけきびしい経済情勢、さまざまな環境の中では、それぞれの部署によって職員のモチベーションが違うかもしれませんけれども、かなり「カラ」かどうかは別にして、元気を出して頑張ってくれたのではないかと思いますし、国体や全国障害者スポーツ大会が無事滞りなく済んだと、済ますことができたということそのものがですね、みんなが精一杯頑張る力があったということだと思います。

 それはあの県の職員だけではなくて県民の皆さんを含めてですけども、その意味では、まだまだ出せば出る元気がいっぱいあるということを私は思いました。
 

(巻田:NHK記者)
 来年は、今年言った「カラ元気」みたいなですね、何か一つキャッチフレーズにして取り組もうと…?

(知事)
 来年のことなどなかなか。
 今はとりあえず考えておりません。もうしばらく、数日考えて…。
 

(関谷:毎日新聞社記者)
 年末年始はどういうご予定でいらっしゃいますか?

(知事)
 年末年始はちょっと外へ遊びに行きます。


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