公開日 2007年12月08日
更新日 2014年03月16日
第1回高知県アウトソーシング検討委員会での知事挨拶
平成16年2月23日(金曜日)高知城ホール
皆様、こんにちは。このたびは県庁の業務のアウトソースを検討する委員会、委員を引き受けていただきまして、誠にありがとうございます。
私、昨年の4期目の選挙にあたりまして、県庁の仕事、業務の30%から50%ぐらいを思いきってアウトソーシングしますという事を、公約の大きな柱の1つとしてかかげました。
そこに込めた思いはいくつかございますが、大きな視点からいえば従来からあります公のサービス、公共のサービスはすべて行政が担っていく、官庁が担っていくという考え方を、改めて官と民との役割分担を見直していく、新しい民間とのパートナーシップを作っていく、そんな事が背景にございました。
また、さらに、その背景になるきっかけといたしましては、財政が大変厳しくなってきて行政をもっとスリム化しなきゃいけないという、いわば消極的な理由もございます。
けれども、その事よりもむしろ民間におまかせをした方が、民間というのは企業もあるでしょうし、NPO的な団体もあろうと思いますけれども、そういう皆さんに方にサービスなり事務なりをお願いした方がより柔軟で幅広い、また身近なきめの細かいサービスをやっていただける分野が数多くあるのではないかなと、その事がかえって県民の皆さんにとってプラスになっていく。そういう時代になってきているのではないかという事がございます。
また、その延長線上として、そうやって県庁からアウトソースした仕事が民間の皆さん方の雇用の場にもつながり、またそれをおうちでテレワークをしながら子育てをしているようなお母さん方が受けて下さるのでしたら、少子化問題にもまた影響というか良い意味での影響、つながりをもってくるのではないか、そんな事を考えました。
ただ、このアウトソーシングというような事はつい最近言い始めたという事ではなくて、ここ数年ですね、こういうアウトソースとかまたワークシェアリングとかいう言葉を使って、「県庁の仕事をもっと民間に」ということは言い続けてきました。
けれども、よくよく考えてみれば、「自分達の仕事で自分達がやらなくてもいい仕事を出してごらんなさい」と言ったら、だれもなかなか出す人はいないでしょうし、特に先輩から営々と引き継いできた仕事が、自分達がやらなくてもいい仕事なんだという風に思うということを県庁の職員に考えてもらうのも、なかなか難しい面があるのではないかという事を思います。
また、こういうアウトソーシングというのは、思いきった視点というものも必要だと思いますので、今回そういう外部の目から、「このアウトソーシングをしていく仕事は何だろう」と「できる仕事は何だろう」という事を考えていただく事に致しました。
つまり、これまでのように、何か外に出せるものを少しずつ考えてやっていくというのではなくて、そもそも県庁の仕事の中で民間に任す事が出来ない、最後まで守らなきゃいけないような仕事にどんなものがあるかという事を、もう一度見つめ直してみようという事もございます。
一方、このようにして外に仕事を出していきました時に、先程も言いましたように雇用の場にそれがつながるかどうかという事は、それを受け持って下さる受け皿が出来ているかどうかという事にも関わってまいりますし、その受け皿がただ単に県外の何か代わりの企業が持って行ってしまうという事では県民生活にとってのプラスにはなりません。
という事で、やはり県内でそういう仕事を受け持って下さる受け皿を合わせて作っていくという事が大きな課題でございますので、単に県庁の仕事の見直し、アウトソーシングという事だけではなくて、それを受けてもらう受け皿づくりという事を同時に進めていくというような、そんなプランニングをご検討いただければということを思います。
あわせまして、アウトソーシングの進め方として今回お願いをしております、3年間でのプロジェクトということで言えば、県庁の仕事全体をベースに1年目は10%、2年目は20何%、3年目は…というようなやり方もあろうと思いますし、1年目から何か特徴的な部署、仕事、職場、そこを思いきって30%なり50%なり、そのアウトソーシングをする事によって、「アウトソーシングとはこういうものか、それだったら我々の所でも」という動きを起こさせるという2通りの手法というか進め方があろうと思います。
県庁の仕事、公務員の仕事というものの特性もお考えいただきながら、この3年間で進める時にはどういう進め方がいいかということにも踏まえて、またご議論をいただければと思います。
いずれにいたしましても外部の委員の皆さん方からも、ご自由な視点でご議論をいただく事がこの会の目的でございますので、ぜひその主旨を踏まえまして、自由闊達なご議論をいただく事をお願いをして私の冒頭のご挨拶と致します。
どうぞよろしくお願い致します。ありがとうございました。