公開日 2007年12月08日
更新日 2014年03月16日
知事の定例記者会見(県警の捜査費に関する県警の調査結果報告を受けて)
平成18年2月22日(県庁二階 知事室)
記者:
県警の内部調査の報告書。まさに出たばかりですが、それを受けて率直なご感想というか今のお考えをお聞かせください。
知事:
県警本部として、ご自身で内部調査をされたということ、そして一定の返還額などを含めて判断をされたということ、そして更に他の警察署に関しても、また、国費に関しても調査を続けられるということは、内部の問題を自ら調査をして、自浄作用を働かそうということで大きな一歩を踏み出された結果だということなので、そのことは高く評価をしたいと思います。
ただ、そこで出てきた件数とか金額というものが特別監査の監査結果で指摘をされた数字とは異なってきているわけで、そのことに県民の皆さんが、どこにどういう原因があってずれが生じたんだろう、という疑いを持たれる。また、まだ何かあるんじゃないのかなというような思いを県民の皆さんが持たれる余地があるということは否定できないだろうと思いますが、また、そのズレをどう私の立場で解消できるのかというのは今朝も考えてみましたけれども、いい手段がないというか、良い解決策が思い浮かばずに実際悩んでいるというのが正直な思いです。
記者:
先ほど特別監査との乖離が、という話がありましたが、特別監査では意図的にやったというような部分が、今回は誤解とか誤りという表現で報告されていると思いますがその辺のズレについては。
知事:
それは一般論で監査でまとめてこういう表現にされたものが、県警の内部調査でまとめてこういうような表現で結果を示されたというものではないと思います。
何を言いたいかと申しますと、一件一件いろんな事情があって、警察の内部調査でも監査で指摘をされた特別事項について、これはこういう事情があったんだということを、言われているものもありますので、それは一件ずつ見ていかないと分からないということで、全体として監査がこういう傾向で、警察の答えがこういう傾向でとはなかなか言えないんじゃないのかなと受け止めます。
記者:
管理者としての立場から、警察に対してですね、今回、今後の対応とかとも示されたと思うんですが、知事の立場から警察に対して、どういうふうに指導し、今後に向けて単純に捜査費問題だけでなく警察行政全般も含めても構わないんですが、その辺というはどのようにお考えになりますか。
知事:
今日は捜査費の問題なので警察行政全般を含めてとはなかなかお答えをできるということではありませんけれども、やはり今回内部調査をされて少しでも自浄作用を働かせようとされたと、そういう思いを大切にされて、これで終わりなのではなくて、この内部調査の報告を出発点にして、どう県民の皆さんの信頼を取り戻していくか、そのことを具体的な行動でお示しいただきたいと思います。
記者:
問題ある執行といったものの流れの中でですね、本当の執行の手続き上の誤りなのか、つまり個々の捜査員それぞれのなんらかの誤りであったり、手続き上の認識不足だったり、そうしたものに起因したものだと、今回の問題ある執行というもの、そのものがですね。
それは特別監査の中の指摘としてはですね、いわゆる組織的な姿勢というのがあったのではないか、というそこの疑念について言及している部分があったと思うんですけれども、そこの観点というものを知事自身が報告書を見てどう受け止められているのか。
知事:
警察の内部調査でですね、プール金ですとか、私的流用だとか、ということは無かったと明言をされていますので、その警察の判断というものは、今回の調査結果の判断として受け止めなければいけないと思います。
そこから更に踏み込んででも実はそうではないんじゃないか、という疑念を自分自身が持つような、今の時点で具体的な根拠を持っていませんので、今はそれぞれの監査の結果とですね、内部調査の報告に、今のご指摘のあったようなズレがあるということは、そのまま私としては受け止めざるを得ない、という立場だと思います。
そのことを、先ども言いましたように県民の皆さんは、モヤモヤとしたものを、お気持ちの中に残されるのではないか、ということを思いますが、それをどう解決していけばいいのかという具体的な手続きというものを一件一件の捜査員の関わりとか、そこでの守秘義務の問題だとか、いろんな個別の課題に落とし込んで考えていくと、なかなかその差を埋めるだけの良い解決策を見つけることが自分自身できなくて、悩んでいるところです。
記者:
そのズレというのは特別監査の件数、金額だけではなくて特別監査の指摘、いわゆる組織的な不正というもの、そうしたものも一定ズレがあったという認識を知事はお話しされたという理解でよろしいでしょうか。
知事:
そういう意味です。
記者:
いわゆる県民への説明責任、この意味合いにおいてはいかがでしょうか。先ほどズレが生じていると。
知事:
警察の内部調査の結果が十分な県民への説明となっていますか、ということですか。
記者:
はい。
知事:
それは、警察としては精一杯努力をされた結果だと私は素直に受け止めます。
けれども、県民の皆さんの目から見たときに、なかなかそうは受け取れないという思いが、多くの県民の皆さんの中にはあるんではないのかなと、特に特別監査の結果など、関心を持ってご覧になった方にはそういう思いは残るんではないか、というふうに思います。
ですから、その点で警察として更に何か踏み込んで説明責任を果たす余地があれば、そういう努力は是非していっていただきたいなと思います。
記者:
昨日、本部長が知事と話をしたということですけれども、この件についての報告があったと理解してよろしいですか。
知事:
結構です。ただ、私もその場で全く初めて渡されたもので、数字的なものも監査の結果とつき合わせた資料を持ちながら見せていただいたということではありませんでしたので、具体的なやりとりはしていません。
記者:
いわゆる報告書の提出のみということ。
知事:
明日、議会で報告をしますと、報告する内容はこういうことですというご報告を受けてそれと聞くに留めたというのは変な言い方なんですけれども、お聞きするだけという形となりました。
記者:
そうしたら本部長と特に何か相談をされたということはなかったと。
知事:
指示というような要請というようなことはしておりません。
幾つか具体的にはですね、説明できるものがあるというのは、例えばどういうことなんですかというようなことは伺いました。
記者:
この県費の返還437万円、これについては知事としてはそのまま受け止めるというお考えでよろしいですね。
知事:
それは受け止めます。
記者:
今回、一部不適正な内部調査の結果が正式に警察の方から出たわけなんですが、それをもって県警の方に出す捜査費のお金ですとか、県費の支出がこれまでの方針と何か代わるようなことはありますか。
知事:
それは特段ございません。