公開日 2007年12月08日
更新日 2014年03月16日
知事の定例記者会見
平成19年1月22日14時00分から(県庁二階 第二応接室)
(項目)
・県警捜査費問題
・駅前の複合施設構想(1)
・平成19年度予算
・駅前の複合施設構想(2)
・宮崎県知事選挙
・知事の去就の判断
・県議選への関わり
・高レベル放射性廃棄物最終処分場
(田村:NHK記者)
それでは、幹事社から代表質問を3つした後、各社から個別に質問という形でお願いします。
県警捜査費問題(1)
まず、1つ目ですが、捜査費問題についてです。先月の会見の中で、監査委員と県警の言い分のすれ違いを埋める方法をもうちょっと考えたいというような趣旨の発言をされたと思うんですが、その後、知事のお考えはまとまったのか。
そして、どのような対応をする方針なのかということを聞かせていただきたいと思います。
(知事)
結論から言えば、まだまとまっておりませんので、「こういう対応をする」というお答えはできません。
前から申し上げておりますように、県民の皆さん方の中には「県警の内部調査を見てもまだまだ納得できない。何かがあったんじゃないか」という思いを持っていらっしゃる方が多いと思います。
その疑問なり疑念なりを解く鍵は何かと言えば、監査委員が持っている守秘義務ということに焦点を置いて、その守秘義務を持っている監査委員に対しては県警がすべての情報開示をするということが一番のポイントであろうと思います。
けれども、お互いの意見の対立を調整していくというふうな従来の手法では、なかなか双方の対応は変わらないと。守秘義務を持っている監査委員に対して情報開示するということを法的に後押しをしていくような手法が何かないかということをずっと考え続けております。
が、現実には、法律の壁というものも1つにございますし、それから、何かやっても同じことの繰り返しになるという実効性の壁もありまして、なかなか「これは」という手法がまだ見つかっておりません。
その中で、少ない可能性であっても、いま申し上げたような形のことが何かできればということを考え続けておりますので、最終的な結論を出すにはもう少し時間を頂きたいと思います。
駅前の複合施設構想(1)
(田村:NHK記者)
次に、駅前の複合施設構想についてなんですが。いろいろと報道もされていますが、構想について、県としての方針をどのようにしていきたいのか、スケジュール等も含めてお願いできますか。
(知事)
駅前の複合施設の構想は、見直して、白紙に戻したいというふうに思います。その理由は2つほどございます。1つは、これまで申し上げてきたプロセスを大切にするということ。もう1つは、時機、タイミングがいろんなことで急がれているという点でございます。
1つ目のプロセスということですが、この複合施設の構想をご提案したときから何度も申し上げていますけれども、従来の行政のやり方っていうのは県民の皆さんの目に見えないところで方向を決めて、表に出たときにはもう最終決定事項のようなところまで煮詰まっていて、何があってもそれを突き進んでいくというやり方でした。
今やもう、そういう行政手法を採る時代ではございませんので、最初の提案はあくまでも提案であって、後での修正なりバックギアがあり得るということを申し上げてまいりました。
そうした中で、今回、県民の皆さんのアンケートをしたわけでございます。そのアンケートの中に示された、賛成が46.5%、反対が31.2%というふうな数字をどう見るかという見方はいろいろあるとは思います。
けれども、県民の皆さんのこの問題に対する思いというのは相当いろんなご意見があって、まとまった方向に固まっているというわけではありません。
先ほど申し上げた行政手法に絡めて言えば、半分近いご理解があれば、従来のやり方であればそのまま無理やり突き進んでいくということもあったかもしれませんし、また、実際にやってみて、あと20年ぐらい経ったときに「あのときやっておいてよかったね」ということになるかもしれません。
けれども、あくまでもバックギア付きの新しい行政プロセスだということを申し上げたことから言えば、今、言いましたように、県民の皆さんの思いというのはバラバラでまとまっていないと。
また、県議会での強い反対のご意見もあるという中で、これを押し切ってまで進める状況でないというふうに判断をいたしました。
もう1つが、時機、タイミングのことですけれども。この複合施設に入ろうとしておりました県立の施設は、それぞれ整備が急がれているという現状がございます。
中でも一番急がれているのは、図書館でございますけれども、その他の県立大学、県民文化ホールにしても、耐震化の問題、また大学改革の問題等々、急がれるということがございます。
つまり、このままこの構想をしばらく寝かせて、時間を待ってというような余裕がございません。
一方、この駅前の問題は、高知県の所有地だけではなくて、高知市、JR四国、JR貨物という4者の中での協議で進めてきたという経過もございます。
この複合施設の構想についても、ほかの3つの地権者に対して内容をお示しし、ある程度のご理解を得た上で進めてまいりました。こういう施設ができることを前提に、他の地権者の方々も土地の使い方をご検討いただいていたということもございます。
これをそのまま引きずって、他の地権者がいろんな計画を立てられた後に県の計画が変わりましたということでは、ご迷惑をかけるということになりますので、この時期に見直しという判断をすべきだと思いました。
ついでですけれども、図書館、大学、文化ホールについて少し申し上げておきます。
図書館は先ほど、午前中に(高知)市長さんとお会いをしたときにも申し上げましたけれども、最も整備が急がれております。このままですと、蔵書が廊下なんかにもはみ出てきて、図書館としての機能そのものが失われるという問題もございます。
また、併せまして、もともと山内家資料を譲り受けるというときに、図書館が整備をされるということが県の計画としてのぼっておりましたので、図書館が出た後に山内家の資料を受け入れるということを、外に向けても表明をしておりました。
また、昨年の『功名が辻』等のこともあって、観光資源としてもせっかく芽が出てきたところだと思います。
そういうような時間的な流れの中で、担当課としても、教育委員会としても、図書館をどこにどう整備していくかという方向を今年中には決めて、来年に入れば基本的な計画づくりから、という動きをしたいということを申しております。
その一方で、県議会からも、高知市民図書館との統合、合築というようなお話等もございますので、当然そういうことも含めて高知市とお話し合いをしていきますけれども、今、申し上げたような背景がございますので、高知市さんには、今年中には高知市としての図書館整備に対する考え方というものをある程度お示しいただき、または、お示しをいただけないのであれば、県としての整備の方向というものに踏み出していきたいというふうに思います。
それから、大学に関しましては、既に12月の議会で認められました予算に従って粛々と、そちらのほうは進めていますが、社会科学系の学部に関しましても池キャンパスに整備をしていきたいと考えています。
永国寺のキャンパスの使い方でございますけれども、夜間ですとか、また社会人教育、生涯教育ということを考えていきますと、やはり交通の利便性のいい土地の利用がふさわしいということになりますので、永国寺のキャンパスをそういうサテライトキャンパスとして活用していくことを検討していきたいというふうに思いますし、また、図書館の移転の用地としても、永国寺というのは有効な選択肢の1つだというふうに考えています。
それから、県民文化ホールでございますけれども、これも耐震改修等が迫られておりますが、20年度中は既に予約を受け付けておりますので、実際に作業を始めるのは21年度からということになります。もう一度、将来方向というものを考える期間がしばらくございます。
私は、今の1,500席というのは、これから高知県で育っていく若者、また高知県で暮らしていかれる方々の文化ということを考えましたときに、小さ過ぎると思います。少なくとも2,000席のホールが必要だということを私は思い続けておりますが。
こういうことも含めて、現在地での改修のときにどういう改修の仕方ができるか、またその他の手法があり得るのかということは考え続けていきたいというふうに思います。以上でございます。
平成19年度予算
(田村:NHK記者)
3つ目の質問ですが。来年度予算編成についてお伺いします。
29日から知事査定が始まるなど大詰めを迎えるわけなんですが、厳しい財政状況の中でどのような予算を組む方針なのか、現時点で決まっていない部分もあるかとは思うんですが、特にどういった点に重点的に取り組みたいかというふうなことを考えていますか。
(知事)
総務部長の査定が終わったばかりで、まだその全体像を聞いておりませんので、詳しい内容にまでなかなか触れることはできません。
12月の6日だったと思いますが、19年度の予算編成の見積もりというものをお示ししましたときには、一般財源の額は今年度の一般財源が確保されると。そのことを前提に200億円の財源不足が生じるということを申し上げてきました。
けれども、所得税から個人県民税への税源移譲というようなことの中で、もともと税収の少ない本県には見積もりのときよりも10億円近い県税の減収になるという状況でございます。
また、あした、全国の財政課長会議が開かれて、その場で具体的な数字は明らかになりますけれども、地方交付税、臨時財政対策債につきましても見込みよりも厳しいのではないかという現状でございます。
このようなことで、見積もりとして示したときよりもなお厳しく、財源不足に対しても対応せざるを得ないという現状でございますけれども。
南海地震対策でございますとか、または雇用対策、少子化の問題、医師不足のこと等々、これまで県の基本政策として掲げたこと、また、今、緊急に対応していかなければいけないこと、こうしたことにできるだけバランスよく対応していきたいと。そうしたことをこれからの知事査定も含めて、検討していきたいと思っています。
(田村:NHK記者)
そうしましたら、各社、質問をお願いします。
駅前の複合施設構想(2)
(北村:高知放送記者)
駅前の県有地を今後、どのように活用していくかっていうのは、どういう考え方をされるんでしょうか。
(知事)
県有地につきましては長い経過がございますし、そこで県民の皆さんの税金も活用して手に入れた土地でございますから、まず県として使い方の提案をということでご提案をいたしました。それに対して、今回のような状況の中で、見直して白紙にするということを言っております。
また、先ほども申し上げましたように、3つの他の地権者との関係ということもございますので、すぐにまた何かの提案をしてということではなくて、この土地についてはしばらく公共の広場として活用していくというふうな形で。
実際に土地ができて、県民の皆さんにその広さを見て、感じていただいて、そこから一般県民というだけではなくて、さまざまな民間の団体もございますけれども、そういう方々のご意見なんかを聞きながら、少しムードが盛り上がるというか、駅の土地の利用について具体的ないろんなご議論が出てくるのを待ちたいというふうに思います。
(浜田:高知新聞記者)
しばらく公共の広場として活用して、というのは。
(知事)
それは、意味のある言葉じゃございません。
(浜田:高知新聞記者)
そこを公園化していくとか、そういう――
(知事)
そういう意味ではなくて。公園というとまた都市公園で、公共事業が入るということになりますが、そういう意味ではございません。
(浜田:高知新聞記者)
そういう意味ではないんですね。
(知事)
空き地としてという意味で申し上げています。
(浜田:高知新聞記者)
図書館に絞って、ちょっと何点か。
これはそもそも、複合施設構想の端緒に、(平成)16年の12月でしたか、進化型図書館の話があって、この複合施設構想というのが浮上してきたように聞いているんですけれども。
要するに、図書館が県教委だけでは手に負えないんで知事部局全体で考えようと。そういう中で、県民文化ホール、女子大も入れて複合施設化しようということだったと思うんですが。
今度、新たに整備する図書館も進化型図書館というふうな機能で整備していくという方針になるんでしょうか。
(知事)
進化型図書館という名前でご提案をいただいたものが、すべてそのまま基本計画になるというところまで、明確には申し上げられませんけれども、今後の図書館のあり方として、進化型図書館として提案をされたことは、かなりのウエートを持つというふうに思います。
駅前の複合ビルに入る、入らないは別にして、図書館のあり方というのは、図書を貸し出すというのは非常に重要な機能でございますけれども、それだけではなくて、図書を社会的な課題に活用していく、そのためのサービスセンターの機能を果たすとか、進化型の図書館として提示をされたものを相当のウエートで受け入れた構想になっていくだろうというふうに思います。
(浜田:高知新聞記者)
ベースにするという言い方じゃなくて。
(知事)
そこまではなかなか。きょうは駅前の構想をあらためて見直して、各施設の場所をどこにしていくかということのスタートだということでございますので。
その内容については、先ほど申し上げたように、今年中にでも高知市としてのある程度の方向性を出していただくか、または出さないということを伝えていただいて。
それに対して、それじゃあ、どうやって整備していくかという方向を打ち出したところで、これまで進化型をはじめいくつかのご提案を頂いておりますので、それをもとにした基本計画を作っていく。
そのときに、今、ご質問のあったような少し具体的なソフトの内容については、議論をしていく。また、県民にお示しをしていくということになろうと思います。
(浜田:高知新聞記者)
その場所なんですけれども。先ほど永国寺の女子大のキャンパスが有効な選択肢の1つということだったんですが。
それもあり得るかなと思うんですが、現在地での建て替えというのは、そもそも山内家との資料との絡みもあるんで、考えていないということになるんでしょうか。
(知事)
いえ、考えていないわけではございません。
例えば、先ほど申し上げましたサテライトキャンパスというふうなことを、永国寺の一部を使ってやっていくということになったときに、生涯教育全体だとか進化型図書館の果たす役割ということからいって、機能的には非常に関連性が高いと思いますので、そういう意味で、1つの有力な選択肢ではないかということを申し上げました。
要は、永国寺を即刻売るのではないかというようなことをおっしゃる方もいますけれども、売るということを前提にということよりも、利活用をということを前提に、あそこもグラウンドを含めていろんな土地がございますので、今、細かく、すべての土地をどうのということではないですけれど、いわゆる永国寺キャンパスと言われる土地の中の一部を活用していく方向というのは考えるべきではないかという趣旨で申し上げております。
(浜田:高知新聞記者)
現在地という質問をしたのは、先ほど知事が言われたように、蔵書の問題があるのなら、書庫をほかに建てて、現在地で耐震化も含めた改築ですね。全面建て替えではなくて、改築をするような方向性もあるんじゃないかなと思ったもんで。
というのは、基本的に複合構想を断念したのは、県の財政事情ということも多分にあったと思うんですね。だから、新しく造るというよりも、蔵書の問題があるのなら書庫を別に建てて、耐震化が遅れているんで耐震化した上で、現在地で建て替えるという選択肢もあるのかなと思うんですけれども。
(知事)
私は、財政というのは、例えば駅前の複合施設であれば「財政的な裏付けがないじゃないか」というご批判の声はございましたけれども、これはいろんなやり方があろうと思います。
やるということになれば、安かろう、悪かろうという意味じゃなくて、安く、県民に負担を与えずに造っていくという方法はあると思いますので、そこはもう、知恵の絞り方だと思います。
そのことは置いて、新しい図書館ということを考えましたときに、併せて大学の改革も当然、予算も伴いながら進めていかなければいけません。
今、お話があるような図書館をそのまま何か手直しをしていくということもあると思いますけれども。
今の蔵書の関係からいけば、あえて書庫を別の所に設けて、またそのために費用も使い、そして、使い勝手ということからもあまりいい形にならないような手の足し方をするよりは、少し金額的には予算が張ってもきちんとしたものを整備していくことが、将来的には効率的で、経済的にも安く済むということになるんではないかと思います。
また、図書館に関して言えば、今後、公文書館的な機能をどうしていくかということも、県にとって重要な課題でございます。
というのは、いろんな公文書に当たるものの保存というものも、ほぼキャパシティー的に満杯になってきておりますので、そういうことも含めて、どちらがいいかというのは最終的にいろんな数字を勘案しながら示していけばいいと思いますけれども。永国寺というのも、1つの使い方としては有力な土地だというふうに考えております。
(畑本:読売新聞記者)
その永国寺のところなんですけれども。
サテライトキャンパスとしてという言葉もありましたが、今の永国寺キャンパス自体も耐震的にも老朽化が進んで非常に危険で、継続して使うなら建て替えが必要だろうというふうに言われているんですが。サテライトキャンパスとして活用する場合も、やはり建て替えなり改修なりということが視野に入ってくるんでしょうか。
(知事)
まだそこまで細かいことを、今の段階で議論しているわけではございませんので、それについては個人的な見解も含めて、ちょっと何とも申し上げようがありません。まだそこまで検討しておりません。
(岡林知永:高知新聞記者)
世論調査の話にちょっと戻りますが。知事は先ほどのお考えの中で、賛成が半数以下にとどまったという状況の中で、押し切ってまで進めるものではないというふうに判断されたということだったんですが。
どのぐらいの割合だったら、この施設構想っていうものをこのまま進めていこうっていうようなお考えをご自身の中で持たれておったか、ちょっと聞きたいんですが。
(知事)
それは持ってはおりません。
(岡林知永:高知新聞記者)
6割以上いけばとか、7割近く賛成が占めればとかっていうような感じでは思ってらっしゃいませんでしたか。
(知事)
それは思ってはおりません。思ってはおりませんけれども、後付けの議論になるのであんまり意味がないかと思いますけれども、6割じゃやっぱり弱いだろうとは思いますね。
だけど、これは私の個人的な受け止めなので、県としてそういうことを議論したわけでも何でもないですけれども。
(岡林知永:高知新聞記者)
今回、半数以下の支持にとどまったわけだったんですが、そういうふうな状況になってしまった理由というのは知事の中で、何か要因として浮かぶものはありますか。
(知事)
いえ、それは別に無理やり進めようとして、そういう方向で広報宣伝したわけではありませんので、何の部分が弱かったというようなことは、特段思いません。
ただ、文化ホールの問題だとか、そこの場所がいいかどうかってことはまた、議論があると思います。だけど、もうちょっと県民の皆さんには、ご自分たちの将来のこととして関心を持って考えていただけたら、それは、反対が強くなるのかもしれませんけれども、違ったものが出たかなと。
しかし、まだまだその土地が目に見えていないということもあると思いますし、それぞれの施設の利用に関わる人と関わらない人とかいう、いろんな思いがあると思いますので、先ほど申し上げたとおり、思いがさまざまで、なかなかまとまった方向にはならなかったと。特に「こういうことがなかったから」ということはないと思います。
まあ、強いて共通の問題として言えば、財政が厳しいということは県民の皆さんの脳裏に焼き付いていて。県としては先ほどのご質問で申し上げたとおり、いろんな知恵の出し方というのがあるというふうには思っていますけれども、県民の皆さんの側からすれば、「悪いことじゃないけども、これだけ厳しいのに優先順位としてやるかね」ということは、当然、相当のパーセンテージであったんじゃなかろうかなと。これも推測ですけれども、そういうふうに思います。
(岡林知永:高知新聞記者)
そういう厳しい状況だからこそ、公共施設の今後の再配置というか、建て替えとかいうものは考えていかなければいけないものだと思いますし。
高知県の場合、民間活力というものがなかなかない中で、やっぱりにぎわいを生んだりとかという面で公共施設の役割というのは大きいですよね。
(知事)
そうですよ。
(岡林知永:高知新聞記者)
そうした場合、高知市なんかとも連携して公共施設を、図書館なら再配置の計画をしていくとか、この10年なりのある程度のビジョンづくりとか、そういったものも必要じゃないかと思うんですが、そういうお考えは、今はないですか。
(知事)
それは、考えはもちろんあります。そのためには、高知市としていつまでにとうするかっていうことを、小学校の使い方だとか、空いている土地の使い方だとかいうことで、ある程度明確にしていただかないとですね。
そこにはまた、いろんな地域の事情があったり、議会とのかかわりがあったりということで、「もうしばらく待って」「もうしばらく待って」ということになりますと、その間に、例えば駅前で言えば、もうすぐ高架が目に見えてきて、土地もできるというふうな動きもあるわけですし、さまざまな変化が出てきますので。
そのためにはもう、ある程度、県と市が、それは住民の皆さんの意向を無視しているということじゃないですけれども、いろんな社会状況があるにしろ、そちらにばかり気を配らずに、県、市の将来のためにこうあるべきだということを打ち出していく姿勢がお互いに必要なんだろうなということを思います。
なかなかそれができていないのが現状ではないかなと。市を責めているわけではありません。県も含めてですけれどもね。
(浜田:高知新聞記者)
投げかけられた市側としては、今年中というのは結構タイムリミットを切られたかなというんで、しんどいかなという気もするんですけれども。
要するに、県立図書館と市町村立図書館の役割から含めていろいろ議論をしないと。
まあ、まだ1月ですから、やろうと思えばできるのかもしれませんけれど、高知市には事前に「年内には合築の方向性をちょっと検討してくれないか」というようなことは事務方が伝えておったんでしょうか。
今日(の知事・市長会談で)初めて、案が出たんでしょうかね。
(知事)
市長がお聞きになったのは初めてなのかもしれません。
(浜田:高知新聞記者)
さっき岡林が質問したように、要するに県都のまちづくりのビジョンとして、今回の複合構想がどうだったかという声も、多分あったと思いますので、そういうさっきの観点のような質問にもつながるんですが。
投げかけられた高知市としては、機能面をどうするとか、ほかのさっきあった小学校の配置のこととか、高知市側に立てばちょっと年内と言われたらなかなか厳しいのかなと。
(知事)
でも、それをしていたら、もう3年、5年は平気で経っていきますので。何も変わらないまま、また、その場その場で「こういう状況になったから、こんなふうにしましょうね」ということが(つながりを持った線としてではなく)点、点で決まっていくことになりはしないかというふうに思うんですね。
で、高知市への投げかけということで言えば、図書館についてはそれぞれの高知市の関係する幹部の方には、こういう期限を切ってうんぬんということじゃございませんけれども、「どれぐらいの時間で、今、高知市が進めている構想をまとめていくつもりですか?」という投げかけはしております。
それに対して、「今年中にやらなければ」と言う方だとか、「まあ、なかなかそれは難しい。2年はかかるね」と言う方、それから「例のまちづくりの5年〔高知市が策定に取り組もうとしている、まちづくり3法の「中心市街地活性化法」に定める基本計画の実施期間である5年〕の範囲の中で」という長期的なスパンまで、さまざまございますので。
そうであれば、なかなか5年だ、2年だということでは、県立図書館の状況だとかいうことから考えれば、とてもそれを待っているということは全体のプラスにはならないだろうということを思いましたので。
少なくとも、年末になって突然というよりは、きょうの時点でまず複合施設構想の見直しということを併せてお伝えをしておくべきだというふうに思いました。
(畑本:読売新聞記者)
駅前の県有地がこれでしばらく空き地にというご発言がありました。
駅前の複合ビルの構想を出したときから、知事は「ほかの使い方があるなら、どんどん提案してほしい」ということをおっしゃったのを覚えているんですけれども。
いったん空き地で、しばらく続くとなると、それがどれぐらいの期間続くかなというのが気になるところなんですが。いずれにしても、何年ぐらいでめどは付けたいなというお考えはありますか。
(知事)
それは、今の段階ではまだありません。
宮崎県知事選挙
(竹内:高知新聞記者)
宮崎県知事選挙の結果について、どう受け止められていますか。
(知事)
非常に望ましい結果だと思います。
(竹内:高知新聞記者)
どういう点が。
(知事)
私はやはり従来から、政党や団体とつながりを持たずに首長の選挙はやるべきだというふうに言い続けておりますので、そういう主張をし、そういう思いを持った方が選ばれたということは、自分の考え方とその点では一致をしておりますので、望ましいことだと思います。
(竹内:高知新聞記者)
結果、(次点の候補とは)7万票ぐらい差が開いたんですけれども、結構開いたなという感じですか。
(知事)
そこは、何とも分かりません。事前の世論調査を見ているわけでもありませんので。結構開いたとか何とかいう印象は特にありませんでした。
知事の去就の判断
(竹内:高知新聞記者)
選挙のことでちょっと。前回の記者会見のときに聞けばよかったんですが、去就のタイミングを判断されるのはいつごろかという質問に対して、参議院選挙というものをどう考えるかということについて言及されています。
その中で、「結果を受けるかどうか自分自身がどう判断していくのか。参議院選挙というものを踏まえるのか、踏まえないのかというようなことも考えなければいけないポイントだ」と。これ、ちょっと何回読み返してもちょっと分からなかったものでですね。
(知事)
参議院選挙というのは、べつに高知選挙区の選挙という意味ではございません。全国における参議院選挙に示される民意というもので、やはりこれからの国と地方との関係にも相当大きな影響を与えるだろうと。
また、その参議院選挙が当面は、何か国と地方との関係が変わっていくかというところの、ここ数年で言えば最後のポイントだろうということを思いますので、そこでの結果というのは、その中でどう自分が仕事をしていくべきかということを考える、1つの有力な、それこそ参考になるだろうというふうに受け止めました。
(竹内:高知新聞記者)
てっきりですね、軽々なことは申し上げられないけれども、「時機として踏まえるのか踏まえないのか」という発言は、ご自身が参議院への出馬を考えられているのかというふうに考えてしまったので。
(知事)
全然、そういうことはございません。
(竹内:高知新聞記者)
そういう意味ではない。
(知事)
ええ。
私は、そういうことを言うとまた語弊がありますけれども、子どものころから、政治家になるつもりはありませんでしたけれども、政治家というのは衆議院だけが政治家だろうという頭がございましたので、参議院ということを自分の何かの選択肢として考えたことはありません。
NHKを辞めるときにも、それこそ小沢さんが自民党の幹事長なんかしていたときに、東京の参議院の選挙区から出ないかというお誘いをいただきましたけれども、それも同じ理由でお断りをいたしました。
参議院選挙に出ることは、100%あり得ません。
(浜田:高知新聞記者)
その前回の会見のご発言なんですけれども。「来春以降」ってお聞きしたら「そういうことです」と、また「統一選挙以降」とお聞きすると「そういうことです」ということを答えられているんですね。
先ほどのお答えなら、参院選で示される民意が、高知県というか国と地方のあり方にとってとか考えたら、参院選で示された民意を受けて判断するということは、遅くても参議院選挙後には判断するということになるのかなという気もします。
早くても統一選後以降というのは、(7月の)参議院選挙に対して3カ月も前に判断するというのが、まあ、参議院選挙の戦いの流れというのは、争点も徐々に出てきて、流れもできているかと思うんですが、統一選後以降と前回おっしゃったんで。
そのタイミングというのは変わっていないですか。判断という意味で。
(知事)
ええ、変わっていません。何か激変があるかもしれませんし、ないかもしれませんし、分かりませんので。その統一選も含めて。
統一選というのも、わが高知県の中の統一地方選挙というだけではなくて、全国のいろんな流れということを踏まえてのつもりでございます。
県議選への関わり
(竹内:高知新聞記者)
それと、1点、県内の県議選のことで、ちょっと気になったんですけれど。
先週、中芸地区を視察されましたよね。そのときに、その流れになったのかどうなのか分かりませんけれども、フォーラムに出席されて。
その会場の雰囲気が、中芸地区の県政会の浜田さんの陣営が割と、リーフレットなりパンフレットなり配って。フォーラムというより、ご自分の選挙活動に近いような形だったということを、その支局の記者から報告を受けているんですけれども。
知事選挙をこれまで戦ってこられて、浜田さんは知事を応援してこられた経緯もございます。そういった議員さんに対して、これからも県議選に向けて、できるだけの支援をしていこうという意思の表れとか、そういうことですか。それはちょっと考え過ぎですか。
(知事)
ちょっとだけ考え過ぎですね。
これまでお付き合いのあった議員さんに頑張っていただきたいという思いは、やっぱり人間としてあります。だけど、今後も、どしどしそういうところへ出ていって頑張ろうという趣旨かといえば、そうはなかなかいきませんので。で、「ちょっとだけ」と。
(竹内:高知新聞記者)
まあ「どうしても来てください」とか、そういうことになればなかなか断るのも、しにくいなと。
(知事)
しかし、それもやっぱり、やり方は何か考えてほしいなと。会の持ち方はね。
(竹内:高知新聞記者)
完全にそういう選挙活動になっていたような感じの報告を受けたので。
(知事)
ああ、そうですか。そこまでの印象はあまり受けませんでしたけれども。
高レベル放射性廃棄物最終処分場
(浜田:高知新聞記者)
東洋町の話なんですけれども。きょう、議員協議会もあったようで、田嶋町長のほうから説明もあったんですが。
去年の3月に原環機構〔原子力発電環境整備機構〕に応募していたということ、県も知らなかったということなんですけれども、これについて、知事はどういうお考えなのかというのをお聞かせ願えませんでしょうか。
(知事)
要は、町がお決めになることなので、県としてどうだこうだと申し上げることではありません。けれども、町がお決めになることとはいえ、やはり住民の理解を得て手を挙げるというのが筋だと思いますし、国もそういう趣旨で受理をしないということを言われたんだというふうに受け止めております。
ですから、万一、今の状況、つまり住民の理解が得られたとは言えない状況の中で手を挙げられて、しかも、国がそれを受理されるということになれば、それはもう、明確に県として反対の意思を表明もいたしますし、そういう思いを原環機構のほうにも伝えていきたいというふうに思っています。
(田村:NHK記者)
定刻になりましたので、以上でよろしいでしょうか。
ありがとうございました。
(知事)
ありがとうございました。
(記者会見終了)