知事の定例記者会見

公開日 2007年12月08日

更新日 2014年03月16日

知事の定例記者会見

平成18年4月27日14時00分から(県庁二階 第二応接室)


(項目)
 ・市町村合併
 ・医師不足の問題(1)
 ・小沢新体制の民主党(1)
 ・小泉政権の評価
 ・医師不足の問題(2)
 ・郵政公社の再編
 ・タラソテラピー施設
 ・来年度の県の組織改正
 ・国の地方交付税制度改革
 ・人材確保法の廃止
 ・国交省の道路局長との面会
 ・小沢新体制の民主党(2)
 ・GWの予定




市町村合併
(浜田:高知新聞記者)
 幹事社から代表質問を3問させていただきます。
 まず、ひとつは市町村合併についてですけれども。

 全国的に3月末で「平成の大合併」が一段落しましたけれども、本県ではその第2幕に向けて合併推進審議会の議論が昨年の秋から進んでいます。

 24日の審議会では県内の6首長が今後の合併に対する考えをそれぞれ述べられましたけれども、そのスタンスは委員が予想していた以上にまちまちで、今後の展開はまたも紆余曲折が予想されるかな、という気もしてきました。

 知事は県内を回ったり市町村長さんと懇談するなかで、第2幕の市町村合併に対する県民とか市町村長の関心度をどう受け止めておられるのか。まずその点をお聞かせください。

(知事)
 県民の皆さん、地域住民の皆さんが日々の暮らしのなかでどれだけ合併のことに関心を持ってらっしゃるかというのは、定量的にはなかなかつかめません。が、行く先々で、例えば合併をしたところでこれからの地域づくりをどうするか、というような意識を持って語られる方は多数いらっしゃいますので、決してひとつの山を越えたから一気に熱が冷めてという状況ではないと思っています。

 また、首長さんも細かくおひとりおひとりそのことだけにテーマをしぼってお話をしたわけではないですが、担当課の話なども併せて考えますと、今ご紹介のあった推進審議会で毎回どういうご意見が出てという議事録は全部各市町村長にお回しをしているんですけれども、どの市町村長さんも必ず目を通されているということからも、既にいったん合併をされたところ、また残ったところ、その中でも合併をしたくてできなかったところ、あえて独立を選んだところ、それぞれの首長さんがこの問題に関心を持たれているということは実感として思います。

 ただ、それぞれ今申し上げたようにもう一旦合併をして、すぐに次の合併と言われてもなかなかね、という思いの首長さん、また合併を望んでいながらできなかったというところ、またあえていろんな意味をこめて独立を選んだところ、それぞれの首長さんの思いというのがあるでしょうから、そうした方々に審議会に出ていただいて発言を求めれば、当然ある意味、そう一致した方向ではないだろうと思います。

 そうしたなかで、行政の面だけではなくて、例えば今後子どもの数が減っていくなかで、西森(善郎・南国市)教育長〔高知県市町村教育委員会連合会長〕にも入っていただいていますが、学校の再編などをどうしていくかとかいうようなことも併せて県として考えるなかで、今後いろんなかたちで考え方もお示しをして、一定の方向にまとめていければなと。

 今はまだいろんな意見が出て、という段階ですので、もちろんいきなりまとめるという状況ではないですし、おっしゃるように紆余曲折は当然あると思いますけれども、そういう紆余曲折を経ながらも子どものことだとかいくつか広域化が図られるべきテーマがあると思いますので、そうした具体のテーマと重ね合わせながら市町村の今後のかたちやあり方というものも議論をしていければ、そして県としての考え方をお示しできればというふうに思っています。

医師不足の問題(1)
(浜田:高知新聞記者)
 2問目は医師不足の問題なんですけれども。島根県の隠岐ノ島で産婦人科の常勤医が確保できなくて本土での出産を余儀なくされるなど、全国的に医師不足が大きな問題になっております。

 医師不足は本県も例外ではなく、県立あき総合病院などでも脳神経外科でしたでしょうか、常勤医が不在の診療科が増えておりまして、県民の命を守る観点から医師確保が急がれる状況ですが、知事はその医師不足の現状をどういうふうにとらえて、県として今後どういうふうな取組みをしていくのかということをお聞かせください。

(知事)
 今の県のいくつかの課題のなかでは大変重要な課題だと思っていますし、かなり力点を置いて取り組んでいかなければいけない仕事のひとつだというふうに思っています。

 たまたま昨日も高知大学の附属病院の院長先生のところをお訪ねをして、既に県としてのご提案はペーパーでお渡しをしていましたが、私の口からも具体的にいくつかのご提案をして意見交換をいたしました。

 ひとつは大学教育にかかわることで、今県内出身者の入学(者数)がまた下がってきておりますので、地域枠というものが確保できないかと。

 いわゆる学力試験だけではなくて、AO入試という面接とか小論文などで採用するという試験の枠がございますけれども、こういうAO入試などに今申し上げた地域枠が設定できないか、というようなご提案もいたしました。

 それから、県外から来られた方も含めて、大学に入られたあと、高知の地域医療というものを知っていただいて関心を持っていただく。

 そのことによって少しでも地域に残って、という動機付けができないかということで、長崎県の五島とか兵庫県の但馬地区で県と市が一緒になって、または県が出資をして寄付講座を持っておられますが、例えば「高知の医療学」というふうなかたちで県の一定の財政負担ということも踏まえました上で同様の寄付講座が開けないだろうかと。

 また、そういうことを大学と協力して進められないかということを申し上げました。併せて、確かに今はやや階層社会が進んできておりますので、医学部に入られる方はある意味富裕層のご家庭のお子さま方ということにはなりますけれども、やはり奨学金というものを出し、またそれをもらうということで、地域にもう少しかかわりを持とうという意識付けになるのではないかということから、高知大学医学部であれば小児科、産婦人科の確保が今後の地域医療での大きな課題になりますので、小児科、産婦人科を目指される方で奨学金を受けた方が初期研修の2年間を除いて奨学金を受けた期間の1.5倍、県内で勤務をしていただければ返還を免除するというような仕組みが考えられないだろうかと。

 これはもちろん、財政論議をまだしているわけではございませんけれども、そういうような提案を大学教育という分野ではいたしました。

 また、学部を出たあとの初期研修後でございますが、その初期の臨床研修に続いて後期の臨床研修がございます。

 例えば、これを高知大学の附属病院で2年、そして幡多けんみん(病院)または安芸(病院)という県内の郡部の県立病院で2年、そして最後の2年を医療センターで、というふうなプログラムを組んで、その間に学位なり専門医の資格を取れるようなかたちをとっていく。

 また、郡部で勤務をしていただくときには民間の医療機関に週に3回とかいうかたちで外来の派遣職員として行くというようなシステムがとれないだろうかということを考えております。

 ただこれは、地方公務員法の兼職禁止の問題とか法にからむ行政管理上の課題もございますので、必要な場合には特区申請などをして、そうした郡部の医師確保ということの土台をつくっていきたいと。

 併せまして、全国的にもそうですが、高知大学医学部でも、もう入学者の半分ぐらいが女性という時代でございますので、育児休業などのこともそうですけれど、今後やっぱり女性医師が働きやすい職場環境をまず県立病院でつくっていくということが必要だと感じております。

 昨日も病院長とのお話のなかで、県立病院でも当直医の当直の部屋がなかなか女性医師の勤務には向かないところがあるのではないかというご指摘も受けて、そういうようなことも見直していく必要があるなということを思いました。

 併せて県全域ということで言いますと、今民間の病院の方も含めて医師が不足しているということで、それこそ病院長のところにお医者さんを回してもらえないかというご要請が毎日のようにあるわけですけれども、大学側とすれば、やはり県として「どの地域に少なくともこの分野とこの分野の医師が必要だ」という医療計画をもっと明確にしてもらって、配置をするときの優先順位を決めていってもらいたいというご要請があります。

 おっしゃる通りだと思いますので、次に医療計画を決めてまいりますときに、病院長にも入っていただいておりますが、大学医師会とも十分に話をしながら、県としてこういう分野の医師は少なくともこの地域の基幹のこの病院に必要だという医師の配置、分野別の割当てということを含めた医療計画を考えていきたいというふうに思います。

 冒頭申し上げました通り、(医師不足問題は)県としましては非常に重要な課題として取り組んでいきたいと思います。

 もうひとつ次の段階を考えますと、例の医療制度改革で介護型の療養病床は平成23年に廃止になる見込みですし、それから医療型の療養病床が5,000ございますが、これも(2,000程度を)縮小・見直し(する)ということになると思います。

 そうしますと、今介護型が3,000近くございますので合わせて5,000ぐらいの病床が縮小になると。これをいわゆる従来型の施設ではなくて、ある意味地域での居住型の対応ということにしていく場合にはやはり地域に医師がいないことには成り立たないということになります。

 ですから、今は先ほどご質問にもございました、あき総合病院だとか中核病院で医師がいないということへの対応をまずしなければいけませんけれども、医療制度改革という今後5年間の期間のなかで取り組んでいくことで言えば、やはり地域でそうしたお年寄りの医療また介護等を含めました医療を担っていく医師をどう確保していくかというのは、もう県としては多分最重要の課題になっていくだろうというふうに思います。

小沢新体制の民主党(1)
(浜田:高知新聞記者)
 最後に、民主党についてなんですけれども。
 23日に投開票が行われました衆議院・千葉7区の補欠選挙で民主党候補が自民党候補を僅差で破り、メール問題で揺れた民主党が小沢新代表の下でなんとか反転攻勢の足がかりをつかみました。

 知事は、菅直人代表代行や鳩山由紀夫幹事長ら民主党内に親しい間柄の方も多いと思いますけれども、小沢体制で再スタートを切った民主党に対してどういうふうな期待を持っておられたり、どう現状を見ておられるのかそのあたりをお聞かせください。

(知事)
 小沢さんとしては、思い切って代表という座につかれて、そして最初の選挙で自ら4回足を運ばれて勝ったということは、選挙というのはやはり何票差であれ勝つか負けるかということが非常に重要な意味を持ちますので、ご自身にとっても自信につながったでしょうし、非常に気持ちも高揚されているのではないかというふうに思います。

 そのことは小沢代表個人の気持ちの高揚ということではなくて、いろんな問題を起こしてきた、または抱えている民主党が党としてまとまっていくひとつのきっかけというかそういう高揚感になり得るのではないかなということを思います。

 期待ということで言えば、単にその他の地方選挙なり来年のいろいろな国政選挙なりということよりも、まさに三位一体の改革への対応だとか、先ほどちょっと申し上げました医療制度改革への対応だとか、地方にとって極めて深刻で重要な問題が数多くあります。

 それをなかなか地方6団体なり地方の声だけで動かしていけないというときに、自由民主党がどうだ、民主党がどうだという良し悪しだとか、どちらに与(くみ)するという趣旨で申し上げるんじゃないですけれども、やっぱり今、市場主義的な方向に流れている流れに牽制球を投げる、また大都市の論理で物事が進んでいる流れに牽制球を投げる、そういう役割を政治的な立場として民主党に果たしていただきたいなと。

 そういうかたちが明確になってくれば、また2大政党論としての意味合いというのが出てくるのではないかなというふうに思っております。

(浜田:高知新聞記者)
 幹事社からは以上です。
それでは各社個別質問がありましたらよろしくお願いします。

小泉政権の評価
(吉川:テレビ高知記者)
 小泉政権が発足してから5年経って、全国のニュースとかでも総括をしているようなものがありますけれども、地方から見た小泉政権の評価というのは全国のニュースでやっているようなものとは違うと思うんですが、知事個人として、小泉政権になって高知県がこう変わった、だからこういう評価だというのを教えていただきたいんですけれども。

(知事)
 なかなか「個人的には」とか「知事としては」という分け方はしちゃいけないんでしょうし、できないんですけれども、やや個人的な思いで言えば、小泉さんのやり方というのは、ある意味めちゃくちゃというか感性だけでバッと突っ走るところがありますが、それぐらいしないとこの何十年染み付いた、また明治以来染み付いてきた行政の垢(あか)というか構造というものはなかなか変わらないだろうなと。

 そういう意味では今の構造を壊すとか変えていくという面では、十分かどうかは別ですけれども力を発揮した政権ではないかということを思います。

 ただ、地方の代表という立場で考えましたときに、やっぱり三位一体の改革も、当初私自身がそうあるべきで、そうなるだろうと思っておりましたような地方の自由度を増していって本来の意味での地方分権につながっていく、そのために少々地方が得る財源が減っていっても自由度が増す面で地域サービスに資するのではないかというような理屈も全く成り立たないような現状になってきておりますし、先ほどから申し上げている医療制度の改革なども、国のこれからの財政事情の都合でいろんな制度をいじって今後大きな負担になりそうな制度の改編をしていく。

 その際に地方の、特に高知県のような自主財源のない、また医療制度でいえばある意味特異なかたちを抱えた県への配慮というようなことの全くない仕事の仕方ではないかなというふうに思います。

 だから、なかなかプラスマイナス何点だといって評価ができるわけではないんですけれども、このままではいかんだろうなと。

 このままこういうかたちが続いていたのでは、高知県というだけではなくて日本全体があまりいい方向にはいかないんじゃないかなというような感じがいたします。どのようにいい方向じゃないかはなかなか理屈で言えませんけれども、感覚的にはそうなります。

(吉川:テレビ高知記者)
 小泉改革はよく地方を切り捨てるというようなことを言われてきたと思うんですけれども、改革によって高知県とか地方がこれからどういう方向に進んでいくとお考えですか。
 地方が切り捨てられていくんじゃないかという思いが、もうちょっと強いのかなと思ったんですけど。

(知事)
 私は全てをバランスのなかで考えるので、地方もこれまでのままではいけないだろうとは思います。ですから地方ももちろん変わっていかなきゃいけない面があるので、そういうことをある意味外圧的に圧力をかけてくれたというのか、圧力がかかっているという逆説的な意味で評価できる点はあるとは思います。

 ただ、結果としてこれまでの地方のあり方から言えば、そういうやり方のままだと切り捨てられていくということになりますし、またいくら地方がこう、自分たちの生き方を変えていこうとしても、そこにはある程度の時間もかかります。

 それからセーフティ・ネットというものも必要になります。そういうことへの配慮がほとんどないまま進んでおりますので、地方全体が切り捨てられるかどうかは分かりませんけれども、そのなかでやっぱり強い都道府県と弱い都道府県の大きな格差というものが開きます。

 そして、そうしたなかで個人個人の暮らしというものの格差も大きくなっていくんじゃないかなと。地方の切捨てというふうな一概な言い方ではありませんけれども、やはり従来の日本型の、みんながある程度中流のところで支え合っていくということが大きく崩れて、ややアメリカ型で切り捨てられるというか取り残される人が数多く出てくる社会になってきているんではないかなと。

 それは決して日本の生き方としていい方向ではないんじゃないかなと。ただ、それを今どうすればいいかというところまでなかなか全部語りきることができませんので、今の感じではいい方向ではないだろうなというふうに思います。

医師不足の問題(2)
(浜田:高知新聞記者)
 さっきの医師不足のところで後期の臨床研修のシステムの話が出たんですけれども。

 これは、都市は別として地方は同じ悩みを抱えているわけで、多分ほかのところも同じようなことをいろいろと考えてくると思うんです。実際にやっているところもあるでしょうし。

 そこで、魅力的な研修のプログラムとか、やっぱり給与を中心とするお金の待遇面とか、高知県独自の売りというのは何か考えてらっしゃるんでしょうか。

 要するに、全国で地域間競争になっていくと思うんです。そこで高知県はこういうところをアピールして来てもらうということはあるんでしょうか。

(知事)
 2通りのポイントがあるかなと思います。

 ひとつはやはり高知医療センターという存在は、実際に若いお医者さんにアンケートをしてどれだけ「魅力だ」というお答えが返ってくるか分かりませんけれども、ほかの県との比較ということであれば医療センターのような医療機関を持っているということは臨床研修という点では強みであろうと思いますし、そういう強みというのは活かしていける点ではないかというふうに思います。

 それからもうひとつの切り口の財政的な面ですけれども。
 昨日病院長とお話をしたときも詳しい金額は覚えておりませんが、社会人となって大学院に入った方で(年収が)三百何十万(円)というようなことを言われておりました。

 そういうような研修医の方の給与水準と県立病院に入られた若いお医者さんの800万(円)ぐらいの収入というものの開きをどう埋めていくのかということは大きな課題ではあろうという認識はあります。

 けれども、そこを他の県と競争するために、うちの県ではここまで引き上げますよ、というようなところまではお金の計算もしなきゃいけませんので、ちょっと今すぐは申し上げられませんけれども。

 それはちょっと財政的にもできることかどうか自信はありませんが、そういうことも検討するべきテーマではあろうと思っています。

(浜田:高知新聞記者)
 こちらの質問の仕方がまずかったかもしれませんが、知事が今言われたことはいずれもちょっと息の長い取組みで即効性がすぐに出てくるものじゃないと思うんですけれども、今まさに困っているあき総合病院とか幡多けんみん病院の今の医師不足に対しては何か対策というか動かれる予定はどうなんでしょう? 

(知事)
 現状困っている分については既に動いております。

(浜田:高知新聞記者)
 それは病院局サイドで?

(知事)
 病院局もですし、健康福祉部もやっております。直接私が出向いたのは昨日が初めてですけれども、私も全部話し合いに入って、そういうことの要請をしてきております。

 例えば循環器科であれば5月からあき総合病院にひとり常勤で入っていただくということになっておりますし、脳外科はなかなか難しいんですけれども、いろいろお願いをして、3月までおられた方は香川のほうに行っておられますけれども、香川から月曜日に外来の診療で来ていただくというようなかたちに、また放射線も週に3日、日勤で来ていただくというふうなかたちで、それぞれなんとか病院としての機能が果たせるような医師の配置をしていただくように病院にお願いをしておりますし、取り組んでおります。

郵政公社の再編
(齋藤:高知さんさんテレビ記者)
 郵政公社が再編するということで県内でもかなりの所が無集配化するというような情報がありますし、高知市では土佐山と鏡が無集配化になるというようなことですが、そういったことを聞かれて知事としてはどういうふうに思ってらっしゃいましたか。

(知事)
 きょう、このあと郵政公社からご説明においでになりますので、そのとき詳しくお聞きをしようと思っております。現状ではまだ具体的なサービスがどうなるかということを自分自身が承知をしておりませんので、そのお話を聞いてから、また判断をしていきたいと思います。

タラソテラピー施設
(齋藤:高知さんさんテレビ記者)
 タラソテラピー施設の問題ですけれども、シュウウエムラさんと東京でお会いして会談をしてらっしゃいますよね。
 どんなふうな話が出ていたのか、教えていただきたいなと思いますが。

(知事)
 シュウさんとしては、当然予算が通ると思ってずっと仕事の準備をされておりますので、それが予定通りいかなくて申し訳なかったということを県知事として申し上げました。
 実質的にはほんの5分ぐらいのお話でございますけど、そういう話をいたしました。

来年度の県の組織改正
(竹内:高知新聞記者)
 来年度に行う大幅な県の組織改正をこれから検討されると思うんですけど。大づかみのものでいいんですが、現時点で知事がどのようなイメージを持たれているか。

 例えば今、どこの県でもそうなんでしょうけれど、国の省庁に合わせた縦割りで組織はつくられていると思います。そのへんを根底から変えてみようとか、例えばそういうことです。部局を増やす、あるいは今より減らす。大づかみでどういったイメージを持たれているのかを教えてください。

(知事)
 答えはまだございません。それで、大づかみということで言えば、組織改正というのはふたつの内容があると思います。
 ひとつは今ご指摘があったように、難しい言葉で言えば組織の職掌分担というか、分野をどう再編をしていくかということ。

 もうひとつは仕事の仕方。よくフラット化だとか迅速化、いろいろ言いますけれども、横文字で言えばBPR〔Business Process Reengineering。企業活動に関して目標を設定し、それを達成するために業務内容や業務の流れ、組織構造を分析、最適化すること〕と言われるような、そういう仕事の仕方を変えていくという2通りの意味があると思います。

 今求められているのは、昨年まとめた行政改革大綱でも言っていることですが、仕事の仕方を変えていくということであろうと思いますので、これまで試みてきたチーフ制と班長制の問題だとかというものをどう整理をしていくかとか、それからそういう階層の作り方をどう見直していくか。

 そのなかでの指示・命令・情報共有、また仕事のスピード化と効率化をどう図っていくかというふうな仕事の仕方の見直しというのがひとつは大きな固まりとしてあろうと思います。

 もう一方で、国の省庁の縦割りをそのまま引き継いでいる今の組織をどうしていくか、各部局の分野をどのように整理をしていくかということがあって、気持ちとしてはもう国の省庁に沿っている時代ではないだろうというふうには思いますけれども、そのことによってただ単に、例えば何かハードな物を作る、道路整備をするということをひとつにしても、その下にまた土木系、農林系、林野系の部署を局とかでぶら下げるのであれば、ただ単に名前を変えただけではあまり意味がないなということを思いますので、そこは本当に今の地域の現状と、これから5年、10年というものを見通した組織のかたちとして、どういうものがいいかというのを早急に少し幹部に話をして、投げかけをしていきたいと思います。

 というのは、この月曜日の庁議は、庁議としては珍しくいろんな自由なご意見と議論が出ました。庁議としては珍しくと言ったら語弊がありますけれども、ただ単に方向を聞くとか報告を聞くというんではなくて、それぞれが「こうあるべきではないか」「そうではないんじゃないか」という議論が出ました。

 今お話があったように、やっぱり大づかみにどういう方向で行くかということがないと、なかなか各部局として論議を進めていく土台が成り立たない。

 それを決めずに各部局ごとにやって、また秋になって「こういう方向だ」と言って「これまでの議論は何だったんだ」というようなことをやっても、少し手戻りが大きすぎると思いますので、その大づかみの方向性というものを、例えば総務部長であれば総務部長としての思いは既に持っていると思います。

 そういうものを少し出して、早めにそういう大づかみなものをまとめてから、各部局にその分野別の職掌分担のあり方、そういう意味での組織のあり方の検討というのはやっていきたいなと思っています。

(竹内:高知新聞記者)
 話し合いで決まるんでしょうけども、その中で知事として「私としてはこういう大づかみなイメージを持っている」という言い方をすればどうなりますか。

(知事)
 大づかみで言えば、とにかく国のかたちをそのままなぞらえる必要性はもうなくなってきているだろうというふうには思います。

 だから、縦割りを横につなぐと横串が必要になってくるという、古くて新しい議論を私が知事になってからも、その前からもずっと連綿とやっているわけですが、その組織の名前として横串的なものを構えるのか、それとも組織は組織として横串は何か別の仕組みで作るのかというのが、これも古くて新しい、ずっと議論してきている命題ですが、そこの意見が庁議でも大きく分かれるんですね。

 それに対して知事として大づかみに、どっちにするかというのは、まだちょっと何とも言えません。

国の地方交付税制度改革
(堀川・時事通信記者)
 国の地方交付税制度改革についてなんですけれども。

 先日財政制度等審議会の西室会長が「法定率に踏み込んだ議論をせざるを得ない」という考えを述べられて、法定率を引き下げて交付税額を削減する必要があるという見方を示したようです。

 谷垣財務大臣もその発言を追認するような発言をされていますけれども、こうした流れについて知事はどういう考えをお持ちでしょうか。

(知事)
 何が理由で何のために(発言がなされた)ということがないと、あまりひとつずつの発言に対して一喜一憂、あまり一喜することはないので一憂ばかりですけれども、一喜一憂しても意味がないんじゃないかなということを思います。

 法定率で言えば地方は(現行の)法定率そのもの(では必要な財源)がきちっと確保されていないし、また基準財政需要から言えば法定率だけでは賄えないから法定率を上げて明確な基準として臨時財政対策債などをなくしていけばいいじゃないかということを言っているわけですが、逆に法定率を下げるというときにそれは今の交付税をどうするのか、例えば多すぎるということならもう少し説明していただかないと、批判も反論もまた逆提案のしようもないのではないかなということを思います。

 ただ単に法定率を下げて国の財政負担を下げようとか、それから「不交付の団体がわずかしかないのはおかしいじゃないか」とか「名古屋市が交付を受けているのはおかしいじゃないか」「だから半分ぐらいは不交付にすべきじゃないか」というのも、あまりにも無謀なというか根拠のない議論であって、なぜ半分ぐらいにしなきゃいけないか、それによって何を求めるのかというようなことが全く分からないわけです。

 要は今のままだと金がかかりすぎるからなんとか減らしましょうと。減らすための目安として法定率を下げるとか、不交付団体を半分にとかいうことが、単に国の財政負担を下げるという理屈だけで言われるというのはあまりにも少し無茶だなというふうに思うだけで、ただ具体的に何を思われて言われているのか分かりませんので、なんともちょっとそれ以上は申し上げようがありません。

人材確保法の廃止
(堀川:時事通信記者)
 もう1点お伺いたいんですけれども。
 公立小学校の教職員給与を優遇する人材確保法の廃止を求める動きが出ているということも聞きますが、これについてはどう思われますか。

(知事)
 それはどういう面から? 
 私はちょっとよく事情を知りませんけれども、人材確保法の廃止をどういう方々が要求してらっしゃる?

 それも、どういう立場の人がどういう理由で言われているのかということによるので、一概には言えません。

 ただ人材確保法というものを設けて、例えば県で言えば一般の県職員よりも高い給与水準を、高いといっても今はそれほど大きな差ではないと思いますけれども、高い給与水準を保っていく必要があるかどうかということは検討の課題だとは思います。

 絶対に必要だからそのまま未来永劫続けていくべきだということではなくて、そこは検討すべき課題ではあると思います。

 けれども、多くの国民・県民もそうした人材確保法によって少し手厚く対応をされているということをご存じないでしょうし、そういうことをはずすとすれば教員の質の確保、また時代を支える子どもたちのための教員の確保という面と含めて、やはり、少しでもそうやって国民に向けての投げかけということをしてから、国民にも直接影響のあることですので、議論すべきことだと思います。

国交省の道路局長との面会
(浜田:高知新聞記者)
 前回の定例会見以降、国交省の道路局長に2回会われているかと思いますけれども、安芸道路の昇格のお礼とかいろいろ理由があるかと思いますが、大体どんな内容の話だったんでしょうか。

(知事)
 直接の用件は、安芸道路の昇格の話とそれから国道441号線の長大トンネルなどの調査を直轄でしてもらえるということで、そのことへのお礼でございます。併せて、道路特定財源の見通しなどについてお話がございました。

 きょうブログ〔「道路財源は心の問題か」(4月22日)〕のなかに書いた道路関係者はその方のことですけれども、(小泉)総理の(道路特定財源に対する)受け止めというものに、感性というか心の問題という受け止め方がある(と想像される)ので、あまり理屈っぽくいくよりも感覚的にどこかで折れて、どこかで取るべきものを取るということのほうが道路財源を確保していくという立場からすれば今合理的な戦い方かな、というようなトーンのお話になりました。

 国土交通省としては、完全な一般財源化ということにはなり得ないでしょうと。要はどういう幅まで(なら納税者の皆さんに納得いただける)かというところをひとつの落としどころというか結論として考えていきたいと。

 その道路特定財源というのも未来永劫的に続けられるものではないという認識を持っておられて、ただ、今即刻やめられるような社会資本整備の状況ではないと。

 ここからも道路局長さんが言ったということではなくて、いろんな話のなかから私が感じ取ったということですけれども、向こう10年(が一つの区切り)ではないかと。

 であれば、10年間で今想定される、道路整備に使える財源を10年間積み重ねていったときに現在計画をされている基幹の道路整備がどの程度進みますかということを各地域別にお示しをしなければならないということで仕事をされていると。そういうものが近々示されてくるのではないかと。

 そうなると本県の場合、奈半利~東洋間の国道493号線がどうなっていくのかというのが大きな課題としてあって、具体的に道路特定財源として考える期間が10年で、その間に進められるものが高知県で言えばこういうようなかたちですよということが国から多分示されるだろうという感触を受けましたので、そのときにそこをどう地元の理解を得て、また協議もして、価値のある道路にしていけるかというところに大きな課題があるな、というところまでは感じました。

小沢新体制の民主党(2)
(竹内:高知新聞記者)
 民主党の話になりますけど。新しい体制になって知事とは非常に親しい方も幹部のなかにいらっしゃいますが、特にお話とかはされてないですか。

(知事)
 それは全然まだ。小沢さんが代表になってからは小沢さんとも、先ほどお話に出た鳩山さんや菅さんとも直接話をしたことはないです。

(竹内:高知新聞記者)
 なぜこんなことを聞くかというと、前に菅さんが高知に来られたときに「一緒にやってみないか」というような話があって、知事がやんわりお断りしたという経緯があって。ひょっとまたそういう打診があって、というようなことがあるのかなと。

(知事)
 ありません。

(竹内:高知新聞記者)
 また同じような話があっても、また同じ答えになるんですか。

(知事)
 それはそうですね。

GWの予定
(浜田:高知新聞記者)
 4月の定例会見でいつも最後にお聞きする質問ですが、ゴールデンウィークのご予定は。

(知事)
 ゴールデンウィークは、最初は(4月)30日から(5月)2日まで長野のほうに参ります。
 で、2日に帰ってきて3日からコンベンション協会の会長と浜口観光担当理事とともにチャーター便で青島(チンタオ)に行って、青島旅遊局との間で観光協定を結ぶと。
 戻ってくるのは7日です。

(浜田:高知新聞記者)
 よろしいでしょうか。

(知事)
 ありがとうございました。
 

※注:その後、4月30日~5月2日の長野行きは取りやめになりました。
 


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