第5回高知県民生委員児童委員大会 シンポジウム

公開日 2007年12月08日

更新日 2014年03月16日

第5回高知県民生委員児童委員大会 シンポジウム

平成17年5月18日(水曜日)ふくし交流プラザ


「地域で支え合う仕組みづくり」  
  −新たなネットワークづくりを探る−

(主催)
 高知県民生委員児童委員協議会連合会
(パネラー)
 高知県社会福祉協議会会長 島田 一夫 
 高知県民生委員児童委員協議会連合会会長 小椋 茂昭
 高知県知事 橋本 大二郎
(コーディネーター)
 高知県女子大学社会福祉学部助教授 玉里 恵美子



片岡:
 シンポジウムを始めさせていただきます。シンポジウムを始める前に「元気です高知県の民生委員児童委員」のビデオをご覧いただきます。要項の7ページをご覧くださいませ。このビデオは、高知女子大学社会福祉学部玉里ゼミの学生7名が作成しました。ナレーターはそのメンバーの中の岡田阿子さんです。ではごらんくださいませ。

(ビデオ上映)

片岡:
 いかがでしたでしょうか。いろいろと各地域のいきいきとした活動の実践報告だったと思います。いろいろと考えさせられることが多かったと思いますが、どうか今後の活動に役立てていただいてはいかがでしょうか。

 それでは、シンポジウムに移らせていただきます。まず、パネラーのご紹介をいたします。高知県知事、橋本大二郎様。高知県社会福祉協議会会長、島田一夫様。高知県民生委員児童委員協議会連合会会長、小椋茂昭様。コーディネーターは高知県女子大学社会福祉学部助教授、玉里恵美子様。よろしくお願いします。それではマイクを玉里先生にお渡しいたします。よろしくお願いします。

玉里:
 ありがとうございます。それではですね、早速ですけれども、高知県知事橋本大二郎様をお迎えいたしまして、第5回高知県民生委員児童委員大会も最終の局面を迎えておりますが、シンポジウム「地域で支え合う仕組みづくり新たなネットワークづくりを探る」を始めていきたいというふうに思います。

 今、ビデオを高知県内で頑張る民生委員さんの姿を見ていただいたわけなんですけれども、今、見ていただいた活動は共通するものとして、その地域の…例えば、子供たちや大人たちのネットワークをつくっていこうとか、顔の見える関係をつくっていこうということでいろいろな活動をされたり、あるいは子育てのサロンで子育て中のお母さん方を支えていこう、様々な助け合いの仕組みのポイントを民生委員さんが担っていこうという事で頑張っていられるお姿が映ってきたわけなんですが、今日も午前中から一つのテーマになっておりました通り、近年、少し昔に比べて人間関係が希薄したりとか、コミュニティが弱体化していると言われている今日なんですけれども、改めて地域住民が皆で支え合う仕組みのつくりですね、住みよい社会を築いていく必要があるというふうに思われるわけです。

 今日は朝からそのようなことについて、どのように民生・児童委員が活躍することができるかということを考えてきたわけなのですが、ここでさらに新たなネットワークづくり、高知流の地域の仕組みづくりを考えることを目的としながら、お三方にお話をお聞きする、またそこから私たちも何か考えていきたい。そういったシンポジウムにしてまいりたいと思います。

 それでは早速ではございますけれども、高知県民生委員児童委員協議会連合会の会長、小椋茂昭さんの方からこの地域の仕組みづくりについての何かお考えとか、日頃実践されているのかと何かございましたらお話いただきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

小椋:
 どうも、小椋でございます。実は、開会の時の挨拶は一方的でございますけれども、知事さんを交えてのこういった席というのはいささか緊張をしておりまして、うまく皆さんの代表といいますか、そう立場でご報告、お話ができるか不安が一杯でございます。私たち民生委員児童委員の活動のごく一部の部分、先ほどビデオで知事さんにも見ていただけたと思います。

 本当に約2,450名の委員の皆様が、それぞれの地域の住民の皆さんとともに、日々活動をしていただいているわけでございますが、特にそういった中で私たち児童委員としての事例は知事さんからいただいておりまして、そういった関係で申しますと、民生委員児童委員大会、今回、今朝ほど申しましたように、第5回目になるわけでございますけれども、知事さんにこうして直々にご参加いただくことができた、こういった機会をお繰り合わせをつけていただけましたことをまず、心から皆さんとともに感謝を申し上げたいと思います。本当にありがとうございます。

 さて、私たちは日々地域での活動をして、特に昨年12月の改選期から、県民児連の会長をおあずかりする、そういったなかで、今日的な住民のニーズにどう答え、本当に効率のある民生委員活動をどう展開していくか、そういったことを考えるときに、やはり知事さんの進めております地域での支え合いの仕組みづくり、そういったこと、あるいは、県社協、市町村社協が進めております、今朝ほど来の御講演等でありました地域福祉行動計画づくりや行動計画づくりに民生委員が、児童委員がどう参加をしていくか。

 そういった立場を考えてみると、今日まで続けてまいりました活動をさらに強化、発展させなくてはならないのではないか。そういう思いが高まってきたわけでございます。

 過去を若干振り返ってみますと、例えば、昨年春に新聞報道を拝見いたしまして高知県では全国で初めての「高知県こども条例」の策定を急いでおいでるという報道を知り、ボランティアの皆さんが署名集めをしている。ちょうど私そのときに県の連合会の児童委員専門部会をおあずかりしておりまして、そういった立場からボランティアの方と個人的に連絡を取って署名集めをさせていただきました。

 確か全県で集まった1万数千の署名のなかで、私どもの手を経由した署名が4千数百から5千お送りさせていただいたと考えております。そして7月の継続審査になりました、この「こども条例」の制定につきまして県の前会長の田岡会長さんと連絡を取り、県民児連の名において是非この「こども条例」の制定を速やかにしていただきたい。

 そういった思いが募りまして、県議会の方に出向きまして、森議長さんを始め、各会派の皆さんにお願いをして、めでたく「こども条例」が制定された。これのことなどを喜ぶと同時に、やはり私たちは県のそういった重要な施策、そういったことの中で、どのように関わり合いを持つことができていたかということを考えますと、先ほど申しましたように、必ずしもそういった県政と私たち地域住民の活動の接点がうまく確立できていなかったのではなかろうか、そういう思いを持っているところでございます。

 そういった中で、新しい執行体制になりましてからの県の連合会の理事会には、健康福祉部の課長さんや県社協の常務さん、幹部の方々にも参加をしていただいて、やはり今後、県の民生委員の協議会、連合会として、どうあるべきか。そういったことにつきまして、一日かけましてフリートークで話し合い、協議をさせていただく。そういった取り組みの中で今日のような民生委員大会を開催させていただくところに辿り着いたところでございます。

 そういった中では大変お忙しい中を冒頭触れましたように知事さんに直々に参加していただける。また、玉里先生のような地元の大学で研究されている方との出会い、これは今後、全県の地域福祉を考えていく上で非常に大きい財産を発見したのではなかろうかと私は考えているところでございます。

 さて、そういった中で、私たちが絶えず最も住民に近いところで全ての住民が安心して暮らせる豊かな地域社会づくりをどう進めていくか。そういったことを考えていかなければならない。そういった点で考えますと、知事さんの方で、といいますか、県行政の方で進めております、地域支援企画員の皆さん方、全県に派遣されておいでるわけでございますけれども、少なくとも私たちの目に見え、あるいは耳に届いているところでは2,000人に余る民生委員、児童委員の皆さんとの接点が確立できているようなお話はまだあまり伝わってきてはいないのではなかろうか。

 そういった点を考えますと、ひとつの形としては、そういった県の専門の職員の皆さんが、私たちのそれぞれの地域での活動に深く広く関わっていただくことができるならば、高知県の地域福祉の前進にとって非常に貴重な経験をつくり出すことができるのではないかなと、そのように考えているところでございます。

 それぞれの地域で活動しております委員の皆さんや、市町村の福祉の行政の中で、実は私たち四万十市になりましたが、民児協は地区民児協ということで、中村地区の民児協では一昨年、全国的な先進地の視察ということで愛知県の高浜市という人口4万人くらいのところに行かせていただいたところでございますけれども、そちらでは、いわゆる各地で展開しております、福祉のまちづくりではなくて福祉でまちづくり。「の」と「で」の平仮名一文字の違いでございますけれども、非常に基本的な福祉の展開が行政をはじめ、関係機関で大きく違っていることに驚きをもって帰ってまいりました。

 参加された委員の皆さんは、私は今一生懸命地域で活動しているけれども、老後は高浜で暮らしたい。そのようにおっしゃるぐらい素晴らしい活動がされております。例えば駅前に建てられました、県の建てましたビルを1、2、3階を市のほうが買い取りまして、日本福祉大学の高等学部をそこに開く。

 あるいはヘルパーさんの講習会は無料でして、就職をした人以外はみんながボランティアで地域福祉を支えていただく。あるいは商店街や街中の空き店舗、こういったことは決して悲観的にマイナスのイメージとするのではなくて、地域住民の支え合い、触れ合いの場所として活動をしている。

 先ほど申しました、駅前のそういった街角サロンですか、そういったところは土曜、日曜はなし、朝7時から夜の9時まで、もちろん職員の皆さんは交代勤務でございましょうけど…。そして、福祉の回る回転寿司ということで支援を要する方が訪問すれば車椅子でぐるぐる係を訪ねて回るのではなく、職員がその人たちの所に足を運んで下さる。

 あるいは配食のサービス、それぞれの目的があるわけですから、必ずこのようなことをということでは決してないわけでございますけれども、やはり今日のように商店街が空洞化してお客さんが少ないな、そう困っている地域の飲食店の業者の皆さんに配色サービスと安否確認の訪問をしていただく。

 最初は2百数十人の飲食の組合の方が参加をしていただいたけど、「そんなアホなことはできん」ということで1人減り、2人減りして、現在では10数名の方のように伺っておりますけれども、やはり食は文化だ。毎日の夕ご飯を届ける。そしてメニューは選択方式で、例えばちらし寿司をお届けするだとかいったことではなくて、社協の方に明日の配食のメニューの注文がくると。そうしたら社協が仕分けをしてそれぞれの利用者の方の好みに合った料理をお届けする。そういった福祉のサービスが展開されている話を聞いて帰ってきたところでございます。

 そういったことが先ほど申しましたように、平仮名一文字、「福祉の」と「福祉で」の違いで、そのように大きく変わってきていることを学ばさせていただきました。私たちもそういった精神的なことを学ばせてはいただいたけれども、それが即実行につながっているということではございません。

 こういったことをしていこうとすれば、決して民生委員、児童委員の力だけでは成し得ないわけでございます。また、そういったことを一律に機械的に求めろうとも思いませんけれど、やはり私たちはそういった形で地域をどう支えるか、そういったことを基本にして今後の民児協の活動を展開をしていきたい、そのように考えているところでございます。冒頭お断りしましたように、緊張しておりまして、なんとなく後の話が続かなくなりましたけれども、とりあえずの発言、以上にさせていただきたいと思います。ご清聴ありがとうございました。

玉里:
 はい、ありがとうございました。いくつかの点を挙げていただいたかと思うんですけれども、民生児童委員の活動、これまでも支え合いの活動はしてきたんだけど、さらにこれを強化していかないといけないんではないかなというご提言がありました。それから会長のお話の中の一つの大きな柱だったんですけども、県の重要な施策の中にもっと民生委員の活動を位置付けていくことが大切なのではないか。

 例えば、「こども条例」のことなんかも挙げておられましたけれども、県の重要な取り組みの中に、もっと民生委員の活動や行動を位置付けていくことができる。また、そのことが大切なのではないかという非常に大きなご提言があったように思います。

 また、後ほど知事のほうから詳しくお話があるかと思いますけれども、現在、高知県が地域支援企画員を地域に出しておりますけれども、そのようなことについてまだ情報を民生児童員側のほうが知らないのではないか。この県の取り組みをもっとよく知って、一緒に何か取り組むことができるのではないかというようなこともご提案の中にあったように思います。

 それから先進地の視察の中から、地域の支え方にもバリエーションがあるのではないかというお話だったかと思います。ひとつの固定化された支え方にとらわれるのではなくて、例えば、視察に行かれたところでは社会福祉協議会と民間の業者さんがネットワークをつくって地域のお一人暮らしの方でしょうか、配食サービスをされたり、その安否確認をされるということで民間の力も活用しながら地域を支えているという姿に驚かれるとともに、そういった地域の支え方にもいろいろなパターンがあるのではないか。もっといろいろ勉強をしながら、その中で民生児童委員がどういう活動ができるのかを考えていく必要があるのではないか。このようなことをご提案いただいたのではないかなというふうに思います。

 それでは、続きまして高知県の社会福祉協議会の活動、また、地域福祉の推進等について高知県社会福祉協議会会長の島田一夫様のほうからお話をいただきたいというふうに思います。どうぞよろしくお願いします。

島田:
 県社協の島田でございます。お昼休みにロビーにおりましたら、小学校の先輩でありますとか、日頃いろんなことでお世話になっている民生委員さんにお会いしまして、いささか話づらくなりましたがよろしくお願いをしたいと思います。地域で支え合う仕組みづくりというのを自分なりに考えてまして、思い当たる出来事というか、事象が3つか4つ記憶によみがえってきました。

 一つはのっけから私事で恐縮ですが、5年間くらい身動きのできない状況で家におりました。親父がこの春、九十何歳で亡くなりましたが、死ぬ前に介護保険のサービスを利用した時にサービス業者さんが花の季節でありましたから、花を見せに連れて行ってくれました、一度。非常に美しかったということを死ぬ前に言ってました。5年間たった1回、自分の状況から見たらよう連れていかざったのがいいかどうかというふうに自問自答をしています。

 それから、近所のスーパーへ近頃行くようになりましたが、そこでお年寄りの方がお一人でタクシーで来て、買い物をし、タクシーで帰られるという光景をたびたび目にします。タクシーを利用できる人、あるいは利用できる地域にある方はそれでいいのかなあ。でも、できん人はどうかなという思いもありました。

 それからこの前の朝倉第二小学校ですが、登下校時の学生の見守り等のためにボランティアの方が全校生徒の前で紹介されまして、「このおんちゃんは近寄ってきても大丈夫」ということを言われて、その顔を廊下に貼ってあるというようなことも、この最近聞きました。

 それから、ちょっと古くなりますが、1998年の豪雨の時に県や市長村の職員さんが一人暮らしのお年寄りの所へ災害の復旧を手助けに行きましたが、その時に復旧はともかくとして、とにかく話し相手になって欲しいという要望が非常に強かったということも記憶によみがえってきました。

 こういうことを考えてみますと、どうも地域で支え合う仕組みづくりというのは、「ほっておけんけんど、誰がどうやってやるが」あるいは「何とかせないかんけんど、妙にやる所が分からん」と。こういったことを埋め合わせていくことではないかなあ。私的な分野でもないし、これまでの行政の分野でもないし、あるいは主要経済といいますか、経済オンリーの分野でもない。そういった所を埋め合わせる…今日、出席されている女子大の学生さん用に言うたら、新しい公共の分野をつくっていくことではないかなあというふうに思いました。

 どうしてこうなったかと言いますと、やはり午前中の玉里先生の話がありましたように戦後たびたび挫折がありました。立ち止まった時期もありましたが、一貫して50年前までかけて、日本が高度成長してきた為に過疎過密の状況から家庭の機能、あるいは地域機能が崩壊していったということ。

 逆に、一方ではそうした、先ほど申し上げた分野について、これはやはり社会全体の責任として何とかしなければならんという社会の自覚というのが生まれてきたことではないかなあと思います。

 午前中の冒頭のご挨拶の中でも言いましたけれども、平成12年の社会福祉法の改正の時に、個人の尊厳という事を前面に出して、それを地域社会の中で地域住民が主体となって解決するという方向が出されたのも、やはりそういった背景があるし、逆に一方では国、県、市町村の財政難ということで、これ以上行政はいろいろな分野に出ていけない。逆に、手を引かざるを得ないという状況もこうした事の背景にあったのかなという思いがいたしております。

 こうした、新しい公の分野をつくる時の風向きはどうかという事になりますと、やはり逆風と追い風があると思うのです。逆風は依然として止まらない少子高齢化ということで、その支え合いの仕組みづくりをする、その地域自体、地域住民自体が今、存亡の危機にあるという事ではないかと思いますが、逆に言いますと、これから地域の安心度をいかに高めるか、支え合いの仕組みをいかにつくるか。

 これも学生さん用に、今様の言葉でいえば、地域福祉ISOといったようなものが、これからその地域に住むかどうかを人々が決める大きい物差しになるのではないかというふうに思いますし、追い風という意味では新しいマンパワー、NPO、ボランティアというのが、ここへきて非常な力を得ております。

 昭和55年頃には160万人くらいでしたが、平成15年にはそれが800万人になっているという事ですし、県内でも5000人くらいのボランティアがおいでますし、NPO団体は今、2万、県内では140、150あるという状況ですから、こうした新しい人の力を取り入れることが出来る状態にあるという事が追い風ではないかな。玉里先生がおっしゃるように、「もし、地域で若い人の手が足りざったら女子大の学生を利用してください」と言ったこともありますし、そういった事も追い風になるかなという気がいたします。

 先ほど申し上げました仕組みづくりをどのようにやるかという事でございますが、これも先ほどの女子大の学生さんのビデオにございましたように、日高とか、旧葉山とか、田野町でやっておりますように、やはり住民の顔の見える、信頼し合える、小学校区ぐらいの単位でまず、小さなネットワークをつくるという事が大切ではないかなと思いますし、その上で中学校区、市町村、県というふうにネットワークの輪を広げていくという事ではないかと思います。

 何故、小さなネットワークから大きなネットワークかと言いますと、やはりNPOにしましても、施設にしましても、色んな物事の融通がこれから必要な時代になってくると。ですから、ネットワークが重層的にいくつもの層で作る必要があるんじゃないかなという気もしますし、ネットワークは使えば使うほど機能が増しますけれども、使わなければ機能が止まるというあれもありますから、先ほど申し上げました、日高村とか、旧葉山村とか、田野町なんかではやはりネットワークを常に点検して、定期的な会合をしておるというような事も聞いております。

 それから、地域住民が主体でそういった仕組みづくりをするといっても、これまでに全然足場がないと。無理にやろうとしたら、やはりいろいろな人に、役職を持っている人に荷がかかってしまう問題があろうかと思います。やはりこれは国体の時のように一人一役運動的に働いてもらう、皆さんが参加してもらうということが重要ではないかなと思います。

 その時にもコーディネーターといいますか、調整役、音頭取り、あるいは裏方という人が必要になってまいりますが、やはりコーディネーターとして考えられるのは、先ほど来お話がありましたように、一つは民生委員さんではないかと思います。民生委員さんは行政と住民サイドと両方に軸足を持っておるという強みがありますし、長い間の蓄積があるという事でございます。

 先ほど、事例発表がございました土佐清水の例でもたくさんの民生委員さんが地域の懇談会などで活躍、参加していただいたというふうに思います。それから、県の保健師さん、市町村の保健師さん、これも職務の中に地域ケアシステムづくりというのがあるようですから、こうした人もコーディネーター役になりうる可能性があると思います。

 それから、先ほど玉里先生の方から話が出ましたが、地域支援企画員…県でございますが、こういった方にも是非期待をしたいと思います。なぜかと言いますと、具体的な仕事はどういう事をされているのか知りませんが、やはり、基本は住民の力を高める、自立を高めるということでございますから、場合によっては今持っている公の仕事をそういった地域、NPOに分権をしていくといった事も考えられうるのではないかと思いますから、これも有力なコーディネーター役になりうると思います。

 それから、先ほど申し上げましたNPOです。数も急速に増えておりますし、いろいろな分野で活躍、活動ができるということでございます。当面、第一義的にこの事を推し進めるのは市町村社協であり、現実に先ほど来の事例発表では市町村社協さんが中心になっているし、県社協としましては、その事を応援をしていきたいと思います。

 ただ、こうしたことを進める際に、NPOと既存の組織というのは非常に文化が違うという事を肝に銘じておく必要があるのではないかと思います。NPOは横と横との繋がりから出来ておる組織でございますから、従来の組織が縦割りの組織、縦割りの感じで物事を進めようとしますと、なかなか上手くいかない面があるのではないかというのが一つ気がかりでございますが、そこを乗り越えて、NPOの力を取り込んでいく必要があるのではないかと思います。

 最後に、県社協の取り組みでございますが、県社協としましては、名前先行で中身が見えないという事、半官半民的な組織で、やっぱりお役所的じゃないかというような批判があることは重々承知をいたしておりまして、それは反省の上に立ってこれから徐々に直していかないかんと思います。

 全般的なお話といたしましては、広域的にやらないかんけれども、福祉施設の経営者でありますとか、市町村社協さんではできない仕事をやっております。

 一つは、福祉サービスの評価をいたしまして、それを公表して、利便者の利便に資するということでございます。それから、後見人を置くほどではない方々で、判断力の弱まった方々の生活の支援とか、あるいは福祉施設の利用者の苦情への対応とかいったことをやっておりますが、今、申し上げました支え合いの仕組みづくりとの関連で申し上げますと、一つは、地域福祉計画づくりへの参画でございまして市町村社協さんの応援ということでございます。

 玉里先生に委員長になっていただきまして、こういう手引きも出来ましたので、これからより積極的に対応していきたいと思いますし、土佐清水さんの計画づくりはうちの職員が何回も、夜なべ談義まで含めまして参加をさせていただいたということでございます。

 二点目はNPOとか、ボランティアの要請でございます。色んな事をやっていますが、今年はNPOの運営面での手助けをしていきたいと考えております。これまで、NPOに対しましては事業をやる時には色々な助成がありますけれども、その運営自体についての助成がなかなかないということで、地方分権ということで、国の財源を地方へということが云々されましたように、私どもとしましては、NPO基金というのを今年つくりまして、企業、個人からの寄付金をNPOへつないでいって、その活動が継続される、財政面で裏打ちされるような取り組みを進めていきたいという事でございます。

 それから、三点目は社会福祉教育という事でございますが、これまで小学校、中学校、学校単位に社会福祉教育というのをやっていましたが、やはり、社会福祉教育というのは地域づくりの主体であります地域住民の方にその主体性を持っていただくための教育でございますから、これからは中学校区程度の校区、地域を指定しまして、積極的にこの社会教育を進めていきたいというふうに考えています。支え合いの仕組みづくりの観点では以上三点でございます。

玉里:
 はい、ありがとうございました。本当に盛り沢山のご提案があったわけなんですが、こういった支え合いの仕組みづくりが必要な事は分かるんだけれども、誰がどのようにするかというのは本当に難しいということをおっしゃっておりまして、どこにこの支え合いの仕組みづくりをつくるのかということは非常に重要なご提案があったわけなんですけれども、住民の顔が見える小学校などの小さな単位、小地域のネットワークが基本で、それが段々に重層に膨らみながら大きくしていくようなやり方をしながら、支え合いのネットワークづくりをつくっていかなくてはならないんじゃないかという貴重なご提案がございました。

 また、支え合いのネットワークづくりというのは、一つの新しい公の分野をつくるのにも通じるのだということで、社会の自覚として、こういったことに取り組まなくてはならないと思うという事で、その中にはいろいろなマンパワーが必要になってくるわけですが、一つにはNPOという言葉も出ておりましたし、また、これからも説明もございますが、高知県の地域企画支援員もそのマンパワーとして核となる所に位置付けられるのではないかというご提案もあったかと思います。

 また、高知県社会福祉協議会としては様々な活動をなさっているわけなんですけれども、その中のいくつかをご紹介くださいまして、地域福祉活動計画を各地でする、底上げの為もありまして、昨年一年間は土佐清水の取り組みに高知県社協も通って、一緒につくりあげていき、一つの高知県内での地域福祉活動計画づくりのモデルを構築されてきておりますし、また…もう一回宣伝したりして…こういう手引きを私も一緒につくったんですけれども、どのようにして地域福祉活動計画をつくるのか、手引書をつくって、各市町村社協等にも配布させていただいて、参考にしてもらうような活動も県社協としてされております。また、NPOを育てていくというようなことで支援をすることもしてきているという活動の一端をご紹介いただきました。

 それでは、今日はスペシャルゲストをお招きしているわけなんですけれども、カメラをお持ちの方、そんな壁の花じゃなくてもいいんですよ…うちの学生なんですけど。そんな所から知事の顔は写らないですから、どうぞ前からきっちりと、小椋会長もちゃんと入るように…きっちりといい写真を撮るためにはカメラマンはどこをうろついてもいいので、いい写真を撮っていただきたいと思いますけれども…失礼いたしました。舞台の上から指導をしております。これからも民生・児童委員の協議会の皆さんと仲良くしていきたいと思っておりますので、今日のこのシンポジウムもちゃんと記録をとっておきたいということで、学生さんにカメラを持たせております。失礼しました。

 今、民生児童委員連絡協議会の小椋様、それから社会福祉協議会の島田様のほうから、支え合いの地域づくりについてのご提案をいただきましたが、高知県のほうでも支え合いの活動ということで、先ほどから出ております地域支援企画員を設置され、また、多くの人数を地域に出されているわけですけど、その辺りにつきまして知事の方からいろいろご説明をいただきたいと思います。
 それでは、高知県知事、橋本大二郎様よろしくお願いいたします。

橋本知事:
 はい、皆さんこんにちは。昨日、実は沖縄で会があって、朝、沖縄を出て、飛行機を乗り継いで、昼過ぎに高知に戻りましたので、まだ体が揺れているような気がいたしますけれども、民生委員、児童委員の皆さん方の会にお招きをいただきまして、誠にありがとうございます。

 また、先ほど、女子大の学生さんが取材をされました、津野町、高須、布師田、日高の4カ所の活動の事例を見せていただきましたけれども、本当に世の中が難しくなったり、複雑になってる中で、お年寄りのこと、お子さん方のこと、そうした問題に正面から、また、それぞれの現場で取り組んでいただいている委員の皆さん方に心から感謝を申し上げたいと思います。

 先ほどビデオを見てますと、いずれも素晴らしい取り組みで、「ああ、これなら世の中、問題ないな」と、感じてしまいますが、要は、そういう取り組みがある所と、まだ取り組みが薄い所、地域のつながりがまだまだ弱い所、そういう濃淡がある事がいろんな問題なんだろうなと。今、見せていただいたような取り組みが県内の各地域で進んでくれば、広がってくれば、もっともっと絆の強い、いい地域づくりができるんじゃないかなということを、ビデオを拝見して思いました。

 今日のテーマは地域の支え合いの仕組みということで、その一つの原動力として県では住民の皆さん方の力、住民力という言葉を使っています。何故、そういう事を言い始めたのかといいますと、そのきっかけは三年前、平成14年に開催をされましたよさこい高知国体、また、第二回の全国障害者スポーツ大会、よさこいピック高知を通じての経験でございました。

 といいますのも、あの時、国体は当時53の市町村が県内にありましたが、全ての市町村で何かの競技を担当していただくと、こういうようなかたちで開催をしました。けれども、日頃は過疎だ、高齢化だと、こういうふうな、ややマイナスのイメージで語られる地域であっても住民の皆さん方が力を寄せ合い、また、力を出し合って、民泊ですとか食事の世話、また、案内、受付等々、様々なボランティアの取り組みをして下さいました。

 その結果、県外から来られたお客さん方からは、「とても温かいおもてなしの、いい国体だった」という高い評価をいただきました。この事は、その活動に参加をして下さった地域の住民の皆さん方にとっても、日頃は過疎だとか、高齢化だとか、何か気が重くなるような、そんな言われ方ばかりするけれども、自分達も取り組んでみれば、やってみればまだまだできるじゃないかという自信につながったんではないかと思います。

 とすれば、そういうような住民の皆さん方の力、住民力というものをただ単に国体のような一過性のイベントで終わらせてしまう、使い切ってしまうんじゃなくて、そういう力を日頃の健康づくりとか、介護のお世話とか、また逆に、少なくなった子どもを地域ぐるみで育てていく。そんな支え合いの仕組みに使っていけないかなという事を思いました。これが、住民力を基にした地域の支え合いということを言い始めた一つのきっかけでございます。

 では、今の時代、何故その地域の支え合いの仕組みが必要になってきているかと言いますと、その一つの理由として、背景としては財政上の理由ということが挙げられると思います。つまり、県も市町村も、とっても財政が厳しくなってきました。また、これからもそういう状況が続くことが予想されています。

 例えば、高知県の場合、平成14年、3年前ですけれども、平成14年には、収支がほぼ均衡する、そんな予算を組むことができました。ところが、それからわずか2年が経った平成16年、昨年度の当初ですけれども、地方の財源としてとても大切な地方交付税などが一方的に、しかも大幅に削減をされました。この結果、昨年度の当初で263億円というような大きな財源の不足が生じました。しかし、国はなお、今、国が抱えているいろんな財政運営のつけを地方に回していこう。そんな姿勢を崩していません。

 ですから、県でいろんな財政の見直しをさらに進めて来たんですけれども、なお、今年度の当初でも、150億円余りの財源の不足が生じるという事態になっています。で、こういう事態はさらに今後も続いていくということを、ある程度覚悟しなきゃいけない。

 そんな時には、行政の側も予算だけでいろんなサービスを提供する、仕事をしていく、というのではなくて、また、地域の住民の皆さんにも、それを受け身で受けるという考え方だけではなくて、住民の皆さん方が積極的にいろんなことに参加をしていただいて、支え合いの仕組みで新しい公共的なサービスをつくっていく、またそれを賄っていく。そんなことができれば、予算が少なくなる中でも地域の元気さが失われなくて済むのではないかと。こういうことが、一つ、地域の支え合いの仕組みが、今、求められている理由だろうと思います。

 ただ、このことばかり強調しますと、財政が厳しくなったから、つまりは懐具合が悪くなったから、「まあ、後はもう地域にお任せしますよ」という、何か追い込まれての、その逃げ道として地域の支え合いという事をいっているように聞こえてしまいます。その面も否定はできません。

 けれども、そうした受身の消極的な面だけではなくて、地域の支え合いという事にはもっと積極的なプラスの面があるという事を思っています。というのは、行政が全てのサービスを担っていくというやり方よりも、民間の、これは企業であれ、団体であれ、そして住民の皆さん方の支え合いであれ、そういう仕組みの方が、より地域の実状に合った肌理の細かい柔軟なサービスが提供できると思うからです。

 例えば、行政が全てを担っていけば、公務員の勤務時間に縛られてサービスを提供する時間に制約が出るといったようなこともあるでしょうし、また、県が仕事をするのであれば、県内一律にいろんなサービスを提供しなきゃならない。

 その為に、地域、地域のニーズ…求めとはズレが生じてくる等の問題がありますが、これに対して、民間の力を活用する、特に地域の住民の皆さん方の力で、支え合いの仕組みというものができてくれば、それは地域の実状に合った、きめの細かい、また、そこに住んでらっしゃる皆さん方にとってより良いサービスになっていくのではないかなと、こういうプラスの面をもっともっと全県下に拡げていく必要があるんじゃないかということが、今、地域の支え合いの仕組みが求められている大きな理由ではないかと思っています。

 ただ、だからといって、「さあ、後はもう地域の皆さんにお任せします。よろしくやって下さい」ということだけで、こうした支え合いの仕組みが出来上がっていくわけではありません。

 そこでは、地域に入っていって、いい芽を見つけ出して育てていくとか、また、こういうような事例があるから、この地域でも取り組んでみませんか、というようなご紹介をしていくとか、いろんなつなぎ役をしていく人、島田さんがコーディネーターと、こういう言い方をされましたけれども、そういう役割の人が必要だと思います。

 その仕事は市町村の職員の方もそうですし、民生委員、児童委員の皆さん方もそうですけれども、県の職員も是非、現場に出て、そういう役割を担っていきたい。そういう思いで設けたのが地域支援企画委員、地域の元気応援団という名で呼ばれている職員です。平成15年度は7人の職員を県内の各地に、そして昨年度は50人、今年度、17年度は60人の職員を地域の現場に派遣をしています。

 こうした職員は、福祉だ、農業だ、土木だ、というふうな、従来持っていた縦割りの仕事にとらわれるのではなくて、地域のいろんな実状に応じたご相談に応じ、それを行政につないでいく、また、他の地域の先進事例、その皆さん方が求めてらっしゃる、やろうとしてらっしゃる事に使えるような支援策等を探してきてご紹介をする。いろんな仕事をさせてもらっています。

 このように、地域支援企画員というのは、元々そうした支え合いの仕組みづくりの応援をしていく。それを各地域に興していくお手伝いをしていくことを主な目的にしていますが、それだけではなくて、そうした現場に出る仕事を通じて、県の仕事の仕方、職員の意識というものを変えていくきっかけになればな、ということも思っています。

 というのは、ご承知のとおり、県という組織は国と市町村との間、中二階的な所にあって、補助金のお世話をする、書類をつくる…いろんな仕事をしています。こういう仕事ももちろん必要なことですけれども、予算財政が厳しくなる中で、そうした仕事だけを自分たちの仕事だと思うのではなくて、現場に出て自分の力、人の力、知恵の力で地域を動かしていく。県としての仕事のできる、そんな県庁になっていきたいし、職員になって欲しい。

 そのきっかけづくりということを地域支援企画員という者を通じてやっていきたいという思いを持っています。ただ、こうした新しい試みというのはなかなかご理解がいただけないという面もありますから、やっていることが外から見えにくいね、成果は何だろうね、ということをあちこちから指摘を受けます。

 確かに、地域支援企画員といっても、これまでは県庁の中で書類づくりや何かをやっていた職員ですから、慣れていない、またそれぞれの力に差がある、市町村との連携の力の強いところ、弱いところ、さらには各地域でチームをつくっているわけですが、そのチームワークの良さ、悪さ、いろんな問題点はあると思います。

 ただ、そうした問題点というものは十分に理解をしながらも、少しでも地域の皆さん方にその存在を知っていただいて、そして、いろんな形で利用していただいて、こういうコーディネーター役、県の職員の仕事というものが地域に定着をしていければなということを思っています。

 ではどんな仕事…といえば、これは中山間でいえば、集落経営のお手伝いをしていく、またグリーンツーリズムのお手伝いをしていく。逆に、街中でいえば、空き店舗を使ったいろんな取り組みを一緒に応援をしていく。さらには、新しい交通システム、公共交通がなくなったところでの足の確保をどうしていくかとか、地域の自主防災の仕組みをつくっていく。様々なお手伝いをしていますので、こんなことがあった、あんなことがあったということを何か成果だと言って、ここでご紹介をするつもりはありません。

 大切なことは、先ほど会長さんが福祉で町をつくるということを言われました。その意味はもっと高い次元の意味なんですけれども、それと同じように、それぞれの地域が取り組みやすい課題で、地滑りの地域であれば、やはり災害ということに目がいき、そして自主防災の組織というものに取り組みやすいとか、お年寄りが多くて、皆で、やっぱり、介護のことを心配をするということであれば、介護のお世話だとか、もう少し何か仕事を増やしたいね、ということであれば、グリーンツーリズムをやってみようかとか、それぞれの地域が抱えている、地域の多くの方が思っていらっしゃる、そういうテーマを元に、この、いろんな運動を起していけば、そのお手伝いをしていければ、それによって地域の力というものが、絆というものが強まってくるだろうと思っています。

 玉里先生の最初のお話にもありましたように、今、いろんなところで起きている問題点というのは、地域の力が弱まっていることから生じていることが多くあろうと思います。それを克服するためには、まず何のテーマでもいいから、一緒に話し合いをしていく。単に偉い人の話を座って聞くというのではなくて、皆で議論をしながら、いろんなことを考えていく。そして、それを何か具体的な活動につなげていく。そういうことから、地域のコミュニケーション、地域のコミュニティというものが、非常に大きな強いものになっていくだろうと思います。

 そういうものが出来上がっていけば、最初は防災が手掛かりでも、福祉が手掛かりでも、その福祉で、防災で、地域づくりで、町を興していく事によって、次のいろんな取り組みにもつながっていくのではないかと。そういうことのお手伝いを是非この地域支援企画員というものを通じてやっていきたいということを思っています。

 役割としてはいろんなことが考えられます。やはり、県の職員ですから、県の仕事のことにも通じています。先ほどちょっと、公共交通が無くなった後の地域の足の確保ということを申し上げましたけれども、こういうことを考える時に、タクシーの事業者の方に協力をしてもらおうとすれば、乗り合いタクシーの許可をタクシーの事業者に取っていただくというふうなことが必要になりますし、また、須崎市で行われているように、市がワゴン車を買って、それを地域の部落に無償で貸し付けるという手法であれば、難しい言葉ですが、道路運送法上の包括許可というものを須崎市に取っていただくというようなことが必要になります。

 また、よく各地域で問題になりますが、社会福祉法人や、NPOの法人が有償でいろんな方をあちこちに運ぼうとすると、白タク行為との区分けという事が問題になります。こういうような法律的なことをきちんと整理をして、心配なく色んな取り組みが出来る。また、それが規制であれば、それを取り除く…例えば特区などの申請をしていくような事をご提案して一緒にやっていく。こういうような事に地域支援企画員の県庁職員としての能力というものを使っていけるのではないかなと。

 是非、そういう意味で、いろんな形でご相談をいただければと思いますが、先ほど、お話の中で、民生委員、児童委員との接点がなかなか出来ていないというお話があって、その通りだと思います。その理由を言い訳がましくいえば、一つは、まずはやはり市町村との連携という事が必要なので、役場の方々との連携という事を中心にしてしまって、民生委員、児童委員の皆さん方の所まで足が運べていないという事があろうかと思います。

 もう一つは、先ほど、防災だとか、交通だとか、地域づくりだとか、いろんなテーマを挙げました。福祉というのは、地域の支え合いでは最も重要なテーマなんですけれども、それだけがミッション…仕事ではないという事から、そこから「One of them」というか、いろんなお付き合いをする中の一つという事になってしまって、まだまだ深いお付き合いが出来ていないのではないかと思います。

 けれども、これまでこうした役割を地域の前線でしてこられたのはまさに、民生委員、児童委員の皆さん方ですし、そういう皆さん方がこれまで持ってらっしゃるノウハウだとか、思いだとか「こういう事をやればな」といような考え、そういうものと、地域支援企画員の力が一緒になり関係を持っていければ、また、そういう場もつくっていきたいと思います。

 それから、少し長くなってしまいましたけれども、県の政策の中に、民生委員、児童委員の皆さん方をもっと位置付けるという事もとても大切な事だと思います。その時には、県がただ単に事業を組んでそこに参加をしていただくという事だけではなくて、民生委員、児童委員の皆さん方、また、協議会として、ご自分たちで何か企画をして、県の予算を使って、自らでそれを実行していく。そういう事を是非、やっていっていただければなということを思います。

 これまで、NPOとの共同という事から、県が何か事業メニューをつくって、委託をしていくというのではなくて、直接民間の団体の方が企画をし、政策を立案し、それに県が予算だけ付けて…予算だけ付けてという言い方はおかしいですけれども、活動の保障だけをして、後は実践もお任せをするというような事をいくつか手始めに始めていますし、そして、県庁の中で、福祉の分野だけではなく、NPOを担当する分野だけではなくて、皆がそういう意識で仕事をしていこうということを各部局にも言っています。

 民生委員、児童委員の皆さん方は、まさに、前線でそういう仕事に取り組んで下さっている方ですので、是非、直接こういう事をやってみたいという事があれば、企画をしていただいて、事務所なりを通じで上げていっていただければ、それを具体化をしていく事を一つでも、二つでもまた、実例としてやっていければなという事を感じました。以上でございます。

玉里:
 はい、ありがとうございました。なかなか結論的なところまで言っていただいている所もあったんですが、どうもありがとうございます。住民自身が地域で積極的に様々な事に参加するという事をプラスの面として考えて、どんどん高知県の住民力を高めていこうという事でした。

 地域のいい面を見つけてつなげていくのがコーディネーターだとすれば、民生委員さん自身ももちろんコーディネーターだけれども、特に、応援団60名、高知県内に出ているそうですけれども、その応援団さんがコーディネーターとして、地域のいい面を見つけて、つなげていくという役割をされているという事です。

 そのお仕事は、福祉と言いますか、広義にもう少しとらえる必要があるかと思いますけれども、集落の経営、グリーンツーリズムを始めとして、また、高齢者の方の足の確保のお手伝いとか、様々な領域、それぞれの地域の、それぞれの課題に、テーマに沿ってお手伝いをしましょうということでご活躍をされているということです。

 そういった、それぞれの地域の課題というものは、それぞれの地域にお住まいの方々が皆で議論をしながら出していくということも言われておりました。また、この応援団の皆さんは県の仕事についても情報を持っていらっしゃるという事で、困った事があったとき、その解決の方法として、こんなふうにすれば具体的に実現化するよという情報を持っているので、是非、使っていただければということでもあったかと思います。

 また、知事の方から、民生、児童委員さんとその応援団さんの接点がこれまで無かった部分については、今までは役場との連携までしかできていなかったという所と、広い領域でやっていて、福祉というふうに限ったところではなかったので、まだまだ直接のお出会いが少なかったかもしれませんが、これから民生委員さん側ももっと広い活動をすることによって、応援団さんとの接点というのができてくるのではないかというふうにも思わせるような事をご提案いただきました。

 さて、知事のお話でお三人の方の様々なご提案をいただいたんですけれども、始めに小椋会長のほうから、県の重要な施策の中に民生委員さんの活動、行動をきっちり位置付けてやっていこうということを言われた事に対して、それももちろん大事なんだけど、もっと積極的になって、自分たちで企画をして、主体的に活動していけばどうですか、というような事も知事の方からご提案があったわけなんですけれども。さて、今、お三方のお話しが終わりましたんですけれども、二回目ということで、小椋会長、どうでしょうか。何かまた、ご意見とか補足のコメントございましたら続けていただきたいと思います。

小椋会長:
 どうもありがとうございます。ただ今、知事さんのお話をお伺いをして、本当に今日の大会に参加していただいて良かったなといった思いをしておりますし、皆さんも気持ちは一つではないでしょうか。本当に、そういった熱い思いをしております。先ほど、冒頭の発言をさせていただいて、緊張してメモも取れなかったんですが、ちょっと落ち着いてまいりました。

 そういった中で、私は、ただ求めるだけではなくて、私たち、民生委員、児童委員がやはり、これからの活動をどう展開していかなければならないか。そういった事についても、今日、参加していただいている委員の皆さんとの間で、確認と言いますか、私の思いを語らせていただきたいなと考えるところでございます。

 実は、二期、中村市の会長をさせていただきまして、そういった中で、やはり民生委員、児童委員の活動を事務局任せでするのではなくて、組織を構成している委員さん自身に主体的に参加をしていただく。そういう組織をつくっていくべきではなかろうか。

 そういった事を常々考えておりますし、そういったことの延長で今日の大会の運営も、副会長さんを始めとする理事の皆さんに受付や進行、全てに関わっていただいているところでございますけれども、そういったことの一つには、中村地区では、例えば、先進地の視察研修等に参りますときには、目的地の吟味をして現在の私たちの活動との関連で、どういった所に行って、先進地として勉強をさせていただくか。

 そういったことで、大体2泊3日で研修に出掛けるわけでございますけれども、参加をしていただいた方には皆さんに感想文、レポートを書いていただくと。そして、2泊3日の研修には家族会合やご家庭の都合などで、なかなか参加できない方には日帰りの研修を必ず用意をさせていただくと。

 そういった点で、日々の活動を地域の民生委員さん同士の定例会での情報交換を大切にすると同時に、さらにレベルアップをしていくために先進地の研修に参るわけでございますけれども、そういった中で、感想文を書いていただきまして、こういった冊子にまとめるわけでございます。

 そして、2泊3日にも、日帰りにも参加できない委員さんにも、全ての方にお届けをすることを通じて、やはり私たちの活動の様子を共有していただく。そういった事を最近では心掛けておりますし、まだ、高知市のように法定民事協にはしておりませんので、2カ月に一回は定例会を開いておるわけでございますけれども、定例会の都度、事務局の手を一切煩わさない形で、委員さんが手分けをしてこういった「やぶつばき」という民事協便りを発行しております。

 これを定例会の時に、地区会長さんから出された様々な活動をこういった冊子にまとめて、全ての委員さんにお届けをすることを通じて、情報を共有化する。そういった事で研鑽を重ねていただいて、委員さん自身の資質の向上に帰していくといった事と、やはり組織的な機能の強化をする為にそういった取り組みをしているところでございます。知事さん、お構いなかったら、暇な時に目を通していただきたいと思います。

 そういった形で、私達は、県や社協に何かを求めるということではなくて、今日のこの大会の一つの成果は…例えば、第1回大会で児童委員活動を強化しましょうということを通じて、子ども支援ネットワークや、児童委員の専門部会などが作られてきて、そういった活動がぐっと前進してきた成果があるわけですけれど、今日のこの第5回の大会は民生委員、児童委員の活動を強化をするのに、共同の出発点といいますか、県や県社協との共同をどうするか。そういった意味合いでは、新たな、質的な変化を持った出発点が今日の大会になったのではなかろうかと私は考えているところでございます。

 そういった思いを語らせていただきました。それからやはり、私たちはこれからのきっかけづくり…そういった中で地域企画支援員の皆さん、もちろん、私たちが何も知らないから何もしていない等と申し上げるつもりは更々ないわけでございますけれども、それぞれご活躍をいただいているわけですが、企画員の方だけでなくて、やはりこれは市町村の職員、あるいは国の職員の方も含めてですが、非常に私たち県民のプラスというのは出口の見えない不況の中でリストラをされたり、あるいは働こうにも仕事に出会う事の出来ない人々もたくさんいる中でございます。

 そういった中で、全体の奉仕者である公務員といいますか、そういった立場の方たちが、そういった厳しい現実をしっかりと見つめていただきまして、地域のコミュニティづくりと言いますか、そういった活動に日々、積極的に参加していただく、そういった気風をつくっていっていただきたいな。

 よく私の場合も生活の場で理事会長、区長をさせていただいたりしておるわけでございますけれども、例えば、午前中の講演の中でも玉里先生、おっしゃっておりました、ドブ揚げだとか、地域の作業出役だとか、そういった事には高齢者や民間で頑張っている人たちは積極的に参加をしていただくけれども、やはり、家族でショッピングやなんかに出掛けて行って地域をおろそかにしている、そういった姿があると。

 そういった事なども、会長をさせていただいておりますと、委員の皆さんやそれぞれの地域で…決して私の地元でという訳ではありませんけれども、そういった点でやはり、地域企画支援員の方のみがその支援をするのではなくて、やはり知事さんがいつもおっしゃっている意識の改革、そういった事が強く求められているのではなかろうか。

 そういった事を大変おこがましゅうございますけれども、感じているところでございます。そういった事を何となく…また尻切れトンボになりましたけれども、申し上げて、私の発言をとりあえず終わりとさせていただきます。

玉里:
 はい。ちょっと私が日本語が悪かったかな。県の重要な政策の中に位置付けるというのが、民生委員さんの主体性が無いという意味ではなかったんですけど、もっと主体的に一緒に活動を強化していきましょうという事だったのが、小椋会長にも、知事にもちょっと失礼なコメントを先ほど私がしたかもしれませんので、それを謝りながら…今、小椋会長の方から知事さんや、島田会長のご意見を聞きながら、二回目のご意見をいただいたところなんですけれども、今回のこの会も自分たちの手でやりましょうという事で、受付や司会や様々な企画のところから民生委員さん自身の手でされてきたというような事例とか、こういった気運の中でもっともっと意識改革をして、研修なども大切にしながら、それぞれの民生委員さんのレベルアップを図って、地域のコミュニティづくりのためにどんどん意識改革をして積極的にやっていこうと。その中で応援団の皆さんとも連携していこうという力強い会長さんのお考えを披露していただいたというふうに思います。

 島田会長、どうでしょうか。先ほどから小椋会長や、橋本知事のご意見、またご提案等をお聞きになりながら県社協の立場としてご意見がございましたらよろしくお願いいたします。

島田会長:
 三回目は回ってきますか。

玉里:
 非常にタイムスケジュールで皆ピシッといっていますので、もしかしたらこれが最後になるかもしれませんので、思い残さずにどうぞおっしゃってください。

島田会長:
 それでは、二つのことについてお話しをさせていただきます。
  一つは、民生委員さんに対するお願いですが、やはり、長い間の活動の歴史がありますし、蓄積もありますし、ネットワークもありますが、過去の例でいきますと、所帯厚生資金…今で言う生活福祉資金というのは民生委員さんの活動の中から生まれた制度だというふうに聞いていますし、昭和43年頃ですか、民生委員さんが主体となって行いました一斉モニター調査、一人暮らし老人とか、寝たきり老人に対します全国調査で、その後の国の施策が在宅福祉の充実ということについて大きく転換したというような事も聞いておりますので、活動方針の中にあります意見具申という事について、現場実態、住民サイドに立っていろいろとご提言をしていただきたいと思います。
 行政なり、私どもに対しても結構ですが、是非、意見具申、提言をしていただきたいということは一点、お願いでございます。

 それから、自分自身の県社協のことですが、やはり所帯も小さいし、人の出入りはかなりありますし、職員も出張って行って、かなり地域との交流はありますが、先ほど知事さんが女子大の学生さんのビデオを見て「ああ、こんないい事をやりよったか」と言われたことにちょっとショックを受けております。

 本来ですと、県社協がそういう立派な事例を集めて、いつでも見られるようにして、他の地域の参考なり、先進事例として発表できるようにしていかないかんと思いますので、是非、これは取り組んでいきたいと思いますが、人手が足りない時には女子大の学生さん、玉里ゼミの皆さん、よろしくお願いいたします。

玉里:
 はい、ありがとうございました。思わぬところから…そうなんです、私も先ほど知事の横に座って映像を観ておったんですが、「うん、やってるね」とか言って観ていただいてたんですけれども、ちょっと島田会長とはズレるかもしれませんが、これは私の考えもあるんですけれども、結構、高知県内でもいろいろな取り組みがなされてるんですけれども、その情報が高知県内でまだまだ交換されていないというのがあると思います。

 今日、このシンポジウムのテーマは「新たなネットワークづくりを探る」なんですが、どうしてもこういう…必要だというのは分かってるんですけれども、先進的な事例を県外に求めたり、新しい県外の先進地なんかによく求めて、話がされるんですが、本当にきらりと光るいい活動が、高知県の中にも数多くあると思います。

 ただ、それが少し情報として集積されていなかったりとか、発信されていないために、あまり知られていないという部分があるのではないかなと思います。是非、県の地域支援企画員の皆さんにも、高知県内のこういった福祉活動にご注目されて、いろいろ調べていただけると、本当にきらりと光る、地道な、いろいろな取り組みが見えてくると思いますので、何となく私からもお願いしつつ、また、私も学生と…ほとんど学生が全部取材に行ってくれたんですけれども、学生も楽しく高知県内を回らせていただきながら、いろいろ教えていただきたいというふうに思っております。

 はい、ありがとうございます。それでは、知事の方にまたマイクをお回ししたいと思うんですけれども、小椋会長も、島田会長も奥ゆかしく、コメントが短めでしたが、知事、どうぞ、もうちょっと長めに話していただいてもいいかと思います。主体的な民生委員の活動という事で先ほど、非常に大きな激励もいただきましたし、今、新しいネットワークづくりのためにも、その辺りがポイントとしての話の一つに挙がってきておりますけれども、主体的に活動するという事で、もう少し具体的に分かるようなお話とかがあれば、していただきたいなとも思いますし、また、他の事でも構いません。少し時間がございますので、せっかくの機会ですので、是非皆さんに激励のメッセージをいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

橋本知事:
 はい、先ほど小椋さんの第一回目のお話で、福祉の町づくりではなくて、福祉で町づくりをという高浜の事例をご紹介いただきました。そういう気持ちの変化というか、言葉ではわずかな違いなんですけれども、そこに込められた意識の変化というものがとても大切ではないかな、という事から言えば、民生委員、児童委員の皆さん方の会のこれまでの動きというものを考えましても…これまでと言っても随分前になりますけど、何人かの代表の方々とお話しをした時は…そういう形でお話しをすれば、当然、そうなってしまうんですけれども、「こんな問題がありますね」という、やや愚痴っぽいお話だとか、「ここの所はどうにかなりませんか」、「こういうふうにしてもらえませんか」というような要望、陳情型のお話になりがちでございました。

 そうしたものが、そうではなくて、自分たちでこうしていったらいいと思うと、こうしていきたいというような方向のお話になってきてると思いますし、そういう取り組みが進んできてるということを大変心強く思います。

 といって、別に、こんな問題があるというご指摘だとか、こういう事をして欲しいという陳情、要望を全て封じ込めようという意味で言っているわけではなくて、そういうこともどんどん出していただければいいと思うんですけれども、そういう事だけではなくて、相手に何かして欲しいというだけではなくて、自分たちもこうやっていくという気持ちを絶えず持っていただくという事が一番大切ではないかなと。

 主体的なんていうと言葉が難しくなるんですけれども、要は、人に何かやって欲しいという思いと同時に、自分たちも半歩踏み出して何かしていこうと。向こうからも半歩こっち来て下さい、こっちも半歩前へ出ますよ、という事が難しく言えば主体的という事になっていくのではないかなと。そういう気持ちを持っていただくだけで、大きく、活動そのものも、それぞれの地域での取り組みも変わってくるし、進んでくるのではないかなという事を思いました。

 冒頭の、女子大の皆さんが撮って下さったビデオの取材に戻りますが、先ほど申し上げましたように、ああいうような事例が県内各地にあまねく広く行われているのであれば、あまり問題なく地域の状況というのは良くなっていくのではないかと思います。ただ、実際にはそうできていない。

 それは別に、民生委員、児童委員の皆さん方の力不足ということではなくて、地域の中にいろんな問題がある。地域のコミュニティが弱いために、そういう活動になっていかない。また、いろんな面で皆が他の事に関わっていて、それだけの心の余裕が持てない、等々、いろんな地域の現状の問題点があると思います。

 要は、あそこで示されたような素晴らしい事例が生まれていない所にどうやって広げていくか、という事が大きな課題なんだろうなという事を感じました。その際に、島田さんからも、僕に「こんないい活動があるのか」と言われてショックを受けたという話がありましたけれども、健康福祉部長とも今、横に座って、観ながら話をして、やっぱりこういう事をもっとPRをしていかなきゃいけないねと。

 皆がこういう事を認識した上で、「それじゃあ、自分の所で何故出来ていないんだろう」「自分たちの所でどんな事から始めたらいいんだろう」という、きっかけをつくっていかなきゃいけないんだろうなという事を改めて思いました。

 これは、こういう民生委員、児童委員の活動、福祉の活動だけではなくて、全ての事に言えるわけです。県内にもいい活動はいっぱいあります。けれども、それがなかなか、そうでない、やっていない地域に広がっていかない。その根本にあるのは、情報が共有をされていないというか、何か県外に素晴らしいものがあると、まずそれを見に行こうか、というふうな事になって、「うわあ、よかったね」と言って、後、打ち上げをやって終わってしまうという事を繰り返してきてるような気がいたします。

 そうじゃなくて、身近にあるいいものをもっと学び合って、そこから自分たちが何ができるかを考える。その為のつなぎ役をしていくというのが地域支援企画員もそうですし、県なり、行政なりの仕事ではないかなと、社会福祉協議会を含めての役割の一つではないかなと感じました。

 先ほどの話に戻りますけれども、地域支援企画員ということで言えば、せっかく現場に出ていますので、是非とも、民生委員、児童委員の皆さん方からもお声を掛けていただき、こちらからもお声をかけて御用聞きもし、いろんな…一緒に何かやりましょうかというご相談をしていく。そういう事を、今日を機会に進めていきたいなということを思っています。

 併せて、こういう県内にあるいろんないい事例というものを他の地域の方々に知っていただく。知っていただいた上で、「これはやっぱり、うちには向かないな」という、そういう判断をされるのは、それはいい事だと思います。これこれ、こういう理由でうちでは無理だな。うちにはなかなか合わないやり方だな…いろいろあると思います。

 そういう判断をしていけば、じゃあ、うちでは何をしていけばいいか、どんな事ができるかなという事になっていくと思いますので、その情報の共有というか、情報をいろいろお知らせしていくような仕掛けという事も是非考えていきたいということを思いました。以上でございます。

玉里:
 はい、ありがとうございました。そろそろ時間になりましたので、最後に私がまとめるという事なんですけれども…あ、そうなんですよ。まとめる前に私は小椋会長に回そうと思ってたんですよ。「今日はどうでしたか」ということで。

小椋会長:
 情報の共有という点で私たち、県の連合会としては、先ほどの素晴らしいビデオで実践の事例が皆さんに映し出されたし、事例報告をしていただいたわけですけれど、これから県民児連の広報活動の中で長谷川副会長さんを中心として広報委員会というのをつくりまして、2カ月に一回ぐらいの割合を予定しているところでございますけれども、県下2千数百人の委員の皆さんがそれぞれの地域で、あるいは部署で活躍していただいている情報を共有できるように、そういった広報活動をしていこうと、そういった事を考えているところでございます。

 やはり、過去がどうという事ではございませんけれども、今までは何かの研修会や、そういった会合に参加した方にのみしかそういった事が伝わらない。そういう形の県の連合会の組織活動でございましたけれども、組織的な機能を強化していくと、そういった点で広報活動をしていきたいと考えております。

 そういった点では、是非、「まあ、こんな事を」と、遠慮せずに、それぞれの参加をされている委員の皆さんの日々のありのままの姿を是非、お知らせしていただきとうございますし、今日の資料と一緒にアンケート用紙を入れてますよね。是非、一番最後の時、うちでは、私のところではこういった活動をしている、そういった自己PRを是非入れておいていただきたい。

 そうしますと、私たちが県の連合会や理事会やなんかで、充分掌握しきれていない活動につきましても、また情報を集めに回らせていただくと。そういったことを通じて、やはり、県の連合会の役員会だけではなくて、2,450名に喃々とする民生委員、児童委員の皆さんが、日々、有機的な連携を持っていく。

 そういった組織をつくっていきたいと思いますし、大変厳しい財政の状況で、補助金のカットだとか、様々な事が押し寄せてきておりますけれど、先ほどの島田会長さんのお話しにもありましたように、民生委員、児童委員の七つの働きの中で、項目としては一番最後でございますけれども、私たちには意見具申の働きが求められているわけでございます。

 様々な形で補助金の削減を始めとする福祉切り捨ての、そういった大波がきても、私達はそれぞれが担当している地域の実態から出発をして、「いや、それは困る」「そうされたのでは困る」…そういった事をしっかりと、声を伝えていく。そういった事も民生委員、児童委員の果たさなければならない大きい役割である。

 そういった事を考える時に、情報の共有、横の連携、組織的な機能、活動を強化していく。そういった事を皆さんのお力を借りて、進めてまいりたいと思いますので、是非、今後とものご協力をよろしくお願いいたします。大変失礼しました。

玉里:
 はい、ありがとうございました。力強い小椋会長からのご提案がございました。今日、本当にあっという間の時間だったんですけれども、ここにおられる皆様、又、パネラーの皆さんとともに新しいネットワークづくりというのが必要なんだという共通認識ができたのではないかと思います。

 たくさんのご提言をいただいたんですけれども、三つに大きく分けまして、新しいネットワークづくりのために、一つ目は主体的な民生、児童委員の活動というのがこれからも必要であると。主体的…難しい言葉ですけれども、自分たちはこうしていきたいんだ、自分達でこうしていこう、ということを思って、考えて、主体的に取り組んでいく。こうした活動をしながらネットワークをつくっていきましょう、という事が第一点。

 それから、また、高知県の方から地域支援企画員の応援団の方が60人もいらっしゃっているという事を私たちも今日、知ったわけなんですけれども、民生、児童委員さんと連携しながら、地域を良くするための活動を互いにやっていきましょうということが二点目。

 そして、今日はビデオの方で少し先進的な取り組みをご紹介させていただきましたが、まだまだ地域のコミュニティの力が少し弱いなと思うところがあるんですけれども、そういうところをどんどん強くしていきましょう。また、知られていない事例があればどんどん紹介していきながら、情報の蓄積をしていきましょう。こういったことをしながら、新しいネットワークづくりを皆で考えていきましょうということが共通の認識として出来上がったのではないかなというふうに思っております。

 今日、朝から長い時間でしたけど、最後の本当に実りあるシンポジウムだったと思いますが、学んでいただきました事をそれぞれの担当の地区に帰られまして、改めて考えながら、もう一歩、さらに一歩を踏み出してもらえれば非常に嬉しいと思いますし、今日一日、特にこのお三方の色々なご発言が皆さんの胸に響いてくれていれば非常に嬉しいなというふうに思っております。

 それでは、時間になりました。本日は高知県知事、橋本大二郎様、高知県社会福祉協議会会長、島田一夫様、高知県民生委員児童委員協議会連合会会長、小椋茂昭様、パネリストをしていただきました。大きな拍手でお願いいたします。それではマイクをお返しします。ありがとうございました。
 


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