知事の定例記者会見(県警捜査費の調査結果報告書に関して)

公開日 2007年12月08日

更新日 2014年03月16日

知事の定例記者会見(県警捜査費の調査結果報告書に関して)

平成19年6月18日11時40分から(県庁二階 知事室)

(幹事社)
 各社、質問がありましたらどうぞ。

(記者)
 調査結果に対するお考えは、先ほどの提案理由説明のなかで盛り込まれていたと思いますが、今後の方針なんですけども、どうするというのはあるんでしょうか。

(知事)
 まだ、最終的に今後どうするかを決めてはおりませんけれども、先ほど提案理由でも申し上げましたように、疑念が晴れるどころか疑いがますます深くなったというのが率直な印象でございます。

 そういうことをまず議会にもご報告をし、県民の皆様がどう受け止められるかということも、そういういろんなお声も伝わってくるでしょうから、そういうものを含めて今後どういう形を取っていくかということは、判断をしていきたいと思います。

 ただ、もう特別監査そして知事としての調査という、そういう意味で出来得る限りの調査は、ある意味手を尽くしましたので、こうした調査を広げたり積み重ねることでは、なかなか前が開けないのではないかという思いを持っております。

 かといって、どういう真相解明の方法があるかということは、まだ明確な答えを持っているわけではありません。

 しかし、こういうような形の調査でも、やはり疑念が深まるという形ですので、何かさらに真相に迫る手だては無いものかということは考え続けてみたいと思います。

(記者)
 今も執行停止というようなお考えはないですか。

(知事)
 それはもう前から申し上げておりますように、やはり日常の捜査は捜査でたいへん県民の治安を守るという意味で必要なことですし、少し踏み込んだ表現になってしまいますが、これまでの一連の経過を踏まえてということからいえば、現状での捜査費の活用に問題があるというふうには認識をしませんので。

 問題は、やはり過去どういうことがあったのかと、そのことを県警としてどう組織的に受け止められるかという点が一番重要だと思いますので、今の予算を執行停止にするというようなことは考えておりません。

(記者)
 本会議の後に本部長に聞いたときには、「県の調査が不十分であったのではないか。だから議会等で反論したい」ということだったのですが、その認識についてはどうでしょう。

(知事)
 今月の13日に、県としての調査結果の内容の概要を本部長にもご説明をいたしました。

 それに対して本部長からも、今お話しがありましたように、本部長としては県の調査よりも県警として総力を挙げて、威信を賭けて取り組んだ報告書の信憑性の方が高いと判断をするので、事実関係については、争っていくことになります、というお話しがありました。

(記者)
 13日の夕方からだったと思うんですが、40分近く本部長と知事室で懇談されたその時のお話だと思うんですけれども。その席上で、知事が今回調査結果を公表しようとするということに対して、本部長はどんなことをおっしゃっていましたか。

(知事)
 警察としての県警の調査には、警察としてエース級と判断した捜査員を調査員として投入をしたと。で、捜査のプロが調査をした結果なので、自信を持っているし、先ほども申し上げましたとおり、県警として威信を賭けて取り組んだ調査であると。

 これに対して、県の調査は、そうした日常捜査に携わっている警察官と比べれば、その能力には差があると考えられるし、その結果も本部長としては不十分なものであるというふうに考えるということから、このままの調査結果ということに則って、知事があれこれ言われることは、慎重にされた方がいいし、また、知事としての「立場」という言葉を使われたかどうかは正確ではありませんけれども、危ういことになりはしないか。というふうなことをおっしゃいました。

(記者)
 知事としての立場が危ういことになりはしないかと。

(知事)
 「立場」という表現を使われたかは分かりませんが、危ういという言葉は言われました。

(記者)
 「立場」という意味のことが。

(知事)
 そう受け止めました。だから慎重に対応された方がいいと思います、というお話しはありました。

(記者)
 その発言を知事はどう受け止められましたか。

 ちょっと聞いた感じでは、公表の中止を暗に半ばちょっと強い文言で、脅し的な文言で迫ったというふうにも・・・。

(知事)
 中止が出来るような内容でもありませんし、県は県として自信を持ってというか、粛々と調べた結果でございますので、もちろん考え方の違いはあっても、事実関係のところはもし争いがあるのであれば、きちんと突き合わせをしていけることだと思います。

 ですから、本部長が県の調査能力というものを県警の捜査能力と比べて心配をされたということなんだろうな、というふうに受け止めました。

(記者)
 知事の立場が危うくなるというのは、どういう意味なんでしょうね。
(知事)
 それは後になって、県の調査が事実ではなかったというようなことが明らかになった時に、そうした調査結果に則って知事がいろんな判断をされたということが、また県民から批判を受けることになりはしないかというご主旨ではないかというふうに、自分は受け止めました。

(記者)
 その懇談は、その1対1で行われたとも聞いていますけども。

(知事)
 1対1で行われました。

(記者)
 これは知事の要望ですか、それとも県警の要望ですか。

(知事)
 特段どちらとも。

(記者)
 立場が危うくなると聞いて、腹立ちませんでしたか。

(知事)
 それはコメントは差し控えますが。

(記者)
 知事個人と本部長の個人のやり取りに留まらず、僕は選挙で審判を受けた県民の代表に向けた言葉とちょっと大げさに言えば、そんなふうにも受け止めるんですよ、「公表すれば危うくなる」というのは。

(知事)
 本部長として県の調査というものを聞いたときに、ご自分の組織の捜査能力と比べて明らかに低いのではないかと。

 で、県警の調査の方が信憑性が高いということを本部長もおっしゃっておられましたので、そういう考え方からすれば、県が短い期間にサンプル調査として挙げたものを、あたかもいろんな追跡が終わった後のまとまった調査だという形で、発表するのはいささか早すぎはしないかというご主旨だろうと。

(記者)
 圧力は感じませんでしたか。

(知事)
 自分は、誰が何を言おうとあまり圧力とは感じないので。

(記者)
 県の幹部の中には、今回の発言を極めて礼を失する、常識はずれだという受け止めをしておられる方もいらっしゃるが・・・。

(知事)
 本部長と二人で話をしました後すぐに、その中でこういうやりとりがあったということは、関係する県の幹部に話をしました。

(記者)
 本部長の言われていたのは、知事のことを心配されてのことではないかと今、知事が説明したように思うんですが。

 本部長が心配しているのは県なり知事のことではなくて、そういうことを公表されることで、県警へのイメージが変わってくるとか、悪くなるということで、県警のことを心配されて、知事に向かってそういうことを言ったのでは。

(知事)
 自分はそうは受け止めませんでした。
 県警としてエース級の捜査員を投入して威信を賭けて行った調査なので、その信憑性には絶対の、という言葉は使われておりませんけれども、意味としては絶対の信頼感を持っていると。

 で、それに対して県の調査能力というのは、日ごろ人からいろんなものを聞き出すというような力でも、別に訓練をされているわけではないので、その調査は不十分なものではないかと受け止めるというお話の後ですので、何も県警として困る云々ということよりも、実際にこの調査を表に出して知事として大丈夫なのですかという思いを語られたのだと思います。

(記者)
 危うくなるから、どういうふうにしたらいいですよということのアドバイスをしてくれたのですか。

(知事)
 危うくなるから、取り扱いは慎重にされたらいいというふうに。

(記者)
 慎重にということは、軽々に公表するなと。

(知事)
 そこまではおっしゃいませんし、そうは受け止めませんでした。

 慎重にという意味は、やっぱり県の調査内容が正しいかどうかをもう一度きちんとチェックをしたらどうかとか、そういうような意味を含まれていたんだと思います。

(記者)
 本部長の口調はどんな感じでしたか。

(知事)
 いつもの。

(記者)
 まじめな感じ?

(知事)
 まじめな、穏やかな。

(記者)
 笑いながら言ったとか。あの人はよく笑うんですけど。

(知事)
 それはその時の表情を言えば、その表情の話だけ一人歩きしかねませんので、それはごく普段、本部長と話をしている雰囲気ですから、別に険しい顔、険しい物言いでやり取りをしたわけではありません。

(記者)
 知事の部下がされた調査をそういうふうに本部長は評価をしたわけなんですけれども、侮辱とかいう受け止めはなかったですか。

(知事)
 そこまでは特段感じませんでした。

 というのは、県警が行われた、また監査が行った悉皆の調査であれば、それは1件1件、量的にも嵩むものですし、そこでの調査の仕方、聞き取りの仕方ということが、相手の話の忘れていたことを引き出すとかいう意味での技術が活かされるというへんはあると思います。

 ただ、喫茶店に行って、警察が調べに来ましたか来ませんでしたかとか、伺ったことは警察にもお話しされたことと同じですかというようなことは、県の職員としてしかるべき訓練をして、公務員としての経験を積んだ人であれば、それを間違うということは常識的にはありえませんので、そこでその調査能力が問われる云々ということにはならないと思うんですよね。

 例えば(平成)12年の時の記憶とか、実態を調べるというのであれば、これはある程度の調査にかける技術だとかいうことが活きてくると思いますけれども、警察が行われた調査の時の記憶というのは、1年ほどの間の記憶でございますので、それを確認をするということにそんなに能力が問われることではないし、先ほど申し上げましたように数的にもそれほどその能力が問われる問題ではないと思いますので、県の職員の力を否定されたということよりも、そうした調査のあり方とか実態の違いの受け止めに少し違いがというか、錯覚をされているのではないかなというふうに思いましたけれども。

(記者)
 知事はどういうふうにその時お答えになりましたでしょうか。

(知事)
 はみ返ったかどうかということですか?

(記者)
 というか、にこやかに答えたということですけれども、何と答えられましたか。

(知事)
 それは、そのまま承りました。

(記者)
 分かりましたと。
(知事)
 いや、分かりましたとは言いません。「分かりました」というのは「承服しました」になるので、「承りました」と言ったかどうかも分かりませんけども。

(記者)
 見解の相違とかは言われなかったのですか。

(知事)
 見解の相違は、ずうっと言いました。

 だから、先ほど行政管理課長もご説明をしたと思いますけれども、協力者への謝礼金については、全て適正な執行だったということをしながら、返還をされた大半、100%近くが謝礼金なわけですね。

 で、そのことが明確に書き込まれているかといえば、明確にどころか具体的には書かれていないわけです。

 それは受け止めようによっては、謝礼金に何か不適正な執行があったという言い方ができないと、だけど返さざるを得ない状況だということで、喫茶代という会計処理の中にそれをちょっと表現が悪いですが、何とほかに言って良いのか分からないので、「まくり込む」というか、その中に一括してしまって見えにくくしたというふうにも受け止められると思うんです。

 私はそういうふうに受け止めざるを得ないとは思いますけれども。多くの方がその両方の話を聞いてみた時には、今申し上げたような受け止め方をするのではないかというような話はその都度いたしました。

 それに対して、ここに事例も挙げて謝礼金についても話が出ているというようなことがあり、それは今申し上げていることとちょっと状況の違うものだと、ちょっと細かくなりますから控えますけれども、というようなことは話をしました。

 それから、例えば捜査員の名前をなぜ隠したかというようなことについても、いろんなやり取りをし、最後までそれはおかしいということも申しました。

(記者)
 知事は誰から言われても圧力とは感じないと。まあそれはそうだとは思うんですけども、一般論として捜査機関のトップが一政治家に「あなたの立場が危うい」と言うのは、やっぱりちょっと僕はそこに脅しめいたニュアンスを読み取るんですけども、そういう受け止めをしていないんですか。

(知事)
 そこまでの思いがあったかどうか、それだけの会話では自分には読みとれませんでしたので、私は調査能力ということの違いに非常に重きを置き、またご自身の組織の調査の信憑性に高い自信を持たれたうえでの県に対するご忠告だっただろうなというふうに思います。
(記者)
 鈴木本部長から、知事なり県について気遣い、それから忠告をされたこと今までにもありましたか。

(知事)
 それはちょっとやや誘導尋問的になるので。鈴木さんともいろんな話をしておりますから、すぐには思い出せませんし、またそういうようなお言葉をいただくような場面でのやり取りがこれまであったかどうか、ということにもよりますので、すぐには思い出せません。

(記者)
 県と県警の関係なんですが。
 これで知事の部下である会計局員が調査した結果と、県警がやった捜査員の調査の結果が食い違うことで、これまで以上に県と県警が捜査費の問題をめぐって見解が対立するということになると思うんですが、知事は対立することになるとお思いでしょうか、そうではないとお思いでしょうか。

(知事)
 そのことは、本部長も最後に心配をされていて、こうしたことで県と警察本部が、対立することにならないようにしたいと。またそのように、言葉はそう言っておられませんけれども、県としても努めてもらいたいというお話がございました。

 で、私も別に調査によって日々いろんな仕事のうえで関係を持っている県警と県との間が、悪くなるとかギクシャクとした仕事になるということは、あり得ないと思いますし、あってはならないと思います。

 要はこの捜査費の使い方ということに関して、実際に県の行った調査と県警の報告の間に食い違いが出たということに焦点を当てて、県警としてのお考えをまた聞いていくということですので、日々の仕事がなにか悪い関係になるとは受け止めません。

(記者)
 それで、今後のやり方についてはまた検討するということですが。

(知事)
 検討して何かが出るかということに関しては分かりません。

 先ほども言いましたように、調査ということに関しては、協力者の名前なり、住所なり、それから捜査員の氏名なりというものを、守秘義務を持った調査担当者に示されない限りは、もうなかなかこれ以上一歩先に進むことは難しいということを現実に思います。

 ですので、こういう調査を繰り返すことでは、なかなか先は開かれないだろうと思います。で、ほかの何かやり方あるのかどうかと、真相解明に少しでも近づくような手法があるのかどうかということは考えてみたいとは思っています。

(記者)
 県の調査結果で6店舗ですか、疑義があるというふうに出されて。それを示したうえで本部長はその疑義の指摘に対して一定の反論といいましょうか、警察側としては、この店舗に関してはこうだとか、こう指摘されているけれどこうだとか、というふうにやり取りがあったうえで危うくなりますよと、知事の受け止め方として慎重に、ということだったのか。

 そういう個別のことも示さず、あるいは個別に具体的に反論もせずに、不十分でしょう、発表すれば知事の立場が危うくなりますよと。ちょっと違うと思うんですね。どちらですか。

(知事)
 19店舗のうち6店舗でズレがあり、そのうち3店舗は・・・というご説明を(記者発表で)したと思いますけれども、その話はいたしました。

 ただ、県警本部長とお会いする前段に、担当から会計課長にお示しをしたということだけで、そのなかの詳しい、それこそ店舗の名前はもちろんのこと、本部長にご説明をし、また本部長が資料をご覧になっているわけではございませんので、そのひとつひとつの具体例について、何か違いがあるというご指摘があったわけではありません。

(記者)
 では、普通考えても、危うくなるとか、県の調査がどうだってことは、およそ言えないはずですよ。

(知事)
 だからそれは、善意でというか、調査能力とエース級を投入した威信をかけた報告書というものと比べたときに、あまりにも期間的にも調査能力ということからも弱いんじゃないですかと。

 そういうことをそのまま受け止めて、知事として県として、それについていろいろ判断をし、コメントをするというのは、慎重にされた方がいいんじゃないですかという流れであって、個別のことについてキチッとしていうべきじゃないのかっていうのはちょっと皆さま方の判断で、私がちょっとそこまで申し上げることではないと思います。

(記者)
 個別の店舗名まで県警側には伝えているんでしょうか。

(知事)
 それは伝えてはいないと思います。

(記者)
 さっきの繰り返しですけれども、具体のことを本部長はご存じで、そのうえで指摘されるのと、一般論としてでいうとやっぱり性質が違うと思うんですね。

(知事)
 それは事実関係として、具体の細かいことまでご存じだったかといえば、ご存じではありません。だけど、それがおかしいかどうかと言われても私は答える立場にないと。

(記者)
 立場にないですか。立場じゃないですか。

(知事)
 いや、それは先ほども申し上げたように具体のことを知らないと何も言えないじゃないかと私は申し上げる立場じゃなくて、県警本部長は県警本部長の立場でご自身のお考え方を言われておりますので、私はそれはそれとして受け止めたということです。

(記者)
 知事は、具体のことを知らなくて僕が変な記事を書けば怒りますよね。

(知事)
 だって、それは知って書いた状況じゃ今ないわけですから。その途中経過ですから。

 だから、今、例えば誰か記者さんと話をしたと。で、また社長さんが出てきて話をしたと。

 それで社長さんが何か記事でも書くのであれば、違ってきますけれども、その組織との間のいろんな担当者の会話、それから責任者同士の会話という途中経過のなかで、そういうご指摘があったということなので、それを結論として、その記事というのは最終的な形ですよね。

 だから県警本部としての最終的な形として何かを示されたということではないですので、ですからこちらもその店舗名をまだたぶん当然お知らせをするということにはなっていないでしょうし、それに基づいてどうのということにはなっていないと。

 だけどその中で、本部長という立場で自分はこう受け止めるんですと。こうじゃないですかという本部長の見解を言われることはご自由ではないでしょうか。

(幹事社)
 よろしいでしょうか。
 どうもありがとうございました。


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