公開日 2007年12月08日
更新日 2014年03月16日
知事の定例記者会見
平成15年12月25日16時00分から(県庁二階 第二応接室)
(項目)
・2003年を振り返って
・三位一体の改革と政府予算
・高速道路の建設
・来年の抱負、県庁改革、職員との関係
・須崎新庄−窪川間の高速道路の建設方式
・男女共同参画社会づくり条例の修正
・各部局の経営方針
・有効な予算のつくり方
・県庁の仕事のアウトソーシング
・公社などの民営化
・公共事業の発注・契約の見直し
・地域への職員派遣
・職員組合との関係
・科学技術アカデミー
・住民力を生かす分野
・参議院議員選挙
・地域への職員派遣の人数
(2003年を振り返って)
(松浦:朝日新聞社記者)
早いもので、今年最後の定例記者会見ということになりまして。まずは、今年2003年、知事として最も印象に残った出来事、思い入れがあったことなどをお話しいただければと思います。
(知事)
最も印象に残ったことですか。それは自分の選挙が一つですね。それからやっぱり息子の事件も非常に重かったですね。あとは銀婚式を迎えたということですね。その三つぐらいだと思います。
(松浦:朝日新聞社記者)
県政のなかでは、「これを達成できた」ですとか、「来年に向けての課題だな」と思ったというようなことは、何か?
(知事)
あまり毎年毎年、「これが達成できた」とかいうふうな締めくくりを、一年ごとにすることがありませんので、そういう思いで振り返ったことがないですけれども、例えば日高のエコサイクルセンターに向けての住民投票でゴーサインをいただいたというようなことは、県政の一つの節目としては、今年の大きな出来事だったと思います。
(三位一体の改革と政府予算)
(松浦:朝日新聞社記者)
少し話は変わるんですけれども、国の、政府予算の方も決まりまして、三位一体の改革が具体化していく予算になったと思いますが、県への影響…、悪い面も、また効果といいますか良い面、両面ですね、どのような印象を受けられているか、お願いいたします。
(知事)
三位一体の改革と地財計画等の政府予算と絡んでいるわけですけれども、一番大きな影響は、地方交付税への影響ではないかと思っています。
まだ県として、具体的な数字でどれくらい地方交付税が減額になるかということを試算をしているわけではありませんけれども、たまたまこの間、知事会や地域自立戦略会議(高知、岩手、宮城、千葉、岐阜、滋賀、和歌山、鳥取の各県知事や有識者が会員)の知事のメンバーと話をしました時に、鳥取の片山(知事)さんが、「鳥取県で試算をしたら200億円余りの減額だ」と、「高知県の場合にはもっと覚悟せないかんのじゃないか」という話を片山さんから言われました。
今日の庁議でも、「そういう250(億円)とか300(億円)という数字も覚悟して、今後の予算編成ということを考えなければいけないね」ということを言いました。
あと、三位一体の改革については、国庫補助・負担金の廃止・削減が、具体的に何が廃止になってどう一般財源化(※)されていくかということがまだ明確でないところがありますから、そういうことを各部局ごとにきちんと追跡をしていくということが必要です。
けれども、単に「ここが悪い、あそこが悪い」といって…、まあ、全体の評価を聞かれれば「あまり評価できない」ということに「〇」を付けざるを得ないだろうとは思いますけれども、そういうことだけではなくて、例えば公立の保育所の補助金の一般財源化というようなことを、「それではどう、地方として活用できるのか」ということを、地方の知恵として出していかなきゃいけない。そこが問われているだろうということを思います。
これも、このあいだ知事の仲間と話をした時に出たんですけれども、「〇兆円の削減を」ということを国に対して働きかけるだけではなくて、たとえ少額であれ、小さな一歩であれ、出てきた一般財源化をきちんと活用していく知恵を来年度予算の頭出しには出していかなければいけないんじゃないかということを思っております。
そのことは担当者にも申し上げましたし、それは、うちの県だけじゃなくて、各県のいろんな知恵もお互い情報交換しながらやっていったらということを思います。
あわせて、三位一体(の改革)と直接ではないですけれども、これも、このあいだ知事の仲間と話をしておりました時に、「ここまでやはり厳しくなってくれば、1.5車線的(道路といったよう)ないろんな知恵をもっといろんな分野で出して、実施・実行をしていく必要があるんではないか」というお話があって。
例えば、岐阜の梶原(知事)さんが言われたのは、「簡易水道を、従来のようにパイプを敷いて、そこに莫大なまたお金をかけるというやり方ではなくて、沢の水をそのまま使って集落の簡易水道にしていくというような手法で、はるかに安くつくれる」と…。こういう、道路でいうところの1.5車線的なもの。
また、岩手の増田(知事)さんは、「砂防の事業で、戸数が少なくとも、それをコンクリートで固めるのではなくて…」というようなことを言ってたんですが、具体的にちょっとどうするのかがよく分からなかったんですが…。
等々を、すべての事業にわたって考えてやっていくということが必要ではないかと…。
そういう知恵をどんどん出し合って、まとめて、具体化をしていこうということを知事の仲間でも話をしました。
ぜひ、そういうことを、知恵も出し、実施にも移していきたいなということを思っています。
いずれにしても、もう大変厳しい予算編成が予想されますので、夏には、一定その予算の厳しさということを想定をした政策協議をしましたけれども、それをさらに踏み込むというのか、さらにもっと厳しさを覚悟しなければいけない現状ですから、1月の正月明けから各部局ごとのヒヤリングというか意見調整をしていきますが、その中でも、そういうことにもっと踏み込んだ議論ができればというふうに思っています。
※一般財源化
国庫補助金など特定の目的にしか使えない財源(これを「特定財源」といいます)を、地方自治体が独自の判断で使い途を決めることのできる地方税や地方交付税など(これを「一般財源」といいます)に置き換えること。
(高速道路の建設)
(松浦:朝日新聞社記者)
もう一つ、改革で、今1.5車線の話ありまして、それとは別に、県として必要だと訴えてる高速道路の民営化の問題も政府案がまとまりまして、今日は国幹会議(国土開発幹線自動車道建設会議)の方で審議も続いているということですが、高速道路民営化の決着方法についてはどのようにお考えでしょうか。「税で造る」というような方向でまとまったようですけれども…。
(知事)
それは当たり前だと思います。
国が国の計画として責任を持って決めているものを造る、というのは当たり前のことであって、そもそも「民営化」ということがなぜ出てきて、どうしてそれがこれだけもてはやされるのかということが全く私にはわかりませんので、その決着の段階で「いろいろ(あった)あれは何だったんだ」という議論になるのは当然のことだろうと私は思います。
これまでの高速道路のつくり方のなかで、例えば道路公団への天下りの問題だとか、ファミリー企業的な身内の甘さだとか、また発注方式の不透明さ、さらにはそれによるコスト高、というような問題点を抜本的に改革をしていくということは、当然やらなければいけないことだと思って、誰も反対する人はいないと思います。ただ、それが「民営化」とどうしてイコールなのかというのは全く私にはわかりません。
「民営化」ということを何か大前提にして話が進んだきらい…というか、まあそのとおりなんですけれども、古今東西、道路を会社がつくってそれを切り売りをしていくなんて国はないわけですね。そんなことが、何か当たり前のことかのように誰も批判せずに進んできたことがおかしいのであって、それを今さら、それが何かうまくいかないから、それによって高速道路の建設が伴わないからというのは、私には何が何だか訳がわからないと。
要は、当然、訳わからずして進んだものだから、訳わからずして終わって当然だろうという気がします。
(来年の抱負、県庁改革、職員との関係)
(松浦:朝日新聞社記者)
来年に向けて、2004年の抱負と、あと、選挙では「県庁改革」ということを大きな公約として掲げられました。具体的にどのように進めていくのか。
また、選挙のなかでは「県職員との関係」というのが、相手の方から随分きしんだものがあるのではないかというような指摘もありました。それはどのように対応していこうというお考えかお訊きいたします。
(知事)
県職員との間は、全然僕はきしんでいないと思います。きしんでいると感じている職員がいるかもしれませんけれども、私はそういうことは感じませんし、私はあくまでも県民のサイドに立って県の職員を指導して引っ張っていくのが自分の仕事だと思います。
ですから、県民のサイドに立っていない職員との間にきしみがあっても、それは当然のことだと思いますので、そこで妥協をすることは私を支援した人に対する裏切りだと思いますからそういうことは一切考えません。
それから、来年以降の「県庁改革」ということでいえば、県の仕事のアウトソーシング、スリム化ということを申し上げてきてますので、この委員会を早急に立ち上げて、どんどん進めていきたいなと。
ただ、その手法として、全体的にやっていくのか、それとも各部局ごとで象徴的な課室を具体的に進めていくのかというような、手法の進め方でまだ議論がありますので、そういうことも含めて、早く委員会を立ち上げて具体化をしていきたいなということを思っております。
それから、最初に言いました予算のつくり方というものがですね、もう、来年度の予算編成はこれまでとはもう全く違ったというぐらいの発想でやらなきゃいけないだろうと思いますので、1月の、正月明けの各部局との意見交換というかヒヤリングが非常に重要なものになってくるというふうに思っております。
(松浦:朝日新聞社記者)
それでは各社、質問の方お願いいたします。
(知事)
ちょっと数日前から腰痛で腰が痛いためにつらい顔をしてますが、別に不機嫌なわけではございませんので、何なりと、不愉快なことでも何でも訊いてください。
別に不機嫌で難しい顔をしているわけではありません、腰が痛いためでございます。
(松浦:朝日新聞社記者)
何かスポーツをされたとか?
(知事)
いや、全然。
ベッドから起き上がるときに違和感を感じ、シャワーをやって、足を洗おうとしてかがんだら、それでぐぐっと何か痛くなって…。だんだんだんだん痛みが激しくなって…。
(須崎新庄−窪川間の高速道路の建設方式)
(吉川:テレビ高知記者)
今日、(高速道路の)須崎新荘−窪川間が新直轄方式(※)で建設が決まったと思うんですけども、そのこと自体について、高知道路の一部延伸ということになると思うのですが、感想をお願いします。
※新直轄方式
日本道路公団の有料道路として建設するのではなく、国土交通省の事業(直轄事業)として建設する方式。建設に当たっては地方の負担を伴うが、完成後の通行料は無料となる。
また、地方の負担分については、原則として国が財源の手当てをする予定。
(知事)
それはもうとても嬉しい知らせです。
須崎新荘−窪川間に関しては、早い段階から、「新直轄(方式)」という話が出た時から、本県としては「新直轄で手を上げて働きかけをしていこう」ということを決めておりましたので、もちろん、(本県出身の)国の議員、県の議員の方々の活躍・活動といったご支援もありますし、
そうした、県として割と素早く反応して手を上げていった、まあいろんなことが重なって、今回その新直轄の第1位の指定のなかに含まれた、ということだと思いますので、今後は、県としても最善の努力をして、少しでも早く事業が着手をされて整備をされるように努力をしていきたいというふうに思います。
(男女共同参画社会づくり条例の修正)
(須賀:高知新聞社記者)
男女共同参画社会づくり条例ですね、あれ、知事は再議権を行使するお考えは全然なかったんですか?
(知事)
ありません。
(須賀:高知新聞社記者)
もう修正されるならその趣旨で良とすると?
(知事)
うん。別に本質がゆがむ修正とは思いませんでしたので。
(須賀:高知新聞社記者)
ただ、数値目標については、知事自身がこだわられたというふうに、ちらっとお伺いしたんですが…。
(知事)
いや、僕がこだわった部分はありません。男女共同参画社会づくり条例は。
僕というよりも、僕は、部長やなんかにも言いましたけれども、担当の職員の人たちが県民の皆さん方との協議のなかでつくり上げていったもので、それこそ職員の思い入れが非常に強いものだと思っています。職員と一緒につくってこられた女性のネットワークの皆さん方の思いが。
私はそれを最大限尊重しようと思っただけで、自分で何とかということを言ったことはないつもりです、これに関しては。
(岡林:高知新聞社記者)
その勧告の部分ですよね、これについてはどうなんですかね、知事自身のお考えは?
まあ修正案が可決されましたから、そういう段階ではあると思うんですけれど、勧告をめぐっての論議というのが議会の中でもあったと思うんですけれど、それ自身どうお考えですか?
(知事)
どうっていうのは?その議会の議論をどうということですか?
(岡林:高知新聞社記者)
いや、勧告権限を付与するということ自体については、どういうふうにお考えですか。
(知事)
それは勧告権限があったほうがいいと思いますけどね。
(岡林:高知新聞社記者)
数値目標はどうです?
(知事)
数値目標もそれはあるに越したことはないと思いますね。
(岡林:高知新聞社記者)
ただ、本質的な部分で、そこがゆがむ修正ではないというお考えですか?
(知事)
そうですね。
(岡林:高知新聞社記者)
その「新直轄」でいうならば、ランクが全部Cランクと…。新荘の分ですけど。というような思わぬ部分があったかなという感じもしたんですけれど。
そういったところ、評価点から言ってですね、今回1位指定に入ったという部分というのは、またとりわけ思いがあってもいいのかなという感じはするんですけれど、さっきのコメントからもう一声、何か前向きのお話があればと思うんですけれども。
(知事)
僕は当然第1位指定は受けると思いましたけどね。それだけの、皆がいろんな努力をしていると思いますので。
それはもちろん嬉しいですよ。嬉しいですけれども、それはそれなりのいろんな活動もしてますので。
(各部局の経営方針)
(岡林:高知新聞社記者)
今日の庁議の中でお話があった部分で、先ほどちょっとお話がありましたけども、それ以外の部分で重要なものがあれば、ということと、先ほど言われた来年の1月早々にヒヤリングするとおっしゃられてましたけども、いわゆるその、部局の経営方針そのものについてもある一定見直しをかけなくてはいけないという、かなりのレベルのものになってくるのか、先ほど言われた250(億円)から300(億円)という数字になってくるとですね、抜本的に…。
(知事)
そうなるかどうか分からんないですけどね、それぐらいの覚悟をしなきゃあいけないかもしれないと。
ただ、それは税収の伸びをどう見るかとか、需要額をどう算定をしていくかとか、いろんな変動要因がありますから、そこは全くわかりません。
(有効な予算のつくり方)
(岡林:高知新聞社記者)
庁議ではどうですか。重要な話というのは特に?
(知事)
庁議で言ったのはその程度でしたね。
それ以外に、昨日財政課長と話をしたことはですね、ちょうど決算(特別)委員会の報告でも、例の公共事業の不執行というか繰越しというか、話がありましたよね。
「それは制度として認められたことだから問題ない」と各担当部局はおっしゃるわけだけれども、これだけ厳しい時代に、もっと有効な予算のつくり方と執行の仕方というのがあるんじゃないかなと。
僕が思うのは、地域への経済効果とかその安心感という意味で、「これだけの額はやっていきますよ」ということはお示しをする必要があると思いますけれども、その中の事業を…、まあ、仮の話ですけれども、50位までの事業をやっていきますよと、これで総額いくらですよと。
ただ、もう途中で「これはできないな」とわかったら、予備的に51位から60位ぐらいまであってですね、そっちへどんどん予算を移していく、とかですね。
それから、最初に予算を組むのは、当初は枠としていくらかの枠を認めていただいても、予算を組むのはその半分くらいにして、執行していってさらに足りなくなったら補正を組んでいくとかですね。
というような予算の組み方という、柔軟なというのか、それは国との関係もありますから難しいことはよくわかりますけれども、そういうことをやっていかないと、単にいろいろ努力をしたけれども駄目で、繰越しをしていきますよ、という予算の使い方では、なかなかこれだけ厳しくなったら済まないんじゃないか、という話を、昨日羽生(財政課長)さんとはしました。そういうことも、また1月の各部局との話し合いの中では、公共事業部局とは、してみたいと思っています。
(県庁の仕事のアウトソーシング)
(松浦:朝日新聞社記者)
先ほど、県政改革のなかで「アウトソーシング」ということをおっしゃったんですけれども、その「アウトソーシング」にどういう効果を期待されているのか。財政的な面であるのかですね、そのあたりちょっと知事のお考えを伺いたいなと思います。
(知事)
そもそも、今回の地方交付税の措置でも、「人員の削減」ということが前提として盛り込まれております。本県でも人員の削減の向こう5年間の計画を持っています。そういう中で、方向性として当然事務事業のスリム化ということは進めていかなければいけないと思います。
それから、「50人の職員を現場に出す」、「再来年は100人を」と申し上げておりますけれども、そういうことのためにも、書類づくりというような事務事業だけに追われるのではなくて、そういうものを、外に出せるものは出していって、もっと職員が、現場で、地域で、さまざまな経験を積んでいくということが、これからの公務員の人づくりにも必要だということを思っています。
あわせて、最初はその財政負担を伴いますので、時間外の部分を切り出していくというようなことになろうと思いますけれども、外に出していくことによって雇用を少しでもつくり出していくということもあると思いますし、
また、その雇用の受け皿として、いま子育て中の女性の事を考えてみれば、やはり2人目のお子さんをお産みになれば、だいたいそこまでで80%ぐらいの方が職場を離れるという統計上の数字もありますので、少子化対策ということからも、そういう子育てをしながらお家で仕事を受けられる、女性の一つのテレワークの場として、こういうアウトソーシングというものが考えられるのではないかな、等々ございます。
(公社などの民営化)
(松浦:朝日新聞社記者)
アウトソーシングとともに、公社などの民営化ということも来年は大きく進むと思うんですけれども、それについてはどのようにお考えですか?
(知事)
それについてはというのは?
(松浦:朝日新聞社記者)
先ほど、道路公団のところで、民営化すること自体がですね…。
(知事)
それはだから、「道路を会社がつくって切り売りをしていくなんていう国は古今東西どこにもないので、全くナンセンスな話だ」ということを申し上げたので、公社公団の民営化がナンセンスだと申し上げたのでは全くありません。
公社公団を、民営化をしていくのか、それはいろんなやり方があると思います。民間の力を借りていくのか、さまざまあろうと思いますけれども、まだ具体的に各部局の(考える)方向というのを聞いておりませんので、それも、その1月明けの(話し合いの)時には聞いていきたいとは思っております。
というのは、このあいだ総務部副部長さんに聞いたら、「なかなか各部局の抵抗がある」と言うので、今どきこんな事に抵抗しているのかと思いましたので、それはもうぜひ、何を抵抗しているのかということは聞いて、責任を持って各部局長には進めてもらうようには言いたいと思っております。
(公共事業の発注・契約の見直し)
(岡林:高知新聞社記者)
そういったことも含めてなんですけど、選挙中もしくは選挙後に知事が言われた部分で、来年度予算の編成を待たずして、できることからやると。早ければ12月からでも受け付けたいというお話が、抽象的なお話であったと聞いたものですから、より具体的なレベルで言うならばですね、その12月の段階、つまり月内の段階で何らかの足掛かりをつけていくものであったりとか、来年早々の、先ほど言ったその論議の前段階で、第一段階として、今お話をしている部分で明らかにできる部分をちょっとお願いします。
(知事)
例えば、公共事業の発注・契約のシステムの見直しは、委員を決めてなるべく早く立ち上げて、4月からでもできるものはやっていきたいというふうに思っております。
委員長というか、リーダーは、今の南部さんの前の(四国)地方整備局局長の福田さんという人で、今工科大学の先生をしてもらっていますけれども、その方にリーダーになってもらって、東大の小澤という建設マネージメントの教授等々ですけれども、あと県内のA(ランク)の業者お一人、B(ランク)の業者お二人等、委員はほぼ決定をしております。
それはなるべく早く立ち上げて、何をしてもらいたいかということも、土木部にも、また、その福田さんにも会って話をしてございますので、それは、4月からでもできるものは出してもらいたいというふうに思っています。
それから、アウトソーシングのほうも、東工大の比嘉という先生がいますが、その先生を中心に進めていきたいということで今メンバーの選定をしております。
(須賀:高知新聞社記者)
その入札契約制度のあり方の見直しですね、これは知事の方から委嘱だとか、そういった形?
(知事)
委嘱…?
(須賀:高知新聞社記者)
そのリーダーの方とか、委員の方。
(知事)
そこまでちょっと担当課と詰めておりませんけど、その意味は?
(須賀:高知新聞社記者)
いや、例えば審議会方式みたいにですね、委員の方々の素性を明らかにして、この方にお願いしましたという、そういう情報公開の仕方をやって…。
(知事)
それはもちろんそうです。
「委嘱」という作業をするかどうかは別にして、福田さんには「記者も入れますから」ということは勿論言ってあります。「記者も入れます」というのはちょっと失礼な言い方ですけど、「マスコミも入りますから」と…。
(須賀:高知新聞社記者)
下話としてもう直当たりしたという段階ということですか?
(知事)
下話というか…
(須賀:高知新聞社記者)
こういうので立ち上げますので、就任よろしくお願いしますというような話はしたと?
(知事)
ええ、就任はお願いをして了解をいただきましたし、何をしてほしいかというのも自分で書いて渡しました。
(須賀:高知新聞社記者)
それは土木部へ行けばだいたいもう(わかりますか)?
(知事)
土木部にもその内容を知ってほしいから、紙は渡してあります。
(岡村:高知新聞社記者)
(その委員会の)要綱は決まったんですか?
(知事)
要綱が決まったという話は僕のところには(来ていません)。
(地域への職員派遣)
(宮原:読売新聞社記者)
職員の派遣の関係なんですが、どのような場所に、どんな事業をするために派遣するかという、その事業の内容、プロジェクトの内容というのは、いつぐらいを目途にまとめて、実際に派遣される職員というのはどのような形で選ばれるのか、ということを教えてもらいたいんですけど。
(知事)
そこの細かいことは、ちょっと僕はまだ聞いていません。
(池本総務部長)
企画振興部で、いろいろな要望や提案なども聞きながら、検討中です。
(山本政策担当理事)
先ほど知事が言われた年明けの政策協議のフォローアップというか…。
(知事)
そうですね、その中に出てきますね。
要は、例えば、危機管理で言えば自主防災の組織づくりの手伝いをしていくとかですね、それから健康福祉部の健康づくりだとか、政策協議の中で出てきたものは各部局に投げかけていますので、そういうことで何がしたいかと。
まあ、情報なんかも出てきてますけども、各部局からのそういうあれは出てきますよね。それをまた年明けのときに聞きながら、それを詰めていきたいというふうに思っています。
(山本政策担当理事)
各市町村とかNPOとかいうようなところからもご意見を頂戴しているはずですので、それもまとめて年明けには三役と協議をさせていただきます。
(職員組合との関係)
(石村:朝日新聞社記者)
さまざまな県庁改革を進めようとされてますけれども、県職労との関係というのは今後、選挙でも対立しましたけれども、例えば融和を図っていくとか、言われた対話とかですね、そういった部分についてもうちょっと考え直すとか。県職労との関係みたいな部分についてはどのように今後お考えでしょうか。
(知事)
僕は、県職労との関係もこのまま、というか、県職労ももっともっと変わらなきゃいかんと思っていますけれども、ただ対立しているままではいけないので、だから、その点は連合にも「考えてくださいね」という意味で推薦願いを出しましたけれども、ああいう形になりましたので、そこはちょっとやはり、連合としてどう考えるかということも聞きたいと思いますね。
自治労本部の幹部の方も来られてお会いをした時にも、それは、まだ連合の推薦がどっちかということが決まってない段階ですけれども、自分としては、このままでいけないので、連合にも推薦を出して、今後のことを考えていきたい、ということは自治労本部の幹部にも投げかけました。
(石村:朝日新聞社記者)
今後じゃあ、県職労にそういう投げかけは、またさらにしていくようなお考えはあるということですか?
(知事)
特にありません。
(石村:朝日新聞社記者)
連合との間に話し合いは?
(知事)
それもまあ連合がどう考えられるかですね。
僕はそういう投げかけをしましたけれども、ノーという反応で返ってきたのがあの結果だと思いますので。
(松浦:朝日新聞社記者)
逆に県職労の方から「対話の場を持ちたい」というようなことがあれば、それに応じられますか?
(知事)
それはいくらでも応じます。
(岡林:高知新聞社記者)
それはその、連合さんに、例えば会長なりですね、もうちょっと高いレベルかもしれませんけれども、そういう方にそういった趣旨のお考えをお伝えになられたということなんでしょうか?そうではなくて、推薦願いを出したことによって、相手がそれを推測して考えていただければ、というレベルなんでしょうか?
(知事)
その中間です。
というのは、「推測していただければ」ということじゃありません。はっきりそう伝わるようには言いました、間に入った人に。
それから、その前に連合の会長とは話をしましたけれども、その時にはそこまで詰めた話をしていません、という意味です。
(科学技術アカデミー)
(木下:日本経済新聞社記者)
来年立ち上げる科学技術アカデミーについて伺いたいんですが、統括会議に著名な先生方もいらっしゃいますが、知事としてはどういうことを期待しているんですか?
(知事)
うん。なかなか難しいですが、要は、県の産業というか、ビジネスや雇用につながっていくものをぜひ見つけ出して、また、それを具体的なものにつなげてほしいということを願っております。
(木下:日本経済新聞社記者)
著名な先生方に知事が手紙を書かれて、その会議のメンバーになってくださいということをお願いしたと聞いたんですが、どういう思いをその手紙で伝えたんですか?
(知事)
それは、今申し上げたような思いです。
そういう文面だったかどうかまではあれなんですが、気持ちとしては、「これまでのように単発的にいろんなプロジェクトを立ち上げて研究をしていくというのではなくて、やっぱり、高知にある資源というものを活かして、本当に、ビジネスになり、雇用につながっていくようなものをぜひとも作り上げていきたい」と。そういうことについてのさまざまなご指導なり、ご示唆なりをいただきたいという趣旨でございます。
(住民力を生かす分野)
(松浦:朝日新聞社記者)
公約の中に「住民力」というのも大変出てきたんですけれども、それは、具体的に例えばどういう分野でやっていきたいとかいうビジョンなりアイデアが知事の中で固まり、深まってきたり、浮かんでいたら、教えていただきたいと思います。
(知事)
それはどういう?
(松浦:朝日新聞社記者)
「住民力」を生かす分野で、今まで「南海地震対策の分野などで」という例があったんですが、その他のものも含めてですね、どういうところで、どういう仕組みで、「住民力」を生かしていこうという?
(知事)
それは僕が「こうしろ」ということではなくて、まさに、先ほどご質問があったように、県職員が現場に出て行きますよね。そういう県職員と一緒になってやっていく、そのいろんなご提案がその「住民力」というものですから。
僕は、想定として、健康づくりだとか、自主防災の組織だとか、それから地域ぐるみでの子育て支援だとか、さらには道路や河川の管理だとか、さまざまなことを言いましたけれども、それはもう何でもあると思います。その住民の力を生かしていく範囲は。
それこそ、警察の治安の部分もあるでしょうし、それはもうさまざまなものがあろうと思います。
(松浦:朝日新聞社記者)
それは特に県でこの分野でやっていこうというのではなくて、あくまでも(地域の)応援団なりが出て行った場所で見つけてくるという…?
(知事)
それは、それぞれの地域でいろんなご提案もあるでしょう。何の芽もないところにただ県の職員が出て行ってどうのこうのということではありませんので、それは、それぞれのいろんなテーマ別で、県の職員が見つける場合もあるでしょうし、地域の方からご提案がある場合もあると思います。
この間言いました、例の、バス停まで1時間半の話で言えばですね、そういうような投げかけに対して、スイスに研修に行った職員が、スイスで、郵便配達の車に住民が乗っかっていくということをやっているという例を聞いて、地域の建設会社にもマイクロバスやなんかがあると。
そういうマイクロバスがいつも動いているわけではないので、そのマイクロバスを使って道路の維持管理のための点検作業をしてもらうと。点検作業という形で委託料を払って、そういうものにまた地域の人が乗っかっていくという仕組みを作れないかとか…、アイデアはいくらでも出てくるわけですよ。
それを、単に車を走らせてそこに補助金を出すという仕組みではなくて、今申し上げたような形で、地域の住民なり企業なりが噛み込んでやって、一石二鳥、三鳥の仕組みを作っていく、ということはさまざまな分野であろうと思いますので、県が「こういうことがあるんじゃないか」とか決めるのではなくて、それぞれの地域地域のニーズに合わせて、アイデアを出して、県の職員も一緒になってそれを動かしていければいいんじゃないかというふうに思います。
(参議院議員選挙)
(宮原:読売新聞社記者)
来年の参院選なんですけども、2年前に知事が応援された広田一さんが出るんじゃないかという、そんな話もされてますけれども、知事として支援されるご予定というのは?そういったお考えというのはありますでしょうか?
(知事)
出られるかどうかも全くわからないので、何とも申し上げられません。
(地域への職員派遣の人数)
(須賀:高知新聞社記者)
知事、一点確認です。 50人、100人という数字、地域派遣。ということは、これ、1年で最初の50人が戻ることは常識的にあり得ないですが。ということは、再来年になると、単純に上乗せして150人が…
(知事)
いやそうじゃないです。50人、50人という意味です。
(須賀:高知新聞社記者)
50、50?
(橋本知事)
ええ。
(須賀:高知新聞社記者)
100人上乗せじゃなくて、50プラス50。
(知事)
そうです。
(松浦:朝日新聞社記者)
すみません。時間も来たようですので、よろしいでしょうか。
知事ありがとうございました。
(知事)
ありがとうございました。