公開日 2007年12月08日
更新日 2014年03月16日
平成15年度 愛媛・高知交流会議
平成15年5月20日(高知県森林総合センター情報交流館)
(出席者)
加戸守行(愛媛県知事)
橋本大二郎(高知県知事)
(項目)
・よさこい高知国体
・SARS対策
・えひめ町並博2004、龍馬脱藩の道
・高速道路の整備
・南海地震対策
・森林環境税・山の日・産廃税
・空き缶等のリサイクル
・ごみのポイ捨て
・癒しの道・八十八ヶ所遍路
・市町村合併
・三位一体の改革
(開会)
〇高知県 十河 清 企画振興部長
予定の時刻が参りましたので、只今から平成15年度愛媛・高知交流会議を開催させていただきます。開会にあたりまして、高知県知事からご挨拶を申し上げます。
(あいさつ)
〇高知県 橋本 大二郎 知事
今日は、ようこそおいでいただきましてありがとうございます。平成11年度から始まったこの会議も、本年度で4回目ということになりますが、両県の連携もそうですが、四国4県の連携も進んでまいりましたし、少しでも具体的な方法が打ち出していければと思っておりますので、いろんなお智恵をこういう機会に教えていただければと思います。よろしくお願いいたします。
〇愛媛県 加戸 守行 知事
今日は森林県に相応しい会場で、勉強させていただくことが多いですから、よろしくご指導のほどをお願いします。
【よさこい高知国体】
〇橋本知事
まず、最初に、去年愛媛に伺った時に丁度国体の前でしたので、国体へのいろんなご協力をお願いしました。結果的にも輸送のことですとか、県境のところで行われる競技の宿泊ですとか、お弁当の用意だとか色々なことでご協力をいただきまして、更に競技の面でも競技役員の派遣等、体協の方でやっていただきまして、おかげで無事成功することができありがとうございました。
大会そのものはご承知のように、秋の競技を夏の競技にもっていって平準化するとか、それから、高知の場合、特に陸上との重なりがいろいろ問題がありましたので、陸上を前に取り出してということをいたしまして、やや緊急避難的なところもありましたけども、なるべく選手・役員の方がお見えになる時期を平準化するということでやりくりをいたしました。
また、簡素化という点でも施設を少しでも既存のものを活かしていく。また、その後使えないようなものは仮設で済ます。そして、秋の閉会式も室内で、というふうに簡素化をいたしましたし、天皇杯を久しぶりにとらなかったということに象徴されますように、あまり背伸びしすぎるような競技力向上をしなかったというようなことで、いろんなご意見はありましたけど、結果的にはとても身の丈に合ったいい国体であったと言っていただいています。
又、特に9000人か8000人ぐらいの規模で民泊をいたしましたけども、地域の方々にとっても県外の方との交流ができたという賑わいの喜びもありますし、それから、過疎だ、高齢化だと、いつもマイナスイメージで言われていた地域が、「わしらもやればできるじゃないか」という自信にもつながった面もありますので、やはり、やって大変よかったというふうに思います。それをどう、今後つなげていくかというのが、本県としては課題でございますけれども。
また、平成29年ですね。愛媛で単独で開催をされるということで、このあいだ大亀会長からも四国の他県としてのご同意をということで、私は体協の会長もしていますので、快くもちろん同意をさせていただきました。また、もう私共がいなくなった頃の話ですが、県としてご協力できることは是非させていただきたいと思いますので、よろしくお願いを申し上げます。
〇加戸知事
私も拝見し、あるいは間接的に話しを聞きながら、今度のよさこい高知国体というのは、素晴らしい国体だったと思います。というのは、今、身の丈に合ったと言われたけど、既存の施設を活用する、競技の日程配分も考える、民泊、あるいは色々なボランティア等々の参加など、愛媛県も大亀会長が非常に熱心に協力していただいたのでうれしく思っています。
特に、言うなれば粉飾決算の優勝を狙わないということが一番素晴らしいところで、愛媛県も平成29年の国体で、肩の荷が随分おりたものですから、他の県はともかく愛媛はよさこい国体に続く優勝を狙わない国体として、多分もっていけるだろうと思っていますし、様々な形で国体の準備へ向けての大きなノウハウを沢山見せていただいたと思ってます。
また、私自身が文部省で体育課長、体育局長もやっておりましたので、国体の在り方自体に関して、担当者としての様々な複雑な悩みというか、問題点をこなしきれないできただけに、本当にそういう意味ではうれしく思っております。
〇橋本知事
ありがとうございます。もちろん、本県の課題でもありますけれども、できあがった施設をどう使っていくかということで、学生さんのキャンプや色々な大会も含めて今後も考えていきたいと思いますが、是非そういうことで、情報も含め、連携できることがあればと思います。
そもそも国体を前に4県の体協でお話をした時に、日体協の安西会長が来られてお話をしている中で、日体協として、マスターズの、本当のお年寄りというのではなくて、現役を引退して数年たったぐらいの方の大会を開かれておられますけれども、ああいうものを四国として、また適当な時期に、どっかの県が誘致をしていって、全県的な色々な交流につなげていくという手もあるかなということも思っています。
折角つくった施設、またこれから整備をされる施設を活かしていくようなイベントづくりというのも、一県だけで次々次々やるということもできませんので。
〇加戸知事
そうですね。特に、国体からシルバーオリンピックというのがありますけど、あの中間地点としての、言うなれば生涯スポーツの観点といいますか、マスター国体みたいなものというのは、やはりスポーツに勤しんだ方は、色々な出番、チャンスを欲しがってますからね。
〇橋本知事
丁度それぐらいの方だと、ご家族が応援で来られて交流人口を増やしてくださるということもあるように聞きますので、今年の大会は調査にも行って、そういうものを活かせればということも考えております。
〇加戸知事
昨年亡くなりましたけどね、私の家内のお袋が、シルバーオリンピックじゃないですけど、アメリカまで行って、78かな、メダルをもらって帰って来て喜んでましたけど、そういう、生涯スポーツというのは、みんな生き甲斐の一つになってますからね。
〇橋本知事
私もたまたま、私の家内の父がずっと陸上の投てきの方をやっておりまして、砲丸投げとか円盤投げですが、80歳代の記録か何かをつくったりして、もう亡くなりましたけども、そういうものを活かしていくというのも、費用対効果のこともありますが、折角つくった施設ですからこれからあり得るかなと思いますね。
〇加戸知事
サッカーでもそうでしょうけど、造った施設が後、赤字で皆、悲鳴をあげているという報道もありましたが、今度の29年国体で、実現できるかどうかわかりませんが、高等学校の体育館の改築の時には、国体の競技会場と兼ねられるようなものを考えてみてはどうかと言っています。
そうすれば国体が終った後、学校の施設として活用できる。後はギャラリーを入れる観客施設だけの問題だから。そんな方向で指示を出しています。高知の場合の事後活用も、いろんな形でのいい事例を、今後拝見させていただければと思っております。
〇橋本知事
色々取り組んでみたいと思っております。
【SARS対策】
〇橋本知事
直近の話として、SARSの、新型肺炎のことで、このあいだ台湾のお医者さんが大阪から入って四国も来られた。廻られたところが香川県内と徳島県内で、高知と愛媛へ、道後にも、高知にも来て下さらなかったのが寂しいかもしれませんが、情報が香川と徳島には流されても、愛媛と高知に来るのにタイムラグがあったというようなことを問題点として国にもあげております。
最初来た時は、立ちまわられた、行かれた先の場所は外に出さないで下さいね、ということで、結局は公表されましたが、やはりいろんな風評被害の問題はありますけれども、これだけの大きな危機管理上のことですから、名前の公表ということもやむをえないのかなと思います。
万一、うちの県に来た時、まだ関連の業界との統一ということはしていませんが、旅館・ホテルにしろ、輸送機関にしろ、水際の港、空港にしろですね、何かあったらどうしていくかということを今のうちからきちんと決めておかないといけない。
その場になってから、どうしようと角つきあわせても、なかなかうまく進まないんじゃないかということを、このあいだ庁議でも話をしたんですが、SARSに関しては何か。
〇加戸知事
特にですね、今度のユニバーサルスタジオジャパンに行かれたというので、愛媛県内からも5つの学校が同じ日に旅行で行ってましてね、今、全員の健康をチェックしているんですけども、そういった形で今、言われたように、あらゆる情報が直接訪れなかった県にも間接的には影響しているわけだから、早いスピーディーな、かつ正確な情報が早くいただけるということが必要だと思いますね。
具体的に情報を得たから、どの程度の対応ができるのかというのは、それは別の問題であって、今回の色々な公表は、結果としてよかったのは、そこにひょっとしたら間接的に何かという心配、懸念を払拭するためにも、いいことだと思いますよね。
この問題で感じていることは、今度、議会側の申入れがあったので、菌の検査という点で、SARS菌等は、現在、東京の方へ検体を送って検査をやっていますが、県内でやるとすると、検査のP3レベルとかいう基準のものが必要ですが、聞いてみたら、香川と高知は持っていて、愛媛と徳島はないというので、6月補正で何とか対応しろという要望が出ました。
それをやればわざわざ東京へ持っていかなくても済むから便利ではあるんですが、正直、四国4県で全部P3レベルを無理に揃えなきゃいかんのかとなると、四国州だったら、どっか1箇所持っていれば、2時間かければ検体を持っていけるという点で、
これは一つの例ですが、四国州を前提とする、しないじゃなくて、こういった色々な事態、狂牛病でもそうですし、色々なことに関しての各県がそれぞれフルセットで全部あてて対応するということではなくて、4県で一つでいいんじゃないのか、4県連携の意味でも無駄な投資をしないで、そうしょっちゅうあることじゃないことのために、全部各県が揃えろなんていうのは、無駄じゃないのかという、正直な感想を持っています。
〇橋本知事
今後、今はP3レベルですけど、P4レベルの話も出ないとも限りませんのでね。そうなったらもう膨大な投資になるんですね。
〇加戸知事
P4レベルをやるとしたら四国に一つでいいですね。まあ、中四国に一つでもいいんじゃないですかね。
〇橋本知事
そうですね、それを是非考えていこうと思います。
【えひめ町並博2004、龍馬脱藩の道】
〇橋本知事
いつも話をしていることで、たまたまここにパンフレットがありますが、高速道路も一定、中央での話に対する地方への投げかけがあって、ひとつの形ができてきましたし、橋の料金の話もそうですが、この行事は来年の開催ですか。
〇加戸知事
はい。来年の春に高速道路が宇和まで開通という予定で、それに合わせて、町並博覧会をということで開催します。
〇橋本知事
年度内という、ご予定ですか。
〇加戸知事
来年の春はオープニングで、メインは秋にもっていこうと思っていますけど、大体1年がかりで、町並博覧会というのをやってみようかと思っています。ただ、今までの博覧会と違うのは、パビリオンも造らなければハコモノも全くしない。既存の街並み、相当の施設を活用した、いわゆる既存のものを活かして、後は地域での自主的なイベントという、盛り上げをしていきたい。そんな構想で通常の博覧会とは全く違うものを、今、計画しております。
〇橋本知事
博覧会という名前を名乗ることは別に自由なんですか。
〇加戸知事
そうですね、万国博覧会だといけないんでしょうけど。
〇橋本知事
そういうレベルのものじゃなければいいんですね。なるほど。
〇加戸知事
少しでもPRになって、古きよきものをみんな思い出してほしい。ああ、愛媛にも、南予にもこんなものがあるのかという、もちろん各県みんなが、それぞれ地域、地域によってあるんでしょうけど。ちょうど高速道路開通のいいチャンスだということで、何か少しでも客寄せにというか、人を引きつけるものがよみがえればなという思いでおります。
特に内子はご存知かも知れませんが、内子座という、今、文楽をやってますけど、そういうような劇場もあるし。
〇橋本知事
大洲で鵜飼いをしたこともありますし、宇和で鯛そうめんも食べたことがあります。
〇加戸知事
ありがとうございます。将来的には、やはり今、龍馬脱藩の道といっているけれども、高知愛媛をつなぐルートですよね。いつか脚光を浴びる形で、何か企画ができればなと思っております。
〇橋本知事
是非また、これはこれで来年の観光客誘致にお互いつなげていければいいですね。
【高速道路の整備】
〇加戸知事
高速道路も宇和までの目途がたって、宇和から次の宇和島までの間の三間は用地買収とかという方向に入って、今のところは既定路線で三間までは行ってもらえるのかなと思っているんですよ。その先は全く不透明でしてね。
正直、早く、道路公団でやってもらえるもの、それから、新直轄でやるもの、あるいはやらないものという、ある程度の交通整理が始まると思いますし、そうなった場合の将来のことを一応念頭におかなきゃいけないなと思っています。特に気になっておりますのが、愛媛県でいえば内海、そして、高知県の中村まで、予定路線という、今までもうなぎの匂いもしない、ただ、うなぎの写真をとって眺めているようなだけですので。
〇橋本知事
はい。せめて匂いくらいかげるようにしたいですね。
〇加戸知事
そうですね。客観的に言って、多分今までの在来的な公団方式は、ほぼ絶望的だと思いますからね。
〇橋本知事
その部分はそう、完全にそうですね。
〇加戸知事
そうですね。予定路線をどういう形で考えてもらえるのか。直轄方式になれば、相当、期間的には、先の先の先になってしまうんじゃないのかなという点が心配です。
実は、道路、国土交通省の動きとしましては、宇和島から津島という町までは高規格道路整備が進んでます。津島から内海までも一応高規格道路の計画区間になっていますが、そこで一応、第三者評価委員会みたいなものを地元の人を集めて立ち上げて、規格の問題、その他の意見を聴いてもらえるということになりましたので、多分そこでは当然のことながら本格2車線でいくということで、とにかくコストダウンにつなげることの提案が必ず出ると思います。そういう方向へ向かおうと思っています。
〇橋本知事
自動車専用道路ですか。
〇加戸知事
自動車専用道路です。ですから、内海―中村間の今後の問題に関しても、早くから基本的に2車線で、しかもコストダウンにつなげる様々な提案をしていって、とにかく予定路線からもう少し昇格してもらうための数字づくり、うちのほうはこういう形で身の丈に合って、とにかく必要だと。必要だけど最小限のコストでいってもらいたい。
場合によっては、それに関しての愛媛、高知の地元負担もある程度は覚悟するという具体的な提案で盛り上げていかないと、完全に神棚の奥へしまわれて、ドアが閉まっちゃうんじゃないかという懸念をもっています。
〇橋本知事
拝むだけで終るといけないですね。
それは一応、整備局ともそういうことを色々お話をして、今、窪川まで、高知の場合だと須崎―窪川のところが整備区間ということで、いろいろやってるところですが、その辺について、どういう方向でというのはなかなか外向きに言える状況じゃないんですけど。
〇加戸知事
まだ具体化してませんか。
〇橋本知事
窪川から先はですね、少なくとももう、公団は、という時代ではなくなりますので、新直轄の位置付けで、県ももちろん負担をしていくことは全くやぶさかではありませんので、是非どういう規格でというのは、宿毛から先、内海ですね、中村からまわって、内海までつながっていきますので、是非、また土木の事務レベルで、もう協議は当然しておりますけれども、更に同じ方向性でインターチェンジの造り方とか、のり面なども協議していきたいと思います。
それから完成2車線でいけば、センターの、中央分離帯の造り方とか色々ありますので、そういうことは始めからきちっとしていって、完成2車線で中央分離帯をきちっとした方が、暫定2車線でそのまま終ってしまうよりは、はるかに安全性の面でもいいと思いますので、是非そういうことをきちっと打ち合わせをして、腹づもりを、腹づもりは両県決まってはおりますけれども。
ただ、負担がどれくらいになるかということは、なるべく早めに、それこそ掴む腰だめぐらいのものは、是非お示しを願いたいということは申し上げております。
〇加戸知事
私、この問題でね、個人的にはちょっと不思議に思っているのは、たまたまそれは所管が違うからなんでしょうけど、道路公団並びに今度の民営化会社は、有料高速道路ですよね。その間に、直轄の高規格道路が入っているので、愛媛県の場合だと松山から大洲までは高速道路で行きますけど、そのあと、大洲の市内区間が高規格道路で、これは無料で来てる。
それから高速道路が宇和島までつながると、宇和島から津島までがまた高規格道路で無料区間と。何かこま切れ方式になってるんで、今まではそのシステムだったかもしれないけど、今の話が出ました、特に予定路線の今後のあり方について、もちろん新会社でやらないだろうといった場合に、
その新直轄方式なり、また別に代わる方式があるとしても、私なんかの感覚では、もうそれも有料道路として現実に、コストに、当然採算は合わないけれども、有料道路にして全部つなげてしまうということで、これはちょっと思い切った考え方なんですけど、そちらのほうがスピードアップには、役に立つんじゃないのかと。
無料になるけども、新直轄、あるいは、時間がかかってもいいから将来待ちますよというよりも、私は有料であっても8の字でつながることに意味があるんで、そういう意味での投資の仕方というか、投入の仕方っていうのは、これは相手が道路公団並びに新会社と国土交通省と、違う事業主体だから、そこのつなぎの問題としての色々な様々な制約はあるのかもしれないけど、そういう思い切った発想の転換をしてもいい時代じゃないのかと思ってます。
〇橋本知事
それはちょっと初めて伺ったアイディアなので。
〇加戸知事
確かに論理的に言えば、税金を投入するからタダだよ、というけども、利用者側にとってみれば、あるいは住民にとってみれば、ここは直轄でやったからタダだと、ここは新会社だから有料だと言っても、現実に同じ道がつながっているのであって、結局お金の出し方が借金でやるのか、国費・県費を投入するのかの違いであって、一般の四国の住民の利用の形態からすれば、有料道路が8の字でつながったので充分ではないのかと私は思います。
〇橋本知事
その際には、多分、新しい有料道路の制度がないと、今の有料の制度だと、また予想交通量でひっかかると思いますね。
〇加戸知事
そうですね。だから、投資、費用対効果って色々ありますから、それはもちろん原則としても無料を前提としたりするけれども、でき上がったら、利用に供する時にこれは同じ料金で、その分があるいは、まだ未着手のところが道路にまわせるということを考えていいんじゃないのかなと。そういう仕組みは確かに難しいかもしれないけどもね、場合によっては。
〇橋本知事
新直轄に特別の仕組みとしてね。
〇加戸知事
複合的にですね、原則新直轄でいくけども、そこが全くの思いつきですが、例えば、四国道路公社みたいなものを考えてみたら、そしてあるいはそれが国で、新会社に寄附するかどうかは別として、あるいは管理委託をするとか、何かとにかく道を早くつくることに意味があるのであってと私は思いますけどね。
〇橋本知事
早く、または一定、予定をした時期にきちんとできますということと、料金を支払うということとのプラスマイナスを住民の方々がどう判断をされるかというような説明責任のこともありますから。
〇加戸知事
考えてみれば奇妙な話で、ここは不採算路線だから有料道路造ってくれませんが、タダの道路はつくってくれます。というのは、住民感覚からすると変な違和感を覚えるんですね。
〇橋本知事
つくる側からすれば、それはそのほうが便利でいいでしょう、という説明はできますけども、確かに一般の住民感覚からいえばそうですね。
〇加戸知事
そういった住民感覚をどんな形で制度上クリアしてつなげられるのかということはありますが、この場合、現実に利害関係をもつとしたら、愛媛と高知、要するに2県であって、そんな意味では新方式を、例えば、四国4県知事会議で議論するとしても、現実にはこの両県がどんなスタンスで出るかということによるでしょうから。
〇橋本知事
それは何か橋の料金にも少し回してくれるかというふうな議論にもなりませんか。
〇加戸知事
あり得ますね。
〇橋本知事
そうじゃないと香川県民は納得しないぞという話になるかもしれません。今のお話はまた、是非事務的にも、そういうご提案というか、アイディアがあったというこ
とで考えてみます。
【南海地震対策】
〇橋本知事
あわせて本県としては、南海地震、東南海地震の津波の危険性というのは非常に高うございます。今は、高速道路が予定の段階である県の西側では、まちなみの中を通っている56号線が一本あるだけで、大災害、地震どころか大雨でも自動的に止まってしまうところがいっぱいございますので、危機管理・安全上からも、もう一本きちんとした高規格の道路が必要だという訴え方もしております。
これは、高知と徳島と和歌山と三重の海沿いで、今後、高速道路のいろんな計画があり、なお地震の被害想定の大きなところということで、今度この4県で東京でそんなパネルもやろうと思っておりますが、そういう主張の仕方も一方でしてはいきたいと思っております。
〇加戸知事
南海大地震も被害者想定では、四国では圧倒的に高知が多くて、愛媛がややしょんぼりとある感じですけど、今の話との関連でいえば、愛媛の南の方に関しても56号線一本ですから、地震だけに限らずいろんな災害等で代替手段がないという点では同じような理屈にはなるのだろうと思っていますから、4県プラスアルファで連れ子がついているということで、一応、含んでおいていただければと思います。
〇橋本知事
あと地震のお話で、4県連携のいろんな仕事の中で、本県では地震の対策として津波に対する避難路の確保ということと、それから神戸でも住宅倒壊で亡くなった方が9割ぐらいでございますので、住宅の耐震の診断と耐震化ということと、それに合わせて防災教育というのを大きな柱に据えていますので、それを4県連携で防災の子供サミットをやろうということで、今年7月に予定をさせていただいています。
防災教育は東南海、南海地震でいえば、30年後までというのがどれだけの猶予期間か分かりませんけど、10年でも20年でも30年でも猶予期間があった時は、今の子供たちがまさにいろんな防災を支える中核的な人になっていきますし、防災というのは環境のことなどもそうですけれども、子どもたちからお父さんお母さんに伝わり、地域に広がるという効果のある分野だと思いますので、防災教育には是非、力を入れて取り組んでいきたいと思っています。
また、地震だけじゃなくて、いろんなことも含めてですけれども、各県での様々な防災教育のソフトとかプログラムを体験しあうことで、四国としての防災教育のプログラム作りということにもつながっていくと思います。事業としてはそういうプログラムを作って提言をするというところまで今年度予定をしているようですので、是非いろんな面でご協力をいただければと思っています。
〇加戸知事
なかなか大変いい主旨ですので、4県連携で進めさせていただいたらと思います。今の防災で、連想ゲームじゃないですけど思い出したのは、私は県内で四国州の必要性を説いてる一つの材料は、4県ともに防災ヘリコプター2機ずつ持っていて、合計四国には8機ヘリコプターがあります。
経費も1機購入するのに5億から6億、年間維持費が2億から3億かかります。北海道は四国4県よりも人口は150万人も多く、しかも面積は四国4県の4倍以上ありますが、あそこにある防災ヘリコプターは4機だそうです。四国はその倍を持っています。
単に面積、人口割だけでいうわけじゃないですけど、四国州だったらヘリコプターは2機で、4分の1で済むんじゃないですか。少なくとも半分の4機で済むんじゃないでしょうか。こういう無駄な例がたくさんこれ以外にもあるという例示として使っているんですけどね。
結果的に先ほど申し上げたP3レベルの話と似てきますけれども、今後いろんな対応を新しく考える時に、4県がそれぞれ4つずつ準備するんじゃなくて、この件に関しては徳島に置こうよと、これは高知でいいよという形で四国4県が共通して対応するというものを真剣に考えていった方が、今の地方財政の危機を乗り切るために必要なんじゃないかなと、そんな気持ちでおります。
〇橋本知事
ヘリの場合、ピットインの整備の期間がありますから、一定の台数は四国の中で必要だと、持ち回りをする場合には必要だと思いますけども、本当に今言われたような台数が必要かどうかと、あればあるに越したことはないけども、費用としてはですね、初期投資はともかくとして。
〇加戸知事
最近の傾向風潮が、何かあるとその県何やってると、議会ではすぐここにあるのに愛媛にないじゃないかとくるから「はい、はい。」という形で全部揃えていくということが、滅多にないようなことまでも想定した全てを万全の体制を敷くということは、もちろん万全の体制必要だけど、それは4分の1でできるんじゃないのというのは、常に私が考えていることです。ただ、この辺は、これはうちだ、これはうちだって、引っぱり合戦、綱引きになったら困るんですけど。
〇橋本知事
綱引きならまだいいですが、押しつけ合いにならないように。これは持ってくれと押しつけ合いにならないようにしなきゃいけません。
〇加戸知事
それでその場合は4県、それぞれ分担金を出して、どっかが仮に管理をするということじゃないかなと思いますね。
〇橋本知事
前に言われたように、災害の際の救援物資なんかも本当にいざというときにはもう共通で使う。
〇加戸知事
備蓄状況やその他が、全部リストアップしとけば、もう電話一本ですぐ。若干、時間はそれは1時間余計にかかるかもしれないけれども、そうことは私も一番可能なことだと思います。
〇橋本知事
災害を受けた県の知事の要請で動いていけるというふうにしておけば、それはいいと思いますけども。
〇加戸知事
人のものは我がものという気持ちをみんな持っておればですね。
〇橋本知事
ええ、それをやれば四国州的なものが、感覚的にも動いていくかと思いますけど、それは是非やらせてもらいたいと思いますね。
【森林環境税・山の日・産廃税】
〇橋本知事
あと、本県で毎年懸案として語っておりました森林環境税がようやく成立いたしまして。
〇加戸知事
おめでとうございました。
〇橋本知事
いや、いや。いわゆる地方分権の目指す、財源というものにはあまりなりません、正直言って。というよりも森林環境に目を向けるという政策誘導型の制度でございますが、是非また他の3県のご理解も得て、同じような形で協力をしていただきたいと思います。
そういうような税を構えていただくということもですし、それから森林環境税を使って「山の日」というような形で山の行動をしていきたいと思いますので、四万十流域だとか県境で一緒にやっていけるようなところを、何か一緒に行動をしていけるようなプログラムを作っていければなということを思っております。
〇加戸知事
森林環境税は私も感心しているんですけど、全くの大きな摩擦なしでよくこぎ着けられたと思います。それだけの充分説明・PRもなさったからなんだろうと思いますけど。
普通メディアっていうのは増税に対して好意的であることは全くないんですが、我が地元愛媛新聞はベタ誉めしまして、愛媛も見習えっていうから、それは大変有力な追い風の材料だし、今、事務レベルとして高知県のを随分勉強させていただいておりますが、愛媛も是非続いていきたいと思っています。
おっしゃったように財源的な意味では今、愛媛が森にかけているお金のそれは役に立つ度合いっていうのは極めて少ないけど、むしろ県民意識の高揚だし、山が大切だという点の認識を深めるためには非常に有力な手段だと思っています。
このことで実はこのあいだも雑談程度に香川県知事と話してましたら、香川県の場合は山は持ってないので、むしろそっちの水源税よりは環境税的な産廃税の方を早くやりたいんだという話でした。
産廃税の問題になると、どこがやって、じゃあ、あそこは金取られるからこっちへいっちゃうよなんていうようなことになってもいけないですし、四国はできる限り一緒の方がいいのかなと思います。ただ、真鍋知事が早くやりたいといっておりましたので、四国4県知事会議でなるべく、別に香川の足を引っぱるわけじゃないんですが、可能な限りシステムを合わせて4県セットでいければと私は思っています。
森林環境税も、香川も産廃税のカタがつけばついてきて、多分ダブルではなかなか香川も県議会の事情からやりにくいのかなと思いますが。
それから先ほどちょっとお話の出ました四万十川流域に関しましても、四万十川清流条例が愛媛県の方もお願いをして、北宇和郡の各町村に協力していただいたので、そういうことはたとえ、まだ仁淀川ではないんかも知れませんが、同じようなことが当然、水源地帯として愛媛、あらゆる点で環境保全のための協力をさせていただいていると思ってますし、また四万十川流域も今、水質調査その他を始めておりますから、四国の山は四国4県でという共通認識でいきたいと思います。
それから高知で「こうち山の日」を設けられるならば、愛媛も同じ日に「えひめ山の日」を設定して、いずれ「四国山の日」が日にちが違わないように、統合するときに「山の日」が4つあるんじゃ困りますからね。
〇橋本知事
ヘリコプター以上に問題になりますね。
香川県の産廃税はイメージとしてはどういうかけ方を考えておられるんですか。
〇加戸知事
多分、三重県の例を念頭に置かれているのかなと思います。特にあそこは豊島での不法投棄があったから、それだけ深刻な気持ちだと思います。客観状況は香川と愛媛とそう変わるわけじゃないので、うちも遅れないでいきたいなと思ってますが、さっきいったように、二ついっぺんはこれはダブルの話になりますから問題はないわけじゃありませんけど、また、4県知事会議でこの議論はさせていただくことになると思います。
〇橋本知事
北東北が関東、首都圏からの産廃に対するいろんな問題があって、やっておられましたが、さっきおしゃられたようなことを。
〇加戸知事
そうですね。四国は橋を越えてまで、持ってくることはないでしょうからね。
〇橋本知事
というイメージではないですね。
〇加戸知事
しかし、4県ですからどっかの県では被害はどっかの山の中で受けるわけですから。
〇橋本知事
それは是非、充分勉強して、できれば取り組んでいくようにいたしますので。
【空き缶等のリサイクル】
〇橋本知事
それから環境資源循環で思い出しましたけど、前にどの席だったか忘れましたけども、例のペットボトルの再生の話がございましたが、あれは僕も事務的にその後どうなったかと思っていまして。
〇加戸知事
そうですね、事務レベルで色々話題が出てるでしょうが、正直、松山でやっているのはロット不足でして。
〇橋本知事
集まらないと。
〇加戸知事
うん。それはあるんで。何とか細々やってますけど、それは可能な限り四国から集まればいいんで、もちろん流通、運搬コスト、その他もありますから。それから特に市町村の分別収集でそれなりの独自処理をされているのはどうなのか、可能な限りそのコストの増大につながらなければ、一ヶ所へ持っていければ一番処理がしやすいんだろうし、それがあるべき姿なのかなと思っております。事務方でよくこれは詰めさせていただきたいと思っています。
〇橋本知事
是非、お願いいたします。
環境のこともそれぞれの、空き缶のこととかいろいろありますので。
〇加戸知事
ああ、空き缶のポスターがちょうどここに。いやいや高知から出た標語一番いいなと思って、「あかんぜよ、龍馬が許さぬ!ポイ捨ては」と。
これは余談ですけど、私の尊敬している作詞家の星野哲朗先生という方が毎朝4時に起きて空き缶拾いで、今、10万個集められたのかな。だから、それが楽しみで毎朝早起きして缶を拾ってるそうです。
〇橋本知事
それはどうやって、帳簿にでも付けておられるんですか。
〇加戸知事
何ですかね、拾うだけで、カウンターでやってるんでしょうね。でも証明するのはご自身だけで、第3者はいませんけども。
〇橋本知事
それはすごいですね。星野さんはよく奥道後に来られてますね。
〇加戸知事
10万個達成されたので、もう缶拾いからはご勇退なさるかも知れませんけどね。
〇橋本知事
そうですね。
【ごみのポイ捨て】
〇加戸知事
環境問題というのは一番大切なのはゴミを捨てない、出さないとことが基本なんですけどね、なかなかそういう意識を県民に植え付けるっていうのはまだまだ難しいですが、最近ではNPO活動その他でもこういう問題、大変大きく取り上げていただいてますね。
そのうちマスコミの4県評価をしてもらって、ゴミの落ちてる量の一番多い県は比率的にワースト1が愛媛で、ワースト2が高知だとかいうことになると、それぞれ県民も負けちゃいられないというので、きれいにするようになるかも知れませんね。
〇橋本知事
そうですね、定点観測でもしたらいいですね。
〇加戸知事
こういうのを地元のマスコミに話題として取り上げていただいて、せめて県庁所在地ぐらいでやればどうでしょう。
〇橋本知事
そうですね。取り上げていただいて、定点観測をして。これは是非。
それでタバコのポイ捨てなんかの話は愛媛県内ではいかがでございますか。ご自身がタバコを吸われるのに悪いですけど。
〇加戸知事
私はヘビースモーカーで必ずタバコの吸い殻があると拾うんですけど多いですね、いつまで経っても。特に、公園の中に落ちてると悲しいですね。それは自分自身がっていうよりも、よそから来られた方、気分的にゴミや吸い殻が落ちてれば、何だこの県はとか、そういう気持ちを持たれるんじゃないのかなと、それが何か恥ずかしい気持ちがしますし、私自身がまたヘビースモーカーであるのを肩身狭く生きている上にもっと肩身が狭くなっちゃいけないと思うんですけどもね。
【癒しの道・八十八ヶ所遍路】
〇橋本知事
それから4県の話でいつも出てきます、八十八ヶ所の癒しの道の話ですね、何かもう少し具体的に年々、5年後には、10年後にはと目に見えるものがやっていけないかなと。
何かいつも話でやらなきゃいかんね、一番やりやすい事業だねっていいながら、各県に戻るとうちでもそうですけれども、議会でも時々質問が出ますけれども、市町村がなかなかその気になってくれないと、県が県だけでやっていくわけにはと、事務的にはそういう答弁書が戻ってきたりして、それもそうだなと、これも確かにそうだなと思いますが。
〇加戸知事
確かにやや条件整備的なものになると、市町村道であり、あるいは休憩所その他も市町村事務であり、そういった意味では四国4県プロジェクトを考えた場合には、むしろ県がとれるイニシャティブっていうのはそういった四国遍路道整備事業に対して、市町村にささやかなお印に過ぎないかも知れないけれども、
やっぱり財政状況厳しい中でもささやかな補助金で市町村やっていただけませんかと、むしろこちらから積極的にお願いをしないと、なかなか掛け声だけでは済まないのかなという感じはしますよね。
〇橋本知事
明日、高知で旅館・ホテルの女将さん方が来られて懇談をするので、八十八ヶ所の世界遺産の話をテーマとしたいという気持ちがあります。あの話は加戸さんは個人的には、個人的にはという質問は変ですけども、どんなに思われますか。
〇加戸知事
実はですね、この八十八ヶ所の世界遺産指定の話は、あの制度ができる頃に徳島県からありまして、私自身が文化庁にいたもんですから、それで当時は世界遺産はとても不可能だと思ってました。
不可能という意味は法隆寺その他のいうなれば、歴史的な建造物、世界の遺産だっていう意味でとなると、八十八ヶ所のお寺は、個々の何番と何番は該当するかもしれないけど、全部が該当するわけじゃない。
じゃあ、道がって、道もなるわけではない。そうすると、ある意味では、伝統、風習、お遍路参りというのが風習として文化遺産足りえるのかということを、かなり役人ベースとして厳しく考えたところはあります。
ただ、今の流れ、状況を見てると、そういうふんわりとしたいろんな要素も含めて、みんなが世界遺産だと思うよっていうことになると、不可能ではない時代に入ってきたのかなっていうのは、正直な感想で、だからむしろ観光面だけじゃなくて、いろんな意味でプラスだから遺産になれば一番いいことですけども、技術的に可能かどうかはまだ自信がないっていうのが正直なところです。
ただ、ムード的に盛り上げて、そういうことは可能な時代に、先ほど申し上げたようになってきてるんじゃないのかなとは思います。
〇橋本知事
海外だとそれこそスペインだとか何だとか、巡礼の道の世界遺産になっているものがありますね。ただ、それはやっぱり道という目に見えるハードというか、遺産があって、それに巡礼という文化がついてるという感じになってると思うんですね。
その点、熊野古道の場合は新しい道があるわけじゃなくて、古いルートがそのままであるわけですね。それが八十八ヶ所の場合は、その主だったところがほとんど国道になっていたり、県道になってたりして整備されているわけですね。
それはある意味で、遍路道を作ると、本当のというか、歴史伝統の遍路道とは違うものを作っていくということになりますので、そこのところがなかなか悩ましいなと思いますね。
〇加戸知事
だから世界遺産という名前をもらうだけの話ではあるんでしょうけどね。名前もらえれば、それはそれでいいんですけども、一体、さっきも言ったとおり技術的な話になるんですけど、何を理由にといったときの理由付けの材料としていろいろクリアしなきゃいかんことをいうんだろうなとは思ってます。
話をちょっと戻しますけど、遍路道、癒しの道といった場合に何をすればいいのかというのを、ある意味では私はまだ余り例がないんでしょうけど、八十八ヶ所巡りのお遍路さんにアンケートを何らかの形で4県共同で実施してみればどうかと思っております。
〇橋本知事
何を求めているか、ですね。
〇加戸知事
そうです。それでこうしてもらったらいいなというのが、何か声としてある程度集約できるのかな。ですから在来的に癒しの道といって4県一緒にやりましょうって、掛け声ばっかり「わっしょい、わっしょい」ですけれども、じゃあ、何をという中身はむしろその八十八ヶ所巡りをされている人たちの方が、こうあった方がいいのになという気持ちを取り上げる材料としてはアンケートなのかなと思います。
それは手法がかなり難しいでしょうけど、それぞれお寺にお参りのときや、ハンコを押すときにアンケート用紙を渡して、どっかに、次のお寺に渡して下さいとかいうことならば、アンケートでもかまわない。
〇橋本知事
というか、皆さん、宿坊に泊まられる方が相当おられますのでね、宿坊に泊まられた方だけでもいいですね。
〇加戸知事
アンケート収集の方法はそれほど難しくはないのかなと思いますけどね。一つこれもちょっと事務レベルでまた4県知事会議で、大して経費がかかるわけじゃないですから。
〇橋本知事
癒しの道というと、先ほど言いましたように本来の道は国道、県道化されているっていうこと、それからやっていくにしても市町村事業との関わりで県が出ばって全部やっていくということはなかなか財政的にもできない、というような問題がある。
また、癒しの道といって号令がかかると、国土交通省にこういう事業があるというのをまた持ってきて、それがまた県ごとで考え方が、土木の担当者で違ってということをいつまでもくり返してしまいますね。
結局、上からの発想で、道を造ろうかという行政の発想でいくからなんだと思いますから、今お話があったように、実際に歩いている人がまず何を求めているかと、それを統一のロゴなり統一の素材なりでやっていくというのが一番いい。
〇加戸知事
出てくる可能性としては山の中の大変道の悪いとこのお寺に行かれたときは、この何十何番はこうだからというのは頭に出てくるのかなという感じはしますよね。
〇橋本知事
あとやっぱり休憩所の話は必ずでるとは思うんですよね。
〇加戸知事
そうですね。
〇橋本知事
それから、道案内の話ですね。それをもう少しきちんと詰めていくといいですね。
〇加戸知事
もうかけ声かけて4年も経ちますからね。
〇橋本知事
そうなんですよね。
〇加戸知事
あまり具体化してないものの一つでしょう。
〇橋本知事
やっぱり道っていうことから入ると、そうなるんですね。もう完全に隘路というか、行き詰まりに多分なっていると思いますので、そこは是非、そろそろ考えないといけないと思います。
〇加戸知事
それで思い出しました。橋本知事の提案でフランスのアンテンドゥー(アンテナ2)のテレビが完成して、来月ですか、やっとNHK教育テレビでも放映されるようでございますので、楽しみにしております。
〇橋本知事
是非、そういうアンケートの話はやってみたらいいと思いますし、県内だけじゃなくて、4県でという感じで、NPO的に民間の人で地域の素材というか、木材を使ってちょっとした休憩所を作っていくっていうのも今、何ヶ所かやってる動きがありますので、ああいうのとそのアンケートを結びつけてですね。
やっぱり行政が上から考えて休憩所というと、そのための何かの補助金が出てきたりして、そのままメニューでまたこういうものも一緒に作んなきゃいけないのかなあと。
〇加戸知事
こういうのはロータリークラブとかライオンズクラブの何十周年記念なんて、記念事業はみんなそれぞれささやかになさってますけど、そういうときには匂いを嗅いだら、この道にこんな休憩所のベンチがあったらいいですねという、謎をかければ飛びついてくる話がありますね。
〇橋本知事
それを積み重ねていけばいいですね。
あとそろそろ時間も少なくなってきましたけど、加戸さんの方から何かあれば。
【市町村合併】
〇加戸知事
本県では、市町村合併を非常に進めてますけど、高知も、余り橋本知事は強制はしないといいながら、結構、9協議会33市町村ですか、集まって。これはもう完全にやっぱり今の時代の流れを考えて自主的になさってきているということですか。
〇橋本知事
そうですね。ただ、うちの場合にはあえて独立を選ばれるというところとか。
〇加戸知事
ああ、いくつかありますね。
〇橋本知事
それから入りたいんだけども、財政状況だとかいろんな状況で入れないとかいうところがあって、愛媛の場合には島しょ部を除けば、ほぼ2つ3つのものを埋めれば必ず残らず合併されるという流れらしいですけれども、うちの場合には残ってくるところは出ないように最後の努力はしていかなきゃいけないと思いますけれども、
自ら手を挙げて独立するところは別にして、一緒になりたいけどなれないところを、どう結びつけていくかというのは、難しいながら課題です。が、それが残ったときどうするかというのは、今のそれこそ地方分権推進会議などで、流れの中でどうするかですね。
〇加戸知事
かなり厳しい考え方が出てますからね。ある意味で私は、県内で残る可能性がありそうなというか、途中段階ですけどね、その時にはかなり今の市町村自体の体制はもっとスリム化して、場所によっては、県に事務代行を委託するとかしない限り、在来的な交付税全て必要なものが流れてくる時代じゃないですよということは申し上げてきました。
しかし、現実として愛媛県の場合も合併したいと思っても、縁談がまとまらないんで合併の意志ありながら残らざるを得ない、これについてはそれなりの応援をせざるを得ないだろうと思っています。
〇橋本知事
そうですね。あと、市町村合併でいくつも心配事ありますけれども、思いますのは健康づくりとか保健の面で非常に進んだ取り組みをしている小さな町や村って結構あると思うんですよね。そのために国保の面でもいい数字になっているという、保険料の面でも、国保会計でも、頑張っているところがある。
それがお隣の少し大きなところで医療法人もあり、そういうところに頼りきった形でやってるところと一緒くたになってですね、悪化という言葉はちょっと失礼で使いませんけれども、そういうせっかくの努力が薄まってしまうようなことが出はしないのかなということは心配事としてあります。
〇加戸知事
それは必ずあると思いますね。
〇橋本知事
ただ、財政規模が大きくなり、そして自治体経営の規模が大きくなって、メリットというのは当然経済学的には出てくるだろうと思いますが、これまでの文化とか何とか目に見えないものと違って、健康づくりなどは、政策的にもきちんと進んで、成果としても保険料なり国保会計で出てきて、歴然と差があるわけですね、それを努力をして来られたところと、そうじゃないところと、それがどうかなと。
まさに、今、地域の保健だとか福祉だとかいうものは市町村に仕事がおりて、それぞれが努力、自分の力で努力できる項目としてやってこられて、成果を上げたものが薄まってしまうと、元の木阿弥だなと、これまで町村の努力が活かされなくなる。
〇加戸知事
これはいうなれば保険制度ですからね。市町村合併の場合にはそれだけ均一料金に当然ならざるを得ないんですね。私も昔、公立学校共済組合の理事長やってまして、これも47都道府県みんな医療実績違います。
医療費がべらぼうに高いところ、安いところ。不公平じゃないかという声は随分あったんですけど、結果としての調整弁はあまり医療費が高くならないところ、健康で色々な努力をされているところについては、それなりのキックバックというと言葉悪いですが、健康保全事業というような形でお金を少し回すという何か一種のささやかな調整弁でしたから。
今の話聞いてても、合併してどっかの小さな村でお互いで助け合いのシステムの中にあまり負担をかけないでやってきたところがガッチャンコで料金が上がるということに関して、今なら健康増進事業をこんな形で老人の集いをやってるからということで、地域の中で、合併した市の中で別途配慮をすることにならざるを得ないのかなと思います。料金を別にするということはちょっと不可能だと思いますけどね。
【三位一体の改革】
〇橋本知事
あと、分権では例の水口さんですかね、三位一体のあの話は何ですかね。
〇加戸知事
これはちょっと論外です。昨日も記者会見やったもんですから、あれが結論になると思えないけど、仮に結論になったときにこの案に賛成する愛媛県選出の国会議員は1人もいないと確信するなんていうようなことを言ったんですけどね。それは本当にやらずぶったくりと言ってますけど。交付税は減らすわ、補助金は切るわ、財源移譲は先の話だなんて、それはないですよね。どう考えても。
〇橋本知事
どうしてああいうむちゃくちゃな話が出てくるんでしょうかね。
〇加戸知事
まあ、まずショック療法を与えておいて、それからたたいてなでてという手法なのかなと忖度したりはしてますけれども。
(来年度の開催)
〇十河部長
もうそろそろ予定の時間も参りました。どうもありがとうございました。
〇橋本知事
そうですか。ありがとうございました。
〇十河部長
最後に、来年度のこの会議の開催をいかがいたすかということにつきまして、御意見をいただきたいと思います。
〇加戸知事
これは当然、愛媛県の方でさせていただきたいと思いますし、また、今日は素晴らしい環境のところでしていただいたんで、松山じゃなくて、別途色々これから検討させていただきます。
(閉会)
〇十河部長
どうもありがとうございました。
これを持ちまして交流会議を終了させていただきます。愛媛県知事を始め、愛媛県の皆様、どうもありがとうございました。
〇加戸知事
どうもありがとうございました。お世話になりました。
〇橋本知事
どうもありがとうございました。