知事の定例記者会見(平成16年12月議会)

公開日 2007年12月08日

更新日 2014年03月16日

知事の定例記者会見(平成16年12月議会)

平成16年12月7日9時00分から(県庁二階 第二応接室)


(項目)
 ・議案の説明
 ・グリーンピア土佐横浪(1)
 ・副知事・出納長人事
 ・グリーンピア土佐横浪(2)
 ・県議会との協力
 ・職員団体との対話
 ・三位一体の改革に対する県内6団体の会合と高知市との連携



【議案の説明】
(知事)
 おはようございます。
 12月の定例の県議会を今月10日に召集をすることにいたしました。提案をいたします議案は、一般会計補正予算など、予算議案が5件。また、条例その他議案が18件。それに、報告議案と諮問、一件ずつで、合わせて25件でございます。

 このうち、補正予算の案といたしましては、台風などの災害の復旧にかかわる経費として、およそ80億円を盛り込んでおりますほかに、県の財産となりました山内家の資料の保存、管理と、展示に係る経費。また、後ほど少し詳しくご説明いたしますが、海洋深層水のミネラル成分を濃縮する液、これを製造するための設備に係る経費などを盛り込んでおります。併せて、人員の確定に伴います人件費の補正などが、補正予算の主な内容でございます。

 続いて、条例その他議案といたしましては、職員団体との間の交渉が合意をみましたので、私も含めました県の職員の給与の削減、カットについての条例案を提案しております。

 また、行政改革の一貫といたしまして、福祉事務所、保健所を統合して、新たに福祉保健所を設置するための条例案。また、県税事務所の仕事の仕方を見直して、その管轄の区域、また、役割分担を見直すための条例案などを提案しております。

 議会に関することのおおむねの内容は、以上のとおりでございますが、三位一体の改革などについて、もう少しだけ触れさせていただきたいと思います。

 三位一体の改革については、先月(11月)の26日に全体像なるものが示されました。私も、その全体像についてのレクチャーというか、説明を受けましたけれども、皆さん方もご承知のとおり、全体像というにはあまりにもあいまいな内容になっていると思います。

 特に、国庫補助負担金に関しましては、国民健康保険の制度に都道府県の負担を取り入れるとか、また、補助金を単に交付金化するだけといった、いわば、禁じ手と言っていいような内容まで盛り込まれております。

 このことは、以前からずっと言い続けてきたことですけれども、補助金を一般財源化するという際には、地方が使い勝手がいいように、また、創意工夫ができるように、できるだけ早く、その事業の対象を明らかにし、また、いつから、どのような形でという内容をきちんと示すことが必要であろうということを思っております。

 ですから、この春からの政府また省庁への予算要望、重要要望の中でも、こうしたことを特に強調してまいりました。

 まさに、全体像というのは、このようなものを全部示して、つまり、「どの事業を、いつから、どのような形で」ということを示して、初めて全体像であろうと思います。

 にもかかわらず、今回の内容は、そのようなものになっておりません。ですから、現場では、戸惑いが当然生じますし、また、このまま予算が組めるかな、というような不安もございます。

 特に、これらの事業というのは、住民の生活、サービスにも直結をするものです。また、今年度と比べて、額も非常に大きくなってまいりますので、こうした問題点、つまり、その事業を「いつから、どういう内容で」という全体像がきちんと示されていないという問題点は、もっと今回の全体像として示されたものの問題点として、強く指摘をされていい点ではないかということを思っております。

 各省庁としては、「予算編成をする中で、数字を合わせていけばいいや」という思いではなかろうかと思いますけれども、この国庫補助負担金の見直しの対象になっているものというのは、全体の予算からいえば一部のものに過ぎません。

 ですから、地方分権ということ、また、地域の住民の生活ということに本当に目を向けるのであれば、これだけを取り出して作業を進めるということは、そんなに難しいことではないと思います。

 にもかかわらず、このような形になっているということは、まさに、そうした地方分権だとか、地域の住民の生活ということよりも、それぞれの省庁の今持っておられる権限、権益というものに目が行ってしまっている。そちらが中心になって、仕事が進んでいることの証しではないかということを思います。

 もう1つが、地方交付税の問題です。地方交付税に関しては、「必要額を確保する」という文言と同時に、「地方財政計画の合理化」という文言が、両論併記をされております。「必要額の確保」という言葉があるからといって、決して安心できる状況ではないということを思います。

 特に、最近では、財務省から「臨時財政対策債は一般財源ではない」というような趣旨の話もあるということでございますので、何をか言わんやという流れも底流としてまだまだ強く残っている、ということを感じます。

 この地方交付税の額の決定に至ります地方財政対策も、もう大詰めを迎えているわけですけれども、その決定を前に、この14日には総務省の幹部の方も出席をされて、全国知事会議が開催されることになりました。

 質問の前日という日程ではございますけれども、私も万難を排して、また、ある面、もしできれば、議会のいろんなご理解も得ながら、ぜひ出席をしたいということを思っております。

 出席をしまして、この地方交付税の確保ということを、まず第一に強く主張したいと思いますし、また、その前に申し上げました、国庫補助負担金の事業の対象時期、内容の明確化というようなことも強く求めていきたいと思っております。

 併せて、極めて中途半端な形で、この三位一体の改革が進んできております。このままではいけないという思いがございますが、一方で、これまでも申し上げてきましたように、どういう地方として有効な手だてを持てるか、対抗手段を持てるかということは非常に悩みも多い点でございますので、こうしたことについて、どういう形で対抗していったらいいかということも、ぜひ、知事会議の場などで、直接の会議の公式の場かどうかは別にしても、他の知事さんともまた、話をしてみたいということを思っております。

 もう1つが、海洋深層水に関してのことでございますが。今回の海洋深層水のミネラル成分の濃縮化ということには、県としても、かなり大きな期待を持っております。

 というのは、海洋深層水のビジネスも、各県入り乱れての競争が激しくなっておりますし、また、いわゆる一時期の深層水ブームというのも沈静化をして、次のステップと言うか、付加価値を求める必要性が出てきているというふうに思います。

 こうした中で、「海洋深層水は室戸だ」というブランド化ということをもっと進める、また、より付加価値のある生産につなげるということが、大きな課題になっておりました。そうした中で、開発されたのが、今回の技術でございます。

 1つは、海洋深層水に含まれますミネラル成分、その中で、有効なミネラル成分を調整して、濃縮をしていくという技術。もう1つは、こうやって有効成分を濃縮化した液を、ある糖を使って粉末化するという、2つの技術でございます。

 これが具体化していきますと、これまで海洋深層水という液体ではなかなかつくり得なかった、サプリメントだとか、機能性食品だとか、そういう面での新商品の開発ということに大きな可能性が開かれると思っておりますし、また、持ち運びが非常に簡便になりますので、取水地直近でなくても、いろんなビジネスが、また、製造が可能になるのではないかということを思っております。

 併せて、今回の技術は、その実験の段階から実用化の段階、つまり、大量に濃縮液または粉末を、安定したものをつくっていけるということでございますので、そういうサンプルを県内外の企業にご提供することで、いろんな新しい取り組みが出てくると思いますし。特に、県内の企業には、それをより有利な形でご提供していきたいということを思っております。

ぜひ、これによって「海洋深層水は室戸だ」という室戸ブランドの確立に向けても、県として力を入れて取り組んでいきたいということを思っております。

 一応、私からは、以上でございます。

(岡林:高知新聞記者)
 各社、ご質問ありましたら、ご自由にどうぞ。

【グリーンピア土佐横浪(1)】
(池:高知新聞記者)
 グリーンピアですね。須崎市が先日、取得を断念ということで、正式に決定しました。

 県としても、これまでずっと運営に関与してきて、今、裁判なんかも行われていますけれど、今後の活用は、また一転して、ちょっと暗雲が立ち込めているという状況だと思います。

 県外のケースを見ると、例えば、地元市町村がいけなかった場合は、地元の市とか県があっせんして、準公共的な機関が買い取るというようなケースもあるようですが、知事はどのような展望をお持ちでしょうか。

(知事)
 具体的な相手の名前が見えた展望が、今、あるわけではございません。が、今、お話がありました、準公共ということで、例えば、これは具体的なイメージではございません。

 一般名称としてですが、学校法人だとか、福祉関係だとかいうところで、何らかのご意向がないかということは、県として当たっていきたいと思いますし、そういうところがあれば、ご紹介をしていく、あっせんをしていくという労はとっていきたいと思いますが、まだ、具体的なものが見えているわけではございません。

【副知事・出納長人事】
(小川:毎日新聞記者)
 きのう、副知事がお辞めになられるということで出ましたけれども、三役のもう一方の、出納長の人事のほうがずっとこれまで、いろいろ協議されていたと思うんですが、出納長の人事については、今回の議会で、何らかの見解なり提案というのは、出されるおつもりはございますか。

(知事)
 今のところ、考えてはおりません。理由は、何とも明快に申し上げられることではないんですけれども、自治法の改正等々、出納長そのものの位置付けについて、いろんな議論が出ておりますし、これから何らかの具体的な方向が出てくるかもしれません。

 そういうことを踏まえますと、出納長だけを取り出して選任をするということが、時代の流れからしてどうかな、ということも思います。

 もちろん、出納業務というのは大変大切な業務ですので、出納業務をないがしろに、ということではございませんけれども、出納業務の位置付けを高めるということと、出納長を選ぶということとは、また別の意味がございますので、そういう特別職としての出納長ということは、なかなか今の時代の流れの中で、それだけを取り出してということは難しいのではないかという意識というか、思いがございます。

 そのまた背景には、副知事の候補と併せてお示しをできるのであれば、それは、そういう形もありうるだろうと思うんですけれども。副知事さんのことは、前々からお体のことは、ずっとお聞きをしていましたけれども、最終的に「どうしてもここで引きたい」という強い辞任の意志をお伺いしたのは、今回が初めてでございますので、その意味で、後任の候補を誰、ということを想定しながら何カ月間かを過ごしてきたわけではありません。

 つまり、副知事の候補が全く白紙の状況で、出納長さんを、ということをなかなかしにくい、という今、時代環境ではないかという意味で、少し長くなりましたけれども、出納長さんだけを今議会で出すということは難しいということを思っております。

(釜本:時事通信記者)
 今の発言の中で、特別職としての出納長を取り出すというのは難しいのでは、というお話がありましたが、それは、将来的にわたって、出納長というポストの廃止も踏まえて検討するということでしょうか。

(知事)
 「踏まえて」ということで言えば、選択肢の中にはそういうものは、頭の中にはないわけではありません。そういう意味では。
 しかし、それが、大きな意志として、頭の中で大きなウエートを占めているというわけでもありません。ただ、現実に、そういういろんな議論の流れが出てきておりますので、そのようなことも、1つの時代環境としては、捉えなきゃいけない、ということを思います。

(釜本:時事通信記者)
 いわゆる出納長に加えて、今度からまた、二役が不在という状態になりますが、そのことについての受け止めというのは。

(知事)
 それは、私は、私自身の仕事の重みとか、また、部局長さんそれぞれの仕事の重みというものが増してくる、ということはあると思います。
決して、このままが望ましいと思っているわけでは、もちろんございません。けれども、県民の皆さんが心配をされるようなことはない、ということは、自信を持って申し上げられます。

 つまり、今の、部局長さんをはじめとする県庁の体制で、十分、仕事としては進めていけるだろうと思います。ただ、県庁の中の予算編成だ、国との協議だ、というだけではなくて、それこそ問題になっております県議会との関係等々、特別職にはいろんな役割というものがございますので、そういう意味では、できるだけ早く選任の議案を提出したいという思いはございます。

(岡林:高知新聞記者)
 関連しますが、その二役が不在になるということと、全国知事会にご出席されると。つまり、外部に向かって知事がアピールしていかなければならない状況にあります。そういった状況の中で、当面の庁内体制としては、現行の体制のままでいかれる。つまり、ポストという意味合いではないですけれど、何らかの権限というとおかしいのかな、副知事に代役というような形で、臨時的に考えられるような措置もお考えにはなられていないということですか。兼任はないということですか。

(知事)
 まだ、それが必要かどうかの検討というか、意見交換を庁内でしておりません。副知事さんの話も、表に出て数日ということですし、その前に庁内で協議したのもわずか数日しかございませんので、そこまで踏み込んだ議論をしておりません。今のご指摘を受けて、そういうことが必要かどうかは、協議をしてみたいと思います。

(篠塚:朝日新聞記者)
 出納長、副知事の両方を置くなり、副知事だけ置くなり、いろんな対応が考えられるかと思うんですが、知事の中で、お気持ちとして、いつまでという期限ですね。これについては、何か思いはございませんか。

(知事)               
 それは、「なるべく早く」としか申し上げようがありません。「なるべく早く」という意味は、1つはやはり、これだけ仕事も大変多くの課題を抱えている時期でございますので、いくら私と部局長でこなせるといっても、それは、いろんな役割分担からいって、少なくとも副知事さんがおられて、庁内の取り仕切りをしてもらうというようなことがプラスになることは間違いございませんので、そういうことを踏まえて「少しでも早く」ということを思います。

 また、もう1つ、今回、吉良副知事が引かれた時機のタイミングとしては、私の出直しの選挙の後、残りの任期を、1人の副知事さんなり出納長さんなりの体制で、そのまま途中でまた交替ということがないような形で、3年間を通したらどうかという思いが吉良さんには当然あっただろうと思いますので。そういうことからも、「出直しの選挙を終えて」「早い段階に」という2通りの意味で、できるだけ早く選任をさせていただきたいと、選任の議案を提出させていただきたいというふうに思います。

(釜本:時事通信記者)
 また関連になってしまいますが、副知事の人事に関して。前回、吉良副知事のときには、女性副知事というふうな構想を話されました。

 急な事態ではありますが、どのような人物が望ましいのか。先ほど、特別職と議会との関係などのいろんな仕事があるという話も出ましたが、今、考える…。具体的な人名はまだないかもしれませんが、どのような人物を考えているかという。

(知事)
 前回は、モード・アバンセという事件があって、その後という意味合いもございました。そういう意味からも、庁外でこれまで育ってこられた方の目線、また、女性の目線ということが特に求められているということを申し上げました。

 今、やはり1つは、議会との関係。これは、副知事だけではなくて、出納長も一緒に選任ということであれば、三役含めてということでございますけれども、そのことも1つのポイントだろうと思います。

 それから、やはり、県庁の仕事というものを、一定、知っている。そこにどっぷり漬かっているかどうかは別にして、やっぱり知っていて、理解もしていて、それで、改革という言葉で言えば、どこをどう変えていくべきか、ということの理解もできる方ということになろうと思います。極めて抽象的にしか言えないので、あれですけれども。

【グリーンピア土佐横浪(2)】
(知事)
 なんか、(先ほどの質問は)グリーンピアは特にこうしたらというような思いがあっての(ことなんですか)?

(池:高知新聞記者)
 指宿ですかね。なんか、廃虚みたいになったところがありますから。

(知事)
 そうならないようにという…?。

(池:高知新聞記者)
 その二の舞いになるんじゃないかとか。
 これまでの判断っていうのが、いろいろ不運とかもありましたけれども、知事がご覧になって、いたしかたないレベルなのか、それとも、ほかになんか、振り返ってみてあったのかなと思って。そのあたりは。

(知事)
 「これまでの」ってのは、どの時点からかはあれだけど、例えば須崎市の医療法人とのかかわりとか。

(池:高知新聞記者)
 ええ。さらにその前の、ホテル経営であるとか、あるいは、その前の段階。

(知事)
 ああ、もっと前まで。
 そうですね。それぞれ関連をしている方がいるし、自分自身の責任というか、目配りということもありますので、軽々なことは言えませんけれども、いたしかたなかったとは言えないだろうと思いますね。

 やはり、振り返ってみて、こういう形になっているわけですから。何かもっと、より良いことはできたのではないかということを思いますし、それができなかったことを、非常に残念には思います。

 それから、ホテル経営が終わった後の、いろんな方が手を挙げられて、というところでは、やはり十分な意思の疎通というか、誤解があった点がありますね。所有権の移転やなんかについて。

 それは、直接、その法人の代表者ともお話をしましたけれども、全くやはり、「誤解して、自分は理解をしていた」ということを言われておりましたので、そこら辺が、「どうしてそういうふうになるかな」ということは検証してはおりませんけれど、非常に単純なというか、分かりやすい間違いなので、「どうしてそうなるかな」ということは思いましたけれども。それはちょっと、個別のことになりますので。

【県議会との協力】
(岡林:高知新聞記者)
 先日、県議会の会派を回られたときに、議会と協力してやっていきたいという部分として、三位一体改革のお話をされていました。先ほど、全国知事会にも出席される、ということを踏まえて言うと、県議会の方々と、知事会に行かれる前に、副知事等がおいでになれば、また状況が違うんでしょうけれど、三役がおいでになりませんので、知事ご自身が何らかの話し合いをして、一定、意見集約をして、というようなことを踏まえた行動をされるお気持ちはありますか。

(知事)
 それは、具体的にまだ、話をしておりませんけれども。きのうも回って、ということでは、自分としてはなんか「そういうことができればいいな」とは思いました。ただ、具体的にちょっとできるかどうかということと、会派の数も多うございますので、どういう形でやったらいいかとか、議会前での議会側の日程のご都合もありますから、ちょっとできるかどうか分かりませんので、口には出しておりませんけれども。公式、非公式を問わずというか、全会派とこう、ということではなくても、なんらかそれはできたらいいなということは思いました。

(岡林:高知新聞記者)
 今回、全国知事会と、議長会ってありますけれども、若干温度差の違いがあったかなと。そういう部分で、県が一体的にしようとして、物申す姿勢というところで、ちょっと足並みがそろわなかったとは言いませんけれど、ちょっと前向きな形で全面的に前に出てくるような感じにはならなかったように思いますので。そのあたり、議会との関係ということで言うならば、1つの端緒として、そういった部分で話をするという機会を設けるというのは、県議会のほうからもご意見があるんじゃないかなと思うんです。そういう形として。

(知事)
 分かりました。それは、はい。

(市川:共同通信記者)
 当選後、議会を回られて、議会側から、議員さんからのアクションとか、手応えとかいうものは、何か感じるものというのはございますか。

(知事)
 それは、会派による、また、会派の中でも議員さんによる温度差というか、がございますので、一概には申し上げられませんけれども。まだ、形の上でまず一回りしたというのが現状ですが、それだけでも一定距離感の近い会派などでも、これまで行って、座って、話をするということがほとんどありませんでしたので、そういうことをする中で、それなりの感触ということで言えば、それはないわけではありません。
それが具体的に何かということではないですけれども。やはり、人と人が会話をするということは、それぞれのやっぱり、感触もあるし。まあ、面と向かって話をしていて、そう人間関係ってのは悪くなるものではないだろうと思いますので、やはり、直接会ってお話をすることの意味というのは、十分感じました。

【職員団体との対話】
(市川:共同通信記者)
 この間の、県職労との交渉でもそうなんですけれども、知事の対話というか、協調というムードに、周囲が戸惑っているっていうか、そういうところもあるかと思うんですけれど。そういうふうなことを選んだ理由というか。そういうのは、あらためて心境の変化というか。

(知事)
 いや、もともと対話と協調が嫌いなわけではありませんので、対話をしていくということは、私は、基本的なスタンスとしては、相手側の方がどう受け止められたかは別にして、大して変わっているわけではありませんし、特段の心境の変化があったということではありません。

 要は、いろいろ、1つは、時間的な余裕がなかったという面もあろうと思います。それから、1つは、もっとこう、例えば職員団体であれば、基本的な部分での対立点が、大きなものがあったとかいうことがあろうと思いますけれども。

 職員団体との間でも、いろんなこれまでの、私個人ということじゃないですけれども、執行部とのやりとりの中で、私の目から見れば、随分改善をされてきた、制度的にも変わってきた面が多いと思います。

 ですから、これ以上そう、ぶつかり合ってどうのということよりも、それこそお互いが会って顔を合わす中で。そう言うとまた、担当課長さんは「大きないろんな課題が残っているから、そう簡単にはいきません」と多分おっしゃるだろうとは思いますけれども。

 しかし、知事という立場で言えば、大きな流れとしては、相当、1つの山、2つの山は、越えてきているんじゃないかと思いますから。

 その後、私の立場から言えば、今、申し上げたような対話ということをさらに表に出して、取り組んでいっていいのではないかなと。それを、心境の変化と言えば、そうなのかもしれません。心境の変化なのか、状況の変化なのかは分かりませんけれど。なるべくそうしていきたいということを思います。

 職員団体とのニュース、記事などをご覧になって、ああいうことをほかのいろんな団体とも、時間ができたらやったらどうかというお勧めをいただいたこともありました。

【三位一体の改革に対する県内6団体の会合と高知市との連携】
(釜本:時事通信記者)
 三位一体のところに戻るんですが。知事会による働き掛けという話もありますが、いわゆる知事の選挙期間中に設立されました、県内の6団体の会合。こっちが、1度の会合の後、2度目はまだ開かれていないんですが、そういうのも踏まえて、あす、高知市長との会談があると思いますが、市との連携という意味で、どのように協力していきたいかというのが1つと。

 あと、岡崎市長が、選挙戦では対立候補の応援というふうに回られたわけですけれど、そういう意味でのしこりがないのかということ。
 2点、お聞きします。

(知事)
 私はまあ、何でもしこりがなさ過ぎるので、いろいろいつまでも、逆に対立が続くというご指摘も受けます。要は、しこりというか、敵に対して明確な回答をしないから、いつまでも敵は敵のままでいるんだという。岡崎さんが敵だと言うんじゃないですよ。

一般論として、そういう言われ方をしますが、性格的にあまり、戦った相手だから、いつまでもしこりを残して、という性格では全くないので、特に仕事の上で、お付き合いをしていくということに、何ら自分自身として、痛痒(つうよう)というか、しこりもだし、わだかまりも感じないたちですので、それは特段ありません。

 それから、高知市とどう三位一体のことで連携していくのかということですか。

(釜本:時事通信記者)
 あとは、県内6団体の会も設立されていますが、そこの生かし方という点ですね。知事、その間、不在だったと思いますので。

(知事)
 高知市だけどうの、ということではないんだろうとは思うんですよね。高知市だけを取り上げて、中核市だからといって、なんか三位一体で特段あるかな、というのはちょっと浮かばないので、分かりませんけれども。

 県内の6団体がどうしていくか、ということは、第1回を開くときにも、先ほどちょっとご指摘のあった、議長会等との若干のずれとかいうことがあったことは聞きましたけれども、今後、それをどう使っていくかというところまで、ちょっと踏み込んだ話をしておりませんので、そのことも課題として受け止めて、どのような形でそれを生かしていけるかということは、考えてみたいと思います。

(司会)
 よろしいですか。ご質問がなければ。

(知事)
 ありがとうございました。


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