公開日 2007年12月08日
更新日 2014年03月16日
三位一体改革の実現に向けての緊急声明
平成15年6月20日11時20分から(県庁二階第二応接室)
(項目)
・6月議会への提出議案
・職務に関する働きかけについての取扱(1)
・知事の人間ドックの結果
・知事選への出馬表明
・日高村のエコサイクルセンターに関する振興策
・三位一体の改革への評価と対応
・職務に関する働きかけについての取扱(2)
・知事選に対する考え方と公約づくりの手法
(6月議会への提出議案)
(知事)
6月の定例の県議会を6月27日に招集をすることにいたしました。提出をいたします議案は、私も含めました三役の退職手当に関する事項を定めた条例など13件でございます。また、この他にSARS対策の充実のために行いました予算の専決処分についての報告が1件ございます。
(職務に関する働きかけについての取扱(1))
また、今回の議会には、広く県民の皆さんから寄せられる様々な「働きかけ」を記録をし、情報を共有をし、それを公表していくという取り組みにつきまして、これまで県として検討をしてきたことの案をお示しをし、ご報告をし、ご意見をいただきたいと思っております。
このことは、そもそもは、県が行いました融資に関連をいたします一連の出来事に端を発しておりますので、特定の団体や個人の関与、圧力をどう排除していくかということから検討が始まったといういきさつがございます。
けれども、庁内で議論をしていく中で、これが不当(な働きかけ)だというふうに一元的、一面的に定義する、基準づけをすることは非常に難しいということがわかってまいりました。
このため、広く県民の方々から寄せられます要望などを含めた「働きかけ」を記録をし、公表をしていくという考え方をとりまとめております。
といいましても、もちろん、県民の方々から寄せられます様々な情報の提供やご提言、また苦情といったことを規制をしたり、制約をしていこうというような意図、ねらいは全くございません。
もちろん、先ほども言いましたように、不当な関与をどう排除できるかということがその根っこにはございますから、そういう趣旨も含まれてはおります。けれども、そのこと以上に、様々な働きかけに対する県政の透明性を高めていく、また、それにどう対応したかということへの説明責任を果たしていくということをこの取り組みの目的としております。
あわせまして、これはただ単に外部の皆さん方との関わりを取り決めるということだけではなくて、そもそもこれまでの県庁の中にあった仕事の仕方を変えていく、切り替えていくということに繋がるのではないかと思っています。
といいますのは、これまでの県庁の仕事、全てそうだとは言いませんけども、その中には、「とにかく、どういう手法を使ってでも仕事をやり遂げていけばいい。それが仕事のできる職員だ」というような評価、風土があったのではないかと思いますし、別の見方で言えば、「いろんなことがあっても、なるべく波風を立てずに、上手くそこをまとめていく職員、それが腕のいい職員だ」という評価や風土もあったと思います。
こうしたことが、様々な隙をつくり、その隙を外部の方から付け込まれるというきっかけにもなったと思いますし、また別の意味では、こうしたことから、なるべく都合の悪い情報は外に出さないというような風土も根強く残ってきたように思います。
このような仕事の仕方を基本的に変えていかないのであれば、今回ご提案をいたしますマニュアルができたとしても決してそれは機能していかないということを考えれば、この働きかけに対するマニュアル、取り組みというものは、単に外部の皆さん方との関係を取り決めるということだけではなくて、県庁の職員一人ひとりが、私も含めて、仕事の仕方を思いきり変えていく、透明性、説明責任ということでより強い責務を感じていくということが、このマニュアルによって求められなければいけないと思っています。
もう一つ、議員や市町村長という立場の方から様々な不安の声があるということも伺いましたが、そもそも公職にある方々は、一般の県民の方以上に県の仕事との関わりの透明性、またそこでの仕事の説明責任ということに、より重い責務・責任を負っておられると思います。
少なくとも、公職にある方と県との間の仕事が不透明であってはいけませんし、そのことが十分説明しきれないようなことであってはなりません。その透明性を高め、お互いがどういう仕事をしているかということについて責任を持って説明をしていくということ、その必要性に疑問を感じられる県民はほとんどいらっしゃらないのではないかと思います。
あわせて、こうしたことは、決して何かマイナスだとか、これまでやっていたことに何か問題があったのではないかという見方だけではなくて、よりプラスに捉えられることもあるのではないかと私は思います。
というのは、鳥取県さんが、例えば議会の議員の方々などからの働きかけを公表するということを既にやっていらっしゃいますが、これまでに公表されました20件前後の事例を見てみますと、決して何か後ろめたいとかいうようなことではなくて、前向きな働きかけ・ご提言というものも数多く見られます。
で、例えば、県議会議員の皆さん方の活動ということでいえば、従来は、県議会でのご質問、またそれに対する執行部の答弁ということが新聞やテレビのニュースなどに取り上げられるということでしか、そのお仕事ぶりが紹介をされないという面があったと思いますけれども、こういうような働きかけの公表ということによって、「ああ、こんな仕事もしているのか」ということを、逆に県民の方々に知っていただくチャンスにもなるのではないかというふうに思います。
あわせて、議会にしろ、市町村長にしろ、私などでもそうですけれども、そもそも「頼まれてもそんなことできないね」というような働きかけはあります。そういうものを「もうこれからは記録をして公表していくんですよ」と言うことによって、「これまでは、一応話は聞いてきたけど、もうこれからは公表されるんですよ。それでもいいですか?」ということによって、そのような様々な働きかけをお断りをしていくこともできるのではないか。
という意味で、私は、公職にある方々にとっても、このように記録し公表するということは、何もマイナス的な要素ではなくて、よりプラス的な要素の方がはるかに大きいのではないかということを思っております。
このようなことから、議会にご報告をし、ご意見をお聴きをしましたうえで、なるべく早い時期に、この働きかけに対する取り組みを実施に移していきたいと考えております。
私からは以上でございます。
(松浦:朝日新聞社記者)
それでは皆さん、質問がありましたら手を挙げて、順次お願いいたします。
(岡林:高知新聞社記者)
働きかけに関しての質問なんですけれど、県議会の方からも「知事に対して働きかけがあった場合、知事本人はどういう形で公表されるのか。そういったところの説明責任を求めたい」という声もあったんですけれど、先ほどの知事の話では、ご自身の透明性、説明責任も含めてというお話だったんですが、このマニュアルでの公開の対象に知事がなってるように思わないんですけれども、そこらへんはどういう?
(知事)
対象になってないことは全くありません。私ももちろん対象ですし、議会の方からそういうお声が出るのであれば、これまでも議会議員の方からもいろんな働きかけをいただいておりますので、今後もそういうことがあれば、それはもう積極的に公表してまいります。
(岡林:高知新聞社記者)
それは、一般の県民の方から働きかけがあった場合も同様だと考えてよろしいですか?
(知事)
それはもう全く同じですね。何も違いはございません。
(総務部長)
付け加えますと、知事から各部局に実際に話を下ろしてもらって、各部局が記録する、というやり方になろうと思います。
三役につきましては、そういうやり方を考えています。
(知事)
私自身は、これまでも公表したくてしょうがありませんでしたから、どんどん、働きかけがあれば、公表をしていきたいと思います。
(岡林:高知新聞社記者)
透明性を高めるという意味合いで言うならば、相当量の部分を公表しなくてはならないだろうと。つまり、先ほどの鳥取県の例だと、いわゆる公職の方々にある一定限定された公表の仕方もあっただろうと思うんですが、先ほど言われたように、不当なものだけでなく正当なものもあわせて公表するということであれば、相当数のものを公表していかなくちゃいけないと。
そういった部分の事務量、それから、もしくはその、どういうところ、どういうものについて公表していくかというのがなかなかマニュアルで設定できるものではないんじゃないかなと。
つまり、個々の職員の考え方であったりですね、そういった部分が大きいものになってくると思いますが、そこらへんのお考えは?
(知事)
まず第一に、私は、「透明性」と「説明責任」というのは、これまでもそうですが、これからの県政において最も重要なテーマだと思います。
その時に、「事務量が増えるんじゃないか」とかいうことで躊躇すべきではないんじゃないかと。まずやってみて、どういう状況かということを考え、そこで何か問題があれば見直していくという考え方をとるべきではないかなと。
何か事務が多いんじゃないか、基準が曖昧ではないかと言って、何もしないままでいくというのは、これまでのお役所仕事の考え方と同じ考え方ではないかと思います。
また、事務量からいっても、そんなに多いことはまずないだろうと私は思います。
というのは、常識的に考えられるような、公式の場でのいろんなご要望だとか、陳情だとか、そんなことまでいちいち記載をするということではございませんし、また、文書で差し出されたものを改めて書き直すということでもございません。
また、例えば、立ち話で「このあいだのあの話はどうなったかね」という類までいちいち書いてどうのこうのということではございませんので、それはもう、このマニュアルを設けた趣旨を考えていけば、一定そういう働きかけを受けるであろう地位にある者であれば当然、県職員として、それぐらいの区分けというのはできるのではないかと私は思います。
(松浦:朝日新聞社記者)
議員以外の方々の氏名の公開ですけれども、一般の方についてはある程度プライバシーというのがあると思うんですけれども、例えば団体名のようなものについて、一個人と団体とを区別して基準を設けたりというようなことはお考えではないですか?
(知事)
公表という場合ですか?
(松浦:朝日新聞社記者)
はい、そうです。
(知事)
それは情報公開条例に則りますので、このマニュアルに個別の何か公開の基準があるということではありません。
例えば、非常に個人的なご家族の問題に対してのことで、しかもこういう働きかけとして記載をすべきという事項があった時に、そのご家族のプライバシーに触れることについて個人名を公表しないというようなことは、それは情報公開条例に基づく公開基準でございますので、このマニュアルによって何か個別の公開の基準があるというものではないです。団体についても同じでございます。
(知事の人間ドックの結果)
(関谷:毎日新聞社記者)
先日、人間ドックをお受けになったと思うんですけれども、健康面ではいかがでしたか。
(知事)
健康面は特段何も問題がありません。
ただ、胃はですね、萎縮性の胃炎があるということは前から言われておりますし、それから、例のピロリ菌がいるということで、前に、去年だか一昨年だか一度除菌をしましたが、耐性を持ってるピロリ菌なので、除菌できないままいますので、もう一度何か除菌をしてみようと言われています。
(関谷:毎日新聞社記者)
知事がかつて「知事という職は体力と気力である」とおっしゃられていますが、そういう意味で、四選に向けて不安材料というのは全くないと?
(知事)
体力、気力という意味では、今仕事をしていくうえで、何も不安はありません。
(知事選への出馬表明)
(釜本:時事通信社記者)
その四選に関してなんですが、6月議会で説明等をされるおつもりはあるんでしょうか。
(知事)
6月議会で?
いえ、それは今のところ…、というか、ございません。
(松浦:朝日新聞社記者)
同じ質問になるんですが、議場では立候補表明のようなものはしないというお考えなんでしょうか。それとも「時期が」ということなんでしょうか。
(知事)
「時期が」です。
別に、議場では絶対にしないというようなことを決めてるわけでは全くありません。
(日高村のエコサイクルセンターに関する振興策)
(宇野:NHK記者)
(日高村の)エコサイクル(センター)の件で、日高村から振興策242億円というのが提示されてまして、このあいだ執行部と文化厚生委員会の話し合いでも、部長の方からも「(日高村からは)ゼロか100かというような答えしか返ってこなくて苦慮している」というお話がありました。
(文化厚生委員会の)委員の人たちも、「こんなことじゃ、前例になっても困るし、これはおかしいんじゃないか」という話がたくさんあったんですが、知事の方で県と日高村との間の話し合いにもう一度出られて、調整されるようなおつもりというのは、今ありますか?
(知事)
まだ、私が直接出て行ってということまで詰めて考えてるわけではございませんけれども、今ご質問がありましたように、「ゼロか100か」ということではなかなか話が進みませんし、文化厚生委員会でのいろんな厳しいご意見もございます。
また、委員会審議以外でも、委員の方からのいろんな厳しいお声を聞いておりますので、そういうことを、来週初めに担当部が日高村の方にご説明に行って、なお、日高村から出されたご要望の事業について制度にのるもの、のらないもの等々の一定の区分けとかいうものをお示しをしながら、
「どれができて、どれができない」というふうな個別の話ではございませんけれども、もう少し具体的な形で議論をしていただく余地がないかということを、文化厚生委員会でのご議論なども踏まえて、ぜひ日高村の皆さん方に投げかけを、まずしていきたいと。
その後、私が直接ということは、それは否定はしませんし、あるかもしれませんけれども、今の段階はまだそこまで詰めたことではなくて、まず担当の部、課の方からそういうお話を来週初めにしていこうというふうに考えております。
(宇野:NHK記者)
242億という相当な額に上るわけですよね。で、中身は、JRの駅の整備ですとか、学校にプールをつけるとかいうところまで入っているわけですが。
(文化厚生)委員の中にはですね、「村の総合計画を県が肩代わりするわけじゃないんだから、直接(エコサイクルセンターの)施設ができることによって変わる部分に対する補償であるべきだ」という意見もありましたけども、そのあたり、どういう部分に限定して振興策というのはあるべきだというふうにお考えですか?
(知事)
私は、一般論ですけれども、一定の地域を限定をするという必要もないだろうと思います。
ただ、そのことは、「ゼロか100か」ということと同じように、「地域を限定する必要がない」ということが「すべての地域にいろんな施設展開をして」ということには繋がらない、ということもまた確かでございますので、そこは、今回の事業の特性、それからこれまでの経過というものを踏まえて、
従来からの経過の中で考えなければいけない事業ですとか、その事業をお願いをする地域のことに関する事業でございますとか、あわせて少し幅広に、地域全体のこれからのまちづくり、振興策、交流人口だとか、若者定住だとかいう形で出ているわけですけれども、そういうものをまとめて考えていくべきだというふうに思います。
(松浦:朝日新聞社記者)
振興策の額ですけれども、「(エコサイクルセンターの)事業費が70億円程度なので、それ以上というのはむずかしいのではないか」という担当部の話を聞いたこともあるんですが、それについては知事としてはどうでしょうか。最高額というような意味で…。
(知事)
それは担当部の担当している人の個人のつぶやきであって、決して県としての結論としてそういうことを考えているわけでもございません。
まずはですね、「ゼロか100か」、「100でなければもう議論に応じられない」ということではなく、もう少し、具体的な内容について議論をさせていただかないと、話は進まないということを思います。
進まないというのは、文化厚生委員会でのご議論なども背景にすれば、県議会での議論そのものが進まなくなってしまうと思いますので、そういう流れ、環境というものを日高村にお伝えをして、もう少し詰めた議論ができる状況をつくっていくということが先決だと思っています。
(三位一体の改革への評価と対応)
(釜本:時事通信社記者)
三位一体(の改革)についてなんですけれども、税源移譲の総枠自体はだいたい示されましたが、具体的な手法ですとか時期についてはきっちりしたものが出てないと思うんですが、今後国に対してどういう働きかけをしていくのかという点と、(先日知事から)「一定評価する」というコメントが出ましたが、実際にこうカッチリ決まってみて、知事のお考えというものについてお願いします。
(知事)
昨日の林財務省事務次官の記者会見での発言などを聞いておりますと、「一定評価する」と言ったのは少し甘すぎたかなという気も正直しております。
というのは、記者会見の全文を読んだり聞いたりしているわけじゃありませんから、ニュアンスの取り方に違いがあるのかもしれませんけれども、「義務的な経費についても100%ではなくて8割ということを前提に考えていかなきゃいけない」という趣旨のことを言われたと思います。
それは明らかに小泉総理が指示をされた考え方とは違うというふうに私は受け止めますので、総理が指示をされながら、なおやはり、そういう動きがもう数日のうちに出て来るという状況を考えますと、「一定評価する」などと…、「などと」と言っちゃいけませんけれども、あまり人のいいことを言っていてはいかんなと。
もう少し詰めていかないと、また年末の予算の時に予想外のどんでん返しが来て、地方が右往左往するということになりかねないということを思いますので、もう少し厳しめに流れを見て、これからもきちんと地方の声・地域の声を伝えていかなきゃいけないと思っております。
ただ、これまでの地方分権改革推進会議での水口試案ですとか、会議そのものの運営のあり方、仕方だとか、その流れを見ている限り、あそこで出て来た「義務的経費とその他の補助金等を一定分けていく」という考え方は、やはり地方の考え方を受け入れたというふうに受け止めましたので、その点は評価をいたしましたけれども、まだまだそれは第一歩であって、これからもっとしっかりと意見を申していかなきゃいけないというふうに思っています。
(職務に関する働きかけについての取扱(2))
(須賀:高知新聞社記者)
働きかけの件ですが。すみません、ちょっと勉強不足で、その要領を綿密に読み込んでないんですけども、提言とか働きかけに対して、県の職員の方、もしくは知事さん以下の受け答えというのは表記されるんですか?
(知事)
受け答えも必要によっては当然表記していいと思います。
(須賀:高知新聞社記者)
その「必要によれば」というのは…。
(知事)
「必要によれば」というのは「そのことが意味をなすのであれば」ということです。
(総務部長)
働きかけの内容を記録する時に、対応方針とか、どういうふうに対応したかということもあわせて記録するようにしてます。
(須賀:高知新聞社記者)
ということは、基本的には、原則として要するにやりとりが当然あるわけですから、その「やり」と「とり」が原則として表記されると、こういうことですか?
(知事)
そうです。ただ、ものによっては「はい」と言って承っただけのことというのはあると思いますから、確実に全部書き留められるということではないですけれども。
要は、趣旨はですね、その「説明責任」と申し上げたのは、いろんな働きかけを受けてそれにどう対応したのかということを含めて、県庁内でも共通認識を持ち、それを県民の皆さんにも公表していくということが必要だと思いましたので、趣旨から言えば、そのやりとりをすべて出していくということになります。
(須賀:高知新聞社記者)
知事の考えられるスタンスは、いわゆる県庁というか、公務員側のですね、公職にある側の論理というものがやっぱりウエイトが重いのかなあという受け止めをするんですが。
いい効果、プラスの面が期待されるというふうにおっしゃいましたが、提言をしようという場合は、提言を積極的に県にしたいと、公にしたいという方は、基本的にはまあ個人名というものがですね、自分でも出していいんだろうというケースがまあ常識的だと思うんですが、苦情の場合ですね、
例えば県の公共工事によって補償のない隙間にある方々に迷惑が及んだ場合だとか、そういうケースはですね、苦情として県に食ってかかるという心情をまず持つわけですね。そのことによって、また県の職員の対応が仮に悪かった場合、そうするとつい語気が荒くなる。まあ、そういうケースは実は少なからずあります。
そういうケースでですね、職員がメモされる。で、基本的にはその場で個人の名を記しておいて、それからどういう判断で、フィルターでもって、「個人名を記すべきではないだろう」というふうになっていくのかどうか、非常に外部には分かりにくいそのプロセス。
プロセスのない、分かりにくい公表のされ方ですと、あらぬ誤解も招いたり、それから苦情が言いづらくなったり、ということが想定されるとは思うんですが、そういうことについての協議はどうだったのかということが一点と、あと、この件に関して、弁護士さんには県としてご相談されているんですか?その点をちょっと。
(知事)
弁護士はもちろん、すべて相談をしております。
それから、先ほどの自分のコメントの中でも申し上げましたけれども、個人の県民の方からのそういう苦情が言いにくくなるということがあってはならないともちろん思います。ただ、そういう恐れというのは十分あると思います。
それはやはり、やっていく過程の中でキチッ、キチッと変えていかなきゃいけないことだし、まさにこれは、外部との皆さんの関係を何か記録をするというだけではなくて、県の職員の仕事の仕方、考え方を変えていくということが最大のねらいだと僕自身は思っていますので、今ご指摘があったようなことにならないように、それはこの運用をきちんとやっていくということであろうと思います。その恐れは十分にあります。
(須賀:高知新聞社記者)
弁護士さんは複数ですか?お一人ですか?
(総務部長)
一人です。
(岡林:高知新聞社記者)
例えば、一般の県民の方、もしくは団体の方、それから公職にあられる方、その方々の何らかの働きかけがあったものを公表する場合、それは相手方に対して何らかの通知をして「こういう形で公表しますよ」ということをするとか、そうでなくて、県の判断の中で事後報告のような形をするのか、そのあたりはどういうお考えをお持ちですか?
(知事)
それは、そのあとで法的な問題が起きるかどうかという判断になりますので、一概には言えないことだと思います。
(岡林:高知新聞社記者)
一概には言えない…。
(知事)
一概には言えないと思います、それは。
当然、あとで例えばトラブルが起きる、先ほどのご質問とも同じですけれども、あとでトラブルが起きる可能性があるという時に、弁護士に相談をするというようなことは当然あるだろうと思いますし、そのことによっていろんな判断をしていくということは、微妙なケースでは当然考えなきゃいけないことだと思います。
(岡林:高知新聞社記者)
「微妙なケース」以外でですね、つまり県がその「微妙なケースではないだろう」と、つまり、正当な働きかけであって、県の対応を透明化していく、「こういう対応をした」という部分を県民に分かっていただこうというスタンスで公表する場合はどうなんですか?
(総務部長)
基本的には相手方の言い分というものをその場でできる限り「こういうことですね」と確認すると。で、相手方から「どういうことが記録されたのか気になるから見せて欲しい」ということがあれば応じることにしています。
(岡林:高知新聞社記者)
そしたら、公表する前に応じるということなんですか?
(総務部長)
ケース・バイ・ケースで、相手方の言い方が非常に明瞭であって、これについては相手方も特に内容について異論がないだろうと思われる場合はとりたてて確認する必要のないこともあるでしょうし、確認しないとあとあと相手方と「言った」「言わない」の話が起こるということもあると思いますので、その場で確認するか、あるいは相手方に「記録しますが、これでよろしいでしょうか?」という確認をする。それは、その場の判断になろうかと思います。
(岡林:高知新聞社記者)
一応そういったことはですね、そのお話があった時にお話しすべきじゃないんですか?
「一応、記録させていただきますよ」ということについては、どういう場合であろうとですね、記録対象になると思われた場合は、やっぱり相手方に、働きかけにおいでになられた段階でお話をすべきことではないんですか?
(知事)
「すべき」というか、それはお話をしていいでしょうね。
(岡林:高知新聞社記者)
それが、やっぱり基本的ルールですよね。
(知事)
それは、運用の仕方のルールであって…、はい。
(知事選に対する考え方と公約づくりの手法)
(釜本:時事通信社記者)
また四選の話に戻るんですが、先日の安芸市での発言が大きく報道されましたが、四選に対する考え方を再確認したいというのが一点とですね、あとまた、公約づくりの手法に関して前回(5月21日)の会見でいろいろ踏み込んだ発言もありましたが、まあ何かそういう方向付けについて進展があったかという点についてお伺いさせてください。
(知事)
自分の四選に向けての考え方は、県民の皆さんには…、県民の皆さんというのは、地域でお話をしたり、私の支援者の方々にお話をする時には、「私はこれで辞めるというつもりではない。引き続きやるつもりで仕事をしております」という言い方をずっとしておりました。
その言い方そのものに少し踏み込んだ表現があったりということは、その場その場でありますけれども、安芸でお話をしたことも、従来各地域でお話をしていることと変わりがありません。
ただこれも、これまで申し上げているように、記者会見なり、議会なり、そういう公的な場で出馬を明確にするということであれば、「それでは(四期目には)何をするのか」とかいうご質問が当然ありますし、そのご質問に答えなければいけないということになります。
けれども、それはもう少しきちんとしたものをまとめてからにしたいということで、そういう場での発言はまだ差し控えているということですので、地域での話、という意味での自分の思いはこれまでも変わりはありません。
それから、学生さん達を含めた政策づくりですが、あの日も7人の方が来られ、既にもう10人ぐらい、10人を超える方々がご参加をいただいて、それぞれまあいろいろ自分達で関心を持つというようなことがありますので、そういう分野別で担当も決めて、グループをつくって、週に1回ずつ集まって、議論をしていただいておりますし、メーリングリストもできて、毎日毎日いろんな、メーリングリストでそういう話のやりとりをしています。
(釜本:時事通信社記者)
その週1回の会合には知事も参加をされているんですか?
(知事)
最初は、その安芸市での会の後に高知の市内で集まって、2時間ほどお話をいたしましたが、その後は、ちょっと毎週、毎週は行けませんので、そのメーリングリストで、それを見て、ということに止まっております。
(釜本:時事通信社記者)
時間が経てば、定期的に参加して…?
(知事)
いや、とってもなかなか、それは難しいと思いますね。
(松浦:朝日新聞社記者)
他にはよろしいでしょうか。
どうもありがとうございました。
(知事)
はい、ありがとうございました。