公開日 2007年12月08日
更新日 2014年03月16日
平成19年度 四国知事会議
平成18年6月12日(火曜日)14時30分から16時13分(西予市 愛媛県歴史文化博物館)
(メンバー)飯泉 徳島県知事
真鍋 香川県知事
加戸 愛媛県知事
橋本 高知県知事
(項目)
・開催県(加戸知事)あいさつ
・議 事(平成18年度四国知事会歳入歳出決算 外)
・「四国4県道州制研究会」の最終報告
・意見交換
【地方分権と道州制について】
【四国4県連携の強化について】
【交通運輸対策について】
【その他】
〇司会(藤岡愛媛県企画情報部長)
本日は、大変お忙しいところをお集まりをいただきまして、誠にありがとうございます。ただ今から、平成19年度四国知事会議を開催いたします。
私は、愛媛県企画情報部長の藤岡でございます。慣例によりまして、開催県が進行役を務めさせていただくことになっておりますので、よろしくお願いいたします。
【2 開催県挨拶】
〇司会(藤岡愛媛県企画情報部長)
まず、初めに、開催県であります本県の加戸知事からご挨拶を申し上げます。
〇加戸愛媛県知事 もう4人の会議でございますので、座ったままで失礼させていただきます。
まず、開催県を代表しまして、挨拶を申し上げます。
本日は、大変お忙しいところを各県知事におかれましては、遠路愛媛県の南予地域においでいただきまして、誠にありがとうございました。
この本日の開催地でありますここ西予市は、3年前の4月1日に5つの町が合併して出来上がったところでございまして、西の宇和海から東の四国カルストまで、言うなれば、海抜ゼロメートルから1,400メートルの間の高低差があり、漁業、農業、林業という一次産業の典型的な地域でありまして、広大な大地の中には自然の恵みの豊かな地域でもあります。その中の中間的な場所でございますこの旧宇和町が、山間盆地ならではの豊かな自然環境の中で、稲作地帯でございますけれども、特に今までご覧いただきましたように、国の重要文化財であります開明学校あるいは古い街並み、そしてこの歴史文化博物館という遺産等に恵まれました地域でありまして、宇和島市と大洲市の間をつなぐ街道の宿場町的な機能を持ったところでございます。
先ほどご覧いただきました卯之町中町の街並みでございますけども、江戸時代から民家や商家が続いておりまして、現在でも人々が生活をしている、ある意味では遺跡ではなくて、現代にも息づいた古い地域という認識でもあります。こういった自然環境や文化に恵まれた地域でありますけれども、一方、基幹産業であります農林水産業がご承知のように大変落ち込んでおりまして、人口もどんどん流出していく。その中にあって東予地域、中予地域に比較して非常に憂慮しているような状況でもあります。こういった点で愛媛県も今この南予地域の活性化ということを最重点事項で取り組んでおりまして、このたびの会場もそんな視点から元気づけの一つになればと思って開催させていただいた次第であります。
昨年、地方分権改革推進法が成立いたしました。第二期地方分権改革が進んでおりますけれども、今まで以上に地方が結束をして声を上げていかなきゃいけない、大変重要な時期を迎えていると思いますので、この地域「四国はひとつ」という、そういう方向へ向けて四国の潜在的な力を結集する時がやって来ていると思っております。これまでにも増して4県連携を深めながら、共同してこの四国地域の振興のために施策を推進してまいりたいと考えてもおります。
本日は、多くの提案をいただいておりますので、どうかよろしくお願い申し上げます。
3 座長選出
〇司会(藤岡愛媛県企画情報部長) それでは、これより議事に入らせていただきたいと存じます。
審議に先立ちまして、本日の会議の座長を選出していただきたいと存じます。
慣例によりますと、開催県の知事が座長をお引き受けするということになっておりますが、慣例に従ってということでよろしいでしょうか。
〔「お願いします」の声あり〕
〇司会(藤岡愛媛県企画情報部長) それでは、加戸知事よろしくお願いします。
〇加戸愛媛県知事
ありがとうございます。それじゃ慣例によりまして、座長を務めさせていただきます。
【4 議事】
〇座長(加戸愛媛県知事) 早速でありますが、議事に入らせていただきます。
本日の議題は、お手元にお配りしております「四国知事会議資料」の2ページのとおりであります。その概要を事務局から一括して説明させます。
〇司会(藤岡愛媛県企画情報部長) それでは、事務局から概要をご説明をいたします。
まず、「平成18年度四国知事会歳入歳出決算」及び「平成19年度四国知事会歳入歳出予算」につきましては、お手元の「四国知事会議資料」3ページから9ページに掲載をしてございます。内容につきましては、過日、担当課長会議で審議をいたしました。その上で各県のご了承をいただいておりますので、ここでの詳細の説明は省略させていただきますが、1点だけ、平成19年度歳入の各県分担金につきましては、経費削減の観点から、1割の削減としております。
なお、平成18年度の決算につきましては、会計監査者でございます、これ私が務めておりますが、監査を実施をいたしまして、適正に執行をされていることを確認いたしましたので、併せてご報告させていただきます。
続きまして、「平成20年度の政府予算等に対する提案・要望について」ご説明をさせていただきます。お手元の「四国知事会議資料」10ページから32ページにその概要を掲載をいたしております。
恐縮ですが、詳細につきましては、あらかじめ各県で内容を調整、検討いたしまして、ご了承をいただいたものでございますので、説明は省略させていただきたいと思います。
最後に、「平成19年度『四国はひとつ』4県連携施策について」、お手元の資料33ページに、本年度の連携施策項目を掲載させていただいております。この資料は、昨年度の四国知事会議において合意をされました施策のうち、本年度も継続して取り組む施策、そして、本年度新規に取り組む施策を一覧表に取りまとめたものでございます。新規5、継続20、合計25の施策となっております。
以上でございます。
〇座長(加戸愛媛県知事) ただ今の議題につきまして、一括してご了承いただきたいと存じますが、何かご意見ございますでしょうか。
〔「ありません」の声あり〕
〇座長(加戸愛媛県知事) それでは、ただ今お諮りしました議題につきましては、各県のご了承をいただいたものとさせていただきます。よろしいですか。
〇飯泉徳島県知事 済みません。1件だけ。
実は、地域における医師の確保対策の観点についてでありますが、この中に今公立病院、特に産科、小児科、こうしたところを中心に集約化をという話がありまして、今報道の中でも各県対応に今非常に苦慮をしているといったものが出ているわけでございまして、そうした意味でやはり公立病院に勤めるお医者さんが減ってしまって、どんどんどんどん例えばうちであれば、徳島市の方で開業をしてしまうとか、そういうふうに流れるところがあるものですから、地域医療における公的医療機関の果たすべき役割、こちらの重要性に鑑みまして、特に医師の確保、また病院機能の維持のための支援、まあ特に公立病院に対してということでありますが、こちらを強化をするといった項目をこの際いれていただいたらどうかと、このように思っております。この点は四国4県共通の課題だと思いますので、どうかよろしくお願いをいたしたいと思います。
〇座長(加戸愛媛県知事) はい。今徳島県知事のご発言は、4県共通した認識の問題であろうかと思いますが、皆様方のご了解が得られれば後日事務レベルで文言は調整させていただいて、この要望の中に加えるということでよろしゅうございますか。
〔「はい、結構です」の声あり〕
〇座長(加戸愛媛県知事) はい、ありがとうございました。では、ただ今のような修正を加えることを前提としまして、お諮りしました議題については各県のご了承をいただいたこととして取り扱わせていただきます。
次に、四国知事会の常任世話人につきまして、ご相談をさせていただきたいと思います。四国知事会の常任世話人は、現在橋本知事が就任されておりますけれども、橋本知事の任期が本年12月に満了しますことから、12月以降の次期の常任世話人を選出しておきたいと存じますが、ご意見はございますでしょうか。
はい、どうぞ。
〇橋本高知県知事 申し合わせによりますと、加戸知事に常任世話人をお願いをするという順番になりますし、また、あわせて常任世話人には全国知事会の理事も兼ねていただくということでございますので、あわせて加戸知事にお願いをするということでいかがでしょうかというご提案でございます。
〔「異議なし、結構です」の声あり〕
〇座長(加戸愛媛県知事) ありがとうございます。それでは、お引き受けをさせていただきます。
議題は以上でございます。
【5 報告】
〇座長(加戸愛媛県知事) 次に、四国4県道州制研究会の最終報告に移りたいと存じます。それでは、研究会事務局の香川県の方から説明をお願いいたします。
〇松尾香川県政策課長 事務局を務めさせていただいております香川県政策課長の松尾でございます。よろしくお願いいたします。
それでは、道州制に関する最終報告書の概要についてご説明をいたします。
皆様ご承知のとおり、一昨年の本会議での合意を受けまして、四国4県道州制研究会を設置し、1年目は愛媛県さんに事務局をお願いいたしまして、当時検討が進められておりました地方制度調査会の検討内容をベースに、主に制度面の検討を行いまして、昨年の本会議で中間報告をいたしました。2年目は、香川県が事務局を務めさせていただき、1年目の検討内容を踏まえた上で、四国の現状や特性を明らかにし、四国が道州制に移行する場合の施策展開の可能性、これを中心に検討を行うとともに、1年目に続いて基礎自治体のあり方についても検討を加えました。この間4県の若手職員を中心としたワーキングチームで自由闊達な議論を交わすなど、精力的に検討を進めまして、先般最終報告書を取りまとめたところであります。この場をお借りして、ワーキングチームの皆さんのこれまでの努力に感謝申し上げたいと思います。
それでは、お手元ご配付の道州制に関する最終報告書、薄めの方の要約版に沿いましてその概要を説明いたします。
お開きいただきまして、3ページから6ページまでが第1章「道州制に関する基本的な考え方」でございますけれども、これにつきましては、昨年中間報告いたしました内容でございますので省略させていただき、第2章の7ページ、第2章の「四国が道州制に移行する場合の対応について」から説明をさせていただきます。
まず、1.の「四国の現状及びポテンシャル」につきましては、施策展開を考える前提となります四国の現状を、生活分野、生産分野、行財政分野、この3つの分野に分けて分析し、その特徴を明らかにした上で、四国のポテンシャルと今後の方向性を導き出しております。まず、?の生活分野では、四国は豊かで美しい自然に囲まれ潤いのある生活環境を生み出しております。また、四国遍路を初めとする多様な文化や歴史が育む地域資源が多く存在し、生活のゆとりを生み出しております。一方で、四国外への人口流出や高齢化が進むなど、人口減少や少子高齢化が顕著であり、また、生活インフラの普及率が低いなど、住民生活を支える環境整備が十分ではないと分析しております。
続きまして、?の生産分野につきましては、第一次産業のシェアが高く、また製造業では基礎素材型や生活関連の産業が多い。また、地場産業には日本一・世界一のシェアを誇る企業が多く、業態の多様性がある。さらに、アジアとの交流が生活面や経済面まで拡大しておらず、社会資本や知的資源などの整備活用が十分ではないと分析しております。
次の?の行財政分野では、地方交付税への依存度が大きく、行財政基盤が脆弱であると分析をしております。
続きまして、8ページには、そのまとめとして上の方に記載しておりますけれども、四国は人口減少や少子高齢化が急速に進行し、社会資本整備も十分でなく、産業基盤や財政基盤も脆弱である。このようなことから地域間競争が激化する中、地域の活性化、総合力の向上につながる施策の積極的展開や効率的な行財政運営が求められております。一方で逆に、四国には潤いのある生活環境を生み出す美しく豊かな自然や、遍路文化などが育んだおもてなしの心・助け合いの心など、これまで四国にとって一般には弱みと考えられていたものを強みに変えていくということにより、今後の発展の原動力となり得るものがあると分析しております。
こういったことから、真ん中どころの「今後の四国の方向性」につきましては、大都市圏や他の地方圏と同じ方向ではなく、四国のポテンシャルを十分に活かし、生活や産業面から四国のQOLを向上させる四国独自の魅力、言わば「四国らしさ」の形成が必要であるとしております。
そういったことから、今後の四国の理念として太字で記載しておりますように、「光り輝く水と森のくに四国」「優しさあふれる癒しのくに四国」の2つを掲げ、その内容については下の枠囲いの中に記載をしております。
次に、9ページからは、「四国州となった場合の四国の将来像」についてであります。
まず、(1)の四国州の意義につきましては、○で表記しておりますように、まず、「国と地方における権限と財源の大胆な再配置の実現」、「広域行政課題への迅速な対応」、「地域の特性を活かした総合的・一体的な施策展開」、「地域文化を活かした四国全体の活性化」の4つを掲げまして、これらのメリットを最大限に活かした地域づくりを行うことが、四国が置かれている厳しい状況の打開につながるとともに、四国の発展の可能性をさらに高めることにもつながるとしております。
(2)の、四国のポテンシャルを活かした施策展開の可能性につきましては、ここでは道州制の主旨に基づきまして、四国が目指すべき理念に沿って、「美しく輝き心が優しくなる四国」という方向性のもと、下の枠囲いの太字で記載していますように、環境、産業、交流・文化、安心・福祉、人材育成・活用という5つのビジョンでの施策展開を検討しております。
続きまして、10ページにつきましては、これまで申し上げましたような内容を構成した構成図を記載しておりまして、11ページは、5つのビジョンとその主な内容。次の12ページにつきましては、四国州としての施策展開の可能性の体系図を記載しております。
13ページからは、報告書の本体に記載した施策例のうち、代表的なものを記載しております。まず1番目の、「豊かで美しい四国の実現」のための施策例として、四国の自然の一体的な保全というのを掲げております。まず(ア)の現状につきましては、それぞれ4つの分野におきまして、管理主体あるいは基準が異なっておりますことから、一体的な管理は行われていないということを指摘しまして、施策展開の可能性といたしましては、14ページに記載しておりますように、上流域の森林から海の水環境まで、四国が一体となった環境保全ということを行ってはどうか。あるいは下側に書いています「森林材の四国ブランド化」、あるいはバイオマスエネルギー開発などといった森林資源を活用した循環型社会への取り組みを提案しております。
続きまして、中段の「小さいながらもきらり輝く四国の実現」のための施策例といたしまして、地場産業のブランド化の実現を掲げております。現状では、県境を越えて地域に存在する資源、あるいはそれぞれの試験研究機関などの研究成果が活用されていないこと。また、国と4県の取り組みが、似通ったような取り組みが行われているということを指摘いたしまして、施策展開の可能性といたしましては、15ページの下の枠囲いの中に例示しておりますように、例えば、徳島県の健康関連産業、香川県の「希少糖」技術、愛媛県の無細胞タンパク質合成技術を活かした健康・バイオ関連分野で、「いやしの四国ブランド」を構築してはどうか。あるいは、高知県の「海洋深層水」を各県の地場産業と連携させ、練り製品や醤油、清酒などへの応用による「海洋深層水ブランド産品」の開発など、四国の新たなブランドの育成に向けた取り組みを提案しております。
続きまして、16ページをお開きいただきたいと思います。ここでは、「おもてなしの心あふれる四国の実現」のための施策例として、観光振興への取り組みを掲げております。この分野につきましては、これまでも4県が連携し、あるいは民間ともタイアップした施策が行われておりますが、地域資源の情報発信や観光客の誘客促進、これらについてはそれぞれで実施されており、また、問い合わせや対応窓口が一本化されていないということを指摘しまして、施策展開の可能性として、四国各地の地域資源を活かした四国周遊ルートの設定やPRなど、海外を視野に入れた四国の観光ルート設定や情報発信、また、豊富な地域資源の四国全体での戦略的活用による交流人口の拡大などを提案しております。
17ページには、「安心して暮らせる人に優しい四国の実現」のための施策例として、地域の実情を踏まえた医療体制を掲げております。現状では、法制度上の制約もありまして、県境を越えた医療体制の設定ができないということを指摘した上で、施策展開への可能性として、国立病院との適正な役割分担を含め、四国としての高度医療施設の適正配置の実現、あるいは緊急搬送体制の整備、県境を越える病院間の遠隔診断など、既存の行政区域に左右されず、住民の日常生活圏に対応した効率的な保健、医療、福祉サービスの提供を提案しております。
18ページには、「輝く人のくに四国の実現」のための施策例として、地域の実態に合った教育の実施を掲げております。ここでは、施策展開の可能性として、現状での役割分担を大胆に見直し、国の役割は義務教育の最低基準の設定とし、道州が大学及び高校の専門学科の設置運営を行う。また、基礎自治体が小・中学校と高校の普通科の設置運営を行うことにより、専門性の高い高等教育の実施、あるいは基礎自治体による小・中・高一貫教育など特徴ある質の高い教育の実現のための方策を提案しております。
続きまして、19ページからは、「四国州における基礎自治体の姿」について記載しております。まず、?の「基礎自治体に期待される役割」といたしましては、○で表示しておりますように、住民に最も身近な総合的行政主体としての基礎自治体、地方分権下の地方自治の実現、自立的な行財政運営としての団体自治の実現、多様な住民が参加する住民自治の実現の4つを掲げ、基礎自治体が自主性を損なうことなく機能強化できるよう道州などと共同して取り組むべきとしておりまして、下の?のところに書いておりますように、道州制下の役割分担に基づいた基礎自治体への権限移譲、道州の長の諮問機関としての市区町村との協議の場の設置、四国人材育成センターや四国振興基金の設置といった道州などとの共同のあり方の方策を提案しております。
20ページに移ります。?の「地域への住民参加促進に向けた取り組み」として、地域コミュニティ組織によるまちづくりへの取り組み、コミュニティビジネスサポートセンターの設置、住民の行政参加促進を促す条例の制定などを提案しております。
次に?、「小規模自治体への対応」としては、道州制のもとで基礎自治体としての役割を担い切れない小規模自治体に対する補完については、近隣の基礎自治体の水平的な補完を基本としつつ、それが困難な場合には道州による垂直的な補完も柔軟に対応すべきとしております。
第3章は、「道州制に関する今後の取り組みについて」であります。(1)の「分権型社会のための道州制の取り組み」では、道州制導入の最大の目的が地方分権の推進であることについて、国と地方が共通の認識を持ちながら、国と地方の権限、財源を大胆に再構築し、国全体のあり方についての根本的な見直しを図る必要がある。また、そのあり方について国と地方が対等な立場で議論する場を設け、議論を深めていく必要があるとしております。
次に(2)、「道州制に関する議論の展開」では、国民の間で道州制についての理解が進んでいない状況を踏まえ、今回の報告書をもとに地域での理解を深めるとともに、地域の主体である住民をはじめ各界と幅広く議論を深めていくことが求められるとしております。
22ページの(3)、「地方分権に向けた取り組み」では、道州制の議論にかかわらず四国が連携して分権型社会の実現に向けて取り組みを強力に進めていく必要があるとしており、次の(4)、「『四国はひとつ』4県連携施策の推進」では、複雑化・広域化する行政課題に対応し、四国全体として効果的な施策展開を進めていくため、今後も4県連携施策を進めていく必要があるとしております。
また、(5)の「住民参加の仕組みづくり」では、真の地方分権社会の実現のため、今後ともNPOやボランティア団体など、多様な地域の担い手の育成支援や住民が行政に参画しやすい仕組みづくりに取り組むことが求められるとしております。
以上が報告書の内容でございますが、昨今道州制をめぐる検討や議論が加速している状況を踏まえ、本研究会では、今後も引き続き四国4県による情報収集や意見交換を行うとともに、今回の研究成果をもとに分権型の道州制の意義などについて情報提供を行い、意見交換を行うなど、幅広く議論を深めてまいることにしております。
以上で、事務局からの報告を終わります。
〇座長(加戸愛媛県知事) ありがとうございました。ただ今香川県の方からご報告いただきました最終報告につきましては、この後の意見交換で道州制についてのテーマを設けてございますので、その議論の中でご意見、ご感想をお願いできたらと存じます。
6 意見交換
〇座長(加戸愛媛県知事) それでは続きまして、意見交換に入らせていただきたいと存じます。
本日の意見交換テーマは4つ用意をさせていただいておりますが、まず1つ目は「地方分権と道州制について」、2つ目が「四国4県連携の強化について」、3つ目が「交通運輸対策について」、そして4つ目に「その他」を設けさせていただいております。
【地方分権と道州制について】
〇座長(加戸愛媛県知事) まず、1つ目の「地方分権と道州制について」であります。
去る5月に開催された全国知事会議におきまして、第二期地方分権改革と地方税財源の充実強化について議論がなされ、骨太の方針や地方分権改革推進委員会が取りまとめる基本的考え方の中に、全国知事会として盛り込むべきことを要請する事項を取りまとめたところでありまして、今地方にとって地方分権改革と地方税財源の充実強化が大きなテーマとなっております。そこで、まず「地方分権改革」についてご意見をお願いいたします。各県が参画しております全国知事会のプロジェクトチームの状況などを踏まえまして、それぞれ何かご発言ございますでしょうか。
〇真鍋香川県知事 それじゃ、いいですか。
〇座長(加戸愛媛県知事) はい。
〇真鍋香川県知事 やはり地方分権これから大変大事な課題であると思っています。特に今、「未完の改革」というふうなことにとどまっておるわけでございますけれども、本年の4月には地方分権改革推進委員会が設置をされまして、地方分権社会の実現に向けて第二期の地方分権改革がスタートしたところでございます。今後地方が自立した個性的な地域づくりを行っていくためには、地方へのさらなる事務、権限の移譲とか、あるいは補助金等による国の関与の廃止、縮減、税財政面での改革を進めて、真の地方分権社会の実現に向けた改革を推し進める必要があるというふうに私も思っておるところでございます。国と地方の役割分担のあり方につきましては、全国知事会において示された基本原則の「地方にできることは地方が担う」という考え方で、人々の暮らしを支える公共サービスは、地方が担って責任を持つということを基本にしていくべきであると思います。また、同時に、国のあり方の変革も進めていかなければならないと思っております。
地方分権に関しましては、全国知事会で地方分権推進特別委員会を設置しまして、その中に幾つかの小委員会とか各分野のプロジェクトチームを持って検討を進めておりますが、そこでの議論を踏まえて国と地方の役割分担のあり方を詰めていく必要があるというふうに考えております。
香川県は、環境プロジェクトチームに属しておりまして、「大気・水質等」に関しましては、さらなる国と地方の役割分担の見直し、権限の移譲、国の関与等の廃止、縮小によって、地域の実情に応じた総合的な環境保全対策の迅速な実施を可能にすべきであるという方向で議論が行われております。
また、「廃棄物・リサイクル」に関しましては、産業廃棄物や環境負荷の抑制に取り組むには、産業廃棄物の流れや処理状況の実態把握が不可欠で、それに関して国の責任の明確化を図ることが必要でございまして、一方で、地方が地域に応じた実効性のある対策を講じることができるような制度を構築すべきであるという方向で議論が進んでおります。こういった各分野別のプロジェクトチームの議論や、各小委員会での検討を踏まえつつ、政府の地方分権改革推進委員会の動きも注視しながら、国と地方の役割分担のあり方や、今後の地方分権の推進について検討や取り組みを進めていく必要があるというふうに思っております。
先日、地方分権改革推進委員会では、地方分権改革に当たっての基本的な考え方が示されたほか、近々骨太の方針2007も出されることなどから、そういった動きを注視しながら地方分権改革や歳入歳出一体改革などの流れに適切に対応していかねばならないというふうに思っております。これからも四国4県でよく意見交換をしながら進めていきたいと思っております。以上でございます。
〇座長(加戸愛媛県知事) ありがとうございました。
〇橋本高知県知事 じゃ。
〇座長(加戸愛媛県知事) はい、どうぞ。
〇橋本高知県知事 私はそのプロジェクトチーム6つのうち、福祉のプロジェクトチームのチーム長をお引き受けをしたんですが、非常に医療とか福祉とか少子化というのは幅が広いということと、それから、財政的にもかなりのボリュームというか、ウエートを持っておりますので、やっぱり地域間の財政力の差というものと分権というものをどう折り合いをつけるかというのは非常に難しいなということを実感しております。保育などの場合には、やはり地域の実情に合った形でというので、できるだけ国の一律のしばりを外すということに余り異論はございませんが、介護という分野になりますと、今回のコムスンのこと等々を含めて考えました時に、やはりある程度その国での一定の枠というものがないと、地方の財政力の格差がそのままサービスの差にあらわれはしないかというような不安を感じざるを得ないところがあります。そのことのバランスをどう取っていくかというのは、非常に大きな課題だなということを思いました。
少子化は、地方でもそれぞれいろんな努力はしておりますけれども、国の方で思い切った児童手当なり保育や幼稚の無料化といった施策が必要ではないかという方向で議論が出ております。
それから、医療に関して、直接分権の議論とは離れますが、先ほど飯泉知事からもお話がありましたけど、医師不足のことは各県非常に大きなテーマとして出ておりました。その中で医師不足ともかかわりますし、医療の問題ということで言いますと、診療報酬を地方で決められないかという議論がありました。ただ、診療報酬を地域ごとにしますと、財政力の差で、医師が一遍に大都市に流れるということにもなりかねませんので、診療報酬という面でその医師不足などを解消していく方向に、もう少し地方の意見を入れられないかと。例えば、具体的に言えば、先ほど地域の公立病院の勤務医がどんどん減少しているお話がありましたが、そういう公立の基幹病院として急性の医療を担っているという病院に対する診療報酬上の配慮とか、それから小児、産科医に対するいろんな配慮だとか、さまざまなやり方があると思います。地域におられるお医者さんが、公的な病院で救急などの政策医療を手伝う時の診療報酬の配慮とかいうようなことがいろいろあると思いますので、今の議論のテーマと直接関わるものではありませんが、ちょうど今年の末に診療報酬を見直し、来年から改定ということですので、こういう点に地域の考え方とか、声を少しまとめて入れていくということも、この医療福祉の分野では必要なことかなということを感じました。
〇座長(加戸愛媛県知事) はい、ありがとうございます。はい、どうぞ。
〇飯泉徳島県知事 私は、まちづくりPTの方に入っているわけですが、こちらで特に河川ですとか海岸ですとか、こうした分野を担当をさせていただいております。河川、砂防、また海岸と、こうした分野につきましては、自治事務も一部はあるわけですが、大半がこれは法定受託ということになっておりまして、災害予防という概念も知事会の中で打ち出し、そして今、16?18の3カ年、災害予防というのが国の補正予算の柱にもなっているわけで、そうした点についてはしっかりと今橋本知事からも、医療、福祉の分野においても国が枠を持つべきだというお話がありましたように、こうした国民の生命、財産を守ると、ここについては大都市も地方も関係がないわけでありますので、災害予防という形でしっかりと国にこうした点はやっていただきたい。そうした点については、例えば直轄事業の中につきましても、この点については国がしっかりと財源を確保して対応してもらうと、こうした点が大きなポイントになるんではないかと、こうした意見が大半になっているところであります。
それから、その一方で、しかし、自治事務の部分が少しありますとまあ申し上げたところなんですが、特に砂防の分野として急傾斜の崩壊対策事業、あるいは土砂災害の防止対策事業と、こうしたものについてはなるべく県から市町村の方に、まあ権限移譲という流れも今出ておりますので、そうした形で補助金を廃止をして財源とともに、これはそれぞれ小回りが効く形で、こうした各市町村の方に分権をしていったらどうだろうかと、こうした意見が多数を占めるという状況になっておりますので、こうしたまちづくりについてもしっかりと国、そして地方の役割分担、そして財源付与、これをしっかりと行っていくべきではないかと、このように考えております。以上です。
〇座長(加戸愛媛県知事) はい、ありがとうございました。愛媛県は教育プロジェクトチームに参加いたしておりますが、かなり意見が相当分かれた状態のままで、整理はまだついておりません。一つは、実は義務教育国庫負担金の問題で、プロジェクトチームの中で、今までの流れからすれば廃止して、言うならば税源移譲すべきだというのが4県知事、それに対して負担金を維持する、あるいは維持だけじゃなくて3分の1から2分の1、全額負担まですべきだという意見が3県で、多数意見は一応4県の方が廃止論という形で、調整のつかないままの状態です。
あとの人事権の問題に関して、基本的に市町村への人事権移譲という方向ではあるけれども、ただ、その場合に前提として、広域な人事、計画的な採用調整、特に都市部と山間、離島部との調整というのは広域連合という仕組みをつくらなければ難しいだろう。だからそれを当然の、必然的な前提にすべきであるというのと、まあそういうことを考慮すべきであるというような意見等々があって、これも一応方向性は市町村へ移譲ですけれども、その条件をどの程度のものにするかということでは、まだ完全な調整はついておりません。 あと、教育委員会制度についても、選択制にすべきだという意見もありましたし、必置制にすべきだという意見もあって、これもまだ両論併記の状態で、主としてどうも教育関係分野はまだ今後さらに検討が必要かなと思ってもおります。
そこで、今いろいろ出た中で、実は私は医療問題、先ほどはこれからの要望等にも関連しますけども、厚生労働省へ行っていろんな話をしていると感じるのは、今の医師不足というのは、東北地域は医師不足だから定員は増を認めるけれども、四国は医師過剰とは言いませんが、全国レベルより多いからという、トータルな医師数で医学部の入学定員を動かそうという方向だから、果たしてそれがいいのかどうか。つまり、医師が多いと言ってもみんな都市部に集中されて困った地域が確保できないわけだから、ある意味で愛媛県として今とにかく中山間部の医師確保のためには、入学定員枠を特別枠にできないか。例えば自治医科大学はもう一つつくることができないならば、第二自治医科大学的機能を各県内国立大学の一部の定員がそういう機能を果たすべきじゃないかっていうようなことを主張をしているんですけれども、どういう方向へ行くのかな、そういった点での今の医師確保の問題は、いろんな声をかけてもどこからどう回すという調整は現実には極めて難しいとすると、もう義務付けが実質的な義務付けになるようなシステムを制度としてつくってもらわなければ、こんな状態はドクターバンクをつくろうが、公立病院に集約しようが、結果としては抜本的解決にならないんじゃないかなという懸念を正直私は持っております。
〇橋本高知県知事 先ほどのトータルの需給の話は、そもそもトータルの需給が足りているかどうかという議論ももちろんありますし、たとえ足りているとしても、その見方は幾つかの点で間違いではないかなと思います。1つ目は、今の大都市と地方の偏在ということがあります。それから2つ目に、今高知大の医学部も半分は女子医学生です。能力としては全く変わりませんけれども、働く時間帯だとか時間数ということで、配慮すべきではないかなと、働く時間数ということで言えば、男性1に対して0.幾つという勘定で女性の医師というものを考えていかないと、医師数ということには誤りが出てくるんじゃないかと思います。もう一つ勤務医の実態などを見ますと、当直となっていても、実際には別に当直で休んでいるわけではなくて、夜勤の状況で、看護師であれば夜勤という状況で徹夜で仕事をされている。そういう勤務実態をそのままにして、医師数が足りているということにしたのでは、勤務医ももうモチベーションが続かないということが現状では起きていると思います。こういうようなことから考えれば、まず医師養成の人員を増やすということが基本的に必要だろうと思いますし、そのことと同時に、義務付けの仕方はいろんな仕方があると思います。臨床研修の場での義務付けというふうなやり方もあります。さまざまあると思いますが、そういうことをぜひとも考えていかなきゃいけない時に来ていると思います。各県からいろんな形で提案は出ておりますので、少し集約をして四国知事会として、また全国知事会としての要望としてまとめていく時期かなというふうに思います。
〇座長(加戸愛媛県知事) はい、どうぞ。
〇飯泉徳島県知事 今橋本知事と、それから加戸知事から言われた、その両方の点なんですが、まずは当面の対策としては橋本知事の言われた診療報酬、こちらでしっかりと考えてもらう。当面、今、産科医、それから小児科医、また麻酔と大変な分がありますので、そうした分の点数を、国もそのあたりは上げていこうかという話もあるわけなんですね。もう一つその診療報酬で問題になってきているのは、実は医師だけでなくて看護師。今回は実は1対7というのをつくったものですから、急性期あるいは救急のところは当然そうしたものをどんどんやっていくというのはいいんですが、大都市部においてどんどん看護師さんを集めることによって儲かるという動きがたくさん出てきているんですね。お医者さんも実は同じことが言えるところがありまして、看護師も含める形でのそうしたただ儲かるからそうしたものをやるというのが動き出ててくる。その抑止といったものもこれから言っていくべきじゃないかと。
それから、もう1点は、中・長期的な対策として、加戸知事の言われた国立大学に第2の自治医科大枠を設けたらどうだろうかと。ぜひこれはやはり四国としては進めていく、あるいは提言をもっと強くしていくべきだと、こう思っておりますので、そうした点について、ここも取りまとめをぜひこの際したらいいかと思いますので、またよろしくお願いをしたい。
〇真鍋香川県知事 じゃ。
〇座長(加戸愛媛県知事) はい。
〇真鍋香川県知事 私の方は、やはり同じように島とか過疎地域で医師とか看護師がなかなか確保できないと、こういう状況にありますので、同じような感じを持っておりますし、また、現場のお医者さんに聞きますと、医者も看護師もものすごく、オーバーワークだと、非常に疲れているということで、これは決して患者とか国民のためによくないというふうなことを言われるんですね。ですから、やっぱり橋本知事が言われたように、全体として看護師も、それから医師も不足しているんだろうと思いますね。諸外国、アメリカなんかに比べてもやっぱりこの医師の数がかなり不足しているということのようなので、やはりこれはもう少し全体を増やすと同時に、過疎地とかそういうところにも行けるような、また、特定の産科とか小児科とか、そういうところの診療報酬をいろいろ考えるというふうなことで、何とか過疎地とかそういう特定の科にきちっと医師なり看護師が確保できるようなことを、やっぱりそろそろここで思い切って政治で考えないと大変なことになるというふうに思っておりますので。
〇座長(加戸愛媛県知事) はい。いろんな対応はあるんだろうと思いますけど、要するに小児科、産科の場合は24時間勤務だと。いつ夜中呼び出されるかわからない。だからみんな敬遠するというようなのがあるんですね。しかし、これは解決のしようがない話で、当然患者が夜中にあれば対応せざるを得ない。だから、そういった点で、それが単に小児科、産科の診療報酬のアップだけでそれが解決するかというと、必ずしもお金というよりも質の問題だから難しいかなっていうのはあります。
もう一つ、要すれば各医療に対する無免責じゃありませんけれども、小児科、産科の場合は緩和をするのは一つの方策だろうと思いますけど、何かこうみんな困った困ったといろんなことを47県知事言っているんですけど、本当は全国知事会で、これはみんな一致して要望するんだから必ずやってくれというような項目を10ほど並べて要求していかないと、国は国で今考えてはいただいているけれども、地方にとって満足する結果にはつながらないんじゃないかなというちょっと懸念は正直持ってもおります。
やや、愚痴話にばかりになりましたが。
〇橋本高知県知事 もう、こうしたらどうだという案は、ほぼ出尽くすぐらい各県、各県がそれぞれ10項目ずつぐらい出しておられるような感じがありますので、そこから実現の可能性のあるものとか、急がれるものというのを選んで、本当に全国知事会でまとめて出そうということをまた四国知事会からも声として出して行ったらどうでしょうね。
〔「そうですね」「賛成ですね」の声あり〕〕
〇座長(加戸愛媛県知事) はい。当面急を要するブロックの話であり、これは全国知事会にとっても大きな課題という認識で進めさせていただきたいと思います。
次に、「地方税財源の充実強化と偏在是正」についてに議論を移したいと思います。
現在、税源の偏在等によりまして、地方税収の増加が見込まれない地方の一般財源は大幅に減少して、地域間の格差が拡大していると思っております。さらに、地方交付税措置を口実として、国から地方への新たな事務事業の義務付けや政策誘導等が行われ、一段と地方財政が圧迫されている状況ではないかと考えております。こうした中、地域自らが責任を持って行政サービスを自主的、自立的に行うことができますよう、地方財源の充実強化と偏在是正が求められているところでございますが、この点に関してのご意見等ございますればお伺いしたいと思います。
真鍋知事の方から何か緊急アピールがあるそうですが。
〇真鍋香川県知事 それじゃ、香川県も県あるいは市町同じなんですけれども、かなり税収が回復をしてきたんですけれども、今年もかなり大都市を中心にする税源の偏在によりまして、地方交付税がそれを上回って減少したというふうなことがございまして、大変予算編成に苦労をしておるような状況でございます。そういうことで、この交付税が減らされた結果一般財源が減るというふうな状況の中で、そうすると公債費とか、あるいは国の義務付け事業に対する財源を何とか確保しなきゃいかんというふうなことになりますと、我々が自由に使える金はもちろんないんですけれども、人件費カットとか、それから投資的経費を抑えるとか、そういうふうなことで何とかかろうじて収支均衡をしたというふうな状況でございます。もうこれ以上やはり交付税とか一般財源が減りますと、県民生活が大変なことになるというふうに思いますし、地方経済にも大きな影響がございますので、ぜひこの地方交付税等の一般財源がこれ以上減らないようにというふうなことで、ぜひ確保できるように、去年に続きまして、地方交付税に関して四国知事会として緊急アピールをしてはどうかというふうに思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
〇座長(加戸愛媛県知事) はい、どうぞ。
〇飯泉徳島県知事 もう根本的に賛成であります。しかも同時に地方交付税の財政調整機能の分をしっかりと言っていくと。新型交付税という新しい話も出てきましたので、そうした点についてもいよいよ施行されました。そうした意味ではもっともっとこんな点を改定していくべきだということを逆に言ってもいいんではないかと、まず思っています。
それからもう一つは、前回の全国知事会議の時の東京、大阪、神奈川、愛知が反対と言ってきた要はふるさと納税の問題であります。でも、彼は、4都府県と言った方がいいのかもしれませんが、我々はいい時もあれば悪い時もあるんだからと。いい時だけ我々から取るのはおかしいという話になっているんですが、制度として三位一体改革以降、そうした大都市部を抱える都府県といいますか、そういったところに確かに税源が集中をしていると。これについては制度的にやはり根本的にこれを調整できるような、といいますのは、三位一体改革の時に、実は法人事業税、こちらでもって調整をした経緯が、東京都の分ですね、ありますので、また、それをしっかりと言っていかないと例の5対5、あるいは4対6にしていくという、これははっきり申し上げて四国を初めとする地方部にとってみると、壊滅的なことになってしまう。しかし、全国知事会議の中、あるいは地方6団体の中で5対5というのはやっていくんだということを決めている以上、それに見合う形でのしっかりとしたこの税源の偏在是正、これをしっかりと地方の場から言っていく必要がある。これも先ほど橋本知事が言われたように、ただ、これは問題なんだというよりも、こうすべきだということをやはりしっかりと言っていく必要があるんではないか。そうして、できれば全国知事会での議論を、この四国からリードをできればなと、こう思っておりますので、今回の緊急アピールにつきましては、ぜひともよろしくお願いしたいと思います。
〇座長(加戸愛媛県知事) はい、どうぞ。
〇橋本高知県知事 私は、この中では一人ふるさと納税に疑問を相当呈しておりますので、最初にそのことを言っておこうかと思いますが、要は今「べき」というお話があって、やっぱり「べき」論と現実論というものがあって、私たちはそのバランスの中で発言もし活動もしていかなきゃいけない立場だと思います。「べき」ということから言いますと、地方の税財源の偏在というものを解消していく。そのためには地方交付税というものが現実に制度としてあって、それをきちんともう一度見詰め直して充実をさせていく。また、法人事業税や法人住民税というものを国税にしていって、地方消費税というものを充実をしていくというような、知事会として一致して要求をしている点をまず第一に挙げていかないとと思います。ふるさと納税というものが出たからみんなでそれに飛びつくというと、何かうまく向こうに利用されはしないかなという思いがあります。ただ、現実論としてあくまでも反対で、うちは要りませんというわけにはいきませんので、それはそれで乗って行きますけれども、ただ、その時にもやり方は簡便なものにしていただきたいと思いますし、それは税という形でなくて寄附というようないろんな仕組みのやり方があると思いますので、そういうことに柔軟に取り組んでいただければなということと同時に、まずは基本線というか、筋論というものも大切に今していかないと、三位一体の改革もそうであったように、ずるずるとうまく力関係から言うといかれはしないかという気がしております。
〇座長(加戸愛媛県知事) はい、どうぞ。
〇飯泉徳島県知事 今橋本知事のおっしゃったように、本来は筋論のところをしっかりと言っていくと。例えば、今のふるさと税制についても、徳島としては前の中四国サミットでも、あるいは全国知事会議政府主催のですね、私もふるさと税制、ここまでになる前にそうしたものをつくるべきだと。これははっきり財務、それから総務両大臣の前で申し上げましたんで、私としてはどちらかというと、推進役の立場での話になるわけなんですが、しかし、本筋のところ、これは私も橋本知事のおっしゃるのと同じでありまして、例えば、このふるさと税制、これを入れたがゆえにその分じゃ交付税切ったらいいじゃないかとかですね、場合によってはこれを非常に複雑なものにしていくといった点は本末転倒になりますので、そこは本筋のところとして交付税の財政調整機能というものはしっかりと堅持をするんだと。それに見合う一般財源としての総額もしっかりと堅持をしていくと。これは当然に言うということで今回のこの緊急アピールにも一番目に地方交付税を持ってきているといった点であります。
そして、第2番目としては、いろいろな形での実は税源偏在の是正というものがあるわけでして、今橋本知事から出た法人2税、例えばこれを一括して場合には譲与税にするのか、あるいは丸々交付税原資にしてしまうのかですね、いろんな手法が考えられるわけで、そうした点も具体的な提案として、実は知事会の地方税の小委員会の場で、ここは富山の知事が座長をしておりまして、私もメンバーに入っておりますので、あの時には全部ここに書いてある項目、今橋本知事の言われた項目も入れていたんですね。ところが、これが東京、大阪、愛知、神奈川の反対に会いまして、結局は5月18日の全国知事会議の場で反対の具体的なものが出されて、全部それが骨抜きに実はなった経緯があるんですね。ですから、本筋論のところがなかなか足並みがそろわないということであれば、若干今橋本知事の言われる警戒をしなければいけないという話があるようなものであっても、それをうまく使っていくといったことも必要なんではないだろうか。今例えばふるさと納税制度についても、直接税制でやると、これはまあ総務大臣が言っている話ですが、それが今橋本知事からも出たふるさと寄附金控除制度ですね、これはもともと福井の知事が熱心に言われている話ですし、ここも国においては所得税からやってみたら、逆にこれは国から地方への税源移譲にもなる。確かにその一環もありますので、そうした点をしっかりと詰めてセツト論として、ここも具体的に提案をしていくべきではないか。
それから、もう一つは、国がやろうというものについては、そのまま押し切られてしまうと、それは橋本知事の言われた危惧になりますので、そうならないような形で、やるのは前提なんだけど、こんな点は気をつけてほしい、あるいはこうすべきだまで入れるとベストなんですがね、そうしたものをやはりしっかりと我々としてはやはり是正を促す立場としてしっかりと言っていくべきではないかと、こう思っておりますので、根本として橋本知事とそう違ってはないと思いますので、そこは四国知事会としてまとまっていただければと思います。
〇座長(加戸愛媛県知事) はい、どうぞ。
〇真鍋香川県知事 私もふるさと納税についてはですね、これで全部が解決するということではないと思っています。これだけではどうにもならんと思っているんですが、ないよりはあった方がいいんじゃないかということで、それと、都会へ出て行った人が何らかの格好で地方、自分のふるさととか関係のあったところへ貢献したいというようなことを活かす道としてですね、やはりあった方がいいんじゃないかということで、これは賛成だというように申し上げているんですが、これをやるからと言って、ほかの税源移譲とか格差是正のためのいろんな交付税の確保とか、そういうものをやめてしまうというのは本末転倒だということを今までも申し上げてきているんですが、やはり何と言っても本筋の国と地方の役割分担を踏まえてしっかりとした財源措置というのはやらなきゃいかんし、そのための改革というのは、ぜひやらなきゃいかんと思っております。そこで、地方間の格差是正の問題については、法人税のこの分割基準を見直すという問題について、やはり何らかの格好で早く手をつけるべきであると思っておりますし、また、消費税を地方税にして充実させるということも含めてですね、ふるさと納税ももちろん大事なんですけれども、そちらの本筋のこの格差是正、それから交付税のきちっとした確保ということが本筋であると思っておりますので、ぜひこれらについては4県で一致して要求していきたいと思います。
〇座長(加戸愛媛県知事) ありがとうございます。およその考え方はほぼ共通していると思いますが、ただ私は、ちょっとこの問題はもっとクールに見ますと、今の動き何かと言えば、地方のことを何とか考えろということは、その分は国が借金してでも地方を支えろということになるから、やっぱり税制の抜本的改正なくして今の年金、医療、福祉の増大する経費をカバーすることは不可能だし、そのことが地方のしわ寄せにも来ている。参議院選挙があるからそういうことは言えない状況でしょうけれども、そういった点を視点に入れて、地方消費税の充実必要ですけど、そうすると国にとってみれば、国の消費税を減らして地方へ回したりしたら、それこそ国がもっと大変だという主張が必ず跳ね返ってくるから、地方消費税も充実する、さらに国の消費税も充実してくださいという形で、国の立場も念頭に置きながら、地方を何とかしろと言っていった方が現実的じゃないのかという感じは、正直私はしております。そこで、ふるさと納税は私は推進論者ですが、大した金額にはならんだろうと思っています。ただ、論理的に言うと、応益者負担、住民サービスに対する代償だと言いますけれども、子供たちがその町や村で改築した小学校を卒業して行けば、その借金は30年がかりで市町村は一生懸命借金返しているわけですから、その町を出て行った子供たちにとってみれば、ふるさとの親たちが、おじいさんおばあさんがその借金のつけを払うというのは心が痛むだろうと思うし、そんな意味でふるさと納税というのは、ある意味の応益者負担、受益者負担の一つの変形、形なんかなという感じはしますし、何か日本人的心情に一番正当じゃないのかなと思います。ただ、金額的にはそう大したことにはならんだろうなと思いながら、これ税の論争になっていくと理論の話だから、私はシステムは何でもいいと言っているんです。税額控除であろうと寄附であろうと、何であっても、何かそんな思いが村や町にちょっとでも還元される仕組みがあると気持ちも変わるんじゃないかなと思いますが、まあそれはそれとして、本命はもっと本筋の方ですので、これは今日お配りしております、一応緊急アピール、地方交付税等の確保及び地方税源の充実・強化に向けた緊急アピール案で、4県知事ご異論なければこの本会議においてこれを採択することとさせていただきたいと思います。いかがでございますか。
〔「はい、結構です」の声あり〕
なお、ちょっとこの中で私の方も主張をさせていただいた新しい事務事業の義務付け等を行う場合は、実質的な財源措置を講ずることというのは、最近交付税で組んでいるから3分の3組んである、3分の2組んであると言って何か次から次降ってくるんですね、義務付け的に。考えてみたら、パイが減っている中で組んでいる、組んでいると言われても困っちゃうんで、そういったのはもう私は補助金、交付金賛成で余りないんですけど、本当に日本全国の社会的な問題だからやらなきゃいけないから、国がお金つくって交付金でくださいと、現ナマでくださいよと、こっちに入っていますよと言われてやらされるのは辛いという思いをこういうところで表現しております。これはおそらく皆さん方同じだろうと思いますので、少し中央の方も社会的な問題があるとすぐ対応すると、はい、各県やってください、交付税に入っていますと言ってやらされることが最近いかにも多いと思っております。
〇飯泉徳島県知事 今の点ちょっといいですか。
〇座長(加戸愛媛県知事) はい。
〇飯泉徳島県知事 実は今加戸知事が一番危惧された義務付けの話なんですが、先般5月30日に地方分権改革推進委員会の方から、実は報告が出ておりまして、秋に中間報告をしようという、そういう基本的な考え方なんですが、この中で国の新たな義務付けに対するチェックシステムの整備というのが具体的に盛り込まれておりまして、これをつくりました宮内先生の方からお話をちょっとお聞きをする機会がありまして、その時に言っていた具体的なやり方については、例えば法令協議という場があるわけなんですが、そうしたものの中で極力もうそうした義務付けをしないという形でやるんだと、まあこうした話を具体的に言われておりましたので、おそらく国については、我々としては例の国と地方の協議の場を、法定化をしていこうということを全国知事会議でも言っているんですが、まあそっちはなかなか議論に入りづらい。しかし、義務付けについてはもう法案の段階ではじいていくと。そうした方向を今分権改革推進委員会では考えているんだと。こうしたお話がありましたんでご紹介までに。
〇座長(加戸愛媛県知事) はい。
〇真鍋香川県知事 義務付けをしてなくてもですね、事実上の義務付けみたいになってくるんですね。何か社会的な問題になって、こういう対策をやるんだということになってくると、県民からもし何かこういうことが県なり市や町でやれますよということになってくると、国はやれと言うし、それから、住民、県民の方もそれはやるべきだと、こういうことになると、知事だけがやらんという選択をするのはですね、非常に難しいという状況の中で、事実上強制されておる。あるいはほかの面も含めてですね、なかなか自由度がないというのが現実なんで、加戸知事が言われたように、私も毎年毎年新しい事業が出て、これをやると、担当者はこれで交付税に入っているんです。こう言うんですけど、いや、そんなばかなこと言うなと、交付税減っているんでないかと、入ってないのと同じだということで、いつも気をつけようと、こういう話をしているんですね、やっぱり本当にそれをきちっとやろうと思えば、本当に交付税じゃなくて、何か特出しした第二交付税か何かで、これはそのための金だと別にもらわないと、入ってないのと同じなんだと思うんですよね。
〇座長(加戸愛媛県知事) 余り大きな声で言いにくいんですけど、鳥インフルエンザのタミフルの購入を、2,500万人分の半分は厚生労働省が買うと。国が二百何十億をかけて買うのは無駄使いかもしれないけどしようがない。しかし、その残り半分は47県で買って欲しい、交付税で組んでいるから。愛媛県では3億で備蓄させられたけど、考えてみると各県みんな同じで、おそらく全国で二百数十億購入して、5年たったら使えないから捨てちゃうという、これが正しいことなのか。こういうことがもしあれば、それをチェックすると言っても、もうばあっとなればすぐ新聞は○×つけますから購入したところもある。何県×となると、やっぱりもう○に入りたいなってなことになる。だから、例えばこういうケースがあった時は、4県で相談して、割り当てを一つ半分に減らして、4県融通システムでいきましょうというと、半分助かると私は思うんですけど、こういうことが随分多いんですよね。何から何まで狂牛病の肉骨粉の焼却もそうでしたし、アスベストが起きたらすぐ除去がそうだし、全部交付税に組んでいると言われても、ううんと思いながら、今後似たようなことが次から次へまた出てくると思いますけど。
〇真鍋香川県知事 それで、タミフルの場合はですね、私は回転備蓄にすべきだと、その特別の備蓄をしないで回転備蓄にして、使ったらそれの補充をするという方式をですね、提案して大分頑張ったんですけど、もう1県になったから何とかしてくださいというんで、とうとう最後はもうあきらめたんですけどね。
〇飯泉徳島県知事 あれ実はうちも言っていたんです。
〇真鍋香川県知事 ああ、そうですか。
〇飯泉徳島県知事 で言ってて、その向こうの答えというのはあれ中外だけなんですよね、持っているの。安くそれを仕入れるんで、それを市中に流されてしまうと、市中のお医者さんとの間でというんであれば、別に高くてもいいですから、買い手を見つけてもらったらいいんですよね。ですから、今おっしゃるように、5年たったら全く廃棄で無駄になるわけですから、もう少しこういう無駄をなくしていくといった点も主張していいんではないかなと、こう思いますんで、そういった点もまた今後対応できればと思います。
〇座長(加戸愛媛県知事) 私はなかなかチェック機能ってのは働かないだろうなという意味でちょっと一つの例で申し上げましたけど、これから何か国から急に降ってきた時は、4県で値切って半分で相互融通をするといったらそれだけ半分財政が浮くわけですから、こういうことを連携プレーの一つにしたらどうかと思いますが。ちょっと話が飛びましたんで、緊急アピールは、そういった趣旨も含めての採択であるということでございます。
続きまして、先ほど説明のありました「道州制」についてのご意見を伺いたいと思います。時間がだんだんなくなりましたので、道州制は、この報告書は一応若手チームでつくっていただいて、これを4県知事会議で公認したとか、オーソライズするという性格のものじゃありませんので、ただ、報告を受け取って、これを一つのたたき台方向として今後の対応を考えていく、そういう趣旨で進めさせていただければと思いますし、先ほど事務局から報告がありましたように、今後も道州制に関する情報の収集並びに研究もそのつど詰めていくということで、今の状況を継続するということでよろしゅうございますか。
〔「はい」の声あり〕
特にそのほか、道州制に関してご意見はありませんか。
〇橋本高知県知事 前から言っておりますように、分権型社会の中での道州制ということが前提であろうと思いますし、「べき」論から言えば、国は、現実論として都道府県合併的なことを考えるでしょうけれども、そことのせめぎ合いで、分権型っていうことをきちっと各県の職員もみんなが認識をして、それに向けて何をするかということをこれから続けて研究をしていただければなと思います。しかも、そういう分権型の道州になった時に何ができるかというようなことを具体的に提案をする勉強会であればいいなというふうに思います。
〇座長(加戸愛媛県知事) はい。ただ、国の方が今どんどん3年を目途に進んでいますから、要するに、それに対する地方の強い主張というのが必要になる。その中の根幹は、今高知県知事が言われた趣旨に添うかどうかわかりませんが、国が言うなれば中央出先機関で権限と人と金を握っているこんな状況の中で、道州制というのはそのままの状態の実現は意味がないと私も思いますし、そういった点のアクセントを置いた形での今後の対応というのが地方として必要になるだろうという認識でもございます。
〇飯泉徳島県知事 今この場で継続ということがね、方針が打ち出されましたので、19年度徳島が。
〇座長(加戸愛媛県知事) ああ、そうですか。
〇飯泉徳島県知事 ええ、事務局ということに、
〇真鍋香川県知事 よろしくお願いいたします。
〇飯泉徳島県知事 何か決まっているようでありますので、今回香川県さんから今報告をいただきました。大変四国としての特色をふんだんに盛り込んだところが多々ありますし、特に団塊の世代対策、こうしたところではやはり今日もお見せをいただきましたが、四国遍路を初め接待の文化ということで、四国ならではの対策というのをこれからどしどしPRを、そして、そうした研究をしたことをマスコミの皆さんを通じて、やはり四国の県民の皆さん、また、全国の皆さんにもどしどしとPRを早い段階で打ち出して行くことが、全体の議論をリードできるんではないかと思いますので、こうした点もまた引き続きよろしくお願いをいたしたいと思います。
【四国4県連携の強化について】
〇座長(加戸愛媛県知事) はい、それでは続きまして、「四国4県連携の強化について」議題に移りたいと思います。
この4県連携事業は、平成14年度に創設して、年々対象事業を各行政分野に広げてきたわけですけど、一方において財政難のために金額は減り気味の方向にある現状ですが、まず口火として、私の方から「防災対策の共同実施」について提案をさせていただきたいと思います。
南海地震をはじめとする大規模災害等が発生した場合において、4県が共同して対応する体制整備は、これまでもご議論いただきましたし、また、今年の2月には四国4県の広域応援協定で各県が計画を定めて、共同対応する体制は整えてきていると思います。
今後は、「四国はひとつ」の考え方で4県が共同して実施できる各種防災事業を推進することとして、具体的な事業を担当部局に検討させてはどうかと思います。例えば、4県の広域応援計画をより実効性あるものとするために、応援・受援の共同初動訓練を実施するとか、あるいは各県が別々に作成しております防災関係の啓発用のパンフレット類や、あるいは映像による啓発用資料など、住民の意識啓発ツールなどを4県がバラバラにつくるのではなく、どこか事務局を一つの県にまとめて、そこで4県共同の住民啓発用の資料をつくるとかいうことで経費を4分の1にダウンするとか、そんなことは事実上実施可能かなと思いますので、今の問題等提案につきまして、事務レベルでこの問題を相談してもらうということについていかがでございましょうか。
〇真鍋香川県知事 訓練とか何か一緒にできるだけ早くやるということがいいと思います。
それからまた、啓発用のものもそうですね、4県どんなのをつくっているのか1回集めてみてですね、共通にできるかどうかというとこをよく検討し、まあ独自のやつもある程度必要なのかもわかりませんけどね。
それから、あれ高知1県では何かDVDか何か作成しておられるんですか。
〇橋本高知県知事 ちょっとそこまでは確認しておりません。
〇真鍋香川県知事 ああ、そうですか。
〇橋本高知県知事 徳島は。
〇飯泉徳島県知事 徳島はビデオを使っています。
〇真鍋香川県知事 1回見せていただいて。
〇橋本高知県知事 うちはパンフレットですね。
〇真鍋香川県知事 ああ、そうですか。DVDではない。
〇座長(加戸愛媛県知事) 正直なぜこう申し上げたかというと、徳島で仮におつくりになっても、津波の高さとか地震でひび割れが4県でやってそれぞれ違うとは余り考えられない、こういうものだと認識がありましたから。
〇真鍋香川県知事 瀬戸内海とあれは違うかもわかりませんね。
〇座長(加戸愛媛県知事) まあほぼ共通してできるものは4県バラバラじゃなくて、4分の1の経費でどこかの県が、幹事県は当番で変えればいいわけですから、それを4県共通して使うという、まあコストダウンも含めた形での防災関係連携というような趣旨での。
〇橋本高知県知事 この会議の場ではすぐに図上訓練をやり、実地の訓練をやるという計画をぜひしていったらいいと思います。ただ、啓発用のDVDやビデオの作成を、ここでやろうと決めてしまいますと、その方向に一遍に流れざるを得なくなるので、やはりそれぞれの地域の防災とか危機管理の担当は、うちの県では何が主眼か、ほかの県にはない、こういうものがあるという認識をしながらやっていると思うんですね。愛媛県であれば、伊方の原発で何かが起きた時っていうのは重要なことでしょうけれども、高知県では原発も何もないので、そういう認識がないっていうようなことがありますし、うちの南海地震で言えば、9,600人の方が亡くなるというシミュレーションの中で7割が津波によるものですので、津波に対してどう対応するかということが一番の住民啓発の課題になります。そういうものをある意味愛媛県の方が見せられても、というようなことがありはしないかということを思いますので、まず、事務的にできることがあるかどうか、しかもそれが無駄な予算じゃなくて有効な使い方になるかどうかというところを協議することには何の異存もありませんので、そこはぜひ話合いをさせていただければと思いますが、そういうふうにしようというふうに決めてしまうと、それが動き出してしまってということになるのではないでしょうか。
〇座長(加戸愛媛県知事) はい、わかりました。
〇橋本高知県知事 各県のいろんな災害の対応とかですね、それに対するポイントの置き方のズレということがあるので、そこで少し担当者は不満を持ちながらも、知事会議で決まったからということになるといけないなという、思いがありますので、一言だけ申し上げました。
〇座長(加戸愛媛県知事) わかりました。それでは4県それぞれで、共通してこんなことだったら一緒にやれるじゃないかというテーマと内容を出し合っていただいて、これはうちは乗りにくいぞ、独自でやりたいというならば、それはそれで結構ですし、場合によっては、残りの3県で3分の1で倹約してやるということもあるでしょうし、ですから、今の問題は、テーマと内容についてのおよそ出し合ってみて、やるかやらないか。そして具体的にはやるとしたらその内容は本県にとってこれは必要なもの、これは不要なものとか、そういう交通整理をしていく。問題はその時に、どこが幹事県になって事務をやるかということはあると思いますけれども、その辺も全部事務レベルに任せて、うまくいけばよし、いかなければ元どおりということで、とりあえず取り組みをしてみましょう。
〔「はい」「結構です」の声あり〕
〇座長(加戸愛媛県知事) それでは次に、高知県の方から「野生鳥獣による農林業等の被害対策」について、提案をいただいておりますので、橋本知事の方からお願いいたします。
〇橋本高知県知事 後で知ったんですけども、香川県の県の獣、県獣がシカなのですね。
〇真鍋香川県知事 そうなんですよ。
〇橋本高知県知事 なかなか言いにくいなと思ったんですが、ニホンジカの被害というのが非常に山の方で増えてきております。農産物ももちろんですし、山が荒れてくるというのが大変な状況になってきて、そういうことが、川そのものを傷めるということにもなっております。特に、本県で言えば物部川上流の徳島県との境で香美市と那賀町。それから愛媛県側では旧西土佐村と松野町のあたりというような、県境で非常に増えてきております。各県またいろんな個体数の調査などもされていると思いますが、一度県境が一番ポイントにもなってくるということから、4県一緒にそういう個体数の調査というものをしてみてはどうかということと、あわせてその駆除を強化をするのを、例えば3月の春の前とかですね、稲の収穫にかかる時とかいうことで、時期を決めて駆除の強化月間のような形で4県共同でやれないかなということが1つでございます。
あと、やはり森林管理局にもずっと長くお話はしているんですが、個体数の調査の予算は取っていただきましたけれども、直接国として害獣の駆除をするというところまでにはなっておりません。やはり四国で山のことを考える時に、管理局にも一緒になっていただいて進めないと、なかなか山そのものを守っていくことになりませんので、森林管理局の方にも直接国としてこういう害獣の駆除に乗り出してほしいということを、ぜひ声を上げていきたいという提案でございます。
〇座長(加戸愛媛県知事) はい、どうぞ。
〇飯泉徳島県知事 全面的に賛成です。今林野庁のお話も出ましたんで、あと四国にはそれぞれ国定公園も多くありますので、場合によったら環境省も加えてもいいんじゃないかと思いますので、ぜひそういう方向でよろしくお願いしたいと思います。
〇座長(加戸愛媛県知事) はい。
〇真鍋香川県知事 シカの話が出ましたんで、実は香川県はですね、確かに県獣がニホンジカになっているんですけれども、このシカは小豆島に生息していまして、本土というか、小豆島以外のところは、ほとんどいないし、少なくとも被害は出てないというふうな状況なんです。まあ小豆島ではやっぱり増え過ぎましてね、いろいろ被害が出ておるんで、個体調整を実施しておるというふうな状況でございます。そういうことで4県連携してこういうことをやるということはいいと思います。ただ、うちはこのシカではなくてイノシシとかサルとか、(「うん、そうですね」の声あり)そっちの被害の方が深刻で、できたら、まあそういう害獣についてもですね、あわせて検討をしていただいたらというふうに思います。
〇橋本高知県知事 シカを例に挙げましたが、もうイノシシとサルもどこも(「圧倒的ですね」の声あり)同じことだと思いますので、これは同様に取り扱ったらいいと思います。
〇座長(加戸愛媛県知事) 動物には県境がないものですから、選定典型の一番適切な対象かと思います。
この問題は4県がスクラムを組んで実施をするということで措置、対応をしてまいりたいと思います。
それから、後は、この4県連携による可能性事業一覧計20件というのが、これはどこがつくったやつかな。これ愛媛県ですか。(「愛媛県です」の声あり)
これは愛媛県の方で、こういうのが連携できるじゃないかという20件のリストをお配りしてありますけれど、ここで決める話ではなくて、それぞれ複数県あるいは4県でこんなことは一緒に取り組めるというような事務レベルでひとつ調整をしていただいて、これは愛媛としての一つの試案でございますので、ご検討をいただければと思っております。
【交通運輸対策について】
〇座長(加戸愛媛県知事) それから続いて、ちょっと時間がだんだん迫ってまいりましたが、「交通運輸対策」ということで、高知県から「四国8の字ネットワークの整備促進」の提案をいただいておりますので、簡単にご説明願います。
〇橋本高知県知事 はい、もうごく簡単にいたしますが、高知県の高規格道路の整備率がまだ34%でございます。他の3県は合計で70%ほどいっておりますが、まだ今後新直轄をはじめ県の財源を入れながら取り組まなければいけないものがございます。これは一高知県だけではなくて、今後の四国連携ということを考える時、また、南海地震への備えというふうなことを考えます時に、一日も早く8の字ネットワークの完成ということは必要であろうということを思いますので、ぜひ今後とも4県が連携し力を合わせて取り組んでいただきたいということと、去年もフォーラムを開きましたが、今年も秋に、10月ぐらいに東京で整備と利用促進を進める会としてのフォーラムを開催をする予定でございますので、ぜひご協力をいただけばというお願いでございます。
〇座長(加戸愛媛県知事) はい、このことについてご意見をください。
〇真鍋香川県知事 賛成でございます。香川県も8の字ネットワーク早期完成というふうなことで、一緒になって取り組んでいきたいと思います。香川県は高松道の高松東と鳴門間がまだ暫定2車線になっていまして、高知道の方は4車線化の事業中ですけども、そういう状況で、できるだけ早くこの区間についても、4車線化を含めて8の字ネットワークの早期完成、我々も一緒にやっていきたいと思います。
〇座長(加戸愛媛県知事) はい、この問題は当然のことながら協調しながらの指し手争いで、とにかく4県ともに前進するということで一致協力したいと思います。
それでは続きまして、徳島県からご提案いただいております「本四道路における社会実験について」に移りたいと思います。はい、どうぞ。
〇飯泉徳島県知事 本四の特に架橋の部分については、陸路に比べまして倍以上実は料金が高いということで、特に物流に大きな支障が出ているところであります。そこで、昨年度末今の8の字ネットにもかかわってくるわけなんですが、道路特定財源の見直しに関する具体策という中で、今ある既存のものを大いに活用していこうじゃないかということで、そうした意味で料金を値下げをして対応したらどうか。しかもその弾力化を図ろうということで、平成19年度、今年ちょうど社会実験を国としてやっていこうという話が出されています。そうした意味で、具体的にテーマを絞って、あれもこれもというわけにはいかないと思いますので、やはり物流の点、例えば夜間大型車の割り引きをしてみるとか、そうした点に絞って大いにそれを検証して、またさらにその検証結果というものを全国にPRができるような形で4県で取り組んだらどうだろうかと、こうした思いからの今回の提言でありますので、どうぞよろしくお願いをいたしたいと思います。
〇座長(加戸愛媛県知事) はい、どうぞ。
〇真鍋香川県知事 道路特定財源の見直しに関する具体策というふうなことで、まあ閣議決定によって、20年度以降いろんな措置が考えられるというふうなことでございますので、ぜひそれに向けて橋の方も実験事業といいますか、社会実験をぜひやっておくべきだというふうに思っております。ぜひ料金については前からいろいろ申し上げておりますように、非常に高いというふうな状況の中で、道路特定財源1兆3,000億余りを入れていただいたんですけれども、まだまだ高いという状況の中で、できるだけ利用しやすい料金にというふうなことでこういう実験をやりながら、ぜひこの引き下げにつなげていきたいというふうに思いますので、香川県としても参加をし、また応分の負担はしていきたいというふうに思っております。
〇座長(加戸愛媛県知事) ありがとうございます。この問題、高知県はやや腰を引いて。
〇橋本高知県知事 腰は引いておりません。腰じゃなくて財布のひもを引いているんです。
〇座長(加戸愛媛県知事) わかりました。一応社会実験は愛媛県としても積極的に推進したいと思っています。大きな理由は、どうしても九州と四国を比べた時に、この本四3橋を渡るための言うなれば物流の価格差というのが地域間、産業間格差にもつながっているんじゃないかな、そんな意味で大型輸送トラックの料金を何とかできないか、これを突破口にしてというつもりでもありますので、一応力強く攻めますので、財布のひもの話はちょっと別にいたしまして、残りの3県頑張りますので、精神的に力強くご支援を。
〇橋本高知県知事 精神的にはもう賛同しておりますから。
〇座長(加戸愛媛県知事) ありがとうございます。
それでは続いて、飯泉知事の方から、「羽田空港における国内路線の充実」と、それから「道路整備の推進と道路整備財源の確保に関する緊急提言」がございますので、お話をお願いします。
〇飯泉徳島県知事 今3県の知事さんからもお話がありましたんで、順番を入れ替えまして、道路整備の推進、それから道路特財の確保についての緊急提言を、まずお話をしたいと思います。
今、真鍋知事からもおっしゃれましたように、道路特定財源の一般財源化、これを前提にいろんなものを議論をしていくんだと。そして、20年度からそうしたものを反映するんだと、こういう話がありますし、もう間もなく20日ではないかと言われております骨太の方針、こうした中にも公共事業の削減といった話もいろいろこう言われております。まだまだしかし、四国4県の道路といったものを、先ほどの8の字ネットワークを含め基幹道、こうしたところの整備はまだまだでありますので、こうした点につきましてしっかりと。まず、一般財源化をする前にしっかりとこうした点についての財源を確保すべき、また、そうした整備をすべきであるというのを、この際緊急提言をしておくべきではないかと、まず思っております。
それから2点目は、少し形が変わるわけなんですが、実は、羽田空港、こちらは平成22年の10月に再拡張完成をすると。若干遅れたわけでありますが、これが予定をされておりまして、昨今の中で実はうちはスカイマーク撤退という大変痛い経験をこの羽田空港の発着枠でしたわけでありまして、そうした意味では、ここにまた大きな希望も持っているんですが、昨今の議論の中では、規制改革の会議ですとか、またアジア・ゲートウェイ戦略会議という中で、これを地方ではなくていろいろな形での国際枠にさらに振り向けていこうと。成田がありながら羽田をどんどんどんどん国際化をしていくんだと、こうした議論がどんどんなっておりまして、言わば、地方にそうしたものを振り向けない、地方の切り捨て論的なものが多々言われるということがありますので、この点につきましては、ぜひともこれを地方枠として確保するといった点を、この際、言っておくべきではないだろうかと、このように思っておりますので、ご賛同方よろしくお願いをしたいと思います。
〇座長(加戸愛媛県知事) ただいまの飯泉知事の提案につきまして、ご意見ございますでしょうか。はい。
〇橋本高知県知事 この羽田の件は非常に重要なポイントだと思います。本県も羽田の便数枠の絡みで空港の使用時間の延長ということで地域のご理解をいただいたんですが、そうしますと、JALも全日空も始発便が朝早くに2便が張りつくという形になって、途中がなくなって非常に不便な状況になる。それでも便数が確保されればというような状況を地方はみんな味わっているのではないかというふうに思いますので、基本的な便数の枠を確保できるこのチャンスというものを、国内の便数調整にまず第1に使うということを声を上げていくことは大変重要なことだというふうに思います。
〇座長(加戸愛媛県知事) ほかにどうですか。
〇真鍋香川県知事 道路特定財源はやはりまだまだ香川県も含めて整備すべきところがありますので、まあ一般財源に使うよりかやはり橋を含めて、料金の引き下げも含めてぜひ確保すべきであるというふうに思っておりますので、これは賛成でございます。羽田の問題についても賛成でございます。
〇座長(加戸愛媛県知事) はい、ありがとうございました。愛媛県も本当に道路特定財源が真に必要な道路ばかりでございまして、4県そうだと思います。それとあわせて羽田空港に関しましても、共通認識でございますので、それでは4県知事異議なくこの2つの緊急提言と要望を採択させていただきたいと思います。
【その他】
〇座長(加戸愛媛県知事) それでは最後に、「その他」にありますが、香川県と徳島県の方から「四国八十八箇所と遍路道」の世界遺産登録についての提案を頂戴しておりますので、真鍋知事の方から説明でよろしいんでしょうか。
〇真鍋香川県知事 そうですね、四国遍路については、昨年ああいうことで継続審議というふうなことになってまいりました。そういう状況の中で世界遺産登録に向けては、八十八カ所霊場と遍路道全体を生きた文化遺産というふうなものとして捉えて、資産構成でありますとか、保護手法を検討する必要があるというふうな状況になっております。まあ現段階で4県を中心とした担当者会議によりまして、再提案に向けて調査検討を行っておるわけでございますけれども、今回4県連携施策として採用されたわけでございます。今後4県による協議会の設立などの協力体制のさらなる充実も進めていきたいというふうに思っております。今年の12月が再提案の時期でございますので、意外と時間がないと言えばないわけでございますので、ぜひ4県が一致団結して、また、市町村とかお寺さんとか、そういうとことも連携しながら熟度を上げるためにいろいろと勉強もしていかなきゃいかんというふうに思っておりますので、学識経験者からなる専門委員会というふうなものも立ち上げて、急いで勉強していかなきゃいかんと思っておりますので、よろしくお願いしたいと思います。
〇座長(加戸愛媛県知事) はい、どうぞ。
〇飯泉徳島県知事 そういう方向でぜひお願いをしたいと同時に、もう一つ保護計画をつくっていくと。先ほど昼食のお話の時に、例えばお遍路道のアスファルトを剥いでもいいじゃないかという話が出るぐらいでありまして、そうした保護計画をしっかりとつくっていくに当たりまして、地域の実情をよく分かっておられる例えばNPOをはじめとするいろいろなボランティア団体の皆さんとか、こうした皆さんをやはり4県でいろいろリストアップをして、こうした新たな公の皆さんにもご協力をいただいたらどうだろうかというふうに、まずご提言をしたいと思います。また、町並み景観、これをしっかりとこれを守っていこうと、またこれをPRをしていこう。まさに四国の宝物なんだといった意味で、これを全国に発信をする大きなきっかけにも今回できればいいんではないかと、こう思っておりますので、ぜひともよろしくお願いをしたいと思います。
〇座長(加戸愛媛県知事) 正直、私の受けている感覚としては、世界遺産の道のりはかなり厳しいと思うんです。それで、いろんな例えば文化財的なその整備とか、その保護のシステムとか、いろんな点がちょっと他の分野とは少し違うなと。これを乗り越えられるのは4県という熱意によってムードを盛り上げて、これが世界遺産にならずしてほかにあるのかぐらいな感じで、まあ情熱は必要なんですが、やはりどうしてもいろんな会議とか審査会とか、学者とかをクリアするための、それなりのやっぱりご注文にこたえるような体制整備をしていかなきゃいかん、こういった点でかなり技術的な問題は相当あるかなと思いますけど、困難は乗り越えても4県が力強く進めるということで、まず今日は精神的な目標実現のための熱意ということで進めさせていただきたいと思います。
それでは、ほかに何かございませんでしょうか。は、どうぞ。
〇飯泉徳島県知事 ところで、
〇座長(加戸愛媛県知事) はい、どうぞ。
〇飯泉徳島県知事 骨太の方針についてなんですが、先ほど申し上げましたように、今月20日でもと、こう言われております。実はそうした中に国の成長加速プログラムという名目の中で、一つ国立大学改革について、今交付金をメインにということなんですが、集中と選択という名目の中、特に財政審ですとか、経済財政諮問会議から、こうしたものをどんどんどんどん集約化をすべきだろうと。しかも研究費を中心とする成果主義を取るべきだと、まあこうなっておりまして、全国にあります80余の大学ランキングが今進んでおります。四国の4県の国立大学につきましては、大変今そうした中では厳しい状況にありまして、どう見ても旧帝大だけを生き残らせようとしか見えない形になっております。しかし、それぞれの地域におけるそれぞれの国立大学の果たす役割というのは、産業面、あるいは経済面、あるいはいろいろな研究、シンクタンク、知の拠点といたしましても、大きな効果、これをまあ出しているわけでありますので、これを一方的に切り捨てられると、その当然存続となりますと、これは丸々結局は我々県の負担になってくるということになります。先ほど交付税の話を初め多くの負担を地方に持って来ているという中で、実は隠れたしかも大きな負担がここにもまた出てきているということがございますので、地元の大学長の方からも、これは何とかならんだろうかと要請も受けているところであります。その意味で4県で連携をする中で、特にこの国立大学改革に対しての緊急的な提言、これを何とかその地域の大学のあり方、地域貢献というのを非常に大きな尺度として測るべきであると。ただ単に研究、それだけのことでこの交付金というものを削減していいものではないというものを、この際、ぜひとも提言をしてはどうかと、こう思っておりますので、これも本当に時間がない話でありますから、ここはぜひ加戸知事もおいででありますので、文科省にもしっかりと頑張っていただくといった点もありますし、ぜひとも緊急提言としておまとめをいただきたいと、こう考えております。よろしくお願いします。
〇座長(加戸愛媛県知事) わかりました。はい、よろしゅうございますか。
一応方向性についてご理解いただければ、文言はちょっとこの時間的に無理でございますので、事務レベルで早急に詰めた上で、緊急提言として当知事会の申し合わせにさせていただきたいと思います。よろしゅうございますか。
〔「はい」の声あり〕
7 その他
〇座長(加戸愛媛県知事) ありがとうございました。
それでは、時間をちょっともう超過してまいりましたが、意見交換は以上とさせていただきまして、もうこれ以上の発言はなお延びますので、もう打ち切りとさせていただきたいと思います。
本日はどうもありがとうございました。ただ、次回の四国知事会議の開催の件が残っておりますので、いかがいたしましょうか。
はい、どうぞ。
〇橋本高知県知事 順番ですと、高知県ということでございますので、ぜひ高知でお受けをしたいと思います。時間が延びるとしかられますが、せっかくパンフレットがございますので、後2分足らずお話をいたします。来年、「花・人・土佐であい博」という町並み博のように、あのアイディアに習ってお金をかけずにやろうというのを、来年の春から再来年の春まで1年通じて4シーズンでやってみようと思っております。来年は瀬戸大橋の20周年、明石の10周年でございますし、再来年はしまなみの10周年、それから坂の上の雲のスペシャル大河もございます。それから、来年小豆島のオリーブの100周年だというようなことがあって、四国全体でいろいろ人を呼ぶ仕掛けが考えられる時ではないかということを思います。高知でこういうことをやれば必ず徳島も香川も愛媛も人が通ってくださるだろうということを前提に、しかも牧野植物園が創立50周年になりますので、そういうものを核にして、花と食材とおもてなしということで、イベントをやろうと思っております。ぜひそういうことを知っていただいて、多くの方に声をかけていただき高知に来ていただきたいと思います。先ほども言いましたが、大阪からでも来ていただければ、必ず道後に行き、またうどんも食べていただき、徳島も通られるということで、ぜひやりたいと思います。そういう意味でも来年高知で四国知事会を引き受けさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
〇座長(加戸愛媛県知事) はいありがとうございます。
〇飯泉徳島県知事 それでは1分間。
〇座長(加戸愛媛県知事) はい、どうぞ。
〇飯泉徳島県知事 今お手元に、今年の話題として、一つは美智子様もご覧をいただいたと言います「眉山」、さださんの3作目の小説の映画化をされたものでありますが、今全県の方でもやっていただいておりますので、ぜひこの機会にご覧をいただきたいと。
また、今年の10月の27日から11月の4日の9日間、国民文化祭が徳島県で開催をされます。寂聴さんの書き下ろしの人形浄瑠璃ですとか、あるいは三木 稔さんのオペラなどもございますので、ぜひともこの機会においでをいただければと思います。どうぞよろしくお願いをいたしたいと思います。
〇座長(加戸愛媛県知事) はい、ありがとうございます。
香川県の方から、うどん第二作の発表とかはございませんか。
〇真鍋香川県知事 来年はハマチの80周年もあります。ハマチの養殖に成功した80周年ですので、(「県の魚ハマチ」の声あり)そうです。県魚です。
〇座長(加戸愛媛県知事) はい、ありがとうございました。ちなみにこの花・人・土佐であい博に合わせるわけじゃありませんが、愛媛の坊ちゃん劇場では、来年は龍馬ミュージカルを上演の予定でございます。
8 閉会
〇座長(加戸愛媛県知事) 皆様のご協力をいただきまして、ありがとうございました。
それでは次回高知県ということで、以上をもちまして四国知事会議を閉会させていただきます。どうもお疲れさまでございました。