知事の定例記者会見

公開日 2007年12月08日

更新日 2014年03月16日

知事の定例記者会見

平成18年12月26日14時00分から(県庁二階 第二応接室)

(項目)
 ・県警捜査費問題(1)
 ・百条委員会の設置(1)
 ・駅前の複合施設
 ・知事の6選出馬(1)
 ・雇用対策
 ・県警捜査費問題(2)
 ・会計検査院等国への申し入れ
 ・百条委員会の設置(2)
 ・知事の6選出馬(2)
 ・年末年始の予定



県警捜査費問題(1)
(小野:高知さんさんテレビ記者)
 まず、幹事社から代表で質問させていただきます。
 はじめに、県警の捜査費の問題についてなんですが、県警の内部調査の報告を受けて、知事は12月議会の議論を踏まえた上で判断したいという考えを示していらっしゃいました。

 その12月議会で、県議会は捜査費の適正な執行と執行内容の明確な説明を求める決議を可決しましたが、県民からは「これでは疑惑はぬぐえないのではないか」という声も上がっています。

 12月議会を終えたいま、知事はこの問題に対してどのように対応していくおつもりなのか、まずお考えをお聞かせください。

(知事)
 12月議会での県警の捜査費をめぐる議論も聞かせていただきましたけれども、最初から申し上げておりますように、県民の皆さんのこの捜査費問題に対する疑問・疑惑というものが晴れたとは言いがたいと思いますし、多くの県民の皆さんがその使い方について疑いの目を持ってご覧になっているのではないかということを思います。

 ただ、これまでも特別監査の際に聞き取った捜査費の情報は、監査委員のほうは県警本部に知らせることはできないと、 また、県警本部のほうは詳しい支払先の協力者などの名前を明かすことはできないということで、双方の言い分がすれ違ったままになっております。

 いまここまで特別監査としてやってきたものを、なんとかもう少し、表現はよくないけれどもあらためて戦線を拡大するというような方向ではなくて、いま申し上げたようなすれ違いをもう少し噛み合わせていけるような、調査という意味ではそれを深めることができるような、そういう手法というのが考えられないだろうかということをずっと検討もし、いろんな方のご意見も聞いておりますが、まだ正直言ってすべてを整理しきれておりません。

 もう少しお時間をいただいて、自分なりの考え方をまとめていきたいと思っております。

 一方、県警の捜査費は、その精算方法という点で捜査費の持っている特殊性から通常の知事部局などのいろんな会計規則とは違ったかたちになっております。

 というのは、会計規則の58条の1項で県警の捜査費の精算方法につきましてはただし書きがあって、県警本部長が別に定めることができるというかたちになっていて、それに基づいて県警が『経理の手引き』というものを作られています。

 具体的に言いますと、知事部局等での会計規則の運用ということで言えば、精算の際には領収書とか支払証明というものをひとつずつ示して、それによってチェックをしていく体制になっておりますけれども、県警の捜査費に関してはこのただし書きによって県警のほうで明細の一覧をつけて、そしてただしく前渡資金が使われましたという証明、精算書を付けてお出しになればそれで十分だということになっております。

 逆に言えば、一つひとつの領収書なり支払証明をチェックするということができておりませんので、その特性ということを抜きに考えれば、目的通りきちんと使われているかどうかということを他の支出と同様のレベルできちんと会計がチェックできていないという状況にございますので、こうした58条1項のただし書きを削除して、通常の支出の精算と同じように領収書、支払証明というものをお示しをいただくというかたちに変えていきたいというふうに思っております。

 愛媛県ではすでに、愛媛県で起きました同様の問題を受けまして、昨年の1月からだと思いますが、その領収書等を示していただくというかたちになっております。

 同様なかたちで高知県でも会計規則を改めて、捜査費の精算方法におけるただし書きというものを削除して、ひとつずつそういうチェックができるというふうにしたいと思っております。

 そういうかたちになりましたあとは、きちんとした支払いの証明ということがなされなければ、次の前渡資金をまた支出をするということはできなくなりますので、そういう意味でのチェックの機能も働いていくのではないかというふうに思います。

(小野:高知さんさんテレビ記者)
 いまお話のなかに、すれ違いを埋めるための調査を深めていきたいというお話があったんですけれども。県議会の一部会派からは「マスキングをはずした上で再監査をすべきではないか」という声も上がっていましたが、その再監査について現時点では知事はどのようにお考えでしょうか。

(知事)
 それは、だから先ほど答えましたように監査委員のほうは聞き取りをして、その際に問題点があったということを証言された捜査員がどなたで、どの件についてその話があったかということは、これはそういうことを明るみに出さないということを条件に聞いているのだから言えないということを言われ、また県警の側は、領収書等の支払先である協力者の氏名というものは、これは捜査の秘匿性からいって外に出すことはできないということを言われているわけなので、マスキングがはずされればそれは当然、こうした問題はそもそも起きないわけですので、マスキングをはずしてもう一度監査うんぬんということをいくら声高に叫んでもそれでは何も解決をいたしません。

 何かそこをもう少し、いま申し上げたようなジレンマというか、すれ違いを解決できるような手段というものがないだろうかと。

 単にそこを追求していっても、その結果、県民の皆さんが「ああ、そうだったか」と納得をしていただけるような出口がある程度想定をされないといけませんので、そういうことを含めて何らかの方法がないかということを検討しております。

 まだいろいろと自分自身が聞き取ってまとめていかなければいけないことがいくつかございますので、いまの時点ではその結果まで含めてお話しをすることが間に合わなかったということでございます。

百条委員会の設置(1)
(小野:高知さんさんテレビ記者)
 次に、百条委員会の設置とそれにかかる一連の問題についてお訊きしたいと思います。

 県漁業信用基金協会に対する県の出資について、県監査委員が違法・不当と判断しまして、県に損害補填などを勧告しています。
 この勧告を受けて、今後県としてはどのように対応して、どのように説明責任を果たしていくおつもりなのか。まずこの点についてお訊きしたいと思います。

(知事)
 それはもう県議会でも答弁をした通りですけれども。従来のように県の様々な裁量権というものを幅広くとらえてきた監査の姿勢とは違って、公益性があるかどうかということをかなり厳しく踏み込んで判断をされたということは、一般論で言えば、大変ある意味で新しい一歩を踏み出された監査であったというふうに思いますし、そういう監査の指摘というものを受けて、この件に限らず今後県の行ういろんな事業での公益性とか裁量権というものをきちんとまた見直しながら仕事をしていかなければいけないという戒めになっているということを思います。

 ただ、本件の具体に関しましては、ある意味その保険料を掛けるようなかたちで、いざという必要なときのために準備をするお金をどうやって積んでいくかというふうなこと、また国がそういう枠をきちっと設けているという、その国が設けた意味というのは何か、そしてそもそもこういう漁業に関する基金制度の意味は何かということを踏まえて公益性というものを議論していかなければいけない面もあろうと思いますので、いまの時点ですべてをまとめて整理をするということができませんでしたので、このことは担当局のほうできちんと整理をして、県民の皆さんにもご説明をしていきたいと思っています。

(小野:高知さんさんテレビ記者)
 この問題に関連しまして、いわゆるよこはま水産問題を解明するために県議会に百条委員会が設置されました。

 橋本県政の下で百条委員会が設置されるのは3度目になるんですが、この事態をどのように受け止めていらっしゃるのか、県議会の終了後にもお話を伺ったんですが、あらためて知事のお考えをお聞かせください。

(知事)
 まず、直接百条委員会と関わることではありませんけれども、私が知事になってから大きく変わったことは、やはり議会との関係であろうと思います。

 議会での質問というものも、私が知事になったころは一部の方が再質問されましたけれども、ほかはもう質問しっぱなし、答えっぱなしということで終わっておりました。それがいまは、どの会派の方も再質問をされない方はおられません。

 これはもう大きな変化で、それだけいい意味での緊張関係というか是々非々という立場がきちんと議会と執行部との間にできてきたということを思います。

 こうした百条委員会等を設置していただくということも、やはりいい意味での緊張関係、チェック機能というものが働いているということですから、そのこと自体は決して私は不名誉なことでも、県として何か県民の皆さんが後ろ暗く思うようなそういうことではなくて、堂々とそういうチェック機能というものを議会は果たされ、また県の側はそれに対してきちんとしたお答えをしていくということであろうと思います。

駅前の複合施設
(小野:高知さんさんテレビ記者)
 最後に、駅前の複合施設の構想についてなんですが。このほど県民の世論調査の結果が出ました。

 それを見ますと複合施設の賛否についてはかなり大きく意見が分かれていて、県議会からは「もう構想を断念すべきではないか」という厳しい意見も出されています。

 県は2月議会までに最終判断をしたいという意向を示しているんですが、まず知事はこの世論調査の結果をどのように受け止めていらっしゃるのかということが1点目です。併せて、2月議会までにどのような過程を経て結論を出していくのか。

 県都の顔という観点からは高知市の提案とか民間の提案などにもっと耳を傾けて、多くの知恵を集めていかなければいけないんではないかと思うんですが、そのへんも含めてどのように最終判断をしていくのか、お訊きしたいと思います。

(知事)
 やっぱり県民の皆さんの意見がいろんなかたちで分かれるというのは、それだけまだ県民の皆さんおひとりおひとりの将来にかかわる問題として、この駅前の問題はお考えになっていないということなんだろうと思います。

 だからいけないとか何とかいうことではなくて、そういう思いの方が多いんではないかな、というふうに思います。

 要はそのことと、結局いろんな県民のお声を聞いたらいいじゃないかということとが関わってくるわけですけれども、県民のお声を聞くのはもちろんです。

 それから高知市内で民間のいろんなご提案を聞くのはもちろんなんですけれども、結局こういうようなかたちでアンケートにも出てくるように、いろんな方の思いというのはまだ相当バラバラなんではないかな、ということを正直思います。

 もっと耳を傾けるべきではないかというのは、耳を傾けてないというご趣旨であれば全くそういうことはございませんし、それから断念ということを言われますが、そもそもこれは決定事項として出してきているわけではなくて、ひとつの提案だということを最初から申し上げているにもかかわらず、まだやはり県というものがまず提案をして、いろんな議論を起こして、その提案を変えていったり引き下げて別のかたちにしていくということに議会の皆さんも多くの県民の皆さんも慣れておられないんではないかと。

 だから、口では「バックギア」と言っても結局は決めて押し通そうとしてるんじゃないか、だから断念うんぬんだ、というような話になってくるのではないかという思いがいたします。

 最初から申し上げているように、ほうっておけば議論というものはなかなか起きるものではございません。

 やはり何らかのご提案というものをして、それに対して「それだったらこうだ」というふうな前向きな議論が起きるということを期待をしておりましたけれども、あまり前向きなかたちにはならずに「あれはおかしいんじゃないか」「これはいけないんじゃないか」というようなかたちの議論にはなっております。

 けれども、それでも皆さんが駅前の土地ということをお考えをいただいたということは、大変大きな一歩だと思うんですね。全体として、あの事業をここまで進めるまでに連続立体(交差)の事業から何から800億(円)ぐらいはかかっていると思います。

 そのなかで出てきた土地でございますし、県として既に60数億(円)をその土地を所有するために支払っているものです。

 これを例えば「いまの路線価で売ってしまえばいいじゃないか」というご議論もあるわけですけども、路線価で売れば15億(円)ぐらいの路線価ですので、もうそのまま50億(円)の損害を出してしまうと。

 ちょっと言葉は悪いですけれども、それこそ背任的な行為だというふうに県民の皆さんに見られても致し方ないようなことになると思います。

 であれば、やっぱりあの土地をどうやって有効に活用していくんですかということを、もっともっと多くの県民の皆さんにもお考えをいただきたいなということを思っております。

 きょう、まさにこのあと駅前のことに関わっている職員とも話をいたしますので、フランクな話をしながら今後の方向性というものを考えていきたいというふうに思います。

 特に私自身は議会の節目ということは考えません。この土地の活用ということから言いましても、連続立体(交差)の事業が終わって土地が有効に使えるという期限がもう迫ってきておりますので、より早い段階でまた県民の皆さんにご提案をして、ご意見を伺っていくということも当然あり得るのではないかというふうに思いながら職員とお話をしたいと思っています。

(小野:高知さんさんテレビ記者)
 幹事社からは以上です。では各社から質問がありましたらよろしくお願いいたします。

(北村:高知放送記者)
 その駅前の複合施設についてなんですけれども。いままで県民との意見交換会もやられまして世論調査の結果も出ました。ある程度判断されるような材料は出てきたんではないかと思われるんですけども。

 あとはある意味県の、知事の判断ではないかな、という感じもするんですけども。今後まだ知事は材料を求められるというかたちなんでしょうか。

(知事)
 少し、皆さんの頭が複合施設ということにもう凝り固まっているんではないかなと。要は、それはひとつの提案として出しているのであって、それを引っ込めるの、そのまま押し通すのという問題ではないということを何度も申し上げているわけです。

 あの土地を、いま申し上げたようにそのまま売って50億(円)の損害を出すことができないとしたときに、それをどう使っていきますかということをもっとみんなで考えなければいけないと。そういう提案をみんな出し合いませんか、ということを申し上げているんです。

(北村:高知放送記者)
 今後も県民との、意見交換会になるのかどうか分からないんですけども、そういう場を設けて判断材料にしていくということですか。

(知事)
 いえ、そうではございません。

 べつに、もう県民の皆さんのいろんなお声というのは何箇所かで、非常に少ない人数でしたけれどもお聞きもしましたし、アンケートということもいたしましたので、そのことについてこれ以上また同じようなことを繰り返してもそれは時間を延ばすだけで、この土地が利用できるという、先ほど申し上げた期限ということを考えればもっと有効な、そして前向きな議論をしていかなければいけないときではないかと思っています。

(北村:高知放送記者)
 その議論はどういう場でされますか。

(知事)
 場で議論するというんではなくて、みんながもっと提案をしていかなければいけないんではないですかということを申し上げているんです。

 「あれはいけない」「これはいけない」と言うだけではなくて、どう使っていくかということをもっと提案をしていかなければいけないんではないか。

 だから、もしこの複合施設というかたちがないとしたら県としてどういう提案をしていくかということも当然考えなければいけないでしょう。

 さっき高知市というお話もありましたけども、もし高知市がお考えだったらばぜひ聞いて、高知市のお考えというものも出していただきたいし、それからJRの方々も県の提案ということをひとつ踏まえながら、JRとしてもまたご検討をいただいているわけで、それが全体が動いていけば、またその中でいろんな民間の方のお声も出てくるだろうとは思いますけれども、「こう使ったらいいんじゃないか」ということを、もっともっと、県に頼らずに、「県がなにかしなさい」ということではなくて、もっともっとフランクにいろんな提案が出てきてもいいんではないでしょうかと。

 それだけ県都ということで言えばみんなにとって重要な土地ではないかと思うんですね。

(岡林知永:高知新聞記者)
 いま、あらためて提案も、というようなご発言があったと思いますけれど。2月までに県として、いまの複合3施設構想というものを引っ込めて新たな提案というものも何かしら考える、そういうような意味合いでしょうか。

(知事)
 いや。すべては可能性としてはあるわけで。先ほども言いましたようにこれから担当の職員とも話をして、現時点ではやっぱり担当の職員が私の見えないところでいろんな関係の方々とお話しをしたりして、どういう受け止めをしているかというようなことも含めて議論をしていきたいと思っています。

 いまの段階では、いまご質問のあったようなことをしていこうと決めているわけではもちろんございません。そのまま2月議会までこういうかたちでいくかもしれないし、そうでないかもしれないと。幅広く考えているというものです。

(岡林知永:高知新聞記者)
 そこらへんの方向性というのは、知事のなかでもまだ決められていないということですね。

(知事)
 決めておりません。

知事の6選出馬(1)
(竹内:高知新聞記者)
 23日付けの読売新聞の朝刊なんですが。「5期目も引き続きやりたい。6選を目指す」と、読売新聞紙上で出馬表明をされています。これはどういうふうに受け止めたら。このとおりなんですか。

(知事)
 いや、出馬表明はしておりません。

 そのときのインタビューは、そのことに限ったお話ではなくて、いまよく言われております多選の問題とか知事の権力とそこにおけるいろんな事件の問題とかそういうことをどうやったら防いでいく手立てがあるんだろうか、というようなご趣旨でした。

 そういうなかで、最後のほうに「来年また選挙がありますけれども、どうされるんですか。意欲はあるんですか」とお訊きになりますから、私はもういつも「引き続き知事として仕事をしていくという意欲を持ってやっております」ということを申し上げましたら、「次の選挙に向けて意欲というような書き方をしていいか」と言うから、意欲は先ほども言ったようにいつも私は持って仕事をしています、というようなことを申し上げました。

 そのあと、いろんな少し冗談めかしたやりとりをした内容も含めて記事になっているということでございますので、カギカッコで「出馬表明をした」とか「決意をした」というようなことは私は言ってはおりませんし、そういう趣旨でもございません。

(竹内:高知新聞記者)
 先ほどおっしゃった知事の意欲というのは、観念的というか精神的なものという意味ですか。

(知事)
 いや、意欲というのはそれは観念、精神というよりも仕事に対する、そういう引き続き知事として仕事をしていくということへの意欲ですので。

 この間の議会の初日のご質問でも「どうしていくんですか」というご質問があって、それに対して、従来ならばいまの任期の間頑張るという表現でしょうけれども、あえてそういう言い方をせずに、次の知事選挙までの間という言い方をいたしました。

 それから、県議会の最終日のごあいさつでも今県議会で力をいただいたということを申し上げました。

 私としては、通常の言い方とはそこはある意味ニュアンスを変えて、自分自身のこの高知県の知事という仕事への意欲というものをニュアンスとしては申し上げたつもりでございます。

 ですが、先ほども言っておりますように、最終的に選挙に出馬をするとか何とかいうことを決意をしたり表明をしたということではございません。

(竹内:高知新聞記者)
 意欲はあるけれども、去就は未定であると。

(知事)
 ええ。意欲はもうずっと(持っています)。これは前からいつも、意欲がなくなったということを申し上げたことはないと思いますけれども。

 意欲はずっと持っておりますし、そのことはいつも引き続き知事として仕事をしていくという心構え、意欲ということでございますので、単に最終的に選挙に出るか否かということは、この読売新聞の取材でも申し上げましたけれども、それこそどういうふうに県民の方がまた受け止められるか分かりませんが、モード・アバンセの最高裁の判決というものも予測をされると思います。

 それから、これは全く違う話ですけれども、各所のいろんな選挙というものもございます。そういう結果というものを見つめながら、自分としての最終的な身の振り方というのは当然考えていくことになりますよ、ということはそのときもはっきり申し上げております。

(竹内:高知新聞記者)
 その記事の中で「全国の知事の長老を目指す」と。

(知事)
 そこが先ほど冗談めかしてという表現をしましたが、それはもう完全にインタビューの終わったあとに、コーヒーを飲んで雑談をしながら話した話でございます。

 「それはそうだね。全国の最長老を目指すのも面白いかもしれないし、県民の皆さんに「もうおまえはいらない」と言われるまでやり続けるというのも、それは男の生き方としてあるかもしれないね」ということをニコニコとしながら話をしたということでございます。

(岡林知永:高知新聞記者)
 その記事に関連してなんですけど。「年明けから県内各地で県民との対話集会を開き」というようなくだりもあるんですけれども、そういうご予定っていうのはあるんでしょうか。

(知事)
 それは、ご予定というか実際に予定として組み込まれているかというと、まだ組み込まれてはおりません。

 それはその記者の方がもともと高知におられた方ですので、高知に来られて私の支援者と話をしたときにそういう話を聞いたということを言われますので、そのいきさつはこうだということでお話をした内容でございます。

 そのいきさつは、私は来年還暦になりますので、その還暦の祝いをしようかという話になりました。

 それはもう、今から数カ月も前のことなんですが。それで還暦のお祝いをしようか、それじゃあまたどこかホテルの会場でも借りてやろうかね、というふうな話でみんながワイワイとしていたんですが、しばらくしてみんな冷静になって考えれば、また政治資金パーティーだどうだという話になって、単に還暦の祝いでは済まなくなるんじゃないかと。

 そうなったらそんなことはやめたほうがいいんじゃないかという話になって。だけど、みんな何かのお祝いを一緒にしたいという人は地域にもいっぱいいるだろうから、そうであれば、地域を回りながらそうやって還暦の祝いを兼ねた会を開いたらどうかね、という話になったんです。

 「そういうことができればやろうかね」ということを言っていたぐらいで、まだそれ以上、何日にどこへ行って、というようなことをしているわけでもございませんし、いざそういうことをするとなるとまた、特段名簿のあるような後援会でもございませんので、誰が誰にどうやって声をかけるかということからまたいろんな問題が出てきますから、はたしてできるかどうかも分かりませんけれども。

 要はそういうことをやろうか、という話にはなってはおりますので、そういうことがそういう書き方になっていると思います。

(岡林知永:高知新聞記者)
 構想段階というような、そういう感じですか。

(知事)
 まさにそうですね。構想段階。しかもそんな、選挙にからんでということでは特段ございません。

 支援者の方としては、選挙もあるからそういうことを踏まえて、というお気持ちはあろうかとは思いますけれども、私としてはそういう思いはありませんし、もともとはそういう還暦の祝いうんぬんというところから出てきた話です。

(浜田:高知新聞記者)
 去就を判断されるタイミングはいつごろでしょうか。そういうのは考えたことはありますか。

(知事)
 ええ。考えたことはございます。それは少なくとも春が終わって、参議院選挙というものをどう考えていくかということだと思いますけれども。

(浜田:高知新聞記者)
 参議院選挙の結果を受けてという。

(知事)
 いや。結果を受けるかどうかを自分自身がどう判断していくかということになろうと思います。

 参議院選挙の結果だけということではないですけれども、その結果という意味が高知県を意味するのか全国を意味するのか、いろんな意味がありますから軽々なことは申し上げられませんけれども、時期として参議院選挙というものを踏まえるか踏まえないかというようなこともひとつの考えなければいけないポイントだとは思います。

(竹内:高知新聞記者)
 早くても来春以降ということですか。

(知事)
 そういうことです。

(浜田:高知新聞記者)
 統一選後以降と。

(知事)
 ええ。

(浜田:高知新聞記者)
 岩手の増田寛也知事は10月末に次の出馬を断念するということを発表したんですが、それはちょうど自分の任期の6カ月前ということとかもあって。

 やっぱりそのときに増田さんが考えたのは、いろんな人に手を挙げてもらって、やりたい人はどんどん手を挙げてもらって選挙を活性化させたいという意味とかもあったということなんですが、そういうことを考えればなるべく早くという思いも知事自身はあるでしょうか。

(知事)
 それは別に出ると言おうが出ないと言おうが、またどうであろうが、それは出る方はどんどんどんどん手を挙げて出てこられればいいことなんじゃないでしょうか。

 現職の知事が辞めなければ知事候補が出てこないというのもおかしな話で。現実に出にくいとかいろんなことはよく分かりますよ。よく分かりますけれども、それはあまり私は自分自身の理由としては考えません。

雇用対策
(田村:NHK記者)
 いまの議論からはちょっと離れたかたちになりますが。きょうも有効求人倍率が公表されたんですけど高知県は全国的に厳しい。数字上なんですが厳しいですね。

 それに対する現状の高知の雇用環境に関する知事のご認識と、これから年が明けますけど県としてそれを改善すべくどういうふうな対応をするかということを。

(知事)
 大変厳しいという認識を持っております。

 いま数字の上というお話がございましたけれども、有効求人倍率の数字が本当にそういう需給を反映しているかどうかということは当然あるんですが、それは全国同じことですので、それは東京であれ愛知であれ本県であれ、そこに反映されない雇用だとかいうことは同じ条件でございますので、相対的に本県が一番厳しいということには変わりはないと思います。

 そうしたなかで、県として最大限できることはやっていかなければいけないと思いますので、この間も(経済)団体の方々とお話をして、何ができるかということを協議をいたしましたし、現実には商工労働部のほうも各団体を回って、もし雇用をということを考えられている企業があるのであれば、ひとりのところをふたり、3人にということをお願いして、またそのときにそういう企業に対しての国の助成制度というものがありますから、そういうことをきちっと企業の方にも知っていただくように経営者協会なり商工会議所なり、しかるべき団体の皆さま方にお知らせをしていくということを地道にやっております。

 あとはよく言われるミスマッチの問題などをどう解消していくかということで、これもそれぞれ個別にやっていかないと。

 上から網をかぶせてということでは済みませんけれども、ジョブカフェ等のある程度実績をあげているところの力というものを活用しながら少しでもその数を増やしていきたいな、ということを思っております。

 あと、あの会〔12月15日に開催された「雇用問題に関する経済団体との意見交換会」〕でも労働局長さんからは、雇用のための国の事業があるんですけれども、各市町村がなかなか手を挙げてくださらないという話がございました。

 けれども、高知市をはじめ担当の方に伺いますと、やはり国が全国一律で決めているために、その要件に乗りにくい現状にあるということなので、そういう点をもう少しフレキシブルに運用してもらうようなことというのを国にも積極的に働きかけていきたいなということを思っております。

(原:日本経済新聞記者)
 いまおっしゃった協議の場でも、雇用の問題で一番即効性のあることは企業誘致だという意見がありましたが、今年は小粒ながら(誘致)企業の数はそこそこ出てきたと思いますけど、来年に向けてそのへんをどう見ていらっしゃるのか、あるいはそのための何か対策とかがあるのかどうかということを聞かせてください。

(知事)
 対策ということで何か制度的な、例えば助成策だとかいう意味での対策というものは作り得ないと思います。そのような小手先のことで動くものではないと思いますので。

 これはいろいろ、いまお話のあるものを確実に形にしていくと。コールセンター系でございますとか、そういうかたちで少しでもお話のあるものを形にしていく。また、可能性のあるところをきちんと詰めていくということになろうと思います。

 一方で、結構いろんな企業に土地をお買い求めいただきましたので、かなり供給サイドというか工場の用地等として手持ちが逼迫してきている現状にはございます。

 そういう従来型の、公共の手法でということではなく、企業がご進出いただけるときに用地の提供をしていけるような仕組みということは、一方で考えていかなければいけないということは思っておりますが、通常の企業の誘致ということでいえば、現在立地をしていただいている企業の拡大ということは、それこそ地道に続けていく以外にないというふうに思います。

警捜査費問題(2)
(板倉:朝日新聞記者)
 先ほど県警の会計処理の仕方を変えていくという話があったんですが、これは知事としてはいつごろを目途に考えているかということと、当然県警のほうの反発も考えられるんですが、お話はしているんですか。

(知事)
 県警のほうに話をしてください、ということは出納局のほうには連絡はしてございます。それで、時期としては来年の4月からになろうと思います。何かその後…。

(中澤総務部長)
 いえ。まだ話してないかもしれないです。

(知事)
 あ、してないかもしれない。
 話をするようにとは言いましたけれども、まだかもしれません。

(上田:NHK記者)
 関連ですが、それは2月定例議会に条例規則の改正案を?

(知事)
 いえ、条例ではございません。会計規則です。

(竹内:高知新聞記者)
 議案は出さなくてもいい?

(中澤総務部長)
 出さなくてもいいです。

会計検査院等国への申し入れ
(服部:毎日新聞記者)
 前回の会見で出た会計検査院の問題なんですけれども、知事は「別の同様のケースも洗い出して調べてみたい」というふうにおっしゃっていましたが、その後何か具体的に職員にそういう指示はされていますか。

(知事)
 いや、指示は特段はしておりませんし、同様のもので国に提言をしたほうがいいんではないかということで提案として上がってきたものもございません。

百条委員会の設置(2)
(池:高知新聞記者)
 知事の言葉で真意をちょっとお訊きしたいんですけれど。

 百条委の件ですが、議会閉会直後のお話では、後ろ向きであるとか昔のことを追及するのはどうこうとか、そういう表現をされたと思います。

 直後のことではありましたので、いまとは感情の度合いが違うのかもしれませんが、きょうのお話は当日とはだいぶトーンが違うと思いますけど、それはどう受け止めたら。

(知事)
 いや、いまもお話が出た有効求人倍率や何かの厳しい問題があるなかで、多くの県民の皆さんはもっともっと前向きなことにエネルギーを使ってほしいというふうに思っておられると、私は思います。

 百条委がどこに焦点をしぼっていかれるのかが私も分かりませんが、よこはま水産の問題ということであれば、その後の基金の積立てが公益性と裁量権からいってどうかということは議論すべき課題だし、私はそこでの監査のご指摘というのは、是か非かは別にして非常に時代性を持ったご指摘だとは思います。

 しかし、よこはま水産うんぬんということであれば、少なくとも私としては自信を持って取り組んできた課題ですので、何らそういう意味での問題はないということを自分は認識をしておりますし、またそこから何が新しく得られるのだろうかと、県民の皆さんのためにプラスになることが。

 要は、よこはま水産の問題というのは同和事業への県の対応のゆるみということ、甘さということがもたらしたいろんな問題が背景にあったと思います。

 モード・アバンセの事件でも基本的にはそういう問題があり、やっぱり同和関係の問題というものを大変遅れたとはいえ、大阪府や大阪市の状況というものを見たときに他県よりも早く解決をしてこれたという道筋だろうと私は思うんです、この数年というのは。

 ということから考えましたときに、私はいま、そこから同和行政を思いっきり切り替えてきたような、そういう県民の皆さんにとって何か新しいプラスになるものが出てくるんだろうかということは強く疑念として思いますので、そういう意味で「後ろ向きではなかろうか」というふうに申し上げました。

 ただ、そこで実際に百条委というものが立ち上がったからには、そこへの対応ということであれば、それは県民の皆さんに少しでも分かりやすくきちんとご説明をしていくということは必要なことだと思いますし、また先ほどのご質問は、この問題での百条委ということよりも私が知事になってから百条委員会が3回開かれますが、という問いに少しウエイトがあるんではないかというふうに思いましたので、県議会での質問のかたちも変わってきた議会とのいい意味での緊張関係、チェック機能ということは働いてきた結果であるので、決して百条委が3回できたということを私自身は不名誉なことだとは思いませんし、県民の皆さんにも不名誉だと思っていただくことはないんではないかな、というふうに申し上げたんです。

(池:高知新聞記者)
 先ほどおっしゃった、堂々とチェック機能を果たしていただいたというようなお話だと思うんですが、これは議会閉会直後に述べられた「後ろ向き」とかいう見方とは矛盾しないでしょうか。

(知事)
 いや。だから私はよこはま水産の問題うんぬんということではなくて、私の知事就任後3回も百条委員会が開かれましたがそのことをどう思われますか、というご質問だと受け止めたんです。

知事の6選出馬(2)
(池:高知新聞記者)
 もうひとつ知事のお言葉で真意を伺いたいんですが。

 先ほどおっしゃった出馬うんぬんの話ですね。意欲とおっしゃったけれども、知事というのは4年任期で回っているわけですので。
 もちろん県民に付託を受けた4年間というのは当然意欲を持っていただかないといけないんですけれども、知事がさっきおっしゃった意欲というのは。

(知事)
 もちろん、その次もという意味での意欲を申し上げたんです。

(池:高知新聞記者)
 その次もということ。

(知事)
 はい。

年末年始の予定
(浜田:高知新聞記者)
 冬休みの日程を教えてください。

(知事)
 正月は長野県蓼科で、12月29日から1月3日まで過ごします。

※秘書課注:その後予定が変更になり、年末年始は高知で過ごすことになりました。

(小野:高知さんさんテレビ記者)
 それでは、時間も参りましたのでよろしいでしょうか。
 ありがとうございました。

(知事)
 ありがとうございました。 
 

 


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