知事の定例記者会見(2月議会での知事提案説明に関して)

公開日 2007年12月08日

更新日 2014年03月16日

知事の定例記者会見(2月議会での知事提案説明に関して)

平成19年2月22日12時40分(県庁二階 知事室)

(板倉:朝日新聞記者)
 きょう、県警の捜査費の問題で、(議会の提案説明の中で)新しい提案というのがありましたが、具体的にどういう形で、過去どれぐらいのものを調べるかとか、目指すところをお話しいただきたいんですが。

(知事)
 まだ具体的にどのような形で、ということは決めておりません。ただ、制度上、知事の権限ということになりますので、私自らが確認をしていくという表現にいたしましたけれども、私1人で実務上すべての書類を見るというようなことになりませんので、それは今後の県警との協議ということもありますけれども、誰か補助者を立てていくということになろうと思います。

 そのときに、どういう守秘義務を負った、また資格を持った人がいいだろうかというのはまた、今後詰めていかなければならない課題だろうと思います。
 それから、どの範囲でということも、すべてを何か悉皆(しっかい)的に調査をしていくということは、時間的にも実務的にも非常に難しかろうと思いますので、何らかの形で抽出をしてということになると思いますけれども。それは今の時点で具体的に「この機関のこういう者」というような考え方を固めているわけではございません。

(板倉:朝日新聞記者)
 それはマスキングを外したものを求めるとか、そういうことですか。

(知事)
 もちろん、そういうことでございます。ほかにも県民の皆さまの疑念を晴らすための手法というものをいろいろ考えてみましたけれども、まずは自分自身がその予算執行の権限として持っている権限を生かして、資料を出していただいて確認をするというのが、手続き的にもまず最初にやるべきことだということを思いまして、あのような思いを表明いたしました。

(畑本:読売新聞記者)
 「まずは」ということは、このあとまだマスキングが続いたりすると、次の一手も考えなければというふうにお思いですか。

(知事)
 ええ。これまでもさまざまな手段、手法を詰めて考えてきましたけれども、法律の壁とかいろんなことがあって簡単ではございません。けれども、まずは先ほど申し上げましたような地方自治法上の権限というものを生かして、手順を踏むべきだと思いましたし。

 それで、県警にきちっと対応していただきたいという思いをもちろん持っておりますけれども、なお、なかなか十分な成果が得られないということであれば、そこであきらめるということではなくて、次の手だてが何かないかということは考えていきたいと思っています。

(大山:高知新聞記者)
 今おっしゃっている捜査費疑惑というものは、会計書類上は整合していると言われていまして、なかなか書類上から適正に執行されているかどうかを確認するのは難しいとも言われているんですけども、
確認という作業は、書面を見ることだけなんでしょうか。

(知事)
 もちろん、そうではございません。会計規則上の書類としての体裁が整っているかどうかを見るということではございません。

 ちょっとご質問と話がそれますが、4月から会計のやり方を改めると。こちらは出納のほうで、ちゃんと領収書として整ったものかどうかということを、マスキングを外して見させていただくということで。出納の会計規則の改定は、挙がっている名前が実体と合うかどうかというようなことを調査しようというものではございません。
 一方で、今回私が申し上げましたのは、見せていただいて、実際にそういう人物がいるかどうかというところまで調査をさせていただくという意味で「確認」と申し上げております。

(大山:高知新聞記者)
 その人物というのは、捜査協力者のことを指しているんでしょうか。

(知事)
 捜査協力者だけでなく、店だとか、いろんなことがあろうと思います。

(大山:高知新聞記者)
 捜査員への聞き取りも検討されていますか。

(知事)
 それは、今の時点では、まだ検討しておりません。

(大山:高知新聞記者)
 県警の対応いかんによっては、ということでしょうか。

(知事)
 ええ。最初の質問にもありましたように、どういう形でやっていくかといったときに、権限上「私、知事は」ということになりますから、「私自身が確認を」という表現をしておりますけれども、それは機関としての知事という趣旨であって、実務上は県の職員なり、何らかの資格を持った守秘義務を負う資格を持った方を補助者として参加をしていただかないと、今、申し上げたような確認作業、調査作業というものが進みませんので、それをどうやっていくかというようなところからちょっと協議を始めなければいけないことになります。
 で、それをやる中で、今ご質問にあったような「どういう形になっていくか」ということはそこからなので、今の時点では何とも、ちょっと想定がつきかねます。

(畑本:読売新聞記者)
 捜査費から外れますが、きょう、東洋町の問題で、(「高レベル放射性廃棄物最終処分施設の文献調査に関する決議」が)全会一致で可決されたことについて、知事のお考えをお聞かせください。

(知事)
 それは県議会でも、徳島県議会に続いて大変はっきりとしたこの問題に対する対応をしていただけたと思います。県の考え方とも一致をしておりますので、非常に心強く思いました。

(畑本:読売新聞記者)
 その上で、(提案説明の)そのお話の中の後段の部分で、ことし選挙がいっぱいありますが、県の重要な課題なので、マニフェストなりで態度を明らかにするべきだとおっしゃいましたが、ここでおっしゃっている「各種の選挙」というのは、県議選、首長選、市町村議選、参院選、知事選がございますが、これらいずれもを視野に入れてということでしょうか。

(知事)
 東洋町だけの問題ではなくて、やっぱり高知県全体の今後のあり方、また、高知県に対するイメージとかいうことに大きくかかわってくる課題でございますので、近隣の市町村にかかわる首長さん、議員さんというだけではなくて、全体の県議選の候補者なり、市町村長さんなり、国政選挙また知事選挙、そういうことを踏まえて、自分の思いとしては申し上げました。

(八代:NHK記者)
 教育税の話も出ていたと思うんですが、これはどういう経緯、どういうお考えで、こういうものを議論すべきだということになったんでしょうか。

(知事)
 これまで土佐の教育改革、10年を終えて、次をどうしていくかっていうことをいろんな形で議論してまいりました。そうした中で、1つは学力差の問題があります。これは、小学校なら小学校のなか、中学校なら中学校のなかでの学力差というような問題。

 それから、小学校に上がる前の幼保にかかわる就学前のお子さんの問題。そういうポイントポイントになっていく課題というのは、明らかになってきているだろうと思います。そのポイントに対して対応していくということは当然なんですが、それだけだと、提案理由の中でも申し上げましたように、一般論になりかねないということになります。

 一方で、財政ということを考えますと、やはり小規模校が多い中で、一遍に統廃合うんぬんという議論にはなかなかなりませんので、財政的な制約も大変大きいということになります。
 そういうことをいろんな方々とお話をする中で、森林環境税のような形で少しでも教育という、県民みんなに関心を持っていただける、また県を挙げて県民総意で取り組んでいく価値のあるテーマで、特定の税というものを考えることができたら。

 それを税源に今、申し上げたような「ここだけは、やっていかなきゃいけない」というふうな課題に対応していく具体策が取っていけるんじゃないかというようなことを、何人かの方と議論をしましたが、そういうことを特定の教育に関心のある方とだけ議論をするのではなくて、県民の皆さんに投げかけて、広く各地域でそういう議論を展開してみたらどうかなということを思ったんです。

(大山:高知新聞記者)
 捜査費のことに戻って申し訳ないんですが。先ほど捜査協力者への調査も、想定がつきかねるというふうに……

(知事)
 そのやり方、どういう補助者が就くかとか、いろんな具体的な作業の段取りということが決まらないと、進み方はちょっとなかなか想定がつかないということで。最初にお話がありましたように、会計規則上の書式が整っているかという問題ではなくて、もっとちゃんと踏み込んだものをきちっと確認をしていきたいと。
 ただ、それは、悉皆で、今問題になっている全署、しかも各年度すべてのものを対応するということはとても物理作業としてもできませんので。それじゃあ、まず手法として、どういうやり方ができますかと。

 そのときに、どういう機関のどんなものをやりますかというようなことは、これからちょっと具体的に話をしていかないと、なかなかどういう展開になるか、想定がつかないということを申し上げました。

(大山:高知新聞記者)
 それは、捜査協力者であれ、県警内の執行者であれ、まあ現場警察官ですよね、同様ということで。

(知事)
 今の段階ではそうですね。だから、そこらへんがやりとりの中でどうだろうかということは思いますが。

(板倉:朝日新聞記者)
 百条委員会の件で、きょう、報告がありました。会見でもちょっと伺ったんですが、あらためてきょう、知事の立場から見方を。

(知事)
 よこはま水産の問題は、やはり本県の同和行政が生んだゆがみの1つだというふうに認識をします。今回問題になっていることというよりも、よこはま水産にまつわるいろんな過去の経過というものが。モードアバンセ問題でも根っこにあったことですけれども。

 そういう同和行政のあり方というものをずっと見直して、思い切り変えてきたというのが、ここ十数年の県政の流れだったというふうに思います。
 で、そういう中で、やはり古い同和行政へのかかわり、その中でこういうことをしなきゃいけないという思いを引きずったままの職員がいて、そういう取り組みをやってきたということは、一方で事実だと思います。

 けれども、それをきちんと知事、私をはじめ上層部が「そうではない」ということできちっと整理をして予算もつけたというのがあの問題なので。そういう意味では、ご指摘を受けているような疑惑というか問題点というのはないというふうに認識をしています。
 で、きょうのご議論の中でもありましたけれども、カウンターパートである基金協会の当時の理事長さんからして、出資というのは保証の担保にはならないんだということを明確に言われておるというようなことからしても、成り立たない話だと思うんですね。

 やっぱり裏取引をやるというのは、双方がそういう認識をきちっと持たないとそういうことにはなりませんので。そういう1点からしても、そういうご指摘は当たらないと私は思いますし、また、私自身の責任ということであれば、まさに百条委員会にお呼びいただいて、いろんな事をお聞きいただければよかったわけですけれども、そういうこともありませんでした。

 また、その極秘メモうんぬんということについても、それを指示したといわれる当時の幹部への調査もなかったというようなことで。私は、その点で、少し手が十分には足されていないのではないかなということも感じます。

(服部:毎日新聞記者)
 教育税の話ですが、具体的に職員のほうに「こういうことを検討してみたらどうだ」という投げかけというのは、今のところされているんでしょうか。

(知事)
 それはまだ具体的にはしておりません。もちろん、提案理由に書く段階で、幹部とは議論もし、教育委員会にも伝わっていますけれども、じゃあ、それをどうやっていこうかというようなところまで話をしているわけではありません。

(八代:NHK記者)
 特に今の段階で、導入というのは考えていないというお話ですね。

(知事)
 導入ありきということではなくて、イメージとして何かがないと議論ということにならないだろうと思います。例えば森林環境税の500円であれば、今34万世帯ぐらいですので、1億7,000万円ということになります。例えばそういうものであれば、教員だったら何人新たな雇用ができますね。それから、教員でなくても、人のスタッフとして、こういう補強ができますねと。
 そういうことで、先ほど申し上げましたような就学前の子どもにしっかり対応していくとか。それから、小学校の中でもあまり公表されていない数字ですが、学校ごとの学力差というものが出てきています。そういうものをきちっと解決していくための強化をしていくとか、そんなことを少し具体的に議論をしていけば。

 この教育の問題っていうのは県民の皆さんがみんな意見を持っておられて、しかも関心も持たれて「こうあるべきだ」というご意見のある分野ですので、必ず実りの多いというか、まあ少し拡散する危険性もありますけれども、「こうやったら」というご議論は必ず出てくると思うんです。

 そういうことを議論してみて、そのあとに、「やっぱりこういうことをやるべきだね」というときに「だけど今のままだったら、財源のやり繰りが利かないね。

 それだったらば、こういう形でみんなにご負担をいただくことはできないだろうか」という投げかけをして。あまり性急に、1年でどうのっていうことよりも、1年ぐらい議論しながら、そこからそういうような展開があればいいなというふうに思うんです。
 

(終了)
 


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