知事の定例記者会見(米海軍イージス艦の宿毛湾港への寄港に関して)

公開日 2007年12月08日

更新日 2014年03月16日

知事の定例記者会見(米海軍イージス艦の宿毛湾港への寄港に関して)

平成18年5月17日15時00分から(県庁二階 知事室)

(幹事社)
 イージス艦の宿毛湾港への寄港問題なんですけれども、これまでの日米両政府の対応を受けて、今回の寄港問題をどういうふうに受け止めていらっしゃいますか。

(知事)
 高知県では昭和59年に、非核平和の高知県宣言が県議会で宣言をされていますし、また、高知新港の一部開港を前にして、平成9年の12月に高知県の港湾の利用に関する非核平和の決議ということがなされております。

 ですから、こうした県議会での決議、また、県民の皆さん方の思いというものを踏まえまして、外務省と米国の領事館に、今回入国をされる艦船が核を積み込んでいないと、持ち込みがないということを文書で証明していただきたいということを申し上げました。

 これに対して領事館からは、本来自治体の窓口として対応するのは外務省なので、外務省の方にお問い合わせを願いたいという趣旨の、これは公式文書ではございませんけれど、そういう内容のメールが来ました。

 あわせて、外務省からは、16日付で、きちんとした公式の文書として、事前通告が米国側から無いので、今回米国の艦船が、核の持ち込みをしないと言うことについて、日本政府としては疑いを持たないという趣旨の回答文を、文書でいただいております。

 こうしたことは、外務省としてできる限りの文書としてのご説明だというふうに受け止めましたので、こういう文書がまいりましたということを、先ほど午後1時位ですけれども、中西宿毛市長にもお伝えをしてございます。

(幹事社)
 知事としてはイージス艦の寄港について、拒否という問題は別として、賛成反対とかそういうことではどうなんでしょうか。

(知事)
 私は賛成とか反対をいう立場ではございません。

(幹事社)
 今後の対応としてはどういうふうにすすめていこうと。

(知事)
 どういう対応でしょうか。

(幹事社)
 受入について、反対ではないことであれば粛々とということ。

(知事)
 いや、あの港湾管理者として先ほどお話をいたしました県議会での非核平和高知県宣言ですとか、港湾の利用についての非核平和に関する決議ですね、こうした県議会での決議、県民の皆さんの思いというものを受け止めて、非核ということ、核を持ち込まないということに対して、きちんと国としての証明をしていただくと、これを要請をして回答をいただくというのは県の仕事ですけれども、ご存じのように、条例上、宿毛市に、宿毛市の港湾の係留施設の利用についての申請と許認可は、市の方に権限が委譲されていますので、そちらの判断は宿毛市がということになります。

(幹事社)
 最終的な判断は宿毛市と。

(知事)
 最終的なというよりも、そもそも地位協定からいえば、条例の適用も無いわけですけれども、あえて日本国のルールということで、申請をしてこられておりますし、また、港湾法上も、特別の理由がない限り、不平等な取り扱いはできないというのは、外国の艦船も含めて同じ扱いでございますので、当然そういう法令の規定に則って判断がなされるものというふうに考えます。

(幹事社)
 外務省の文書なんですが、必ずしも県が期待していたような非核証明のような形にはなってないような気もするんですが、その点についてはどのように評価されますか。

(知事)
 私は、外務省として精一杯対応していただけているというふうに思います。

(幹事社)
 総領事館のほうから文書という形で、期待したような形でこなかったと思いますけれど、この点についてはいかがお考えでしょうか。

(知事)
 本来総領事館は、米軍とも全く組織の違うところです。で、こうしたことのルートは、米軍第三艦隊から在日の米軍司令部へ、そして外務省へというようなルートと、また、米軍から海上保安部へというルートでいろんな情報というか、伝達がなされるものでございますので、領事館が本来権限として何かをなさるというではございません。

 けれども、あわせて領事館としてのお考えを聞きたいということで投げかけておりますので、私は、それに対して精一杯これも誠意あるご回答いただけているというふうに思います。

(幹事社)
 あと各社ありますでしょうか。

(記者)
 県民に対する説明責任ということを以前からおっしゃっていられますが、今回の2つの文書をもってして、港湾管理者として県民への説明責任が果たせたとお考えでしょうか。

(知事)
 果たせるかどうかということは、受け止める側の県民お一人お一人のそれぞれのお考えだとか、立場によって違うと思います。

 しかし、現実の問題として、これまで原則としては文書を出さないという外務省が、文書できちんと核の持ち込みはないというふうに認識をしている旨の文書をお出しをいただいているということは、それをお伝えをして理解をいただける県民の方も大勢いらっしゃるのではないかというふうに思います。

(記者)
 総領事が明日いらっしゃるということですが、その席で何か訴えたいものというのはありますか。

(知事)
 それはございません。

(記者)
 非核港湾条例を出されたときの知事のお考えからいうと、もうちょっとしっかりした非核証明のようなものを求めてもいいのではないかなと思ってたんですけど、あの時と今とではお考えは変わってらっしゃいますか。

(知事)
 それは変わりません。変わりませんけれども、条例の根拠がないのに、それ以上のことは当然できないということになります。

 今の法令と、それから条例の中で、県としては精一杯の県民皆さんへの説明できることを外務省にも要求をし、それに対して外務省としても精一杯の範囲でお答えをいただけているのではないかというふうに思います。

(記者)
 寄港の際に記念の式典のようなものがあって、招かれた場合に出席されるご意志はありますでしょうか。

(知事)
 それは全くわかりません。そんなお話はこれまでもありませんし。自分の日程もずっと詰まっておりますので、全くわかりません、それは。

(記者)
 非核証明というのが、精一杯外務省もやったというお話ですけれども、ちゃんとした形では、核は搭載されていませんというような文書ではなかった。・・のことがあると思うんですけれども、県として限界はここまでということで、その辺はどういうふうにお考えですか。

(知事)
 先ほども言いましたように、例えば条例上何か根拠を持った条文があれば、それに基づいてもっと強い立場で、例えば地方自治体の長として申し上げることがあろうかと思いますけれども、そうした条例上の根拠も無いわけですから、今の範囲で外務省とのやりとりということであれば、従来口頭だけで済ませておられたものを、わざわざあえて文書できちんと出してこられたということは、それなりの高知県への回答だということで自分は受け止めます。

(記者)
 イージス艦が寄港するという事態が起きたわけなんですけれど、再度非核港湾の条例化を目指すということはありませんか。

(知事)
 それはイージス艦のこととは全く別でございますので、今、急にこの問題で何かということはございません。

(記者)
 専門家によりますと、今回の寄港をきっかけに高知県への寄港がこれから増えるんではないかというような声も上がっていますけれど、その点についてはどう思われますか。

(知事)
 そんなことは聞いたこともありませんし、そんなことを言っている専門家の話も、私は聞いたことがありません。専門家というのがどなたのことだか分かりませんが。

(記者)
 今後同じように寄港を求められた場合は、同じような条件で対応していくということでしょうか。

(知事)
 それは今ある法令に則ってやって行かざるを得ませんので、当然行くべきものですので、そうなると思います。

(記者)
 同じように、次の場合も文書で回答を求めてということですか。

(知事)
 同じようにというのが、例えば米国であるのか、他の国であるのか等々、いろんな条件が違いますので、そこはそれぞれのケースバイケースになると思います。 


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