知事選挙後の職員へのあいさつ

公開日 2007年12月08日

更新日 2014年03月16日

知事選挙後の職員へのあいさつ

平成16年12月1日(水曜日)県庁 正庁ホール


 職員の皆さん、突然の辞職と出直しということで大変ご心配もかけましたし、またご苦労をかけたと思います。が、この間、職務代理者を務めていただいた副知事をはじめ職員の皆さん方のご努力でこの空白の期間を埋めることができました。心から感謝を申し上げたいと思います。

 特にこの間には、台風23号による被害というような緊急の事態もありました。また、三位一体の改革の動きというような高知県の将来に大きな影響を与える、そのような動きもありました。それぞれの部署で大変な時期であったということを改めて思いますので、重ねてお礼を申し上げたいと思います。

 で、選挙戦の最終日に県民の皆さんへの訴えの中でも申し上げましたけれども、この13年間取り組んできた県政への改革、例えば一部の利益、また特定の力をもった方の声に流されるのではなくて、お一人一人の県民の皆さんの声に耳を傾けて県民に向き合った県民本位の県政を進める、こういうような流れは、決して私一人でつくってきたわけでもまたつくれたわけでもありません。
 やはり多くの職員の皆さん方がこうした私の思いを理解してくださって、この流れを大きなものにしてきてくださったというように受け止めています。

 その結果、一方ではいろんな圧力なりまた働きかけなり、そういうものをそれぞれの現場で毅然として対応できる、そういう県庁になってきたと思いますし、またその一方では、一人一人のまたいろんな立場の県民の皆さんの声に耳を傾けて仕事のあり方、また方向性というものを考えられる、そういう県庁になってきたと自分は思っています。このことはこの13年間の大きな変化だと私は受け止めています。

 今回の出直しの結果、こうした流れというものが多くの県民の皆さんに支持を受けたわけですので、私自身もですけれども、県庁の職員の皆さん方もこうしたことに自信を持っていただいて、更に県民本位の県政、県民の皆さんに向き合った県政を進めるということに力を入れて取り組んでいただけたらと思います。

 また、先ほど申し上げましたが、三位一体の改革の今後というのはまさに高知県の将来そのものを左右するというふうに思っています。特に地方交付税の削減の流れというものが、言われました財務省案の7兆、8兆は言うに及ばず、自由民主党案と言われました2兆円というような削減の方向になったとしましても、これは現在の高知県の予算、裁量的な経費が520億ほどですけれども、こういうものがほとんど削られてしまう、または全くなくなってしまうという事態になります。言い方を変えれば、県が独自に行っている事業、サービスというものが実施不可能になると、ほとんどできなくなるということを意味します。

 ですから、こうした流れがもし止められないのであれば、高知県そのものが企業に例えれば倒産、また破産というような状況になりかねません。このような現実というものにお一人一人の職員の皆さんも是非目を向けていただきたいと思います。

 その上で、もちろんこうした地方の切り捨てにもつながりかねないような流れに、先頭に立って私が立ち向かっていくことは言うまでもありませんけれども、それぞれの職員の皆さん方もその中で地方としてどういうことができるのか、ということを是非考えていただけたらということを思います。

 そうは言いましても、国も地方も大変大きな借金を抱えています。また将来的に財源がまた増えてくるということがなかなか見込めないという状況の中で、支出やサービスの見直しにつとめるということは,引き続き続けていかなければいけない県としての大きなテーマでございます。

 このことを進めていただく場合には、部分最適、全体最適ということは最近よく言われますけれども、それぞれの部局、課ごとの部分的な最適、そこでの数字あわせということにならないように、是非、課、部、局いう単位ごとに全体最適ということを考えていただきたいと思いますし、全県的な課題、今日の庁議でも中山間対策などがその一例として挙げられましたけれども、こういう課題に対して県庁全体の全体最適ということを考えるような予算の作り方ということに心がけていきたいというふうに思っています。

 一方、三位一体の改革のもう一つというかもう二つというか柱でございます補助金を削減して地方に税源を移譲していくということでは、今回の案の中で、各分野別、省庁別のいくつかの項目が掲げられています。しかし、それが17年度実施なのか18年度実施なのかということも分かりませんし、またその実施という内容も、本来的な三位一体の改革のねらいである国の補助金を地方に税源移譲していくという形か、それとも交付金化をするというものか、さらにはサービスそのものをやめてしまう文字通りの削減かという3つの選択肢のどれかということも分かっておりません。

 このことも今日の庁議の中で総務部長さんから、是非各部局でもそういう情報があれば早くその3つの選択肢のうちどの方向で協議がされているかというようなことを知らせてほしい、ということが指示としてありましたけれども、是非各部局の皆さんにもそのことをお考えいただきたいと思います。

 が、まさに今、流動的な中で地方交付税についてもそうですし、また補助金の削減移譲ということについても全く流動的というと聞こえがいいですけれども、先が分からない中での予算編成になります。昨年以上にその編成作業の困難さということが予想されるわけですけれども、こういう時こそ県庁としての情報共有ということに努めながら、この難局を一体感をもってまさに乗り切っていく、そういう県庁の力を示す時ではないかなということを感じています。

 もう一つ、今回の出直しに至った背景に議会などとのきしみ、摩擦ということがありました。この事実を事実として受け止めながら、自分自身も少しでもこうしたきしみを減らしていくということに努力をしていきたいということを思っています。

 が、その一方で今回の出直しを通じて、例えば、経済界など民間の方からも“これだけ県全体が厳しい時だから、もっと一体感をもって色んな分野、業種の人達が一緒にこの問題に取り組んでいける、そういう場をつくっていきたい、そういう体制をつくっていきたい”という声をいただいたことを大変心強く思っています。

 そういう皆さん方のお力も借りて、是々非々というのは当然の事ですけれども、是とされたものがもっともっと前に向いて進んでいくように、また少しでも是としてみんなが一体感をもって進められる、そういう仕事を増やしていけるように自分も努力していきたいと思います。

 またそうすることによって、“あの時出直しをしてよかったね”というふうに県民の皆さんに言っていただける、そんな仕事をこれからもしていきたいと思いますので、是非とも県庁の職員の皆さん方の今後より一層のお力添え、ご協力ということを心からお願いをして私のご挨拶とさしていただきます。これからもよろしくお願いします。ありがとうございました。


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