公開日 2007年12月08日
更新日 2014年03月16日
知事の定例記者会見
平成17年5月26日16時00分から(県庁二階 第二応接室)
(項目)
・政治資金パーティー(1)
・副知事への期待等
・三位一体の改革に係る国への要望
・フェリー航路
・政治資金パーティー(2)
・市町村合併
・土佐くろしお鉄道(1)
・政治資金パーティー(3)
・土佐くろしお鉄道(2)
・公共交通への関わり
政治資金パーティー(1)
(内田:毎日新聞記者)
幹事社のほうから3点質問をさせていただきます。
まず1点目。先日、知事の後援会が初めて『励ます会』というパーティーを開かれましたが、なぜこの時期にパーティーをやろうかと。
知事もいろいろお話をされたと思うんですが、理由と実際開催してみた感想、また今後もそういうようなパーティーを行う予定はあるのか、伺えますか。
(知事)
『励ます会』については、前の後援会長さんからも、もう長い間強く開催を勧められてきたという経過がございます。
私自身も自分なりの政治行動というものをまた新しくなんらかの形でやってみようかな、という思いと、若干の気持ちの余裕ができたということで、開催をしていただきました。
実際にやってみて、従来からの支援者、昔からの仲間の方々もおられますし、また新しく自分を応援をしてくださっているという方のお顔もあって、とてもなごやかな雰囲気の、打ち解けたいい会だったと私は思います。
定期的に今後開く予定があるかといえば、そういう予定はございません。
副知事への期待等
(内田:毎日新聞記者)
次の質問です。
6月に新しく副知事さんが着任されますが、新しい副知事に期待することと、一緒に取りかかっていこうと考えていること、その中でも早急に対応すべき点があれば、どういうところかというのをお教えいただけませんか。
(知事)
今度お見えいただく新しい副知事さんは、前に副部長として県におられたときから打ち解けてお話のできる間柄ですし、わたしがどういうことを考えて何をしようとしているかということを一つ一つ説明しなくても、感じ取って動いてくださる方ですので、そうした意味で、これからは以心伝心で、自分が思っている県政運営をサポートしていってもらいたいというふうに思います。
具体的にということで言えば、自分がこの2回の直近の選挙で掲げてきた公約の実現ということもありますし、それから県が掲げております経営方針(※1)を具体化をしていくということがございますので、こうしたことを一緒に進めていきたいなというふうに思います。
特に何かを緊急にすぐやらなきゃいけないというよりも、今申し上げたことをきちんと地道に具体的に仕事の軌道に乗せていくということを、副知事さんの助けを得ながら進めていきたいと思っています。
(※1)平成15年度政策協議のまとめ(県政の経営方針)
三位一体の改革に係る国への要望
(内田:毎日新聞記者)
次の質問です。
三位一体の改革の影響などで、県の予算というのは依然として厳しい状況ですが、今度、国のほうに要望をされると思うんですけども、来年度の予算編成に向けて国にどのような点を要望されていくのか。重点的に要望するのはどの部分か。
その理由と具体的にどのような働きかけをしていきたいか、ということを教えていただければと思います。
(知事)
重点的に要望するというのは、やはり今県政にとって重要な課題だからというお答えになってしまうだろうと思います。
それは何かと言いますと、項目的に言えば三位一体の改革が進む中で地方の立場、特に地方交付税の堅持というようなことを伝えていくというのが一番大きなテーマになりますし、その他で言えば南海地震への対応策も、また地上波デジタルへの対応、それから四国8の字高規格のルートの完成とか、従来重点的に掲げている課題を、今回も国に対して引き続き要望・提案をしていくということになります。
それがどのようにということで言えば、それぞれに提案的な部分も含めたということもありますが、そういう提案内容をどういうふうにということよりも、国への働きかけの進め方ということで言えば、やはり国に対して影響力を持たれるのは国会議員でございますので、県選出の国会議員の方々と十分な意思疎通をとって、国への要望・働きかけということは進めていきたいと思っています。
直接県の要望ということではありませんけれども、(6月)1日に地方六団体の決起大会があって、その後各県がそれぞれ県選出の国会議員にお話をしていくというのも、衆・参取りまとめて私もやっていきたいと思いますし、その他県独自でもそうしたつながりを活かして国への働きかけを強めていきたいなと思っています。
(内田:毎日新聞記者)
幹事社のほうからの質問は以上ですので、あと各社のほうで質問があればよろしくお願いします。
フェリー航路
(八代:NHK記者)
フェリー航路についてなんですが、昨日マリンエクスプレスが運行航路の休止ということになりました。
3月末には高知特急フェリーが破産手続きに入っていくというかたちの中で、海運航路が危機的な状況にあります。知事はその状況についてどういうご認識を持たれていて、あと大阪航路のほうについては今引き受けをする会社を探しているというような状況にあると思いますが、その進ちょく状況についてお聞かせいただければと思います。
(知事)
認識ですけれども、フェリーの運航そのものが、我が県に関係する航路だけではなくて、全国的に大変厳しくなってきていると。
その中で、どういうかたちでどういう航路を守っていくかという選択をしていかなきゃいけないときかな、というふうに思います。
京浜航路が比較的意味が薄いという趣旨ではないですけれども、これまでの運輸業界などとの取り組みということから考えましても、やはり大阪との間の航路というものは、例えば高知県の園芸品を運んでいくという意味で、死守というとちょっと言葉がおおげさになるかもしれませんけれども、なんとか最後まで確保していきたいルートだということを思っております。
ただ、現状の進み具合から言いますと、その船の建造の際に資金を貸していただいた(鉄道建設・運輸施設整備支援)機構が、当然お立場としてはそうおっしゃるだろうと思いますけれども、債権をそのまま回収をしていきたい、つまり、まけることはできないという姿勢を崩しておられません。
一方でその金額をお返ししながら今後の航路を運行するとなるとなかなか見通しがつかないというところで、機構に対してもお話を続けているという段階でございます。
先ほどお話がありましたように、新しくその航路に参入しようかという企業、それから県内のいろんな関係の企業が集まって、なんとか県内の力でできないかという動き等ございますが、ここしばらくで言いますと、少し足踏み状態で、この2週間に何かが動いてきたかというとそうではございません。その足踏みの理由はいくつもございます。
やっぱり機構側の態度が非常に堅いということもありますし、それから今の船ではなくて新しい船を探すというときに、今の船が4千数百tでございますので、5千t級の中古の船ということですが、それがなかなかいい物がないというような現実もあります。
それから、実際にもしそういう船が見つかったり、機構との話し合いで管財人の方のご理解を得て、なんらかのかたちでそのまま動かしていけるというときも、当然県、それから市町村を含めての支援体制ということが必要になろうと思います。
県は県として一定の支援ということは、いざというときには必要であろうと思いますけれども、今どれだけの支援があればできるのかというようなことが、市町村の動向も含めてなかなか読みきれないというか、試算もできない段階でございますので、一方で民間との動きというのが足踏み状態ですけれども、市町村ともう一度よくお話をして、どういうかたちで応援をしていけるかどうかということを、ここ数日は担当局のほうで仕事としてやっているという段階でございます。
政治資金パーティー(2)
(釜本:時事通信記者)
最初の質問にも出たんですが、政治資金パーティーの話に戻ります。
パーティーでのあいさつの中で、パーティーで得た資金の使い道として、後進の指導とかその他お話をされていましたけれども、使い道についてもう少し具体的に、どういったことをやるかというふうなアイデアについて、詳しくお聞かせ願えればと思います。
(知事)
それが今日の段階でできればよかったんですけれども、後援会長の上田真弓さんとも事前に相談をして、そしてまた若いいろんなネットワークを持っている人ともあわせてご相談をして、投げかけております。
自分なりのイメージというかやり方もお話しをしましたが、そういうものを受けて、上田さんたちがいろいろ考えてくださって「今度会ってお話をしましょうね」ということになっているんですが、まだその予定がとれておりませんので、そのお話を一度聞いて、具体的なかたちで進めていければ、というふうには思っています。
まだ、この場で「こういうようなこと」というところまでお話しできないんですけれども、なるべく早い時期に、あのとき申し上げたようなことをどう具体化していくかということはぜひ皆さんにもご説明をしたいと思っております。
(竹内:高知新聞記者)
パーティーについては、長い間後援会からも勧められていたと。
知事もパーティーのあいさつの中で「自分としてもその必要性を感じている」という言葉を、政治の現実という言葉を使われて表現されてましたけれど、よろしかったらもうちょっと具体的にというか、後援会が直面していた政治の現実、あるいは知事が感じた政治の現実というものが、どういうものであって、13年間やっていなかったものを「じゃあやろう」と思ったのか、ということをお聞かせください。
(知事)
現実という言葉は、スピーチの中での話の流れで使った言葉です。
というのは、政治活動の現実ということに続いて、選挙で2度にわたって私が選ばれたことも現実だし、それからその中で私に票を投じてくださった方もそうでない方も、議会との関係は少なくとももっと円滑に、と思われているのも現実と受け止めているというような意味で、現実という言葉を頭に持ってきたということがありますし、あとで、これから取り組んでいくような(二酸化炭素の)排出権取引きなどの話を理想とか夢という言葉で表し、その対比として現実ということを言いましたので、何か生々しい意味での政治の現実、政治活動の現実ということで申し上げたわけではありません。
けれども、この数年の変化ということで言いますと、非常に細かい話になりますけれども、従来ある程度公費でまかなえたようなお互いの食事代だとかいうようなものは、もう公費で支払う時代ではないんじゃないかというようなものもいっぱいございます。
そういう自前でやっていく中で、例えば先ほどお話しをした国会議員の方々とのお付き合いでも、県議会の方とのお付き合いでもそうですし、それから外部の方ともそうですけれども、もちろん自費でということもあり得るわけですけれども、政治資金、政治活動というかたちで位置付けても決しておかしくないものもあるということも思いましたので、そのようなこともございます。
それから、パーティーの席でも申し上げましたけれども、知事として参加している勉強会の負担金なども、従来であれば問題なくというか少しグレーゾーンでも、それは公費としてということができたと思いますけれども、ここまで財政上の厳しさとか、それがどこまで本当に公的負担に耐えられるかとかいうことを議論していきますと、それを単に税金、公費で支払うというのではなくて、やはり政治活動として位置付けて、その政治資金の中から支払うという区分けも必要な時代になったんじゃないかなと。そういったことの積み重ねでございます。
いただいた志から言えば、今のお話は小さな話ですけれども、そういうものはかなり積み重なってはいきますので、そういうようなことを含めております。
それから、本当に細かいことですけれども、やっぱり結婚式に電報がほしいとかいうことも、わたしのようなタイプの政治家でももちろん何件もございます。そういうときに、それぞれ受けた人が自己負担でやられるというんではなくて、きちんとそういうこともやっていけるんではないかなということも思いました。
(浜田:高知新聞記者)
それは、これからどういう勉強会に公費を使ったのか、自らの政治資金を使ったのかというのはオープンにしていくおつもりですか。
(知事)
それはもちろんそうですね。
(浜田:高知新聞記者)
どういう発表をしていくんでしょうか。
(知事)
発表をわざわざしなくても、それは分かるようにしておけば。それは聞いていただければ、と思います。
(浜田:高知新聞記者)
今までの、例えば地域自立戦略会議とか知事の勉強会には、公費で行っていたんですか? そのあたりの区分けはどうなっているんでしょうか。
(知事)
少なくともわたしが自費で払っているということはありません。もちろんそのあとの食事だとかいうことは、それぞれの場合にキチッと分けて、自分で自分の分の弁当代は出すというようなことをしていましたけれども。
それだけの会で出張したことがあるかどうか分かりませんけれども、例えばもし、それだけの会で出張するとしても、それは公費としての出張旅費で行ったのではないかと思います。
ただ、(普通)そういう場合には当然ほかのいろんな公務と重ねて行きますので、そういう意味での問題はないようにしていると思います。
従来、そんなに負担金として大きなお金がかかっていたというわけではありませんけれども、公費というかたちで負担金をまかなったというか、出した分もあろうかと思います。
(竹内:高知新聞記者)
知事がいろんな勉強会に行かれていて、それは遊びに行っているわけではないし、それで高知県に対してリターンしてくるものも多くあるとは思うんですけれど。
そういうものでもやはり公費を出すということは、ちょっとはばかるような感じがあるということでしょうか。
(知事)
はばかる感じはありますね、間違いなく。
(竹内:高知新聞記者)
財政のほうに「それはちょっと」と言われたわけじゃなくて、ご自分自身で考えられて。
(知事)
それはいろんな会があって、その中で、これは新しくできる会ですけれども、年会費としてかなりのボリュームのものを求められているものもあります。
それは「公費でやれませんか」と言って総務部長さん、財政課長さんと話をして、キチッと仕分けができるものもあろうと思います。
だけど、これだけ財政も厳しくなってきている中で、非常に細かいといえば細かいことですけれども、政治活動というかたちで広く支援者の方々にご支援をいただけるのであれば、政治活動として位置付けるやり方もあるし、そうすればべつに公費とのいろんな問題点は起きないですむんではないかと。
そのほうが分かりやすいんではないかな、というふうに思ったんです。
(浜田:高知新聞記者)
今までの話にも関連するんですが、一説には1万円のパーティー券が2千枚以上売れたとか。
実際会場には3千番までの受付があったわけで、いろいろソロバンを弾く方も居るんですけれども、なんらかのかたちで今後その収支の報告をガラス張りにしていくおつもりはありますでしょうか。
(知事)
それはべつに何ら隠す問題ではないと思います。
(浜田:高知新聞記者)
それは、問われれば「今回会場費がこれぐらいかかって、料理がこれぐらいかかって、これぐらい手元に残りました」というふうなかたちでしょうか。
(知事)
それはそうですね。
(中原:共同通信記者)
先ほど会議のお話がありましたが、現状でいくつぐらいの団体に入っており、どれぐらいの支出があったと。その中で公費として残す分があるのか。
もうこれから全部こういうふうな自費で出すようにあらためたのか。そのへんどう変わったのか、もう一度整理して伺いたいんですけれど。
(知事)
そこまで細かいことは、ちょっとわたしは分かりませんので。それは秘書課のほうでお聞きください。
(中原:共同通信記者)
分かりました。
もちろん高知県知事という立場なんですけど、個人で自分のネットワークを広げていくようなところ、ネットワークを通じて高知県に還元できるようなところに主に使っていきたいという趣旨ですよね?
(知事)
そうでない場合はどういう場合が考えられるでしょう。
(中原:共同通信記者)
例えば、決まりきった高知県知事として出席を求められた会議であるとか。
(知事)
知事会みたいなものを指しておられますか?
(中原:共同通信記者)
そこまで堅いものでなくても、自分のネットワーク、いろんなお友達とか、東京であるとか。そういうところで情報収集があると思いますが。
(知事)
自分の、ということではないですね。それはやっぱり高知県知事という肩書きを持っているからお呼びがあって、会が開かれるということになりますので。
(浜田:高知新聞記者)
前会長から開催を勧められた経緯があるというのは、前会長はどういう思いでそういうパーティーを開いたらどうかと知事におっしゃったんですか。
(知事)
それは、わたしはべつに聞いたわけではありませんから。
(浜田:高知新聞記者)
「開いたらどうか」ということはおっしゃった?
(知事)
そうです。それはもう、法律でもちろん認められているし「そういうことをやったらどうですか」ということは、もう前々から言われていました。
(浜田:高知新聞記者)
それは何のために、例えば「次の選挙のために」とか、そういうことで言われていた?
(知事)
あんまりそういうようなお話をされる方ではありませんから。
(釜本:時事通信記者)
使い道について、やっぱり今、次世代育成といったことを計画中とおっしゃいましたが、それ以外の今後の使い道として、例えば県の予算がこれだけ厳しい中で、なかなかやりたくてもできないところの事業という感じで、広く補完的な使い方を考えておられるのかということなんですけれども。
(知事)
それは、考えないではないですけれども、そこまでいきなり広げてしまうと、それがどこまでの範囲かということが収拾がつかなくなってもいけませんので、「はい、そうです」とはなかなか言えませんけれども、そういう趣旨のことも考えないではないです。
(釜本:時事通信記者)
独自の事業ではないですけど、今現在進んでいるのは、次世代の指導という…。
(知事)
そういうことはぜひやってみたいな、というふうに思います。
(池:高知新聞記者)
一般論的な話なんですけども。そのパーティーは知事のおっしゃったように政治家として認められたものであると思います。
ただ、知事職にある方の政治資金パーティーというのは聞いたことがあまりないなという感じに思ったんですが。
議員の皆さんがやる場合と、知事のやる場合の一番の違いというのは、権限の違いがあるんじゃないかと思うんですよ。
知事が予算編成権を持つ、権力のある方ですので、こういうパーティーをやった場合に、強制というわけじゃないですけれども、参加される方に気持ちの中で、議員のパーティーに出るよりも「これは出ておかないとまずいかな」という気持ちがもしかしたら強いんじゃないかという気がするんですが、実際そのパーティーをやってみて、参加される方の意識あるいは主催者としてどんなふうに受け止められていますか。
(知事)
そういうこととかそういう受け止め方があるというのは初めて聞きましたので、全くそういうことは感じませんでした。
(池:高知新聞記者)
知事としてパーティーを開かれているときに、ご自身の持っている権限・権力を、参加されている方の意識に働くという意識もお持ちでなかったですか。
(知事)
それは感じませんでしたね。私は自分自身、これまで10数年の間、権限・権力で何かしてきたということはないつもりですので。
(池:高知新聞記者)
振りかざすかどうかではなくて・・・。
(知事)
だから“振りかざさない”ということが、やはり私は県民の皆さんの間には定着をしているんではないかな、ということを思います。
(池:高知新聞記者)
現実的に大きな予算を動かせる立場におられることは認識しておられますよね。
(知事)
それは認識というよりも事実ですからね。
(池:高知新聞記者)
参加された人たちの中に、そういった強迫観念のような、言葉はあまり適切じゃないかもしれませんけれど、そういった考えで参加しておられる方はいないであろうということ?
(知事)
と、思いますね。
市町村合併
(浜田:高知新聞記者)
合併のことなんですけれども、総務省のほうが指針を5月末で出すということで。
それで、共同通信とかのアンケートによると、(市町村合併推進)審議会を設置するという都道府県は大半が6月と9月に条例を提案するということなんですが。
知事は基礎自治体のあり方をまず検討してから、審議会の設置はおそらく秋以降になるんじゃないかということをおっしゃっていたんですが、他県の状況とかをアンケートの結果から見て、今思っているよりも前倒しで審議会を設置することはありますでしょうか。
(知事)
それは、今のところ特に私自身は考えておりません。
担当部署がそういう流れを見て今どう判断をしているかまでは聞いていませんので分かりませんけれども、私自身の考え方には前お話をしたときと変わりはありません。
土佐くろしお鉄道(1)
(北村:高知放送記者)
先日土佐くろしお鉄道の後任社長の件で近鉄の方とお会いしたということなんですが、まだ名前とか言える段階じゃないと思うんですけれども、社長になるであろう方のプロフィールとかそういう経歴を見たところ、どういうふうな印象を持たれたか教えてください。
(知事)
プロフィールや何かのご説明だけで、なかなか人の印象というものをかたちづくれるものではありません。
こちらからはこういうような力を持った方を、ということをお願いをしておりますし、そういう思いを受け止めていただいて、人選をいただいているというふうに思いますので、今は近鉄さんが考えておられる方に対してなんらかのイメージとか印象を持っているという段階ではありません。
(浜田:高知新聞記者)
新谷社長は辞めるにあたって、かなり県に対する思いをいろいろぶちまけて辞めるような感じもあるんですけれども。
49%という最大の出資者である県のくろ鉄に対する役割っていうのは、知事はどういうふうに思いますか。
(知事)
新谷さんに対しては、組織の改革ということで非常に頑張っていただいたということを思います。
いろいろ残念な事件や不幸な事故がございましたので、そういうことでつらい思いをかけて申し訳ないと。
その意味では、やっぱり新谷さんがされてきた功績というものをきちんと評価をして、そしてあとに引き継いでいくということが必要だというふうに思います。
これまで県が大株主としてやってきたことが足りないかどうかということは、新谷さんがどの部分を指しておられるかということは直接お話をしないと分かりませんので、自分も直接新谷さんともお話をして、そこらへんの思いというものはお聞きをし、県が改めるべきところは改めていきたいということを思っております。
新谷さん自身がずっと、(県の)班長から課長の時代にこの土佐くろしお鉄道の建設・運営ということには関わって思い入れも持っておられますので、新谷さんに対しては、厳しい時期に本当にそういう思い入れを通じて頑張っていただいて、そのことの功績は非常に大きいと思っております。
と同時に、そこでのいろんな思いというものを伺って、今後に活かしていきたいということを思います。
(浜田:高知新聞記者)
去年のつり銭問題の時は、9月に知事のところへ直接来て辞表を出して、知事に慰留されたかと思うんですけれども、今回は特別社長とはお話はしてないですか。
(知事)
辞表を出されたということはちょっと…。
(浜田:高知新聞記者)
「辞めたい」ともらしたのか、辞表を出したのか…。
(知事)
つり銭問題の時に知事室へお話に来られたことはありますが、その時に「辞めたい」ということを直接言われたかどうかは、正直記憶にありません。そういうことはなかったんじゃないかな、と思います。
それから、今回というのは、あの事故が起きたあと?
(浜田:高知新聞記者)
今回辞める決断をするにあたって。
(知事)
あの事故が起きたあともお見えになって、その後の状況だとか怪我をされた方々への対応とか、そういうことへの詳しいご説明を受けました。
そのとき、ご自身の身の振り方ということについても、それを感じさせるような話はありましたけれども、その場では、例えば辞表を提出されるとか、辞意をはっきりとした言葉で言われるということではなかったとわたしは思います。
ただ、そういうお気持ちがその当時あったということは確かですし、そういうような報告も受けておりましたけれども、私との直接のやりとりの中で明確な記憶に残るようなかたちであったわけではない、ということです。
(浜田:高知新聞記者)
新しい社長になられる方には、基本的な安全運行を求めるのか、経営の建て直しということまで求めるのか。
どういう役割を期待されますでしょうか。
(知事)
第一義的には前者です。
今までができていなかったということではないんですけれども、やはり、この間近鉄の幹部の方とお話をしていても「鉄道というのは何といっても安全性あってのものですね」と。
JRの事故などをふまえて、そういうようなお話があって、この基本的な、やっぱり安全をいかに守っていくかということは最大の課題だと思います。
それは、実際にそういうことになるかとか、できるかとかいうことはありますけれども、近鉄の幹部の方からも、今度来られる方がそういう意思で来られるという意味では全くないので、例えばということですけれども、スピードも、ローカルの鉄道として運営をされるときに今のスピードが必要かどうかと。
スピードというものを確保すれば、それに対する安全対策として、また相当高度のものを用意をし、そのために出費が必要になると。
地域の方々の一定のご理解があれば、もっとゆっくりとしたスピードでやっていくというかたちで、それに合わせた自動安全装置ということで、コスト的にも低く抑えて安全性を確保するというふうな手法もあるのではないかというようなお話があって、安全性ということは、今の財政的な体力というものの中でも第一にしていきたいということを思います。
それから、近鉄の幹部の方からは、少しやわらいだ雰囲気の中でですけれども「まさか黒字にしろと言うわけではないでしょうね」というお話があって。
それは、悪い意味にとられちゃいけませんけれども、実際にやっぱり地理的な条件だとか鉄道のおかれた状況、そして背後の人口から考えれば、黒字を求められて「あなたは私鉄から来られた方だから黒字経営をお願いしますね、と言われても、なかなかそこはむずかしいところでしょう」と。
だから、やっぱりいかに赤字幅を減らしていって、しかもそれが地域の足として何年間か持続的に運営をしていけるという見通しをつくるということは、人を出す以上は自分たちの思いとして、またその人の力量としてもそういう人を出したいと、こういうお話でございました。
(浜田:高知新聞記者)
それは社長が?
(知事)
社長、副社長、常務とおりましたんで、その3人の方々とお話をしました。
政治資金パーティー(3)
(池:高知新聞記者)
知事が今まで13年間パーティーをやらなかったのは、例えばそのパーティーが建設業界をはじめあらゆる業界からお金をいただいて、というやり方があまり好きじゃなかったから、というふうに思っています。
ただ、先ほどの話に戻るんですけれども、今までやらなかったのに今回やるときに、もし今までやらなかった理由の中に、押し付けになってしまうパーティー券を買ってもらうというのも嫌だなとか、あるいは業界団体からのお金がそのまま政治活動に使われるのは嫌だなという思いがあるとしたら、そこが変わったというのがちょっとまだ理解できないんですけども。
(知事)
その意味で言えば、押し付けだから嫌だという思いは全くなかったので。
(池:高知新聞記者)
何が嫌だったんですか。13年間やらなかったのを・・・。
(知事)
ほかの政治家がみんなやっていることをやるのが嫌だという。
(池:高知新聞記者)
ほかの政治家かがやっている、嫌悪感を感じる部分にはそういう業界からの上納金的な・・・。
(知事)
あんまりそういうことではなかったです。
次の選挙を目指すような事務所を開いて、そして事務職員を置いて、就職の世話だ何だといろんなご相談に応じてお世話をしていくというような活動をしていくのが嫌だなと。
何かやっていけば、そういうことをまた求められるんではないかな、と。
(池:高知新聞記者)
今回のはそれにあたらないんでしょうか。
(知事)
そういう活動をするつもりはないので。
土佐くろしお鉄道(2)
(中原:共同通信記者)
先ほどの土佐くろしお鉄道のお話ですが、少しダイヤを見直してもいいんじゃないかというふうに取れるんですが。
(知事)
それは、わたしの話では全くないですので。
(中原:共同通信記者)
知事も、そうあってもいいんじゃないかというお考えがあるわけでは?
(知事)
それは、あってもいいとも何とも言えません。
できるかどうかも分かりませんし、技術的にも今のダイヤとか地域住民の皆さんのニーズというものがありますから一概には言えませんけれども、安全性ということは第一ですね、と。
だけど、安全性というのは、「もっとよりスピードを上げましょう」となったときに、それに対して新型のATS〔自動列車停止装置〕なりを付けていくということでスピードが出せますが、どんどんコストをかけていくようなやり方ではなくて、いったん見直して、もっとスピードを落としてしまって、今のものでも十分安全にいけるようなかたちをとっていくというのも、それぞれのローカル鉄道が与えられた財政力・体力の中での安全確保という選択肢ではないですか、ということをお話になられて。
それはそれで、理論としてはそういう考え方があるなと思ったということです。
公共交通への関わり
(釜本:時事通信記者)
くろしお鉄道なんですが、事故のあとからいろいろな経緯がありまして、また今経営状態がよくないという話も伝わってきているんですけれど。
ここから先、県の支援ですが、以前知事が(運営と施設保有の主体を分ける)上下分離とか、もしくは(公共交通)維持のための森林環境税的なものとかいろいろ過去に話は出ましたけれども、今度社長も変わるということで、将来の県の関与について知事が今考えていることなり伺えますか。
(知事)
それは、本当に将来的なことで言えば、交通税的なもののご負担をいただいて、最初に出ましたフェリーのこともそうですけれども、そういう地域の足を確保していくということが可能性としてあるかどうかということは、いつも頭の片隅には置いておかなければいけないことだと思います。
それから、上下分離の話もちょっと最近は、その後しておりませんので具体的なものを持っていませんけれども、非常に今後鉄道の経営というものも厳しくなってくるだろうと。
そういう中で県・市町村としてどれだけのかたちで関わっていけるかということをもう一度考え、そしてそのときに県・市町村が関わっていける範囲で持続的な運営を目指していっていただく、そのかたちをまた新しい社長さんを筆頭とする体制で考えてもらいたいと。
県が一方的に何か制度をつくって関わるということよりも、また新しい体制の下で、より関係を緊密にして、十分にお話をしながら方向性を見つけていければなと。その意味ではまだそういう抽象的な段階です。
(釜本:時事通信記者)
交通税に関しても、検討に着手したいと?
(知事)
それはまだ全然しておりません。
(内田:毎日新聞記者)
それではよろしいでしょうか。どうもありがとうございました。
(知事)
どうもありがとうございました。