平成17年度の県政運営にあたっての知事講話

公開日 2007年12月08日

更新日 2014年03月16日

平成17年度の県政運営にあたっての知事講話

平成17年4月4日(月曜日)10時00分から10時30(高知県庁 正庁ホール)


 皆さんおはようございます。
 早いもので、また1年が過ぎて、新しい年度が巡ってまいりました。これからの1年もぜひ引き続きよろしくお願い致します。
 今までならば皆さん方に立ったまま聞いていただいて、私は壇上でというスタイルだったんですが、今日は皆さん方に座っていただくようにしました。

 相手を立たせたまま話をするということが、そもそもあまり好きではないということもありますし、もしかして、メモでも取ろうという心ある人がいた時に、メモを取れるように、また、心ないとは言いませんけれども、まあめんどくさいから寝ちゃおうという人も寝やすいような形という意味ですから、それぞれに受け止めていただいて、時間を過ごしていただけたらということを思います。
 さて、この1年を振り返りますと、三位一体の改革というものが進んできて、地方の財政を取り巻く環境は、予想を超えて非常に厳しいものになってきました。

 このため、高知県で言えば他のどの都道府県にも先駆けて行財政改革ということに真剣に取り組んできましたし、また、昨年度1年かけて県民サービスのさらなる見直しということにもご理解をいただきながら努めてきました。

 それにもかかわらず、今年度の当初でなお150億円もの財源の不足が生じるという事態になっています。
 こうした状況に対して、さらなる内部の努力というものはもちろん必要になりますが、国はこうした地方の努力とか現実というものになかなか目を向けず、さらに地方交付税などを削減することによって、国の財政運営のツケを地方に回していこう、そういう姿勢を改めていません。
 ですから、このような国や、また経済界を中心にした考え方、流れというものに対して、地方の「思い」、「考え」というものを強く訴え続けていくということは、当然必要なことです。時には特に世論に訴えていくという意味で、大きなマスコミなどへの働きかけにも工夫をしていかなければいけないと思っています。
 その一方で、どんなに状況が厳しくなってもその中で生き残っていけるような、いわゆる自立した経営のできる自治体運営ということをこれからは目指していかなければいけません。

 この点で、高知県では「自らの力で歩む県づくり」また、そのために「県民の皆さんに真正面から向き合う県政」ということを、経営の理念に掲げた経営方針というものをまとめており、併せて各部局ごとの経営方針というものもまとめています。
 ですから、この年度の初めにあたって皆さん方には、それぞれの部局の経営方針というものがどういうものかということをもう一度見直していただいて、人から「あなたの部の、あなたの局の経営方針は何ですか?」と問われたら、それにすぐお答えができるくらい、部局ごとの経営方針というものを自分のものとして取り入れておいていただきたいということを思います。
 こうした各部局の経営方針ということを踏まえて、先ほど言いました「自らの力で歩む高知」また「県民の皆さんと真正面から向き合う県政を進める」ということを理念にした県の経営方針をまとめているわけですが、その県の経営方針を支えている基本姿勢というものが3つあります。※1

 この3つの基本姿勢を答えられる人は、手を上げてもらいたいと思います。
 といって、手を上げた人を指さして「じゃあ、答えてみてください」というふうな意地悪なことは言いませんので、「この県の基本姿勢、いま大体こうだろうな」と頭の中に残っている人は手を上げてみてください。ほとんどと言うよりも、1人も手が上がりません。私はかろうじて手が上がります。

 なぜかと言うと、昨日の夜もう一度、話をするために見直したからですけれども、知事からしてそういう状況ですから、幹部の皆さん方がこの基本姿勢というものが頭に入っていないというのもやむを得ざることかと思います。
 けれども、県の経営方針、そしてそれを支える基本姿勢ですから、それを幹部の皆さんが誰も答えられないという現状を県民の皆さんが見た時に、「高知県は、それじゃどういう経営理念・基本姿勢で仕事をしてるんだろう。こんなことでこの組織は大丈夫だろうか」と、当然、不安を持たれるのではないかと思います。
 ですから、ぜひ、この新しい年度ということを機会に、この県の基本姿勢というものをもう一度頭の中に入れておいていただきたいと思いますが、その1つは「地域の支え合いの仕組みづくりを進めていく」ということ。2つ目は、「県の仕事の進め方などを転換をしていく、変えていく」ということ。そして3つ目は、「公的サービスの協働化を図っていく」という、この3つです。
 この3つは、なにもそれぞれがバラバラで独立しているわけではなくて、お互いが関係し、また重なり合ってるということはいうまでもありません。
 というのは、県民の皆さん方の目線に立って地域の支え合いの仕組みを作っていくということは、自ずと「予算ありきの仕事の仕方を、人の力と知恵による仕事に変えていこう」という形で、県の仕事の進め方を転換するということにつながってきます。

 また、そのことはアウトソーシングなどによって、新しい公的なサービスの協働化を図る、その受け皿のNPOの法人などを育てていくということにつながってきますので、お互いが深く相関的な関係を持ってるということになります。
 そこで、まず第1の基本姿勢である「地域の支え合いの仕組みをつくる」ということですが、この支え合いの仕組みづくりを応援をしていくために、地域支援企画員を今年度からは10人増やして、全体で60人の体制にしました。

 もちろん、このことに対しての県議会などからのご意見というものを尊重して、そのことに真摯に対応していくということは当然のことです。

 けれども、財政が非常に厳しくなった中で、地域のサービスを確保していく、また、より良いものにしていくという意味からも、また書類作りや予算の執行だけに追われる仕事ではない、そういう仕事を新しく創り出していく。そういう受け皿やカウンターパートづくりという意味からも、地域の支え合いの仕組みというのはこれからの時代欠かせないものですし、また、そうした住民力を引き出し育てていく、そのお手伝いをしていく地域支援企画というような仕事、それに基づく地域づくりの支援という仕事は、なくてはならない仕事だということを感じています。
 そして、次は第2の基本姿勢である「県庁の仕事の進め方を変える」ということですけれども、では、なぜ県庁の仕事の進め方を変えていくのか。これに対する答え方はいくつかあると思います。

 が、このように県の職員の皆さん方に向けてお話しをする時には、その大きな目的は「仕事をもっと楽しいものにしていく。そして、仕事を中心にした皆さん方の家庭なり暮らしなりを、もっともっと楽しいものにしていく」ということが、その大きな目的だというふうにお答えできるのではないかと思います。
 というのも、それぞれの部署で「自分たちの職場が目指している目標は何か」という明確な目標も持たずに、また目標があったとしても、それを達成していくための明確な戦略、戦術というものを持たずに、日々の仕事に追われていて仕事が楽しくなるわけはないというふうに思いますし、また、そうした中で残業、残業を繰り返していってご家庭の団らん、ご家族とのふれあいというものが少なくなっていて、暮らしが楽しいわけはないだろうというふうに思うからです。
 ですから、「こうした形を変えていきましょう。少しでも楽しく仕事ができるようにしていきましょう」ということが、これまで取り組んできた経営品質なり、これから本格的に取り組んでいこうとするアウトソーシングなりの、本来の県の職員の皆さんに向けての意味、目標ではないかということを思います。
 また、そうすることが、つまり一人ひとりの職員の皆さん方が自分たちの仕事の目的意識を持ち、ある程度のやり甲斐・充実感を持って楽しみながら仕事をしていくということが、そのサービスの受け手である県民の皆さんの満足度の向上にもつながっていくのではないかと思っています。
 こうしたことに対して、従来からの経営品質ですとか、またコンピテンシー型の能力開発の研修、さらにはアウトソーシングということが次から次と出て来ると、「上からの押しつけだ」また「それによって無用な、余計な仕事が増えてきた」といった負担感、さらには「自分たちの仕事、自分たちの存在意義というものが否定され、蔑ろ(ないがしろ)にされてるんじゃないか」そういうような思いを持たれる方もまだまだ多いと思います。
 しかし、決してそうではなくて、あくまでも仕事を楽しいものにしていく。「楽しい」というのは、字は同じでも「楽なもの」ということではなくて、あくまでも楽しいものということですけれども、仕事を楽しいものにしていく。

 そのことによって、サービスの受け手である県民の皆さんの満足度を高めていく。ここに大きな目標があるんだ、ねらいがあるんだということに、ぜひ気づいていただきたいと思います。
 そして、このように地域の支え合いの仕組みを進めていく、またそれと併せて県の仕事の進め方を変えていくということの上に立って、「公的サービスの協働化」という第3の基本姿勢があります。
 先ほども少し触れましたように、財政も大変厳しくなる中で、地域のサービスを落とさず確保してより良いものにしていく。そのためにも、こうした公的サービスの協働化というのは大変大切なことですし、また、それが地域に新しい雇用を生み出していくという効果ももたらしていくだろうということを思っています。
 ですから、例えば、アウトソーシングということを考える時に、すぐに「もし仕事を出すにしても、受け皿になる適切なものが見当たらない。また、出した時にその品質の保証、品質の管理をどうするのか」という、もっともなご意見が出て来ますけれども、そういうもっともなご意見を、それをやらないための理屈としないように是非していただきたい。

 そして、逆に「やらなきゃいけないことだ。自分たちの所で何ができるか。また、それをやるために何をすればいいか」ということを、真剣に、前向きに考えていただけたらと思います。
 と同時に、先ほども言いましたように、「受け皿がない」また「その時の品質の保証をどうしていくか」ということはもっともな、正当な考え方です。

 ですから、それに答えていくためにも、アウトソーシングということであれば、総務が所轄だといって総務部だけが必死になって取り組んでいくというのではなくて、新しい受け皿を育てていくという意味で、例えば商工労働部が、また県と市町村との役割の見直し、権限の移譲というようなことを進めていくという意味で企画振興部が、それぞれの色んな関わりのある所が「自分たちの仕事だ」という思いを持って、本当の意味でのプロジェクト化をした仕事の進め方も、ぜひ考えていっていただきたいと思います。
 以上、申し上げたことが、今、県が経営方針として掲げている、その基本姿勢の3つに関わることですが、ここにも触れられております「自立」、「協働」ということを、今年度は人事という面でも展開をしてみたいという思いで取り組みました。
 その1つは、部局長にあたるポスト、ここに国の力をなるべく頼らずに、自前の人材でそれに充てていこうという考え方です。これに対しては色んなご評価、また、やや筋違いの評論、さらには「国との関係がどうか?」というようなご心配、色んな受け止め方が当然あろうと思います。
 けれども、三位一体の改革が進む中で、県の財政が厳しく、その中で財政的には、つまり人・物・金で言えば、「物」「金」の部分ではもう自立をせざるを得ないような状況に追い込まれてきている中で、人・物・金の残された「人」の面もできるだけやはり自立を目指していくということが、いま必要な視点ではないかと思いました。
 といっても、別に国と地方の交流のメリットを否定をしているというわけではありませんし、また変な意味でのモンロー主義の旗を掲げようという意味でもありません。
 ですから、これからもこうした交流というものは当然に続けていかなければいけませんが、いま申し上げたような状況の中で、人材の面でいつまでも人を頼っていく、国を頼っていくというような形を進めていて、「自立」、「自立」と言っても虚しいことになるのではないかと思いました。
 こうした思いから、いま申し上げたような取り組みをしたわけですけれども、かといって、またそんなに肩に力を入れることもないと思います。これまで以上にお互いの意思疎通・コミュニケーションというものを深めて、そして、自分たちの問題は自分たちでできるだけ解決ができるような、そういう組織を目指すということがこの1年間の1つの目標ではないかと思っています。
 そして、人事の面でもう1つ心がけたことは、あまり好きな言い方ではありませんけれども、「本庁と出先との交流を深める」ということです。

 このことは、前々からずいぶん心をくだいて取り組んできました。けれども、まだ「本庁」と「出先」という言葉そのものが残っている現実からも分かるように、そこでの権限、力の関係、また情報の濃さ、薄さということに明らかに開きがあるのではないかと思っています。

 が、県民の皆さんと正面から向き合うということから言えば、県民と向き合う機会の多い現場というものをもっと大事にしていかなければいけないんじゃないかということも思いました。
 それと同時に、例えば、「子ども・お年寄り・障害者を大切にします」ということを、県政の重要課題、4本柱の1つに掲げているわけですが、こうした場合も、単に予算の面だけでそのことに配慮をしていくというのではなくて、人の配置という面でも、そうした手厚さというか、配慮というものがあり得るのではないかと思いました。
 まあ、こんな思いで、いま申し上げた分野の「出先」と言われる所には、本庁で副部長、また次長の職にあった方にずいぶん出て行っていただきましたし、また、逆に現在、これまでそうした所属の長をされていた方に調整会議のメンバーに入っていただくということも心がけました。
 さらに今年度は、従来、毎週いっぺん庁議をやっているわけですが、月に1度か二月に1度か、そういう庁議とは別に、また庁議を外して、いま申し上げたような出先の方々と、まあ分野別でも良いですし、お話し合いをする機会というものを持ちたいと思っています。
 それは、かつてのように、ただ単に現状報告を聞いて1時間、2時間を潰すというのではなくて、今その現場で感じられた課題。またそこで捉えられているニーズというものをご説明していただき、「その課題を解決をするために、またニーズを実現するために何ができるか」ということを具体的に話をしていく、そんな場が持てればということを思っています。
 以上、この県が掲げている経営方針というもの、また、そこで県民の皆さんと真正面から向き合っていこうという姿勢について、改めてお話しをいたしましたが、振り返ってみますと、幅広い意味での県政改革ということに全庁をあげて取り組むことになった引き金は、あのモードアバンセの事件ではないかと思います。
 間もなく、この7月にはその事件の高裁の判決が下されるわけですけれども、あの時、かなりの月日をかけて議論をし、そして県政改革に対しての申し合わせ、また誓いというものを立てました。
 けれども、これも先ほどの基本姿勢じゃないですけれども、日が経つにつれて段々、段々気持ちの中で薄れてきているのではないか。また再び「手を上げろ」とは言いませんけれども、あの時の申し合わせ・誓いというものを今ここで言える人は、ほとんどこれもいらっしゃらないんじゃないかと思います。

 けれども、このことは、やはり高知県にとって絶対に忘れてはならない、風化をさせてはならないことだと思っています。
 ですから、この7月に高裁の判決があるということを機会に、もう一度、皆さん方には経営理念・基本姿勢ということとともに、ぜひ、この県庁改革に向けてのあの申し合わせ、誓い、その思いというものをもう一度心に留めておいていただきたいということを思っています。
 また、この事件が進行中にも感じたことですけれども、関係した部局は当然大変なことになります。

 しかし、そうでない部局の人たちは、少し余所事という見方、「自分たちには関係のない」さらに言えば「ああいうことが起きたために、なんか県庁全体がそういうことを言われて困るなぁ」というような、退いた雰囲気があったのではないかということを思っています。そのことは、今もそういうようなことが起きると必ず出て来るんじゃないかと思います。

 けれども、他の部局で起きていることであれ、「そこから何を学べるか。それと同じようなことが自分たちの所で起きたらどうするか」ということを考えるということは、絶対に必要なことではないかということを思います。
 これと同じようなことを、外部監査をしていただいた方からも聞いたことがあります。それはどういうことかと言いますと、外部監査で指摘をする。

 そうすると、指摘をされた部署の人は「いや、申し訳なかった」と恐れ入ってくれる。しかし、それと同じようなことは、またそこから学べることは色んな部署にあるはずなのに、それを自分たちのこととして受け止めて、その監査から何かを学んで変えていくという動きがほとんど起きないという指摘でした。

 まさに、自分もそういう思いを持ちましたし、また、今もそういう思いを持ち続けています。
 そうした意味も含めて、監査であれば監査の時にだけ言いっぱなし、聞きっぱなしと言うとおかしいですが、何か言われた人だけが頭を下げていくという形でなくて、そこからやっぱり何を学んで、それをどう県庁全体のプラスに活かしていくかということが必要だと思います。
 そんな意味で、今年度からは、監査委員事務局の事務局長さんにも庁議のメンバーとして加わっていただくことにいたしました。
 が、なにも監査ということだけではなく、色んな批判、またご提言、そして課題認識というものを、その関わりのある部局だけではなくて、他の部局の人たちがそれを自分のものとしてそこから何を学ぶかという雰囲気や風土がもうちょっと広がっていけば、それだけで県民の皆さんにより近い、県民の皆さんの目線に立った県政に近づけていけるのではないかということを思っています。

 このことも、これからの1年、少しでも進めていけるように取り組んでいきたいと思っています。
 さて、冒頭「この1年を振り返って」ということで三位一体の改革から話を始めましたが、それだけではなくて、市町村合併が進んできたといったこと。また全然違うことですけれども台風が5回も上陸をした。災害が多かったということが、この1年を振り返って思い起こされます。
 このうち、市町村合併に関しては、年度末に非常に急な動きがいくつかございました。そうした市町村合併という選択ができたところ、できなかったところ、しなかったところも、これから、この新しい年度からが大変重要なスタートだろうということを思っています。

 全ての地域が上手くいくということは、なかなか難しい時代になってきました。けれども、そうした中でできるだけ県としてもこれからも関わりを持って後押しをしていく、そういう心構えで、この問題に取り組んでいきたいと思います。
 また、新法に基づく勧告をするかどうかということは、後に残された課題ということになりますけれども、これからの高知県の状況ということを考えた時に、基礎自治体の規模、形というものがどういうものが良いかということを県をあげて議論をし、それを年度内には県民の皆さんにお示しをしていくということも、いま求められている課題ではないかというふうに思っています。
 去年は高知県に台風が5つも上陸をしたという、災害のことを申し上げましたが、高知県だけのことではなく、また、全国で中越地震だ、福岡の地震だ、これまでまったく地震など考えられなかったところで大きな災害が起きたということだけではなく、もう世界中で「異常気象」ということを実感できるような、また「異常気象ということが何か連動してるんじゃないか」と思うような、地殻変動等に基づく大災害が相次ぎました。
 こうした異常気象というものは、今後も続いていくということを考えておかなければいけませんから、「南海地震への備え」ということはもちろんですけれども、それと併せて、こうした異常気象に基づく災害に毎年、毎年どう備えていくかという心構えも重要になってきていると思います。
 と同時に、こうした異常気象の元になってると言われる地球全体の変化に対して、私たちが地方で何ができるか。それを実践をし、また全国に情報発信をしていくという姿勢も、これから欠かせません。
 特に、高知県は日本で一番森林の比率が高い森林県ですし、森林環境税というものを全国で初めて導入をし、資源循環型の社会づくりを目指そうということを基本的な重要課題の1つにも掲げています。

 こうした中で、私自身が政治的な公約として掲げた、いわゆる「排出権取引」に対する先取りをするような取り組みも、ぜひ積極的に挑戦していきたいということを思っています。
 それと同時に、より身近なことで言えば、例えば、「木の文化圏構想」のアクションプランというものが一定終わる中で、その反省から、もう一度県産材の利用というものを本格的に取り組んでみよう。

 そういう思いで、県庁全体の漠然とした行動ではなくて、各部局ごとの、ある意味ではノルマも設定をした行動目標というものをまとめました。また、併せて資源循環型の社会づくりを進めていくための行動計画というものもまとめました。
 こうしたものを、これまでの縦割りの行政の中で、なんとなくこういう環境などの横串は「やれればいいね」、「やれれば、その時やろうね」ということで終わっていた。

 それを、そういうレベルから「これはもうやらなきゃいけない課題だ」というレベルに、ぜひ県庁全体で高めていきたいと思いますし、そういう意識を持って取り組んでくださる県の職員がきちんと評価をされるような、そういう組織にぜひなっていきたいなということを思っています。
 以上、今日は、県の掲げている経営方針、また、その中で「県民と向き合う」というようなことを中心にお話しをいたしましたけれども、「こうした基本姿勢を実現をしていく。それによって、県庁の職場をより仕事のしやすい、楽しく仕事ができる、そういう職場にしていく。そのことが、ひいてはサービスの受け手である県民の皆さんの満足度の向上につながるんだ」こういうことに確信を持って、この1年間、仕事に取り組んでいきたいと思っています。
 ぜひ、皆さん方にも、まず1つは各部局ごとの経営方針というもの。そして、県全体の経営方針とそれを貫く3つの基本姿勢というもの。さらには、かつての県庁改革での申し合わせ・誓いというもの。このことをきちんともう一度頭の中に入れて、これからの1年の仕事にあたっていただきたいと思います。
 どうか、よろしくお願いいたします。ありがとうございました。
 

※1平成15年度政策協議のまとめ(県政の経営方針)


 


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