知事の定例記者会見(県警本部の捜査費問題に関して)

公開日 2007年12月08日

更新日 2014年03月16日

知事の定例記者会見(県警本部の捜査費問題に関して)

平成17年7月5日15時00分から(県庁二階 第二応接室)


 記者会見での配布資料
 


(知事)
 県の警察本部の捜査費をめぐる問題につきまして、私もこれまで複数の警察の関係者とお会いをして、直接聞き取りをいたしました。

 その結果、過去においてはこの捜査費だけではなくて、旅費ですとか食糧費ですとか、いくつかの品目に渡って不適切な会計処理があったことは間違いないという心証を得ました。

 ただ、現在もそうしたことが行われているという具体的な証言はありませんでしたし、使い道についても具体的なお話をなかなか聞くことはできませんでした。

 こうしたなか、県議会でのご議論を聞いておりまして、またもう一度県民の皆さんのこの問題に対する見方・考え方ということを自分なりに振り返ってみまして、ここはこれまでの考え方を変えて、自分自身がもう一歩踏み込んでこの問題に取り組むべきではないかということを考えまして、今回、監査事務局に対しまして特別監査の請求をするということにいたしました。私からは以上でございます。

(釜本:時事通信記者)
 特別監査ですけども、請求対象となるのは、要するに会計……県警本部なのか高知署なのか、時期ですね、それといつ付けでやる予定でいつまで区切るのかお願いします。

(知事)
 それはまだ結論としては決めておりません。いつの年度のものを対象にするかということについては、書類上は5年間の書類が残っております。

 このことに対応するにあたりましては、もちろん県民の皆さんがこの問題を見る目、会計処理上の問題ということを一つは十分に考えていかなければいけません。

 それと同時に、最終的な結果として一線で働いてらっしゃる捜査員の方々が、本当にいつまでもこの問題を引きずらずにすっきりとした気持ちで仕事にあたれる、そういう状況をつくっていくことが必要だと思いますので、そういうことを考え合わせて、どの期間、どういう部署を対象にし、ということを検討していきたいと思います。今のところ、まだ最終的な結論を出しているわけではありません。

 それから期限ということで言えば、できるだけ早く出していただくように監査委員の方々にはお願いをしていきたいと思っています。

(池:高知新聞記者)
 途中で結論が出ていない段階で、今日発表することにした理由というのはどういうことでしょうか。

(知事)
 今日は特別監査の請求をするということを決めましたということを申し上げました。

(池:高知新聞記者)
 その理由をお聞きしたいんですけども。今日にした理由です。

(知事)
 今日にした理由。
 今日は、やはり決めた時点でなるべく早くお示しをするべきだというふうに思いました。

(竹内:高知新聞記者)
 この6月議会は、当初からこの警察の捜査費の問題が論戦の中心になるだろうということを知事自身もご認識されていたと思うんですけども、先週の金曜日まで質問戦があって、このことが知事自身にも質問で出されて「現時点では監査をする考えはない」ということも議事堂でおっしゃっています。

 それが土・日・月の3日間で変わったというのはいささか唐突な感じもしますし、議会からすれば「なんだ、それだったら質問の時に答えればいいじゃないか」というふうに思う向きもあるかと思うんですけども。土・日・月に一体何があったんでしょうか。

(知事)
 何もありません。私はもう少し、やはり自分自身で調べたいと思ったことがございました。

 そういうことを踏まえて、宮城県のような事態に陥らずに、何か県民の皆さんもご納得をいただいてこの問題を明らかにしていくという手法がないかと。その答えがあるわけではないですけれども、そういうことをずっと悩み続けてきました。

 けれども、議会での議論などを踏まえ、それからいろんな県民の皆さんの声というものに自分も接する中で、ここはやはり自分自身のこれまでの対応というものを変えて、特別監査というかたちで一歩踏み込むべきだというふうに自分自身が判断をしたということでございます。

(北口:読売新聞記者)
 今のお答えの中で「県民の皆さんの声に接する中で」とありましたけれども、具体的にきょう(配布した資料の中にある)コメントをいただいた警察関係者以外で知事が直接接せられた“県民の声”とはどういうものなのでしょうか。

(知事)
 それはメールもございますし、それから……それは何も世論調査的な意味の多数の声かどうかは分かりませんけれども、自分自身が信頼をする方々に、この問題をどう考えるかということはお聞きをいたしました。

(北口:読売新聞記者)
 その際に特別監査を考えたほうがよろしいんではないかという――

(知事)
 いや、そんな特別監査などということをご存じの方はほとんどおられませんので、そういうような言葉ということではありませんけれども、やはり何か「知事さんがえらく消極的なように見える」「なんとなく知事さんらしくないように見える」というお声はいただきましたし、「もう少しこの問題についての自分のいろんな考え方があるのであれば、そういう悩みとか葛藤とかいうことも説明をしてほしいし、またそれに対する少し踏み込んだ対応というものを見せてほしい」というお声をいただきました。

(釜本:時事通信記者)
 特別監査を最終的に請求しようと決断されたのはいつかということが1点。

 きょうのコメントの中に「議会の手をわずらわすという事態になってきた」という一文が入っておりますけれども、先ほどの総務委員会で議会が(特別監査を)請求することを決めたようですけれども、きょうも別の公務があったと思うんですが、公務を急きょ予定を変更してこの会見をしたのには、議会の議決、要するに対応を決めたことが影響しているのかどうか、この2点をお伺いします。

(知事)
 (議会が)対応を決められたというところまでは私、よく存じておりませんでしたので、議会でのいろんなご議論というものを聞いて、自分なりに判断をしたということでございます。

 それから公務に関しては、きょうは公務と言いましても愛知万博の見学という日でございましたので、もともともし何かがあればそれは取り替えることが十分可能な日であったというふうに思います。

 いつ決めたのかということに関して言えば、最終的にということで言えば、(先)週末であろうと思います。

(池:高知新聞記者)
 土曜日ということ?

(知事)
 土曜日というのか、そこは、決断というのは、こう決断をして誰かにそれを話をしたというのは昨日の段階でございますので、そういうことをすべきかどうかということを自分自身で真剣に考え始めたというのが週末だということです。

(釜本:時事通信記者)
 知事が心を変えられた、心証づくりに影響した際の関係者からの調査の内容も載っていますけれども、もう少し具体的に、いつからいつまで、要するに5W1Hではないですが、いつからいつまで・どこで・どのような対象の関係者に・どういうふうな状況で話を切り出した、という点について、もう少し詳しくお教え願えますか。

(知事)
 それは申し上げられません。それは、それこそ捜査費の問題と重なってしまいますけれども、いろんなかたちで相手が現役か、OBかとかさまざまな憶測を呼ぶということになりますので、それはもう“複数の関係者”ということでとどめさせていただきます。

(池:高知新聞記者)
 何人かという人数については何の差しつかえもないんではないでしょうか。

(知事)
 それもお断りをいたします。

(池:高知新聞記者)
 どういった理由で。

(知事)
 私としては申し上げる必要はないと思っています。自分自身がお会いをして、自分自身が心証として得れば十分であって、何人かどうかということが県民の皆さんにどうしても説明をしなければいけない、そういう要素ではないというふうに思うからです。

(岡林:高知新聞記者)
 いつお話を聞かれたということについてはどうですか。

(知事)
 いつということは、最終的にはこの日曜日が最後の方です。

(岡林:高知新聞記者)
 いつからですか。

(知事)
 いつからかは、ずいぶん前からいろいろとありますので、今この時点で明確な日付は申し上げられません。

(岡林:高知新聞記者)
 県議会が開会しましたね。県議会に登壇された質問議員の皆さんは、捜査費問題について知事の見解をただしました。

 先ほど、うち(高知新聞)の竹内も言いましたけど、知事の答弁は、前段階では「そういう考えはない」と。むしろ明言されたようなことになっています。

 当然その県議会前までに知事が一定、お会いになられて心証を得てきたのであれば、当然その議会で知事のお考えを明確に示すべきだったと思うんです。それはどうですか。

(知事)
 私は、先ほども申し上げましたように、またこの文面にも書いてございますが、もう少し自分自身でお会いをしたいという方もありましたし、またそういう方からより具体的なお話で聞きたいと思ったこともございましたので、この議会ではああしたことを申してまいりました。

(岡林:高知新聞記者)
 先ほど愛知万博でどうのこうのというお話の中で、もし何かがあればというご発言があったと思いますけれど、その「もし何かがあれば」というのを、例えば県議会で、当然日程は分かってらっしゃるんだと思いますので、常任委員会がいつ開催されて、この問題について論議されるかということは想像ができたと思いますし、そのあたりで、きょう当然総務委員会で県議会が一定結論を出すんではないかと、そういう情報が全く知事のほうに入ってなかったんですか。

(知事)
 そうではございません。その愛知万博うんぬんというのは一般論として、いろんな仕事と比べましたときに差し替えることが可能な日程だということで申し上げたので、特段いろんなすごい仕事をとりはずしてという趣旨ではないですよ、ということを申し上げたにすぎません。

(岡林:高知新聞記者)
 もし何かがあればというのは、県議会の対応が一定決まればということではないわけですね?

(知事)
 全く違います。一般論として申し上げております。

(岡林:高知新聞記者)
 その情報は入ってましたよね? 入ってなかったですか?

(知事)
 どういう情報でしょうか。

(岡林:高知新聞記者)
 県議会の総務委員会で一定……質問戦の最終日に依光議員が(議会として特別監査を請求するという)質問をされましたよね。

 質問というか、ご自身のお考えを述べたと思います。当然そこで、知事も議場におられたわけですから状況を把握されていたと思います。

 その総務委員会があるということも日程的に分かっていますので、総務委員会で今回の問題が話し合われるということも分かってらっしゃいましたよね?

(知事)
 はい。

(岡林:高知新聞記者)
 議会でそういう結論が一定出るんではないかということについて、知事自身は、きょう出るんじゃないかということが分かっていたわけではないですか。

(知事)
 きょう、一定の結論が出るというところまでは確認はしておりません。

(岡林:高知新聞記者)
 そういう情報は全く入っていなかったですか。

(知事)
 情報というか、そういう確認はしておりません。

(竹内:高知新聞記者)
 というのも「もう少し時間がほしかったという正直な思いもある」ということがここに書かれていますけども、では何もきょうでなくても、本当に、まだもうちょっと腹が足っていないなと思うなら、そこの腹を張らしてやってもいいと。

(知事)
 その通りです。

(竹内:高知新聞記者)
 この問題が出てもう2年になるわけです。報道がされ始めて。この数日間でバタバタッという印象がどうしても否めない。

 もうちょっと……失礼ながら、うがって言わせていただければ、議会が議決をする前に自分が先手を打ってやれ、というような意思はなかったですか。

(知事)
 それはないです。

(釜本:時事通信記者)
 この聴取した関係者についてはおっしゃれないということですけれども、これを読ませていただくと、10数年……若干古い話ばかりで昨今については証言は得られなかったということが書いていますよね?

 おそらく最近は大丈夫なんではないかという心証を形成されたんではないかというふうな推定もされるんですけれども。話を聞かれた関係者というのは昔のことだけでなく最近の実態についても信頼得る知識を持っておられる方に聴取したという理解でいいですか。

 昔のことしか知らない人に聞いたから最近の話が出てないということではやはり問題があるかと思いますので。そのあたりのことをもっと教えていただきたいんですけど。

(知事)
 それは現役かOBかということにかかわることになろうと思いますので、明確なお答えは差し控えたいと思います。けれども、当然そんなに、10数年前というふうな古いことだけではなくて、現状を知り得べき方にもお話は聞いております。

(北村:高知放送記者)
 この複数の関係者なんですけど。これまでの姿勢というものが、そういう話があれば聞く構えはあるというような受身的な考えを示していたんですけども、これに関して言うと、知事から話を聞きに行ったということですね?

(知事)
 いや、そうではございません。

(北村:高知放送記者)
 その呼びかけに応じて「こういう話がある」というふうに向こうから来たわけですか。

(知事)
 その呼びかけとも限りませんけれども。私から誰かに、ということではございません。

(亀岡:朝日新聞記者)
 以前に会見の時に、これからそういう方々とお話をする機会があれば聞いていきたいというふうなことをおっしゃっていたと思いますが、それから以降でお会いになったというふうに解釈してもよろしいでしょうか。

(知事)
 そういう方もおられます。

(亀岡:朝日新聞記者)
 その前という方もいらっしゃるということ?

(知事)
 それは差し控えます。

(池:高知新聞記者)
 会見の段階ではお会いになっていないというような感じだったように記憶しているんですが、つまりあれ以降にお会いになった?

(知事)
 そうではありません。それは言葉をはぐらかしました。

(大山:高知新聞記者)
 (配布された資料の)『証言を受けて』のところで「“裏金”づくりにあたる、不適正な会計処理が行われていたことは、疑いようがない」と、かなり強い調子で不適正な会計処理があったことを知事自身が思われているということですので、その上での特別監査ですよね。

 時期等は今現在まだ決めておられないということなんですけども、知事として特別監査をやる以上、不正を明らかにできる監査にしたいという思いがありますか。

 現状はどうなのかというニュートラルな段階での一方で、知事は早くこの問題を解決しなければということもおっしゃっておられますし、となると特別監査を知事が行われるということは、一定不適正な会計処理があったことを明らかにさせるための監査というふうな受け止め方でよろしいでしょうか。

(知事)
 それは分かりません。

(大山:高知新聞記者)
 疑いようがないということを受けての特別監査ということでよろしいでしょうか。

(知事)
 疑いを受けてというだけを受けてのことではありません。

(中原:共同通信記者)
 ここに「必要悪の側面があった」というふうに書いておられる。それで一番最後に「こういうふうに取り組むべきだと考えるに至った」とあるんですが。この「必要悪の側面があった」という考えが変わったんですか。

(知事)
 いや、必要悪という側面があっただろうなと今も思っております。ただ“必要悪”というものが、今の時代、認められるかというとそれは認められるものではないということも思いますので。

(中原:共同通信記者)
 そういうふうに考えるに至ったと。

(知事)
 そうですね。

(中原:共同通信記者)
 それがこの週末に?

(知事)
 その週末だけではございませんけれども、そこはずっと思っておりました。

(中原:共同通信記者)
 しかし、先ほどから高知新聞さんからも質問があって、どうしても至ってないんですが。なぜ、今回大きく路線が変わったのかというところ、ちょっと明確にお答えをいただいていないような気がするんですが。

(知事)
 いや、あんまり私は路線が変わったとは思っていません。やっぱりこのことを明らかにしていく、または県民の皆さんが納得するようなかたちで結論を見出していく。

 さらに警察という治安上大切な組織ですから、そういう組織の皆さん方がいろんなことをずっと引きずらずに気持ちよく仕事がしていけるような、再出発というのか、そういう出だしをつくり出していくということが必要だと思いますので、そのためにどうすべきかということはずっと考え続けてまいりました。

(中原:共同通信記者)
 宮城の浅野知事をめぐるいろんな動きというのは今回の方針に影響したんですか。

(知事)
 どういうことでしょう? 方針というのは。特別監査をするということに?

(中原:共同通信記者)
 そうです。

(知事)
 それは何もありません。

(池:高知新聞記者)
 地裁判決の影響というのはどうですか。

(知事)
 地裁判決も…。影響というのはもちろん考慮の要素としてはずっと考えましたので、そういう意味で言えば数多くある影響のうちの一つだということは否定をいたしません。

(中原:共同通信記者)
 どうしても県議会の動きに追随したんではないかというふうにしかとれないんですが、それは追随したんではないというお気持ちですか。

(知事)
 私は、県議会の皆さん方のそういう動きというものをもちろん、今申し上げたようなさまざまなことを考える理由の一つではございます。だけど、それがあったから即なんとかの行動をとったというような意味での追随ではございません。

(中原:共同通信記者)
 突っ込んで言いますと、要するにここで知事がそういう判断を示されなければ「知事はこの問題を軽視しているんではないか」「捜査費は警察の問題だから自分は関与しない」というふうな批判が向くことも考えられたんですが、そういう風向きに配慮されての今回の発表ではないかと思うんですが。

(知事)
 そういう意味は全くございません。

(池:高知新聞記者)
 誤解しないでほしいんですが、方針転換の説明としては足りてないのはぼくらも感じています。
 つまり、前の例で悪いですけども、工科大の学長選挙の時も知事の会見のご説明は、県民としては非常に分かりにくかった。

今回も、つい1週間前まで議場でああやって「特別監査請求はしない」と明言されておられるものですから、例えば週末に「誰々と会ってこういった考えに至った」とか、あるいはこの警察関係者というこの証言の方とこの期間に何人とか、知事がそういった心証を得るに至ったあるいは方針転換に至った経緯、心の動きというのが今のご説明では全く分からないです。

 県民に対して、もしマスコミを通じて説明されたいというお気持ちがあるのであれば、もうちょっと説明の仕方があるんではないかとぼくは思いますが。

(知事)
 例えばどういう?

(池:高知新聞記者)
 警察関係者の人数、期間。あるいは現役OB。あるいはこの週末でいきなり気が変わった感じの中で、例えばどういった方たちにお会いしたのか、そういう話をお聞きしたい。

(知事)
 その意味で言えば、週末にお会いをしたということで、何かが劇的に変わったということではないんです。

(池:高知新聞記者)
 ちなみに、黒木本部長とお会いになりました?

(知事)
 会いました。

(池:高知新聞記者)
 それはいつの時点で、どんなお話を?

(知事)
 2日の夜に、自分自身のずっと積み重ねの考えの中で、あらためて県民への説明というふうなことも踏まえて、警察としての考え方を確認に行きました。

(池:高知新聞記者)
 知事のほうから?どちらでお会いになったんですか?

(知事)
 黒木さんのお宅で会いました。

(竹内:高知新聞記者)
 知事が出向かれたんですか。

(知事)
 そうです。

(竹内:高知新聞記者)
 それは、監査請求をするから、という通告みたいなものだったんですか。

(知事)
 いや、そんな通告はしておりませんけれども、そういう趣旨を含んでいるというふうに受け止められたのではないかとは思います。そこは分かりませんけれども。

(中原:共同通信記者)
 事情聴取に伺ったということでよろしいんですか。

(知事)
 事情聴取というか、これまでもいろいろ説明ということで言われておりますけれども、そういうことに対する県警としての考え方をもう一度きちんと確かめに行ったということです。

(中原:共同通信記者)
 それで本部長にお会いになった時に、ここに出てくる、こういう不適切な処理があったのは間違いないという心証はどうですか。このことに関しては、本部長の説明からどのように受けられましたか。

(知事)
 その時は割と短い時間に14年度の問題などについての考え方ということを整理してお話しをしましたので、その内容にまで詳しく触れて考え方を問いただしてはおりません。

(中原:共同通信記者)
 14年度のことに触れなかった? ずっと昔のこの10数年前のことだけを訊いたということですか。

(知事)
 いえ、逆にそちらに触れていないということでございます。

(中原:共同通信記者)
 黒木本部長とお会いになられて、不適切な処理があったというふうな心証は得られましたか、という質問です。

(知事)
 それは得られません。分からない。

(中原:共同通信記者)
 得られなかった? 分からなかった? どちらですか。

(知事)
 得られないと分からない…。分からなければ得られないということになるので。

(池:高知新聞記者)
 資料にいただいている、この“複数の警察関係者”に黒木本部長は入っていますか。

(知事)
 それは入っておりません。そういう意味では含めておりませんけれども。

(竹内:高知新聞記者)
 何分ぐらいお話しされたんですか。

(知事)
 15分ぐらいだと思いますけれども。20分か…。ちょっと定かに覚えておりません。

(竹内:高知新聞記者)
 最終的にご自分が決断される前に、もう一度県警の言い分というか、このことに対する見解を最後の確認をしに行ったというような、そういうニュアンスですか。

(知事)
 趣旨としてはそうです。

(釜本:時事通信記者)
 このコメント中にも、警察に対しての懸念、まさに「出直しを誓うべきではないか」といった、そうした働きかけの試みというか、自分からですが、これまでの記者会見の中で、黒木本部長および県警に対して「よろしくやってくださいね」という話をしたという程度の表現にとどまっていたかと思うんですけども、具体的に先ほど言い分や見解を確かめに行ったという話もありましたけども、具体的に例えば県警に対して情報公開の徹底をお願いするとか、何か働きかけということは実際にはされていたんでしょうか。どういう意味でこの「働きかけ」という言葉を使われているのでしょうか。

(知事)
 今言われたような趣旨でございます。

(釜本:時事通信記者)
 要するに知事としては県警に対して情報公開を求めていたという理解でよろしいでしょうか。

(知事)
 県警だけではございませんけれども、警察関係者ということで言えばそういうことです。

(釜本:時事通信記者)
 それは現在、県警がここまでと認めている範囲よりもより広い範囲ということ。要するに裁判等になっていますね。地裁判決の範囲についても出したほうがいいんではないかというふうな理解をしていたという理解でよろしいですか。

(知事)
 そこまで具体的に一つ一つの、この問題のこの項目をということで申し上げたことはありませんけれども、より幅広い範囲でという趣旨のことは申し上げてございました。

(亀岡:朝日新聞記者)
 例えば各署単位で調べていただくようなかたちでお願いをしていたと、そういうことではないんですか。

(知事)
 各署単位で?

(亀岡:朝日新聞記者)
 県警本部だけではなくて、各署単位で。
 それぞれの一つの書類を会計についてもうちょっと検査をやってくれる、そういうかなり細かいところまでの依頼をしておられたと、そういうことではない?

(知事)
 そういうことではないです。

(釜本:時事通信記者)
 なお確認ですけど、より広い範囲の情報公開を県警に対して求めていたと。それは複数回? 要するに何度も何度も本部長なりに要請はしていたということですか。

(知事)
 それは、本部長さんだけではありませんので。

(釜本:時事通信記者)
 県警に対して、そういう要請を出していたと。

(知事)
 要請という言葉にはあたらないと思います。文書になっているわけでも何でもありませんので。

(釜本:時事通信記者)
 それに対して県警としては一貫して「現状の範囲を見直す予定はない」というような回答だったということですか。

(知事)
 そこまで明確に突き詰めているわけではありませんので。かぎかっこでそうなるわけではありませんけれども、自分の受け止めとしてはそういうような趣旨、考え方に受け止めました。

(釜本:時事通信記者)
 最後、7月2日に黒木本部長になおその考え方を確認しに行ったということですか。

(知事)
 そういうことも含めてでございます。

(中原:共同通信記者)
 本部長にお会いに行く前に、特別監査請求に関してはもう決めてらっしゃったということですね。

(知事)
 決めたというかたちかどうかは、心の中でそうすべきかな、ということは考えておりましたけれども、決めたどうだというとなかなか…。そこで決めていたかどうかというのは。そのことが念頭にあったかと言えば、念頭にありました。

(中原:共同通信記者)
 この記事を書くにあたって、いつ決められたかというのは決定的な部分ですよね? 週末と、今ちょっとぼんやりとおっしゃられたので。土曜日、2日で?

(知事)
 何時何分に突然決まるわけではないと思います。そういうことから言えば。

(中原:共同通信記者)
 大きく、自分としては、心の中で決まったという段階は、土曜日の?

(知事)
 それは土曜日ですね。

(中原:共同通信記者)
 黒木本部長と会ったあと、会う前、どちらですか?

(知事)
 そこがどの程度でしょうかね。それは程度にもよります。

(亀岡:朝日新聞記者)
 先ほど、きのう誰かに話して決断されたとおっしゃっていましたよね?

(知事)
 え?

(亀岡:朝日新聞記者)
 先ほどそうおっしゃっていませんでした?

(知事)
 きのうも会いました。だから、最後に会った人は……きのうは3日ですか?

(亀岡:朝日新聞記者)
 いえ、きのうは4日ですね。

(知事)
 4日であれば、きのうではありません。日曜日です。

(中原:共同通信記者)
 決められたのは2日で、土曜日でよろしいですね?

(知事)
 はい。

(池:高知新聞記者)
 お聞きしますけど、ここのペーパーにある“複数の警察関係者”。これが何人で、いつから聞き取りを始めて、日曜日までだったのかというのは。

(知事)
 聞き取りというかたちで、具体的なかたちで聞いたのは4月以降でございます。

(池:高知新聞記者)
 人数は?

(知事)
 人数は数人としておいてください。

(池:高知新聞記者)
 これもこだわるんですけど。
 どういった人数……OBであるとか現職であるとか、そういう個人を特定しない範囲にこだわるんであれば、特定しない説明の仕方も十分可能だと思うんです。

 それによって、知事がどういった調査あるいは情報を基にこういった判断をしたのかという説明になると思います。そこをどうお考えですか。

(知事)
 それは、数人といってもその質によりますので、数が多ければ十分な調査ができたということにもならないだろうというふうに自分は思います。

 その中で、本当にある意味価値があるというか、非常に実態に根ざしたお話をうかがえたのはお一人なんです。

(中原:共同通信記者)
 向こうから電話か何かで「話したい」と言ってきたパターンですか。

(知事)
 どの方がですか?

(中原:共同通信記者)
 今おっしゃった数人の方というのは。それぞれですかね?

(知事)
 それはそれぞれです。電話でアレな〔言ってきた〕方もいますし、そうでないパターンもございます。

(中原:共同通信記者)
 ほかには? ご自分で何か気づかれた方というのはおいでるんですか。何らかのことで。

(知事)
 だから、それは先ほど申し上げたように、ないと。自分から気づいて会いに行った方はいません。相手からのアプローチです。

(釜本:時事通信記者)
 “警察関係者”という表現をされていますけれども、当然高知県警の問題なので高知県警の関係者という理解でいいですか。

(知事)
 それはそうです。

(池:高知新聞記者)
 決め手になるお話をされたお一人とお会いになった時期とか、それは…。

(知事)
 それはもう勘弁してください。

(池:高知新聞記者)
 お考えを固める、それが一つの核になったのであれば、その日付をぜひ知りたい。

(知事)
 ご勘弁ください。

(中原:共同通信記者)
 黒木本部長はどのような説明をされたんですか。

(知事)
 何についてでしょう?

(中原:共同通信記者)
 2日にお会いになった時に。15分といった短い時間ですが、おおむねどういうことを黒木本部長は?

(知事)
 それは議会などでご答弁されていることと基本的には変わらない考え方です。

(中原:共同通信記者)
 現時点ではないということですか。「不正はない」とあらためておっしゃられたわけですか?知事に対しても。

(知事)
 そのようなことをかぎかっこでこちらも問いただしているわけでもございませんし。

(中原:共同通信記者)
 ないというようなことをおっしゃっておられた?

(知事)
 ないというような話を受け答えとしてしたわけでもありませんので。

(岡林:高知新聞記者)
 能動的に、というふうに、ちょっと文章としてとらえにくいところがありまして。というのは、疑惑解明ということもあるのかもしれませんけれど、知事の今のお話の趣旨をお伺いしていますと、いわゆる県議会の意見、県民の声、という部分を踏まえて決断されたといったような感じで私には聞こえるんですけれど、そういうことなんですよね。

(知事)
 何をどういうかたちでしていくかという時期については能動的ではなかったというふうに思います。

 ただ、この問題を県民の皆さんが理解し、納得してくださるようなかたちで解決をしていく方法はないかということはずっと能動的に考えておりました。

 それをこうした特別監査請求だけではなくていくつかの手法があるんではないかなということを思って、そういう趣旨で警察の関係者ともお話をしてまいりましたし、またもう少し具体的な、いろんな証言というものも得て、さらに突っ込んだかたちで何かの解決策を見出せないかなと。

 それが、こうなればこうなる、というふうな具体的な筋道まで自分で思い描けていたわけではありませんけれども、ただ単に宮城県警のようなかたちでぶつかりあっていって、どこが最終地点だか分からないようなかたちになっていくことが本当に県民の皆さんのプラスになるかな、と。

 一部の県民の皆さんから見たときに「非常に警察はけしからん」と。それとぶつかり合うのは素晴らしい対応だという、そういうとらえ方もあろうと思います。

 だけど、一歩冷静に警察の組織というものが果たしている役割ということから考えたときに、ただそうやってぶつかり合うだけでいいかな、ということをずっと思い悩んでいました。

 その中で、自分なりのかたちに能動的にこれを解決していく手法はないかな、ということはずっと考えてやってまいりました。それがこの特別監査請求というものを起こす時期ということで言えば、受動的であったことは間違いありません。

(岡林:高知新聞記者)
 県議会にお任せになったらどうですか。そういう考えはなかったんですね。

(知事)
 ありません。

(岡林:高知新聞記者)
 なかったわけですか。

(大山:高知新聞記者)
 捜査費問題を解決する手法として特別監査を行うわけですか。捜査費問題を解決する手法という流れの中で特別監査を今回決断するに至ったというご説明だったように思うんですけども。

 その特別監査というものをどういう思いでやられるかというところが、今一つ説明がないように思うんですけれども。

(知事)
 特別監査というのは会計処理がきちんと法に則ってできていますか、また実態に即したものになっていますか、ということを調査するものでございます。

(大山:高知新聞記者)
 もちろんそうなんですけれども。
 過去に明らかに不適正な処理があったことは間違いないとの心証を得たので、今回特別監査を行うということでかまわないですか。

(知事)
 「ので」だけではありません、と先ほど申し上げました。

(釜本:時事通信記者)
 確認しますが、この中では、おそらく古い時代に不適切な処理があったことは間違いないとされてますけれども、報道されています捜査費疑惑については、いずれも最近のことだと思います。

 現在の心証として、昨今の疑惑についてはあったとお考えですか、なかったとお考えですか。

(知事)
 「昨今の疑惑」というのはどのことですか。

(釜本:時事通信記者)
 いわゆる、高知新聞等が報道された平成14年度が焦点になっていますけれども、14年15年といった最近の経理については、いわゆる不適正な処理があったというふうな心証を得ているのか、それともおそらくなかっただろうという心証を得ているのか、今時点の気持ちというのを確認したいです。

(知事)
 あったか、ないかというと、それはいろいろ細かいものも含めてゼロでなければあったということになりますので、そこまで正確に申し上げられる心証も証拠も持っておりません。漠然としたかたちであれば、あったかないかということはちょっと私にはつかめていません。

(釜本:時事通信記者)
 その理由というのは、要するに証言が得られなかったということでしょうか。

(知事)
 「その理由というのは」というのは?

(釜本:時事通信記者)
 今、確たる心証を得られなかったというのは、ご自分で調査された中で、最近のことについての証言が得られなかったから何とも言えないというふうな――

(知事)
 それはそうでございます。

(北口:読売新聞記者)
 先ほどから知事は宮城県のことを例に挙げておられますけども、会計処理が適正かどうかの判断として、その一つの手法として特別監査という仕組みでいらっしゃった。

 宮城の場合はもともとの対立の発端というのは協力者氏名を知事に開示するかしないかだったと思うんですけれども、知事はそういう手法として開示をしていただく必要があるとか、そういう手法をとられようとは考えられなかったんですか。それは必要ないというふうに。

(知事)
 それは一般論ではなかなか申し上げられないとは思います。よく分かりません。

 それぞれの監査をしていく項目ごとに「こういうものであればそれは名前を明らかにしても問題ないんではないですか」ということにもなるかもしれませんし、それは「こうであれば名前を明らかにはできませんね。

 それは納得できますね」という場合もあると思いますので。一律になかなか言えることではないと思いますが、私自身やっぱりNHKで記者という仕事をしておりましたので、情報源を明かすことはできないという捜査上の秘密性ということは、自分は納得できる立場にあったと。

 そのことが、少し警察寄りと見られる一つの原因になっているかな、ということを自己分析はいたしました。

(北口:読売新聞記者)
 そうすると、偽名の領収書等の禁止を求めるとか、知事のほうから監査以外で、適正に執行されるように他の手法を求めるという…。何か思いつかれたものはありますか。

(知事)
 過去の問題点を探っていって、そこで「こういう問題があってこういう個人の責任が」ということを追求していくだけでこの問題は解決しないだろう、というふうに思うんです。

 というのは、捜査というのは警察の根幹をなすものですし、その捜査をする際にある程度の秘密性というのは保持されないとできないという面もあろうと思います。

 ただ、そのときに一定の費用が生じるということから考えれば、その秘密性と費用がかかるという点をどう勘案していくかということは、未来永劫残っていく問題ではないかなと。

 それを、協力者の名前を明かすとか何とかということだけではなくて、何らかの手法で解決をするようなことはないのかな、ということを思ったということなんです。

 例えば、13年度から諸雑費として月額5,000円をお渡ししていくというかたちによって、ある程度クリアにされたということが言われております。

 こういうような、いろんな手法によって日々捜査員の方が活動されるお金をある程度お任せをすることによって、変なかたちの捜査費問題などが起きないような、何か会計の組み方だとか予算の組み方だとかいうことはできないのかな、ということはずっと思っております。

 例えば、謝礼金というかたちではなくて、謝品というかたちに変えて、謝品ということを通して明確にしていくとかいうような手法だとか、何らかの、もう少し必要な秘密性を保持しながら執行しなければいけない費用というものが、県民の皆さんの透明性を求める、きちんとした会計処理を求めるという視点と合わせるようなやり方が何かないのかということをずっと考え続けておりました。

 過去の問題点を暴き出していって、そこで警察としての出直しを求めるということも、これも一つ県民の視点としてはあり得るでしょうし、大切なことだろうと思います。

 けれども、それだけで何か、誰かが批判をされて……ということで終わるのではなくて、それをプラスに転じて、今後、捜査もきちんとやっていただく、必要な経費は必要な経費として使っていただく。

 それで一線の捜査員の方々が本当に気持ちよく仕事をしていっていただける、そんな仕組みが、この秘密性を保持しながら、どういうかたちで今の情報公開、透明性を求められる時代につくっていけるのかということを考えなければいけないのではないかということをずっと思い続けていました。

(釜本:時事通信記者)
 若干先ほどの続きになるんですけども。最近の事例について明確な証言が得られなかったということですが、知事ご自身として、今後引き続き――もう少しあとという表現が出てましたけれども――個人の調査を続けられるご予定ですか。

(知事)
 はい。

(釜本:時事通信記者)
 やっていくということですね。

(知事)
 はい。

(釜本:時事通信記者)
 あともう1点。特別監査請求ということになりましたけれども、仮定の話で申し訳ないんですが、特別監査請求がどういう結果になるかまだ分からないんですけれども、仮に問題ないという結果が出た場合に、これをもって県民の県警に対する疑惑は払しょくされたというふうにお考えですか。

 また別の方法で、さらなるクリアな問題というか、そういう県民の疑念を晴らす別の方法も並行して進めていこうというお考えなのか。

(知事)
 そういうことがございますので、ただ単に「監査請求だ。ほれ見たことか」ということをずっと繰り返していくということではなくて、いつまでも引っ張るのではなくて、どこかでやはり何らかのかたちの新しい出発というものを思い描かないと、落としどころがないという表現はこの問題に対して使ってはいけない言葉かもしれませんけれども、どこが目的地ですか、ということが分からなくなってしまうんではないかと。

 全然事情も存じないで申し上げるのは失礼なことですけれど、宮城県の状況を見ているとそういう状況なのではないかというふうに受け止められます。

 そうならないために、ただ単に監査だ何だということに突っ走るのではなくて、一つ別の手法なども考えながらできればな、ということをずっと思い続けてきたということです。

(釜本:時事通信記者)
 繰り返し確認になりますが、先ほど北口記者のほうからもありましたけれども、今頭に思い描いておられる終結の方法というのは、まず特別監査請求などで一定のクリアであること、結果は分かりませんが、一定の調査をした上で会計方法のみやり方を変えるなどして、今後発生しないやつで新たな再出発を県警にしてもらうというふうな…。幕の閉じ方ではないですけど、そういうふうな考えで?

(知事)
 私が幕を閉じるというよりも、県民の皆さんが納得もし、それから必要な捜査というもの、そしてそこにかかる必要な捜査費というものを県民の皆さんにご理解をいただいて、執行ができるというようなかたちにもっていかないと、どんどんどんどん捜査費は縮小し、捜査そのものが縮み込んでしまうということにもしなるのであれば、それは決して県民全体のプラスにはならないだろうと思いますので、ということを思います。

(池:高知新聞記者)
 話を変えて恐縮ですけども、名古屋出張から東京に急きょ行かれましたけれども、警察庁の幹部とお会いになっていたんですか。

(知事)
 そうではありません。
 名古屋から帰るにあたって、東京に寄るか大阪に寄るかということを考えて、東京に家内がおりましたので、家に泊まれるから東京に参りました。

(池:高知新聞記者)
 きのうの夜、東京ではどなたかとお会いになっていますか? この問題の――

(知事)
 会っておりません。

(中原:共同通信記者)
 この資料の一番最後のところ。要は県議会の意見を踏まえて、県民感情に配慮して、今回の決断に至ったという理解していいんですね。

(知事)
 それはそうでございます。その通りでございます。

(中原:共同通信記者)
 それが最大のポイントですね。

(知事)
 はい。間違いございません。

(亀岡:朝日新聞記者)
 特別監査する期間なんですけども。冒頭でお決めになってないということでしたけど。早急に一応お決めになるということになると思うんですが。

 残っている資料5年間確認。その中で、例えば平成14年ですか15年ですか、例えば定期監査とか、いったんは既にやられているものもおありになるかと思うんですけども、その期間なんかも場合によっては含むかたちで一応ご検討される…。

 向こう5年間の中でどういうふうにするかという、そういう判断になりますね。

(知事)
 そうでございます。どれにするというのは、全部も含めてですけれどね。

(亀岡:朝日新聞記者)
 全部含めて。

(知事)
 はい。

(岡林:高知新聞記者)
 監査請求の時期について重ねて聞きますが。県議会の定例会の最終日は7日ですよね?

(知事)
 ええ。

(岡林:高知新聞記者)
 知事自身がいつ監査請求をされるのか。つまり、今お話をお伺いしていると、その監査請求の対象それから実際の監査請求でやってもらう時期、何年度から何年度とか、そういったところも固まっていないようですけれども。

 当然そういった中身がないと、いわゆる監査委員に請求するという話にならないと思います。そういうことで考えると、議会閉会後ということをお考えになられていますか。

(知事)
 固まっていないわけではなくて、結論としてここで申し上げる段階ではないということを申し上げておきます。

(岡林:高知新聞記者)
 ということは議会の会議中にもそれはあり得るということですか。

(知事)
 それはないだろうと思います。

(岡林:高知新聞記者)
 閉会後ということですね。

(知事)
 まだちゃんと内部的に打ち合わせをしておりませんので、決めておりません。

(岡林:高知新聞記者)
 というのは、その議会で一定の結論が出るかなということが当然想定されますので、そう考えるとどうなのかな、と。

(知事)
 そこは、だから議会とも……協議をするという問題ではないのかもしれませんけれども、議会の各会派のお考えというものもお聞きをしながら判断をしていきたいと思います。

(岡林:高知新聞記者)
 知事が撤回をされるという……出してないわけですから撤回ではないんですけれど、議会がやるならばということで、知事自身がお任せするということはないわけですね? 知事は知事として出すというお考えを――

(知事)
 そうですね。

(岡林:高知新聞記者)
 議会が出したとしても、ですね。

(知事)
 はい。

(池:高知新聞記者)
 ペーパーで「家族のプライベートな問題」とあります。これは息子さんの事件?

(知事)
 そうですね。

(池:高知新聞記者)
 噂の部分ということを含めて、知事の心情をご自身の口から聞きたいんですけど。こちらから質問をぶつける話でもありません――

(知事)
 いやいや。申し訳ございません。
 私も予想もしない反応でした。息子のことで何か警察の方にお願いをしたということもございませんし、そこで貸し借りができたなんてことは全くありませんので。

 この捜査費の問題について何か息子のことが頭をよぎったということは、過去一度もありませんでした。そういう状況の中で「息子さんのことがあったから、何かそのときにお世話になって、それで踏み込めないんではないか」というような街の声も実際に聞きましたので、それは非常に不本意ですし心外ですし、言葉を極めるぐらい非常に心外な思いがいたしました。

(池:高知新聞記者)
 心情としては、今回の判断にも、ここにわざわざ載せてらっしゃるというのは、やはり結構影響があったんでしょうか。

(知事)
 ここに書きましたのは、もしそういうご質問を受けたとして、あえて質問が出て言うのも、という思いがあったので、自分で書きました。

(池:高知新聞記者)
 特別監査請求の判断に影響があった要素ではない?

(知事)
 特別監査請求そのものに直接影響があったということではありませんが、その噂話というのはずっと心に引きずっています。
 特別監査請求に、何分の1かの影響は与えているかもしれません。

(中原:共同通信記者)
 議会と協同で、もしくは協調してこの問題を解明しようというお気持ちはありますか。それとも議会とはもう別個に自分が。

(知事)
 いや、そんな、別個にとか何とかいうことは考えておりませんので。先ほどご質問にもありましたように、議会のこれからの対応ということを含めまして、どういうふうに対応されるのかということをお聞きをして、出す時期なり、それから監査請求を実施をする年限とかいうことも考えていきたいと思います。

(中原:共同通信記者)
 協同で明らかにしようという意識を持ってという?

(知事)
 そういう意識はもちろん持っております。

(浜田:高知新聞記者)
 議会と歩調を合わすということですが、期間とか、対象の?

(知事)
 歩調を合わせるというと、同じということを今の段階で限定するということになりますので。そうではありませんけれども、議会とご一緒に解明をし、単に、先ほどから申し上げているように解明というだけではなくて、これからのスタートというかたちで、いい目的地は何なんだ、ということをご一緒にやっていくという気持ちはございます。

(浜田:高知新聞記者)
 協調しようにも、きょうの午前中の総務委員会を見ていたら、知事が議会中質問に全然答えていない、180度違うことを言って、議会軽視という……議会軽視という言葉ではなかったんですが、「総務部長より知事自ら説明するべきではないか」というのがあったんですけども。

 さっき、記者会見で「はぐらかした」という言い方があったんですけど、では議会の質問戦でもはっきり言ってはぐらかしていたんではないかという思いがぼくらもするんです。

 ずっと悩み続けていたということであったら、そういうことをにじませながら答弁することもできたんではないかと思うんです。

(知事)
 そうかもしれませんね。

(浜田:高知新聞記者)
 要するに知事が議会との融和を図ろうとしているのに、こういうやり方をすることによってよけいに溝が深まるんではないかと思うんですけれども。

(知事)
 それは申し訳ございませんでした。

(浜田:高知新聞記者)
 そのあたり、議会に対して釈明とか…。結局議会の機先を制するようなかたちでこういう動きをしたというふうに議会は見ているんです。議会に対してはどういうふうな言葉を。

(知事)
 申し訳ございません。

(浜田:高知新聞記者)
 足される予定でした?

(知事)
 足されるというのは?

(浜田:高知新聞記者)
 あとあと知事が自ら説明に行くとか。

(池:高知新聞記者)
 あるいは本会議場でとか。

(知事)
 本会議場でのことは、もし機会が与えていただけるのであれば、ご説明をしたいと思っております。

(浜田:高知新聞記者)
 閉会日に?

(知事)
 そうでございます。

(机:朝日新聞記者)
 知事ご自身が一連の県警本部の対応、問題への向き合い方というものをこれまでどうご覧になってきたのか。ご自身は説明責任を尽くしてほしいと答弁なさってますけれども、県警本部の対応というのはどうご覧になっているでしょうか。

(知事)
 この間に県警本部の最高指揮者〔=本部長〕も代わってきておりますので、そういう問題点が背景にもございますけれども、私はもう少しこの問題への対応の仕方というのは別のやり方があったんではないかなということは思います。

(机:朝日新聞記者)
 その趣旨の話というのはこれまで県警幹部になさってきたんでしょうか。

(知事)
 いたしました。

(机:朝日新聞記者)
 それについて十分に答えられているのかという思いがあるということですか。 

(知事)
 それについては答えてくださっていますが、最高指揮者が代わっているということ、そしてそれ以前からの一つの方向性があるうんぬんということもございますので、私の問いかけに全く意の違う答えがきたということでもございません。

(釜本:時事通信記者)
 別のやり方というのは、要するにもう少し情報公開を徹底してという――

(知事)
 さっきから申し上げている、別のやり方。情報公開ということのやり方も一つはあろうと思います。そこは詰めてこれを公開したらどうだ、というところまで考えているわけではありませんけれど、そういうこともございます。

 それから、予算の組み方、会計の組み方というので、先ほど申し上げた諸雑費的なやり方だとか謝礼金を謝品に変えるだとか、いろんな手法があろうかと思うんです。

 借上料というかたちにしていくとか、いろんなやり方もあろうかな、と。そこは分かりません。だからそういうことをもう少し…。やはり必要な予算だと思います。

 これがどんどんどんどん単に縮小して、捜査員の方が実際の仕事がしにくくなるということは、それが本来の目的でも何でもないわけなので、オープンというか、透明性を高め、県民の皆さんが「お任せしますね」と言っていただけるようなかたちで、捜査員の方がまた安心して現場で仕事がしていただける、そういうかたちがつくれないかな、ということでございます。

(亀岡:朝日新聞記者)
 もう少し時間があったら、県警のほうとしても独自で襟を正していくということが可能だったというふうにお考えですか。

(知事)
 それは、最終的にはやはり難しいという結論に、私はなりつつあります。

(海路:高知新聞記者)
 知事自身は、この監査が始まったときに、監査をする側が書類上捜査協力者とされている方たちと何らかのかたちで接触するべきかどうか、知事は今、現時点ではどう考えておられるんでしょう。

(知事)
 それは「できればさせていただきたい」と監査は言うだろうと思います。私がどうのこうの言うべきことではないだろうと思いますけれども。

(海路:高知新聞記者)
 知事の考え方としてなんですけど。証言の中では、領収書の偽造が結構大部分を占めているかと思うんですけれど。かなり必要性としては、監査する側が接触するかどうか、すごく大きなポイントになるとは思いますけれども。

(知事)
 それが大きなポイントになるかどうかというところがなかなか…。私はそうとも思えないというか。それは大きなポイントですよ。

 大きなポイントだけど、それで何か明確な結論が出るのかというと、それはまさに本当の協力者は別にいて、だけどその協力者を出すわけにはいかない。

 だけど、何らかのかたちの書類を作らなければいけないということで別の人を構えたというようなことがあるとすれば、協力者ということで名前の出ている方に会って「いや、私は…」というのが。

 今回14年のリストの中でもありますよね? そういうような方の場合に、それが……会計上はもうそれで誤りだということは明確になります。だけど、捜査として誤った捜査だったのかどうかというところまでは分かりませんよね。

(釜本:時事通信記者)
 特別監査のやり方について、今そういう実際の協力者に会う会わないというお話もありましたけれども、この監査の実行性、要するに県民がより納得する方法ということで、やり方をいちいち変えるとか評価するとかそういったお考えとかはありますでしょうか。

(知事)
 それはぜひそうしたいと思いますけれども、何をどうしたらいいかというところまでは、ちょっと何とも申し上げかねます。すべて監査の過程はまず透明にしていくということが必要だと思います。

 捜査員と会うと。もし捜査員と会うことを、警察が拒否されることはないということを確信しますけれども、もし何らかの理由で捜査員と会えないということであれば、それはなぜ会えないのかということをきちんと県民の皆さんにも公開をしながらやっていかなければいけないと思うし、それから捜査協力者への接触というふうなことに関しても同様の、監査の過程での透明性というものが求められるというふうに思います。

(岡林:高知新聞記者)
 過去には不適正な処理があったということをおっしゃられ方をしています。この「過去」というのは、今知事のコメントをぱっと見させていただくと、知事の在任期以前というご判断をされているんですね。心証を得たという。

(知事)
 全くそうではありません。

(浜田:高知新聞記者)
 議会とのアレ〔関係〕にこだわりますけど。最終日にその釈明を仮にする場を与えていただけるのであればしたいということなら、今日でなくても、7日に登壇して「こういう方針を固めました」という説明もあったのではないかと思うんですけど。どうして今日になるかというのが本当に釈然としない。

(知事)
 そうですか。そこまで私は、ごめんなさい、考えませんでした。できるだけ自分の気持ちが固まったら、早く県民の皆さんにお話をすべきだろうというふうに思いましたので。それだけでございます。

(浜田:高知新聞記者)
 知事がご自身で議会に対して「こういうことに気持ちを固めましたので」という報告とかはされてますよね。

(知事)
 しておりません。

(浜田:高知新聞記者)
 誰にもしてないですか。

(知事)
 誰にもしておりません。

(中原:共同通信記者)
 この請求ですけれど、議会と同時もしくは議会と連名ということはあまりないと思いますけど、議会と同時に行うという気持ちはありますか。時期的なものですが。

(知事)
 それはちょっと、なんとも…。いや、分かりません。
 分かりませんというのは先ほど申し上げたように対象とする職場をどこにするかとか、調査の期限をどうするかとか、いろんな点で違いがあるのであれば、あえて合わせていくことに意味があるのかとか、いろんな具体的なことが出てくるだろうは思いますので。

(中原:共同通信記者)
 調整はするわけですかね。例えば捜査一課、捜査二課に、とか。どこかほかのセクションをどうするかとか。

(知事)
 そこまで細かい調整ということをべつに考えてはおりません。

(中原:共同通信記者)
 確認ですが、今回6月議会が終了後できるだけ早くというニュアンスですか。

(知事)
 請求そのものもそうでございますし、それから監査の結果をできるだけ早く出していただくということも求めていきたいと思っております。

(中原:共同通信記者)
 6月議会終了後、すみやかに、ですね?

(知事)
 そうなると思います。

(岡村:高知新聞記者)
 監査をするにあたっての県警の対応ですが、こういうふうに県警には対応してほしい、というのは何かありますか。

(知事)
 今の時点でまだ明確に思っておりません。

 というのは、これまでの監査で警察との間でどういうやりとりがあって、そうして監査としてもう少しここができればというふうな思いを持っている点があるだろうと思いますけれども、そういうことを一つは聞いておりませんし、それから愛媛・宮城・北海道でのあり方の中で、何かもう少しこういうことができれば先ほどからのご質問にもありますように、県民の皆様にとって分かりやすく透明性の高いものになるのではないかというようなことも調べてもらうようには投げかけをしましたけれども、まだそこらへんをつぶさに検討しておりませんので。

 気持ちとしては、そういうことがあればそういう働きかけもぜひしたいとは思いますけれども、今それは具体的に「例えばこうです」ということを申し上げるまでのものはありません。

(岡村:高知新聞記者)
 公安委員会が、今やはり県警を管理する立場であるんですけれども。あれは議会の承認を得て知事が任命する公安委員ですよね。

 今回は、この文書でも県警自ら襟を正してと、まさにその通りだと思うんです。ここに知事の思いがにじみでているような気もするんだけども、公安委員会のあり方ですよね。

一貫して「(特別監査を)しない」と。知事が呼びかければ調査ができたわけですね。

 だから、公安委員会のあり方について、今回一つ提起されたと思うんですけれども。知事自身公安のあり方について、とにかく今回の一連の問題を見てきて、何かこう、見解といいましょうか、思いみたいなものがあったら。

(知事)
 それはもう、検討課題として考えさせていただきます。

(中原:共同通信記者)
 今のに関連しますと、この時期になったことに慙愧の念みたいなものはないですか。

(知事)
 慙愧の念はございません。とにかく、先ほどから申し上げているように、一線で働く捜査員の方々が本当にいつまでも問題を引きずるんではなくて、気持ちよく捜査にあたっていただけると、警察業務にあたってもらえるという状況をつくり出すことが一番大切なことだと、こう思い続けておりますので、その都度、もしも考え方が変わったというご批判はご批判として受けますけれども、私はそういう方向になるようにこれまでも考えてきましたし、これからもその努力をしていくということを県民の皆さんにお約束をしたいと思いますから。特にこの時点での判断を、慙愧の念で、ということではございません。

(中原:共同通信記者)
 宮城の場合、総務省、それから警察庁がからんで混乱……私からみれば混乱しているように見えるんですが、ああいう状態になるのは避けたいという気持ちは――

(知事)
 という思いはずっとございました。

(味元:広報課長)
 予定の時間を過ぎておりますが、そろそろ会見を終了してよろしいでしょうか。

(知事)
 どうもありがとうございました。
 
 


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