公開日 2007年12月08日
更新日 2014年03月16日
第43回高知県老人クラブ大会での知事祝辞
平成15年11月5日(水曜日)ふくし交流プラザ
皆さん、おはようございます。本日は、第43回の高知県老人クラブ大会の開催、誠におめでとうございます。また、この後表彰をお受けになる皆様方、大変おめでとうございます。と同時に、こうして地域で皆様方がご活躍をいただいていますことに、心から感謝と敬意を表したいと思います。
このような場に立ちますと、高知県は高齢化の先進県、全国3位の高齢化の進んでいる県だとか、また県内もうすでに4人にお一人以上が65歳以上のお年寄りだといった、高齢化の現状だとか問題点からお話を始めるのが常でございます。
今日は、地域で元気に積極的な取組をされ、その中でいろんな情報や知識を仕入れていらっしゃる皆さん方ばかりでございますので、こうして一般論のお話をちょっと横に置かしていただきますが、僕は以前から高齢化とか高齢社会というのは社会全体にとって決して重い課題、不安の多い課題ではないということを言い続けてきました。
と言いますのも、古今東西、人類は長い歴史の中で、ずっと不老長寿というものを夢として追い求めてきました。全く年を取らないという不老は実現をしていません。しかし、長寿は見事に実現をすることができました。
例えば、僕は戦後の22年の生まれでございますが、その時の日本人の平均寿命は、男は46歳代、女性が50歳代でございました。これが戦後の半世紀の中でもう30年も寿命が延びている、まさに長寿社会がやってまいりました。
ということは、人類の長い夢が実現をしたということでございますので、本来ならば「ああよかったね」、「長年の夢が実現したね」、「ようやく長寿社会が来たね」と言って、みんなで喜び合わなければいけないのじゃないかなとこういうことを一つは思います。
また、長寿社会になったということは、人生の現役時代、最初の第一歩の現役時代に一次産業を担当された、ものづくりをした、サラリーマンだった、弁護士をした、教員をした、様々な経験を持たれる方々が、それぞれの地域、故郷などで自由な立場で地域に貢献できるということですから、それだけ地域全体の財産、蓄積が増えるということになります。
ですから、この高齢社会というのは、決して社会にとって負担が増えるというものでは僕は絶対ないと思うのです。ただ、そのためには、地域に戻られた、また最初のお仕事を辞められた、そういう皆さん方にいつまでも元気で地域のために頑張っていただかなければいけませんが、
このことはお一人お一人にとっても、生き甲斐ということ、元気さということにつながっていくと思いますし、またそれがひいては、介護保険の費用、また医療費などを引き下げるということによって、地域社会全体の元気さ豊かさにもつながっていくのではないかと思います。
このようなことから、今、中平会長がいわれたように、これからは健康づくりということが一番大切な支え合いの活動の一つではないかと思いますが、今申し上げた様々な地域の活動の核になっていくのが、まさに皆様方老人クラブの連合会なり、単位の会員の皆様の活動でないかと思います。
例えば、今日もこの後、連合会の会長の表彰を受けられる単位老人クラブの中に、美化清掃活動に特に取り組まれた方々がおられます。その活動をみますと単に地域の中だけではなく、地域の外に出て行って、町の連合会として国道沿いの花壇を季節季節の花で飾っていくといった、様々な活動をされています。
こういう活動は、それ自身皆様方にとってとても楽しい、心のリフレッシュになる、また身体を動かして健康づくりにもなる、こういう様々な活動が先ほどいいました健康づくりにもつながっているのではないかと思います。
また、参加される皆様方は、多分参加してよかったねというスッキリとした気持ちになるのではないか、そういう思いをまだ老人クラブに加入をされていない多くの方々に伝えていただけたらなということを思います。
ただ、先ほども中平会長のお話にもありましたように、一番加入率が高かった、50%ぐらいの加入率があったころに比べれば、今は30%代、だんだん加入者が減ってきている、お年寄りが増えてきているのに加入の率は減ってきているというお話がありました。
このため老人クラブ連合会ではこの年の始めに手引きを作られ、こういう活動をもっともっと広げていこうという方向性をしめされました。それに従って研修会も開かれて、各地域の実践報告などをされたということですが、参加者が1,203人あったと聞いてすごい多くの方が参加されたのだなというふうに思いました。そうした中で、県の職員も、担当課の課長さんや職員も参加をしてくれた、このことがうれしかったと中平会長にもいっていただきました。
少し話は飛びますけれども、皆さん方も時々、三位一体の改革ということを新聞やテレビで御覧になると思います。これは補助金だとか地方交付税だとか国と地方との関係を大きく変えていこうというもので、地方分権の流れの中ではやむを得ないものです。
しかし、これが実現していきますと、地方の、県の、また市町村の財政は、さらに厳しくなっていくということも予想されます。またそういう中での地域のサービス、地域の元気さを失わさせてはいけません。その元気さを保っていくのもいろんな地域の支え合いの仕組みづくり、またその核になっていただくのが、老人クラブの皆さん方ではないかと思います。
ただ、それも、県の、市町村の財政が厳しいから皆さんよろしくね、といってよく使われる丸投げの状態では、皆さん方の動きも良くならない、やっぱりもっと、市町村もですけれども、県の職員も現場に出て一緒に仕事をしていくような形にならなきゃいけないのじゃないかと思います。
研修会にそうやって出て行って、一緒に考えることも第一歩ですけれども、また来年度50人の職員、再来年度は100人の職員を地域の現場に出して、皆さん方の活動を支えるとか組織化を進めていくいろんなお手伝いができればと思っています。
このように、地域の皆さん方がいろんな活動をされ、それと県や市町村の行政が皆さん方を上から見る、また横からちょっと離れて見るのではなくて一緒にガップリと組み合って仕事をしていけば、どんなに財政が厳しくなっても地域の元気さ、パワーというものは失わずに、本当に魅力のある高齢化の先進県としての高知県をつくっていけるのではないかと思っています。
まさに、お世辞ではなく、その中核になっていただくのが、単位の老人クラブ、老人クラブ連合会の皆様方でございますので、そういう思いを少しでも多くの方をこの活動に誘い込んでいくということを、お考えをいただけたらというふうに思います。
最後になりますけれども、高知県老人クラブ連合会並びに各単位の老人クラブの皆様方の益々のご発展と、また皆様方が元気で地域で活動をしていただくことを心からお祈りいたしまして私のお祝いのご挨拶といたします。本日はおめでとうございます。ありがとうございました。