知事の定例記者会見

公開日 2007年12月08日

更新日 2014年03月16日

知事の定例記者会見

平成19年3月29日14時00分(県庁二階 第二応接室)

(項目)
 ・ボンバルディア機事故(1)
 ・教育税
 ・高レベル放射性廃棄物最終処分施設(1)
 ・高レベル放射性廃棄物最終処分施設(2)
 ・県立美術館長の交代
 ・部局連携官のミッション
 ・ボンバルディア機事故(2)
 ・東京都知事選挙
 ・高レベル放射性廃棄物最終処分施設(3)
 ・県議会議員選挙



ボンバルディア機事故(1)
(杉本:テレビ高知記者)
 幹事社のテレビ高知のほうから、3点質問をさせていただきます。

 まず、ボンバルディア機の事故についてなんですけれども。知事をはじめ県議会などでも安全性が担保されるまでの間、ボンバルディア機に替わる機種を大阪−高知便で導入するように求めているにもかかわらず、全日空側はまだ機種変更について考えていないというような方針を示していますが。

 運航機種の設定については航空会社が決めるというのが前提だと思うんですけれども、県のほうから機種変更を含めた安全性確保について今後どのようなことを求めていかれるお考えかというのをお聞かせください。

 また、高知・大阪間の安全な空路確保に向けて、ほかに考える対応があればお聞かせください。

(知事)
 ボンバルディア機の事故に関しては、国にも、また航空会社にも、まず事故原因の究明ということ、そして安全対策を徹底するようにということを要請しております。

 こうした県からの要請も受けて、航空会社では全機の特別点検をされるということでございます。まずは、そういう特別点検ということの経過を見て、ボンバルディア社のほうにも十分対応してもらいながら、安全対策を徹底してもらいたいということが第一でございます。

 伊丹−高知便のことでございますが、県の要望としては代替の機材を、ということをもちろん申し上げておりますけれども、なかなかジェットに乗り換えてということが、機材繰りからも、また大阪空港のジェット枠ということからも、事実上は難しいということは県としても受け止めなければいけないと思っています。

 そういう中で、特別点検で機材が少し減るというようなことを補うために、4月から6月は関西空港を使ってジェット機を飛ばすということを航空会社も対応されるということでございます。

 そのことからも考えてみれば、やはり県民の皆さんの中にボンバルディアに対する不安は根強く今あると思いますので、そのこととジェット枠だとか、ボンバルディアの機材の数というような現実的なことを考えましたときに、ある程度県民の選択肢を確保するという意味で、もう少しジェット機枠、他の機種の枠を確保するというようなことができないかということは、航空会社にも話をしていきたいと思っております。

 なかなかすべてを、ということにはいかないというのが現実だと思うんですね。

教育税
(杉本:テレビ高知記者)
 続きまして、2つ目の質問に移らせていただきます。
 教育税についてです。3月議会で知事が提言して、県民参加で議論を広げると表明された教育税についてなんですけれども、今後どのような形で、県民参加の議論を広げていきたいと考えていらっしゃるか、方針があればお聞かせください。

(知事)
 これは、来年度、各部局長さんへのミッションということの中でも教育長にお話をしましたけれども、教育税のことだけではなくて、これから小中学校の統廃合を含めた広域化のこと、それから市町村教育委員会の広域化というような地域に密接にかかわりのある教育関係の議題がございますので、この教育税のことも含めて各地域というのはいくつになっていくか分かりませんけれども、まず一般の方もご参加いただくような形の懇談会というもの。

 それから、ある程度教育関係の知見を持たれた方々に集まっていただいての会合。そういう2種類の会を各地域で進めていきたいと。できるだけ私も、一般の方々も入られるような会に出ていって、自分なりの思いもお伝えし、いろんなご意見を聞きたいということを思っています。

 教育税のことは、もともとは、例えば中学校での30人学級というようなことを考えていったときに、なかなか今の財政状況の中で、また教員の人繰りの中で、すぐに実現をしていくことはできないと。しかし、学校関係者だけではなくて、保護者、ご家庭からもそういう声が非常に強いというようなことを考えたときに、やはりそれを補っていくために、みんなで税という形で出し合って、それを実現していくということが1つの選択肢としてあるんではないかということを考えました。

 が、そういう30人学級とか、学力差を埋めるというようなことだと、逆に理解が得にくいかなというようなことも思いますので。

 ただ、その一方でこの厳しい財政環境の中で、人材を育成していくということは県としても非常に重要な課題ですし、地域の方々もある程度ご理解をいただける税金の使い方だと思いますので。どういうことができるかということは議論をしていく価値が非常に高いというふうに思います。

 それが、どういう使い方があり得るのかということは、30人学級や何かの形でなければということを別の形でご説明することができないんですけれども。広くもう少し全県的な課題にかかわるようなことで、教育、人づくりということに関係をした財源の使い方というのは必ずあるのではないかということも思いますので。そういうようなことを踏まえて、議論をしていければなというふうに思っております。

 まだ何もスタートしておりませんので、あまり具体的なことはありませんけれども、例の秋田県で今議論をされております少子化対策というか、子育てと教育とを絡めた税の議論などもございます。こういうようなものも1つの参考事例として、今後地域での冒頭申し上げましたような意見交換というか、懇談をしていきたいなというふうに思います。

高レベル放射性廃棄物最終処分施設(1)
(杉本:テレビ高知記者)
 次に、3つ目の東洋町の問題についてお伺いいたします。きのう、認可が下りたばかりですけれども、それについて、あらためて知事の受け止め、お考えをお聞かせいただきたいということと。

 あと、4月6日に予定をされております知事と町長の懇談についてなんですけれども、白紙撤回を即座に求めるということではなくて、応募に至った経緯や、また今後誘致まで本当に考えているのかなど、町長の真意を聞く方針ということでした。

 認可をされまして、それ以外にあらためて町長と話し合いたいことができたのかどうか。あるいは、再議権を行使されまして、放射性廃棄物拒否条例のほうも廃案になりましたけれども、これについて、知事のほうもどういうふうに考えていらっしゃるのか。また、懇談でそのことについて話し合うお考えがあるのかどうか、お聞かせください。

(知事)
 国の対応については、これまでも申し上げているとおりですけれども。地域の理解とか合意というものが全くない状況の中で、町長さん1人が手を挙げれば事がどんどん進んでいくということは、明らかにおかしいと思いますし、こうした国のやり方には私は今も憤りを感じております。

 町長さんとどういう話をするかということに関してですけれども。確かにいきなり「とにかく白紙撤回をしなさい」うんぬんということにはなりません。

 というのは、やはり町長さんの真意が何かとか、今の現状で町長さん自身がどういうことを考えておられるのかということを聞いていかないと、それに対して県としてどういう対応があり得るかとか、私から町長さんに対してどんな県からの提言というか、投げ掛けができるかということも分かりませんので。まずはそういうお話をしてみてからという趣旨で、いきなり白紙撤回うんぬんは、ということは申し上げました。

 しかし、気持ちとしては白紙撤回をしていただきたいと。今からでも、取り下げていただきたいという強い気持ちを持っておりますし、そうすることが東洋町としても、県としても、私はベストの選択であろうと思いますので。

 いきなりそのこのことだけを取り上げて議論するということはいたしませんけれども、懇談の中では、そうした私の思いというのはお伝えしていきたいというふうに思っています。

 それから、放射性廃棄物拒否条例は町議会でご議論をされ、町議会の勢力の形によってこういう結論になっておりますので、私が県としてそれについてコメントをするものでは全くありません。また、そのことが今の段階での県なり、私なりの何らかの判断に影響するというものでもありません。

(杉本:テレビ高知記者)
 幹事社からの質問は以上です。
 各社さん質問があれば、お願いします。

高レベル放射性廃棄物最終処分施設(2)
(田村:NHK記者)
 東洋町の問題なんですけれど。ひとまずきのう、あらためて調査に入らないようにという申し入れを(国と原環機構に)文書で伝えたと思うんですけれど。今後、知事自身が何らかのアクションをさらに起こそうという考えがあるのかという点とですね、あと、仮の話で申し訳ないんですけど、文献調査の段階で、例えば県に何かの資料を見せてくださいとかいう要望があったときに、どういった対応をされるか、現時点でのお考えを教えてください。

(知事)
 今の段階で、きのう行いました再度の要請以上のことを、自分自身が何かアクションとして起こそうとは思っておりません。というのは、あまりそういうことをしても、実態的な効果があるだろうかということに疑問を感じるからです。これまでも、県の意志は十分お伝えしてありますし、また県議会なり、周辺の市町村議会なり、さまざまな形で意志が表明されておりますので、十分とは言いませんけれども、それ以上のことはできないのではないかということを思います。

 それから、文献調査は、その具体的な内容というものがどういうものか、私も全く存じておりません。これまでは、そもそも文献調査以前に、こういう形で手を挙げればそれが公募であって、それで事は足りて、あと進んでいくという手続きそのものがおかしいということを申し上げておりますし、それは県議会も同じ思いで決議をされておりますので、その1点でこのことの問題点ということを指摘してまいりました。

 文献調査に入ることを前提に、その内容がどうかということを調べてもおりませんし、実際にどんな調査が行われて、例えば県に対して要請が来るのかどうかということも、全く想定をしておりません。

 ですから、今の段階で何かが来たときに、それに対してこういうようなアクションをする予定だと申し述べるだけの材料が、全くございません。

(浜田:高知新聞記者)
 6日の町長との懇談は、公開と考えてよろしいでしょうか?

(知事)
 関係の職員を入れるかどうかは別ですけれども、それは自分たち2人だけで話をさせていただきたいと思います。建前だけの議論をするために東洋町に行って町長さんとお話ししても、あまり意味がないと思うんですね。

 やっぱり今必要なことは、県民の皆さんにそこでどういうことが議論されているかという、その議論の過程を全部お見せすることが必要なのではなくて、どうしてこういうことになって、どうしていけばいいかということをある程度、本音のレベルで意見交換をするということが、今、県民の皆さんから私に求められていることではないかということを思います。そういう今申し上げたようなことが、やりやすい環境をつくらざるを得ないのではないかなということを思います。

(浜田:高知新聞記者)
 懇談する以上は、一定の結果というのを県民も知りたいと思うんですけれども。その後の取材対応はされますか。

(知事)
 それは、もちろんいたします。べつに町長さんと「こういう話があったということを、それぞれ話しましょうね」ということまでしようとは思いませんので。町長さんは町長さんの受け止めとして、またマスコミの方にお話をされればいいと思いますし。私は私で、聞いていただいたことには、お話をさせていただきます。

(浜田:高知新聞記者)
 それは2人セットでということじゃなくて、別々で。

(知事)
 いや、セットでもべつに構わないんですけれども、要は話しやすい環境のほうがいいのではないかということを思うんですよね。町長さんが「セットで、ぜひやりたい」というふうにおっしゃれば、それはそうでも、もちろん構いません。どちらでもいいんです。

(田村:NHK記者)
 田嶋町長のほうも非公開というのは望んでいらっしゃる、そういうところは聞かれていますか。

(知事)
 それは分かりません。全然聞いておりません。

 ただ、田嶋さんがどうしても公開だとおっしゃって、非公開を貫くのがおかしいということになれば、公開ということになるでしょうが。公開で話がとても深まるとは、私は常識的に思いませんので。そうであればただ単に「知事が行って町長さんと話をしたね」ということだけに終わるだろうというふうに想定はされます。

(田中:高知放送記者)
 東洋町のことなんですけれども。反対派住民が大多数を占めている中で、国は、今回、文献調査の認可に踏み切りました。反対派の方が危惧(きぐ)するところに「概要調査の段階で知事の意見を尊重する」とあるんだけれども、「意志に従う」とは述べていないと。

 国会の中でも、大臣の答弁の中にも、法律にもないと。知事は今議会の中でも、「交付金だけで終われるほど、世の中の仕組みが甘くはないのではないか」というふうにおっしゃっていますが、この概要調査の際に知事が反対をされたときに、それで国が止まることができるとお考えになっているかどうかということ。もし国が止めない場合は、知事はどういうふうにして止めるようにしていこうとお考えになっているか。そこらへんをお聞かせください。

(知事)
 それは後段のご質問は、ちょっとあまりにも想定が重なりすぎますので、今の段階で明確に申し上げることはできません。けれども、概要調査に入るときの県知事の意見、意志というものは単に尊重ということではなくて、国会答弁の明確な文言をちょっと覚えておりませんけれども、あの文言を読む限りは、「県知事が反対であれば、そこから先には進めない」というふうに理解をすべきだというふうに、私は思います。

 ですから、そこまでにはいろんな関門というか、事がございますので、今の段階で想定に想定を重ねて申し上げることはできませんけれども、少なくとも、これまでの大臣答弁というのは、今申し上げたような考え方と受け止めるということを前提に、知事としての対応をしていくということになるだろうと思います。

(斉藤:高知さんさんテレビ記者)
 民意の反映についてなんですけれども。橋本知事さんのほうでは、文献調査が始まる前の段階での民意というものをきちっと得るべきだと、賛成を得るべきだというようなお考えでいらっしゃいますが、東洋町長さんのほうでは、文献調査が終わった後に民意を反映させるような条例の制定の手続きを先に進めたいというようなことを、臨時議会の中と、それからきのうも文書でコメントを発表していますが。その民意の反映のさせ方について、知事はどのように受け止めていらっしゃいますか?

(知事)
 それは別段、何の違いがあるわけではございません。要は、田嶋さんと私の違いということではなくて、私が申し上げているのは、国の制度、仕組みがおかしいということを申し上げているのです。

 ですから民意というものはどこかで取らなきゃいけないということは当然だろうと思いますが、その制度設計として、文献調査に手を挙げる段階で、全く民意というものを無視した形で進められるという仕組みがおかしいということを申し上げております。

 で、町長として、どの時点で民意を諮られるかというのは、これは町として判断をされることですので、私からどの時点がいいですねということを申し上げるようなことではありません。

県立美術館長の交代
(浜田:高知新聞記者)
 話題を変えて、県立美術館の館長の交代なんですけれども。現在の館長が3月末で交代されるということで、丸3年間での交代ということになると思います。
 県立美術館は現在、文化財団に20年度までの3年間を非公募の直指定しています。

 それは、文化を競争原理にさらすのはいかがなものかという知事の強い思いもあったかと思うんですが。途中の段階で、民間と同じ土俵で勝負できるような体力をつける途上の段階での館長の交代については、何かお考えはお持ちでしょうか。

(知事)
 それはとても残念なことだと思います。美術館の運営というのは、例えば企画展なんかでも2年以上先のものを準備しながら進めていくということになりますので。館長さんの進退というようなことも、本当はそれぐらいのスパンというか長さを念頭に置きながら、館長さんの退く時期の思いというようなものを伝えていっていただかないと、なかなか持続的な運営というものが難しくなります。

 しかも、今お話がありましたように、指定管理者の直指定の段階での1年目ということで、これからの2年3年が大変重要になってくる時期でございますので、そういう意味での継続性という点では、今申し上げたように館長の交代というのは私にとりましても唐突でございましたので、非常に残念に思います。

 ただ、お聞きをしますと、極めて一身上のご家族のご都合があったということですので、その点はやむを得ないかなということも思い、また、後任については、ここで新たな方をまた外から探すということは、逆に今申し上げたような指定管理者などの動きの中で、美術館の運営の流れを途切れさせてしまうということになりますので、現在、美術館およびホールの運営で活躍をされている方を館長にお願いしていくことで、内部的にその流れを断ち切らない形をとろうということにいたしました。

 ですから、影響ということでは悪い影響が出ない。むしろいい形での新しいスタートが切れるのではないかということを思いますけれども、館長さんの辞任ということで言えば、私にとっても先ほど申し上げましたように唐突でしたし、とても残念なことだというふうに思います。

(浜田:高知新聞記者)
 すみません。県と財団の間で何か、齟齬(そご)のようなものがあったということでは、全くないんでしょうか。

(知事)
 そういうのは全くないと思います。

(記者)
 もう一身上の都合ということで。きのう財団の理事会があったと思うんですが、新館長への今後の期待ということで言えば、そういうことも含めて藤田新館長にはお伝えしたということになるのですか。

(知事)
 藤田さんとは、まだ立ち話をしたぐらいで、じっくりとお話をしておりませんけれども。そのことはまた、ある時期には、私も直接会ってお話をしたいと思います。そういう考え方、思いというのは、島田(京子・文化環境)部長、山中(哲雄・文化財団)専務理事のほうからは、藤田さんのほうへお伝えをしてございます。

部局連携官のミッション
(竹内:高知新聞記者)
 19年度から新設される部局連携官なんですが、どういうミッションを与えられますか。具体的に、これに真っ先に取り掛かってほしいとかいうことがあれば、それをお聞かせいただきたいことと。

 それから、知事部局の中だけの横串を想定されておるのか。あるいは、教育委員会、知事部局以外のところへも飛び出していって仕事をしてもらいたいという、部局連携官のフィールドの枠組みをちょっとお聞かせいただきたい。

(知事)
 フィールドの枠組みはべつに知事部局だけではなくて、教育委員会でも、警察本部があるかどうか分かりませんけども公安委員会でも、そういう知事部局以外のところも含めて、当然横串としての機能をやっていただきたいということを思います。

 個別の課題ということで、これだけはやってねという言い方を今はしておりません。これは、山本(俊二郎)さんが部局連携官としてその立場に就かれたところで、1つはご自身である程度の優先順位をつけて横串の機能を果たしていくということをしていただくのが、上意下達で何か指示するということよりも、はるかにパッション的な思いをもって動いていただけると思いますので、そういうふうにしていきたいというふうに思います。

 ただ、19年度の大きな課題として挙げております雇用のようなもの以外にも、例えば農業振興部と教育委員会と健康福祉部でやっております、野菜と健康と食育などに絡むようなプロジェクトですとか。それからグリーンツーリズムとリタイアメントタウンと観光等が絡むようなものとか。

 そういういくつかこれからの時代に合うプロジェクトとして進めていくもので、なかなか部局連携ということではまだまだ十分じゃないというものはありますので、そういうことに目配りをしてくださいということは申し上げましたけれども、どれに優先順位をつけて「これだけは」という形では、言っておりません。

 ただ、今後の部局連携官の活動ということを考えますと、1つはスタッフを持っている職になっておりません。それから、権限ということで明確に取り仕切れる権限になっておりません。

 ですから、これは知事、副知事に直結の部局連携官として、虎の威を借るわけではないですけれども、まさに「これはこうやっていこう」ということをどんどん知事、副知事に上げていただいて、そこで山本さんの権限として、まとめて動いてもらうようにしていきたいと思いますし、そのことを全庁的な場でアナウンスをしていきたいということを思っております。

(竹内:高知新聞記者)
 庁内でのナンバースリー的な位置付けなんですか。

(知事)
 みんな持てる力を集めて取り組んでいくべきときだと思いますので、スタッフ機能と言ってしまうと先ほどの権限の問題が出ますけれども、ナンバーということよりも、これまでになかった新しい形の連携という部分をきちんと責任を持って担っていただくということになろうと思います。
 

ボンバルディア機事故(2)
(田村:NHK記者)
 ボンバルディアの先ほどの知事のお話の中で、「なかなかすべてとはいかないだろうけども、県民の選択肢を確保できるようお願いする」ということですが、これは具体的には?

(知事)
 A320ですか、そういうジェット機を機材繰りができるのであれば、例えば大阪空港との間に何便かを飛ばせてもらう。それによって、どうしてもボンバルディアが心配だという方が時間の都合さえ合えば、午前、午後そういうものを活用できるというような、選択肢を当面つくってもらえないかということは話をしていこうという趣旨ですね。

(田村:NHK記者)
 要は、今、1日12便あるうちの2便とかをそういうジェットにするという形での選択肢ですか。

(知事)
 そういう意味を申し上げました。今、関空を活用して、全日空さんとしてそういう形を組んでいらっしゃるわけですけれども。今後、伊丹のジェット枠のこともありますけれども。

 ボンバルディアが問題が解決して、みんなが安心してということであれば、今のような形でシャトルで飛んでいくというのは非常に便利でいいと思いますし、乗り心地そのものは決して悪い飛行機だとは思いませんので、そういう意味ではいいですけれども。

 事故とかはもちろんですけれども、定時性のことに大変不安がありますので、今の状況であれば、やっぱりもう少し選択肢として拡大されないといけないんじゃないかということは航空会社にもお話をしていきたいと思います。

東京都知事選挙
(竹内:高知新聞記者)
 高知と全然違う話なんですが。東京都知事選が告示されまして、浅野史郎氏が出馬されております。知事ご自身の選挙のときも浅野さんが2回ですかね、応援に・・・

(知事)
 3回ぐらい来てくれているかもしれないですね。

(竹内:高知新聞記者)
 ・・・応援しに来られたことがあります。浅野さんの応援に行く予定があるのかないのか。あるいは、浅野さん側から応援の要請があったのか、ないのかも含めて、ちょっとお聞かせいただきたいんですが。

(知事)
 2つ目のご質問の応援の要請は、これから数時間後にあるのではないかと想定されます。3時半か4時ぐらいに電話がかかってくるということになっておりますので。

 多分、その際に、そういう要請を受けるのではないかというふうに思います。そのときどうするかというのは、日程の都合もございますし、自分なりのいろんな思いというものもございますので、ちょっとどうしようかと思っているんですが。

(竹内:高知新聞記者)
 日程さえ合えば、二つ返事ですぐに行かれるんじゃないかと想像をしていたんですけれども。思いというのは、浅野さんのお訴えとご自身のお考えが若干ずれているから悩むということなんでしょうかね。

(知事)
 いや。そういう意味でもないんです。あとで個別にそれぞれ聞いていただければ、その思いは申し上げますけれども。

高レベル放射性廃棄物最終処分施設(3)
(松本:共同通信記者)
 東洋町のことについてですけれども。町長1人が手を挙げれば事が進んでいくことがおかしいということで批判されてきたと思うんですけれども。仮に今後、文献調査を進めていく過程で町民の合意を得た場合に、知事は概要調査が進むというときには必ずしも反対はしないということになるんですか。

(知事)
 それは今の段階で、想定で何とも言えませんけれども、「必ずしも」という言葉を上に付けるのであれば、「住民の過半数の賛成があれば、必ずしも反対しない」というよりも「住民の過半数の賛成があっても、必ずしも賛成はしない」という気持ちのほうが強いというふうに思います。

(浜田:高知新聞記者)
 それは県民全体で考えようということですか? 東洋町だけの問題ではないという。

(知事)
 まあそれもありますし、自分もここまで議会でのいろんなご質問も受け、「ああ、そういう考え方もあるなあ」ということを思い、いろいろな方と意見交換をする中で、そもそも論のところでも、日本という国として最終的な処分場を造ってやっていくという方向に踏み出していいのかどうかということにも疑問を感じるんですよね。

 1万年、2万年後のことまで、人類の将来にまで、これは東洋町民がとか、高知県民がということじゃなくて、人類として責任を持っていないんじゃないかなと。
 それだけの危険を将来の人類に残していくというような科学技術というものがいいのかどうかということは、もう一度、振り返って考えてみないといけないと思うんです。

 今、30%行われている原子力発電とその廃炉だとか、そこから出てくる使用済みの燃料や何かをどうしていくかということは、それはそれで全世界的に考えなければいけない課題だとは思いますけれども。そこを踏み越えて、もう拡大再生産的にそういう核廃棄物をつくっていくという方向に、今、踏み出していいかどうかということは、私自身としても考えなければいけないなとあらためて思い始めました。

(岡林:高知新聞記者)
 あと、確認ですが、6日の東洋町長との懇談は、もう非公開でということで?

(知事)
 私はそういう思いでおります。ただ、後の(報道機関からの)ご質問は打ち切らずにいくらでも受けますし、田嶋さんとご一緒でもいいんですけれども、「こういう議論がありました」ということは、つまびらかに申し上げるつもりです。

 何か隠したいことがあるからとか、自分として何か隠し球の提案があるから聞いてもらいたくないという趣旨では全くありませんので。

県議会議員選挙
(浜田:高知新聞記者)
 あしたから県議選が告示されますけれども、この4年間、本当にいろいろあったと思うんです、現在の41人のメンバーでは。あしたからの県議選で有権者に望むこともそうですし、候補者に望むこともそうですが、知事としてのお考えがあれば、何かお聞かせいただきたいんですけれども。

(知事)
 これはもう、県議の立候補予定者の方と県民の方がそれぞれ思いを述べ、それを受け止めて決められることですので、私がどうのこうのということではございません。

 私はどういう形であれ、新しく議会のメンバーが選ばれれば、これまでのような議会との関係を繰り返すのではなくて、より本当の意味での是々非々になっていくと。

 是の部分はお互いが力を合わせて全力で前を向いて進んでいける。そういう議会と執行部の関係にしていきたいと思いますし、そのために私自身も含めていろんな努力をしていきたいというふうに思います。

(岡林知永:高知新聞記者)
 全国的には政党離れとかいうようなことも言われていますけれども。また、前回は過去最低の投票率だったりとか、そういったこともありますが、何かポイントに置いてとか、焦点として考えられていることとか、そんなこともないでしょうか。

(知事)
 正直、あまりございません。政党ということで言えば、小泉さんに代表される三位一体の改革だとか、私自身の責任を逃れるということじゃないですけれども、そのことによって高知県だけじゃなく地方が随分力をそがれたという面は否定できないと思いますね。

 そのことを自由民主党の党員の方も、また自由民主党党籍の議会への立候補予定者の方も、みんな感じておられるという、ある意味矛盾の中で行われる選挙です。これは、このところの国政選挙も同じなんですけれども。

 そこらへんのとらえ方を高知県民だけじゃないですけれども、広く地方に住んでいらっしゃる住民の方々がどう判断をされるのかなと。むしろ投票所に行かないと判断をされるのか、それとも、何か違った判断をされるのかということは、ちょっと傍観者的な表現ですけれども、ひとつ、自分としては気になるところだとは思います。

(杉本:テレビ高知記者)
 時間になりましたので。終わらせていただきたいと思います。ありがとうございました。

(知事)
 ありがとうございました。
 

(記者会見終了)
 


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