全国中小企業青年中央会 パネルディスカッション

公開日 2007年12月08日

更新日 2014年03月16日

全国中小企業青年中央会 パネルディスカッション −改革と自立、変わらんと 変わらんぜよ−

平成16年6月4日(金曜日)高知市文化プラザ「かるぽーと」


(パネラー)
 杉浦 雅人(全国中小企業青年中央会会長:静岡県選出)
 田中 邦広(全国中小企業青年中央会副会長:京都府選出)
 久保 英明(全国中小企業青年中央会副会長:高知県選出)
 橋本 大二郎(高知県知事)
(コーディネーター)
 長山 和幸(高知県青年中央会)




長山
 皆様、本日はご来場ありがとうございます。大変長らくお待たせをいたしました。これより、「改革と自立、変わらんと変わらんぜよ」と題しまして、パネルディスカッションを開催いたします。
   (省略)
 初めに、自己紹介を兼ねまして、全国青年中央会、そして各県青年中央会の現状をお話をいただきたいというふうに思います。
   (省略) 
 

杉浦
 先ほど、2期目を迎えた杉浦でございます。静岡県から出てきております。よろしくお願いします。全国青年中央会ということで、2年間、全国青年中央会の会長を仰せつかり、新しい2年間ということでがんばっていきたいというふうに考えております。よろしくお願いします。

 皆さん、ご存知のように、私たちの青年会、予算がほんとに削られてきております。全国青年中央会の場合で言いますと、平成13年度には、64億円を超える予算がありました。

 しかし、それが半減、半減されて、今年の平成16年度の予算は11億円くらいではなかったかなというふうに考えております。それこそ三位一体の改革であり、また政府が出している、やはり予算というのもがだんだんと削られ、中小企業が、また中小企業施策がだんだんと縮小されているというのが現状でございます。

 私たちの青年中央会も、今まで、今年ですね、2月の5日に行いました静岡県の交流会、そして名前も今度新潟で行われますが、新潟も代わりますが全国研修会という格好になりますが、その予算もほとんどないというような状況です。

 そのような状況をいかに打破するかというのが、これからの道ではないかなというふうに考えております。お金の問題だけではないかもしれませんけども、そのお金というのは一つの大きな要素になりますので、その要素が大変大きく削られているというのが現状でございます。

 そして、各県の青年中央会にあたっては、予算が0円という報告も、各県からそのような報告も2、3聞いております。それで私たちは何にもできないというふうに考えるか、そういうふうに考えず、自分たちで自立していくかというふうなことでこの機会を設けさせていただきました。

 今日、ここから、私たち青年中央会が大きく意識が変革するという機会にぜひしていきたいというふうに考えておりますので、よろしくお願いしたいと思います。以上です。
 

田中
 京都青年中央会から出向しております田中と申します。私、京都では、幹事という形で、会長職ではございません。京都ならびに近畿ブロックもこの度副会長という形で会長ではないということになっております。

 こういう今の現状を近畿ブロックならびに京都の現状を話ししてほしいということで、なぜ私が会長ではないかというと、私は全国に出向しているという関係上、全国のことをまず、全国の立場から物事を見ていこうと。

 それを近畿ブロック、京都に持ち帰って、議論をその中で進めていっていただこうという意図がございまして、会長職からは退いているという形です。

 近畿ブロックにおきましては、理事会という形で、年6回の開催をしていると。年6回開催する理由というのは、全国の理事会が年6回あるという関係上、同じく6回の開催にしようと。それで、近畿2府5県、7府県があるんですけども、理事が17名という組織になっております。

 各県から2名ずつ、そして全国に出向しているものが3名ということで、合計17名。ですから、総会を開く前に、理事会を開いた時点で総会案は議決しているはずでございます。というのは、会長がすべてその理事に入っておりますので、そういう組織作りをしているということです。

 京都におきましては、詳しくは京都の会長が本来は言うべきものなんですけども、京都の事務局さんという方は、事務のお手伝いをしているというような状況で、先ほどから会長から出ております自立というところで、事務局さんがいなくても会が運営していける状況を作っていこうという形で、委員会等立ち上げて、すべて理事さん、役員さんの中で事業が賄っているという状況でございます。以上です。
 

久保
 高知県の方ですけども、現状と言いましても、私も杉浦さんが会長になられました2年前から、全国中央会の方へ出ておりますけども、この2年間、高知県は特に変わった改革もなくですね、これまでやってきた事業の継続という形で、ただこなすだけでやってまいりました。

 それで、京都府、近畿のようにですね、組織化されたそういう形は四国ブロックの方では出来あがっておりません。また、高知県の方でも、京都のように自立に向けた活動でありますとか、そういったことは行われておらずですね、その事務局さんという、先ほどもお話ありましたけども、高知ですと、どうしても事務局に、と相談してですね、独自でわれわれが決めるのではなく、これまでやってきたことはどうだったかという感じで事務局に聞きながら進むというやり方をしてまいりました。

 ただ今回、全国総会をですね、高知が引き受けてとって来ようということもですね、ちょっと新たな取り組みで、やはりその多少影響受けておりまして、こういう変化をもたらすための努力はしておりますけども、まだこれからということで、現状はそれほど大きな動きはしていないのが、そういう状態です。
 

長山
 ありがとうございます。続きまして、本日のメインパネラーでもございます、橋本大二郎知事より、高知県の現状等含め、ご挨拶を含めて、どうかよろしくお願いを申し上げたいと存じます。
 

橋本
 皆様、こんにちは。ご紹介いただきました、高知県の知事の橋本です。先ほど、パネルディスカッションの前に、30分ほど打ち合わせを兼ねて、会長、副会長とこう話をしておりましたら、杉浦さんから「今日はパネルディスカッションとなってるけれども、あなたが、知事が、どんどん一方的にしゃべっていいぞ」と。「できるだけ時間を使ってしゃべるように」というお話がございました。

 ところがですね、実はおとといくらいからちょっと風邪を引いておりまして、昨日医者に行きましたら、なるべく喉を使わないようにと、こう言われているのでございます。ですから、喉がこれ以上腫れない範囲で、それでも一生懸命お話をさせていただきたいなと思います。

 僕には、高知県の現状というのは、多分高知県庁、行政のこれまでのいろんな改革と、その進み具合はどうかと、こういうご質問だろうと思いますので、その点をかいつまんでお話をしたいと思います。もし時間が余ってくるようであれば、また杉浦さんはじめ、皆さん方からもいろんなご質問を、この4人の中でもしていただけたらというふうに思います。

 僕は、知事になりまして、もう12年余りが経つんですけれども、知事になったときから意識改革の必要性ということをずっと県庁の職員の人、また県民の皆さんにも呼びかけてきました。

 県庁の職員に対しては、意識改革ということで言いたかったのは、よくお役所仕事と言われるような仕事ではなくて、私たちの仕事はサービス業だと、県民の皆さんへのサービス業なんだという思いを持って毎日の仕事に取り組んでいこうという趣旨でした。そのことは、ずいぶんこの10年余りで根付いてきているとは思います。

 けれども、いろいろ個別のケースで、まだまだこういうことがあるかなと思うことがいっぱいあります。たとえば、最近県民の方からいただいたメールを一例としてご紹介をしますと、県が所管しているある資格試験が毎年1回行われると。その今年の試験が、何日に行われるかというのが相変わらずホームページにも出てない。

 管轄の保健所に行くと、「まだ決まってない、まだ決まってない」と言って、5回ほど行ったけど、5回とも同じ答えでずっと終始したと。どうにかならないかという話で、早速担当の課に聞いて調べてみますと、従来6月かなんかにやってたものが、ちょっといろんな都合で8月にずれ込んだと。「日取りは決まってるのか」というと、「日取りは決まってます」と。じゃ、「なぜその日取りが決まったということを言わないんだ」と。こう言うと、「そのいろんな要綱やなんかがまだ決まってないので」こう言うわけです。

 であれば、何月何日にどこでやりますと、後の詳しいことは決まり次第またこのホームページなり、「さんSUN高知」という県の広報紙でお伝えをしますということを伝えていけばいいじゃないか、と言うと、「ああ、そういえばそうですね」とこういう話になるわけです。

 ことほど左様に、まだまだだなと思うことはいっぱいありますけれども、10年前に比べれば、そのサービス精神というか、県民の皆さんの方を向いて仕事をするという意識は、ずいぶん根付いてきたと思います。

 こうした心の面、サービス精神といった面だけではなくて、次には県庁の仕事の仕方とか、仕組みそのものも変えていかなくちゃいけないんじゃないか、ということを思ってそのことも言ってきました。横文字を使えば、ビジネスプロセスのリ・エンジニアリングという、BPR、そういう仕事の仕方の再構築をしていこうということになります。

 その最初のきっかけというか、いいチャンスはですね、県庁の中に、いろんな情報化の仕組みが、電子情報が入ってくるというときでした。当然、いろんな書類の決裁なども、紙だけではなくて、電子決裁のシステムということが入りますので、これを入れるときに、単に書類が電子情報に変わっただけではなくて、あわせていろんなプロセスも変えていったらどうかということを言いました。

 けれども、結果的には、一部決裁の手法が簡略化をされたりというような面はありましたけれども、どちらかというと、事務改善というレベルに留まっていて、ビジネスプロセスを再構築するというふうな大幅な仕事の見直しまでは至ってないということを思います。

 ただ、今、ここにきて、そうした仕事の仕組み、仕方そのものを大きくやっぱり変えなきゃいけないという時期にきているということを痛感をします。

 その背景の一つは、後でもお話が出るかもしれませんけれども、その三位一体の改革ということが言われ、またやらざるを得なくなってきたような、財政上の背景がありますが、そうした財政の厳しさということだけではなくて、むしろより良いサービスをしていくためにも、公共的なサービスはすべて官庁が、行政が担うという常識を捨ててですね、官と民がその役割分担を見直すというか、お互いのパートナーの関係をもう一度作り直して、地域のいろんなサービスを作り直していく、そういうことが求められてきていると思います。

 そのためにも、高知県庁としては、今県庁でやっている仕事を思い切り見直して、30%から50%くらいを向こう3年間の間に、アウトソーシングをしていこう、そういう一つの目標を立てて、今委員会も作って、取り組みを進めています。

 ただ、このアウトソーシングに関しては、県庁がもう面倒な仕事をやっていられなくなったから、民間にそれを付回しをするんじゃないかと、こういうようなご批判、ある意味では誤解の面もありますけども、そういう声もありますから、こういうことにもきちんとお答えをしていかなければいけません。

 それ以上に重要なことは、県の職員の数がまったく減らずに、アウトソースをしていけば、当然その分ダブルコストになりますので、こういう問題をどうしていくのかということをまた解決をしていかなければいけません。

 ただ、そういう問題はもちろん、真正面から向き合って解決策を作っていくとして、今申し上げたような形で、思い切り県庁の仕事というものを見直し、本当に行政がやらなければいけない仕事と、民間の方々と一緒にやっても、任せてもいい仕事を分けて、そしてそれをアウトソースしていくということが進んでいけば、県庁の職員もこれまでのように、予算を作って、予算を執行していくという形だけの仕事、またその予算作りのために、またその後の処理のために、膨大な書類を作ることに人件費や、労力、時間を使っていくというような仕事のやり方を改めて、もっと体、また知恵を使った仕事をしていく組織になるんじゃないか、そのほうがはるかに県民の皆さんの役に立つ仕事ができるんではないかということを思っています。

 今、予算ということを言いましたけれども、予算で、お金で仕事をする、その面は最後までもちろんなくなりませんけれども、それだけではなくて、もっと頭、知恵と体、行動力と心、ハートを使って仕事をしていくような、そういう県庁にぜひ変わっていきたいなということを思っています。

 その第一歩として、去年というか、昨年度、県内の7つのブロックに職員一人ずつ配置をいたしまして、地域の元気応援団というような名称をつけて仕事をしてもらいました。

 そして、この4月から、今年度はその職員を50人に増やして、各地域のブロックごとに、いろんな地域での取り組み、それはその企業、事業所の産業の面もありますし、地域づくりもありますし、福祉の面もいろんなことがありますけれども、そういう県民の皆さん方の活動を支援をして、一緒に仕事をしていくということを進めています。

 こういうようなことをすることによって、県庁の職員そのものの意識も切り替えていって、これまでのように予算だけではなくて、頭、体、心を使って仕事をしていくような県庁になっていけば、県庁だけではないですけれども、行政がそういうふうに変わっていけば、もっともっと皆さん方との距離を縮めて、また、一緒に仕事をしていくような、新しいパートナーの形が作っていけるんではないかなと、そんなことを今目指しております。
 

長山
 ありがとうございました。もっともっと聞きたいところもあるわけでございますけれども、また後ほどよろしくお願いを申し上げたいと思います。先ほど、3名の仲間より、現状認識ということで、お話があったわけでございますけれども、少しお時間も足らなかったと思いますので、次にこれからの問題点、課題をぜひ具体例を添えて話していただけたらというふうに思います。

 皆様が、会場の皆様が思っている以上に、47都道府県の各青年中央会の活動というものは大きく違っております。そういうところで、これから私たちがどうしたらいいかという参考になる具体策も含めてしていただけたらというふうに考えております。杉浦会長より、よろしくお願いします。
 

杉浦
 私、青年中央会の会長の前に商売人でございまして、商いをやっている中でですね、今知事のお話を聞いてですね、アウトソーシングと言われると、銭になるなとすぐ思っちゃう方なんですけども、その銭になるなという考え方のもとにですね、ちょっと話がずれちゃうかもしれませんが、家庭っていうものに関してが、今まで個々の家庭ですね、個々の家庭が行政にアウトソーシングし続けてきた時代っていうのが、今までずっときたかな。

 昔は自分の家の前くらいは掃除したんですね。それが大きなバキュームカーみたいなのがブワーって走ってきれいに掃除してくれると。そういうのは、また家庭が行政にアウトソーシングし続けてきたこと。昔は、肥溜め、田んぼに持っていって、こう糞尿、その野菜にかけてずっとやってたと。それが今、行政にお願いしていると。

 そういう不履行の時代がだんだんと変わってきたかなというふうな感じがしてですね、そこに一つのビジネスが生まれてくる可能性があるなっていうのを、ちょっと今ふと感じたんですけれども、ちょっとそれ間違いじゃないんかなとは思いますが、後からそういう点も、おもしろい話し聞かせていただけるんじゃないかなと思いながらですね、今度の問題点、私たちの青年中央会の問題点ということで、先ほど現状として予算がなくなってきたと。

 基本的には、その予算がなくなってきたことに関して、今までと同じことをやってると、その事業は一切前に進むことはありません。どのように進んでいったらいいかというために、自分たちが面白いことをやっていくしかないだろうと。その面白いことといったら、いったい何だろう。先ほど言いましたように、私たちは商いをしてる人間の集まりでございますので、その商いをどうやって実践していこうじゃないかと。

 この7万社くらいある青年中央会、7万社が1000円のものを買ってくれたら、7億円くらいの売り上げになるということで、そのくらいのことをやったっていいんじゃないかというような感じがしてます。その問題点というのも、一番の根源というのは、先ほど知事がおっしゃったような、三位一体の改革であり、また国民の意識であるんじゃないかな、というのは、誰かが何とかしてくれる世の中が一番の問題になってるんじゃないかなと思います。

 ペイオフの問題もそうですし、金融の問題もそうです。年金の問題も、それも然りだと思います。結局、国が何とかしてくれるという時代がだんだんと終わりつつある。その終わりつつあるのに関して、私たちが本当にそれを理解しているかと。じゃあ三位一体改革っていうのは、本当に私たちの頭の中に入っているのかと。年金の問題、今国会でほんとに大きな問題になってますが、本当に公的年金、また自分たちがこの前401kっていうものがあって、そういうのをほんとに理解しているかというとですね、なかなか理解できてる人はいないんじゃないかというような気がしてなりません。

 そういうような理解力というのが欠けているというところに関してが、私の一番の問題点ではないかなというふうに考えております。その一つ一つを解決していくためには、一つ自分たちの認識力を上げるしかないなというふうに考えておりますので、その辺が一番の問題で、また課題では、これからの課題、それをみんなで共有し、その問題点っていうのをみんなで共有し、それを立ち上げて行くことによって、青年中央会が大きく変化してくる可能性があるんじゃないかなというふうに考えてますんで、その辺をいい機会にしたいというふうに思っています。以上です。
 

長山
 ありがとうございます。続きまして、田中副会長、よろしくお願いします。
 

田中
 課題ということで、先ほど京都ならびに近畿ブロック、話をさせていただいたんですけども、課題はまだまだあると思います。私の視点から見ているだけの範囲ですけども、京都におきましても、やはりその事業をこなすために、役員会なりを開催しているというような面も多々あると思います。それは、やはりその事業に追われてしまうと。

 これは中央会、青年中央会どこでもそうなんですけど、事業をこなしてきたのが今までの歴史であったんじゃないかなというふうに私自身思っておるんですけども、知事の方から、パートナーシップということで、お話がありまして、その中で、ある意味サービス業をして、サービスをしていかないといけない。

 われわれも会員さんに対してサービスをしていかないといけないと、そういうふうに言うと、「何でわれわれがお金ももらってへんのに、サービスをしないといけないんや」という方もいらっしゃるんですけども、確かにそれもそのとおりだと思います。1円のお金ももらわずに、ボランティアで役員になって、貴重な時間と貴重なお金を使って役員になられてる方がほとんどだと思うんですよね。それなのに、なぜサービスをしないといけない。

 行政にしても何にしてもそうなんですけども、やはり世の中の仕組みっていうか、そういうものがありまして、仕事をこの世の中でさせていただいていると。仕事をさせていただいて、そこで出た利益を税金として収めさせていただく。それでたとえば道路がよくなったり、福祉が整備されていったりとか、住みやすい環境が出来ていくと。じゃあわれわれ中央会、中小企業なり、1商店の環境がどうすればよくなるか、ということを皆さんで考えていけば、自分が動いた分っていうのは自分にはね返ってくることであると。

 だから、そういうことを踏まえた事業計画というものを立てていった方が私はいいと思います。ただ、そこの部分が、少しまだずれているような気も若干私自身するんですけども、今のあまり国会の話をどうのこうのするのは好ましくないかもしれませんけども、年金問題にしても、実は私も1ヶ月抜けてたそうです。

 最近になって分った話ですけども、もう10数年前、何とか兄弟の一員ですけども、やはりそれもわれわれは声を出して、そういうものを収められるような環境を作っていきましょうということを、もっと進めていけばいいんですけども、それも行政に任せたまま、何もかも行政、これは行政がやることやと、われわれじっとしてたらそれでええんやというような風潮が多々あると思うんですよね。

 だから、それをわれわれのこの団体が、こういうふうにしたら中小企業良くなります。われわれの周りの環境が良くなります。これから先、子供に残してあげること、孫に残してあげること、こういうものがこの住みよい日本社会を作っていくというように発展していくと思います。すぐには結果出ないかもしれないですけども、そういうことを踏まえて事業を組み立てていくということが、私は大事かなというふうに思います。

 まだ少し時間ありますか?なぜこういうことを言うかと言うと、これまでね、今までの日本、われわれの親の年代ですけども、やはり私もそんな終戦当時は知らないですけども、終戦当時、ほんとに焼け野原で、食べるものがなかったらしいんですよね。

 食べるものがないから、みんなどうやって食べていこうかと。じゃあ、日本の国が良くなれば、みんなご飯食べていけるんじゃないかということで、サラリーマンの人は会社のために、個人事業されてる方は自分の仕事がよくなるためにということで、日本のことを考えながら一生懸命働いてこられたと思うんですよね。

 その年代が、われわれ子供の年代に移ったときに、親はどういうふうに考えたかというと、親は子供にはこんな苦労はさせたくないというのが痛切やったと思うんですよね。今も皆さんそうだと思うんですけども、そういうふうに親が思っている。だから子供は苦労していない。

 苦労しないから、じゃあ子供にはどうしていくかというのを今アンケートをとると、どういう結果が出るかというと、この前、京都で青年団会議というものをやってるんですけど、そこでアンケートをとったんですが、25%の人が、子供に自分の仕事を継がせたいと。それ以外の人は、どういう答えであったかというと、子供は子供が考えたらいいというような答えだったんですよね。

 これは、自分の仕事にほんとに皆さん誇りを持っているんかなというふうに私自身は捉えましたし、今後の日本がどうなるんかなと。自分のやってきたことを、子供に引き継ぐことが出来ないということは、非常に悲観的に感じないといけないことだろうなっていうふうに考えました。ですから、これから先、自分の仕事を子供に引き継いでいけるだけの、やはり誇りと、やはりそういう伝統みたいなものを守っていって、もっと広い意味で日本のことを考えていけば、必ず日本の将来というのは、明るい方向に向いていくと思いますし、自分の仕事、周りの環境が良くなっていくというふうに私自身は考えております。
 

長山
 はい、ありがとうございました。皆さん、パネラーの方が、本当は話したいことがいっぱいあるそうでございますけれども、時間の制約等がございます。そして、久保副会長からは、同じ高知県でございますが、あまり僕の時間は取らなくていいということを言われておりますので、久保副会長は後ほど一緒に問題解決のところで、お願いをしたいというふうに思っております。

 続きまして、知事の方にお伺いをしたいわけでございますけれども、先ほど、一番最初に、職員の意識改革というお話が出てまいりました。意識改革は必要だと言うのは簡単でございます。しかし、それを実践となると、大変なご苦労、難しさというところがあったように思うわけですけれども、何が難しかったのか、どういうことが、たとえば効果があったと今考えているのか、もし今自分としてはこうだということがあれば、お話をいただいて、そしてこれからの青年中央会にも大きく補助金団体でもございますし、かかわってきます。三位一体改革の考え方等、そして高知県がどういうふうになってくるのか、先ほどお話が少しありましたけれども、あわせてお話いただければというふうに思います。
 

橋本
 大変難しいご質問ですし、こういうことをしたからこんなにうまくいきましたということが言えるのであればですね、苦労はしないと言っちゃいけませんけども、そういう多分答えはなかなかないんだろうと思います。ある県内の人じゃないですけれども、公立病院の建て直しをしたお医者さんと、こう話をしておりましたときに、その意識改革のことが話題になりました。

 そのお医者さんに言われたのはですね、意識改革というのは意識のある人に呼びかけて初めて改革になると、県庁の職員というと、うちの県庁の職員の悪口のように聞こえますから、高知県庁という意味じゃないですけれども、一般的に役所の中には、もう意識を失ってる人がいっぱいいるんじゃないかと。意識を失ってる人に、いくら意識改革といっても改革はできないので、意識を失ってる人には、まず目を覚まさせることが必要だという話をしておられました。確かにそうだなとは思いましたけれども、そうもなかなか面と向かって自分の組織の中では言えませんので、やはり地道な努力をしてきました。

 そういう中で、ここ数年取り組んでいるものの一つは、経営品質の向上システムという、日本経営品質賞という企業から出来てきた仕組みを、行政のバージョンに移し変えたもの、そういうものを県庁の中の各課室でやっています。

 その心は何かって言いますと、意識改革というのは、上からいくら言ってもそれは進むものではやっぱりないです。自分たちが、いろんな運動、取り組みの中で、話し合いをして、そして何かに気づいてですね、あ、こうだったねと思ってやってみて、「ああそうか。こうすれば、こうなんだ」という成功体験というと大げさですけれども、何かを感じて、初めて次のステップに行けるのではないかということで、この経営品質のやり方を取り入れた行政経営の品質向上システムというものを取り入れてやっています。

 これも、なかなかまどろっこしくて進まないねというご批判もありますけれども、僕は、西洋医学的な外科手術で、意識改革をやるというやり方ももちろんあると思いますけれども、そうした場合には、そのときだけは、その病根というか、病巣が取り払われて、いったん戻ったように見えても、実際のその根っこになるものは、残ってしまいますので、結局また何年か経って同じ病気が出てくるんではないかと。

 そうではなくて、体質そのものを東洋医学的に、漢方薬を飲み続けて変えていくということが、この意識改革ということでは必要ではないかということを思って、その漢方薬の一つとして、経営品質の向上ということに取り組んでいます。だんだんと理解も深まってきましたし、そういうことがやがてどっかで臨界点を迎えたときにですね、大きな変化として現れるのではないかということを、期待をしています。
 

長山
 大変難しい質問、ありがとうございます。近道はないそうでございます。私たちも、早く気を失わずに目を覚まして、次のステップに移れたらということで、続いて、また各会長さんの方に振りたいと思いますけれども、やはり、現状認識、そして問題点、課題というふうにお話をしました。少しマクロ的な話になって、分りにくいところもあるかもしれませんが、ぜひこれからの解決策、これからどのような方向に、どのように進んでいくのか。そして、これからの自分が思う最初の形がこういう形が必要なんだということを、具体例を挙げてぜひお話をいただいたらというふうに思います。
 杉浦会長から、よろしくお願い申し上げます。
 

杉浦
 はい。この話になりますと、夢みたいな話かもしれませんし、ほんとにそんなこと出来るんかい、という話になってくるかもしれません。しかし、私たちがですね、先ほど申し上げましたように、商売人の会であるわけですから、その商売人の会をどのように活かしていくかということを、究極的に進めて行きたいというふうに考えております。

 国がどうのこうのしてくれないから、周りがどうのこうのしてくれないから、それ、私良く子供に話すんですが、「人のせいにしたら、自分のこと何も変わらなくて済むよね。人のせいにしないで、一回自分のせいにしてごらんなさい。そうすると次何やるか決まるから。」っていうような話をよくします。

 つまり、国がどうのこうのじゃなくて、私たちの会は、今このようになってるんだから、じゃあ自分たちの商売の会をどうやってやっていこう。そして、会員のメリットになる会になっていこうじゃないかという話をさせていただいております。

 今、静岡県で、一つお願いをしているものがあります。お中元フェアーといいます。静岡県、皆さんご存知のようにですね、沼津に干物が有名なところがございます。沼津の干物を集めましょう。そして、清水に桜海老という、日本で有数の小さな海老なんですけども、ほんとに美味な桜海老がございます。

 そして、浜名湖、浜松の方では、うなぎというものがございます。その3点セットにして、中元で売り出しましょうというようなお話をさせていただいて、会員企業は強制的に買いましょうと。5万円以上買ってくれたら、干物の頭がないやつをサービスしますよ、というような、そんな得点を与えながらですね、そんなことをやっていってですね、そういう物流を起こしていこうじゃないかというようなお話をさせていただいております。

 また、そういうものが広がっていけばですね、各県、いろんな特産物がありますので、それを東京のデパートって言うんですかね、百貨店ですかね、そこにですね、売り出して、中元フェアー、お歳暮フェアー、青年中央会お歳暮フェアーっていうものがあったっていいんじゃないかと、そんなことができればおもしろいなというふうに考えております。

 そこで、何%か青年中央会にインセンティブとして落としていただいてですね、自分たちの運営費は自分たちで賄うというようなことができればおもしろい形になっていくかなというふうに考えています。

 それが出来るためには、私たちがネットワークを組まなければこれがうまくいかないかなというふうに考えていますので、そういうことが出来れば、1個1個が、その小さなお歳暮フェアー、お中元フェアーというものがあるとは思いますが、1個1個がそういうものの起点になればいいなと。

 先ほど、コーディネーターの長山さんがおっしゃった、ちょっと控え室の方でおっしゃったんですが、成功事例を作りたい。誰かが成功する大きな成功を作りたい。私、印刷屋やってるんですけども、久保さんも印刷屋やってるんですが、久保さんに印刷の大成功を収めてほしいと、コーディネーターがおっしゃったんですが、それは俺がやるというふうに、頭の中では思っておりました。

 自分たちの成功事例というものを作り出してですね、その成功事例の中で、青年中央会が活用できる、またこれ活用することによって、組合が活性化すると。それを俺たちも、俺たちもということで、賑やかになっていけば、大変おもしろいものにつながっていくだろうなというふうに考えています。

 私たちは、JCの皆様は、ほんとにすばらしい会だなという、同じ青年会として、JCの皆様、すばらしい会だなと思います。社会のために、世のため、人のために動いている。そのためにJCはあるんだと。商工会の皆様は、地域の活性化のために、地域をいかに活性化するためにというふうに動いています。

 青年中央会は、何をする会かと言えば、自分たちの商売を全国的に広げるためのものである。小さな30キロ地域の商売っていうのは基本であるかもしれませんけども、自分たちが新しいもの求めて、せっかく全国という組織を持ってるんですから、その新しいものっていうものを自分の店で売ると。

 新しいものを、私のところではこういうものが手に入りますよ、というのがあっていいんじゃないかなと思います。神奈川の理事やられております竹下さんがですね、サージマスクなんてすごくいいもの持ってます。それ皆さん全国で買ってもらえれば、竹下さんは喜ぶかもしれませんけれど、青年中央会ももっと喜ぶかもしれないというような、そんな感じのものを作っていけばですね、たとえばの例なんですが、そういうもの、小さなことでかまいません。

 小さな一歩でかまわないです。その小さな一歩を積み重ねることによって、この会、ほんとにおもしろいものになってくるんじゃないかなというふうに感じています。以上です。ありがとうございます。
 

長山
 はい、ありがとうございました。ぜひ、杉浦会長には、私たちの刺激になるほど大きく儲けていただいて、また発表していただいて、私たちもそれを励みにがんばるんだというふうにも考えております。続きまして、田中副会長、よろしくお願いします。
 

田中
 今、杉浦会長の話ありましたように、今後、どうしたらいいかと、個々の事業者が活性化していくというのももちろんだと思うんですけども、やはり橋本知事がおっしゃったように、意識改革の中で、まず気がつくということをスタートしていかないといけない。

 常々私は言ってることですけど、全会員数が7万とか8万とかいう、数は定かではないというような状況なんですけども、スタートラインは一緒だと思うんですよね。おんなじスタートラインに立って、それじゃ、誰がゴールをしていくのか、ということを考えると、昔は、ヨーイドンでスタートして、遅れた人を待ってて一緒にゴールをしていこうという護送船団方式の考え方だったと思います。

 ただ、これから先っていうものは、スタートラインは一緒だと思うんですよね。ただ、気づいて、まず一歩を踏み出さないと、自分はいつまでたってもスタートライン取り残されたままであるということが根底にあると思います。

 その中で、じゃあ何をしていったらいいのかということなんですが、中央会というのは、異業種の集まりであり、大企業の集まりではないというところが一番の原点であるというふうに思っております。

 たとえば、小さなボタン一つ作るのも、大企業では、やはり上のハンコを順番にもらっていって、決裁をもらって、それから実施をするというような状況ですけども、小さなたとえば、商店、失礼ですけども、そういうところでしたら、「よっしゃ分った。それならそのボタン作ってあげよう」ということで、多分すぐ作れると思います。

 それが、ある種メリットではないかなというふうに考えるんですけども、違う意味で考えると、その情報がすべて網羅されて、ここにこういうものがある、ああいうものがあるというものが分れば、何にでもコラボレートいうか、融合することができると。

 じゃあ、どうしたらいいのかというところで、近畿ブロックの方で、この前聞いた話ですけども、和歌山県の方でタオルの会社の方が、失敗したタオルというかね、織り傷がついたりしているタオルを、今までゴミでほかしてたらしいんですよね。

 それを、ほかすのにゴミ代がいるというようなことから、ある会でそういう話をしたら、車屋さんの会が、たとえば自動車屋さんがオイルとか拭くのに、ウエスというものを買っていると。じゃあウエスを買っているというのは、それはどういうものである?ボロギレであると。ボロギレを買っているんやと。だから、それをわざわざお金を出して買っている。片やお金を出してほかしていると。

 それじゃ、ただでいただいたら、お金浮いてきますと。そういうことが一つのコラボレートとして生まれることによって、その部分が若干経費が少なくなった。それじゃ企業としてどうなのか、企業としてプラスマイナス、プラスになったというような発想も一つだと思います。

 だから、いろんな面で意識改革というか、これはこうであるという固定観念を捨てて、もう少しこういうふうにすればこんなことが出来るんじゃないかなという発想をどんどんどんどん出していくことによって、それに対して協力していただけるところは、「うちではこういうこと出来るよ」っていうところが、どんどんどんどん生まれてくると思いますね。

 だから、そういうものの集計というか、そういうものを集めてくるところが中央会であっていいと思いますしね、ある意味で、総合商社の全国青年中央会、ある意味では、総合デパート、総合百貨店の全国青年中央会であっていいと、私自身は考えております。
 

長山
 ありがとうございます。まだまだやれるところというか、まだまだ儲けはそこらへんに落ちているのに気がついてないと、それをちゃんと皆様情報とって、一歩動いたら、そういう利益が生まれてくるということだろうと思います。まだまだそこの辺りに気がついてない、気がついたものが得することがいっぱいあると思いますので、ぜひ皆様も知恵をどんどん使って、新しいこの仲間と共に儲け話を進めたらなというふうにも考えます。

 続いて、久保副会長に、先ほどとばして大変申し訳なかったですけれども、高知県の問題点、課題、そしてこれからどのように高知県青年中央会を取り組んでいくのか、どういう形にしたいのかということをぜひお願いしたいと思います。
 

久保
 はい。はい、と言いましても、特にそれほど深く問題点とか解決策をこれまではあまり考えたことございません。ただ、今回のタイトルにもありますように、この自立に向けてですね、やはり変わるべき、今までは変わったほうがいいという程度でしたけども、これからは、変わるべきですということで、どうしても変わらなくてはいけない。

 先ほどからの話のように、自覚させるためにはどうするかということに本気で取り組む時期だと思っています。この会が、もっと活発に活動できるようにするためにはという方向では、やはりおもしろい会ということは、やはり協力し合って結果の出せる集まりだということで、各人の意識改革ということなんですけども、やはり改革するにしても、何か取り組むにしてもですね、皆さんが顔を合わせて、やはりその話の出来る状態をいかに保つかということが重要になると思いますので、

これまでですと、単に組合の代表で私が出てきてるんだというだけではなくてですね、もっと意欲的に自分の商売につながる、自分の商売につながれば、またそれをモデルに自分の組合員全体で取り組むべきことも出てくるでしょうし、

先ほどのコラボレートの話もありましたように、他の組合と組んで、新しいものを作る、これもすべてやはり最初の動きがないとですね、そういうチャンスに出会わないと思いますので、とにかくこれまで以上に活動する、この会を利用する、そういった方向をまず考えて、まず私が高知の場合はですね、とにかくこれまで動きが非常に弱かった部分を、一人でも多くこういった会に参加して、いかにその顔見知りを作って進めていくチャンスを逃さないようにするかというふうにやっていきたいと思いますし、

お中元の話も先ほど杉浦会長から出ておりましたけども、高知県でもそういった似たような取り組みを今回、この総会をきっかけにですね、数社と言いますか、数組合集まりまして、お土産セット、お中元のような感じなんですけども、それを作るためのシュミレーションにこの総会を使いましょうということで、いかにお土産セットを組んでいくためにはどうすべきか、何から準備していったらいいか、そして売り方、デザイン、どういった流れでやっていくのかいうのを、今回勉強会をかねてやりまして、また資料の方でも、また皆さんの方にはその報告書が回っていくと思いますが、そういったことやっております。

 またそれも発展させて、先ほどの杉浦会長のそういう全国的な展開に向けては、高知はそれを利用して、さらにお歳暮セットに発展させていくとか、いうことで、どんどん全国との交流も活発になるような方向で進めていきたいと思います。以上です。
 

長山
 ありがとうございます。まず、お互いを知るところからしっかり始めようじゃないかと。そこから第一歩が始まるよというお話じゃなかったかというふうに思います。

 続きまして、また知事の方に振りたいと思うわけですけれども、この次第の方では、これから知事はどのような基本的な考え方を持って県政を運営する、大きな組織を運営するということをお聞きしたいというふうに考えておりますけれども、先ほど、3名からいろんなお話があって、少し気がついたところもありましたら、ご一緒にお願いをしたいなというふうにも思いますので、どうかよろしくお願いを申し上げます。
 

橋本
 あんまり硬い話ばっかしてても、なので、何をしていったらいいかということで、これもこれといった解決策があるというわけじゃないですが、行政を担う立場で、こんな方向性でものを考え直してみたらどうかなと思うことをいくつかお話をしてみたいと思います。

 一つはですね、これまでの行政の仕事を見てみますと、ものを作る側を応援をするということ、相当、作る、売る側を応援をするという見方で仕事をしてきたと思いますが、もっとやはり買う側の、消費者の立場に立って、何かをしていくという発想に変わらなきゃいけないんじゃないかということを強く感じます。

 特に、本県の基幹産業である農業などで、そういうことを感じるんですけれども、農業の場合には、ご承知のように、言葉も農産物と言います。まさに生産者の立場に立った物の見方だと思います。

あるとき、知事になってまだ間もない頃でしたけれども、その農産物のそれこそ仲買をしている人と話をしたら、やはり農産物という物の見方で、こう仕事をしていたのでは、少しも新しい改革にはつながらないと。農業商品という見方で、消費者の立場に立った物づくりなり、物の売り方っていうものを考えない限り、農業は変わらないんじゃないかということを言われたことがあります。

 たとえばですね、本県、ナスだとかピーマンだとかいうお野菜が基幹の品目ですけれども、同じいいものを作ったとしても、これを5つ袋詰めにするか、10個袋詰めにするかで、消費者の反応は当然違うだろうと思うんです。

 というのは、その時、その時のたとえば冷蔵庫の一般的に売られている大きさだとか、そこに持っている機能だとかいうものも変化をしてきますし、また共働きの方が増えてくれば、何日分の食料をスーパーに行ったときに買われる、そういう主婦の方が多いかというようなことも変わってくるだろうと思います。

 それによって、たとえばピーマンならば、5個が一袋か10個が一袋か、こういうことをマーケティングをして、それをその生産者の側に伝えて販売をしていくということが必要ではないかということを、ずっとよく言われ、私も団体の皆さん方にはそういうことを言ってきました。

 また、その農業商品という捉え方で言えば、やはりスーパーに並んだとき、そして消費者の方が手に取ったときに、一番いい状況になっていることが望ましいのであって、その農家の庭先から出すときに、こんないいもの作ったのにと言ってもですね、そこから運ばれていって、何十時間後に消費者の手に渡るときに状況が変わっていたのでは、何にもならない。

 そういう意識をはたして生産者なり、販売の側が持っているかというと、なかなかそういうこともないということもあると思います。さらに、これからの消費者の思いということを考えると、一つ一つの野菜にしてもですね、これ誰がどんなところで作ったんだろう?またどういうふうにして作ったんだろう?生産者の顔だとか、生産の履歴、トラサビリティーとこう英語で言ってますけれども、そういうものを知りたいというニーズはどんどんどんどん増えてくるだろうと思います。

 これに対して、その生産者の名前を一つ一つのパッケージに印刷をしていく。また一つ一つのパッケージに違った生産者の顔をシールで貼っていくってことも、技術的に十分可能になりましたし、一方、消費者が手に取った袋詰めのもので、バーコードなり何なりを使ってですね、それをネットにつなげば、どういう人が作ったかというホームページにアクセスをしていくということも可能になってきました。

 こういうことに、もっともっと力を注いでいく、そういうことの支援、仕組みづくりに行政がかかわっていくということが、これまでのように、別にそのハウスを建てることを援助することやめるという趣旨ではないですけれども、そういう物づくり、生産者の側だけに立つのではない物の見方の変化、それが今求められてるんではないかなということを一つ思います。

 それから、行政という立場はですね、これまでは皆さん方もいろんな企業なり事業所なりをこう経営をされているという立場ですけれども、そういう皆さん方の中には、言っては失礼ですけど、やる気のある人、ない人、またいろんな知恵を出して工夫をしてる人、してない人、さまざまな方がおられると思いますけれども、行政というのは、そういう皆さん方をすべて公平に扱っていくということが大原則でした。

 しかし、これからは、やはりやる気のある人、知恵を出している人、またそういう団体なり組織なりを思い切り応援をしていって、そして、そういうところがリーダーシップをとって伸びていく。さっきから、伸びるという発言がありましたけど、やっぱり伸びる企業を応援して、伸びてもらって、その裾野でみんながまた潤っていくという形を考えていくべきではないかなと。

 みんなを公平にして、いつまでもみんなが下に這いつくばっていてもやっぱりしょうがないんじゃないか。そこから伸びるべきものを伸ばしていくっていうことが必要ではないかなということを感じています。

 非常に単純なことですけど、たとえば、僕が知事として、何かお役に立てることがあれば、そういう中小の企業の方々の作った新しい製品を、大企業なり大量の販売店なりにつないでいくためのその世話役を私にやらせてもらうとか、私の顔で何らかのPRなり宣伝をしてくということをぜひやっていきたいと言って、今県の方でもそういう募集をしています。

 また、たとえば、県が率先していろんなその新商品を買うことによって、県庁なりがモデルルームになっていくということも出来るだろうと思います。たとえば、これは室内の内装、インテリアの業界組合の方が開発をしたものですけれども、高知県も和紙の伝統がありますので、土佐和紙の素材を生かした壁紙というものを開発されました。

 「なるこ」という商品名になっていますけれども、これを何とか県庁の中でそのモデルルーム的にできないだろうかというお話があって、私のおります知事室のすぐ横に、私に会いに来てくださった方が待ってくださる待合室がございます。そこの壁に貼らせていただきました。

また、こういうものをたとえば非常口の、そこにもありますけれど、ああいうものを電気の光源を使わなくても、日中の光を吸い込んで、夜それが発光してくるというものを県内の企業が作られておりますけれども、こういうものを県庁の中にどんどん使ってほしいというような要望も受けておりまして、そういうことをどんどんやっていく、県庁だけではなく、県内にそういうものをなるべく公共調達という形で作っていって、モデルルームに使ってもらう、そんなことをぜひ進めて行きたいなというふうに思います。

 また、もう一つはですね、冒頭にも申し上げましたけれども、やはり住民力というか、地域のいろんな力を活用させてもらうということがこれから地域づくりのためには絶対に必要だろうということを思います。

 その背景は、先ほども言いましたような財政が厳しくなったということもありますけれども、そのこと以上に、これだけいろんなニーズが広がってくればですね、この県なり市町村なりがで、いろんな法的な制約の中で、また役所的ないろんな決まりの中でサービスをやっていくよりも、地域の方々、それは企業というものも含めてですけれども、に担っていただくほうがずっとよりよいサービス、たとえば、県庁がやるということになれば、朝の8時半から5時15分までですよ、とかいろんなことが出てくるわけですけれども、それをもう24時間型にしていくとか、いろんな工夫なり柔軟性なりが出てくるだろうということを思います。

 そんな意味からも、こういう地域の住民力というものを活用して、それと行政がタイアップをして、新しい公共的なサービスを提供していくということは、今後必要な視点ではないかなと。

 今申し上げた以外にも、いろんな視点があると思いますけれども、これまで常識だった物の見方、行政であれば、農業であれば生産者を支援するんだという視点から、もっとやはり消費者の視点に立った支援の仕方を考えていく。

 また、単に公平、平等だというだけではなくて、やっぱり伸びるところを伸ばしていくことによって、全体の底上げをしていくんだというような見方、また公共サービスは全部官庁が担うんだと言うのではなくて、先ほど杉浦さんも言われたように、長い時代をかけて、むしろ立派に地域でやられたことを全部行政が引き受けてきたという歴史があります。

 これは右肩上がりの時代ならいいです。昔、千葉県の松戸市が「すぐやる課」というのを作って有名になったことがありますけれども、今はもう「すぐやる課」の時代ではなくて、地域の方々にやっていただいて、それをどうやってバックアップをしていくかということを考えていく時代ではないかなと。

 そんないろんなものの見方を変えていくっていうことが、僕は必要ではないかと思いました。それから、皆さん方のお話を聞いていて思ったことなんですけども、やはり情報ということが、いつの時代もとても大切だと思います。その情報を得るためにこういうようなグループというか集まりもあるんではないかな、また使っていけるんじゃないかなということを思うんです。

 もちろん、昔流に団体を作って活動していけば、何らかの政治的じゃないにしてもですね、一定の発言力を持っていくということも一面あると思いますけれども、もうこれからは、そういうことよりも、みんなが寄り集まって、しかもいろんな業種、違う異分野の方々が集まって、さまざまな情報交換をする中で、閃きあったり、こういうことが商売になるかなということが、こういうその団体を活用していくことの一つのメリットではないかなということを思いました。

 ご参考になるかどうか分りませんけれども、ちょっと何ヶ月か前にですね、あるデパートの社長さんと話をしておりましたら、その60歳が還暦、それから70歳が古希、77歳は喜寿、80歳は傘寿、88歳は米寿、90が卒寿、99が白寿というふうに、こう歳を追っていろんなお祝いがあると。

 ただ、60歳で還暦だと言って年寄りになったというのは、余りにも早すぎるだろうと。かといって、70まではなかなか待てないと。そこで、66歳を緑寿という名前にして、そういうものを広げて緑寿にはこういうものをお祝いにということで、みんながいろんなお祝いを贈りあえば、それだけでも相当なまた個人消費につながるんじゃないかな。

 そういうことを考えて、いろいろ仕掛けてるんですという話をしておられました。どこの社長かと言えば、松坂屋さんですけれども、というような発想をみんなで話しているうちに、いろいろ出てくるんじゃないかと思うんです。

 これも数週間前に、メリーチョコレートというですね、バレンタインにチョコレートを贈りましょうというのを日本で始めたチョコレート会社ですけれども、この社長さんが来てお話しを聞きました。

 そしたら、お父様からチョコレート会社を始められて2代目の方なんですけれども、大学の4年生の時に、フランスに行っていた知人から、なんかフランスでそんなことをしてるらしいというような話を聞いてですね、やってみようと思って親父に話をしたと。

 そしたら「馬鹿なことはやめろ」と、こう言われたんだけども、まあまあやってみろと言ってやってみたら、なんとその年はメリーチョコレートが3枚売れただけだったと。その3枚から始めて、45年くらい経つそうですけれども、もう今はご承知のとおり何百億という状況で、あれを仕込むために、11月か12月ごろから生産を始めるらしいですけれども、もうそのバレンタインだけで、もうほとんど商売になるという状況だというお話を聞きました。

 やっぱり、情報というのはですね、そうやっていろんな仲間が集まってこう話をしている中で、その情報を活かしていくようなアイデアの閃きというのもあるんじゃないか。そんなことから、そのバレンタインというふうな一業種だけではなくて、いろんな業種の人が参加を出来るような仕組みだとかいうことも考えられるんじゃないかなということを思いました。

 今も、そのお土産品をみんなで作っていくというふうなお話がありましたけども、そういうところから始めていけばですね、多分それやるんだったらこんなこともやってみたら?ときっと言う人が出てくるだろうと思います。

 それをもう自分たち、自分だけのアイデアにして儲けてもいいし、またみんなのアイデアにしてもっと広げてもいいし、そういう活動が広がってくれば、こういうような活動に参加をされる方ももっともっと増えてきて、さらに多くの情報が集まるようになってくるんじゃないかなということを思いました。

 それから、杉浦さんが、その認識力を上げるという必要性のお話をされました。そのお話に絡んで、田中さんからも年金の支払いの話がありましたが、私も国の政治家が年金の未払い云々ということを言われたときに、これは自分も危ないなと思いました。

 というのは、NHKにいた間はですね、当然NHKで厚生年金に入っております。知事になってからは、今度は県庁の共済年金になっています。ところが、NHKを辞めてから、選挙に出て、知事に当選するまでの数ヶ月間は、まったくのノーマークですし、自分自身には、あの問題がこの数ヶ月議論されるまで、そのときにどうしたかななんて意識はまったくありませんでした。

 ので、多分そこは抜けてるんじゃないかなと思って調べましたら、実はちゃんと入っておりました。なぜだろう?と思って女房に聞いたら、女房もぜんぜん覚えていないと言うのです。けれども、女房がうろ覚えでこう思い出して見ると、いろんな書類を取りにNHKに行って、こういう書類が必要だとか、こういうものを書いてくれとこう言われたと。

 多分そのときに、NHKの庶務の人が、健康保険と同時に年金のことも話をしてくれたんではないかということでですね、NHKを褒め上げるわけじゃないですけれども、その時担当してくれた庶務の人のおかげで助かったんではないかなということを思います。

 が、なぜそんなことを言ったかと言いますと、ことほど左様に、あの年金の話は、非常に政治家として問題だと言う未払いをしている人と、まったくそうでない人とが混在としていることは間違いないだろうと思います。

 その線をどこで引くべきかというのは、良く調べないと分らないので、自分では今この場で言えませんけれども、しかし明らかにその線引きが出来る基準はあるはずです。にもかかわらずですね、バーっとああいう方向に話が流れていく。こういう情報の流れ方も、逆の意味で情報に気をつけなければいけないという点でですね、今後注意をしていかなければいけないんじゃないかなと思うんです。

 認識力というのはですね、自分自身をもちろん高めて、こう杉浦さん流に言えばですね、上から見て未来を見通すような力を見に付ける、そういう自分を高めるということはもちろんありますけれども、それだけではなくて、今いろいろ流れてる情報をほんとかな?と思って疑う、また、そんなアバウトな、また短絡的な言い方でいいかな?というふうに疑っていく、そんなことも一つの認識力になるんではないかというふうに思います。

 別に小泉総理を批判をするわけでも何でもないですけれども、小泉さんは、非常に短い言葉でパッと言って、それでフッと国民がそちらを向くということをですね、別にたくんでおられるんじゃないでしょうけれども、非常にあの方自身のこう特徴として、自然に身につけておられるということを思います。

 三位一体の改革もそうですし、三方一両損という言葉の使い方もそうです。それから、地方に出来ることは地方に、民間に出来ることは民間に任す、これが私の改革だというような言い方もそうです。みんな聞けばそうだなと思うんだけれども、よく考えるとそれじゃ国は何をするの?っていうのが抜けてるとかですね、いうふうなことがいっぱいあります。

 ということからも、認識力を上げていくと言われた、その杉浦さんの視点というのは、今のような情報化の時代には、なお重要だと。そういうふうに流れてくる情報をきちんと見極める認識力、また自分たちの中でのいろんな役に立つ情報を拾い上げていくという認識力、そんな意味で、この情報ということと、杉浦さんのおっしゃった認識力ということは、大いにかかわりがあって、これから皆さん方も注意をされたらいいんじゃないかなというようなことを感じました。
 

長山
 はい、ありがとうございます。農産物、やはり視点が違うんじゃないかな。農業商品という話がありました。農業者をとって、たぶん今例にとって話されたと思うんですけども、私たちもマーケティングというか消費者の視点というのを本気で考えているのかなと。全員とは申しませんけれども、まだまだやれること、足りないところっていっぱいあるんじゃないかなというふうなこともすごく感じました。

 そして、情報は大事ですし、これから大変注意も必要であると。そしてその中で機会が創出できるんじゃないかな、商売でのいろんな新しいものが生まれてくることもあるんじゃないかなというふうなこともお伺いしました。

 ただ、国の話とか、県の話とか、なかなか難しいですけれども、私たちが今やらなければいけないことっていうのは、それぞれ違うと思いますけれども、一人ずつあると思います、それぞれの課題が。

 ぜひ、それに向かって行っていただきたいと思いますし、そのような意味も深めて、時間が少しないかもしれませんけれども、せっかくの機会ですので、その話を聞く前に、3名の方から知事の方に質問等があればですね、久保副会長の時間はちょっとないかもしれませんけれども、お二人の方から、ぜひ一つずつでも質問をさせていただいて、知事にお答えしていただきたいなというふうに思います。
 

杉浦
 はい、情報認識力というものをですね、私よく皆さんのところにお邪魔して、話をさせていただくときにですね、情報っていうのは、今までJRであるだとか、そういう公的なところがですね、だんだんと民営化してきてですね、昔JRというのは日本国有鉄道だと言ってたっていう、それが日本国有鉄道が今何を売ってるかというと、旅客を売って物を運んで商売にしてると。それ昔日本国有鉄道って言ったんだと、いうことを言ってます。

 そして、JRもそうですね、日本国有鉄道であるとか。それで、今度そういうものがですね、青年中央会として、青年中央会いったい何を売ったらいいだろうね、という話をしてたときに、これだけの組織があって、これだけのメンバーがいるんだったら、青年中央会情報売りましょうよ。この情報はすごいものになってくるんですね。

 その情報が、皆さんのほんとに役に立つ情報を認識できるだけの力を持っていれば、私たちはすごいことになってくるんですね、っていう話をさせていただきました。知事のお話を聞いてですね、今ほんとにいろんなことが今ビジネスチャンスとして生まれてるんじゃないかなというふうに感じます。

 県庁で自分として、商売の物を、扱ってるものを県庁に飾ってくれるっていうとこなんてのは、まずない、聞いたことないっていうのがすごく驚きですし、もしそういうことやっていただけるのなら、今から慌てて高知に移住しなきゃならないっていう、おもしろいものを採用してくれるんだったら、ここに来て、知事にぜひ見てもらいたいと、聞いてもらいたいというものがあるんですけれども、そのような大きな、高い視点からの知事の見解っていうのにびっくりしていました。

 その中で、自分たちにできることっていうのは、ほんとに言われたとおりのことなので、質問というよりも、すばらしい考えを持っていただいて、ほんとにこういうことを実践していただけるんだったら、ありがたいなということばっかり考えてました。

 質問にはならないかもしれませんけども、その新しいビジョンというか、そういう面に対して、他に何か商売ネタになるようなものがちょっとでもあるかなって、まだこの人持ってるんじゃないかなと思いながらですね、そんな話を聞いてたんですけれども、その話はものすごく興味がありますんで、ぜひまだ他に商売ネタになりそうなもの、ここで話さなくて、控え室で私一人にお話してもらってもいいんですけども、それだと怒られちゃいますんで、何かそういうのあればありがたいなと、私商売人、ここにいる人間ですね、全員商売人なものですから、ビジネスチャンスをいかに狙っているかと。

 僕21世紀のこのメンバーに入ってることによって、ほんとにいい思いをしたなというふうに思いたいんです。皆さんにそういうふうになっていただきたいというふうに思ってます。でも、その中でなるのは俺だぞという、絶対自分で一人一人が思ってるはずなんです。そのこと、何かちょっと一つ、あったらありがたいなというふうに思うんですけど。すいません、変な質問で。
 

橋本
 いえいえ。商売ネタかどうか分りませんけれども、冒頭、県の組織、仕事の仕方を変えていくと。そして、県庁と皆さん方が新しいパートナーシップを持って仕事をしていくと、そういう方向を目指したいということを言いました。

 そのときに、ぜひやはり企業なり事業所なりを経営してる皆さん方にはですね、今やはりこんな規制があるから、こんないろんな取り決めがあるから仕事がやりにくんだと、これがなくなれば、こういうことが出来るようになれば、もっと新しいビジネスチャンスが広がるのに、ということをどんどん上げていただきたいなということ思うんです。

 というのは、実は僕自身は、特区ということが出てきたときには、あまり積極的ではありませんでした。なぜかと言うと、地方分権と言いながらですね、特区を申請するには膨大なまた書類を作って、それぞれ関係する省庁を回ってお願いをして頭を下げて、そして昔の地域指定と同じように、なんか認可をいただくと、こういうようなスタイルですので、地方分権の名にふさわしくないんじゃないかと。

 本当にやるんだったら、すべてそのあるエリアは、その関係の法の枠を外して、どうしても必要なものだけを残しておくというふうなやり方にすべきで、何か一部分だけを外してもらうためにいろいろな手順を踏むというのはおかしいんじゃないかということを思って、そういう理念を言っておりましたら、やはり県の職員の人たちは、知事がそこまで言うんだったら、あまり考える必要もないだろうなという意識になってしまって、せっかくのそういう特区申請というチャンスというか活かす場を、そのまま見過ごしてしまったような面がありますので、それももったいないですから、理念は理念として、とにかくせっかくある制度だから、何か考えていこうと。

 これは地域再生というふうな新しい事業でもそうですけども、そういうことを呼びかけています。その際にはですね、やはり県庁の職員が、机の上で考えるよりも、実際に仕事をしてらっしゃる方々から聞いた方が早いですので、そういうことをやるようにということを勧め、自分もそういう話をしております。

 その中で、ある協同組合の方ですけれども、協同組合として開発をした技術、知的所有権を得た技術があって、それをたとえば他県の同じ組合なり何なりに売っていく。ロイヤリティーとしていただくと、いうようなことをしていくと、協同組合が、協同組合自身としてやった仕事、そこで得た収益を、その共同組合参加の企業に配分をすることが今の協同組合法で禁じられていて、出来ない。

 そのために、このせっかく上がった利益を、共同購入だとか従来あるような事業で何とか使って、残りは税金として収めてしまうので、その研究開発のために一定の補助をもらったけれども、その補助の分くらいは税金で返しましたという話をしながら、何かそういうもののやり方も変えられませんかね?というご提案がありました。

 それが、共同組合法のよって立つところとどう抵触をするかとか、本当にいいことかどうかとか、いろんな課題はあると思いますけれども、そういうふうに実際にこう仕事をされている中で、せっかくこうであればこうあってほしいなとか、もうちょっとここが自由であればいろんなことができるのに、ということはいっぱいあると思います。ぜひ、そういうことを今出していただく。

 そういうパートナーシップになっていければですね、今ある特区の申請だとか、地域再生だとかいうようなものを使っても、ずいぶん新しいことができるんじゃないかなと。あれは別に行政がもちろん、市町村なり何なりがこう申請をしていくものですけれども、提案はもう皆さん方から、誰からでも出せると言うシステムですので、提案を出していただいて、自分たちがそのメリットは使っていくという意識でですね、ぜひともそれぞれの地域の市町村なり、都道府県とそういう関係を作られたら、少々でもビジネスチャンスにつながるんではないかということを思います。
 

長山
 ありがとうございました。高知県の方は、これから総枠的な予算というのは、ますます厳しく減ってくると思いますけれども、やる気のあるところには重点配分をしていくという、先ほどお話もありました。

 ぜひ皆様で知恵を出し、考えて県の方に提言をしていただきたいですし、「ここがちょっと足りんがよ、知事」というお話もしていただいて、それぞれの組合、そして個人商店のプラスになったら素敵じゃないかなというふうにも考えます。少し時間がないので、短めでお願いしたいですけど、田中副会長、何か質問がございましたら。
 

田中
 聞き入っておりまして、僕も高知県へ引越そうかなという気になってきました。質問という質問が、私も思い浮かばないんですけども、先ほどのお話の中で、やる気のあるところのものを県庁に使うということをおっしゃったんですけども、私建築業やってるんですが、何かあるとこう入札とか随意契約でこう相見積もりやとかね、実際その行政の仕事をいただいたところで、書類がすごく多くて、書類作るのに奔走しないといけないというような状況なんですけども、そういう中で、そういうもの、これは新しいもんやから、やる気があるからポンと採用するということで、反発というものは出ませんか?
 

橋本
 それは、まだそれほどのことをやってるわけじゃないので、なんですけれども、反発は間違いなく出てくるだろうと思います。そういう反発をあまり恐れていたのでは、というところはあります。
 ただ、一定のやはり書類作りだとかいうことが必要な面もありますので、すべて何もなしに一気に随意契約でさあやりましょうということにはなかなかならない。その基準をどうやって作り直していくかということは必要だと思いますけれども、今のような公平、平等原則じゃない、やはり基準と言うものを作って、どしどしまずやってもらうと。

 そういう基準さえ出来ればですね、できればというか、それは当然出来ると思いますので、そのことさえ、きちんと明示を、透明性を持って明らかにしてあれば、反発というのはそれ以上のものはないだろうということを思いますし、そこからどれだけの成功例が出てくるかということが、大きな課題なんじゃないかなと思いますね。
 

長山
 はい、ありがとうございます。もうそろそろ時間がなくなってまいったわけですけども、最後に3人の方、特に久保副会長、田中副会長、そして最後に杉浦会長ということで、今日いろんなことがあると思います。これからどういうふうに私がやるんだという意気込み、そして杉浦体制の2期目も本日スタートということでございます。ぜひ、これからの意気込みを聞かせていただけたらと。久保副会長より、よろしくお願いしたいと思います。
 

久保
 意気込みと言いますか、2期目スタートということで、私昨年度の途中から、この副会長就任ということで、お手伝いさせていただいてるんですけども、やはり2期目でも、なんか決着をつけなくてはいけないような時期にきてるということなので、今年度、これからですね、ぜひともさらに、これまで出てきた課題を進めていってですね、いかに成果を出すかということで、その結果を出せる方向で何らかの努力をしていきたいなと思っております。

 特に具体的にこうこうということはございませんけども、年々動きを活発に、先ほど動くことが第一だというふうに言いましたけども、相変わらずそれに重点を置いてですね、顔を合わす機会を増やし、動く癖をつけて、その上で、先ほど県との交流も図りながらですね、そういうまたパイプ役、情報源になれるような会になっていけばなと思っております。
 

長山
 田中副会長、お願いします。
 

田中
 2年目の杉浦体制ということで、久保副会長の方から結果を出さないといけないということもありましたが、すべて結果というのもなかなか出にくいかなというふうに思います。

 ただ、今改革ということがものすごく新しい言葉のようにも思われてるんですけども、毎回、毎年この体制が変わるたびに改革を進めていったら、改革というものは当たり前になってくるんじゃないかなというふうに思います。

 早く結果を出さないといけないというのは、補助金等の関係ですが、やはりその意識というものは、大分杉浦会長が動いたおかげで変わってきたと思います。それじゃ、今度は、どういうふうにしていったらいいか、積極的に事業というものを起こしていかないといけない。どういうふうに事業を起こしていくかということを具体化していくということが、今後の課題ではないかなというふうに思います。以上です。
 

長山
 はい、ありがとうございます。杉浦会長、よろしくお願いします。
 

杉浦
 すばらしい機会を与えていただいたなと。ほんとに高知県の皆さんに感謝申し上げると共にですね、お忙しい知事なのに、ほんとにこういうところに、若造のために出てきていただきましたことを、ほんとに感謝申し上げます。
 先ほど言いましたように、高知に引越してくるのが一番おもしろいんじゃないかなと思いながらもですね、青年中央会っていうのは、この前、いろんな会長やらせていただきますと、いろんな機会を与えていただくことができます。

 たまたま文部大臣との懇談会がありまして、その後、文部省との懇親会をやりましょうということで、個人的にちょっと友達になった方がいらっしゃいました。

 そしてですね、好きなこと、好き勝手なこと、どんどん言わせていただいたわけでありますが、若者を再生するための情報カフェであるだとか、そういうものが今やろうとしているみたいで、そこで半分夜だったもんですから、酔っ払って何を言いたかったかというとですね、「あんたたちの机上の空論だけで物事を考えているんじゃなくて、若者を再生したいというのと200億っていう金があるんだ。それだけで青年中央会にくれ」って言ったんですね。

そしたら笑ってましたけども、でもそういうことが自分たちの会ではできるんじゃないかなという気がしてなりません。つまり、何回も申し上げますけど、商売人の会でありますから、そのこういうことをやってくれと。

 その中に、若者再生、ポイントは2つある、若者再生ということは、課題であると。そして200億の金があると。私たちは、年商何億というほんとに小さな会社ですから、何億に満たないという小さな会社ですから、もう200億なんて聞いたら、目の色変えて、血眼になって必死になって考えて、いろんなことをみんなで相談し合いながら、この会でできちゃうんじゃないかなと。

 私たちの予算、知事の前で言うのは恥ずかしい限りの予算ですが、何百万という予算で今運営してます。その中に、事業費用200億なんていうのは、数字が入ったらですね、これは大変なことでございまして、そういうことを意欲的に取り込むことができるような青年中央会になって、なるといいんじゃないかなというふうに考えてます。

 また、そういう大きなことも一つですけども、小さなことから、それこそ先ほど言いましたお中元フェアー、お歳暮フェアーというような、そんなものも取り組んでいきたいというふうに考えているんですけども。

 まず、私たちが、先ほど今日の一つ大きな課題であった、目を覚ましていない人を目を覚まさせるのが私たちの仕事だってですね、すごく大変なことかというふうに思うんですけども、皆さん、今各県の会長さんが、副会長さんがここにおいでになってると思うんですけども、

 ぜひ後で、各県に帰っていただいてですね、橋本知事がこう言ってたよと言って、私のせいにしないで、私の言葉とするとですね、またあいつ吠えてるというふうに言われるかもしれませんけど、橋本知事がこうやって話してた。ぜひ目を開いてくれ、ぜひ中小企業の目を開いて、私たちの夢を達成しようじゃないかと言ってくれたというような言い方をしていただいてですね、ぜひ全会員にですね、私たちの意志というか、心を伝えていただいてですね、ここで終わってしまったら、この会は何の役にも立たないことになってしまって、ほんとにお忙しい中に出てきていただいた橋本知事の心が通じないということになってしまいますんで、ぜひ伝えていただきたい。

 そのぜひ伝えていただきたいことは、自分たちは再生するんだと。そして、目を覚まして新しいものに取り組んでいくんだと。その中で、一つの事業というのを2年間の中でやっていこうと。そして、補助金、いらねえよ、そんなもの。

 ほんとは欲しいんですけど、いらねえよ、そんなもの、できればそういうものに関して、自分たちで自立していくんだよ。でも役員の皆さんは、県の会長の皆様は、補助金、どこかで持ってきたらおもしろいじゃないか。やる気のある企業に関しては、やる気のある組織に関しては出してくれるよ、手伝ってくれるよっていうふうな声を出してくれてるわけですから、ぜひ会員の皆様には、自立していこう、そして皆さんで連携しあいながら、新しいもの構築して行こうということが出来れば、この会が素晴らしものに、実りあるものになってくるんじゃないかなと思いますので、ご協力をお願いしたいと思います。以上です。
 

長山
 ありがとうございました。今日は、知事は県外の方が多いかどうか、やさしい言葉遣いが多々多かったようにも思うわけでございますけれども、最後に今日の感想も含めて、若手経営者、全国のリーダーが来ております。ぜひメッセージ、そして青年中央会に対する叱咤激励も含めてですね、最後にお話をしていただければと思います。
 

橋本
 今日はありがとうございました。杉浦さん始めですね、この会のリーダー格の皆さん方が非常にこう思いと情熱を持って取り組んでいらっしゃるということを知って、大変心強くも思いましたし、ぜひ、その意気でがんばってもらいたいなということを思います。

 先ほどから、何か「高知に越してきたら」なんていうお話もありましたけれども、隣の芝生は青いとよく言いますし、また私もすでに出来ていることも出来ていないことも含めてこんなことしたいなという話をしましたので、決して県内の方からそれだけの評価を得てるわけでもありません。

 また、情報の分析力ということから言えばですね、私も政治家ですから、うまいこと言ってるんじゃないかという疑いの目とね、耳を持って、また認識力を高めていただけたらなということを思います。

 それはともかくですね、今行政に携わるもの、高知県だけではなく、どの地域の人でもですね、大きくやっぱり変わっていかざるを得ないということを痛感をしていると思います。その背景は、もう言わずと知れた三位一体の改革です。

 それによって、地方交付税等々含めて、その量的にも大きく削減をせざるを得ません。スリム化をせざるを得ませんから、そうした中で、その組織のあり方も、仕事の仕方も大きく変えていかなければいけないという外的要因というか、外からの圧力もあります。

 しかし、三位一体の改革と言うのは、財政再建が本来の、一つの目標ではありますけども、それだけが目標なのではなくて、むしろそのことよりも、地方分権を進めるために、これまで国がいろいろ地方に課していた規制だとか縛りというものをなくして自由度を高める、そのことによって、地方の地域の自立を進めていくということに最大の目標があると思います。

 あと2年間、この三位一体の改革は続くわけですが、その間には、第1年目は、やや財政再建の方に偏った形になりましたけれども、地方分権の方向というものがずいぶん大きな形で進んでくるだろうと思います。

 一方で、量的な削減はあっても、こういう質的な変化というものをどう活用していくのかと、これはもう行政だけの問題ではないんです。これまでも言いましたように、地域で活躍をされている企業、事業所の皆さん方、そういう皆さん方が一緒に考えて、一緒に行政とパートナーシップを持って取り組んでいく。

 そういうこれからは地方の時代になっていくだろうということを思います。地域においては、特に高知県のように、中小の企業の方がほとんどという地域に置いては、中小企業の皆さん方と、私たちがタイアップをしていろんなことをしていくというのは、皆様方の本来業務の分野だけではなくて、地域づくりという面で非常に重要な点です。このことは、高知県だけではないと思います。

 ぜひそういう意味で、時代そのものも大きく変わってきた。また行政との関係も大きく変わってくるんだという思いを持って、行政の扉をどんどんそれぞれの地域で叩いていただいて、いきなりなかなか扉が開かなくても、話の合う、話のかみ合う仲間を、その行政の中にも見つけて、そういう新しいパートナーシップを作っていただけたらなということを思います。

 併せて、一般的なことですけれども、やはりどの分野でも先輩方がおられ、親がおられ、そこの皆さん方に頭も下げなきゃいけないと、その礼儀は必要だと思います。しかし、これだけやっぱり時代も変わってきている。そろそろ僕たちにリーダーシップを握らせてね、ということを言って、思い切った活動をしていくということも必要なんじゃないかなと。

 そういうことをぜひ一緒に進めていければと思いますので、よろしくお願いをいたします。どうも今日はありがとうございました。
 

長山
 どうもありがとうございました。やはり、生き物は自分の独自性を持ちながら、環境に合わせていかんと滅んでいくと言うています。経済は、生き物じゃっとも言います。私たちも大きく変わらないといけない時期がもう来ているのだと思います。共同、共生でやってまいりました。そこにやはり競争の意識をもっと持ち、企業としての生きる力をもっとつけて行くことが、私たちが生き残っていくことにつながっていくと思います。

 最後になりますけれども、大変下手な進行でご迷惑をかけました。橋本知事をはじめ、パネラーにもう一度大きな拍手をしていただいて、この会を終わりにしたいと思います。どうもありがとうございました。
 


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