知事の定例記者会見

公開日 2007年12月08日

更新日 2014年03月16日

知事の定例記者会見 

平成15年8月25日15時20分から(県庁第二応接室)

(項目)
 ・政策協議の議論について
 ・県警の捜査費問題への対応(1)
 ・阪神球団社長との懇談
 ・日高村のエコサイクルセンターへの対応
 ・「山の日」について
 ・県警の捜査費問題への対応(2)
 ・住民基本台帳ネットワークシステム


(政策協議の議論について)
(山内:共同通信社記者)
 それでは時間になりましたので、会見を始めさせていただきます。
 まず、幹事社の方から2点ほど質問させていただきます。

 まず、1点目ですけども、先ほどまでやられていた政策協議ですけども、その協議の議論を通じてのご感想や、具体的なその取り組みの方向性などありましたら、お聞かせください。

(知事)
 感想はですね、まだ政策協議を終わった後の庁議というのがないので、県の幹部にまとめてという形では言っていませんけれども、全体を聞いていて、まだまだ、「三位一体の改革」ということを実感としてとらえて、それにどう対応していくかという厳しさという点では足りないんではないかなと。

 もっと、これまでの仕事のあり方、それから仕組み、そういうものを抜本的に見直していくという姿勢と覚悟がないと、「三位一体(の改革)」という時代になかなか県行政が対応していけなくなるんじゃないかなと、そういうことを感じましたから、次の庁議の機会には、そういう話をぜひしていきたいということを思っています。

 それから、政策協議を通じて、どの部署もこれからの一つのキーワードとして、「地域の支え合いの仕組みづくりがうまくいくかどうか」ということが大きなテーマになっているということを感じました。

 一番最初にやりました危機管理・防災課では、自主防災組織づくりというものがありますし、健康福祉の関係では、体の弱ったお年寄りを支え合うというだけではなくて、将来の超高齢社会に備えての健康づくりの仕組みづくりというようなこともあります。

 また、環境の分野であれ、教育の分野であれ、さらに地域振興の分野であれ、去年の国体の民泊ではないですけれども、地域ごとで盛り上がって、やる気のある人たちがお互い支え合い、また地域の公共サービスを担い合っていく、という仕組みがつくれるかどうかということが、これからの地域づくりにとって、行政にとって、大きなテーマだと。これをどのように進めていくかということを、ぜひ考えていきたいと思いました。

 それから、公共事業の担当の分野からは、新規の事業というものを大幅に絞って、維持管理ということに大きく重点を移していくということもございましたし、確かに、これまで造ったものをいかに有効に長い期間活用していくかということは大きなテーマになると思いますので、公共事業等のハードを持つところ、またソフトを持つところ、それぞれに、いろんな形での重点化ということを進めていかなきゃいけないというふうに思っています。
 大ざっぱに言えば、そんなところですけれども。
 

(県警の捜査費問題への対応(1))
(山内:共同通信社記者)
 2点目なんですけども、県警の捜査費が、国へ虚偽請求していたと一部では報道され、議会でも議論されている問題ですけれども、県警の県費の捜査費について、県として、これまで以上に、その執行状況について詳細な説明を求めていく考えはございますか。

 それと、県警は国費で慰労会を開くことについて、先の議会でも明らかにしているんですけれども、「県費についても国費と同じ基準で扱う」ということを述べているんですけども、県費の捜査費で慰労会を開くことについての是非について、知事自身はどのようにお考えでしょうか。

(知事)
 捜査費の内容について協議をしていくかと、新たな視点でより突っ込んでということでございましたけれども、今まで、またこれまで、担当の部局と警察本部との間でどういう協議がなされてきたかということまでよく承知をしておりませんので、その内容をさらに踏み込んでということになるかどうかという点は、今のこの場でお答えをすることができません。

 それから、慰労会の話も、そういうことが議会でも話題に取り上げられましたので、若干の報告というか説明がございましたけれども、実際に警察本部がどういう使い方をされているかというところまで具体的にお聞きをしてるわけではございませんので、これも、実態を踏まえて明確にお答えをするということはできません。

 ただ、これだけ話題にもなったことですから、当然、来年度の予算をつくっていく際に、このことについてどういうふうにお考えかということは、担当部局の間で突っ込んだ議論というか、協議をしていくことになろうと思います。

 この事そのものに、僕が、個人としてというのか、どう考えるかということですけれども、まあ、バランスの問題かなというふうに思います。
 細かく言えば、例えばこれが食糧費であれば、県がつくっております食糧費の基準に照らして、仲間内で飲食をするということは基本的に止めておりますので、それには反するということになります。

 けれども、費目として食糧費ではないだろうと思いますので、その捜査の費用をどういう細目で使っていたのかということを細かくまた見ていかないといけないということになります。

 が、僕個人ということを聞かれれば、自分も、全然捜査とは違いますけれども、警察の担当、また宮内庁の担当として、様々な意味で捜査と同じような作業をずいぶんしました。
 記者というレベルでやっても大変ですよね。

 これを、捜査ということで、犯罪捜査に当たる警察職員の方のご苦労というのは大変なものがあろうと思います。しかも、それだけの仕事に対する時間外(手当)をきちんと県民の皆さんの税金からお支払いをできているかというと、そこもなかなかきびしい面があります。

 そういう中で、一生懸命がんばって捜査で成果を上げた人たちが、「よかったね」と言って、わずかな金額で打ち上げをされるということであろうと思いますので、「まあ、それぐらいは税金で認めてあげてもいいんじゃないか」と思われる県民も数多くおられるのではないかというのが、自分の受けとめ方です。

 細かく言えば、それは、「食糧費だったらできないね」とか「税金としてどうだ」ということはいくらでも言えると思います。しかし、そこで、警察の職員の方が果たしておられる公益性の大きさということと、ご努力と、しかも時間外も充分支払われていないというような現状の中で、税金の使い方として許される融通性というのも、私は、「ある」というふうに思う県民の方がいらっしゃるのではないかなと。ただ目くじら立てて「だめだ、だめだ」と言う県民ばかりではないというふうに、僕は思います。
 

(山内:共同通信社記者)
 幹事社からは以上です。
 各社、質問ありましたら、お願いします。

(岡村:高知新聞社記者)
 知事、その慰労会の件で、いくらぐらいの慰労会をされてたんですか?

(知事)
 3000円。
 

(岡村:高知新聞社記者)
 一人3000円。
 知事はその、一定その、理解というかですね…。

(知事)
 いや、県民の皆さんの中にはね…。
 

(岡村:高知新聞社記者)
 県民がね…、そうそう。

(知事)
 時間外も払われていない中で、もう深夜、早朝、張り込んで、休みもなしですよね。
 うち(秘書課)に非常勤で来られていた女性も、警察官といっしょになられましたし、若い方々で、たまたま警察官と結婚された人が身近に何人かいらっしゃるんですけれども、皆さん、「今年は正月も休みがなかった」とかいうメールが来ます。

 そういうお仕事をされて、しかも、ほんとに県民のために犯罪と戦って、効果が上がったというときに、「いやあ、よかったねと言って打ち上げることぐらいいいじゃないか」という県民の方々はいらっしゃるのではないかと、私は思うんです。
 

(岡村:高知新聞社記者)
 僕はまあ、県警が、警察がそういうことをするのは当然の職務だと思うんだけども。
 よくやったねとかね、努力したとか、しんどかったとか、辛かったとかいう部分というのは、それはその、県行政にも、いろんな公務員にもあると思うんですね。

(知事)
 それはちょっと僕はレベルが違うと思いますね。
 自分も記者として捜査の取材もしたし、宮内庁でも人に言えないようないろんな取材をしましたけれども、それはもう、苦労の度合いも肉体的にも精神的にも全く違いますよね。

 県庁の職員は、朝起きて、(他紙に)抜かれるという心配は全くないだろうと思いますけどね。まあ、それはちょっと余計なことだけども…。
 そういうことから言えば、私は、同じ税金で活動している公務員としても、公職にある者としても、その位置付けというのは、ご苦労さんの位置づけはもう全く違うと僕は思います。

 治安というのはもう…、あの基盤整備、基盤整備っていうことは言いますけれども、道路がいくら良くなろうと何だろうと、治安というのは最大の基盤だと思いますので、それでも「だめだ」と言って、目くじら立てて「だめだ」と言うのであれば、私はそういう県民のお声に従わざるを得ませんけれども。

 しかし、そこは融通性をもって、みんなで一致団結してやっていくという士気を高めるために…。公明正大であればね。公明正大に税金を使うということぐらいお許しをくださる、という県民も多数いらっしゃるんではないかと、僕は思います。

 捜査費についても、その使い方がわからないということと、その使い方がおかしい、個人的に飲み食いをしてるとかですね、何か他のことに使ってると、そのために捜査費という名目でとって浮かしてるんだということとは、全く別次元の問題であって、「わからないからだめだ」ということにはならないだろうと思います。

 何でも自分の記者時代と照らしちゃいけませんけれども、やっぱり取材源の秘匿ということもあるんだから、それは自分も、取材費を使うときに、会計の方に出す書類に、実際におつきあいをした、またなにがしかのものを差し上げた人の名前を出しませんでしたよね。

 そういうことで、それが仮名だということだけで、全くいけないということには、僕はならないだろうと思いますし、そのことは県民の皆さんにもきちんと警察が説明をされれば、理解をしてくださる方は相当数いらっしゃるのではないかと。

 ただ、そのことによって、何か架空のものをきって、その分、捜査費を別のことに浮かして使うということがあってはならないので、そこは、もしそういうことがあるのであれば、それは警察も身を糺さなきゃいけないし、そういうことがない形を、県との間で協議をして、予算をきちんと組んでいってもらいたいとは思います。

 けれども、ただ単に、名前がわからない、使い方がわからないというだけで、すべてが否定されるというものでは…、僕は、捜査というものの特性から言って、そういうものじゃないんじゃないかなと。
 僕の印象を聞かれれば、(それが)印象です。
 

(岡村:高知新聞社記者)
 それはよくわかるんですよ。
 だからその、我々の…、少なくとも高知新聞社が報道した意味はですね、虚偽請求という形の手続きをとっているんだけれども、それは使い方がおかしいだろうと。

 その虚偽請求によって浮かした金でね、個人的なというか、捜査員の飲み会とかね、あるいは県外へ行ったときの手土産とかね、ということをやってるその使途も含めておかしいと言ってるわけであって…。

 知事がおっしゃった意味もわかります、僕らも。それは、警察を取材してるから…。
 だから、逆に言わせてもらうと、知事も記者として宮内庁なり県警なり取材してるから、そういう金を浮かして、捜査以外の身内だけの飲み会に使ってたという噂をおそらく聞いたことがあるだろうというふうにも思ったりするんですが…。

 先ほどの知事の説明、それはわかりますよ。充分わかります。
 ただ、我々が、高知新聞社が報道したのは、使い方に問題があるんだろうと、これは。というところがあってね、それは証言等で一定の感触というか、確証をもってね、報道したわけです。

 で、その使途について、知事は、現状では、先ほどおっしゃった、担当部署と県警とのやりとりがあって、その協議内容は承知してない、現実には答えられないと言うんだけども、その使途についても疑義があるという我々の報道があるわけですよね。
 そういう報道に対しても、知事は、当局どうしでわからないから…。

(知事)
 いや、当局どうしでというか、県警本部は議会できちんと「そういうことはないです」と言われてるんじゃないです?
 議会というのはやっぱり県民に開かれた場だし、県民に対する県警本部としての直接のご説明だから、それはそれとして重みを持つんじゃないでしょうかね。
 

(岡村:高知新聞社記者)
 重みをね。
 
(知事)
 重みというか、内容的にも。
 それを信じられないと言う証拠があるのであれば何だけども…。
 

(岡村:高知新聞社記者)
 こういうのは、だって、常に証拠というのがですね…。

(知事)
 いや、だったらば、我々には別に捜査権があるわけでもないし…。
 

(岡村:高知新聞社記者)
 でも、調査する…

(知事)
 いや、何でもそうやって、何かおかしいからといって、「調査をしろ、調査をしろ」と言って…というのは、やや僕は…、どうなのかなあと…。
 それだけの、その調査をするだけの根拠があってならば、そういう根拠をお示しをいただいて、人も教えていただいて、「こういう人に聞けば、こういう話が得られますよ」ということであれば、調査のしようがありますけれども。

 やっぱり、具体的に「こうじゃないですか」ということを聞いていかない限りは、それ以上踏み込んだ調査というのができますかね?
 どうでしょう?
 

(岡村:高知新聞社記者)
 いや、それはすべてのこと…。それを言いだしたら、知事、それは何でも「調査」ってしなくなりますよ。それを言いだしたら…。

(知事)
 いや、そんなことはないですよ。証拠があればいくらでも調査はできますよ。
 

(岡村:高知新聞社記者)
 証拠を探す調査をすればいいじゃないですか。

(知事)
 えっ?
 

(岡村:高知新聞社記者)
 証拠を探そうとする調査をすればいいじゃないですか。

(知事)
 いや、ちょっとそこまでの意味…。(そこまで)言うだけの根拠と意味がよくわかりませんね。
 

(池:高知新聞社記者)
 信じられないという証拠があるのかとおっしゃるけども、それだったら、信じられる証拠というのは、知事は、何を信じられる証拠とお考えなんですか?

(知事)
 いや、信じられる証拠だという意味で言ってるんじゃないです。
 やっぱりそれは、信じられないと言っておられる方々がいるわけだから、そうであれば、その信じられない証拠というのももうちょっと出していただかないと。
 こちらが、だって、「信じられる証拠を出せ」と突然言われたって、それは出せませんよね。

 信じられる証拠というのは、やっぱり、県警本部なりがきちんと県議会でも説明をしておられるわけだから、それを信じるというのは、決して不合理なことじゃないんじゃないです?
 

(池:高知新聞社記者)
 捜査権がない代わりに、予算の執行権がありますわね?それの適正な執行のための調査というのは?
 まあ捜査権までは至らずとも、同様の権限があるんじゃないです?

(知事)
 それは調査というか、協議をして、「きちんと使ってくださいよ」と言うことはできますよね。
 

(池:高知新聞社記者)
 そこに…

(岡林:高知新聞社記者)
 ですからあの…、いわゆるその…

(知事)
 いや、このことだけに、どうしてそれほど…、記者会見で…。
 僕の記者会見で、このことだけに絞って高知新聞だけが質問して…というのは少しバランスを欠くんじゃないかなと、場の使い方として。
 そのことで何かご取材受けるんだったら、ご取材の時間を取っていただいてやればいいし…。と思いません?
 

(岡林:高知新聞社記者)
 うん。ただ、それは、先だって知事もおっしゃられましたけれども、議会という場で論議をされたと、そういう状況を受けての話だということを前提にちょっとお話を聞きたいんですが…。

 というのは、今回の話で二つお聞きしたい点があって、一つは、開示請求権という部分で、今までは県政自体は「情報を公開する」ということを大前提にですね、様々な取り組みを進めてこられてると思うんですよ。
 で、それは、そこがまず根底になって今後の県政運営が進んでいく、という知事の強いお考えがあると思うんですよ。

 そうなってきたときに、今回の捜査費の問題が、事実関係がどうであろうと、まずそこの情報自体が、例えば、監査をするときに明確な情報があって監査をしているのか、もしくは、県の会計課が明確な自信を持って「不正使用はありません」と言い切れるだけの情報を得られているのか、そこのところがまず一点問題点があるんじゃないかというふうにこちらとしては考えてまして、そうなってきたときには、知事の監査請求権というものが当然あるわけで。

 もしくは、宮城の浅野知事などはですね、直接、捜査員にまずお話を聞いてみたいと、そういう申し入れをされたりですとか、そういうスタンスを取られていると思うんですよ。そういったことに対して、知事は、そうしたようなことをやるお考えがあるのかないのか…。

(知事)
 そうしたことというのは…。
 捜査員に会って話を聞くまでの意識は僕にはないです。
 

(岡林:高知新聞社記者)
 捜査員から話を聞く、もしくは監査請求権を行使すると…。

(知事)
 捜査員というのは、誰に会うということですか?
 捜査員というのは無数におられますよね。

 
(岡林:高知新聞社記者)
 例えばそういうようなことをお考えになられてることがあるのか。
 それからもう一つは、県費の問題で言うと、県の会計課のお話と県警本部の話では、議会の中で、「食い違いがある」という表現が出てきたんです。

 食い違いがあるならば、そこを食い違いのないような形にするというのが、やっぱり当然県としてやっていかないといけないスタンスじゃないかと。それは、先ほど言われたその予算執行という状況の中ではやっていかないといけないのではないかと思うんですよ。
 そこの食い違いというのは、当然ご報告も受けてるだろうと思いますので…。

(知事)
 食い違いというのは、慰労会のことの?
 それは、これから私が申し上げるようなことを指しているのかどうかをちょっとお聞きしたいんですけれども。
 3月の時点に、県警の会計課長さんから、県の出納(事務局)の会計課(当時は出納室)に対して、「国に準拠して使わせてもらいたい」という説明をした、というのが県警本部のご説明だろうと思います。

 それに対して、うちの会計課の職員は、「概括的にその話は受けたけれども、国に準拠して慰労会の経費として県費を使わせてもらうという具体的な説明を受けたことはない」というふうに言っております。

 その点は、僕は…、そこからは新聞報道でしか知りませんけれども、県警本部も「行き違いがあった」というふうに言われて、その行き違いについてはお認めになってるのではないかというふうに思いますけれども。

 
(岡林:高知新聞社記者)
 それは、その行き違いという部分がですね、県の方に誤解があったということの行き違いではなくて、県警本部さんの方にですね、一定の勘違いなり、そういった部分があったという意味の行き違いと言う意味なんでしょうかね?

(知事)
 なのではないかと思いますけれども、そこはわかりません、そこまでは。
 

(岡林:高知新聞社記者)
 知事自身は、今の予算執行の現状の中では、その県費の部分でそういった支出を出してきた部分はないだろうとお考えになられてるということですね?

(知事)
 いや、そうではないですよ。どうして?
 

(岡林:高知新聞社記者)
 県費部分に激励、慰労会費という部分がですね、すでに執行部分であってる(あった)というふうにお考えなんですか?

(知事)
 いや、それは、あってる(あった)かどうかはわかりません。
 そこは具体的な、どういうふうに使ったというふうなお話を県警から私がお聞きをしたわけではないので、そこは、今の段階は、知りません。
 

(岡林:高知新聞社記者)
 それを調査するおつもりというのは?

(知事)
 それは調査も何も、聞けばいいことですので、わからないことではないと思います。
 

(岡林:高知新聞社記者)
 そこは、聞いてみるおつもり?

(知事)
 それはすぐ分かると…。
 僕が聞かなくても、それは出納(事務局)の会計課に聞いていただければ、すぐわかることだと思います。
 

(阪神球団社長との懇談)
(井上:産経新聞社記者)
 全然話は変わりますが…。
 今度、阪神の野崎社長と会われると思いますが…。向こうへ行かれて、そのあと観戦の予定もあるようですけれども。
 野崎社長とどのようなことを? 何か具体的に…?

(知事)
 それはですね、実はこれからちょっと、観光振興課なり(観光)コンベンション(協会)なりと、どういうふうな話しかたをしようかねという作戦を立てようと思っていて、今の時点ではまだ何とも、どういう話をしますということまでは言えません。

 ただ一定、ただご挨拶に行くというだけではなくてね、戦略的、戦術的な話をしなきゃいけないだろうとは思っています。
 まあ、星野(監督)さんの感覚から言って、極めて、その、安芸で続けていただくということも不安定な状況だというふうに認識をしております。

 が、やはり、阪神タイガースに安芸に来てもらうということは、地域振興にとっても欠かせない、大変大切なことですので、どこまで踏み込んで、どういうような話をするかと、また、社長の側からどういうお話があるかなあということを、少し、そこは、事前に準備しとかなきゃいけないなと思っています。
 

(日高村のエコサイクルセンターへの対応)
(松浦:朝日新聞社記者)
 日高村のエコサイクル(センター)の件ですけれども、先日も村議会の方で、県の方が47億というのを提示してたんですけれども、15億ほど上乗せされて、62億という再提示が近々あると思うんですけれども、この額についてですね、額もしくは県側、知事としてですね、エコサイクルセンターの理事でもある知事として、どのようにお考えか…?

(知事)
 まだ、それこそ、細かい内容について話を受けてるわけでもないですし、正式にそういうお話が来たわけでもありませんので、この場では、これも、最終的な決断としてどうするかということまでは申し上げられません。

 ただ、住民投票ということの意味を考えてみれば、村議会が、または村の執行部が、ということよりも、やっぱり住民の皆さん方を見て、これからの県としての対応というものを考えていかなきゃいけないだろうということを思います。

 そうすると、まあ一般論としてですね、何かお金で解決をしていこうというような形が、全村民を対象にした住民投票にとって、どれだけ効果というか影響があるのかというようなことは、私自身よく担当とも話をしないと、なんともわからないなあというのが正直な思いです。
 担当部局とももう一度議論してみて、今後のことは考えてみたいと思いますけれども。

 村議会や村の執行部で受け入れとか何とかということを決めるというのであれば、村議会が決議をされ、要望されたことを、県が受け止めてお答えをすれば、そこで決着ということになりますけれども、そういう形じゃいけないということを村議会としてお決めになったのが住民投票条例だということを思っています。

 であるからには、そういう村議会のお気持ちというものも考えて、単に事業の数を増やし、振興費という形でお金を積めばいいじゃないかという、従来型の行政そのものが多分、村議会から問われているんだろうと思いますので、そのことも充分考えながら、そういうご要望があれば、検討していかなきゃいけないというふうに思います。
 

(池:高知新聞社記者)
 知事自身は9月14日に(日高)村に説明に行かれるというご予定をされてますよね。

(知事)
 ああそうですか。ちょっと僕は予定はわからないので…。
 

(池:高知新聞社記者)
 私見ていて、知事がもうちょっと村に入ればなあと思うんですけれども。
 というのは、今のところ、村民側から見たですね…、知事がおっしゃるように、村民の意見を県として聞いているのかという感触は、村民があんまり持っていないんじゃないかと思うんですよ。

 というのも、例えば課長以上、部長以下の担当部局だけが表に出てきてですね、まあ、県の看板を背負って交渉をなさっているわけですけれども、そこにその、知事の顔というのが村民にあまり見えていないんじゃないかなと思うんですよ。

 例えばその、9月14日に行かれるのは、それは結構なことですけれども、県政の大きな課題としてとらえていらっしゃるのであれば、もうちょっとスケジュールの調整がつくんではないかと。

 先々週に地域懇談会で(日高村に)行かれてますね?あれはあくまでも知事の支援者が中心になった集まりになってしまうと思うんですね。
 例えば、反対の気持ちを持っていらっしゃる方も、知事の説得があれば、何らかの動きがあるんではないかと。そういうふうなことを思うんですけれども、いかがでしょうか?

(知事)
 僕は、「そういう形の行政の進め方というのをそろそろ変えていこう」というのが住民投票条例というものだと思うんですよね。
 知事が出ていって、例えば村議会にお話をしていくだとか、いうような形で一件落着をさせていくというのを、やっぱり、大きな課題だけに、しかも10年もかかってしまったという大きな反省の下に、もう一度、行政の手法としては、考え直すべき時じゃないかなと。

 何でも、「知事が来なきゃ、県の顔が見えない」、「知事が来なきゃ、説得ができない」ということではなくて、県としてきちんとした施設整備の考え方も持ち、安全性についての考え方も持ち、またそれらの…、本当にその反対派の方々が不安に思ってることへ対応していこうとすれば、技術的にしろ、内容的にしろ、一番その内容をよく知って、答えられるのは、担当の課なり何なりの職員ですから、

そういう人たちがきちんとご説明に行って、話をしていく。それを村民の皆さん方にご評価をいただく、というのが、住民投票という新しい形の地方自治の中で取られるべき姿であって、知事が行って何でも説得をし、反対派を丸め込んでいくというような手法は、僕はもう、新しい時代の地方行政の中では、なるべく控えていくべきではないかなというふうに思います。

 ご要請があればそれは…、反対派の方からでも、ご要請があって、ぜひということがあれば、それは伺わないわけではありません。時間が取れれば、いつでも伺いますけれども。

 こちらからどんどんどんどん出ていって、「さあ、知事が行きますよ」「知事が来ました」と、「反対派の皆さんも来てください」と言って、お話をして、というのは、単なるパフォーマンスであって、本当に実のある行政ではないんじゃないかと。

 実のある行政というのは、担当の、そのことに僕以上に時間を割いている、そのことにプロパーに時間を割いている職員が行って、きちっとご説明をしていく。そのことに村民の皆さんが耳を傾けてくださるかどうか、理解をしてくださるかどうか、ということで、きちんと投票という形でその意思を表明をしていただく、というのが、僕は、これからの地方自治のあり方ではないかと思います。
 

(池:高知新聞社記者)
 その、説明会が若干不調でしたわねえ。
 第2回、この前終わったのが、有権者の約7%と…。
 というところで、知事としての危機感はどのように持ってらっしゃるんですか?

(知事)
 危機感というのは、どういうものでしょうか?
 

(池:高知新聞社記者)
 その、住民が説明すら聞いてくれない状態。
 まあ、どういった事情がそれぞれの村民にあるかわかりませんけど。
 少なくとも県側としては、説明は聞いてほしいわけですよね?

(知事)
 それはそうですね。
 

(池:高知新聞社記者)
 それは知事もお持ちなんでしょ?

(知事)
 もちろん、そうですね。
 

(池:高知新聞社記者)
 そういったところに対する危機感を転換するためにですね、そういった上からの押しつけではなくても、知事が何かお願いに行くというぐらいの雰囲気で行けば、強権的な県からのごり押しの行政にはならないんじゃないですか?

(知事)
 「ごり押しの行政だからいけない」と言うのではなくて、何でも知事が出てこないと話がつかない、知事が出てこないと理解が進まないという行政を、僕は変えていきたいなあと。やっぱり、一番よく知っている担当者が出ていって説明会を…。

 僕が出ていったって、そこで会える人というのは限られてますよね。
 それこそ、その説明会に出てこられた方が有権者の何%だというその数字と、僕が行ってお目にかかれる人の数字は、それよりもさらに低くなりますわねえ。1回行って、もしお会いをするとすれば…。

 で、それで何か雰囲気を変えていくということではないんじゃないかと。
 僕は、県全体として必要だということは、議会でいえば、どの会派も通じて、誰も反対をしない。総論ではみんなが「これは絶対必要な施設だ」ということを認めていただいているものを、各論としてどう理解をしていただくかということですから。

 総論の面で議論があることであれば、それは知事として出ていってお話をしていくということもあろうと思います。だけど、各論としての議論には、知事として足を運ばないと言ってるわけではなくて、それは反対の方でも声があれば行きますけれども、それはそのバランスの中での…、いろんな他の仕事とのバランスの中でのことであって、これ(エコサイクルセンターの件)に関しては、担当として直接関わって熱意を持って取り組んでいる職員の方が一生懸命やってくれてる、その作業の結果というのは、僕は期待をしています。
 

(池:高知新聞社記者)
 危機感という面では?

(知事)
 危機感というのか…、「危機感」という言葉ではないですけれども、非常に出席をされる方が少ないということは、これだけマスコミでも取り上げていただき、また、村にとっても大きな課題であろうと思うのに、とても残念でさびしい思いがします。
 

(須賀:高知新聞社記者)
 よろしいですか?

(知事)
 はい。
 

(須賀:高知新聞社記者)
 捜査費のことで一点お伺いしますが、その前に、(先ほど知事に)「バランスが悪い」と言われましたので、お伺いしますけども。
 知事選日程が、(今月)28日の県選管(県選挙管理委員会)によって(決定、)発表されるんですが、まあ、おおむね11月だと…。
 で、11月11日は、知事におつくりいただいたというか、県民で中身を詰めている「山の日」というのがございますね?

(知事)
 はい。
 

(「山の日」について)
(須賀:高知新聞社記者)
 「山の日」当日は、今年は確かウィークディ(平日)じゃなかったかと思うんですけれども、この日、知事自身は、まあ、自分で「つくろう」という呼びかけ人でもございましたですから、その点で、この日ぐらいは、まあ、いい話として、自分で「こんなことをしてみたい」とかいうアイデアはございませんか?

(知事)
 「山の日」は、自分自身で今「こういうことをしてみたい」ということまで詰めては考えていません。
 当然、現場に出かけていきたいというふうに思いますし、それぞれ、「行きたい」ということを自分で言えば、「ここに来て、こういうことをしてほしい」というお声もかかるんではないかと思いますから、そういう中から判断をしていきたいと思います。

 それから、県庁もできればですね、全部閉めてしまうことはできないとしても、閉庁して、みんな一度行ってみるということをしてみたらどうかな、ということは、僕の発案と言うよりも幹部の発案でぜひ考えてみてほしいね、ということは、今話をしております。

 ただ、学校に関しては、教育長が、「学校は、今休むと、保護者から、授業時数が少なくなると言って極めて強い反発があるので、なかなかむずかしいのではないか」という話がありましたが、まあ、官庁はそういうことができるのではないかというふうに思いますから、県民のご理解をいただけるのではないかと思いますから、できる範囲で閉庁したらどうかなということも思っています。
 

(須賀:高知新聞社記者)
 願わくば、告示期間中にならないように…。

(知事)
 そうですね。
 

(県警の捜査費問題への対応(2))
(須賀:高知新聞社記者)
 さあ、それで、すみません、時間もあれですから、最後に一点、捜査費のことについてお願いします。
 犯罪捜査のことには、一定のブラックボックスというんですかね、守秘義務で塗り固められた部分がございますから、他の県行政と比べて、同じレベルの透明性だとかいうものはなかなか求めにくいとは思いますけれども。

 ただ、思い起こしてみますと、一昨年から昨年ぐらいにかけて、内閣官房機密費、それから外務省の機密費、その問題がずいぶんと全国的な話題になりました。

 性質はそのこととむしろ似通ってまして、一定そこに、やはり透明性、いくら犯罪捜査という領域でもですね、一定の透明性を求めていくべきではないかという視点から、まあ、私どもは報道してるんですけれども。

 それでいきますと、まあ、知事のこれまでの3期12年間に一貫性のあるご主張といいますと、やっぱりまあ、「透明性を高めていく」ということがあったように思います。

 その観点からしますと、この件に関しては、知事もまだ直接、下の方に自分から指示をされてないようですし、何かちょっと消極的なんじゃないかというふうに思えてならないんですね。

 だから、事の本質は「捜査員の苦労」だとかそういう事ではなくて、透明性の及ばないブラックボックス、そこが聖域化されると、その中で凄まじい公金の使われ方をするんだよという機密費の問題から教訓を得るとするならば、この犯罪捜査の捜査費というものについてもですね、同じ公務員どうしの守秘義務というものをフル活用してですね、知事部局の予算執行権者の知事が、県警の方に、

「執行状況を、できるだけ詳細を上げてください。それで、私が納得いくようなものであれば、守秘義務をきちんと厳守した上で、県民の方に説明します」とかいう…、本来ならば、「橋本大二郎」という知事には、そういう考え方がふさわしいのではないかと私は思うんですけど、ご感想はいかがでしょうか?

(知事)
 いや、そのとおりだと思いますよ。
 そういう協議は、当然、今後、予算に向けては、していくことになると思います。
 

(山内:共同通信社記者)
 そろそろ時間ですが、各社よろしいでしょうか?

(岡村:高知新聞社記者)
 一点、ちょっと感想なんですけどね。
 その捜査費の件ですみません。
 これは私の感想ですから、答えなくてもいいんですけど…。

 闇融資のときにですね、知事はその、我々の質問に対して、「公判あるいは捜査で、被告(山本被告とか)がこんな供述してるんだけど、どうか」ということを聞いたときに、知事は、「それはまあ、捜査に対する供述ですから」と、「捜査員に対する、逮捕されて拘留されて、という中での供述ですから」ということでですね、直接的なそれに対する見解を避けてたような感じだったんですけども、捜査に関してそういう感触を持たれてる知事がですね、このことに関しては「議会(で)の説明を信じます」というのが、ちょっとしっくりこないなあ、という感想です。

(知事)
 それはちょっと、全然、どう絡み合うのか、よくわかりませんね。
 

(岡村:高知新聞社記者)
 そうです? いや、結構です。

(知事)
 論理的な話と全然絡んでないと思います。
 

(岡村:高知新聞社記者)
 あ、なるほど。
 

(住民基本台帳ネットワークシステム)
(宇野:NHK記者)
 すみません。ちょっと、あと一点。
 今日から住基ネット(住民基本台帳ネットワークシステム)の本格運用になるわけですけれども。
 まあ、国にとって都合のいいシステムじゃないかとか、相当にそのいろいろ危険性があるんじゃないかという話がありましたけれども、その認識が今どうか。

 まあ、個人情報保護法ができたりしましたので、その認識がどうかということと、あとその、メンテナンスの財政的な措置とかですね、新しいセキュリティの開発のための財政的な措置とかを国に要望するなどですね、そういう、今後国に「こういうことはやってもらいたい」というところというのは?

(知事)
 今は、メンテナンスとしてどれだけのものがかかって、費用負担が県なり市町村にどれだけ来るかということがよくつかみきれませんので、常識的な費用対効果の範囲で、地方で負担できるものかどうかが判断できません。

 ただ、もちろん、「これは国の責任でやるべきだ」というものに関しては、国にきちんとその話をしていかなきゃいけないというふうに思っています。
 それから、危険性やなんかは、まだまだそれは日進月歩(何か悪さをしようとする人は日々新しいことを考えてくるという意味)ですので、そういう危険性というのはずっとあると思います。

 が、一方で、ここまで進んで、多くの市町村も参加をしてやっていかれるというときに、プラスにそれを活用していくと…、そのための取り組みをし、手法、知恵を出していくということも必要だと思いますので…。

 まあ、危険の度合いというのはいつまでも付きまとうことだと思います。で、そのセキュリティの必要性というのは、どこまでも相手…、というのは、悪さをする方との知恵比べというのがあると思いますけれども、まあ、それはそれで、国にもきちんとした対応を取っていただくということを前提にして、今あるものを如何にうまく使っていくかということは県としても考えていきたいと、情報化の戦略の中に位置付けてやっていきたいというふうに思っています。
 

(山内:共同通信社記者)
 じゃあ、時間になりましたので、終わらせてもらいます。

(知事)
 ありがとうございました。
 


Topへ