知事の定例記者会見

公開日 2007年12月08日

更新日 2014年03月16日

知事の定例記者会見

平成17年1月26日9時00分から(県庁二階 第二応接室)


(項目)
 ・平成17年度予算(1)
 ・副知事の人事(1)
 ・スマトラ沖地震
 ・全国知事会の次期会長
 ・別荘の購入
 ・副知事の人事(2)
 ・県警の捜査費
 ・平成17年度予算(2)
 ・郵政改革について
 ・県議会議長との面談



(八代:NHK記者)
 まず、幹事社の方から3問、質問させていただきます。

【平成17年度予算(1)】
 最初に、予算編成についてですが、今日から知事査定が始まります。昨年と同様、財政難の中、厳しい編成になると思いますが、現状認識ですとか、見通しについてお伺いしたいと思います。

(知事)
 現状で確実に言えることは、6年連続、対前年でいえば減額の予算を組まざるを得ないということです。まだ2月補正との割り振りということがありますので、確定的なことではありません。

 また、知事査定もありますので、そういう意味でもちろん確定的なことではありませんが、だいたい金額としては4,500億円という線を考えております。今年度が4,820億余でございますので、だいたい6%ほどのマイナスということになろうかと思います。
 収入の面ですけれども、ご承知のとおり地方税、地方交付税、臨時財政対策債を合わせました一般財源の総枠は全国枠で確保されたということになりますが、その内訳では地方税の伸びということが見積もられております。

 その分、臨時財政対策債の枠がへっこむという形になっていますけれども、高知県のように地方税の伸びがなかなか見込めない(地域では)、今年度の県税が531億円でございますけれども、来年度につきましてもほぼ同額の確保が予測されるというような状況でございますので、交付税と臨時財政対策債を合わせて全国枠で4.5%の減額というものが高知県にどう影響してくるかということが、非常に重要なテーマでございます。
 これについて、総務省は「地方税の増収を見込んだ分、臨時財政対策債の枠を削るけれども、地方税の各地域別のばらつき、税財源の偏在というものを配慮して地方交付税の配分をする」ということを重ねて言われておりますので、そのことはもちろん信じて予算を組んでいくしかないわけですけれども、県分と市町村分ということを考えてみますと、県の分の負担になります教員の給与という面でも、まあ教員の数が減ってくるということがあります。

 また、警察官・警察職員の給与も、年齢的な若返りということがあって全体の額が減ってくるというふうなことがございますので、県分がなかなか厳しくなるのではないかと。まだ、しばらくしないと明確なことは分かりませんけれども、そうしたことが想定をされます。
 さらに、三位一体の改革の中で、国の補助負担金、これが、結局、税財源の移譲がないまま事業が廃止される、いわゆるスリム化などがございまして、だいたい15%くらいのマイナスになるのではないかというようなことが予測をされております。
 こういう状況の中で、支出の面では人件費等も含め、経常的な経費でおよそ4%、それから投資的な経費、災害の分はプラスになりますけれども、その他分を含めて10~15%ほど、「ほど」というのは2月補正との割り振りがあるからですが、(10~15%)ほどの減額を今のところ考えております。
 それで、当初(予算編成作業にかかる前)、一般財源がほぼ今年度並に確保されても、今のままの事業サービスをしていけば248億の財源不足が生じるということを申し上げてきましたけれども、今いろんなサービスの削減などの見直しをした結果、予算の見積もりとしては150億~200億円ぐらいの財源不足というところまできております。
 県民の皆さん方それぞれの、いろんな分野、いろんな地域、いろんなお立場で、このサービスの削減ということがそのまま生活にも、またお仕事にも関わってくることは間違いありませんけれども、今申し上げたような、県としての財政的な厳しさ、これをそのまま放っておきますと、17年度の予算はどうにか組めるということになりますけれども、さらに18年度の予算の見通しはまだたたないという現状でございますので、こういうことをまず県民の皆さん方に基礎的な現状としてご理解をいただいて、そして、いろんな個別の事業について、なおご意見やご提言があればそういうものを伺いながら、今後の枠組みですとか、仕事の仕方に活かしていきたいということを思っております。
 そのほか、一般財源の確保といいましても、その中で、これまで県として負担をしていなかった分の負担が増えたというようなものもかなりの額でございます。

 例えば、国民健康保険の地方負担分がそうですけれども、(保険基盤)安定制度(※)への県の負担分が4分の1だったものが4分の3になり、これだけでも17億円ほどの増ということになりますし、それに加えまして、いわゆる地方負担の導入という、(都道府県)財政調整交付金(※)の分で、来年度は暫定的に5%でございますが、これだけで27億円の増。

 (保険基盤)安定制度の分を含めまして45億円近い増ということになり(所得譲与税や地方交付税などによって措置されることになっていますが、地方交付税の総額が増えるわけではないため)、これが従来はほかの事業に使えた分がそちらに取られるということになりますので、そうした面の厳しさも、まあ役所の中のテクニックというか、財政上の問題ではございますけれども、そういう事情があるということも、県民の皆さんにはある程度ご理解をいただきたいということを思っています。

 ※保険基盤安定制度・・・低所得者に対する国民健康保険料の軽減相当分を、公費で補填する財政支援制度。従前の負担割合は国1/2、都道府県1/4、市町村1/4だったが、平成17年度から都道府県3/4、市町村1/4になる。従前の国庫負担分1/2については都道府県に税源移譲のうえ、一般財源化される。

 ※都道府県財政調整交付金・・・国の調整権限を縮減のうえ、都道府県内調整は基本的に都道府県が実施することとし、市町村に対する都道府県財政調整交付金を新設。
    各都道府県ごとに給付費等の7%と規定されているが、平成17年度は移行措置として給付費等の5%となっている。財源は都道府県に税源移譲のうえ、一般財源化される。
 

 今後、今日からの知事査定で、さらにやっぱり人と知恵で、お金ではなくて人と知恵で仕事をしていくという仕組みがもっと考えられないか、また、官民の役割分担、本当の意味でのパートナーシップをとりながら進めていける事業がもっとあるのではないか、というような視点で予算の査定をしていきたい。ただ単に、財政上厳しいからそれを切り込んでという視点ではなく、各部局と議論をしていきたいということを思っております。
 それで、「17年度については、組める見込みが」ということを申し上げましたけれども、それでも大変厳しい現状であることは間違いございませんので、(平成16年度予算では、)財政調整(的な)基金の取り崩しをだいたい167億円見積もっておりましたけれども、これも2月補正(予算)でできるだけ減額をすることで、来年度に向けての若干のゆとりを持たせていくということを考えたいと思います。
 併せて経費削減の効果ということを見積もった上で発行いたします財政健全化債、また、減債基金という公債費の償還のために積んでおります基金のうち取り崩しが可能な分を大幅に取り崩すというようなことで、17年度の予算はクリアをしていきたいということを考えております。
 だいたい以上でございます。

【副知事の人事(1)】
(八代:NHK記者)
 次に2問目ですが、副知事の人事について、その後の進展や、また方向性だけでも固まったというところがあればお伺いしたいと思います。
 また、時期的なものですが、2月の定例県議会が来月の下旬に行われる予定ですけれども、それよりも前に臨時議会を開いてということは段々難しくなってきたと思いますが、定例議会前にしようという意欲をまだお持ちになられているかどうか。それとも、2月定例議会以降になるのか、そのあたりをお伺いしたいと思います。

(知事)
 できるだけ早くということは、意欲としても、考え方としても持っておりますけれども、なにぶんご本人の承諾ということもございますし、また議会にお諮りをしてという手続きがありますので、私の思いだけで勝手に進められない重要な問題でございます。

 ですから、今の段階ではできるだけ急ぎたいという思いは持ちながらも、その時期がいつになるかということを明確に申し上げられる段階ではありません。

 また、人材につきましても、もちろん個別の人の名前も含めまして、色んな方からのご推薦もあり、自分自身も考えて、検討をしておりますけれども、まだ「この方にしぼって」というような状況にはなっておりません。

【スマトラ沖地震】
(八代:NHK記者)
 3問目ですが、先月スマトラ島沖で巨大地震が起きて多くの犠牲者が出ました。先週から高知県からも(スリランカに)調査団が行ってまして、災害の状況を視察しているという状況にあるかと思うんですけれども、今回の災害を受けて、南海地震に対しての対策をあらためてどのようにお考えになっているかをお伺いします。

(知事)
 スマトラ沖の地震と津波による被害があったために、県の南海地震に対する対策のスケジュール、またその内容が大幅に変更になるというものではございません。

 ただ、あの津波の被害状況を見ましても、津波に対する知識や準備がない、また逃げるためのインフラやソフトがないということがいかに被害を大きくするかということは、行政の側にいる私たちも、また県民の皆さん方も等しく感じられたことだということを思いますので、津波に対する対応策ということを、スピードアップをしてでもぜひ進めていきたいということを思っております。
 それから、今回の被害に関しては、今お話にもございましたように、スリランカの方に関係課の職員や高知工科大学の専門分野の先生が視察団として行かれました。

 今日、帰国の予定だと思いますけれども、県庁の入口のホールの所で展示をするとか、また来月の16日に「かるぽーと」で、ほかの分のいろんな視察もございますので、そうしたことを含めた報告会を開いて、少しでも多くの県民の皆さんに現地で学んだこと、現地で得たものをお伝えをしていければと思っております。
 来年度に向けましては、これまでの計画通りの仕事を進めてまいりますけれども、自主防災の組織づくりなどのための総合補助金をほぼ今年度並に確保していくということもその一つでございますし、また学校などの公共建築物の耐震化ということも、A・B・Cのランクをつけましたので、順次Aのランクのものから手がけていくことになります。

 併せて、個人住宅への支援ということも、高知市で200戸分を計上をしていくということを考えております。
 また、昨年の議会で地震に対する条例の制定のご質問がございまして、前向きのお答えをしております。

 このことについても、南海地震対策の条例、どういう名称になっていくか、また内容になっていくかはまったくこれからのことでございますが、条例づくりのチームを立ち上げてはどうかということを危機管理・防災課の方とも話を進めております。

(八代:NHK記者)
 それでは各社、ご質問がありましたらよろしくお願いします。

【全国知事会の次期会長】
(釜本:時事通信記者)
 全国知事会の次期会長の関係なんですが、現在、色々名前も挙がっている人もいますが、知事個人として「この人がいい」というようなイメージなり、具体的な個人名なり、ありますでしょうか。

(知事)
 イメージや具体的な個人名がないわけじゃありませんが、もう口に出すとそれが固定化をして、また私の意見として全国に情報発信されることが、色んな波紋というか、憶測も呼ぶことになろうと思いますので、名前を挙げることは差し控えさせてもらいたいと思いますが、自分なりのイメージというものはあります。

(釜本:時事通信記者)
 そのイメージがどういったイメージかということに関連するんですけれども、現在名前が挙がっている候補の1人として東京都の石原慎太郎知事さんの名前があります。

 その個人の是非がどうこうまでは今は訊きませんが、知事会長として、いわゆる都会と地方というふうなイメージもありますし、一方の、東京という都会の側の一番大きな自治体の長が全国知事会の長になるということに対して疑問の声も、その他の地方から上がってることも事実です。
 知事会長のイメージ像も含めて、東京都知事が知事会長になるということも含めてお考えを聞きたいと思います。

(知事)
 東京都知事だから、今のような都市部と地方の色んな違いがある中で、リーダーシップをとるのにふさわしくないのではないかという一般論にはならないだろうと思います。
 それは、どういうお立場であれ、つまり知事として担っている地域代表としての仕事がどのような仕事であれ、それは会長として、より広い視点で仕事をしていくことは十分できることですので、「東京都だから」「大阪府だから」といったような、地域を指定してほかの地方とのズレが大きいからできないとか、やるべきではないということにはならないだろうと思います。

(市川:共同通信記者)
 すでにほかの知事の方との情報交換とか、あるいは呼びかけとか、そういったものはされていますか。

(知事)
 この間、東京で色々お会いをした時には、様々なお話がありました。
 梶原さんも石原さんを特に推すとか、推薦をするという趣旨ではありませんけれども、今のご質問にお答えをしたのと同様、「東京都だからほかの地方と合わなくてふさわしくないというのは、いささか早計というか、決めつけが過ぎるんじゃないか。

 やはり、どういう仕事をしてもらうかということを、知事会全体で話し合って、そのことをきちんと会長になるべき人に伝えて、その役割を果たしてもらうという約束の下で動いてもらうのであれば、それはいかなる立場の人であれ、力があればその人に頼めばいいのではないか」というようなことを言っておられて、それから石原さんに対する色んな仕事の面での評価ということでも、そういう見方もあるなというお話がありました。
 一方で、ほかの色んな地域の方から「うちのブロックのこういう方はどうか」という打診があったというような知事さんもおられて、それぞれに皆、まあ思い悩んでいるのか、思惑があるのかというところかなと思いましたけれども。

(市川:共同通信記者)
 今、ブロックごとというお話がありましたけれども、仮に立候補がなかった場合、全国6ブロックでそれぞれ1人出すというんですか、そうなった場合、四国は、中・四国になるんでしょうか、ちょっと私もそこまで詳しく存じませんが、高知のブロックではどなたとかいう、そういう話とか、あるいは知事が考えているとかございますか。

(知事)
 それは、全然考えておりませんけれども、まあ、そうはならずに何か動きが出てくるんではないかと思いますけどね。

【別荘の購入】
(池:高知新聞記者)
 別荘の購入についてなんですけど、先月の会見で、知事に年末年始の過ごし方についてお訊きしたら「東京周辺」ということで、その時は明確なお話がなかったんですが、いずれ資産公開の対象にもなるでしょうから、購入に至った経緯と、その購入金額であるとか、規模であるとか、場所であるとか、そういったことをちょっとお話しいただけますか。

(知事)
 購入金額はちょっと明確に覚えてませんので、それは後ほどお示しをいたします。
 それから、場所は長野県茅野(ちの)市です。一般的には蓼科(たてしな)と言われる地域です。
 購入の経過は、去年の夏、その蓼科の知り合いの所にまいりました。そこでたまたまその知り合いから紹介をされて、その後、それをきっかけに購入を決めました。

(池:高知新聞記者)
 購入された時期とかは。

(知事)
 ちょっとそれも明確には覚えておりませんので。

【副知事の人事(2)】
(浜田:高知新聞記者)
 副知事の件なんですけれども、前任者の吉良さんが辞められてからもう1カ月ぐらい経って、今回の予算編成の過程でも、去年いらっしゃった出納長もいらっしゃらないということで、かなり影響があるかなとも思うんですが、知事自身この時期に出納長と副知事がいないことについての影響は、どうお考えなんでしょうか。

(知事)
 私自身は、自分自身の仕事が非常に忙しいです。それがその影響かどうかというところはちょっと分かりませんが、感じるとすればそういう影響は感じます。
 だけど、そのことによって何か仕事の濃淡で薄くなっていくというようなことの弊害は感じておりません。

(浜田:高知新聞記者)
 逆に思うのは、部局長側が相談する相手がいなくて、クッションというか、緩衝になる人がいなくて、もうダイレクトに知事でなんでも方針を持っていかなくちゃいけないというのは、ちょっと、部局長側からすればしんどさもあるんじゃないかとは思うんですが。

(知事)
 そこまではちょっと私はつかみかねます。
 副知事さんや何かというのは、本来、これからはクッションという意味の役割では僕はないと思うんですね。

 これまで、そういうことがあったかもしれませんけれども、クッションということではなくて、やっぱり色んな事業を進めていく時に、それをもういちいち、例えば知事と諮らずに、もう一定知事の話を受けて具体化をしていくリーダーシップを執られるとかいう仕事であろうと思いますので、色んな問題についての、なんか悩み事のクッションという、そういう役割をこれまで果たしてこられたことは間違いないですけれども、そういうようなことであれば、本来、やっぱり部局長が判断をするならば判断をしていくということで足りるのではないかと思いますし、その方が決定の仕組みとしてはより明快になっていくのではないかと、自分は思いますけれども。

(浜田:高知新聞記者)
 出直し選直後の会見だったと思うんですけれども、「(副知事は)できれば県庁の中の仕事に精通している方がいい」ということだったんですが、今でも、(県庁の)中で起用を考えてらっしゃるのかをちょっとお伺いしたいんですが。

(知事)
 自分の今期やっていく大きな仕事の課題として、アウトソーシングのことがあります。やっぱり、これだけ財政が厳しくなった中、また間もなく大量退職という時代も迎えますので、そういう時に、このアウトソーシングのことをいかにより目に見える形で1年、2年と積み上げて進めていくかということを考えますと、行政の仕事の感覚がある上でなお別のものも知っている方が、自分のパートナーとして必要ではないかなという思いで「県庁のことも知ってる人」ということを申し上げましたので、そういう思いは今ももちろんございます。

【県警の捜査費】
(池:高知新聞記者)
 捜査費のことでちょっと訊いておきたいことがあるんですが。
 先月の会見で訊いておけば良かったんですが、12月6日公表の予算見積、この中で県費の捜査費が16年度と比べて33%減、14年度と比べると半分近くまで減っています。これについて、知事は何が原因と見ておられるのか。

 つまり、実際その関係を見ると、摘発率の低下であるとか、あるいは社会が複雑化、あるいは個人主義化しているとか、情報収集が難しくなっているという状況があって、常識的に考えれば捜査そのものは難しくなってるという中で、捜査費がなぜここまで減っているのか、それについて知事はどういうお考えですか。

(知事)
 それは、やはりコンプライアンシー等々、厳しくなる中で、ある意味、自ら自粛という言葉が当たるかどうか分かりませんけれども、下げられたというところがあるでしょうし、また私は実際に捜査員の方等と話をしたことがないから分かりませんけれども、そういう社会的な要求に応えながら捜査をしていくことが、非常にやっぱり難しくてしにくいということがあるんではないかと思いますけれどもね。それだけではないと思いますけれど、もちろん。

(池:高知新聞記者)
 ちょっと分かりにくかったんですけど、捜査費を使うということと、その情報収集は直接繋がらないという意味ですか。

(知事)
 いやいや、そうじゃないです。
 例えば、相手方のお名前をきちんと書いてもらうとかですね。そういうようなことをしながら捜査をしていくということが、現実に、今まさに言われたように、非常に世の中が複雑になって情報収集がしにくいという現状がある中で、さらに相手方のお名前まで書いていただいてやっていくということが、できるのかどうかと。
 捜査員の方のそれぞれの力量がどうかということも分かりませんので、まあ大変失礼な話だけど、力量全体が落ちて、そうであれば、捜査費というものを構えても、それを使って情報が集まるだけのものがないねと全体で判断をされてるのかもしれませんし、そこはちょっと、別にそんなことを本部長と突き詰めてお話をしたことがないので分かりませんけれども。

(池:高知新聞記者)
 今年度予算の編成に当たっても、そういったお話は本部長とはされてませんか。

(知事)
 いや、捜査費そのもののことについて、そんなに踏み込んだ話はしておりません。だから今、「なぜか」というようなことまで含めてはね。

 来年度予算に関しては、主に無線機の取り替えのことを、これが全国で行われる、警察庁の方針で進められるものですから、一定やはり国が支弁をされてもいいのではないかというような議論が相当ありましたので、そのことだとか、それから細かいことでは警察音楽隊のことだとかいうこと、まあ、その音楽隊のことを本部長と議論したわけではないですけれども。

(池:高知新聞記者)
 分かりました。
 不正経理の問題と、治安維持のための必要な経費の請求の仕方ですね。それはまったく別にするべきだと思うんですよ。

(知事)
 それは、私も同感です。

(池:高知新聞記者)
 ただ、3年ぐらいで半額まで減るというのは、どう考えても異常であろうと。それと、先月以降、北海道警が捜査費を2億5,600万円の返還をしたり、福岡県警でも150人ぐらい懲戒処分にしたりと、こういった全国的な流れがある中で、高知県の状況は何が違うのかなというのは一般的に素朴な疑問があります。
 それと、もう一方、財政問題から考えても、知事は国あるいはマスコミに対しても、県民に対しても、「県の行財政改革はここまでやってきたんだ」というアピールを今までされて、国に対して「一方的な削減なり、そういうことをしてくれるな」というアピールをされてますけれども、捜査費のその不透明な部分も、行財政改革でメスを入れるべき問題じゃないかと思うんです。

 それをせずして、「県は行財政改革にずっと取り組んでます」というのも、ちょっとすっきりしない部分があるんですよね。
 知事として、今後さらに手を入れられるというお考えはないのかどうか。

(知事)
 僕は、考えはないです、そういう意味では。
 もし何かが過去にあったとしても、十分、そういう、今のご指摘の意味で言えば、改善はされてきていると思いますし、ただ単に財政上の努力ということで言えば、今の財政状況に見合った色んな工夫や苦労もされてると思いますので。

 ほかの面での、その警察の捜査と経費の在り方ということは色んな面であろうと思いますけれども、こと財政上の厳しさの中での工夫ということで言えば、それは警察も、まあ「十分に」という言葉が当たるかどうか分かりませんけれども、過去と比べて相当な努力はされているというふうに思いますので、そこだけ取り上げて全体の財政上の努力と何か齟齬があるのではないかと言われれば、私は、そういう齟齬はないというふうに思います。

(池:高知新聞記者)
 道警のように、個人負担をしてまで過去にさかのぼってお金を返すようなことまでしてます。

 それは、過去と比べて現在がどの程度努力したとか何とかという問題はまた別で、問題点のあったことについては反省もして、税金の部分で何らかの損害があったとしたらそれを返そう、そういう動きが実際に北海道ではあっているわけですけれども、知事の言う「現状で改善努力をしているからいいじゃないか」という議論は、やや北海道の動きなんかと比べると前向きに見えて、実は後ろ向きに見えるんですけれども。

(知事)
 いや、現実に改善努力がというのは、過去にそれほど、いかなる悪いことがあったのかどうかということまでは自分は分かっているわけではありませんので。

(池:高知新聞記者)
 だから、そこの検証がなくて前向きに考えるというのも妙に一段飛ばしというふうに……。

(知事)
 だけど、検証がなくてと言うけれども、実際にそれじゃどれだけのことがあったのかという検証もあるんですかね。
 北海道警では、「こういうことがありました」という検証があったんじゃないですか。というふうに思うんだけど、よく状況を知らないから。

(池:高知新聞記者)
 だから、知事としても、そこについては「あらためて検証を」というような働きかけとか、知事自身から動きを起こすということはないということですね。

(知事)
 いや、それは「きちんと検証をして、警察として改めるべき部分は改めてくださいよ」ということは、本部長にはお伝えをしてあります。
 ただ、その検証という意味をどう捉えられるかは、そこまでは踏み込んでお話をしていません。

【平成17年度予算(2)】
(植村:高知放送記者)
 予算に関連してですけれども、県民のサービスが低下している中で、なかなかこの予算の議論が県民に対して分かりにくいというのがあると思うんです。
 それで、より県民に分かりやすい姿で、何か、こう具体的に示す方策というのは何かお持ちですか。

(知事)
 いきなり言われてもなかなか、その方策というのが、例えばテレビに出て話すとかいうことを言われているのか、それとも、そのグラフの作り方をもっと工夫してということを言われているのか、県内各地を回ってというようなことを言われているのか、色んな、そういう手法を言われているか、それとも話の内容そのものを言われてるかちょっと分からないので、もういくらでもそれはやりようもあって、できるだけの分かりやすい形でのお示しの仕方というのはしていかなきゃいけないと思いますけれども、「これが決め手で、こうする」というようなことを、今持ってるわけではありません。
 今はなかなか、その17年度予算を作り上げていくということで精一杯ですので、同時並行で頭の中では考えなきゃいけないんでしょうけれども、「その頭の中で考えた結論としてこういうやり方があるね」というところまではなかなかいっていません。何かまた良い知恵があれば、教えてもらいたいと思いますけれども。

(浜田:高知新聞記者)
 その予算の関連なんですけど、知事は昨年の9月県議会で、4つの中期的な重要課題のうち、経済基盤づくりを今後の最優先課題に位置づけるということで、今回の予算もそれに沿った内容になってると思うんですけれども、産業育成というのは、これまでも色んな施策をしてきても、なかなか成果が上がらなかった分野かと思うんですが、予算全体のメリハリという点とはまた別に、産業育成の分野でのメリハリというのは、商工労働部サイドからも話を聞いてると思うんですが、どうつけていくのかというのを、ちょっとお聞かせ願いたいんですけど。

(知事)
 それは、商工労働部と自分の思いとの間に少し違う点もありますので、今日、知事査定の中で議論をしていきたいと思っています。

(浜田:高知新聞記者)
 違う点というのを具体的にこの場で言うと。

(知事)
 端的に言えば、補助金という形で支援をしていくのか、それとも人の力で支援をしていくのかと。人材の力で支援をしていくのかという、端的に言えばそういうようなことだと思います。
 それから、業種としてある業種を絞り込んで支援をしていくのか、そうではなくて、これからの将来の可能性ということを踏まえて、幅広い業種を多様に対象としていくかというようなこともその1つだと思います。

(浜田:高知新聞記者)
 知事の考えというのは、その人の力で支援する方向でできる限り助けていきたいということですか。

(知事)
 私はそう思っています。産業政策だけじゃないですけれども、やっぱり役所の中で作り上げた事業って、前にもお話ししたかもしれませんが、事業というものを、補助金で「この指止まれ」というかたちにした時に、それは右肩上がりの時代ならば一定の効果を出したでしょうし、また県内の民間の力が強いのであれば、自然にそういう呼び水だけでも色々動いていくだろうと思います。
 ところが、高知県の現状ということを考えた時に、「この指止まれ」で総合的に補助金を設けて、それで伸びていくのか、またそれが企業が求めているものかというところに、若干、受け止め方の違いがあると、私は思っています。

【郵政改革について】
(須賀:高知新聞記者)
 通常国会が始まりまして、国政の方では国民の関心度とは別に郵政改革というのが、もっと言えば郵政民営化ですね、これが小泉内閣の至上命題という位置づけの中で進められるという意気込みですが、これがひいては地方に、特に過疎地の多い本県にも影響するテーマだとは思うんです。
 で、郵政民営化の中身は、いわゆる効率というものを持ち込まれて、それと巨額の郵貯・簡保の資金、これをめぐる、いわゆる経済的なにらみ方というのも加わってきますけれども、いわゆる地方を運営する立場として、特定郵便局などの行方に影響が出かねないという声があるこの郵政民営化について、現時点で知事はどういうふうにお考えになっておられるかをお伺いしたいと思います。

(知事)
 ちょっと具体的な動かし方として、地方の特定郵便局なども含めて、どういう仕組みになっていくのかということが分かりませんので、その部分だけを切り出してなかなか批評・評論はできません。
 ただ、(日本郵政公社の)生田総裁と去年でしたか、話をした時には、地方の郵便局をなくさないという方向性を強調しておられましたし、そういう手法と、その効率性との兼ね併せの中で、そういう手法がどういうふうにして可能なのかということは、また話は聴いてみたいと思っておりました。
 で、郵政民営化全体で言えば、明らかに国民の関心事とは別ですので、そのことをもって批判をしていくことも大切だとは思います。
 やっぱり、より国民的関心の高いことにきちんと対応していくとか、また、郵政民営化についても、もう少し中身についてきちんとしたプレゼンテーションをしていくとかいうことは必要なことだとは思いますけれども、こうした荒っぽい形での改革というものがないと、やっぱり全体が動かないということも確かな事実だと思いますので、やり方は相当荒っぽくて、内容的にも非常に不安や疑義はあろうと思いますけれども、もし、こういうことが進むのであれば、歴史的には後になって一定の評価というか、「転換点だったね」ということにはなる事業だろうということを思います。
 それは、まあ評論家的な話ですので、具体的に中山間地域を多く抱える県としてどうしていくかというのは、もう少し、直接、生田総裁や今後関わっていかれる方の思いとか考え方ということもお聞きをしていきたいと思いますし、その中で、何か逆提案ができるのであれば、していければと思います。
 で、こういうことも、この間の知事会で出ました。「国で進めている色んな政策・事業を、もうそのまま黙って受け込んでいくのではなくて、従来、知事会としてやっていた地方交付税の財源保障と、我々のプロパーの関わりのある仕事の分野だけではなくて、社会保障制度だとか、地方税の制度だとか、そういうことも勉強し、意見交換をして、地方としてあるべき形、望むべき形を提言していけるようになるべきではないか」という意見がありました。
 今お話のあった、その郵政民営化の中での特定郵便局の扱いというのを、ただ従来型の地方からの声として「守れ」とか云々という要望ではなくて、機能としてどう活かして、やっぱり大切な機関であることには間違いないですので、そこに単に若い人がいるというだけではなくて、機能として大切であるということは間違いないですので、それをどういうふうに活かして、次の、さらに過疎化や何かが進む時代に使っていくかということの提案が、やっぱり高知県だけじゃなくて、そういう知事会レベルなんかでできるようにならないといけないんじゃないかなということは思っています。

【県議会議長との面談】
(小川:毎日新聞記者)
 先日、県議会の森議長とお会いされているかと思うんですが、言える範囲でかまいませんので、どういった中身だったかというのを教えていただけますか。

(知事)
 昨日、森議長と第一応接室でお会いして、この間、その議事運営委員会で決まったというか、ご意向としてまとまったことについて、私にご質問がございました。それに対して、私の考え方をお話をしました。
 その内容については、森議長の方から「今日、議事運営委員会が開かれるので、それまでは外には話さないでもらいたい」というご要請を受けましたので、そのようにさせてもらいたいと思います。

(八代:NHK記者)
 質問はありませんか。なければ、これで会見を終わります。ありがとうございました。

(知事)
 どうもありがとうございました。
 


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