「県産品ブランド化事例発表会」橋本知事コメント(要旨)

公開日 2007年12月08日

更新日 2014年03月16日

「県産品ブランド化事例発表会」橋本知事コメント(要旨)

平成16年3月19日(金曜日)高知新阪急ホテル


 高知は農林水産業など一次産業の盛んな県ですが、今日の事業報告会でうかがっていますと、担っている人の考え方がこの12年間で変わってきていると思います。と言いますのは、売るための方法として様々な加工や工夫などが出てくるようになったのが、特に感じられるからです。

 高知は野菜や花が有名で、知事になって間もない頃、仲介業や流通の人と話したとき、高知の人は「作ることは上手いが、『売る』という意識が弱い」という話がありました。「売る」ということを考えていくと、お客様が食べるとき一番「おいしい」と思えるようなものを作ることが必要ですので、農業でも単に作っているだけでなく、商品として消費地や消費者にベストの形で届くようにマーケティングを考えるようになってきたことが、この12年間の変化だと思います。

 行政の人間も、これまで農道を作るなど、モノをいかに作るかの支援策はいっぱいやってきましたが、上手く売るということに力を入れてこなかったところがあります。林業であれば川上に川下の消費者の情報が上手く伝わらないことが、力が弱ってきた原因の一つです。

 ピーマンでも「何個入りにするのか」「消費者が望む重さはいくらなのか」、同じ物でも売り方はいろいろありますから、絶えずマーケティングして、生産へフィードバックされ、工夫していくことが大事です。

 このために、生産者以外に関係する人たちとのネットワークを築くことが大切で、人の関わりの中で商品に対する思いが消費者に伝わりますし、ブランド化にはこの「思い」が必要ではないでしょうか。今日の事例発表された商品には、この思いをこめて努力されているところが感じられますし、たいへん心強い思いです。

 報告のなかに、餅は餅屋との話がありましたが、作り手は物づくりに詳しくても流通や販売の知識が少ないわけですから、専門のコンサルタントを活用したり、工業技術センターとか、プランナーやデザイナーがネットワークを組んで連携して、消費者のニーズにあったモノづくりが必要になってきています。

 先ほど博報堂の中尾さんがおっしゃられたように、ブランド化には「人」と「事実」が作っていくことや、人の「思い」が伝わることが大事です。産地の人材の質の高さ、人間臭さなど、かかわった人たちの「思い」をうまく入れていけば、消費者に伝わっていくと思います。

 今回発表のあった4件に限らず他の分野の商品も続くことで、どんどんブランド化につながっていく波及効果を期待しています。自信をもって頑張ってください。その頑張りによって、消費者の皆さんに商品と高知とが繋がってイメージされ、他の商品へも影響するようになって頂きたいと思っています。

Topへ