公開日 2007年12月08日
更新日 2014年03月16日
知事の定例記者会見
平成17年3月28日16時00分から(県庁二階 第二応接室)
(項目)
・平成16年度の感想と平成17年度の抱負
・平成17年度の人事異動(1)
・韓国訪問の成果
・特別職知事秘書
・議会会派との政策協議
・平成17年度の人事異動(2)
・市町村合併
・県営施設での高齢者有料化議案の否決
・山林購入
・政策総合研究所
・平成17年度の人事異動(3)
(吉川:テレビ高知記者)
まず、幹部社の方から代表質問をさせていただきたいと思います。
【平成16年度の感想と平成17年度の抱負】
平成16年度も年度末となりましたけれども、16年度は国の三位一体の改革ですとか、財政面で非常に厳しい年になったと思います。年度末ということで、あらためて1年を振り返ってどんな感想をお持ちかということと、平成17年度に向けた抱負をまずお伺いしたいと思います。
(知事)
16年度で思い出すことのひとつは、やはり自分自身の出直しの選挙です。2年続けて選挙をするというかたちで、県民の皆さんにもある意味ではご迷惑をかけたと思いますけれども、そのことでまた新しいかたちで、残る任期の県政にあたれるのではないかなということを思っております。
特に議会との関係をより良いものにしていくということが、県民の皆さんから求められていることだと思いますので、選挙後、そのことに腐心もしてまいりました。今回、副知事の人事案件にご同意をいただけたということも、そうした流れのひとつだと思いますし、そのようなかたちでの議会との関係をさらにより良いものにしていくように、私なりに努力をしていきたいということを思います。
それから、今お話にもありました三位一体の改革は、17年度に関しては、一般財源はほぼ16年度並が確保されるということで決着をしましたけれども、今後18年度、19年度に向けてどういう流れになってくるか全く分かりませんし、国の側はもっと地方の財政に切り込んでくるという姿勢に変わりはない、というふうに受け止めております。
そういう中で地方交付税が果たしている役割の大切さ、また地方がこれまで取り組んできた努力、またその努力がほぼ限界にきて、地方の現状はどうかというようなことをさらにきちんと国に対しても伝えていく、またそのことを国だけではなくて国民の皆さん、また企業の経営者等、オピニオン・リーダーと言われる方々にも訴えかけていくということが、大きな課題として残っていると思います。
それから市町村合併も、この年度末を迎えてかなり大きな動きが出ました。そして駆込み的にいくつかの市町村で合併に向けての取り組みがなされましたし、なされつつあります。
このことはこのこととして、また新しい年度からは合併に関する新法が動き出すわけですので、県としてもその新法に基づいた次の合併のかたちというものを、勧告などということはまず横に置いて、その前段としてどういうかたちのものが考えられるか、また考えるべきかということを、市町村の皆さん方ともまた意見交換をしながら、最大限は1年間かけてということになりますけれども、できるだけ早くそういうかたちを考えて、県民の皆さんにお示しをしていくということも大切な課題だと思っています。
いずれにしろ、財政の厳しさということは今後も変わりようがありませんので、そうした中でいかに自立をした自治体、県の経営をしていけるかということが一番の課題でございます。
ですから、その自立ということをキーワードにして、各部局ごとで経営方針というものもまとめていますので、4本柱(※4つの重要課題)の下で経営方針をもう一度見つめ直して新年度から取り組んでいくということ、また、その中で日ごろから言っております住民力の活用ということをいかに具体化をしていくかというようなことが、新年度の当面のテーマになってくるというふうに思います。
※4つの重要課題
(1)産業の振興と雇用の拡大による経済の基盤づくり
(2)南海地震に備える
(3)こども、高齢者、障害者が安心して暮らせる地域を創る
(4)資源循環型社会の先進地を目指す
【平成17年度の人事異動(1)】
(吉川:テレビ高知記者)
次に、平成17年度の人事異動ですけれども、総務部長や財政課長に何年かぶりという庁内起用をされたりですとか、アウトソーシング専任副部長を置いたりというような異動がありましたけれども、今回の異動のねらいとか期待を教えていただきたいと思います。
(知事)
先ほど三位一体の改革ということを申し上げましたけれども、国と地方との仕事の見直しということが進む中で、財政的にもより自立した自治体経営というものが今求められていると思います。
それは三位一体の改革以前に、地方分権の流れの中でもそのことが求められてきているというふうに思います。このことは財政の面だけではなくて、人的資源の面でも、少しでも自立のできる体制を、それぞれの自治体がとっていくということにつながっていくのではないか、そういう求めにつながっていくのではないかということを常々感じておりました。
今回、せめて部局長は県の職員が務めることによって、人的な面でも自立した自治体運営をめざせないかなと。それだけの人も育ってきておりますので、そういう趣旨で今回の人事をいたしました。
けれども、決して国との関係を打ち切るとかいうことでは全くございません。これまでも申し上げてきましたように、国の職員に来ていただくということは、やはり地方の視野の中では見えないものの見方というものを教えていただく、そういう空気を吸わせてもらうということにもつながりますし、逆に国の職員の方にとっては、霞ヶ関の中では見えなかった地方の現状というもの、またその現状というのは厳しい現状もありますし、地方だからこそ取り組めている先端的なお仕事というものもあると思います。
そういうことを感じていただき、それをまた、国に帰ったときに生かしていただくというような、双方にとってメリットがあるということは従来言ってきた通りで、今もその気持ちに変わりはございません。
ですから、副部長、課長さんというレベルでは、かなり多くの国の方にも来ていただいて、そういう交流は来年度も続けてまいりますし、そうした意味での国との関係というものは今後もとっていきたいということを思います。
また、副知事の人事が、国からの割愛人事ということになりました。これも、部局長人事などに対してそこの区別はどうなっているのかというご指摘もあろうと思います。このことは、私は別に何かの基準を設けて今回の人事をしたということではなくて、財政の面でも自立が求められるときに人的な面でも自立ということをめざしていくべきではないかと。
せめて、部局長の人事は人も育ってきましたので、県の職員でひとつ配置をしてみようということでございます。ですから、副知事さんが国の職員というかたちになっても、決してそのことそのものに何かつじつまが合わないということではないと思います。
また、特に副知事の人事というのは、その方のおられる省庁に「どなたかを出してください」ということをお願いをして、誰が拝命を受けるかが分からずに、こちらがその人材を受け取るというかたちではなくて、自分で、この人をと思った方をご指名をして、お願いをして、ご了解をいただいているということでございますので、部局長の人事のように、役所の側が役所の中の人事配置の中で人材を決めるというものとも、また質的には違うのではないかなということも思っております。
今回、アウトソーシング担当だとか、排出権取引の推進だとかいう面でも新しい職種を設けましたけれども、排出権のことは、私が前回の知事選挙で大きな公約として掲げたことでございます。
循環型の社会づくりを推進する担当課で持ってもらうということにしておりますけれども、やはり今後企業への働きかけなどで、スタッフの職としてもっぱらこのことを考え、私の手足として動いてもらう担当者が必要ではないかというふうに思いました。
また、アウトソーシングもいよいよ具体的に県庁全体に広げていくという時期にきております。こういう仕事をある程度の立場で仕切っていける副部長が必要だという思いで、このアウトソーシング担当というものも設けました。
人事に関してはほかにもいろいろございますけれども、またあればご質問に応じたいと思います。
【韓国訪問の成果】
(吉川:テレビ高知記者)
先週韓国の方を訪問されていたと思いますけれども、その成果はいかがだったでしょうか。
(知事)
韓国のドラマのロケを、高知で実施をしていただくと。そのことによって、また韓国との交流というだけではなくて、日本全国、今韓流ブームというかたちで韓国ドラマへの関心が高まっておりますので、日本の国内での交流人口の拡大にもつながるのではないかと、そういう趣旨で今回は韓国の方に行ってまいりました。
高知に関心を持っていただいているプロダクションの社長さん、そしてそこの監督さん、理事さんなどとお話しをいたしました。
結論的に言えば、まだ具体的に何かが決まったというわけではありませんが、引き続き高知県内でロケをするということに強い関心を示していただいておりますので、まずは監督さんと脚本を書かれるシナリオライターの方に一度高知の方に来ていただいて、そしてロケハンティングも兼ねながら高知という風土、人情を知っていただいて、いかにそれが韓国のドラマに生かしていけるかということをご検討願おうという呼びかけをしております。
これも日取り的に決まっているわけではありませんけれども、ぜひそういうかたちで監督や脚本家の方も高知に来てみようということになっておりますので、一歩ずつその方向に向けて進んでいるのではないかというふうに受け止めております。
(吉川:テレビ高知記者)
では、各社から質問をお願いします。
【特別職知事秘書】
(池:高知新聞記者)
特別職秘書の川竹さんが今回辞められて、(観光コンベンション協会の)北海道事務所の方に行くということになりました。川竹さんの仕事ぶりへの知事の思い、それと後任についてのお考え、そのあたりのご見解をお聞きしたいんですが。
(知事)
川竹さんには、特別職秘書に就任をしていただいて以来、県庁の職員との連絡とか、それから広く県民の皆さん方からのいろんな情報とそれに対するお答え、またいろいろな活動をつないでいくというような面で大変重要な仕事をしていただいたと思っております。
それは県の職員の力がどうのこうのということではなくて、県の職員ではなかなかできないようなかたちでフィールドを広げていただいたというふうに思っております。
今後ですけれども、やはり川竹さんのようなかたちで特別職の秘書を務めていただく人材が、私は求められているというふうに思いますので、今個別の方も想定をしながらお話を進めているところでございます。
(池:高知新聞記者)
議会の同意はいらないわけですから、知事が選任すればその段階で、また特別秘書の方が来られるわけですね。時期的にはどのぐらいのめどでお考えでしょうか。
(知事)
なるべく早く後任の配置をしていきたいと思っております。想定をしてお話をしている方が、今、別にお仕事を持っておられますので、そのお仕事先との関係をどう整理をするかということが、ちょっと残された課題になっております。それが片付けば、なるべく早い時期に皆さん方にもお伝えをしたいと思いますし、また実際にその職になるべく早くついてほしいというふうに思っております。
(浜田:高知新聞記者)
議会の同意はいらないわけですけれども、川竹さんのときも就任時にいろいろとあったわけで、議会の方には一応相談はしていくつもりでしょうか。
(知事)
人選に関して相談をしても、結局川竹さんと同じような世代の方になりますので、ご存じのない方になります。ですから、そこは私の目というか思いというものを信じていただいて、汲み取っていただいて、ということでご理解をいただきたいと思いますけれども、相手のご了解が得られて決定をするということになれば、事前に議会にはなんらかのかたちでご説明をしていきたいとは思っています。
(岡林:高知新聞記者)
先ほどの話で、議会との関係というものについて腐心されているというお考えがありました。その川竹さんの後任の方、特別職秘書ということですけれど、期待される役割というのは議会との関係において、一定のなんらかの役割を期待されるのか、今まで川竹さんがやられてきたような、県庁の職員と県民のパイプ役のような役割を期待されているんですか?そのあたりのお考えはどうなんでしょうか。
(知事)
後段の方の、これまで川竹さんが主にやってきた仕事という面では、今度お願いをしようと思っている方も十分そうした仕事のできる人だと思っています。前段の議会との関係ということは、私の個人的な思いでは、川竹さんとは別のかたちでまた議会との関係づくりということもしていただきたいというふうに思っています。
というのは、先日ある会派の方々ともお話をしたときに、私からではなくて議員の方から川竹さんの名前も出て、いろいろなお話になったわけですけれども、それだけある意味では特別職秘書と議会との関係に期待感を持たれているんだろうな、ということを思うお話がふたりほどの議員の方からございました。
ですから、そうした意味ではできればもう少し議会との、古い意味でのパイプ役ということではなくて、いろいろな政策の話だとか議会のご提案を受け入れてしかるべきところにつないでいく、というふうな役割などのお仕事をしていただければいいなと思っています。
ただ、そのことを具体的に、そのお願いしようとしている方に、まだ詰めてお話をしたわけではありませんので、どこまでそういうことに向いて、ご本人がそういうことに意欲を持たれるかというところまでちょっと自信を持って言えませんが、私の思いとしては、もう少しやっぱり議会との関係という面でも関わってもらえたらいいなというふうに思っています。
【議会会派との政策協議】
(岡林:高知新聞記者)
副知事の選任同意の議案を提出する当日の朝、自民党さんと政策協議等を行うという一定確認書の提示があったと思います。つまり、時期的に言うならば、多分6月議会の議案提案の前の段階にでも、自民党さんともお話し合いをするというようなことをさせているのかな、というふうに勝手に思ったんですけど。
知事自身が自民党さんとの関係、今まで例えば各会派に行ってお話をするといったレベルから政策的に検討していくというようなレベルに踏み込んで、提携されていくようなつもりであるのかどうか。そこの確認をちょっとしたいんですけども。
(知事)
自民党会派ということで言えば、かつて議会の前に役員会というかたちで、政策協議ではありませんけれども、提案する議案についてのご説明をし、意見交換をするという場を設けておりました。
これはいやみでもなんでもなく、こちらからやめたわけではなくて、自由民主党の会派の側から「やめる」というご通告を受けてやめたといういきさつでございますので、こういうことを例えばまた再開をするというご趣旨であれば、それは何の問題もございません。そういうかたちのものは、時間的にやれる範囲でやっていければということを思っています。
それから政策的な協議というのは、もうどの会派に限らず、その勉強会をするということであれば、それも望むところでございますので、そういうこともいろんな会派の方と時間的なゆとりの許す限りできればいいなというふうに思います。
【平成17年度の人事異動(2)】
(釜本:時事通信記者)
今回の総務部長、財政課長の庁内起用の人事についてですけれども、国から来てもらっているという意味で言いますと、総務省色がずいぶん弱まった気がするんですが、それについては何か意図があるんでしょうか。
(知事)
それは全くございません。それは、その意味で言えば国土交通省色も弱まったということになりますので。
(釜本:時事通信記者)
次に、庁議メンバーに国からの方がひとりしかいないことになってしまいますけれども、いわゆる第三者的視点というメリットの面で、県の意思決定という意味では弱まるんではないかという懸念もあるんですが、その点はいかがでしょうか。
(知事)
自分の14年間の経験からいって、第三者的な視点というものがこれまで庁議で活かされたというふうには私は思っていません。
(釜本:時事通信記者)
いわゆる部長メンバーは県庁の内部で、ということは今後とも続けていく方針ですか。
(知事)
今後ともというか、自分の今の任期も2年と数カ月でございますので、常識的には自分の今の任期で人事権を持っている間は、こうしたかたちということになろうと思いますけれども、それも絶対というわけではなくて、いろいろな事情で変わるということは当然あると思います。
今回のことを国に対していろいろご相談をしに行く中で、国の側からも、「ずっとそういうご方針ですか?」というような問いかけもあって、べつに未来永劫という趣旨ではなくて、そこは柔軟に対応していくことにはなろうと思いますけれども、当面、今、この三位一体の改革ということが続き、財政的な自立というものが求められる中で、できる範囲で県も人的にここまで自立ができるということの努力をしてみたいんだ、という趣旨のご説明をいたしました。
(釜本:時事通信記者)
今、国とも相談をされたということですけれども、国から来ていた方が、それなりのポストにおられることで、情報ですとか、また意思決定の面とか、メリットもあったかと思うんですが、それを失うことへの対応および、国と相談した中での国の考えというのはどうだったのか、もう少し詳しくお願いします。
(知事)
メリットということですが、すべてのことにメリット・デメリットというものはつきまとってくるだろうと思います。メリット・デメリットではかりにかけて、なんらかの決定をしたというわけではなくて、あくまでも三位一体の改革というものが続き、財政的な自立が求められる中で、県という立場で人材的にも自立をして、やっていくことが大きな流れとして求められているときではないかなと。
それを、そのメリットだ、デメリットだという視点ではなくて、やはりそういう方向を一度めざしていくという意思を持って取り組むべきときではないか、ということを私は感じました。結果的にそれはいろいろなメリット・デメリットというご評価はあると思いますけれども、単に情報が入る・入らないということよりも、やはり県という地方の自治体が財政面だけではなくて人材面でも自立をめざしていくという、その意思表明ということに意味があるんではないかな、ということを私は思います。
(釜本:時事通信記者)
今、高知としての意思表明というお話しでしたが、例えばこの流れをほかの改革派の知事たちと協力して、地方の側からそういう流れを作っていこうというふうな考えはおありですか。
(知事)
それはもう、全くありません。このことは、それぞれが自ら決する範囲のことであって、人様に「どうしたらいい」とか「こうすべきだ」ということを申し上げる話ではないということを思います。
それから先ほどのご質問で、「国との話の中で具体的にどんなやりとりがありましたか」ということでございました。これは、「ほかの理由がありますか?」というご心配が(国の方に)当然ございましたので「そういうことはございません」ということを申し上げましたし、それから「ずっとそういう方向でいかれるんですか?」という問いかけに対しては、これは先ほどお答えしましたけれども、「当面そうやって取り組んでみたい」ということであって「未来永劫ということではありません」ということも申し上げました。
その他、対応してくださった方の中には、「例えばこういうようなやり方は?」というような、具体的なお話しがございましたけれども、それはちょっと細かい話でございますので、ここでは省かせていただきますが、かなりいろいろなご提案ややりとりがございました。
【市町村合併】
(吉川:テレビ高知記者)
市町村合併の話に戻ります。先ほど駆込み組があったというお話がありましたけれども、知事が以前「アクセルを踏む」という発言をされて、県民にもっと考えてもらいたいという趣旨のことを言ってらっしゃったと思いますが、きのう野市町で住民投票が成立しなかったですとか、あと北川村の住民投票で反対が上回ったけれども議会には合併の議案を出すというような話もありますが、その現状をどんなふうにとらえて感じてらっしゃるかということと、来年度に向けて県がどんな取り組みを、働きかけをしていくべきとお考えか、詳しくお願いします。
(知事)
自分の主観的なとらえ方しかできませんので、本当に幅広く住民の皆さんがどう考え、どう受け止めているかというところを客観的に評価できるわけではないということがまず前提になります。
最初の質問で今年度を振り返ってというお話がありましたが、「アクセルを踏む」と言ったのが去年の5月ぐらいだったと思います。新年度に入って間もない時期、つまり三位一体の改革ということでの地方交付税などの大幅削減という状況等を見て、事ここに至ってはという思いをああいう表現で表明をいたしました。
ただ、あの頃はまだ、そうは言っても自治体、市町村の皆さん方にもそこまでの厳しさが伝わっていなかったという点もあろうと思いますし、いわんや住民の皆さんには、そこまでの(厳しさが伝わっていなかった)ということもあったと思います。
ですから去年の夏ぐらいの段階でのアンケート調査などで反対が多くて、いったん協議会を解散したというところもございました。それがやはり年が明けて、来年度の予算を組んでいかれるという頃になって、特に町村レベルでは非常にやっぱり厳しいということを、首長さんはもちろんでございますけれども、それぞれの議会の議員の方も感じられ、そういうことが住民の皆さん方にも少しずつ浸透していった面があるのではないかなと。
そういうことの変化は間違いなく出てきているというふうに思います。ですから、これがいい・悪いとか好きだ・嫌いだということを超えて、やむを得ない判断かな、という判断をされる方が徐々に増えてきていることは間違いないんじゃないかということを思います。
ただ、北川の例を出されましたけれども、県内でも最も山の奥の深いところというか、もう選挙などで回っても実感をいたしますが、もう終わりかと思っても、まだ集落が出てくるというぐらい離れたところに集落がございますので、そうした皆さん方から見たときに、いかに中山間振興の対策の室を作られると言っても、そこへの不安ということも当然ほかの地域よりも強くあったのではないかな、というようなことも感じますので、全体には先ほど申し上げたとおりですけども、それぞれの地域にはそれぞれの個別の事情がありますので、なかなか一概には言えないというふうに思います。
(亀岡:朝日新聞記者)
合併の手法について、例えば市町村によっては住民投票をやるところもあれば、アンケートをやるところもある、もしくはやらないところもある。いろんなやり方があるんですけれども、このやり方について、バラバラだということの是非はいかがなものとお考えですか。
(知事) それは、知事という立場で、是非ということはやっぱりなかなか言えませんね。少し手続き論的な答え方になりますけれども、それはやはり住民の皆さん方、またその代表である議会の方々がお決めになることですので、それが是か非かというところまでは言えません。
ただ、住民投票というかたちになると、いろんな作用・反作用も出て、難しくなることは間違いないだろうということを一般論としては言えますけれども、その是非というところまではなかなか言えません。
ですから、ご質問に答えて言えば、それが住民投票というかたちであれ、アンケートであれ、また議会で決定をされるんだというかたちであれ、それはもう、当該自治体のお決めになった手法にお任せせざるを得ないというふうに思います。
(亀岡:朝日新聞記者)
県として、例えばこういう方向・やり方が望ましいといったようなことまでお示しになるお考えは今のところないですか。
(知事)
もう今年度、この(合併特例法の)法期限も間もなく終わりますので、先ほどのご質問の後段にありましたけれども、次に向けてどうするかというときに、まだ次の場合にはどのようなかたちの合併の絵を描いていくかということが先になりますので、その中での決め方というところまでは思い至りません。
しかも今のご質問で言えば、県が頭から「投票を避けたらいいんじゃないか」とか「こういうかたちでいかがですか」ということを言うのは、やはり少し差し出がましい話だということを思います。
けれども、今回この年度末に向けてずっといろいろな動きがあった中で、それぞれの市町村がいろいろなことを感じられ、また勉強され、体験をされたと思いますので、そういうご経験というものをまたもう一度、各市町村等の担当課との意見交換ということを通じて情報収集をさせていただいて、その中でその決め方について、こういう方向が・・・というようなものが、何かコンセンサスとして出てくるのであれば、それは県の立場ということよりも全体のコンセンサスとして、そういうようなお話をまたなんらかの場で投げかけていくということはあると思いますけれども、今の時点で、決め方の手法はこうあるべきだ、ということは言うべきではないというふうに思います。
【県営施設での高齢者有料化議案の否決】
(池:高知新聞記者)
2月定例会で、県営施設の65歳以上の利用費の減免について、執行部案としては廃止。それに対して県議会は「待った」をかけたわけですね。
その後、総務部のお話では、今後とも方針については理解を求めていくということで、方針そのものは変わっていないと思いますが、財政危機への対応指針の中でもひとつ象徴的な議案として、この否決されたということに対する知事の思いと、来年度以降もこれについては継続的に対応していくのか、ちょっとお聞かせ願えますか。
(知事)
否決をされたことについては、やはり私の努力も含めて、議会への対応が不十分だったということになろうと思います。来年度以降も継続の課題として議会との意見交換を進めていきたいというふうに思います。
議会とのお話が不十分だったのではということは、今回いろんな会派の方々とお会いをして意見交換をする中で、このこともひとつの象徴的なテーマとして出されて、ご意見を伺いました。
全体的に言えば、やっぱり議会ともう少し打ち合わせをしてくれれば、例えば65歳を70歳にしていくとか、それから何年間かの猶予期間を置いてとか、いろんな手法が議論できたのではないかと。
それがいきなり、あるところでパッと切れるということに対する違和感があったのではないかというご指摘もあって、そういうことをもう少し意見交換できるかたちであれば良かったな、ということを思います。
ただ、引き続きの継続課題だということを申し上げましたのは、今後の高齢者層と働き盛りの人との人口比率ということを考えていきましたとき、20年というのは長いスパンになりますけれども、5年10年というスパンでもかなりその比率が年金者を支えるのと同じように迫ってまいります。
そういう中で、働き盛りの方だけに県の施設運営の負担をお引き受けをいただいていいかどうかということは、財政ということだけではなくて、ある種の公平性、広い意味での公平性ということからも議論の対象になるんではないかということを思います。
実際にこういう65歳以上の減免措置というものをとっておられない県もございますし、今後当然そういうこと(減免措置の廃止)を検討される県も出てくるだろうということを思いますので、そういう他県の並びでということではありませんけれども、いろいろな情報も踏まえながら、議会との意見交換は続けていきたいと。そういう課題だというふうに受け止めています。
(池:高知新聞記者)
ひとつ指摘しておきたいのは、議会から話が出たのはもちろん意見交換の不足もあるんでしょうけれども、支出の切り方として、ほかにもっと切るものがあるんではないかと。
そこが多分、議会の意見としては一番筋になる部分だし、それは十分説得力あるものだと自分も感じました。だからその部分について、「県はこういうところをもっと努力しなさい」という部分をクリアしないと、なかなか前に進まないところではないかと思うんですけども。そこの部分は、議会との意見交換とは別問題ですか? 知事としてのお考えをちょっと聞きたいんですけども。
(知事)
分かりました。
今回、私が議員の方々と意見交換をする中でお聞きをした中には、今お話のあった正論の部分ですね、本筋のところではない話が非常に多かったものですから、今のようなお答えの仕方をしました。正論という面で言えば、おっしゃることは正論でございますし、当然そういうことは努力をしていかなければいけないと思います。
ただ、その際にはコストとしてもっと切れるものがあるんではないかというご議論と、一方でもっと増収を図る面があるんではないかと2通りのことがあって、それぞれが個別に入っていって、増収ということで、例えば税の徴収だとかいうことになってまいりますと、これはもうコストパフォーマンスで当然やらなければいけないことですけれども、難しいということもあります。
ですから、そういう個別のことで比べる議論ですと「じゃああれはどうなってるんだ」「これはどうなってるんだ」ということになると思いますので、全体として、もっとコストダウンを図るべきものがある、幅広く言えば公共事業でももう少し知恵を絞ることによってコストダウンを図り、それでできる面があるんではないか、というようなことは当然でございますので、そういう正論の部分にはお応えをする努力をしていかなければいけないというふうに思います。
【山林購入】
(池:高知新聞記者)
話は全然変わるんですけども、以前知事がウェブログで「山主になります」というタイトルの文章を書かれていたんですが、もうちょっと経過をお聞きしたいと思います。ちょっと聞くところによると、2月末あるいは3月で代金の支払いが済むように聞いてましたけど、現在どうなってますでしょうか。
(知事)
いつの段階でお支払いをしたかは今定かではないですけれども、お支払いをしております。
(池:高知新聞記者)
どの辺りにどのぐらいの広さでというのは?
(知事)
行政区域は土佐山田町ですね。広さまではちょっと明確に覚えておりません。
(池:高知新聞記者)
おいくらぐらいで購入されたんですか。
(知事)
200万円台です。
(池:高知新聞記者)
今後間伐とか、知事が当初おっしゃられていた山林への関心を高める活動を具体的に何か、さっそく山に行ったとか、そういったことはもう既にされましたか?
(知事)
それはまだしておりませんが、山を購入したということで、「ぜひボランティアで行くし、また人も連れて行くので一緒にそういうことをやりましょう」という呼びかけはいただいております。
また、仲介に入っていただいたのは、南国国見の森林組合でございまして、森林組合の理事さんからもそうした呼びかけをいただいておりますので、別に大々的に日を決めてということではないですけれども、一度そういうお手伝いをしてくださる皆さん方と行って仕事をしてみたいとは思っています。
(池:高知新聞記者)
ひとつ公約履行ということでしょうか。
(知事)
それほど大上段のものではございません。
【政策総合研究所】
(浜田:高知新聞記者)
政策総研((財)高知県政策総合研究所)のことなんですけれども、この3月末で廃止になるということで知事公約からスタートしたんですが、ずっと県議会の方から「研究内容が県政に反映されてないんじゃないか」と言われてきたと。
それは、毎年毎年研究成果を個々に発表していって、いつの間にかそういうかたちが定着をして、それが要するに議会などから「県政に反映されてないんじゃないか」というふうに言われたんではないかと思うんですけれども。
知事としては毎年毎年こなしていくんではなくて、もっと大きな視点で県政への提言をしてほしかったんではないかとか、この13年間の活動を閉じるにあたっての知事の政策総研に対する考え方をちょっとお聞きしたいんですが。
(知事)
それは、当然県の中では日々の仕事に追われてなかなかできないような、長期的な視点も踏まえての県の将来像を考えてもらう、またそれを示してもらうということがひとつの大きな目的でした。
ただ、今のご質問になぞらえて言えば、そういうことを考えるといってもなかなかご理解がいただけずに「何をしてるのか分からない」と、こういうご質問がくるわけで。であれば、やはり毎年毎年やってきたものをかたちとしてリポートをお示しをしていくということがやっぱり必要というか、せざるを得ないということになって、リポートを出したということになろうと思います。
そのリポートに対してまた「それでは何を実現しているのか」ということになったのではないかということですけれども、そういう流れは、分からない・見えないというご議論がある以上、予算を使っていて非常に残念なことではありますけれども、やむを得ないことではなかったかということを思います。
ただ、人的なつながりによる新しい動きだとか、具体的な提案が活かされた事例というのはいくらでもあると私は思いますし、最近で言えば鹿児島の木材市場を新しいかたちとして取り入れるというふうなものも、政策総研から出てきたものでございますので、そうした新たな試みへの提案というものも、いくつも出てきていると。
そういう意味では、それは当初考えていたような、のびのび自由にということには、予算を使う中でなかなかならなかったですけれども、いろんな制約の中でよく頑張ってやっていただけたと。またその中で県の職員をはじめ人材の育成ということでも、様々な人材が育ってきているということを自分は思います。
【平成17年度の人事異動(3)】
(岡林:高知新聞記者)
今回の人事の中で、サプライズという部分があったのかなと、個人的に考えています。ひとつは先ほど言われた割愛人事。もうひとつは課長級から部長級への昇任、こういうのは県政の中で非常にめずらしいことだったと思うんですけど、これはもう知事自身が「この方を」という思いがあってやられたというふうに考えてよろしいんでしょうか。
(知事)
私が提案をして決めたということは間違いないです。人事の案としてそういうものが描かれて「これでよろしゅうございますか」と聞かれたわけではないということで言えば、ということです。
ただ、最初から、この部署はこの人に、ということを私が人事の打ち合わせが始まる前段で言ったというわけではなくて、いろいろな人と組み合わせを想定して、部局長人事、また副部長人事を進めました。その中で、いろんなやりくりから「ここをやってもらうのであればこの人にしよう」ということを、私が最終的に申し上げたということになります。
(岡林:高知新聞記者)
ご相談を受けてとかいうことではなくて、知事自身のお考えでお決めになられたわけですか。
(知事)
例えば課長級の方ということであれば「この人を部長にどうですか」と、ほかの人から、ほかの人というのは県の職員という意味ですけれども、提案があってということではなく、それは私が、ということになります。
(岡林:高知新聞記者)
職員から、ということではなくて、ご自身がお考えになられてご自身が決定したということですか。
(知事)
そうです。
(吉川:テレビ高知記者)
予定の時間を過ぎていますので、よろしいでしょうか。
ありがとうございました。
(知事)
ありがとうございました。