知事の定例記者会見(平成15年9月議会)

公開日 2007年12月08日

更新日 2014年03月16日

知事の定例記者会見(平成15年9月議会)

平成15年9月18日9時00分から(県庁二階第二応接室)

(項目)
 ・9月議会の補正予算と条例
 ・4期目に向けた考え方と政策づくり
 ・三役の退職金条例の修正
 ・今後の政策づくり
 ・知事選挙での無投票
 ・自民党の総裁選
 ・政策案の具体
 ・日高村のエコサイクルセンターへの対応


(宮原:読売新聞社記者)
 それでは、知事のほうから、9月議会に提出する議案の説明を、よろしくお願いします。

(9月議会の補正予算と条例)
(知事)
 9月の定例の県議会を9月24日に招集することにいたしました。提出をいたします議案は、一般会計補正予算と条例議案など、あわせて19件でございます。
 このうち、一般会計の補正予算では、5月の豪雨や、台風によります災害、被害に対します災害復旧などに42億円を計上しております。

 また、高知工科大学など県内外の大学と企業、そして工業技術センターが連携して進めております地域結集型の共同研究の事業、これは次世代型の情報デバイス(コンピュータシステムの中で特定の機能を果たす装置)の技術開発をするものですけれども、

このために必要な研究室、クリーンルームでございますが、これを高知工科大学の新棟の中に整備をする予算、また、スポーツキャンプの誘致などのために春野総合運動公園の施設の中に機材等を整備をする予算などを計上しております。
 一般会計補正予算は、あわせて61億円でございます。

 また、条例議案では、一般職の職員の退職金を引き下げることに関します条例の改正案、また、法人事業税への外形標準課税の導入に伴います県税条例の改正案などを提出することにしております。
 提案につきましては、以上のとおりでございます。
 
(4期目に向けた考え方と政策づくり)
 併せて、黙っていてもご質問を受けると思いますので、加えて申し上げますけれども、私ももう間もなく3期目の終わりを迎えようとしております。任期の終わりを前に、9月24日の議会開会の提案理由説明の中で、4期目に向けましての自分の考え方、姿勢というものを明らかにしたいというふうに思っております。
 また、詳しい内容については、その議会初日の議会閉会後に会見を開いてお話をするようにしたいと準備をしております。
 私からは以上でございます。
 

(宮原:読売新聞社記者)
 各社、何か質問があれば、自由にお願いします。

(関谷:毎日新聞社記者)
 24日は、公約も含めてということですか?

(知事)
 政策づくりをいろんな形で進めております。
 自分なりにまとめたものが、まあ文章を含めてですけれども、ございますので、それを政策の案としてご説明をして、その後、広く県民の皆さんにもそれをお示しをして、いろんな議論をいただいて最終的な形をまとめる、という手順を踏んでいきたいと思っています。

 これまでも申し上げてきましたけれども、ただ単に「これが政策ですよ」「お約束ですよ」と言って一方的にお示しをするのではなくて、そういう政策づくりにも、少しでも、県民の皆さんの声が反映をされていくような形がとれないかなあということを思い続けておりましたし、

ここ数カ月もそういう思いで地域の懇談会も進めてまいりましたので、それを踏まえてまとめたものを公表というか、少しでも知っていただけるような形でお知らせをして、それに対するいろんなご意見をいただき、まとめる、という手順、プロセスを踏んでいきたいと思っています。
 

(松浦:朝日新聞社記者)
 現時点での…、夏休みなんかは、知事、地域懇談会なんかに参加されてらっしゃったんですけれども、その成果のようなものを簡単にお願いします。

(知事)
 一言では、それは言えません。いろんなご意見をいただいておるので、それをまとめるということが精一杯ですので、成果がどうだということで言えることではありません。

 ただ、こちらに来た最初の時も、1期目から、ずっと地域の懇談会というのは様々な形で開いておりますが、「何をしてくれ」「あれをしてくれ」というお話はもちろん今もあります。けれども、「何をしてくれ」「あれをしてくれ」という言い方よりも、「自分達がこういう事をしたい」と、

だけど、「こういう事をしたいんだけれども、こんな事が障害になってる」とか、「こういう事をやりたいけれども、もう一押しこういう事があるといい」というようなご意見が非常に多くなってきたと思いますし、

それから、年代的にも、中堅から若い層の方々が前向きにご自分の意見をどんどん言われるというようになりました。私は、このことは、この10年余りの大きな変化ではないかと思います。

 高知県だけではなくて、全国的にもそういう変化があるのかもしれませんけれども、少なくとも、高知県で、自分が知事として県民の皆さんと関わってくる中では、大きな…、地域の皆さん方の意識というか、思いに、今申し上げたような意味での変化があるということは思いました。
 

(三役の退職金条例の修正)
(宇野:NHK記者)
 知事、副知事(、出納長)の退職金の件はですね、議会の方で修正案が出される見通しかと思うんですが。
 これ、可決された場合ですね、一応、制度的には知事に再議権というのがあるかと思うんですけれども、どのように対応されるお考えでしょうか?

(知事)
 いや、それはもう、議会のご判断にもちろんお任せをいたします。
 

(宇野:NHK記者)
 その結果を尊重するということですか?

(知事)
 尊重というか…、もう、議会にお諮りをして、議会で、審議でご議論をいただいて結果をいただいておりますので、その議会の結論が結論、県としての結論だというふうに思います。
 

(今後の政策づくり)
(松浦:朝日新聞社記者)
 公約づくりの方へまたちょっと戻らせていただきますけれども、自民党さんの方とは…、自民党さんも近々、政策、公約のようなものを発表されるということで、知事にも見せたいというお話があり、昨日も(県議会の会派)21県政会の方々がいろいろと要望などもされてましたが、各会派の方ともそれぞれ話を聞いたりということはされてきたんでしょうか。それとも、今後される予定などはあるんでしょうか?

(知事)
 ええ、これまで特に、各会派に、正式な形で会派としてのお考えを聞くとかいうことはしておりません。

 今日、自由民主党は、山本政調会長をはじめ、何人かの議員の方がお見えになって、党としてのお考えを聞かせていただくということでございますので、当然、今後、各会派のいろんなご意見というものも、県民のご意見の一つでございますので、そういうものも、また自分なりの考え方の中に取り入れていくことができればと思います。
 

(市川:共同通信社記者)
 それで、この24日にですね、(公約の)案を発表されて、県民の声を広く聞きたいということですけども、そうすると、その後、その案はさらに変えていくというふうにお考えですか?

(知事)
 ええ、(変えて)いくこともあり得ると…。
 だから、一方的に「これが最終結論ですよ」というふうにお出しするのではなくて、先ほども申し上げましたように、よく「マニフェスト」ということが言われますけれども、単に「お約束事です」と一方的にお出しをするんではなくて、最初の出だしの時点から、もう少し県民参加という形を作っていけないかなあと。

 実質的にどれだけの県民参加ができるかどうか分かりませんけれども、少なくとも窓口を開くということでは、そういうプロセスをとっていきたいというふうに思いますので、今のご質問へのお答えで言えば、その中の内容が変わっていくこともあり得る、また付け加えることもあり得ると思います。
 

(宇野:NHK記者)
 その、県民が参加する方法なんですけれども、例えば知事のページに公開して県民の意見を聞くとかになりますか?

(知事)
 ええ、もちろん、自分の(個人の)ホームページにはアップをして、公開をいたします。
 

(宇野:NHK記者)
 それ以外に、特に何かお考えでしょうか?

(知事)
 それ以外も、まあ、何らかの形でやっていこうと思ってますが、今の段階で、何月何日に何をしてというところまでは、ちょっと具体的にしておりません。
 

(池:高知新聞社記者)
 すみません。確認ですが、公約の内容というのは、「4期目の4年間でこれをやりたいんだ」という内容になっているんでしょうか?

(知事)
 ええ、公約というか…、これまでも振り返ってずーっと自分で文章を書いておりますので、相当長いもの…、まあ相当長いというか、通常の、例えば最近のマニフェストみたいな形で「何をやります」「何をやります」という箇条書きのものとは少し違った形のものになっております。
 しかし、内容的には、今ご質問のあったような事にお答えをする内容になっております。
 

(宮原:読売新聞社記者)
 公約をまとめるというのは、その目途としていつぐらいをお考えですか?

(知事)
 最終的なもの?
 

(宮原:読売新聞社記者)
 最終的なもの。

(知事)
 それは、選挙という具体的な運動が始まる前ということになろうと思います。
 

(知事選挙での無投票)
(宇野:NHK記者)
 気の早い話で恐縮なんですけれども、具体的には対立候補がいないんじゃないかという話もあるわけですけれども、知事ご自身として、このあいだ鳥取県の選挙で無投票ということで知事が再選されましたけれども、無投票ということについてはどのようなお考えをお持ちですか?

(知事)
 まあ、高知県ではそういうことは起きないだろうと、私は思います。変な意味ではございません。

やはり、無投票というのは民主主義として決していい事ではございませんので、どなたか、「そうであれば、自分が出て信を問いたい」という思いを持たれる方は当然いらっしゃると思いますし、そういう形で…。
 私は、どういう条件であれ、どういう方であれ、選挙があることが望ましいというふうに思います。
 

(自民党の総裁選)
(市川:共同通信社記者)
 知事、すみません。自民党総裁選ですけれども…。
 まあ、小泉さん優勢という情勢も伝えられてますけれども。見ておられて、何か思うことがございますか?

(知事)
 いや、あまり思うところはありません。
 単に、やや外野席的に、「小泉さんがやはり優勢だろうなあ」、「その理由もよく分かるなあ」と思いながら見ているという程度です。
 

(松浦:朝日新聞社記者)
 すみません。いま「優勢な理由が分かるなあ」というところを、知事の見解を教えていただければと思うんですけれども。

(知事)
 それはまあ、誰もが大体感じるようなことでございます。
 言葉になかなか言い表せないが、何となく雰囲気で誰もがそう感じるという意味合いでございます。
 

(政策案の具体)
(福島:KUTV記者)
 すみません、この議会開会後に公表される政策案なんですけども、マニフェストのように個々に具体的に「これをやります」「あれをやります」ということではないということなんですけども、基本政策というようなふうに考えれば…。

(知事)
 いや、そうではございません。
 私は、基本的には、今言われてるマニフェストというものにあまり…、いろんな意味で、賛成ではありません。というか、全面的に賛成ではないと言った方がいいかもしれません。

 というのは、そもそもマニフェストというのは、「あれもやります、これもやりますと言って、予算の裏付けもなく総花的にズラズラ並べるような従来の公約というのがおかしいんじゃないか」と、「きちんとできることを提示をして、検証をしていけるようにすべきじゃないか」というご趣旨だと思います。

 で、そういう意味で言えば、これまで自分は自分なりに検証できるような形で公約というか、いろんなお約束事を出してきたつもりですし、また3期目の内容については、昨年、それに対するまとめもお出しをいたしました。

 「マニフェスト」と言い出してみんなやっていますが、ご自分達がそれぞれ現役としてやられてる時に、公約としてその前の選挙で出されたものをどれだけ検証されているのかと。そういう振り返りなく、流行言葉のように「マニフェスト」と言って、みんながやるのはどうかなと思いますし、

それから、現職の知事という立場であれば、役所を使えば、いくらでも数字的な裏付けのついた資料というのは作っていけるわけですね。で、それを作って、「さあ、これがマニフェストです」と言ってお出しするのも、いささかおこがましいのではないかということも思います。

 私はもちろん、すべてのお約束というのは、きちんと検証できるような形で、あとで、「これができましたね」「できませんでしたね」と言われるような形でお示しをしていくべきだとは思いますし、そういう内容にしたいと思います。

 が、予算ということで言えば、まさに今の国と地方の関係で、まだまだ地方が自由にすべてのものを使っていけるというわけではありませんので、そういう意味で、どれだけの予算的な裏付けをつけられるかということにも疑問もございます。

 ということから、そのマニフェストそのものに全面的にもろ手をあげて賛成だということをなかなか思えませんけれども、内容的には、そこで言われているその趣旨、つまり、予算的な裏付けもそれなりにあり、また、やったかやらないかということをきちんと評価できるような、そういう内容のものをお示しをしたいと。

 ただ、箇条書きだけではなく、また、先ほど池さん(高知新聞社記者)から「向こう4年間の」というご質問がありましたが、その4年間でやるということももちろん書きますが、4年間だけではなくて、「高知県としてこういう事をしていくべきではないか」ということを自分なりの思いで書いております。

そういう意味では、「4年間だけに縛られた内容にはなってない」ということで、(先ほどの池さんのご質問に対しては、)その「4年間」ということに少し抽象的な答え方をしました。
 

(日高村のエコサイクルセンターへの対応)
(池:高知新聞社記者)
 すみません、エコサイクルセンターの件で。

(知事)
 ええ、どうぞ。
 

(池:高知新聞社記者)
 前回の会見の際には、知事は、ハード事業の上積みと、それから知事自身が村民を説得するということについては、どちらかというと否定的なご見解だったと思うんですけれども。

 その後、事態が変わって、振興策とは別枠とは言え、(仁淀川への)高架橋(設置)の上積みがあり、それと、知事ご自身が村に3回入るということ、それと、村議会にも一応、協力要請という形でお会いになったそうですけれども。

 このあたり、私から見ると、知事がご自身の政治的な信念と現実の間で折り合いをつけたのかなという気もするんですが。
 そのあたり、その考え方が何か変わったとか、あるいは「こういうふうに思ったからこう行動したんだ」というところを説明していただけませんか。

(知事)
 「信念と現実との折り合い」ということではないですけれども、「折り合い」ということでは、自分なりのこれまで考えてきたことと現実的な状況との折り合いはつけたというふうに見ていただいていいと思います。

 私は、振興策というのはあくまでも13の事業でお示しをしたことだと思いますけれども、あわせて、やはり、「県と村が一緒になってこの事業を進めていく」というスタート台には一緒の立場でつかないと、ここから先、エコサイクルセンターを村民の皆さんにお認めをいただくということをお願いをする時に、なかなか、村民から見た目として、しっくりこないものがいつまでも残るのではないかということを思いました。

 ですから、「形だけ違えただけだ」というご批判だとか評価はあろうと思いますけれども、振興策は振興策として、それから、もしエコサイクルセンターというものをお認めいただいた時には、その事業を、より効果的に、効率的に進めていくためにあの橋(高架橋)が必要だということを判断をして、事業として盛り込みました。

 それから、村に出かけるというのは、もちろん「オール・オア・ナッシング」(どんどん出かけていくのか、全く出かけて行くつもりがないのか)でお答えをしたわけではなくて、村に出かけて直接お話をしていくということも必要だと、もちろん思いました。

 ただ、例えばすべての説明会に出ていって、どんどん、どんどんまわっていくということが果たしてプラスかどうかとか、村民の求められるものかどうかとかいうようなことも自分なりに思いますし、そこはそこで、担当の部署の職員の人も一生懸命やってくれているわけですから、

日頃のそういう努力は担当の職員に頑張ってもらって、そしてプラスアルファとして、自分としてできるときは出て行くということでございますので、そこはそんなに、自分の考え方を何かと折り合いをつけたということではありません。この3回以外にも、何かの機会でお話があれば、行こうというふうに思っております。

 それから、村議の方々のことも、これはまあ、周辺でいろいろご努力をいただいてる方から「是非に」というお話もあり、いろんな事を勘案して…。最初は正直、躊躇をいたしました。

 けれども、いろんな方のお話を聞いて、「自分が躊躇をして不安に思ったことはそれほど不安に考える必要がない」というふうに自分でも判断をしましたので、であれば、せっかくお会いをいただけるのであれば、村議の方々にもお話をして、県としての立場をご説明をして、この事業が進むように要請をすることがいいと…、今のタイミングで時期としていい、というふうに自分なりに判断をしました。
 

(池:高知新聞社記者)
 仮に、1票差であっても、住民投票が反対の結果に終わった場合、県はそれを撤回するということでかまいませんか?

(知事)
 それはちょっと、この場では何とも言えませんね。その、1票差というような象徴的なことを、今の段階から…。
 あり得ないことではないと思いますよね。確率的にあり得ないことではないと思いますけれども、あまりにも象徴的なことを、まだ、この場で申し上げるのは早過ぎると思います。

 それは、当然、そういう事態が起きた時にどうしていくかという県としての考え方は持っていなければいけないと思いますけれども、今の段階でまだ、そういう県としての考え方をきちんとまとめているわけでもございませんし、いわんや、外に向けてそういうご質問へのお答えを言うべき時期ではまだないと思います。
 

(池:高知新聞社記者)
 基本線としては、住民投票の結果は尊重するという?

(知事)
 ええ、それは、投票条例の中でも、村長さんがその結果を尊重しなきゃいけないということになっております。
 「村長さんが‥」ということは、当然、村としてその結果を尊重されるということですから、それを押して県が事業をすすめるということはないというふうに思う…、思うというか、ございません。
 

(宮原:読売新聞社記者)
 他にありませんか?

(須賀:高知新聞社記者)
 知事、県議会初日の記者会見というのは、閉会後の会見というのは、午前中を予定しているものなんですか?(議会に)引き続いてということですか?

(知事)
 ええ、ほぼまあ引き続いて、と考えております。
 

(須賀:高知新聞社記者)
 わかりました。

(宮原:読売新聞社記者)
 じゃあ、いいでしょうか?
 ありがとうございました。

(知事)
 はい、ありがとうございました。
 


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